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保育所における発達相談--今日的意義と課題

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Academic year: 2021

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87 Ⅰ はじめに  2002 年に文部科学省が実施した「通常の学級に在籍 する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全 国実態調査」によれば,小・中学校に在籍している生徒 のうち“知的発達に遅れはないものの,学習面や行動面 で著しい困難を持っている”と担任教師が回答した児童・ 生徒の割合は 6.3%であった.この数値はあくまでも教 育場面での評価であり,診断は受けていないが,通常学 級に在籍している児童・生徒の中に,学習障害,注意欠 陥多動性障害,広汎性発達障害の子どもたちが在籍して いる可能性を示している.このことは,就学前の保育現 場においても集団に適応しにくく,さまざまな困難を抱 え,個別的配慮が必要な子どもが,1クラスに1人か2 人いることになる.  いわゆる知的に遅れがない発達障害児は,特に周囲の 理解が得られにくく,保育現場では一人他児と異なる行 動をとったり,指示になかなか従うことができず,叱責 を受け,叱責を受けることで,自尊感情が傷つけられ, さらに不適応をきたす二次障害も指摘されている.それ ゆえ,乳幼児期からの子どもに対する正しい認識を持ち, 子ども一人一人の特性に合わせた対応が重要である.筆 者は現在保健センターの発達相談者として,幼稚園・保 育所の保育現場で発達相談を担当しており,個別的配慮 が必要な子どもが年々増え,発達相談へのニーズが増し ているように感じている.保育現場における発達相談の 意義と課題について検討する. Ⅱ 保育現場における発達相談 1.背景  1947(昭和 22)年に学校教育法が制定され、法律上 は障害児を含むすべての学齢児が就学できるようになっ た.しかし知的障害児の義務化はなされず、養護学校の 幼稚部も設置されなかった.国公立における障害のある 幼児の就学は,1963(昭和 38)年に東京教育大学附属 大塚養護学校に幼稚部が設置され実現した.また,児童 福祉法に基づく保育所の入所基準においても障害児は 「保育に欠ける」対象から除外され,障害のある幼児は         2009年12月4日受付/2010年1月20日受理 Fumiaki SAEKI 関西福祉大学 社会福祉学部

原 著

保育所における発達相談

-今日的意義と課題-

A child’ s development consultation in nursery school - The present significance and subjects -

佐伯 文昭

要約:保育所における発達相談は,障害児保育の発展の中で一定の役割を果たしてきた.2007 年4月から 特別支援教育が始まったが,特別支援教育はこれまでの特殊教育の対象だけでなく,学習障害,注意欠陥 多動性障害,高機能自閉症も含めて障害のある児童生徒に対して,その一人一人の教育的ニーズを把握し, 適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うものである.保育所においても,障害の有無に関わらず個別 的配慮を要する幼児が増えているという状況が見られ,より一層の充実が求められている.本論文では, 障害児保育と保育現場における発達相談の歴史,発達相談の方法を概観し,発達相談の今日的意義につい て検討した.その結果,発達相談は種々の支援機能を持ち,その機能を充実させるためには,発達相談者 がより専門性を習得することが必要であり,発達相談者の養成(研修)システムや資格の国家資格化を検 討することが望ましい. Key Words:障害児保育,発達相談,保育カウンセラー,支援,国家資格

