サンスクリット第7母音の本質について
著者
近藤 清兄
雑誌名
東北大学言語学論集
号
21
ページ
1-18
発行年
2012-10-31
URL
http://hdl.handle.net/10097/00130075
サ ン ス ク リ ッ ト 第
7
母 音 の 本 質 に つ い て
近藤清兄
キーワード:サンスクリット プラークリット パ ー リ 語 イ ン ド ・ ア ー リ ヤ 諸 語 1.第7
母 音 の 実 体 に つ い て の 諸 説 サンスクリットの母音字は伝統的に「①短いa、②長いa(a)、③短いi、④長い i(r、) ⑤ 短 いu、長い u(ロ)、⑦rの字の下にドットまたはサークルのある字で写される母音、 ③ 前 項 の 母 音 の 長 い も の 、 ⑨l
の 字 の 下 に ド ッ ト ま た は サ ー ク ル の あ る 字 で 写 さ れ る 母 音 、 ⑮ 前 項 の 母 音 の 長 い も の ( 実 際 に は 現 れ な い が 、 体 系 の 均 斉 の た め に 人 工 的 に 造ったもの)、⑪ e、⑫ ai、⑬ o、⑭ auJ のj慣に並べられる。この後アヌスヴァーラ(パ ー リ 語 文 法 で は ニ ッ ガ ヒ ー タ と 呼 ぶ)-m とヴイサノレガ-
h
が 並 ぶ が 、 こ の 二 つ は 組 立 の 母音(字)ではなく、字に付随する補助的な記号である。 本稿では、 rの字の下にドットまたはサークルのある字で写される 7番目の母音を「第 7母 音Jと呼ぶことにし[※ 1]、 そ の 音 声 学 的 性 質 、 音 韻 論 的 位 置 づ け に つ い て 、 対 照言語学、比較言語学、調音音声学などの観点から考察を加えてみることにする。 (1) [ri]とするもの こ れ は 解 釈 と 言 う よ り も 、 読 み の 慣 用 を 受 け 入 れ た も の に す ぎ な い 場 合 が 多 い と 思 われる。 • MacDonell(1927) : "r or ri"(目次の後、 p.lの直前の表)とし、"四四bral"vowelと位 置づける (aを guttural、iを palatal、uを labialと位置づけ、 lを dental ( vowel)としてい る)0 [cerebralという呼び方はインド学の慣用で、普通いうところの retroflex] ・『音書皐大辞典~r
荒 語 」 の 項 (p.758以 下):[d][:]((1)と(2)の両方) (2)成節的な流音と解するもの ・菅沼(1994)p.27r
!,は音節をつくる rであり、…母音としての機能をもっ。」.
w 言語学大事典~ (風間 (1989))p. 127r
子 音 聞 で 音 節 を 担 う 機 能 を も っ た r、1が、 1 つ の 母 音 (r、lと表記)としてとらえられている。」.
w ブリタニカ国際大百科事典~ (原(1973))p.419r
r、?と lは音節主音となる(長音 の)ふるえ音および流音である。J • Wikipedia"S血球目"の項(http://en.wikipedia.org/wikilSanskrit) : "syllabic alveolar trill: closest to ir in bird in rhotic accents" . Wikipediar
党字」の項 (http://ja.wikipedia.org/wikifOIoE6%A2%B5%E5%AD%97) : "1.1..1"(長い方を"1ι
1"と書いているので、成節的子音と解しているとみてよいだろう) 「成節的子音」という説は、しかし、実はあまり確たる根拠を持っていない。根拠として考えられることは、(イ)比較言語学的にみて、子音 rと関係があることは間違いなさそ うであること(親族名称や行為者を表す名調の-trはその例)0 (ロ)もともと [ri]という「子 音+母音」の音節であったのだとすると、それが「独立の母音」として意識されてきたこ とは不可解であること。「何か別のものJ でなければならなかった。(ハ)音声学の一般論 として流音は成節的なものでありうる。(ニ)閉じく流音の lと関連する第 9母音 iがあり、 これは「成節的な側面音」とみるほかなさそうであり、これとの釣り合いにおいてrも「成 節的なrJ であったと考えるのは自然な推論である。 しかし現代インドの主な公用語で、第 7母音を「成節的な rJ で読むものはなし、(次節 参照)。 成節的な rと解釈する立場は、実は、音声学上の一般論からの想像の域を実はほとんど 出ないのである。 (3) [ri]と解するもの こ れ は 意 外 に 少 な い 。 以 前(2011年11月 頃)Wikipedia英 語 版"Sanskrit"の 項 が こ の 表 記 を 採 っ て い た は ず で あ る が 、 現 在(2012年7月)では編集されてしまったようで、 上 記 の よ う に 成 節 的rの説に変更されている(ただし、[.{.i ]ではなく、スラッシュに入 れ ら れ て/.{.i/と さ れ て い た が 、 音 韻 論 的 な 解 釈 だ っ た と は 思 え な い 。 「 音 価jのつも り だ っ た の で は な い か と 思 わ れ る 。 と い う の は 、 短 いaに つ い て りa/"としていたー"/
a
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[叫がではなくーし、表の項目にもr
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とあるからである)。筆者の記憶違いでな け れ ば 、 こ れ は ユ ニ ー ク な 説 で あ っ た が 、 実 の と こ ろ こ こ 以 外 で 見 た こ と が な く 、 そ れ こ そWikip刊 誌 の 慣 例 に よ っ て 「 要 出 典Jというべきであった。 (4)単 に 「 母 音 と し て 扱 わ れ る 」 と 述 べ る に と ど ま る も の ・辻直四郎(1974)W サンスクリット文法~ p.6は、「母音的役割を果たす…しかし実 用 的 に は そ れ ぞ れd…と発音して差支えなしリとする。 ・上村/風間(2010)p.7r
その他、 r、?、 lと い う 母 音 が あ り 、 … r、lは 、 そ れ ぞ れ 実 用 上 はri、Hと発音してさしっかえない。J 大 乗 仏 典 の 漢 訳 に お け る 第7
母 音 の 音 写 の 世 用 は 「 哩Jで あ る よ う で あ る 。 す な わ ち、「流音(1)+高母音」に作られている(漢語においてr
