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梅 毒 に お け る 含 水 炭 素 代 謝 の 研 究 第3報

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Academic year: 2022

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(1)梅 毒 にお け る 含 水 炭 素 代 謝 の 研 究 第3報 各 期 梅 毒 に お け る 血 糖 と血 漿 蛋 白 分 屑 岡山大学 医学 部皮膚科 泌尿 器科教 室(主 任. 医学 士. 藤. 根 岸教 授). 井. 〔昭 和28年10月. 浩 日26受. 稿 〕. 記 す.). Ⅰ 余 は 第1報. 緒. 言. 3). にお いて各 期梅 毒患 者につ い て. 透 析:上. 記 稀 釈 液 を 市 販 のCellophane. 紙 で 包 み 稀 釈 に 用 い た 燐 酸 緩 衝 液 を2倍. に稀. 血 糖 の 消 長 を 観 察 す る と同 時 に血 清(漿)蛋. 釈 し た も の を 外 液(約450cc必. 要)と. して. 白 に つ い て 検 討 し梅 毒 各 期 に お い て血 清(漿). 4℃. 附 近 を 上 下 す る電 気 冷 蔵 倉 内 で1昼. 夜透. 蛋 白量 は 増 加 して い るこ とを 述 べ た.従 来 梅. 析 し た.外. 毒 に お け る生 化 学 的 研 究 が 進 歩 す る に つ れ て. 〜8 .0.. 其 の 一 つ の 分 野 と し て血 清 蛋 白 に 関 す る研 究. 4). 業 績 も多 数 発 表 さ れ た.既. に そ の 一 部 は 第1. 液 に 使 用 した 緩 衝 液 のPHは7.8. 緩 衝 液 の 調 製 法:. ‑Methylphenolphtaleinを NaOHで. 毒 に つ い て も血 清 蛋 白量 に つ い て だ け で な く. Methylorangeを. Albumin,. 定 し て 濃 度 を 定 め た.. らにGlobulinの. 各分 屑. に つ い て も多 くり 研 究 が な さ れ て 来 た.近. 時. 5). 1/10 Mol. KH2PO4. 指 示 薬 と し てn/10. 報 に 述 べ た が 血 清 蛋 白化 学 の 進 歩 と と も に 梅. Globulinさ. a). 滴 定 し た.. b). 1/10 Mol. Na2HPO4‑. 指 示 薬 と し てn/10. 電 気 泳 動:恒. HClで. 温 槽 の 温 度 は20℃. 滴. 以下. また電 気泳 動法 が考案 され て蛋 白化学 研 究 に. に 保 ち,電. 流7〜10mA,電. 一 段 と新 し い 分 野 が 開 け た.余. 行 つ た.泳. 動時 間 は各 分屑 の像 が 充 分 に分離. も ま た電 気 泳. 圧 は85〜110Vで. 動 法 に よ り各 期 梅 毒患 者 の 血 漿 蛋 白分 屑 を観. す る ま で 継 続 し た が 主 に50分. 察 しあ わ せ て こ れ を 遊 離 な らび に 結 合 血 糖 量. 離 に 要 す る 時 間 は 多 少 長 短 が あ り, 40分,. の 消 長 と比 較 検 討 し た.. 分,又60分. 間 泳 動 し た 場 合 も あ る.図. は 泳 動 時 間 を 示 す.泳. Ⅱ. 検. 査. 法. chromaticの. 採 血 法,遊 離 血 糖 量(以 下 「遊 」 と略 す) 及 び 結 合 血 糖 量(以. 下 「結 」 と略 す)な. に 血 漿 総 蛋 白 量(以. 下Eと 略 す)の. 第1報. らび. 測定 法 は. 6). 表 中Z. 乾 板 を 用 い て 影 像 を 撮 影 し た. 分 屑 の百 分 率 を 測 定. す る に は 乾 板 の 影 像 を 引 延 機 で 洋 紙 上 に4倍 に 引 き 延 し 重 最 法 に よ つ て 計 算 し た.. に 示 した と同 様 に 行 つ た. Ⅲ. 装 置:日. 立 製 作 所 製 の 小 型Tiselius電. 気 泳 動 装 置 を 用 い た. 2). 45. 動 を 停 止 し た 直 後Pan. 各 分 屑 の 測 定:各. 電 気泳 動 法実 施要 領 1). 間 泳 動 し た が 分.. 試 料:血. を1/10Mol KH2PO4. 1). 實. 驗. 績. 健 康 人 の 血 漿 蛋 白分 屑. 健 康 に 日 常 勤 務 に 従 事 し て い る21才. 糖 測 定 の 場 合 に 使 用 す る血 漿 1容 と, 1/10Mol Na2HPO4. 38才 ま で の 男 子5名,女. そ の 泳 動 像 は 図1及. 濃 度 が2%に. 各 分 屑 の 百 分 率 は1表. 釈 液 は 約4cc. 以 上 を 必 要 とす る.燐 酸 緩 衝 液 調 製 法 は 後 に. 子5名,計10名. よ り の血. 漿 に つ い て 電 気 泳 動 法 を 用 い て 行 つ た 結 果,. 16容 とを 混 合 し た 燐 酸 緩 衝 液 で 稀 釈 し て 血 漿 な る様 に す る.(稀. 成. Albumin(以. 下Aと. び2に. 示 す 如 くで,そ. の. に 挙 げ た 如 くで あ る .. 略 す)‑最. 低51. .8%,最.