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88 幼稚園,保育所から排除されていた.  幼稚園における障害児保育は,1969(昭和 44)年の 特殊教育研究調査協力者会議による提言「特殊教育の基 本的な施策の在り方について」,1971(昭和 46)年の中 央教育審議会の答申「今後における学校教育の総合的な 拡充整備のための基本施策について」等を受け,1972 (昭和 47)年に文部省(現,文部科学省)が「特殊教 育諸学校幼稚部学級設置 10 年計画」を策定した.しか し 1973(昭和 48)年 11 月に「学校教育法中養護学校に おける就学義務及び養護学校の設置義務に関する部分の 施行期日を定める政令」が公布され,1979 年度から養 護学校教育が義務教育になることが確定した.養護学校 が義務化されたものの,幼稚部はその対象とされず設置 校はごく少数であり,就学率はきわめて低い状態であっ た.  その後制定された私立学校特殊教育補助制度により私 立幼稚園において障害児の就園が向上し,幼稚園におけ る障害児保育は徐々に拡大していった.  保育所における障害児保育は 1974(昭和 49)年に, 厚生省(現,厚生労働省)が「障害児保育事業実施要綱」 を策定し,公式に認可された.同じく 1974 年に,精神 薄弱児通園施設(当時の呼称)の対象児に関する「6 歳 以上で就学猶予・免除を受けた者」という規定が撤廃さ れ,通園施設は障害乳幼児施設へと転換していった.さ らに,1979 年には「心身障害児総合通園センター」が 制度化され,学校教育法で規定されていた「盲・聾・養 護学校幼稚部」と,障害児を徐々に受け入れてきた幼稚 園と合わせ,障害児保育の場は拡大されていった.  障害児保育は,教育の場合と異なり,専門施設での療 育と保育所・幼稚園における統合保育がほぼ同時に始 まっている.当初は,在宅障害幼児をなくし,早期保育・ 療育を充実させることに重点が置かれ,それぞれの機関 の役割分担が明確にされずに実践が進められてきた.こ のような経過で統合保育が始まり,保育士の障害児保育 に対する専門的知識や経験が乏しかったこともあり,発 達相談へのニーズが高まった.  厚生労働省は,近年の子育てに関わる問題への対応策 として新たな施策を次々と打ち出し,子育て支援への取 り組みの方向性を示している.  1995(平成7)年に,厚生省(現,厚生労働省)は「緊 急保育対策等5カ年事業」を掲げ,保育現場における相 談助言事業が開始された.  2000(平成9)年には,少子化問題や育児不安の増加 に対して「健やか親子 21」を策定し,“子どものこころ 安らかな発達の促進と育児不安の軽減”を課題の一つと している.また,2003(平成6)年には「次世代育成支 援対策推進法」が公布され,“次代の社会を担う子ども が健やかに生まれ,かつ,育成される環境の整備を図る ため”など,国,地方公共団体(市町村および都道府県), 事業主が一体となって子育て支援に取りくむ基盤を作り 上げるために必要な措置が講じられた.  また,同年,「少子化社会対策基本法」も施行され,“家 庭や子育てに夢を持ち,かつ,次代の社会を担う子ども を安心して生み育てることができる環境を整備し,子ど もがひとしく心身ともに健やかに育ち,子どもを生み育 てる者が真に誇りと喜びを感じることのできる社会を実 現し,少子化の進展に歯止めをかけること”を課題とし てあげている.  このように,保護者の子育てを社会で支援するという 理念に基づいて,現在,子育て支援の体制づくりが進め られている.  子育て上のニーズには大きく分けて,子どもの成長・ 発達に関わるものと保護者(主に母親)自身に関わるも のの2つがあげられる.上述した「健やか親子 21」にお いても,子育て支援の観点から乳幼児健診等地域保健に おける早期発見・早期療育,保健指導の見直しの必要性 があげられている.  また,2005 年に施行された「発達障害者支援法」では, 発達障害の早期発見,早期の発達支援,その他の支援が 行われるよう,国及び地方公共団体にその措置を講じて いる.また,同法により乳幼児健診・発達相談において 発達障害の早期発見に十分留意するとともに,都道府県 および市町村は,児童相談所等関係機関と連携を図りつ つ,発達障害者の家族に対し,相談や助言等の支援を適 切に行うよう努めなければならないとされている. 2.具体的な動き 1)保育カウンセラー導入の提案  2004(平成 16)年の中央教育審議会幼児教育部会 において,保育カウンセラー導入の提案がなされた. 議事録には「カウンセリングを行う専門職種の配置」 について,“発達障害など特別な支援が必要な幼児へ の対応の課題や家庭における子育て機能の低下等の問 題がある中で、保護者に対する子育て相談やカウンセ リングの実施が重要になっており、そのためには教員 自身の専門性の向上や専門家の助力が必要である.”

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89 と記載されている.また,無藤委員の資料「保育カウ ンセラーの専門性」とともに,「保育カウンセラーに よる幼稚園教諭・保育士や保護者への支援の内容」と 題して,その趣旨・必要性について,次の4点が挙げ られている. (1)保育の質の高度化のための外部の専門家の支援が 必要. (2)保育の中に特別支援や心理臨床的支援の必要な子 どもが増えてきており,幼稚園教員や保育士だけ では対応が困難になってきている. (3)家族援助と保育・発達支援を組み合わせていく必 要がある. (4)乳幼児の教育・保育においては,特にその発達的 特性を考慮した援助が不可欠であり,従来の臨床 心理士等の訓練では対応しきれない.  また,幼稚園教諭・保育士の学部教育では,カウンセ リングや発達支援等の訓練とともに「保育カウンセラー」 についての説明がなされている.  さらに,保育カウンセラーの専門性について,次の4 点が必要ではないかと述べている。 (1)カウンセリングやソーシャルワークの技術的な面. (2)乳幼児期において様々な発達のトラブル,つまず き,障害等があり得るので,その多様性を理解し, そのおのおのについて何をしたらいいかという援 助の知識を持っていること. (3)それを現実の幼児教育場面に生かすために,乳幼 児の教育や保育の実践をよくわかっていること. (4)親への援助,また家庭背景が幼稚園でのお子さん の行動と深くつながるので,背景としての家族関 係の理解,また家族援助というものの在り方の理 解というようなことが少なくとも必要ではない か.  通常,発達相談は「臨床心理士」によって行われるこ とが多い.しかし,「臨床心理士」は,正式な国家資格 ではなく,財団法人日本臨床心理士資格認定協会による 資格であり,任用においての法的拘束力は持っていない. 2)保育カウンセラー等の導入 (1)東京都文京区他  東京都文京区では,2002(平成 14)年度からす べての区立幼稚園と保育所に「子育て支援カウンセ ラー」を派遣している.また,2003(平成 15)年 度には,大阪府で所管する私立幼稚園に「キンダー カウンセラー」を派遣する事業を立ち上げている. (2)東京都日野市  滝口(2008)によると,東京都日野市は 2004(平 成 16)年度,文部科学省の「新しい幼児教育の在 り方に関する調査研究」の指定を受け,「家庭教育 及び地域社会における子育て支援の充実」,保育カ ウンセラーや特別支援教育を視野に入れた巡回相談 などの「子育て支援体制検討委員会」や「幼児教育 プログラム検討委員会」などを設けた.そして,子 育てや保育がより豊かになるように,保育カウン セラーを試行的に公立幼稚園5園中3園に配置した. 2005(平成 17)年度からは,全公立幼稚園と私立 幼稚園との7園に , 月2回 ,1 日7時間,公立保育所に は保育者への巡回相談という形で,保育カウンセ ラーの派遣が始まった.  上述したように,2004(平成 16)年度の中央教 育審議会の幼児教育部会で新たに「保育カウンセ ラー」を導入することが提案された.また,2005(平 成 17)年度より,文部科学省は「幼児教育支援セ ンター事業」を実施し,21 地域に保育カウンセラー 等の専門家からなるサポートチームを組織し,支援 体制の整備を行っている.その施策の概要は子育て に不安を抱える保護者等へのカウンセリング等を行 う「保育カウンセラー」等からなるサポートチーム を市町村教育委員会に設け,幼稚園等施設や家庭, 地域社会における教育力を支えるための体制を整備 するとされた.また,その効果としては身近な幼稚 園において保育カウンセラーによる相談活動を行な うことにより,気軽に相談に応じる体制が整い,保 護者の子育て等の悩みの軽減が見込まれるとされて いる. 3.保育カウンセラー 1)定義および資格  冨田(2007)は,保育カウンセラーの定義として, “保育現場に経験があるかまたは保育現場に精通し ていて,カウンセリングの基礎理論や基本技法を学 び,現場にあって直接的にカウンセリング活動を行う 立場の,カウンセリング資格を持った人材を保育カウ ンセラーと定義します.”と述べている.また,保育 カウンセラーの資格について,冨田(2009)は,“現 在,保育カウンセラーとして保育現場で活躍している 人も,保育カウンセラーという資格を有しているので