r
J
に 似 た 音 は ず っ と 後 に な っ て 、 日 母 に お い て 生 じ て ゆ く も の で 、 す で に 中 古 漢 語 の 時 期 と い え ど も 情 唐 期 に は 来 母 (1)の方が近いものに聞こえたのであろう)。 「阿蜜哩多軍茶利経J (Amri takundali、「甘露軍茶利」ともいわれる))の「阿蜜哩 多Jは、 amrta(不死、甘露)を写したものである。「摩多哩(まだり)Jは母の謂である というので、 matrを写したものであろう。 もっとも、この「哩」の字は他にも使われることがある。暗摩尼悉哩蘇[口に虚]は om rnani in suryaの音写である。 なお、側面母音ともいうべき lは「侶」で写されている。2. 現代インド諸言語における読みの慣習 ここにいうのはサンスクリットを読む時の慣習と、サンスクリットからの借用語に お け る 現 れ で あ っ て 、 そ の 言 語 に お け る 第 7母 音 の 反 映 で は な い 。 ヒ ン デ ィ 一 帯 に お けるそれについては別に第7節において扱うことになるであろう。 ヒンディ一語(Hindi)[※ 2] [ri] アッサム語(Assamese)[※3] [ri] ベンガル語(Bengal)[※ 4] [r i] グジャラート語(Gujarati)[※ 5 J [r i] カンナダ語(Kannada)[※ 6] [ri] カシミール語(Kashmiri)[※ 7J [ri J コーンカニ一語(Konkani)[※ 8] 不明 マラヤーラム語(Malayalam)[※ 9J [riJ [r i] マラーティー語(Marathi)[※ 10] [ru] ネパー/レ語(Nepali)[※ 11J [riJ オリヤ一語(Oriya)[※ 12J [riJ [ruJ パンジャープ語(Punjabi)[※ 13] 不明(相当する文字がない?) タミル語(Tami1)[※ 14J (相当する文字を持たない) テルグ語(Telugu)[※ 15] [ri] 以上は、英語とサンスクリット、およびウルドゥ一語を除いたインドの主な公用語 を、ヒンディ一語以外はその英語名のアルフアベット順に(すなわち、ルピー紙幣に 印刷されている順に)並べたものである。 シンハラ語(Sinhalese)[※ 16] [ri] タイ語(百聞)[※ 17J [r w] [riJ [raJ [r aa] クメーノレ語(Cambodian)[※ 18] [rw] チベット語[文語](Tibetan)[※ 19] rの字の上に、 iの母音符号を左右反転させたもの を書く。 以上からわかるように、判明している限りでは同]または[ru]のように、 [rJに狭母 音(高母音)を伴って読むものがほとんどである。また、「中舌狭母音」音棄を有する 言語(タイ語、クメール語)では、それを伴って読まれることがあるのがわかる。タイ 語ではそのほかに[i](高母音)、 [aJ、[aa](長い中舌母音)でも現れる。 hrdaya
r
心臓」 のタイ語における借用の現れ方はharw thaya?または har田由創である。 hの後 rとの聞 にaがあり、田を使って写している。(パーリ語の「心臓」はhadayaであり、子音rはな い の で 、 こ れ ら の 語 は パ ー リ 語 か ら で は な く サ ン ス ク リ ッ ト か ら の 借 用 で あ る こ と がわかる) ドラヴィダ語におけるサンスクリット借用語での現れ方について、やや上記の慣用から 外れる例もあるので、少し見ておくことにしよう。
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daya f心 臓j マラヤーラム語 (1) hridayam (2) hudayam タミノレ語 (1)山 町am(2)itayam マラヤーラム語の(1)は慣用通り dで写している(これらに共通する-mはサンスクリッ トのアヌスヴァーラを写したわけではおそらくなく、もっともありふれた名詞の非格語尾 形の語尾がついたものであろうと思う)0 (2)はプラークリットのように uで写している。 タミル語の(1)では hが消失し(タミル語は h を本来持たないもののようで、母音間で [h] が生じるのは[k]が弱化したもののようであり、実際、 <k>の文字で書かれる。サンスクリ ットや英語からの借用語で hを持つものを表記したい場合、グランタ文字を使って書くこ とがある[※2030)、子音 rがあり、その後 uが来ている。 (2)ではプラークリットのよう に iで写している。 • amrta f甘露 (Ambrosi,anectar, the elixir of life) J タミル語(
1
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2
)
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3
)
am蜘 (1)は lrに作っている。 (2)ではよ(現在の音価は反り舌の半母音[.t]が一般的のようであ るが、英語の中で表記する場合 fzhJに作ることがよくあるところ、転写も lの字の下に ノ〈ーがあるというものであり、また他の反り舌音に挙動が似ていることから[※ 21]、古 くは何らかの反り舌音、例えば喋音を伴う反り舌の lの如き音であったのではないだろう か)を用いている。 (3)ではプラークリットのように uで写している(実際、こうした形は サンスクリットからではなくて、何らかのプラークリット方言からの古い借用なのかもし れない)。 3.第 7母 音 の 挙 動 の 特 徴 第 7母 音 に は サ ン ス ク リ ッ ト の 他 の 母 音 に な い 特 徴 が あ る ( と い う よ り 、 他 の 母 音 にある特徴がない、というべきであろう)。それらを挙げてみよう。 (1)母音交替の第 II階梯において、対応する半狭の(つねに長い)母音をもたない。 あ る と す れ ば 音 価 は 「 非 前 非 後 半 狭 (e及 び o と同じ高さ)母音」すなわち「長いシ ュヴァJ[a:] が期待されるが、実は、ンュヴァ [a]( あるいはもう少し広めの[~!])はまさ に 「 短 い aJ の 音 価 で あ っ て 、 そ れ を 「 長 く 」 し た う え で 長 い 呂 と 弁 別 し よ う と し て も意味をなさない。 母 音 の 階 梯 I(単純母音) II (Ouna) a e u o l'dr
