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山内 晃 ○ ○ ○ ○

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Academic year: 2022

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別記様式第5号

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

報 告 番 号

氏 名

山内 晃

学 位 審 査 委 員

主査 河本 和明

副査 田井村 明博

副査 武藤 鉄司

副査 万田 敦昌

論文審査の結果の要旨

山内晃氏は平成25年3月に長崎大学 環境科学部を卒業し、同年4月に長崎大学大学院 水産・環境 科学研究科博士前期課程に入学した。平成27年3月に同課程を修了し修士(環境科学)の学位を取得 した後,同年4月に同研究科博士後期課程に進学し、現在に至っている。 山内氏は水産・環境科学 総合研究科に入学以降、人工衛星データを用いた雲の鉛直構造に関する研究に従事し、その結果を 平成27年8月に主論文「CALIPSO衛星データから得られたバレンツ海周辺と東シベリア海周辺の雲特 性の違いについて」として完成させ、参考論文として、学位論文の印刷公表論文2編(うち査読付き 論文1編)を付して、博士(環境科学)の学位を申請した。

長崎大学大学院 水産・環境科学総合研究科教授会は、平成29年12月20日の定例教授会において論 文内容などを検討し、本論文を受理して差し支えないものと認め、上記の審査委員を選定した。委

員は主査を中心に論文内容について慎重に審議し、平成30年1月29日に公開論文発表会を実施すると ともに、最終試験を行った。そして論文審査および最終試験の結果を平成30年2月14日の同研究科教 授会に報告した。

提出論文は、自ら発したシグナルの反射を受信する能動型センサからのデータを用いて雲の鉛直 構造の解析を試みたものである。第1章では、気候形成における雲の役割や、受動型および能動型セ ンサを用いた先行研究をレビューし、本論文で扱う問題の所在を記述した。第2章では、氷晶が不均 質核形成のみで発生する-25℃から0℃の温度帯を対象に、雲層内氷相割合がユーラシア西部に比べ てユーラシア東部で約20%高いことを示した。またユーラシア東部では氷相発生時の雲層平均発生高 度が西部より低いことや、対流圏下層3km以下の氷相割合と水相割合がユーラシア東部と西部で明ら かに異なっていることを示した。これらの事実から、対流圏下層のユーラシア東部はユーラシア西 部よりも氷晶形成が促進しており、地表面の氷晶核の影響がユーラシア東部でより大きいことが示 唆された。第3章では、より高緯度の北極域を解析対象とし、その結果を記述した。第2章と同様に

、不均質核形成の温度範囲である-25℃から0℃帯での雲層内の氷相割合は、夏季ではバレンツ海周 辺と東シベリア海周辺でほとんど差が生じないが、冬季では東シベリア海周辺で約20%高かった。ま

博(水・環)甲第39号

(2)

た温度毎の雲層内氷相割合も夏季ではどの温度帯も殆ど差が無いが、冬季の-25℃から-10℃帯では 顕著に東シベリア海周辺で多かった。これらの雲層内の氷相割合の違いは、雲層内温度や氷晶核の 供給場所によって大きく変化することが示唆された。第4章では、中緯度の暖流である黒潮を対象に

、黒潮上では表面風の収束、対流圏下層から中層にかけて強い上昇流が発生するとともに相対湿度 が高い値を示し、海面温度が上昇するにつれて液体降水量が増加していることを明らかにした。ま た黒潮上ではレーダ反射率のピークの位置が周辺場に比べ2kmほど高く、特に降水雲の場合は幾何 学的に厚い雲の発生頻度が周辺領域に比べて高いことが判明した。第5章では本研究で得られた新知 見をまとめるとともに、気候モデル内の雲パラメタリゼーションの今後の改良や、2019年に打ち上 げ予定の地球観測衛星Earth Clouds, Aerosols and Radiation Explorer (EarthCARE) のデータ解析に向 けての展望が述べられた。

本論文の結果は、これまで技術的な困難から扱われること少なかった高緯度域の氷雲に加えて、

黒潮域の雲の鉛直構造について有意義な知見を含むものと高く評価できる。学位審査委員会は、本 論文が気象学の発展に貢献するところが大であり、博士(環境科学)の学位に十分値するものとして 合格と判定した。

参照

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