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90 はなく,心理の専門家や臨床心理士や臨床発達心理士 などの一般のカウンセラーやセラピストがその役割を 担っているのが現状です.今後は保育内容を十分に理 解し,保育の特殊性・独自性をいかした保育現場のニー ズに対応できる保育カウンセラーの育成が必要になる と述べ,保育カウンセリングの専門家(保育カウンセ ラー)の育成と保育者のカウンセリング研修が保育界 の大きな課題となる”と述べている.  2007(平成 19)年の第 60 回日本保育学会学会企画 シンポジウムⅣ「保育の質を高める保育カウンセラー の条件」において,新澤は,保育カウンセラーの条件 として,(1)保育を理解できる,(2)子どもを総合 的に理解できる,(3)地域の子育てに関する社会的 資源を活用できる,(4)日常的な活動で子どもや親 と心がふれ合える,(5)職員集団に溶け込みチーム の一員になれる,(6)子どもや職員に対する肯定的 な理解と保育についての対話力の6つを挙げている.  なお,全国私立保育園連盟では,1993(平成5)年 から「育児カウンセラー養成講座」を開催している. その後、保育カウンセラー養成講座と改名し現在に 至っている. 2)保育カウンセラーの役割  中央教育審議会幼児教育部会(2004)は,保育カウ ンセラーの職務内容を以下のように示している. (1)保護者への専門的援助  ⅰ)乳幼児の養育者を対象として,子育て相談等 を受ける,ⅱ)虐待を未然に防ぐための啓発活動,ⅲ) グループ指導 (2)幼稚園教員・保育所保育士への専門的援助  ⅰ)保育の改善への心理面からの助言,ⅱ)障害 のある子どもの保育,ⅲ)個に応じた指導と評価,ⅳ) 園内における子育て支援の進め方,ⅴ)子育て相談 のスーパーバイザー  そして,上述の職務内容を行っていくために求め られる専門性として,以下の4つの項目を挙げてい る. ⅰ)カウンセリング技術とソーシャルワーク技術, ⅱ)乳幼児の発達のつまずきとその援助の知識,ⅲ) 乳幼児教育・保育実践についての理解,ⅳ)家族関 係とその援助についての理解  なお,図1に保育カウンセラーの専門性を示した. 3)スクールカウンセラーとの違い  冨田(2009)は,スクールカウンセラーの主な職務 内容が「児童・生徒へのカウンセリング 」 であるのに 対し,保育カウンセラーの職務内容には 「 乳幼児への カウンセリング 」 が含まれていないことを挙げ,決定 事項ではないと言いながら,スクールカウンセリング のような面接室でカウンセラーが児童・生徒へのカウ ンセリングを乳幼児対象には行えないと言っている. さらに,問題を抱えた子どもたちの支援を従来のカウ ンセリングの技法では対処できない特別な発達課題の 中にある子ども達へのカウンセリングであり、特殊性 があると言い,保育カウンセリングの特殊性として, (1)対象者の発達課題が違う,(2)養護と教育と いう視点で展開される活動であるの2点を挙げている.  また,大靏(2008)は,“スクールカウンセラーとは, 園全体を見立てること,教員との協力関係を築くこと など多くの共通点はある.しかし大きな違いは子ども が自発的に来談するかどうかである.子どもへの直接 的な心理的援助というよりは,子どもを援助する保育 者や保護者への間接的援助を考えていくことが最も重 要な仕事である.”と指摘している. 図1 保育カウンセラーの専門性 (中央教育審議会初等中等教育分科会資料より)