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III (Vr,制hi) 邑 81 au a r 階梯が進むごとに前の方にaを加えていく格好であるのがわかる。
(
2
)
アヌスヴァーラ-mが後ろに来ない。すなわち、鼻母音の相方を持たないかある いは嬢音を伴わない(いずれであるかは解釈の違いの次元であろう)。 (3)ヴイサノレガ・hの前に立たない。 もっとも、ヴィサルガはおそらくもともと末位の-sにさかのぼるものが多いと思わ れ、これはある種の有声音 (vなど)の前で rと交替することがある[※22L
rとは縁 のあるものである。 第 7母音がもともと子音 rに由来するものだとすればーありそうなことである一、 (2)と(3)は不思議のないことである。 (4) aya,..._, e、ava...0という交替はよく見かけるが、 araは「交替したら何になるの か」という、その単独の(e、oと同様、つねに長いことが期待される)母音が欠けてい る。 a+rは「長い母音Jの形をしておらず、すでに述べたように階梯が上がると rは 単に aをその前に伴った半母音釘になる(これは1にとっての ay、uにとっての avに 相当する)。 このような特殊な挙動(分布の狭さ)ゆえに、第 7母音はプラークリットにおいて崩 壊し、他の母音に合流していったのかもしれない。 4. 構成的調音音声学からみた第 7母 音 の 性 質 調音音声学における「構成的立場」とは、100
語 の ム ム に み ら れ る 音 」 と い っ た 説明をせず、その音の「作り方」、構成の仕方、によって音声学の体系を書く立場で あ る 。 近 藤(1992)は こ の 観 点 か ら 音 声 学 の 教 科 書 を 根 本 的 に 書 き 改 め る こ と を 提 唱 し た。この延長線上に、子音の開口度段階(狭めの程度)と母音との関係を考察したもの が近藤(1993)である。そこにおいて述べたことは、狭母音(高母音)はその狭めの度合 い (occlusivity)一 呼 気 の 障 害 の 程 度 ー を 上 げ て ゆ く に 従 い 、 半 母 音 / 接 近 音 ( s回llvowel/approximant)→ 摩 擦 音 ( 企icative)→ 破 擦 音 (a盛icate)→ 破 裂 音 / 閉 鎖 音 ( stopl occlusive)と な る わ け で あ る の で 、 逆 に あ る 種 の 子 音 は そ れ ら が そ の 調 音 点 に 沿 ってなす「系列」に固有の狭母音( 1圃有母音Jeigenvowel/occult vowel)を持っている ということであった。 狭 母 音 接 近 音 摩 擦 音 閉 鎖 音 硬 口 蓋 に つ い て は : [iJ → [jJ →[J] →[J] 軟 口 蓋 に つ い て は : [u] → [wJ → [γwJ → [gwJ (後狭母音[u]が典型的には円唇母音であるため、接近音以下も丸めを帯びさせた) そして、 歯茎音については: [ i ] →[1 ] →[z]→(歯茎音の)[d] であることを、そこにおいて明らかにした。半 母 音[1]は非前非後(=中舌)狭母音をその固有母音として持つのである。調音様 式 が 接 近 音 で あ っ て も 、 ふ る え 音 [r]で あ っ て も 、 こ れ ら が 歯 茎 の 音 で あ る 点 は 同 様 である。 結 局 、 第 7母 音 と 関 係 の 深 い 半 母 音 が [r]で あ る と い う こ と は 、 第 7母 音 は 「 非 前 非後(中舌)狭母音」であると考えておくのが穏当であろうということになる。いいか えれば、 [r]の 固 有 母 音 は 「 中 舌 高 母 音j である、ということである。 そ の 母 音 を 固 有 母 音 と す る 半 母 音 を 入 り わ た り 音 と し て も つ も の を 狭母音の前に、 作ると、 i→yi [ji] u→ 刊[wu] そして、 i→[r i] '"'-' [1 i] となる。 第 1節 で rの実体について [ri]と解するものが「意外にj少 な い と 書 い た が 、 何 が 「意外」であるのかというと、 (1) [i ]の入りわたりとして[1]が生じている場合(逆行同化) (2) [1]が 後 続 の 狭 母 音 を 「 く ち む ろ 同 化 」 し て 全 体 と し て [1i]になる場合 (JI慣行同化) いずれの場合でも[1i]が生ずるのは自然なことに思えるからである。
5
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パ ー リ 語 に お け る 第7
母 音 の 反 映 パ ー リ 語 は 上 座 部 仏 典 の 言 語 で あ る 。 そ の 性 格 や 実 体 に つ い て は 今 日 も 諸 説 入 り 乱 れているが[※ 23]、 も っ と も 豊 富 か つ 入 手 容 易 な 文 献 資 料 を 有 す る プ ラ ー ク リ ッ ト の一つであるとは少なくとも言い得るであろう。 ここで、第 7母 音 の パ ー リ 語 に お け る 反 映 を 調 べ て み よ う 。 パ ー リ 語 は 「 サ ン ス ク リットから生じたJわけではないが、サンスクリットにきわめて近い何らかの言語[※ 24]を そ の 祖 語 と し て い る こ と は 間 違 い あ る ま い と 思 わ れ る 。 そ こ で 、 以 下 、 誤 解 は ないものと仮定し、r
(サンスクリット語形)>
(パーリ語形)Jのような表記をすること がある。 Sanskrit Pali 仰 向 叩 附 ,M
僕 僕 家 死 下 下 gaha maccu bhacca bhata<
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出 向ra 心 臓 hrdaya kar也a 黒 い krsna vaka 狼 vrka ghata ギー(ghee) 位rta bha姐 給金 bhr討 組nha 渇き 佐sna <i> pi
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a rmga 獣 m担a dittha 光 景 drsta giiiha ノ、ゲタカ gr'品ra kiccha 困 難 な krcchra sig a la ジャッカノレ srg a la tina 草 住na <u> vattu 話し手 vak甘 gan旬 行 く 人 gantr na:枕u 孫 n叩q
hantu 殺 害 者 h血 位 kat知 行 為 者 ka:rtr.
