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Academic year: 2022

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(1)

犠牲陽極材を用いた断面修復工法による鉄筋防食効果に関する基礎的研究

西日本旅客鉄道(株) 正会員○渡辺 佳彦

(株)レールテック 大江 崇元

電気化学工業(株) 山本 賢司 京都大学大学院 フェロー 宮川 豊章

1.はじめに

中性化や塩害により劣化したコンクリート構造物の性能回復のために,部分断面修復工法などの修繕方法が 取り入れられているが,補修部と未補修部との境界部において,マクロセル腐食による再劣化が懸念されてい る.そこで,内的塩害により劣化した鉄筋コンクリート部材の補修に対し,断面修復材中の鉄筋に犠牲陽極材 を取り付け,マクロセル腐食抑制効果を検証することを目的とし

また鉄筋腐食により

た実験を行った.

劣化したラーメン高架橋等を断面修復す る

1(マクロセル腐食抑制の検証) 供

角柱供試体

名称

(

) 図-1 シリーズ1供試体,

モニタリング測定位置(単位:mm)

測定位置 (★印)

100 100

25

800 675 125

基材部 補修材部

0 100 200 300 400 500 600 737

★ ★ ★ ★ ★ ★ 犠牲陽極材 φ13みがき棒鋼

際,マクロセル腐食抑制のため,鉄筋の裏側まではつり取るこ とが多いが,はつり作業にかかる労力が大きく,作業員の負担が 大きい.そこで,はつり作業軽減のため,犠牲陽極材を用いては つり作業が軽減できるかどうかを検証する実験も行った.

2.実験概要 2.1 シリーズ

図-1に示すように,

100×100×800mmの角柱

試体にみがき棒鋼φ13 をかぶり

25mmで埋め込み,

基材部と補修材部の

2

配合に分けたものを作成した.

供試体の一覧を表-1に示す.基材部のコンクリー トはW/C=70%,補修材部はSBR系のポリマーセメン トモルタル(比較用としてポリマー無混入のセメン トモルタル)を使用し,名称ごとに

3

体作成した.ポ リマーを混入することで水密・機密性の組織構造とな 鉄筋の防食性が向上するとされている

Cl- ポリマーセメ ン (シリーズ kg/m3) ト比 (P/C,%) 筋裏はつり深さ

CL=3,P/C=0 0

1ことから,本研 究では断面修復材にポリマーを混入することとした.ま たみがき棒鋼にはコードをつけて自然電位等のモニタリ ングが出来るようにした.打設は

1

日目に基材部,2日 目に補修材部を行い,

7

日目に脱型後,材齢

28

日までは 湿布養生を行った後,100×100mm断面となる端面

2

面 をエポキシでコーティング後,温度

40℃・湿度 95%で 96

時間,温度

20℃・湿度 60%で 72

時間を

1

サイクルと する乾湿繰返し環境での促進養生を行った.

2.2 シリーズ2(はつり深さ軽減の検証) 図-2に示すように,

100×100×400mm

を基材部と補修材部の

2

配合に分けたものを作成し,そ の中にみがき棒鋼φ13を

1

本配置した.かぶりは底面側

(補修材部側)から 47mm

とし,鉄筋裏のはつり深さを①

CL=3,P/C=6.5 6.5

CL=3,P/C=9.9 3

9.9 CL=6,P/C=6.5 6

m 6.5

20mm

②0mm

③-6.5m 3水準 表-1 供試体一覧(シリーズ1・2共通)

図-2 シリーズ2供試体(単位:mm) 鉄筋裏 はつり深さ 基材部

補修材部 400

キーワード:犠牲陽極材,復極量,マクロセル腐食,はつり深さ

連絡先:西日本旅客鉄道()施設部土木課 〒530-8341 大阪市北区芝田2-4-24 TEL 06-6376-6158 FAX 06-6375-8915

:20mm 100

100 47

①鉄筋裏はつり 20mm 供試体

鉄筋裏 はつり深さ 基材部

補修材部 400 100

0mm 100

47

②鉄筋裏はつり 0mm 供試体

鉄筋裏 はつり深さ 基材部

補修材部

400 :-6.5mm 100

47

100

③鉄筋裏はつり-6.5mm 供試体

5-201 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

-401-

(2)

20mm(現在の一般的な補修時のはつり深さ),②0mm(鋼材裏位置),③-6.5mm(鋼材中心位置)の 3

種類設定し た.供試体の一覧を表-1に示す.打設方法・養生方法はシリーズ1と同様とした.