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91  両者とも保育カウンセラーは,スクールカウンセ ラーとは子どもへの直接的援助に関して異なると指摘 している. Ⅲ 保育現場における発達相談の実際 1.巡回相談  保育現場における巡回相談について,浜谷ら(1990)は, 巡回相談を“専門機関のスタッフが保育所を訪問して, 子どもの保育所での生活を実際に見たうえで,それにそ くして専門的な援助を行うこと”と規定している.全国 の保育所実態調査報告書(2008)によると,障害児加配 保育士を配置している保育所が 75.5% であり,その保育 所が配慮を必要とする子どもに関して行っている家族支 援の内容は,子育て相談が 80.3%,専門機関や相談窓口 の紹介が 65.6%,専門職の巡回相談が 44.5% であった. 2.巡回相談の手順とコンサルテーション課程  浜谷(2009)は,巡回相談の実務的な手順として,図 2の「巡回相談の実務的な手順とコンサルテーション課 程」を揚げている.  その手順として, 1)担任保育者と職員が相談依頼書を作成し提出する. 担任は対象児の状況(育ちと障害に関する内容・療 育歴・入園時の状況など),クラスの状況(担任と 担当の役割,子どもたちの状況など),家庭状況と 保護者の考えなどを記載した依頼書を作成する.と くに,対象児の状況については,最近の様子・それ までの保育の取り組み・指導上困っていることを詳 細に記載する.また,保護者からは,生育歴,入園 前の様子,家庭を含む園外での様子,園に望むこと に関する記録と意見が提出される. 2) 相談員は,相談依頼書を読み,相談主訴がどのよう に生じているかに関する仮説を立てて相談当日にの ぞむ. 3) 相談員は,相談主訴に対応して保育のどういう状況 を観察するのかを打ち合わせる. 4) 保育場面(設定場面・自由遊び・生活場面の異なる 3つの場面など)の行動観察を行い,対象児の発達 と障害,保育者の関わり,対象児と他の子どもの関 係等について情報を収集する. 5) 担任保育者の同席のもとで,別室で発達検査(新版 K 式発達検査)を実施する.  筆者も浜谷とほぼ同じ方法で,発達相談を実施してい る.浜谷も触れているが,相談の場において,担任がク ラスとは異なる子どもの姿を見て,子どもを捉えなおす きっかけになることも稀ではない. 3.巡回相談の支援機能  浜谷(2005)は,巡回相談の特徴,支援機能,支援の 構造を分析し,米国のスクールコンサルテーションと比 較して,以下の4点の特徴をもつことを明らかにしてい る.  1)保育者を介して子どもに心理的なサービスを支給 するという間接支援の形式をとる,2)相談員と保育者 の共同的関係を重視する,3)子どもの発達に関するア セスメントを重視する,4)保育者が実行可能な助言を 行う.  そして,保育者の巡回相談に関する自由記述をもとに 27 項目からなる質問紙を新たに作成し,保育者による 評価(N=241)を因子分析し,巡回相談が,1)保育方 針の作成,2)障害などの理解,3)保育意欲,4)保 育成果の評価,5)協力連携,6)クラスの他児への保育, という6つの支援機能をもつことを明らかにしている.  また,保育者が保育の状態が適切かどうかを判断する ときにアセスメントが参照され,保育方針を作成すると きに助言が参照されるという構造を明らかにしている.  