bha:ぬ1 夫 bh釘tr -UJU 真 っ 直 ぐ な。
u usabha 雄 牛 rsabha puthu 広 い PI也u vu枇1 行 動 V計値 vutthi 雨 vrsti -・・, vuddha 年 老 い た vrddha da旬 与 え る 者 datr pltu 父 pltr dhrtu 娘 d血itr puthuv1 大地 prthiv1 utu 季 節 rtu matu 母 rnatr J a ma旬 義理の息子 J a m a住 kot血u ジャッカノレ kros住-
-a、iに そ れ ぞ れ 反 映 さ れ る 「 分 岐 条 件 」 は 、 よ く わ か ら な い 。 隣 接 す る 母 音 に 「 調和」するのかとも思ったが、そうとも限らないようである。
uになるのは頭位、 tの後、 vの後が多いように思える。特に、親族や何らかの行為 者を表す・住の名調はすべてが却で現れる。
以上みてきたように、パーリ語における第 7母音の反映は、狭母音か「中舌Ja(短 い aの音価はやや高めの [a]であろう)に限られる。すべて短母音である。 eと oにな ることはない。
もっとも、 eと oはよく知られているようにそれぞれ iと uに aが前接したものか ら派生したものと見られるので、長母音を除けば実のところ「あらゆる母音に満遍な く散らばっているj とも、言えてしまうのではある。 なお、ただひとつ、
e
になった可能性のある語がある。それはg
e
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(
家)であるが、 この語の問題は第7節において改めて取り扱う。 ところで、サンスクリット戯曲の中で用いられる ScenicPrakritと呼ばれるものがあ る。これは劇中で無学な者や女性が用いる人工的な俗語、田舎言葉である[※ 25]。 Edgren(18
8
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によればそこにおいて第7
母 音 は 「 頭 位 で d、まれに uまたはiJ i中位 で a、i、唇音の後で uJ、まれに riJであるとし、い[※ 26]、(おそらくは学者風または 「みやこぶり」の)riは別として、狭母音やaで現れるのはパーリ語と共通する。 6. ヒンデイ}語における第 7母音の反映 ヒンディ一語にはサンスクリットからの借用語が非常に多い。そのため第 7母音の 本 来 の 反 映 を 探 し 当 て る の は な か な か に 困 難 で あ る 。T
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砂rか ら そ の よ う な 例 を 見 出 す こ と は で き る が 、 ど の よ う な 過 程 を 経 て 現 在 見 るような形になったのかはそこにおいて詳しく説明されてはおらず、また、疑義のあ るものもある。それらのいくつかについては次節において扱うことにし、ここではよ り規則的な形をしたものを見てみることにしよう。 以下は第7母音のヒンディー語における反映が突き止められたケースである0・
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也「背中J:これは iで現れている例。S
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1也 ヒンディ一語形で iが長くなっていることについては説明を要する。以下の例を見 てみよう。S
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仕事J adya > 句Ija > *句j > 昌jr
今日J プ ラ ー ク リ ッ ト に お い て 子 音 が 重 複(geminate)した形が成立し、末尾の子音が失われた 形がヒンドスターニ一語の直接の祖となった。そして、重複した子音の片方が削除され、 そのとき母音が代償延長されたものと考えられる。P
1也が長し、Iを持つのは以上によっ て説明される[※ 27]。 • dharr
強固なJ:これは aになっている例。 Sanskrit Pali Hindi drdha > 也lha > 事品ar > 晶ar (気息、音が音位転換) パ ー リ 語 の rlJは サ ン ス ク リ ッ ト の 第 9母 音 と は 関 係 な い 。 反 転 音 の 一 部 が 変 化 し て 生じ た音 である と 思われ る 。ヒンディー語の rはもちろんサンスクリット第7母音とは無 関係で、反転音 dと相補分布する(中位と末位に現れる)r
反り舌の弾き音」である[※ 28]。 7.若 干 の 語 源 学 的 問 題 に つ い て (1)Pali gharar
家J/gehar
家JJohansson(973)の 語 葉 解 説 (p.70)によると、 ghara'house'と い う 語 は grha と関係が ある、という。そうだとすると、ヒンディ一語の ghar は ~h(a) >gh釘という由来を持 つ こ と に な る 。 パ ー リ 語 に は gahaと い う 語 も あ り 、 こ れ は grha>gahaと 素 直 に た ど れ る(第 5節に既出)。すると gahaと gharaは 同 じ 由 来 を 持 つ ダ ブ レ ッ ト と い う こ と に な る。
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ァのgharの項では、 ghara-(とし、う形が元々あ る〉が語源であるとだけ記し、g