(2) 1988. 藤. 図1.. 井. 図2.. 健 康 人 の 血 漿 蛋 白泳 動 像(1). 1表. 高57.0%,平. 均54.1%,. と 略 す)‑最. 低6.6%,最. β‑Globulin(以 12.5%,平 略 す),最. 下 β と 略 す)最 均11.3%,. 低5.0%,最. 下 α 均8,3%,. 低9.7%,最. Fibrinogen(以 高9.1%平. 健 康 人 の 血 漿 蛋 白 泳 動 像(2). 健康人の血漿蛋 白分屑. α‑Globulin(以 高9.4%,平. 浩. 高 下 φ と. 均7.3%,. γ‑Globulin(以. 下 γ と 略 す)最. 高21.4%,平. 均19.7%で. 尾 両 氏 が'Tiselius電. あ つ た.平. 気 泳 動 法 に. 青 年 に つ い て 分 析 し た 結 果 はA %,α6.0%,β12,. 低16.0%,最 井,島. よ り5名 52.3〜56.2. 1〜14.6%,φ5.8〜7.3. の.

(3) 梅 毒 に お け る含 水 炭 素 代 謝 の 研 究. %,γ19.1〜22.9%で. あ る と 述 べ て い る.上. 記 の 余 の 結 果 と 比 較 し て 略 々 一 致 し て い る. 「遊 」,「 結 」 及 びEの. 正 常 値 は 第1報. に示. る と, ⅰ ) 柴 田 某,. 2月 前 感 染 し来 院 ま で 未 治 療. で 詳 細 に 述 べ た が 要 約 す れ ば,「 遊 」 は 治 療. 硬 性 下疳. 血 清 反 応 陽 性 の も の2例,陰. 性 の も の2例. に つ い て 行 つ た 検 査 成 績 に つ い て2表 3, 4に 示 し た.一 及 びE欄. 梅 療 法経過 中の 消長 を観 察 した例 に つ いて 見. の 患 者 で 血 糖 の 消 長 に つ い て は す で に 第2報. し た と お り で あ る.. 2). 1989. 及び 図. 各 表 中A,α,β,φ,γ. の 左 側 に 記 した 成 績 が 第1回. 検査 の. 前 や や 正 常 よ り増 加 し て い る.治 療 が 進 む に つ れ て正常 値 に復 したが血 清反 応 の 変動 とは 関 係 が な か つ た.「結 」 も 治 療 前 や ゝ増 加 し て い た が 治 療 に よ り血 清 反 応 の 消 長 と略 々平 行. もの,右 側 が 治 療 開 始 後 の 測 定 値 を 示 す.一. 的 な 関 係 を 保 ち な が ら 正 常 に 復 した. Eは 血. 治 療 前,第1回. 清 反 応 の 消 長 とは 関 係 な く中等 度 の 上 昇 を 示. 検 査 の 結 果 を 見 る とEは4例. と も増 加 し, Aは 正 常 平 均 値 よ り稍 々低 い 値. す か 又 は 正 常 値 の 間 を 増 減 した. Aは 治 療 前. を 示 して い る.β が 正 常 よ り稍 々増 加 して い. 正 常 値 を 示 し て い た が 治 療 に よ り血 清 反 応 が. る他 α,φ 及 び γは 正 常 範 囲 内に あ る.此 等. 減 弱 し た 時 は 正 常 で あ るが 陽 性 度 が 増 し た 時. の 結 果 の うち 血 清 反 応 陽 性 の もの と陰 性 の も の との 間 に は特 別 の 差 は 見 られ な い.さ て 駆 図3.. 図4.. 硬 性 下 疳 患 者 の 血 漿 蛋 白泳 動 像(2). 硬 性 下 疳 患 者 の 血 漿 蛋 白 泳 動 像(1). 三 城Ulcus. durum.

(4) 1990. 藤. 2表. に は 減 少 を 示 す 傾 向 が あ る.併. (以 下Pと 略 す)90万. 井. 浩. 硬性下疳患者の血漿蛋 白分屑 と血糖量. しPenicillin. す). 単 位 注射 した後血 清 反. 全 く治 療 を 行 つ た 事 の な い2例. と来 院 前 他. 応 陽 性 度 は 減 弱 し た が 他 の 場 合 と逆 にAも 減. 院 で 不 規 則 な 治 療 を 行 つ て い た1例,計3例. 少 を 見 た.α. に つ い て 来 院 後 未 治 療 の うち に 検 査 しだ 第1. は 治療 前正 常 閾 の高 い値 を 示 し. て い た が 治 療 に よ り正 常 値 又 は 正 常 値 以 下 に. 回 の 成 績 を 見 る と血 糖 に つ い て は 前 編 で 述 べ. な つ た.β は 正 常 又 は 軽 度 の 増 加 す る程 度 を. た 如 く 「遊 」 は 正 常,「結 」 は 高 度 の 増 加 が 見. 上 下 し て い る.φ は 全 く正 常 値 を 上 下 し て い. られ る. Eも 高 度 の 増 加 を 示 し全 く治 療 を 行. る.以 上 の α,β,φ. つ て い な い2例. 関 係 が な い.γ. は 血 清 反 応 の 変 動 とは. は 治 療 を 行 つ た1例. よ り も著. はAと 全 く逆 の 経 過 を と り血. し く高 度 の 増 加 が 見 ら れ る.血 漿 蛋 白 分 屑 に. 清 反 応 陽 性 度 の 強 弱 と略 々平 行 し て 増 減 して. つ い て 見 る とAは い ず れ も軽 又 は 高 度 に 減 少. い る.治 療 に よ り血 清 反 応 が 全 く陰 性 に な つ. し 特 に 未 治 療 の2例 が 高 度 の 減 少 を 示 し て い. た 場 合 の 各 分 屑 は α が や ゝ減 少 し,β が 増 加. る.. し て い る以 外A,φ,γ ⅱ ) 三 城 某,感. は 正 常 で あ る.. 染 後50日,検. α は 正 常 か 又 は 軽 度 の 増 加,β,φ. 査時 まで 全 く. 治 療 を 行 つ て い な い 症 例 で あ る.第2報. で述. で あ る.γ は 未 治 療 の2例. では 著 明 な増 加が. 見 ら れ るが 不 規 則 で は あ る が 治 療 を 受 け て い. べ た 様 にP治 療 に よ り 「遊 」 は 正 常 ,「結 」 は. た1例. WaR陽. 「結 」 の 増 加 率 とAは 反 比 例,γ. 性 度 の 強 弱 と平 行 的 に 増 減 す る こ と. で は 正 常 値 範 囲 内 の 低 値 を 示 し て い る.. を 示 し た. Eは 治 療 前 中 等 度 の 増 加 を 見 た が. て い る.第1例. 治 療 半 でWaRの. に 従 つ て 観 察 を 行 つ た.前. 度 に 増 加 しP. し た.各. 陽 性 度 が 増 強 した 時 期 に 高 510万. は正 比 例 し. の山 辺 某に つ いて は 治療 経過 述 の 如 くヽ「遊 」 は. 単位 注 射 後は 正常 に復. 治 療 前 後 を 通 じ て 正 常,「結 」 は 治 療 が 進 む に. 蛋 白分 屑 は全 治 療経 過 中正 常値 範囲. つ れ て減 少の傾 向 を 示す が血 清 反 応 が強 陽性. 内 を 増 減 し て 特 に 血 清 反 応,血. 糖 の 動 揺 とは. 関 連 性 は 見 られ な い. 3). は正常. 第2期. 梅 毒(3表(1),図5,. の 間 は 尚 高 度 の 増 加 を 示 して い る が 血 清 反 応 が 陰 性 に な つ た 時 に は 正 常 値 に 復 し た. Eも. 6に. 示. 「結 」 の 変 動 と 同 様 に 血 清 反 応 強 陽 性 期 に は.

