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(1)

雷と相関したTASDイベント

2014/11/07

立命館大理工 奥田剛司

(2)

講演概要

テレスコープアレイ実験(TA)の地表粒子検出器(SD)で検出された特異なバー スト事象に関するこれまでの経緯とその雷との相関について報告する。

スライドは以下のような構成となっている。

・テレスコープアレイ実験(TA)及びTA地表粒子検出器(TASD) ・あるイベントの再構成失敗(Structured Multi Waveform Event) ・バーストイベントの発見

・バーストイベントの特徴 ・雷放電との相関

・他グループの観測結果との比較 ・まとめ

(3)

MDFD

BRFD

LRFD

LRCT

BRCT

SKCT

CLF

507 SDs

32.4km

27.6km

米国ユタ州ミラード郡 39.3N, 112.9W, 高度1400[m]

Telescope Array 実験

通信塔 大気蛍光望遠鏡 地表粒子検出器

(4)

地表粒子検出器(SD)による観測

それぞれの地表粒子検出器は到来した粒子数相当の大きさの信号を検出し、 到来時刻と共に記録する。複数台の検出器の情報からそのシャワー軸と地 上でのシャワーの大きさを決定する。 ・シャワー軸近傍では非常に粒子数 が多く、離れるほど少ない。 ・シャワーの最前方は曲面状になり、 到来時刻はシャワー軸からの距離 に応じて遅くなる。 ・大気蛍光望遠鏡と異なり基本的に 常時稼働している。

(5)

テレスコープアレイ地表粒子検出器(TASD)

粒子検出部: 3[m2]×1.2[cm]のプラスティックシンチレーターが2層 104本の波長変換ファイバーで各層PMTへ 電子回路: 50MHz FADC Charge Controller GPS Wireless LAN データ収集: シャワートリガーは隣接3SD が8[μs]幅で同時に3MIPを超 えたとき。 トリガー時刻から32[μs]以 内の波形を全SDから収集。

(6)

シャワー軸からの距離 到来時刻分布 粒子数分布 シャワー軸からの距離

非常に大きな宇宙線イベントの

観測例

下図は検出器位置でのヒットパターン 丸点の大きいものほど多数の粒子 がヒットしているおり、色の違い は到来時刻の差を表す。

(7)

Structured Multi Waveform Event

元々、シャワー再構成処理の前に再構成が失敗しないように工夫したイベン ト選別処理があり、基本的に十分シャワー状に見えると判断できる大きな シャワーイベントを抽出するようにしてある。 これにより2008年05月からの最初の二年以上のデータで再構成が明らかに失 敗したと判断できるイベントはなかった。しかし、その後のイベント101004-165842-930612の再構成は明らかに失敗と判断。生データまでたどると異常に 高度な多重波形イベントが存在することが明らかになった。 シャワー中心付近の検出器群の検出波形を次ページに示す。

(8)

49.9 2.1 6.2 27.1 806.7 286.3 3.2 26.2 7.5 2.4 2.0 1.4 2.5 6.6 3.5 4.1 10.3 95.1

(9)

Structured Multi Waveform Event

元々、シャワー再構成処理の前に再構成が失敗しないように工夫したイベン ト選別処理があり、基本的に十分シャワー状に見えると判断できる大きな シャワーイベントを抽出するようにしてある。 これにより2008年05月からの最初の二年以上のデータで再構成が明らかに失 敗したと判断できるイベントはなかった。しかし、その後のイベント101004-165842-930612の再構成は明らかに失敗と判断。生データまでたどると異常に 高度な多重波形イベントが存在することが明らかになった。 シャワー中心付近の検出器群の検出波形を前ページに示す。 定常的なミューオンなどでのランダムなチャンスコインシデンスによる多重 波形イベントはシャワー再構成時に周辺の検出器との関係によりシャワーに 関係する波形を選択採用して再構成するようにしてある。通常はシャワー中 心付近には一つのイベントにつき多くとも二つがせいぜいで、ランダムな時 刻で到来。複数の検出器間で構造を持った多重波形イベントは波形中に複数 のシャワーがある形にみえるので再構成が非常に困難。

(10)