2.3 測定項目

シリーズ1では図-1に示す供試体底面の★印

7

箇所にて,シリーズ2では供試体打設面および底面中央部 にて,自然電位(vs. Ag/AgCl:飽和塩化銀電極)による腐食モニタリング(結線状態)を約

1

ヵ月ごとに実施した.

また材齢約

6

ヶ月の時点で自然電位測定後に犠牲陽極材と鋼材の結線を断線させ,24 時間後に再度自然電位 を測定し,結線時(ON電位)と断線時(OFF電位)の自然電位の変化

3.実験結果

量(復極量)を調査した.

おけるON電位および復極量を図-3に示す.

おけるON電位および復極量の一覧を表-2に

り,以下のことがわかった.

の断面修復時に鉄筋裏のはつり深さを軽減できる可能性がある.

協会:すぐに役立つセメント系補修・補強材料の基礎知識,2006

ー107,2001 -1000

-800 -600 -400 -200 0

0 200 400 600 800

左端からの距離(mm)

ON電位(mV)

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900

0 200 400 600 800

左端からの距離(mm)

復極量(mV)

CL=3, P/C=0%

CL=3, P/C=6.5%

CL=3, P/C=9.9%

CL=6, P/C=6.5%

図-3 シリーズ1 ON 電位・復極量 3.1 シリーズ

材齢約

6

ヶ月に

一般的に犠牲陽極材としての効果が発揮されるのは復極量が

100mV以上とされている

2が,基材部のCl-量が

3kg/m

3

P/C=0(ポ

リマー無混入)の供試体は,他の

3

種類よりON電位が貴な値を示 し,基材部左端から

200mmまでの位置で復極量が 100mV以下で

あることがわかった.ポリマー無混入の場合,ポリマー混入に比 べて電流が流れやすいはずであり,今後さらに検討を行う必要が あると考えられる.なお,これ以外の供試体は現時点で十分な防 食効果を保っていることが確認できた.

3.2 シリーズ2 材齢約

6

ヶ月に

示す.いずれのCl-量・P/Cにおいて,基材部・補修材部とも,は つり 深さが-

6.5mm(鋼 材中 心位置まで )

の ものが はつり深さ

0mm・20mmに比べてON電位が貴となっているが,復

極量はいずれも

100mV以上であり,十分な防食効果を

示していると考えられる.つまり,鉄筋腐食により劣 化したRC高架橋等に対して犠牲陽極材を用いてポリ マーセメントモルタルで断面修復する場合に,はつり 深さが軽減できる可能性があることがわかった.今後,

さらに長期にわたりモニタリングを継続し,効果を検 証していきたい.なお,基材部のCl-量が

3kg/m

3,P/C

=9.9%,はつり深さ

20mmの供試体では復極量が他に

比べて非常に小さい(100mV以上ではある)が,今のと ころ原因が不明であり,今後の検討材料としたい.

4.まとめ

表-2 シリーズ2 ON 電位・復極量 はつり

深さ(mm) 基材部 補修材部 基材部 補修材部 -6.5 -613 -710 536 650

0 0 -926 -1001 756 841

20 -840 -895 681 786

-6.5 -692 -794 562 678

6.5 0 -865 -1023 726 803

20 -998 -987 641 643

-6.5 -681 -727 538 643

9.9 0 -897 -972 758 798

20 -1057 -1053 131 142 -6.5 -570 -591 439 535

6.5 0 -834 -920 671 801

20 -960 -1004 757 828 3kg/m3

6kg/m3

ON電位(mV) 復極量(mV) Cl-量 P/C(%)

本研究によ

①犠牲陽極材を併用することで,

RC

高架橋等

②ポリマー無混入の補修材と犠牲陽極材を併用した場合の防食効果は,今後さらに検討を行う必要がある.

今後さらに長期にわたりモニタリングを継続し,犠牲陽極材を用いた断面修復工法の防食効果について引き 続き検証して行きたい.

参考文献

1)(社)セメント

2)(社)土木学会:電気化学的防食工法設計施工指針(案),コンクリートライブラリ

5-201 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

-402-

参照

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