(5) 梅 毒 に お け る含 水 炭 素 代 謝 の 研 究 3表(1). 3表(2). 3表(3). 図5.. 第2期. 第2潜. 第3期. 1991. 梅 毒 患 者 の 血 漿 蛋 白 分 屑 と血 糖 量. 伏 梅 毒患 者 の 血 漿 蛋 白 分 屑 と血 糖 量. 梅 毒 患 者 の 血 漿 蛋 白分 屑 と血 糖 量. 第2期 梅 毒 者 の血 漿 蛋 白 泳 動 像(1). 図6.. 第2期 梅 毒 患 者 の 血 漿 蛋 白 泳 動 像(2). 図7. 第2潜. 伏 梅 毒患 者 の血漿 蛋 白 泳動像. 高 度 の増 加を 示 し ていた が血 清 反応 陰 性 に な つ た時 は 正常 範囲の 高値 を 示す 程度 に なつ た Aは. 「結 」 とは 反 対 の 経 過 を 示 し,治 療 前 は. ..

(6) 1992. 藤. 図8. 第3潜. 井. 浩. 囲 の 高 値 を 示 し た もの が 正 常 範 囲 の 低 値 を 示. 伏 梅 毒 患 者 の血 漿 蛋 白 泳 動 像. す 程 度 に な つ た. Aは 治 療 前 全 検 査 症 例 中 で 最 も低 い 値 を 示 し て い た が 治 療 後 は 増 加 し て 正 常 値 に 接 近 し た 値 を 示 す 様 に な つ た.α,β, φ は 治 療 前 は い ず れ も正 常 よ りや ゝ増 加 し て い た が 治 療 後,α. は 正 常 値,β,φ. は 尚正常. 値 よ り 僅 か に 高 い 値 を し め した.γ. は 治療. 前 他 め い ず れ の 各 期 に お い て も見 な い 程Aと は 逆 に 増 加 して い た が,治. 療 後 は 中等 度 の 増. 著 明 に減 少 を 見たが 治療 が進 む につ れ て正常. 加 を 見 る く らい まで 減 少 した. Aは. 値 に 復 し血 清 反 応 陰 性 に な つ た 時 は 正 常 値 よ. 消 長 と逆,γ. りや ゝ減 少 を 見 る程 度 に な つ た.α. は治療 中. 正 常 値 を 保 ち,β は 常 に 正 常 値 よ りや ゝ高 い 値 を 示 し,φ. も 治 療 中 正 常 又 は や ゝ増 加 を 認. め る が 治 療 経 過 に よ る 大 差 は 認 め ら れ な い. γはAと. 「結 」 の. は 略 々平 行 的 な 変 動 が 見 ら れ. る. 6) 11に. 第3潜. 伏 梅 毒(4表(1),図9,. 10,. 示 す). 6例 に つ い て 検 査 し た が 各 症 例 の 検 査 時 ま. 逆,「 結 」 とは 平 行 的 な 変 動 が 見 ら れ. で の 経 過 は 既 に 第1, 2報 で 詳 細 に 述 べ た の で. 治 療 前 高 度 に 増 加 して い た が 治 療 に よ り次 第. 詳 略 す る.血 糖 の 消 長 に つ い て も第2報. に 正 常 値 に 復 し血 清 反 応 陰 性 に な つ た 時 は 全. し た が 要 約 す る と 「遊 」 は 治 療 前 後 を 通 じ て. く正 常 値 を 示 した. 4). で記. 年 常 値 か 又 は 僅 か の 増 加 を 認 め る 程 度,「 結 」. 第2潜 伏 梅 毒(3表(2),図7に. 示 す). は 治療 前 高度 の増 加 を 示す が 治療 が 進む に つ. 2年 前 に 感 染 して 来 院 ま で 全 く駆 梅 療 法 を. れ て 次 第 に 正 常 値 に 復 す 傾 向 が あ る.又 血 清. 行 つ て い な か つ た が 来 院 時 の 血 清 反 応 が 強 陽.. 反 応 も 「結 」 の 消 長 と略 々平 行 的 関 係 が あ る. 性 で あ つ た の で10日. 様 に思 わ れ るが 顕症梅 毒 の場 合程 明 瞭 で な く. 計0.22g,. 間 にMapharsemin. Bismuthum. 4回,. subsalicylate 2回 注 射. 又 逆 の 経 過 を 示 す 場 合 もあ る. Eは 治 療 前 著. 後 尚3血 清 反 応 が 陽 性 で あ つ た1例 に つ い て. 明 な 増 加 が 見 ら れ,治 療 経 過 中 ま た は 治 療 後. 血 漿 蛋 白,血. 血 清 反 応,血. 糖に つ いて検 査 した結果 を 見 る. と 「遊 」 は 正 常 範 囲 内 の や ゝ高 い 値 を 示 し 「結 」 は 高 度 に 増 加 して い た. Eも 高 度 に 増 加 し,各 分 屑 で はAは し,α. は 正 常,β. 僅 か に 正 常 値 よ り低 下. は 正 常 よ りや ゝ増 加 し,φ. は 僅 か に 減 少 を 認 め た.γ. は 軽度 に増 加 して. い る. 5). を 示 す 事 もあ るが 大 体 は 軽 度,中 し て い る. Aは 正 常 の もの1例,他 中等 度,残. りの1例. 第3期 梅 毒(3表(3),図8に. 後 の 経 過,血. 清 反 応,血. 糖,血. て 述 べ た.そ. の 大 要 はP治. 示 す) 2報 で 感 染 漿 蛋 白につ い. 療 前後 を通 じて血. 清 反 応 は い ず れ も強 陽 性 で 変 化 は な か つ た が 臨 床 的 に は 睾 丸 腫 瘤 は 非 常 に 縮 少 し た.治. 療. 「遊 」 は や ゝ増 加 し,「結 」 は 中 等 度 に 増 加. の4例. は. は 僅 か に 減 少 を 見 る.