さらに,浜谷(2009)は,巡回相談の支援機能につい て,図3「巡回相談による保育実践への支援モデル」を 用いて以下の3つの支援を説明している. 図2 巡回相談の実務的な手順とコンサルテーション課程 (浜谷,2009) 7    ࿑ 㧞  Ꮌ ࿁ ⋧ ⺣ ߩ ታ ോ ⊛ ߥ ᚻ 㗅 ߣ ࠦ ࡦ ࠨ ࡞ ࠹ ࡯ ࠪ ࡚ ࡦ ⺖ ⒟ ᵿ ⼱ 㧘  ߘ ߩ ᚻ 㗅 ߣ ߒ ߡ 㧘 1) ᜂ છ ଻ ⢒ ⠪ ߣ ⡯ ຬ ߇ ⋧ ⺣ ଐ 㗬 ᦠ ࠍ ૞ ᚑ ߒ ឭ ಴ ߔ ࠆ 㧚 ᜂ છ ߪ ኻ ⽎ ఽ ߩ ⁁ ᴫ㧔 ⢒ ߜ ߣ 㓚 ኂ ߦ 㑐 ߔ ࠆ ౝ ኈ࡮≮ ⢒ ᱧ࡮౉ ࿦ ᤨ ߩ ⁁ ᴫ ߥ ߤ 㧕㧘ࠢ ࡜ ࠬ ߩ ⁁ ᴫ㧔 ᜂ છ ߣ ᜂ ᒰ ߩ ᓎ ഀ 㧘ሶ ߤ ߽ ߚ ߜ ߩ ⁁ ᴫ ߥ ߤ 㧕㧘ኅ ᐸ ⁁ ᴫ ߣ ଻ ⼔ ⠪ ߩ ⠨ ߃ ߥ ߤ ࠍ ⸥ タ ߒ ߚ ଐ 㗬 ᦠ ࠍ ૞ ᚑ ߔ ࠆ 㧚 ߣ ߊ ߦ 㧘 ኻ ⽎ ఽ ߩ ⁁ ᴫ ߦ ߟ ޿ ߡ ߪ 㧘 ᦨ ㄭ ߩ ᭽ ሶ ࡮ ߘ ࠇ ߹ ߢ ߩ ଻ ⢒ ߩ ข ࠅ ⚵ ߺ࡮ᜰ ዉ ਄ ࿎ ߞ ߡ ޿ ࠆ ߎ ߣ ࠍ ⹦ ⚦ ߦ ⸥ タ ߔ ࠆ 㧚߹ ߚ 㧘଻ ⼔ ⠪ ߆ ࠄ ߪ 㧘↢ ⢒ ᱧ 㧘 ౉ ࿦ ೨ ߩ ᭽ ሶ 㧘 ኅ ᐸ ࠍ ฽ ߻ ࿦ ᄖ ߢ ߩ ᭽ ሶ 㧘 ࿦ ߦ ᦸ ߻ ߎ ߣ ߦ 㑐 ߔ ࠆ ⸥ ㍳ ߣ ᗧ ⷗ ߇ ឭ ಴ ߐ ࠇ ࠆ 㧚 2) ⋧ ⺣ ຬ ߪ 㧘⋧ ⺣ ଐ 㗬 ᦠ ࠍ ⺒ ߺ 㧘⋧ ⺣ ਥ ⸷ ߇ ߤ ߩ ࠃ ߁ ߦ ↢ ߓ ߡ ޿ ࠆ ߆ ߦ 㑐 ߔ ࠆ ઒ ⺑ ࠍ ┙ ߡ ߡ ⋧ ⺣ ᒰ ᣣ ߦ ߩ ߙ ߻ 㧚 3) ⋧ ⺣ ຬ ߪ 㧘 ⋧ ⺣ ਥ ⸷ ߦ ኻ ᔕ ߒ ߡ ଻ ⢒ ߩ ߤ ߁ ޿ ߁ ⁁ ᴫ ࠍ ⷰ ኤ ߔ ࠆ ߩ ߆ ࠍ ᛂ ߜ ว ࠊ ߖ ࠆ 㧚  ଻ ⢒ ႐ 㕙㧔 ⸳ ቯ ႐ 㕙࡮⥄ ↱ ㆆ ߮࡮↢ ᵴ ႐ 㕙 ߩ ⇣ ߥ ࠆ  ߟ ߩ ႐ 㕙 ߥ ߤ 㧕ߩ ⴕ േ ⷰ ኤ ࠍ ⴕ ޿ 㧘 ኻ ⽎ ఽ ߩ ⊒ ㆐ ߣ 㓚 ኂ 㧘 ଻ ⢒ ⠪ ߩ 㑐 ࠊ ࠅ 㧘 ኻ ⽎ ఽ ߣ ઁ ߩ ሶ ߤ ߽ ߩ 㑐 ଥ ╬ ߦ ߟ ޿ ߡ ᖱ ႎ ࠍ ෼ 㓸 ߔ ࠆ 㧚   ᜂ છ ଻ ⢒ ⠪ ߩ ห Ꮸ ߩ ߽ ߣ ߢ 㧘 ೎ ቶ ߢ ⊒ ㆐ ᬌ ᩏ 㧔 ᣂ   - ᑼ ⊒ ㆐ ᬌ ᩏ 㧕 ࠍ ታ ᣉ ߔ ࠆ 㧚    ╩ ⠪ ߽ ᵿ ⼱ ߣ ߶ ߷ ห ߓ ᣇ ᴺ ߢ 㧘 ⊒ ㆐ ⋧ ⺣ ࠍ ታ ᣉ ߒ ߡ ޿ ࠆ 㧚 ᵿ ⼱ ߽ ⸅ ࠇ ߡ ޿ ࠆ ߇ 㧘 ⋧ ⺣ ߩ ႐ ߦ ߅ ޿ ߡ 㧘 ᜂ છ ߇ ࠢ ࡜ ࠬ ߣ ߪ ⇣ ߥ ࠆ ሶ ߤ ߽ ߩ ᆫ ࠍ ⷗ ߡ 㧘 ሶ ߤ ߽ ࠍ ᝒ ߃ ߥ ߅ ߔ ߈ ߞ ߆ ߌ ߦ ߥ ࠆ ߎ ߣ ߽ ⒘ ߢ ߪ ߥ ޿ 㧚  3㧚 Ꮌ ࿁ ⋧ ⺣ ߩ ᡰ េ ᯏ ⢻ ᵿ ⼱(2005)ߪ 㧘Ꮌ ࿁ ⋧ ⺣ ߩ ․ ᓽ ᡰ េ ᯏ ⢻ ᡰ េ ߩ ᭴ ㅧ ࠍ ಽ ᨆ ߒ ☨ ࿖ ߩ ࠬ ࠢ ࡯ ࡞ ࠦ ࡦ ࠨ ࡞ ࠹ ࡯ ࠪ ࡚ ࡦ ߣ Ყ セ ߒ ߡ એ ਅ ߩ  ὐ ߩ ․ ᓽ ࠍ ߽ ߟ ߎ ߣ ࠍ ᣿ ࠄ ߆ ߦ ߒ ߡ ޿ ࠆ 㧚   ଻ ⢒ ⠪ ࠍ ੺ ߒ ߡ ሶ ߤ ߽ ߦ ᔃ ℂ ⊛ ߥ ࠨ ࡯ ࡆ ࠬ ࠍ ᡰ ⛎ ߔ ࠆ ߣ ޿ ߁ 㑆 ធ ᡰ េ ߩ ᒻ ᑼ ࠍ ߣ ࠆ 㧘