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haーとの関係については触れていない。 gahaの場合はすでに述べたように r>a という説明ができるが、 grha>ghar (a)となると自 明ではない。 (A)gと hが融合して ghになっている (B)子音 rが出ているということで、 不規則な形である。 (A)のような例は他にも探せばあるかもしれない。 (B)はどうであろ うか。 rそのものではなく、階梯がひとつ上の釘に由来するとしたらどうか。 *garha>ghara (メタテシス) さて、パーリ語とサンスクリットには gehaという形もある。これももしかすると grha と関係のあるものかもしれない。たとえば次のようなものはどうだろうか。 市garha>(*gayha) >geha 第 E階梯の交替形から、 zが a+yとなった(不規則に)ーこれはつまりr
r>iJ と等価であ るーため、 a+l→ eを生じた、と考えるのである。しかしこれもまったくの想像である。 (2)Hindi ghlr
ギ ー 」 に つ い て ギ-gheeと は 、 搾 っ た 牛 乳 の 表 面 に 生 じ た 膜 か 、 あ る い は 無 塩 バ タ ー を 湯 煎 し て ア ク を 取 り 除 き 、 常 温 で 透 明 な 油 と な る よ う に し た も の で あ る 。 英 語 名 のgheeは ヒ ン ディ 一 語 か 、 そ れ に 近 い 言 語 か ら 借 用 し た も の で あ ろ う 。 サ ン ス ク リ ッ ト ghrta パ ー リ 語 ghata ヒ ン デ ィ ー 語 ghr サンスクリットとパーリ語では中性名調だが、ヒンディー語では(中性がーマラーティ ー語などと違し、ーないため)男性名詞である。それはよいとしても、 ghrという形はサン スクリットやプラークリットの語形と同源のものなのだろうか。 頭 子 音 は gh・であって一致している。しかし、同源であるとして、 ghrtaはいかにして gh Iに「なったJのであろうか。
ghrtaから、パーリ語の gha匂 の よ う な 形 (r>aで説明できる)とは別に、 "'ghita(r>i)のよう なプラークリット形ができていたとしたらどうか。 gh巾 〉 キghita これが語幹末尾の母音を失い、 > "'ghit さらに、不規則に、末尾子音を失い、代わりに母音を延長したとしたら一 >ghr つまり、 gh瑚 >"'ghita> "'ghit>ghr と、説明できることになるが、いかがなものであろうか。 もし、祖となったプラークリットの形が *ghi陶というようなものであったなら、 事ghitta>市民i抗〉ホghrt という過程をたどったであろう(前節参照)。しかし、上記の推定、 ghrta>*ghita>*ghit>ghr というのは、それに比べると不規則である。 この考えの弱点は二つ。(イ)パーリ語 ghataと違い、 *ghitaというプラークリット語形 は実証されていなし、(少なくとも、筆者は見たことがない)0 (ロ)二つ子音が重なったのを、 その片方を削除して代わりに母音を延長する例はたくさん見られるが、子音が末尾に一つ しかないのに、それを削除する代わりに母音を延長するという例は他に知られていない。 8. 結 論 ー 第 7母 音 の 本 質 は 「 非 前 非 後 高 母 音J で あ る 一 以上みてきたところによれば、 (1)慣用的に第 7母音は [ri]と読まれている。 (2)現代インド諸言語での読みの慣用はほとんどが
r
r+狭母音」である。 (3)パーリ語においては狭母音1、uか、「非前非後」の短い aに対応している。 (4)ヒンディー語における対応も i、aがある。 (5)r
半母音」としてのrに対応する狭母音は中舌の[i]である。 (6)成 節 的 子 音 で あ る と の 解 釈 は ひ ろ く 行 わ れ て い る が 、 実 際 に そ の よ う に 読 む 慣 習 が あるわけではなく、実は実証的な根拠には乏しい。(7)比較言語学的観点からは、その起源において実際に子音 rと関係を持つであろうこ とは間違いないであろう。 これらを総合するに、第 7母音の実体は、半母音 [J]("-'[r])を入りわたりに伴った中舌 狭母音[i ]、すなわち [Ji]のごときもので(iにとっての(y)i [ji]、Uにとっての(v)u[wu]に 相当する)、その音韻論的位置は 「中舌(非前非後)狭母音音素J/ i / だったのではないかと筆者は推定する。「成節的子音Jであるとの立場はとる必要がなく なる。この推定はサンスクリットの母音体系の上でも類型論的均整を保つ。 おそらくはその、子音 rに起源(のうちのかなりの部分)を持つという特殊な性格から、 アヌスヴァーラやヴィサルガが後に来ない、また第 E 階梯に「本来長い母音」の相方を 持たないという分布の狭さがあり、これが第 7母音が崩壊して他の母音に合流していくこ とになる原因ではなかったろうか。 1、uに合流していったのはその狭母音としての性質により、 aに合流するのは「中舌」 母音としての性質によったものと推定できょう。 eや oに合流することはなかった。 第 7母 音 の 「 本 来 の 」 音 価 や 音 韻 論 的 位 置 づ け に つ い て 、 こ れ ま で の 文 法 書 に お け る 深 く 突 っ 込 ん だ 記 述 が 意 外 な ほ ど 少 な い の は 、 サ ン ス ク リ ッ ト の 読 諦 を 行 っ て き た パ ン デ ィ タ た ち が[riJと呼び習わしてきたことと[※ 29J、 パ ン デ ィ タ の 高 い 学 識 が 非 常 に 尊 敬 さ れ て き た こ と か ら 、 あ ま り 疑 わ れ 考 え 直 さ れ る こ と も な か っ た か ら で は な い か と 思 う 。 現 代 諸 語 に お い て も[riJと読む習慣の言語(圏)は多い。パンディタの学 識への深い信頼と心酔は、「インドかぶれした(gone native) Jイ ギ リ ス 人 の 文 法 書 著 者 たちも例外ではなかったもののようにみえる[※30J。 注 ※1 : イ ン ド 系 文 字 は 母 音 字 な ら ば そ れ 自 体 の 読 み 、 子 音 字 な ら ば 子 音 + 短 い
a