治. て血 清 反 応 が 増 強 した た め か 中 等 度 の 減 少 を は 正 常 又 は 中 等 度 の 増 加,φ. は 正 常 値 を 示 した.γ. も正 常 か ま た は 軽,中. 等 度 に 増 加 し て い て 「結 」 の 増 加 率 とほ ぼ 平 行 的 関 係 が あ る.以 上 が6例. の 総 括 的 な結 果. で あ るが 次 に 個 々 の 症 例 に つ い て 治 療 経 過 に 従 つ て 観 察 す る と, ⅰ ). 河 合 某: P. 900万 単 倖 注 射 前 後,更. Mapharsemin. し て い た が 治 療 後 は 「遊 」 や ゝ増 加 し,「 結 」. 5回,. は 正 常 範 囲 の 高 値 を 示 す 程 度 に 低 下 した. E. 査 し た 結 果,. も治 療 前 よ り後 の 方 が 減 少,す. Aは. な わ ち正常 範. 等 度 に増 加. 療 前 正 常 値 で あ つ た1例 は 治 療 に よ りか え つ. 示 し た.α,β. 睾 丸 ゴ ム 腫 の1例 で 既 に 第1,. .前. 糖 の 消 長 とは 関 係 な く,正 常 値. 1.5g,. Minophagen Eは. Bismuthum AL. 22回. subsalicylate 注 射 後 の3回. 検. 毎 回 高 度 に 増 加 し て い た.. 治 療 前 中 等 度 に 減 少 して い た が 治 療 に よ.

(7) 梅 毒 に お け る含 水 炭 索 代 謝 の 研 究 4表(1). 第3潜. 4表(2). 図9.. 第3潜. 伏 梅 毒患 者 の 血 漿 蛋 白 分 屑 と血 糖 量. 脊 髄 癆 患 者 の血 漿 蛋 白分 屑 と血 糖 量. 伏 梅 毒 患 者 の 血 漿 蛋 白 泳 動 像(1). 1993.

(8) 1994. 藤. 図10.. 第3潜 伏 梅 毒 患 者 の血 漿 蛋 白 泳 動 像(2). 井. 浩. り次 第 に 正 常 値 に 復 し,α,β. は正 常 値 よ り. や ゝ増 加 を 示 し た ま ゝ変 動 は 僅 か で,φ. も正. 常 範 囲 を 増 減 した の み で 治 療 経 過 とは 特 別 の 関 係 は 見 ら れ な い.γ. は 治療 前 中等 度 に増 加. し て い た.治 療 に よ り血 清 反 応 に は 変 化 が 見 られ な い が 脊 髄 液 の 梅 毒 反 応 陰 性 化,「結 」 の 消 長 と平 行 し て 正 常 値 に 復 し た. ⅱ ) 藤 井 某: P. 600万 単 位 注 射 前 後 を 比 較 す る と血 清 反 成 で は 村 田, Kahnの 強 陽 性 の ま ゝで あ つ てWaRは. 変動な く. 治 療 前 〓,治. 療 後 は ± とな つ た が 「遊 」 も 「結 」 も 正 常値 よ り軽 度 の 増 加 を 示 し た ま ゝ変 動 は 見 られ な か つ た. Eは 中等 度 増 加 して い た が 治 療 後 は 正 常 に 復 し た.Aは. 治 療 前 後 と も正 常 よ り低. い 値 を 示 した が 治 療 後 の 方 が 前 よ り更 に 低 値 で あ つ た.α,β. は 治 療 前 後 と も僅 か に 正常. 値 よ り増 加 して い るが 治 療 後 の 方 が 増 加 程 度 は 僅 か で あ る.φ は い ず れ も正 常 で あ る が 治 療 後 の 方 が 増 加 し て い る.γ は 治 療 前 極 く僅 か に 増 加 して い た が 治 療 後 は 正 常 値 を 示 した. 本 例 で は 血 清 反 応,血. 糖,血. 漿 蛋 白 の連 関は. 著 明 で な い. ⅲ ). 松 岡 某: P. 300万 単 位 注 射 前 後 の 変. 化 を 見 る と村 田, Kahnは 変 動 は な い がWaRは. いず れ も 強陽 性 で. 治 療 後陽性 度が 著明 に. 増 強 し て い る.「遊 」 は 僅 か に 正 常 よ り増 加 し て い た が 注 射 後 は 正 常 値,「結 」 は 治 療 前 後 と も高 度 の 増 加 を 示 した が 治 療 後 の 方 が や ゝ低 値 に な つ て い る. Aは 治 療 前 正 常 で あ つ た が WaRの. 陽 性 度 が 治 療 に よ り誘 発 的 に 増 強 さ. れ た た め か 逆 に 著 しい 減 少 を 示 し た.α 図11.. 第3潜. 伏 梅 毒患 者 の 血 漿 蛋. 白 泳 動 像(3). は治. 療 前 後 を 通 じて 正 常 よ りや ゝ増 加 し て い るが 治 療 後 の 方 が 前 よ り減 少 し て い る.β,φ. は. 正 常 閾 を 増 減 し て い る.γ は 両 回 と も増 加 し て い るが 治 療 後 の 方 が 増 加 が 著 し くAの 変 化 とは 全 く逆 の 変 化 を 示 す. ⅳ ) 梁 川 某: P. 600万 単 位 注 射 前,中,後 3回 検 査 した 成 績 を 比 較 す る と 「遊 」 は 常 に 正 常,「結 」 は 注 射 前 中 等 度 に 増 加 し て い た が 治療 に 従つ て 階段 的 に減 少 して治 療 後 には 正 常 値 を 示 した.血. 清 反 応 も治 療 前 強 陽 性 で あ. つ た が 治 療 に よ り陰 性 化の 傾 向 が 見 られ る ..

