干潟の微地形がカブトガニ幼生の生息環境に及ぼす役割
3
0
0
全文
(2) 100 2齢幼生 6齢幼生. 80 頻度(%). た(図‐3).2010 年の底質調査の結果から,堤防から 沖合に 150 mより手前では,タイドプールの各月のせ ん断強度は他の場所より小さい値をとり,柔らかい底質 であることが分かった.また,含水率,強熱減量の値が 大きく有機物の割合が高いことが分かった.また,AVS の値は,小さくなっており底質環境が他の場所より良い ことがわかった. 底質調査の測線①の両脇 50 m 幅における 2009 年の 平均のカブトガニ幼生の数の分布と含水率,強熱減量を それぞれ図-5 に示した.2010 年における含水率や強 熱減量が高い標高-0.6 m~-0.3 m 付近にカブトガニ幼 生が集中していることがわかる.. 60 40 20 0 0. 10. 20 30 40 水深(㎜) 図-5 カブトガニ幼生のタイドプールにおける行動水 深. 80. 水深(mm). 8月8日. 60. 生息密度調査時. 40 20 0 0. 強熱減量(%). 6 4. 50 40 30 20. 2 0 -0.8. 10 -0.6. -0.4. 0 -0.2. L3-L4間の個体数(2009年). 図-3 カブトガニ幼生の発見地点. 8. 30. 40. 50. 60. 図-6 2010 年 8 月 8 日の生息密度調査時のカブトガニ 幼生の体幅と水深の関係. ×:2009. カブトガニ幼生 個体数 6月 7月 7月15日 8月 9月. 20. 体幅(mm). ○:2010. 10. 10. 標高(m) 図-4 2010 年の各月の底質の強熱減量と,カブトガニ 幼生の個体数の標高に対する関係 3.2 カブトガニ幼生のタイドプールにおける行動水深 図-5 よりカブトガニ幼生の 2 齢(体幅約 11 mm)は, 水深の浅い所を行動する傾向がみられた.6 齢(体幅約 27 mm)は水深 30 mm 程度も行動範囲としており,成 長すると行動する水深の幅が広がると推定される.. 2010 年 8 月 8 日における調査時の体幅と水深の関係 を図-6 に示す.カブトガニ幼生は,水深が大きいタイ ドプールで体幅が大きい個体が発見される傾向にあっ た.以上より,体幅が大きくなるにつれて生息できる水 深の幅が広がるのではないかと考えられる. 4.まとめ 本研究ではカブトガニ幼生の生息環境について,底質 と微地形の条件を検討した.カブトガニ幼生の生息する 底質の条件としては含水率,強熱減量の値が大きく,有 機物の割合が高い底質環境であること,せん断強度が他 の場所より小さく,粒径も小さいものが多く,柔らかい こと,AVS(酸揮発性硫化物)が低いことが重要である とみられた.それに加え干潟上の微地形も影響しており, タイドプールの割合が 0.7 以下の場所で起伏率(凸凹具 合)が大きい所に多く幼生が生息していた.さらに,干 潟上のタイドプールにおける幼生の生息水深も明らか になった.必ず幼生はタイドプールの中で発見され,そ の行動水深は現地調査の結果から体幅に依存している 傾向が明らかになった. 謝辞 本研究を遂行するにあたっては,山口県環境生活部自然 保護課,宇部中央高校原田直宏教諭にお世話になった. ここに記して感謝申し上げる..
(3) 参考文献 1)原田直宏:山口湾のカブトガニ,環境省中国四国地方環 境事務局 2)土屋圭示:カブトガニの海,誠文堂新光社 3)中島和博,山本浩一,関根雅彦,福本寛之:山口湾に おけるカブトガニ生息環境に関する研究,第 44 回 日 本水環境学会年会講演要旨集,2010.
(4)
関連したドキュメント
大きな河口や内湾に発達する干潟は,アサリなどの有用生物の苗床であると同時に,堆積した有機物
particular, the residual vanishing occurs to $\{v_{k}\}\subset E$ defined in the previous. section, provided
第 3回 平成 21年 11月 26日 「絵画と文学から読む服飾 鏑木清方と口一葉」 お茶の水女子大学名誉教授 服飾史服飾美学 小池 三枝
Meteorological Society of Japan. NII-Electronic
京都大学瀬戸届海実険所杯宍曾 水 疾 苑 月 報 NO.6δ 1」95δ.佃(5巳6日)
[r]
Hokkaido
薦田 直紀 (広島県地球温暖化防止活動 推進センター地域活動支援