、 と い った便宜的な呼称をすることが多いようである。rIこはrephavatという名があるよう であるが(菅沼(1994)p.16)、「第7の 母 音Jと 呼 ぶ の が も っ と も 通 り が よ く 誤 解 の な い も の と 考 え た 。 な お 、 後 に 結 論 に お い て み る こ と に な る が 、 筆 者 は こ の 母 音 を 「 成 節 的 子 音Jで あ る よ り は 「 中 舌 高 母 音 」 で あ る と 解 釈 し 、 も と よ り [ "r+iJが 本 来 の 姿 であるとも考えないので、["riJと呼ぶこともまた、避けたものである。 ※2 : Datt(2000a)p.11"sounds like short 'ri'酪 血 'rib"';問中/町田(1986)p.ll [riJ;ヒン ディ一語は州を超越した別格の公用語である。デーヴァナーガリ一文字で表記される。※3 : Guha(2001b)p.31sounds like 'ree' in the English words street, breed, free, etc." ; ア ッ サ ム 語 は ア ッ サ ム 州 の 公 用 語 で あ る 。 そ の 表 記 に 用 い ら れ る 文 字 は ベ ン ガ ル 文 字 と ほ と ん ど 同 じ も の で あ る ( ベ ン ガ ル 文 字 のraの 下 に は 点 が 書 か れ る が 、 ア ッ サ ム 文 字 のraにはそれがないようである。違いはこれぐらいのようだ)。
※4 : Guha(2001a)p.29"resembles the sounds of 'ree' in English words,民間et,仕ee,creed etc.",町田/丹羽(2004)p.12[ri];ベンガノレ語は西ベンガ/レ州の公用語であると共に、バ ン グ ラ デ シ ュ の 国 語 で あ る 。 ベ ン ガ ル 文 字 で 書 か れ る 。 ※5 : Datt(2000b)p.12"as r in rhythm" ;グジャラート(グジャラーティー)語はグジャラ ート州の公用語である。
M
.K.ガーンディーの母語でもある。グジャラート文字で書かれる。 グジャラート文字はデーヴァナーガリーに似ているが、字の上部の横棒(シローレーカー) がない。 ※6 : Hodson(1864)p.l ; Vikal&
Srikant(2011)p.14"sounds like'
r
i
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as in rib";カンナダ 語はドラヴィダ語族に属し、カルナータカ州の公用語である。カンナダ文字で書かれる。 ※7 : Wade & Cust(1888)p.2;カシミール語はジャンム・カシミーノレ州の公用語である。 ヒンディー語などと異なり、インドの公用語で印欧語であるもの(もちろん英語を除く)の うち、この言語だけはダノレド諸語に属する。デーヴァナーガリ一文字とシャーラダ文字に はrに相当する字がある。ベルシア系の文字(アラビア文字の変種)にはない。 ※ 8 : Borkar(2010)には記載がない。;コーンカニ一語はゴアの公用語である。マラーテ ィー諾に近い。公用語としてはデーヴァナーガリ一文字で書かれるが、カルナータカ州に 移 住 し た 話 し 手 の 中 に は カ ン ナ ダ 文 字 を 用 い て 表 記 す る 人 々 が い る と い う ( 町 田 [ 編 著 ](2001)の pp.l句 、 児 玉 望 執 筆 「 カ ン ナ ダ 文 字Jの項)。また、ゴアのカトリック教徒は ローマ字を用いて書くらしい。※9 : Nair(2000)p.16"as r in Rhythm" ; T田N AND NOW: MALA YALAM LANGUAGE OF KERALA ST ATE ,INDIA,ALPHABET
(h悦p均azhayathu.blogspot.jp/2009/05/ma1aya1am-a1phabet-origin-ma1aya1am.h加 1)に は [ri ]とある (gif画像) ;マラヤーラム語はケーララ州の公用語である。 ドラヴィダ語族に属し、タミ ル諾に近いが、サンスクリットからの借用語が非常に多いこと、動調の人称接辞が失われ ていること、有気音系列を表記する字があること、他のインド系文字同様に複雑な結合文 字を作ること、などがタミル語との違いである。 ※ 10:石田(2003)p.2 [ruJfこ れ は 母 音 で は あ り ま せ ん が 、 母 音 扱 い で 伝 統 的 に こ の 位 置[7つめの母音字一引用者]に入れられます。J; Despande
&
Salpekar.(1991)には(口 語の文法書であるためか)記述がない。;マラーティー語はマハーラシュトラ州の公用語である。デーヴァナーガリ一文字で書かれる。ただ、ヒンディ一語にない反り舌の lの字 がある。 ※11:石 井(1986)p.22
r
ほぽ日本語の「リJでよい。Jp.23r
ロ ー マ 字 転 写 はd とする。j ;ネノfール語はシッキム州の公用語であるとともに、もちろんネパールの国語であり、プ ータンの公用語の一つでもある。デーヴァナーガリ一文字で書かれる。 ※12 : Panda(2001)p.13"ru (sho此;)as r in rhythm"、p.9の 筆 順 一 覧 で は 短 いrをa、長 い?をnで表記しており、一貫していない。 p.21の例ではghruna'ha甘ed',mruga'deer'とあり、 いずれも m となっている。;オリヤ一語はオリッサ州の公用語である。オリヤ一文字で書 かれる。オリヤ一文字は横棒(シローレーカー)の代わりに大きなアーチを持つ。 ※ 13 : Khosla(2001) [グルムキ一文字によるもの]、萩田(1996)[シャームキ一文字によ るもの]ともに記載がない。;パンジャーブ(パンジャーピー)語はパンジャーブ州の公用 語 で あ る 。 グ ル ム キ 一 文 字(Gurmukhi)と シ ャ ー ム キ 一 文 字(Shahmukhi)が 用 い ら れ る 。 前 者はシク教徒が主に用いるもので、 Khosla, B
.