(9) 梅 毒 におけ る含水 炭素 代謝の 研 究 Eは. 「結 」 の 消 長 とほ ぼ 平 行 し て 治 療 前 高 度. 1995. 常 値 か 僅 か に 増 加 し て い る程 度 で 変 動 は 少 な. に 増 加 して い た が 治 療 に よ り階 段 的 に 減 少 し. い.γ. て 治 療 後 は 正 常 に 復 した.Aは. 示 しAと 逆 の 関 係 が あ る.. 中等度 に減 少. は 治 療 前 正 常,治. 療後 は 軽度 の 増加 を. した ま ゝ治 療 前 後 を 通 じ て 変 動 は 僅 か で あ る.. 6). 脊 髄 癆(4表(2)及. び 図12に. 示 す). α は 正 常 値 又 は 軽 度 の 増 加 を 示 した.β は 常. 25年 前 感 染 し て 非 常 に 不 完 全 の 治 療 を 受 け. に 中等 度 の 増 加 を 示 し 変 動 は 僅 か で あ る.φ. た だ け の 患 者 で 臨 床 症 状 は 第1,. は 正 常 範 囲 内 を 増 減 して い る.γ は 治 療 前 軽. た 如 くで 血 清 及 び 脊 髄 液 梅 毒 反 応 い ず れ も強. 度 の増 加 が 見 ら れ た が 治 療 後 は 正 常 に 復 し. 陽 性 で あ る.「 遊 」 は 正 常 範 囲 の 高 値,「 結 」. た.. は 中等 度 の 増 加 を 示 し て い た. E,β,γ ⅴ ) 多 田 某, P. 600万 単 位 注 射 前,中,後. の3回 検 査 の結 果 を 比 較 検 討 す る と,村 田, Kahnは. い ず れ も強 陽 性 の ま ゝ変 動 は な い が,. WaRは. 治 療 前,後 は 弱 陽 性 で あ つ た がP. 300. 万 単 位 注 射 後 は か え つ て 強 陽 性 に な つ た. 「遊 」 は 正 常 範 囲 の 高 値 か,僅. 2報 に 述 べ. は軽. 度 の 増 加, Aは 軽 度 に 減 少 し,α は 非 常 な 減 少 を 示 し た.α. の 此 の程 度 の 減 少 は 他 の 例 で. は 見 られ な か つ た. 図12.. 脊髄癆 患 者 の血漿 蛋 白 泳動 像. 川 口 Tabes. dorsaiis. かに 正 常値 よ. り増 加 を 見 る 程 度 で 治 療 に よ る 変 動 は 少 な い.「 結 」 は 治 療 前 高 度 に 増 加 して い た が 治 療 後 は 減 少 して 中 等 度 の 増 加 を 示 す 程 度 に な つ た. Eは 治 療 中 の 変 動 は 僅 か で 正 常 範 囲 の 高 値 を 示 し た. Aは 治 療 前 中 度 度 の 減 少 を 示 し治 療 半 で 検 査 した 結 果 はWaR陽. 強 に 反 比 例 して 更 に 減 少 し治 療 後 は 治 療 前 と 同 程 度 に な つ た.α,β. は 正 常 値 若 し くは 正. 常 よ りや ゝ増 加 した 程 度 を 上 下 した.φ 常 値 範 囲 内 を 増 減 した.γ 加 を 見 た がAと. Ⅳ. 性 度 の増. は正. は治療 前 軽度 の増. 逆 に 治 療 半 でAが 減 少 した 時. 總 括 な らび に 考 按. 梅 毒 に つ い て 血 清 蛋 白 量(以. 下E′ と略 す). の 消 長 に 関 す る従 来 の 研 究 に つ い て は 一 部 既 に 第1報. で 述 べ た. Winternitz,村 上, Somogyi. 氏 等 はE′ は 増 加 す る と主 張 し他 方 橋 本,藤 田,江 里 口,大. 藤 氏 等 は 変 化 な し と主 張 して,. に γは 著 明 に 増 加 した が 治 療 後 は 正 常 範 囲 の. 増 加 を 主 張 す る もの と これ に 反 対 す る も の と. 高 値 を 示 す 程 度 に 減 少 し た.す. は 相 半 して い る.ま た これ ら 両 主 張 の 中 間 を. な わ ちWaR. の 陽 性 度 の 変 動 とほ ぼ 平 行 的 な傾 向 が 見 ら れ. ゆ く もの と して 下 稲 葉 氏 は 顕 症 梅 毒 で は 増 加. る.. し,潜 伏 梅 毒 で は 正 常 で あ る と述 べ て い る.. Ⅵ). 大 高 某:感. 染 後40年. 近 く経 過 し て そ. の 間 治 療 を うけ て い な い で,血. 清 及び 脊髄 液. 実 験 家 兎 梅 毒 に お い て は 村 上,黒. 山 氏 はE′. が 接 種 直 後 に 一 時 減 少 す るが 下 疳 発 生,更. に. の 梅 毒 反 応 い ず れ も陽 性 を 示 す 症 例 に つ い て. 血 清 反 応 が 陽 性 転 化 す るに つ れ て 増 加 す る と. P. 600万 単 位 を 注 射 した 前 後 の 検 査 成 績 を見. 述 べ て い る.最 近 太 藤 氏 も梅 毒 接 種 家 兎 で は. る と,治 療 前 後 と もに 「遊 」 は 正 常 範 囲 内 の. E′の 増 加 を 認 め て い る.併. 高 値 を 示 す,「結 」 も両 回 と も に 中等 度 の 増 加. 化 な し として い る が 増 加 を 認 め るものが 多. を 見 るが 「遊 」.