Structured Multi Waveform Event

先のページのイベントは±32[μs]波形中に複数のシャワー状の構造があるだ けでなく前後に多数のイベントが存在する。すなわち全体でバーストイベン トである。下の図は各イベントの全波形を検出器によらず重ね合わせたもの。 エレキは1[ms]以下の範囲に15シャワートリガーを生成し、うち最初の10個を 波形収集トリガーとして記録(ファームウェアの仕様)。 うち三つ(下の1,2,4番目)が再構成前のイベント選別を通過。先のページの イベントは下の2番目のイベント。先のページの検出器ごとの波形からもわか るようにこのバーストは時間的な集中だけではなく空間的にも集中。 エレキの不明な暴走ではないのか? μs VEM

(11)

Structured Multi Waveform Event

シャワートリガー生 成前のデータ、すな わち各検出器の3MIP 以上の信号の数が シャワー中心の検出 器のみでこの一秒だ け増加。ただこの増 加量を考慮すると、 シャワートリガー生 成に至らなかった放 射線バーストも多数 存在することを示唆。 μs VEM 3MIP以上の信号の頻度[Hz]

(12)

date time usec trgPID hit 080901 062242 364061 0718 hit 080901 062242 364372 0817 hit 080901 062242 364429 0818 hit hit 090618 192926 843990 0513 hit 090618 192926 844108 0513 hit 090618 192926 844340 0414 hit hit 090620 205159 939544 1707 hit 090620 205159 939654 1707 hit 090620 205159 939750 1707 hit hit 101004 165842 930565 2109 hit 101004 165842 930612 2110 hit 101004 165842 930729 2109 hit 101004 165842 930835 2109 hit 101004 165842 930965 2209 hit 101004 165842 931026 2209 hit 101004 165842 931084 2209 hit 101004 165842 931117 2209 hit hit 110727 015718 993045 1009 hit 110727 015718 993324 0908 hit 110727 015718 993375 0908 hit 110727 015718 993491 1009 hit hit 110727 080615 124319 1418 hit 110727 080615 124426 1619 hit 110727 080615 124543 1518 hit 110727 080615 124654 1417 hit 110727 080615 124823 1417 hit 110727 080615 125205 1416 hit hit 110727 212350 818762 0712 hit 110727 212350 818809 0712 hit 110727 212350 818866 0712 hit 110727 212350 818942 0612 hit hit 110916 194056 567202 0908 hit 110916 194056 567342 0908 hit 110916 194056 567481 0908 hit 110916 194056 567566 0908 hit hit 120706 014911 184131 1908 hit 120706 014911 184219 1907 hit 120706 014911 184307 1808 hit 120706 014911 184401 2008 hit hit 120907 015545 380684 0517 hit 120907 015545 380755 0315 hit 120907 015545 380881 0416 hit 120907 015545 380931 0317 hit

TASDで観測された

バーストイベント

五年間のTASDのデー タから10個のシャ ワートリガーバース トが見つかった。こ こでのバースト定義 は1[ms]に3シャワー トリガー以上である。 結果として3シャワー トリガーのみならず バーストは1[ms]以内 の期間で全トリガー が生成されている。 また、トリガー判定 の隣接3台の中心検 出器は一つのバース ト中では非常に空間 的に近接している。

(13)

TASDで観測されたバーストイベント

date time usec X[m] Y[m] AS 101004 165842 930565 11356 -7425 AS 101004 165842 930612 10478 -7368 AS 101004 165842 930835 11142 -8159 AS 110727 080615 124319 3447 1952 AS 110727 080615 124543 2897 2232 AS 110916 194056 567481 -3210 -9285 AS 110916 194056 567566 -3524 -9413 AS 120706 014911 184219 9847 -10702 AS 120706 014911 184307 7635 -9674 AS 120907 015545 380684 -8636 1254 AS 120907 015545 380755 -9857 -337 AS 120907 015545 380881 -9450 -961 五年間のTASDのデータから10個 のシャワートリガーバーストが 見つかった。ここでのバースト 定義は1[ms]に3シャワートリ ガー以上であるが、五年間でラ ンダムなトリガーから期待され るバースト数は10-4以下である。 五バースト中のいくつかのイベ ントは空気シャワー用再構成を 通過した。 これらのバーストは時刻のみで 定義しているが先のトリガー中 心の情報からもわかるようにそ れらのシャワーコア位置は非常 に近接している。

(14)