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92 1)第1次支援  カンファレンスの場や報告書で,相談員はアセスメ ントを提示し助言を行う(実際には,保育者とカンファ レンスの場で共同してアセスメントを作りあげる). そこで,保育者は障害や発達状況などの対象児に関す る理解を得たり深めることになる.同時に,それまで の自分の保育実践のどこが適切であったかなどについ て評価し,必要ならば新たな保育方針を作成する.こ れらは,保育者が巡回相談において最初に受ける支援 である. 2)第2次支援  次に,それらをとおして,共通理解に基づいた職員 間の協力関係が形成され,保護者との協力関係,外部 の専門機関との連携(専門機関との連携が必要なケー スは一部である)を円滑にしたり,強化する. 3)第3次支援  その結果,保育者は心理的に安定するとともに意欲 的に保育実践に取り組むことができるようになる.  大靏(2008)は,保育現場への支援の際,「 心理の 専門家は対象児一人に焦点を当てすぎて考えるため, 担任にとって無理な要求をしがちである.」 と言い, 集団の中での個別の配慮や個別の援助を考えていく必 要があると述べている.  巡回相談は,対象児・クラス・家庭に関する資料, 保育者等の関係者からの聴取,保育場面の観察,場合 により発達検査によるアセスメント等により,所見と 助言を提示することにより,浜谷の示す第1次支援を 行い,関係者の全員参加のカンファレンスと関係者へ の報告書等により,浜谷の示す第2次支援を行うこと であると言える.ここで大切なことは,子どもの課題 に対して関係者がともに関与し,状況の理解を深め, 保育実践の方針を協働して考えることである. 4.保育者から発達相談に期待されるもの  丸山(2006)は,保育者から発達相談に期待されるも のとして,1)子ども理解に窮したとき,2)保育計画 を考えるとき,3)保育実践の成果を確認するための客 観的資料が必要なとき,4)保護者と保育者との間の調 整の問題が生じたとき,の4つを挙げている.  また,甲木他(2007)は,キンダーカウンセリング の役割として,保護者と保育者支援の2つがあると指摘 し、保護者支援として,1)個別カウンセリング,2) 講演会,3)グループカウンセリングを,保育者支援と して,1)コンサルテーション,2)事例検討会,3) エンパワーメントカウンセリング研修会,4)保護者対 応の仕方 を挙げている.  藤後(2001)は,心理相談活動の内容として,1)職 員に対する心理相談活動,2)在園児の保護者への心理 相談活動,3)子どもへの心理相談活動,4)地域の親 への心理相談活動,5)その他を挙げている.  保育者から発達相談に期待されるものは,子どもを理 解するとき,保育実践の保育計画とその成果を確認する とき,保護者が子育てで悩んでいるとき,保育者が保育 に悩んでいるとき,保護者と保育者の関係を調整すると き,さらに地域の問題まで多岐にわたる. Ⅳ 保育における発達相談の今後の課題  発達相談の役割は,1)保育方針の作成,2)障害な どの理解,3)保育意欲,4)保育の成果の評価,5) 関係者の協力連携,6)クラスの他児への保育,等の支 援とともに,保護者支援,保育者支援と様々な機能を有 している.  その支援機能を十分に発揮するためには,1)確かな 発達診断能力・カウンセリングやソーシャルワークの技 術,2)乳幼児の発達のつまずきとその援助の知識,3) 乳幼児教育・保育実践についての理解,4)家族関係と その援助についての理解,5)家族関係とその援助につ いての理解,等が不可欠である.  