S.(2001)は こ れ を 用 い 、 シ ャ ー ム キ 一 文 字 は ペ ル シ ア 系 の 文 字 ( ア ラ ピ ア 文 字 の 変 種 ) で あ っ て 、 萩 田 博(1996)は こ ち ら で 書 か れている。 rの字を持っとすればグノレムキ一文字の方であろうが、 Khosla(2001)には 載っていない。 ※ 14:タミル語はタミノレナドゥ州の公用語であり、またスリランカでも用いられる。 ド ラヴィダ語族の一言語。タミノレ文字を用いて書かれる。タミル文字は rに相当する字を持 たない。書こうとするならばグランタ(Grantha)文字の独立母音字 7番目を借用することに なろう。※15 : Govindarajulu (2001)p.15では英語の例を挙げず、Krishnaのdだ、とある。; 山田(2010)p.7で はrが プ ラ ケ ッ ト に 入 っ て い る が こ れ は 発 音 記 号 と い う よ り 転 写 で あ り、「子音[rJと同じ」だ、とある。;テルグ語はアーンドラプラデーシュ州の公用語であ る。テルグ文字を用いて書かれる。テルグ文字はカンナダ文字によく似ている(上部に書 かれる、シローレーカーの名残の部分の形状が異なる)。 ※16:野口(1992)p.vi
r
ruJと し 、 ア ン ダ ー ド ッ ト の あ る rについて「反転音(捲舌音)J と説明している。;シンハラ語はスリランカの公用語である。インドの公用語ではない。 シンハラ文字を用いて書かれる。スリランカは上座部仏教圏に属し、シンハラ文字はパー リ語がそれを用いて書かれる主な文字の一つである。 ※ 17:松山(1994)p.VIIr
音 節 字 母 ( サ ン ス ク リ ッ ト ・ パ ー リ 借 用 語 に の み 用 い る )J。 な お 、 長 い7
はr
田町、 Iは1m
と あ る 。 こ こ に 同 ] と は 記 号 の 方 便 で 、 実 際 に は 中 舌 高 母 音[iJを意味する(つまり、「非円唇後狭母音」一 Jonesの い う 意 味 で の 第 2次基幹母音としてのーを意味するのではなし、)。ベン・セタリン(2004)における記号[田]も同じ。 [この記法は日本における朝鮮語教育にあって久しくひろく行われている慣用である の で 、 日 本 の 言 語 学 者 に は む し ろ 説 明 不 要 で あ る か も し れ な い が 、 念 の た め に ];こ こにタイ語とは狭義のタイ語をいい、タイ王国の国語である。 ※ 18 :ベン・セタリン(2004)p.252。同 p.253
r
クメ}ル語はサンスクリットの影響を 受けて、サンスクリットと同じく r田…を母音として扱っている。J;クメール語(カン ボジア語)はカンボジアの国語である。 ※ 19 :山口 (2002)p.10、サンスクリット由来語の表記についての項参照。 ※20 :グランタ文字は、タミルナドゥなど南インドにおいて、サンスクリットを表記 するのに用いられる文字。町田[編著](2001)pp.198・201高島淳執筆「グランタ文字」 の項参照。;タミル文字は有気音系列や hなど、タミル語にもともとない音を表す字 を持たず、タミル語文語の書き手は必要に応じてグランタ文字で補うという方法を採 る。これに対して注 9で触れたように、マラヤーラム文字は他のインド系文字と同じ ように、サンスクリット以来の要素を自らの文字体系の中に保持し抱え込んでいる。 インド系文字の中にあってタミル文字のシンプルな(愚直なと言ってもよかろう)表記 システム一被雑な結合文字や半字を持たず、一々書き連ねてゆくーはむしろ具彩を放 っていると言える。 ※21 : L回 arus(l878)p.7によれば、反り舌音 (cerebrals)の前で母音が円唇化する(i→u、 e→ a)という。 ょについても同じことが起きるとされている。 Percival(1993? reprint 2002)の巻頭の"Anglo・TamilAl
phabet"にも同趣旨の記述がある。 ※ 22 :サンスクリットには/z/がないが、いわばその代わりに「有声音に逆行同化し たsJの役割を演じているのではないだろうか。 ※23 :釈尊自身の母語であったと考える人もあれば、初期仏教教団の(人工的)リング アフランカであったとする説、極端なものでは音声言語としての使用の事実を疑う説 まである。パーリ語はスリランカや東南アジア大陸部において現在も、単に仏典の言 語であるだけでなく、僧侶の世界における(民族や国境を越えた)共通語であるようで あり、またピノレマ語、タイ語(狭義の。タイ王国の国語)、クメーノレ語などにおいて、 我が国語や朝鮮語における漢語、また欧米の諸言語におけるラテン語やギリシア語の ような位置を占める。今日ではかつてのような生産性はないとも聞くが、様々な新造 語が上記の諸国語において、現代的事物や制度を表すために造語されている。筆者の 知人の僧侶(日蓮宗)は、インドを放浪し托鉢と苦行を経験する目的をもってタイで上 座部の得度を受け、陸路インドに入るまでの聞の一時期修道生活をした。その時、タ イ語・ピルマ語を解しない彼は日本の大学で履修したパーリ語を用いたところ、よく意思の疎通ができたということである。 ※ 24 :ヴェーダの言語 (Vedic)が そ れ で あ る と 考 え る 人 も あ っ た 。 