粒子ヒットマップ

左図はバーストイベント、右図は左 の二つのイベントとほぼ同じ天頂角 でシャワーサイズが左の二つイベン トの中間程度の通常の空気シャワー イベントである。 Burst Burst Normal

(15)

Burst Burst Normal

横方向粒子数分布

左図はバーストイベント、右図は左 の二つのイベントとほぼ同じ天頂角 でシャワーサイズが左の二つイベン トの中間程度の通常の空気シャワー イベントである。

(16)

Burst Burst Normal

横方向到来時刻分布

左図はバーストイベント、右図は左 の二つのイベントとほぼ同じ天頂角 でシャワーサイズが左の二つイベン トの中間程度の通常の空気シャワー イベントである。 左図のシャワーフロント形状は右図 に比べて、より湾曲している。

(17)

Burst Burst Normal

波形

左図はバーストイベント、右図は左 の二つのイベントとほぼ同じ天頂角 でシャワーサイズが左の二つイベン トの中間程度の通常の空気シャワー イベントである。 左図の波形には右図の波形のような 鋭い立ち上がりが少ない。

(18)

TA

北米雷検知網(NLDN)で観測された雷放電との相関

Vaisala社のNLDNはLF/VLF帯電波を用いて雷放電を検出する。観測された雷放 電のリストは雷放電の時刻、二次元座標、ピーク電流そして雲放電か対地放電 かを示すフラグを含んでいる。 NLDNは対地放電の検出効率は高いが雲放電の検出効率はそこまで高くない。 バーストから±1[ms]以内の雷放電をSynchronized dischargeと定義し、 Synchronized dischargeを除く、 バーストから±200[ms]以内の雷放電をRelated dischargeと定義する。 TASDの約三倍の領域

(19)

AS date time usec X[m] Y[m] Zenith H[m] LG date time usec X[m] Y[m] I[kA] Flag

AS 101004 165842 930565 11356 -7425 15.66 3963 AS 101004 165842 930612 10478 -7368 13.07 4400 AS 101004 165842 930835 11142 -8159 27.65 3270 LG 101004 165842 930608 12480 -5068 -63.5 C LG 101004 165842 934058 10619 -8069 -35.8 G AS 110727 080615 124319 3447 1952 5.28 4070 AS 110727 080615 124543 2897 2232 19.22 3070 LG 110727 080615 124303 3653 2285 -35.6 C LG 110727 080615 130887 3084 1996 -28.0 G AS 110916 194056 567481 -3210 -9285 38.76 3253 AS 110916 194056 567566 -3524 -9413 32.18 3134 AS 120706 014911 184219 9847 -10702 24.21 3770 AS 120706 014911 184307 7635 -9674 23.61 3361 LG 120706 014911 184122 8997 -9670 -36.3 C AS 120907 015545 380684 -8636 1254 14.90 4446 AS 120907 015545 380755 -9857 -337 11.41 4805 AS 120907 015545 380881 -9450 -961 31.71 3361 LG 120907 015545 380675 -8942 668 -53.9 C LG 120907 015545 390411 -9635 -1952 -20.1 G LG 120907 015545 409370 -8608 -1653 -12.2 G 再構成された五つのバースト のうち四つで相関があった。 NLDNの検出効率を考えると非 常に良い相関があると言える。 ASで始まる行がTASDイベント を、LGで始まる行がNLDNイベ ントを表す。NLDNイベントの 色はそれぞれSynchronized dischargeとRelated dischargeを表す。

NLDNで観測された

雷放電との相関

(20)

