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経済研究所 / Institute of Developing

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(1)

あの世にまつわるマダガスカルの伝統 (異文化言い 分EVEN)

著者 ヘリンジャトヴォ エイメ ラミアリソン

権利 Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization (IDE‑JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名 アジ研ワールド・トレンド

巻 175

ページ 45‑45

発行年 2010‑04

出版者 日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL http://doi.org/10.20561/00046463

(2)

アジ研ワールド・トレンド No.175 (2010. 4)

45

マダガスカルは世界で四番目に大きな島であ

る︒グリーンランド︑ニューギニア︑ボルネオ︑

その次がマダガスカルだ︒アフリカに︑より正確

いうとインド洋に位置する︒マダガスカルはその

ユニークな自然︱マダガスカル固有の動物相や植

物相︱で世界に知れわたっている︒島は熱帯に位

置するが内陸は四季をもち︑おだやかな気候をも

つ︒冬にはこの地帯は気温が零度まで下がるが︑

雪は降らない︒多くの文献は︑この島に最初に人

間が渡ったのは一五世紀であると述べている︒し

かし︑アンタナナリボ大学の私の同僚の人類学者

によれば︑ずっとさかのぼること石器時代にすで

に人類が暮らしていたという︒

  そうだとしてもアジアからの民族の移入が現在

のマダガスカル人の形成に果たした役割は大きい︒

研究者の多くは最初の移民はインドネシアから

だったと主張する︒事実︑マダガスカルの風習は

われわれがムスリムの支配を受けていたことを示

している︒例えば我々は割礼の儀式を行うし︑豚

は食べない︒豚肉はフランスの植民地政府がもた

らしたものだ︒さらに︑他のアフリカの国々と異

なり︑マダガスカル人はひとつの言語のみを話す︒ 地方にはそれぞれの訛はある︒マダガスカル人はアフリカの人々のうち最もアジアに近いのである︒

  さて︑来世にまつわるマダガスカルの伝統をご

紹介しよう︒一八世紀に西洋の宗教が伝わり人口

の半数弱の人々がキリスト教に改宗した︒しかし

マダガスカル人の神の受け止め方は変わっていな

い︒私たちはひとつの神を信じているが︑われわ

れの多くはなくなった親たちが完全に死んだので

はなく異界に暮らし﹁ラザナ﹂︵=先祖︶になっ

たと信じている︒われわれは直接神とは話ができ

ない︒神の祝福とご加護を求めるのであればラザ

ナを介さなければならない︒従ってラザナはわれ

われの生活において大切な存在なのだ︒ラザナを

大事にあつかい︑尊敬の念を払わなければいけな

いのである︒ラザナが住むとされる地は﹁タニン

ジャザナ﹂と呼ばれ重要な意味を持つ︒そこは私

たちが生を受けたこの地上ではなく先祖の人たち

が昔から︵一〇〇年以上前︶住んでいた場所なの

だ︒タニンジャザナに先祖達は﹁ファサンジャザ

ナ﹂と呼ばれる先祖の墓を建てた︒そこに彼らは

埋葬され︑そして私たちも死んだらそこに戻るこ

とになる︒生きているあいだはどこでも行けるが

死んだらマダガスカル人はすぐさま︑または何年

かしてタニンジャザナに帰らなければならない︒

遺体は土葬にふされ霊魂をその場所にお送りする

ために葬儀が執り行われる︒ファサンジャザナは

石で作られいろいろな意匠がある︒しかし共通す

る点は地下が何層かに分かれていることだ︒それ

ぞれの階には寝台がいくつか並べられている︒そ

れぞれの家系に寝台が割り当てられており︑一つ

の寝台に二〇〜三〇人が肩をならべて横たわって

いる︒数日︵地方によっては数カ月︶続く葬儀の間︑

何頭かのウンビまたはゼブ︵牛︶が屠られる︒通常︑

絹で織られたランバと呼ばれる伝統的な織物に包 まれ︑ファサンジャザナに供犠されるのである︒

これはラザナを崇めるための第一の儀式である︒

これによりラザナは正しい地位が与えられ神と生

ける人々との間の仲介役の役割を務められるよう

になるのである

︒ラザナを崇める第二の儀式は

﹁ファマディハナ﹂という︒遺体の方向を変える

という意味であり︑次のように進行する︒まず︑

ファサンジャザナを開く︑遺骸を取り出す︑あた

らしいランバでもって再度包みなおす︑そして安

置されていた場所に戻すのである︒これらが儀式

の全部だ︒しかしファマディハナはお祭り的な時

間でもある︒普通は一週間続く︒そこでは親戚や

村人が集い伝統的な料理を食べ︑踊りを踊り︑歌

を歌い︑飲み交わすなどして大いに気を晴らし︑

活力を養うのである︒人々はこれまでのご加護に

対しラザナに感謝の念を表し

︑そしてこれから

もっと祝福されること願う︒ファマディハナは年

一回︑秋の収穫のあと行われる︒ファマディハナ

は死後︑異なった場所に埋葬されていた人々をタ

ニンジャザナに連れて行くという儀式でもある︒

経済的な理由で親類が身内の死後すぐにタニン ジャザナに送り届けることができないことがあ

る︒そのようなときはタニンジャザナへの埋葬ま

ではやくとも一年は待たねばならない︒

  以上︑マダガスカルの人々が神と祖先をどのよ

うに信仰しているか︑そしてかれらとどう日常生

活を送っているかご理解いただけたらさいわいで

ある︒

ファザナと呼ばれる墓

あの世にまつわる マダガスカルの伝統

ヘリンジャトヴォ・エイメ・

ラミアリソン

ランバで包みなおされた遺骸

Ramiarison Herinjatovo Aime/海外客員研究員

Professor of Economics, Department of Economics, Faculty of Law, Economics, Management and Sociology, University fo Antananarivo 滞在期間 2009/11-2010/5

研究テーマ:Assessing the Developmental Role of ODA in Developing Countries of Asia and Africa

参照

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