実 際 、 あ る 種 の 条 件法は、サンスクリットではすでに失われているがパーリ語には残っているとされる。 ※25 :我が国の江戸落語における「ムクドリ」、「飯炊きの権助Jのたぐいの言語に相 当 す る 。 「 お ら 山 家 者 だ で 、 一 向 わ か り ま し ね え だ よ 」 の た ぐ い で あ る 。 何 ら か の 特 定 の 方 言 で あ る と は 思 わ れ な い が 、 関 八 州 、 甲 州 、 信 州 ( 米 つ き 男 は こ の 地 方 の 出 身 者 が 多 か っ た と さ れ る ) 、 東 海 道 沿 い の 諸 国 、 な ど の 実 在 の 方 言 を あ る 程 度 反 映 し た ものであったろう。舞台プラークリットもそのようなものであったと思う。 ※ 26 : Edgr四 (1885)p.157"r,
r
, 1, ai and au are wanting. Th町 aresupp1ied as follows: ini討alr by ri, or, rare1yU or i; medial~ bya
,
ぽ
i,or (after a 1abial),Uor, rare1y, ri;…
"
※ 27:風間(1992)i音 節 の 構 成 に つ い て 、 パ ー リ 語 を 含 め た プ ラ ー ク リ ッ ト 一 般 に 有 効 な 規 則 と し て 、 い か な る 音 節 も 2モ ー ラ 以 上 を 含 む こ と は で き な い J。 こ の 規 則 に よ っ て 、 サ ン ス ク リ ッ ト に お い て 長 母 音 を 持 っ て い た 形 式 が 、 パ ー リ 語 で は 短 母 音 を 持 つ 形 式 に 対 応 す る こ と が あ る 。 と こ ろ が 、 そ の 後 に 重 複 し た 子 音 を 持 つ 場 合 、 そ の 片 方 を 削 除 す る 際 に 母 音 は 「 再 延 長Jさ れ る こ と に な る 。 そ こ で 、 ヒ ン デ ィ 一 語 形 に お け る 長 母 音 に は 、 サ ン ス ク リ ッ ト か ら そ の ま ま 受 け 継 い だ の で は な く て 、 い っ た ん 短くなって、後から改めて長くなったものがある。 Sanskrit ra仕i>
がその例である。また、 Pali rattl Hindi>
*ra託(i) 〉 r a t i夜」 s百 回>
s凶 a>
*sutt>
s u t i糸(経)J これは s日甘「経典 J(サンスクリットからの借用語)とダブレットをなす例。 sOtの口は「再 延長Jされたもの。 s0 trのロはサンスクジットの長母音をそのまま借り入れ引き継いだも のである。 ※ 28 :現代のヒンディ一語では英語からの借用語などで、中位にも dが 現 れ る こ と が ある (soda iソーダJ)ので、厳密には相補分布しなくなっている。 ※ 29 :菅沼 (1994)p.28の【註】参照。 (rの文字を使う転写法も結局ここからくる) ※ 30 : go nativer
イ ン ド か ぶ れ す る 」 と い う 言 い 方 か ら も 伺 え る よ う に (goは状態が 良 く な い 方 向 へ 変 化 す る こ と を 表 す こ と が 多 い ) 、 現 地 人 の 文 化 や 生 活 に 深 入 り す る ことは良いことだとは見なされていなかったという[筆者の同僚の英国人 JohnThur10w 氏 の 話 に よ る ] 。 文 法 書 の 著 者 た ち の 感 覚 は 、 普 通 の 在 印 英 人 た ち の そ れ と は か け 離 れ て い た 可 能 性 が あ る 。 フ ィ ク シ ョ ン に も そ れ が 反 映 す る こ と が あ る 。 サ マ セ ッ ト ・モ ー ム の 作 品 に 登 場 す る 、 た と え ば ラ ホ ー ル 駐 在 の 英 人 た ち は 、 本 国 人 同 士 の 社 交 の 世界の中にいて、現地人の生活には極めて無関心である。 参 考 文 献 石 井 樽(1986): W 基礎ネパール語~ ,大学書林. 石田英明(2003): W基礎マラーティー語~ ,大学書林. 上村勝彦/風間喜代三(201ω: W サンスクリット語・その形と心~ ,三省堂. 風 間 喜 代 三(1989):サンスクリット(語), 『 言 語 学 大 事 典 第2巻 世 界 言 語 編 ( 中
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New Delhi※インドReadwell社の吐n A Month"シ リ ー ズ は 、 奥 付 に 出 版 年 月 日 が 記 載 さ れ て い な い。そのため、 ISBNコ ー ド を キ ー に ネ ッ ト 検 索 し 、 販 売 し て い る サ イ ト の デ ー タ を 参 考 に 出 版 年 次 を 記 し た が 、 こ れ ら は 「 そ の 版 ・ そ の 刷 り が 発 行 さ れ た 年 次 」 に 過 ぎ な い 可 能 性 が あ る ( 同 じ 著 者 が 同 じ 年 の 聞 に 何 冊 も 上 梓 し て い る こ と に な っ て い る な ど、疑問がある)。 [Webリソース