発達相談に携わる発達相談員や保育カウンセラーが上 述の技術や知識を身につけ,専門性を向上させるために は,養成(研修)システムの確立が必要である.現在既 に発達相談に従事している人は,非常勤で働いている人 図3 巡回相談による保育実践への支援モデル ( 浜谷,2009) 8  ⋧ ⺣ ຬ ߣ ଻ ⢒ ⠪ ߩ ౒ ห ⊛ 㑐 ଥ ࠍ ㊀ ⷞ ߔ ࠆ 㧘  ሶ ߤ ߽ ߩ ⊒ ㆐ ߦ 㑐 ߔ ࠆ ࠕ ࠮ ࠬ ࡔ ࡦ ࠻ ࠍ ㊀ ⷞ ߔ ࠆ 㧘  ଻ ⢒ ⠪ ߇ ታ ⴕ น ⢻ ߥ ഥ ⸒ ࠍ ⴕ ߁ 㧚  ߘ ߒ ߡ 㧘଻ ⢒ ⠪ ߩ Ꮌ ࿁ ⋧ ⺣ ߦ 㑐 ߔ ࠆ ⥄ ↱ ⸥ ㅀ ࠍ ߽ ߣ ߦ  㗄 ⋡ ߆ ࠄ ߥ ࠆ ⾰ ໧ ⚕ ࠍ ᣂ ߚ ߦ ૞ ᚑ ߒ 㧘 ଻ ⢒ ⠪ ߦ ࠃ ࠆ ⹏ ଔ 0 ࠍ ࿃ ሶ ಽ ᨆ ߒ Ꮌ ࿁ ⋧ ⺣ ߇  ଻ ⢒ ᣇ ㊎ ߩ ૞ ᚑ  㓚 ኂ ߥ ߤ ߩ ℂ ⸃ 㧘  ଻ ⢒ ᗧ ᰼  ଻ ⢒ ᚑ ᨐ ߩ ⹏ ଔ  ද ജ ㅪ ៤  ࠢ ࡜ ࠬ ߩ ઁ ఽ ߳ ߩ ଻ ⢒  ߣ ޿ ߁  ߟ ߩ ᡰ េ ᯏ ⢻ ࠍ ߽ ߟ ߎ ߣ ࠍ ᣿ ࠄ ߆ ߦ ߒ ߡ ޿ ࠆ 㧚  ߹ ߚ 㧘 ଻ ⢒ ⠪ ߇ ଻ ⢒ ߩ ⁁ ᘒ ߇ ㆡ ಾ ߆ ߤ ߁ ߆ ࠍ ್ ᢿ ߔ ࠆ ߣ ߈ ߦ ࠕ ࠮ ࠬ ࡔ ࡦ ࠻ ߇ ෳ ᾖ ߐ ࠇ  ଻ ⢒ ᣇ ㊎ ࠍ ૞ ᚑ ߔ ࠆ ߣ ߈ ߦ ഥ ⸒ ߇ ෳ ᾖ ߐ ࠇ ࠆ ߣ ޿ ߁ ᭴ ㅧ ࠍ ᣿ ࠄ ߆ ߦ ߒ ߡ ޿ ࠆ 㧚   ߐ ࠄ ߦ 㧘 ᵿ ⼱  ߪ 㧘 Ꮌ ࿁ ⋧ ⺣ ߩ ᡰ េ ᯏ ⢻ ߦ ߟ ޿ ߡ 㧘 ࿑ ޟ Ꮌ ࿁ ⋧ ⺣ ߦ ࠃ ࠆ ଻ ⢒ ታ 〣 ߳ ߩ ᡰ េ ࡕ ࠺ ࡞ ޠ ࠍ ↪ ޿ ߡ એ ਅ ߩ  ߟ ߩ ᡰ េ ࠍ ⺑ ᣿ ߒ ߡ ޿ ࠆ 㧚    ࿑  Ꮌ ࿁ ⋧ ⺣ ߦ ࠃ ࠆ ଻ ⢒ ታ 〣 ߳ ߩ ᡰ េ ࡕ ࠺ ࡞ ᵿ ⼱ 㧘    㧕 ╙  ᰴ ᡰ េ  ࠞ ࡦ ࡈ ࠔ ࡟ ࡦ ࠬ ߩ ႐ ߿ ႎ ๔ ᦠ ߢ 㧘⋧ ⺣ ຬ ߪ ࠕ ࠮ ࠬ ࡔ ࡦ ࠻ ࠍ ឭ ␜ ߒ ഥ ⸒ ࠍ ⴕ ߁㧔 ታ 㓙 ߦ ߪ 㧘 ଻ ⢒ ⠪ ߣ ࠞ ࡦ ࡈ ࠔ ࡟ ࡦ ࠬ ߩ ႐ ߢ ౒ ห ߒ ߡ ࠕ ࠮ ࠬ ࡔ ࡦ ࠻ ࠍ ૞ ࠅ ޽ ߍ ࠆ 㧕㧚ߘ ߎ ߢ 㧘଻ ⢒ ⠪ ߪ 㓚 ኂ ߿ ⊒ ㆐ ⁁ ᴫ ߥ ߤ ߩ ኻ ⽎ ఽ ߦ 㑐 ߔ ࠆ ℂ ⸃ ࠍ ᓧ ߚ ࠅ ᷓ ߼ ࠆ ߎ ߣ ߦ ߥ ࠆ 㧚 ห ᤨ ߦ 㧘 ߘ ࠇ ߹ ߢ ߩ ⥄ ಽ ߩ ଻ ⢒ ታ 〣 ߩ ߤ ߎ ߇ ㆡ ಾ ߢ ޽ ߞ ߚ ߆ ߥ ߤ ߦ ߟ ޿ ߡ ⹏ ଔ ߒ 㧘 ᔅ ⷐ ߥ ࠄ ߫ ᣂ ߚ ߥ ଻ ⢒ ᣇ ㊎ ࠍ ૞ ᚑ ߔ ࠆ 㧚 ߎ ࠇ ࠄ ߪ 㧘 ଻ ⢒ ⠪ ߇ Ꮌ ࿁ ⋧ ⺣ ߦ ߅ ޿ ߡ ᦨ ೋ ߦ ฃ ߌ ࠆ ᡰ េ ߢ ޽ ࠆ 㧚  㧕 ╙  ᰴ ᡰ េ  ᰴ ߦ 㧘 ߘ ࠇ ࠄ ࠍ ߣ ߅ ߒ ߡ 㧘 ౒ ㅢ ℂ ⸃ ߦ ၮ ߠ ޿ ߚ ⡯ ຬ 㑆 ߩ ද ജ 㑐 ଥ ߇ ᒻ ᚑ ߐ ࠇ 㧘 ଻ ⼔ ⠪ ߣ ߩ ද ജ 㑐 ଥ 㧘 ᄖ ㇱ ߩ ኾ 㐷 ᯏ 㑐 ߣ ߩ ㅪ ៤ 㧔 ኾ 㐷 ᯏ 㑐 ߣ ߩ ㅪ ៤ ߇ ᔅ ⷐ ߥ ࠤ ࡯ ࠬ ߪ ৻ ㇱ ߢ ޽ ࠆ 㧕 ࠍ ౞ Ṗ ߦ ߒ ߚ ࠅ 㧘 ᒝ ൻ ߔ ࠆ 㧚  㧕 ╙  ᰴ ᡰ េ  ߘ ߩ ⚿ ᨐ 㧘 ଻ ⢒ ⠪ ߪ ᔃ ℂ ⊛ ߦ ቟ ቯ ߔ ࠆ ߣ ߣ ߽ ߦ ᗧ ᰼ ⊛ ߦ ଻ ⢒ ታ 〣 ߦ ข ࠅ ⚵ ߻ ߎ ߣ ߇ ߢ ߈ ࠆ ࠃ ߁ ߦ ߥ ࠆ 㧚 