「結 」 い ず れ も治 療 後 の 方 が. い. A. Globulin(以. 低値 を 示 す. Eは 前 後 と も高 度 の 増 加 を 示 し. 多 くの 研 究 が な さ れ て い るが そ の 主 な も の を. 治 療 後 の 方 が 著 明 で あ る. Aは 治 療 前 後 を 通. 次 に 挙 げ る. Starlinger, Muller及. じて 中 等 度 に 減 少 し注 射 後 の 方 が 減 少 度 は 著. Kamerer氏. しい.α,β. 増 加 して い たGは. 両 者 と も軽 度 に 増 加 し,僅 か で. は あ るが 治 療 後 の 方 が 増 加 して い る.φ は 正. 下Gと. 等 はGの. し一 方藤 田氏 は 変. 略 す)に. ついて も. びHogh,. 増 加 を 唱 え, Farlandは. 駄 梅 療 法 に よ り減 少 す る と. 云 う.又 野 口 氏 は 顕 症 梅 毒 に おい て はGが. 増.

(10) 1996. 藤. 加 し て い るがGの. 増 加 とWaR陽. 井. 性 度 とが 平. 浩. 最 近 太 藤,下. 稲 葉 氏 等 は 吉 川,斉. 藤 氏法 に. 行 的 な 関 係 が あ る事 に 対 し て は 同 意 し て い な. よ り梅 毒患 者 に つ い て 血 清 蛋 白 分 劃 を 検 索 し. い. SiegmundはAの. て い るが,そ. 減 少,. て い るが 潜 伏 梅 毒 で はGの. Gの 増 加 を 認 め. 増 加 とWaRと. の. れ 等 の 結 果 を 見 る と太 藤 氏 は 初. 期 硬 結 で はE′ 及 び 各 分 劃 と も正 常,第2期. 間 に は 平 行 的 な 関 係 は 見 ら れ な い と云 う.. 顕 症 梅 毒,ゴ. Muller及. の減 少,γ の 増 加 を 認 め る.し か し て ゴ ム腫 の. びHough両. Euglobulinの. 氏 はGの. 増 加 は特に. 増 加 に よ る も の で あ るがEug‑. lobulinの 増 加 とWaRと. ム 腫 で はE′ は 正 常 で あ るがA. 場 合 特 に そ の 変 化 が 著 しい と 云 う.α は 正 常. の 関連 性 は 認 め ら. よ り増 加 し た もの 或 は 正 常 範 囲 で 高 値 を 示 す. れ な い と し て い る.橋 本 氏 もGの 含 有 率 の 増. もの が あ る が βは 変 化 が な い.潜 伏 梅 毒 で は. 加 はEuglobulinの. E′は 正 常,半. 増 加 に よ る もの でPseudo‑. 数 に お い てAの 減 少,γ. globulinに は 関 係 が な く血 清 反 応 陰 性 期 に お. を 見 る.ま た 神 経 梅 毒 で はE′. い て も す で にEuglobulinは. の 低 値 を 示 す.. Pseudoglobulinは. 増 加 を 示す が. 変 化 が な く, A/Gは. 顕症 梅. は正 常範 囲 内. Aは 軽 度 の 減 少,γ. 増 加 が 認 め られ る.更 に 第2期. の増 加. は軽 度 の. 梅 毒,潜 伏 梅. 毒 の 場 合 が 最 も 減 少 が 著 明 で あ る と し,又. 毒 各1例. EuglobulinはWaRの. 過 に 従 つ て 検 査 し た 結 果 で は 特 に 第2期 梅 毒. 強 弱 に略 々 平 行 的 な. 関 係 が あ る こ とを 認 め て い る が,他 場 合 に もEuglobulinの Euglobulinの. につ いて駆 梅 療 法を行 い そ の治 療経. 方結 核 の. の 場 合 症 状 の 消 失 と と もに 各 分 劃 の 変 化 が 軽. 増 加 が 見 られ る た め. 度 に な るの が 明 瞭 で あ るが 潜 伏 梅 毒 で は そ の. 増 加 の み で 梅 毒 に お け るWaR. 経 過 が 明 瞭 で な い こ とを 述 べ,血. 清 反応 と γ. の 本 態 の 決 定 的 な 説 明 を す る こ とは 出 来 な い. の 増 加 率 とは 平 行 的 な 関 係 が あ る 場 合 もあ る. と述 べ て い る.百. が ま た 逆 の 場 合 も あ る と報 告 し て い る.‑. 瀬 氏 もEuglobulinの. を 認 め て い るがWaRと. は関 係 が ない と云つ. て い る.し か し これ に 反 し てLuisiは の 血 清,更. 増加. に 同 血 清 をA,. 未処 置. Gに 分 離 し た もの. の そ れ ぞ れ に つ い てWaRを. 行 い,梅. 毒患 者. 註:治. 療 経 過 に 従 つ て 検 査 し た2例. 応 は 経 過 観 察 中 常 に 強 陽 性 で 変 動 は 見 られ な い.‑下. 稲 葉 氏 の 検 査 成 績 は 初 期 硬 結3例. に つ い てE′,γ が 僅 か に 増 加 す るか 殆 ん ど正. に お いて は 未 処 置 の 全 血 清 に つ い て 行 つ. 常,第2期. たWaRよ. の 減 少,α,β. WaRの. り,分 離 し たGに つ い て 行 つ た 方 が 陽 性 度 が 高 くAの. 