AS date time usec X[m] Y[m] Zenith H[m] LG date time usec X[m] Y[m] I[kA] Flag

AS 101004 165842 930565 11356 -7425 15.66 3963 AS 101004 165842 930612 10478 -7368 13.07 4400 AS 101004 165842 930835 11142 -8159 27.65 3270 LG 101004 165842 930608 12480 -5068 -63.5 C LG 101004 165842 934058 10619 -8069 -35.8 G AS 110727 080615 124319 3447 1952 5.28 4070 AS 110727 080615 124543 2897 2232 19.22 3070 LG 110727 080615 124303 3653 2285 -35.6 C LG 110727 080615 130887 3084 1996 -28.0 G AS 110916 194056 567481 -3210 -9285 38.76 3253 AS 110916 194056 567566 -3524 -9413 32.18 3134 AS 120706 014911 184219 9847 -10702 24.21 3770 AS 120706 014911 184307 7635 -9674 23.61 3361 LG 120706 014911 184122 8997 -9670 -36.3 C AS 120907 015545 380684 -8636 1254 14.90 4446 AS 120907 015545 380755 -9857 -337 11.41 4805 AS 120907 015545 380881 -9450 -961 31.71 3361 LG 120907 015545 380675 -8942 668 -53.9 C LG 120907 015545 390411 -9635 -1952 -20.1 G LG 120907 015545 409370 -8608 -1653 -12.2 G 再構成された五つのバースト のうち四つで相関があった。 NLDNの検出効率を考えると非 常に良い相関があると言える。 ASで始まる行がTASDイベント を、LGで始まる行がNLDNイベ ントを表す。NLDNイベントの 色はそれぞれSynchronized dischargeとRelated dischargeを表す。 これらの相関は時刻のみで定 義しているがTASDイベントと NLDNイベントの二次元座標も 非常によく一致している。

NLDNで観測された

雷放電との相関

(21)

AS date time usec X[m] Y[m] Zenith H[m] LG date time usec X[m] Y[m] I[kA] Flag

AS 101004 165842 930565 11356 -7425 15.66 3963 AS 101004 165842 930612 10478 -7368 13.07 4400 AS 101004 165842 930835 11142 -8159 27.65 3270 LG 101004 165842 930608 12480 -5068 -63.5 C LG 101004 165842 934058 10619 -8069 -35.8 G AS 110727 080615 124319 3447 1952 5.28 4070 AS 110727 080615 124543 2897 2232 19.22 3070 LG 110727 080615 124303 3653 2285 -35.6 C LG 110727 080615 130887 3084 1996 -28.0 G AS 110916 194056 567481 -3210 -9285 38.76 3253 AS 110916 194056 567566 -3524 -9413 32.18 3134 AS 120706 014911 184219 9847 -10702 24.21 3770 AS 120706 014911 184307 7635 -9674 23.61 3361 LG 120706 014911 184122 8997 -9670 -36.3 C AS 120907 015545 380684 -8636 1254 14.90 4446 AS 120907 015545 380755 -9857 -337 11.41 4805 AS 120907 015545 380881 -9450 -961 31.71 3361 LG 120907 015545 380675 -8942 668 -53.9 C LG 120907 015545 390411 -9635 -1952 -20.1 G LG 120907 015545 409370 -8608 -1653 -12.2 G 再構成された五つのバースト のうち四つで相関があった。 NLDNの検出効率を考えると非 常に良い相関があると言える。 ASで始まる行がTASDイベント を、LGで始まる行がNLDNイベ ントを表す。NLDNイベントの 色はそれぞれSynchronized dischargeとRelated dischargeを表す。 NLDNイベントの79%は対地放 電フラグ(G)を持っているが 相関のあった四つの Synchronizedはすべて雲放電 フラグ(C)を持っている。後 続のRelatedはすべて対地放電 フラグ(G)である。

NLDNで観測された

雷放電との相関

(22)

AS date time usec X[m] Y[m] Zenith H[m] LG date time usec X[m] Y[m] I[kA] Flag

AS 101004 165842 930565 11356 -7425 15.66 3963 AS 101004 165842 930612 10478 -7368 13.07 4400 AS 101004 165842 930835 11142 -8159 27.65 3270 LG 101004 165842 930608 12480 -5068 -63.5 C LG 101004 165842 934058 10619 -8069 -35.8 G AS 110727 080615 124319 3447 1952 5.28 4070 AS 110727 080615 124543 2897 2232 19.22 3070 LG 110727 080615 124303 3653 2285 -35.6 C LG 110727 080615 130887 3084 1996 -28.0 G AS 110916 194056 567481 -3210 -9285 38.76 3253 AS 110916 194056 567566 -3524 -9413 32.18 3134 AS 120706 014911 184219 9847 -10702 24.21 3770 AS 120706 014911 184307 7635 -9674 23.61 3361 LG 120706 014911 184122 8997 -9670 -36.3 C AS 120907 015545 380684 -8636 1254 14.90 4446 AS 120907 015545 380755 -9857 -337 11.41 4805 AS 120907 015545 380881 -9450 -961 31.71 3361 LG 120907 015545 380675 -8942 668 -53.9 C LG 120907 015545 390411 -9635 -1952 -20.1 G LG 120907 015545 409370 -8608 -1653 -12.2 G 再構成された五つのバースト のうち四つで相関があった。 NLDNの検出効率を考えると非 常に良い相関があると言える。 ASで始まる行がTASDイベント を、LGで始まる行がNLDNイベ ントを表す。NLDNイベントの 色はそれぞれSynchronized dischargeとRelated dischargeを表す。 NLDNイベントの85%は負極性 ピーク電流を持つ放電で相関 のあったすべての放電は負極 性のピーク電流を持っていた。 雲放電のピーク電流は観測さ れた先のページの分布に対し て非常にまれな大電流。