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93 が多く,国あるいは都道府県レベルで,専門性を高める 研修を企画することが求められる.また,専門職の処遇 や労働条件がその専門性の質を大きく左右する要素であ り,非常勤ではなく常勤としての身分保障が必要である.  丸山(2006)は,“名称はどうするかは別として,臨 床心理士とは異なる「発達相談員」の資格を国家資格と して明確にすることが不可欠な条件であると思う”と述 べている.場合によっては,発達相談員の国家資格を検 討することも必要である。 Ⅴ まとめ  保育現場で,個別的な配慮を必要とする子どもや障害 があるのかないのかよくわからない子どもを理解するた めに,発達相談へのニーズが高まっている.  本論文では,障害児保育の歴史と保育現場における発 達相談の歩みを概観し,発達相談の支援機能と発達相談 者の専門性についてみてきた.発達相談者は,個別的配 慮の必要な子ども等が一人一人持っている能力を十分に 発揮しうるように,保育者や保護者等とともに,生活実 態に根ざした指導方針を作成していくことが求められて いる.そのためには,発達相談者として常に専門性を向 上させる必要があり,養成(研修)システムの確立が望 まれ,場合によっては発達相談者の資格の国家資格化を 検討することも必要である.  今後,すべての保育所に発達相談者が配置され,一人 一人の子どもたちがより良い支援を受け,生き生きとし た生活を送ることができることを願わずにはいられな い. 引用・参考文献 芦澤清音・浜谷直人・田中浩司(2008):幼稚園への巡回相談 による支援の機能と構造:X市における発達臨床コンサル テーションの分析 発達心理学研究,19 (3),252-263. 荒牧美佐子・安藤智子・岩藤裕美・金丸智美・丹羽さがの・立 石陽子・砂上史子・掘越紀香・無藤隆(2004):幼稚園にお ける子育て支援の利用状況─育児不安との関連から─ お茶 の水女子大学子ども発達教育研究センター紀要,2,17-26. 岩藤裕美・立石陽子・安藤智子・荒牧美佐子・丹羽さがの・砂 上史子・掘越紀香・無藤隆(2007):幼稚園における子育て 支援-幼稚園における「子育て相談」の形態と保護者の精神 的健康との関連から- お茶の水女子大学子ども発達教育研 究センター紀要,4,27-34. 大靏香(2008):保育現場を支援する臨床心理的活動-附属幼 稚園における相談員としての実践から-筑紫女学園大学・筑 紫女学園大学短期大学部紀要,3,235-246. 川上輝昭(2005):特別支援教育と障害児保育の連携 名古屋 女子大学 紀要 51(人・社)139-150. 甲木有紀・小林あけみ・中村健・田中文昭(2007):子育て支 援におけるキンダーカウンセラーの役割① 日本教育心理学 会総会発表論文集,49,107. 柴崎正行(2007):学会企画シンポジウムⅣ「保育の室を高 める保育カウンセラーの条件」 保健学研究,45(2),155-156. 滝口俊子・山口義枝(2008):保育カウンセリング 放送大学 教育振興会 冨田久枝編著(2007):保育カウンセリングへの招待 北大路 書房 冨田久枝編著(2009):保育カウンセリングの原理 ナカニシ ヤ出版  中井歩・小土井直美・徳永正直・瀬々倉玉奈(2006):子育て 支援の諸相(4)子育て支援・子育ち支援に関わる専門領域 の協働をめぐる論考 大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要, 5,187-201. 浜谷直人・秦野悦子・松山由紀・村田叮子(1990):障害児保 育における専門機関との連携・川崎市における障害児保育 巡回相談のとりくみの視点と特徴 障害者問題研究,6,42-52. 浜谷直人(2005):巡回相談はどのように障害児統合保育を支 援するか:発達臨床コンサルテーションの支援モデル 発達 心理学研究,16(3),300-310. 浜谷直人編著(2009):発達障害児・気になる子の巡回相談  ミネルヴァ書房 183. 藤後悦子(2001):保育現場における心理相談員の役割- A 私 立保育園の心理相談活動の実際 日本保育学会大会研究論文 集,208-209. 前田明日香・荒井庸子・張鋭・井上洋平・荒木穂積・竹内謙彰 (2008):舞鶴市における子育て実態とニーズに関する調査 研究-保護者のニーズと子育て支援の関連について- 立命 館産業社会論集,44(3),101-120. 丸山美和子(2006):保育所保育における「発達診断・相談」 の今日的意義と課題-発達相談員に求められる専門性を中心 に- 社会福祉学部論集,2,79-93. 厚生省児童家庭局長通知(1978):中程度までの障害児で 、 集 団保育が可能で日々通所でき 、 保育所での保育になじむもの については保育所に受け入れる 厚生省児童家庭局通知(1979):心身障害児総合通園センター

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94 の設置について 全国社会福祉協議会・全国保育協議会(2008):全国の保育所 実態報告書 中央教育審議会幼児教育部会(2004) 文部科学省(2003):通常の学級に在籍する特別な教育的支援 を必要とする児童生徒に関する全国実態調査 文部事務次官通達(1973):学校教育法中養護学校における就 学義務及び養護学校の設置義務に関する部分の施行期日を定 める政令の制定について 文初特第 464 号 昭和 48 年 11 月 20 日 各都道府県教育委員会あて

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