行 つ たWaRは. 全 く陰 性 で,健. み につ い て 康者に対 し. 梅 毒5例. に つ い てE′ の 増 加, A. が 僅 か に,γ は 著 明 な 増 加 を. 認 め て い る.潜. 伏 梅 毒5例 で はAは. で はE′. 場 合 が 分 離 したGに. い 増 加 を 認 め て い る. Beneditt及. も非 特 異 反 応 を 現 す 率 が 著 明 な 事 を 示 し WaRに. 対 し て 血 清 中 のGが. 割 を 演 じ, AはWaRに. 非 常 に重 要 な役. は 関 係 が な い と主. 減 少,α,. γ は や ゝ増 加,β は 正 常 で あ る.ゴ. て は 未 処 置 の血 清 に つ い て 行 つ たWaRの つ いて 行つ た場 合 よ り. の血 清 反. ム 腫2例. の 著 明 な 増 加, Aの 著 減,γ. の著 し. びWalker. がTiselius電 気 泳 動 法 に よつ て 梅 毒 患 者 の 血 清 蛋 白 分 屑 に つ い て 行 つ た 研 究 の 結 果 で はA の 減 少,α1‑,γ‑Globulinの. 増 加 を認 め て. 張 して い る.村 上 氏 は 梅 毒 患 者 に つ い てA/G. い る.‑本. が 減 少 す る こ とを 述 べ ま た 実 験 家 兎 梅 毒 に つ. 血 漿 に つ い て 電 気 泳 動 法 に よ る蛋 白 分 屑 の研. い て斉 藤 氏 は 感 染 後1〜3週. 究 報 告 は 今 日 まで に は 見 られ な い.‑. 間A/Gは. 上 昇す. るが 其 後 は 低 下 す る傾 向 が あ る と云 い,黒. 山. 氏 も家 兎 梅 毒 に お い て は 同 様 にA/Gは. 低下. す る傾 向 を 認 め て い る. Winternitzは. 梅 毒に. 感 染 す る と血 漿 中Gの 影 響 が 現 れ,著 い る.. み な ら ず φ に も強 い. しい 増 加 が 見 ら れ る と述 べ て. 邦 に お い て は 梅 毒 患 者 の血 清,. 次 に 電 気 泳 動 法 に よ り各 期 症 例 の 血 漿 に つ い て 余 の 行 つ た 検 査 の 結 果 を 総 括 す る と, 1) E・. 各 期 と も治 療 前 に お い て は 中等 度. ま た は 高 度 の 増 加 が 見 ら れ るが 各 期 相 互 間 の 特 定 な 差 は 見 出 し難 い.血. 清 反応 の 陽性 度 と. Eの 増 減 とは 平 行 的 な 関 係 は 見 ら れ な い が 治.

(11) 梅 毒にお け る含 水炭 素代 謝 の研究. 療 前 増 加 して い たEは. 駆 梅 療 法 に よ り正 常 値. 1997. 比 例 し て い る とは 云 え な い.こ. の結 果 は前 述. に 復 す 傾 向 が うか が わ れ る場 合 も あ るが,し. の 如 く梅 毒 に お け る血 清 蛋 白 の 諸 説 が 尚 一 致. か しEの 消 長 は 治 療 経 過 に は 全 く無 関 係 の 場. し て い な い が 多 数 先 学 の 支 持 を うけ て い る. 合 もあ る.. E′の 増 加, Aの. 2). A:軽. 度 ま た は 中 等 度 の 減 少 を 認 め る.. 最 も著 し く減 少 を 示 した も の は ゴ ム腫 の1例 で,次 い で 第2期,第3潜. 伏 梅 毒,脊 髄 癆,. 減 少,γ の 増 加 を 主 張 した. 説 と一 致 し た もの で あ る. さて 梅 毒 に お け る血 糖 特 に 「結 」 と血 液 蛋 白 質 との 関 係 に つ い て は 尚 多 くの 疑 問 の 点 が. 第2潜 伏 梅 毒 で 硬 性 下 疳 が 最 も正 常 値 に 近 い. あ るが 今 日 まで の 主 な る 研 究 と合 せ 考 察 して. 値 を 示 した.治. 見 る とBierryは. 療 前 減 少 し て い たAは. 血清 反. 所 謂 「結 」 に つ い て 血 液 の. 応 が 陰 性 化 す る に 先 ん じて 正 常 に 復 す る傾 向. 水解 に. が あ る.. 萄 糖 よ り成 る血 液 蛋 白 と結 合 し,炭 水 化 物 と. 3). α:正. 常 また は や ゝ増 加 して い る が 各. り増 加 す る還 元 物 質 で,主. として 葡. 蛋 白 質 の 中 間 に 位 す る もの で あ る と主 張 し,. 期 の 平 均 値 を 見 る と各 期 相 互 の 差 は 見 ら れ な. Sucre proteidiqueと 命 名 した.本. い.し か し脊 髄 癆 の1例 で は 著 しい 減 少 を 見. は 飯 塚 氏 及 び そ の 共 同 研 究 者 に よ る広 範 な 研. た が この1例 の結 果 で は α の減 少 が 脊 髄 癆 の. 究 に よ り此 の もの を 結 合 血 糖 と命 名 し此 れ は. 特 徴 と考 え る こ とは 出 来 な い.ま た 血 清 反 応. 血 中 加 水 分 解 性 還 元 物 質 で あ り,蛋 白 質 特 に. の 消 長 との 関 係,治. Gと 結 合 した 糖 で あ る と主 張 し て い る.