NLDNで観測された

雷放電との相関

(23)

再構成されたシャワー軸と雷放電位置

色は地上0[m]~3000[m]までの高さを表す。 赤い丸点はシャワーコアヒット位置である。 NLDNイベント位置はNLDNの二次元位置決定精度300[m]を半径とする円で表す。 先の結果からSynchronized dischargeは雲放電なので高さ3000[m]、 Related dischargeは対地放電なので高さ0[m]として図示してある。

(24)

NLDNで観測された雷放電との相関

10個のバーストのうち再構成を通ったイベントのなかった5個のバースト のうちの2個のバーストは先のページと同様に時間的空間的に雷放電と相 関があった。 すなわち10個のバーストのうち6個でNLDNで観測された雷放電との相関が あった。残りの4個のバーストも10分以内に多数の雷放電がNLDNで観測さ れており、すなわち全てのバーストが雷雲下であった。

(25)

他グループの観測結果との比較

M.S.Briggs, et al, J. Geophys. Res. (2010), vol 115, A07323

TASD

TASD Log-Normal like

(26)

他グループの観測結果との比較

M.S.Briggs, et al, J. Geophys. Res. (2010), vol 115, A07323

TASD

TASD Gaussian like

(27)

他グループの観測結果との比較

負極性落雷を伴う階段型前駆放電と 同期した放射線観測。 階段型前駆放電の時間間隔はイベン トごとに異なるがおよそ数μsから 100μs。この時間間隔はシャワート リガーのかからなかったイベントも 含めてTASDバースト時間間隔と一致。 負極性落雷は電子が下向きに加速さ れる状況で、TASDバーストと Synchronizedしていた雲放電も負極 性であった。また、以下ではRHESSI で観測されたTGFが正極性(電子の上 向き加速)の雲放電と相関している ことが報告されており、合わせて TASDバーストと負極性放電の相関は 妥当に思われる。

J.R.Dwyer, et al, Geophys. Res. Rett. (2005), vol 32, L01803

S.A.Cummer, et al, Geophys. Res. Rett. (2005), vol 32, L08811

(28)

他グループの観測結果との比較

先に階段型前駆放電からの地上での放射線の研究は数台のNaIをkm2程度に展開 したもので、エネルギー測定が主目的である。検出器のサイズや展開面積によ り空間分布を計れるものではない。TASDはエネルギーは計れないが時間応答の 早いプラスチックシンチレータ(3m2)を507台、680km2に展開しており、地上に おける雷放電からの放射線に対してユニークな検出器となっている。 Fermi TGFの波形との比較は形状は似ているが時間スケールは(イベントごと の違いがあるものの)およそ1.5桁ほど異なる。この原因は第一には加速領域 から検出器までの距離が2桁ほど異なることが考えられる。また加速領域その もののサイズも階段型前駆放電付随のものよりTGFはかなり大きいと思われる。

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まとめ

• テレスコープアレイ実験地表粒子検出器(TASD)は時間的空間的に局 在したバーストイベントを観測した。 • バーストイベントは通常の空気シャワーイベントと似ている点と異な る点がある。 • これらバーストイベントに対して時間的空間的に相関がある雷放電が 北米雷検知網(NLDN)の観測結果から確認された。 • バーストイベントに対するNLDNで観測されたSynchronized discharge とRelated dischargeに関して雲放電と対地放電の割合やピーク電流値 とその極性には特徴がある。 • NLDNで観測された放電と相関のなかったバーストイベントもすべて雷 雲下であることが確認された。 • 他のグループの観測結果との関連性についてTASDは雷放電からの放射 線の空間的な広がりを観測できるユニークな検出器である。

参照

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