ま た. 療 に よ る変 動 に つ い て は. 一 定 の傾 向 は 認 め ら れ な い . 4). β:正. 飯 塚 氏 等 は 網 状 織 内 被 細 胞 系 統(以. 常 又 は や ゝ増 加 し て い るが 各 期. に お い て 特 別 の 差 は 見 出 さ れ な い.ま. たαと. 同 様 に βの 増 減 は 血 清 反 応 の 陽 性 度,治. 療経. 過 との 一 定 の 関 係 は 見 出 し難 い. φ:過. と略 す)が. 下 網 内系. 免 疫 体 産 生 に 関 与 す る事,ま. た免. 疫 動 物 体 内 の 免 疫体 産 生に 伴 い網 内 系 を剌 戟 し 或 は 網 内 系 機能 剌 戟物 質 の注 射 に よ り 「結 」 が 増 加 す るに 反 し て 網 内 系 を 封 鎖 し ま. 半 数 が 正 常 値 で そ の他 は 僅 か な 増 加. を 見 た.各. 邦 に おい て. た は 脾 臓 を 別 出 す れ ば 「結 」 が 下 降 す る と云. 期 相 互 間 の 特 定 の 差,血 清 反 応 陽. う実 験 に 基 き 体 内 で の 「結 」 の 生 成 に は 網 内. 性 度 の 変 動 及 び 治 療 経 過 と φの 増 減 との 関 連. 系 が 密 接 に 関 与 す る も の で あ る こ とを 強 調 し. 性 は 見 ら れ な い.. て い る.飯 塚 氏 の 共 同 研 究 者 で あ る岡 本 氏 は. γ:大 部 分 は 増 加 し て い る.最 加 を 示 し た の は 第3期 2潜 伏,第3潜. も高 度 の 増. 梅 毒 で 次 に 第2期,第. 伏 梅 毒,脊 髄 癆 の 順 で 硬 性 下. 合 血 糖 曲 線 は ほ ぼ 一 致 して 増 減 す る と云 い 免 疫物 質 の生 成は網 内系 の関 与す るもので あ る. 増 減 とは 大 体. と して 梅 毒 に お い て も上 記 飯 塚 氏 の 主 張 を 支. 著 し い 減 少 を 示 した 場. 持 して い る.し か し一 方 に お い て 斉 藤 氏 は. 疳 で は 正 常 値 を 示 す.γ はAの 逆 の 変 化 が 見 られAが. 実 験 家 兎 梅 毒 に お い て 梅 毒 反 応 の 陽 性 度 と結. 合 に は γは 顕 著 な 増 加 を 示 す.治. 療 に よ る血. 「結 」 の 増 加 とWaR反. 応 物 質 の 産 生 とは 梅. 清 反応 の 変 動 と γの 消 長 はAの 場 合 とは 逆 に. 毒 初 期 で は や ゝ平 行 す る様 に 考 え ら れ るが そ. ほ ぼ 平 行 的 な 関 係 が 見 られ るが 血 清 反 応 陽 性. の 後 の長 い経過 で は 両者 の量 的関 係 は必 ず し. 度 と必 ず し も量 的 に は 平 行 し て い な い.. も一 致 し な い.従. 以 上 の 結 果 を 綜 合 し て 見 る と, (1) 梅 毒 に お い てEは. 増 加,各. を うけAは 減 少,γ は ゴ ム腫,第2期. つ て 網 内 系 機 能 は 多 少 「結 」. の 生 成 に 関 与 す る と いて も網 内 系 機 能 の み で. 分 屑 中A,γ. が 特 に影 響. 「結 」 の 生 成 の す べ て を 説 明 し う る もの で は. は 増 加 す,こ. の様 な変化. ない として飯 塚 氏等 の説 を 直 ちに承 認 して い. 梅 毒 に お い て 著 明 に 現 わ れ,. な い.黒. 山 氏 も家 兎 梅 毒 に お い て 「結 」 は 村. 潜伏 梅 毒及 び硬性 下 疳で は 変 化 が 軽 度で あ. 田氏 反応 反応 物 質 の産 生以 前 に おい て既 に 増. る.. 加 が 見 られ,以. 2). γの増 減が ほ ぼ血 清 反応 陽性 度 の強. 弱 と平 行 的 関 係 が 見 ら れ るが 必 ず し も量 的 に. 後 の 経 過 に お い て も村 田 氏 反. 応 反応物質 と 「結」の量的変化 とは一致 しな.

(12) 1998. 藤. 井. 浩. Ⅴ. い こ とを 挙 げ て む し ろ 斉 藤 氏 の 説 を 支持 し て い る.ま た 余 の 行 つ た 結 果 に つ い て も第1, 2. 1). 潜 伏,第3期. て い る.. 脊 髄 癆1例,計16例 結合 した. 電 気 泳 動 法 に よ り血 漿 な ら び に 血 漿 各 分 屑 を 測 定 し て 血 清 反 応,血 た.. WaRに. に. 対 し て 血 清 中Gが 非 常 に 重 要 な 役 割. を 演 ず る こ とを 主 張 す るLuisiの 梅 毒 血 清 反応 反 応 物 質‑「. 説 も あ り,. 結 」‑Gと. の 密 接 な 関 連 が 想 起 され るが,. 一連. Gと 血 清 反 応. との 関 係 に つ い て 前 述 の 如 くMuller及 Hough,. Siegmund,野. 2). 直 ちに 両者 の平 行的 関係 を支持 しな い説 もあ. 糖 の 消 長 と比 較 検 討 し. Aは 大 多 数 軽 度 また は 中 等 度 に 減 少 を. 示 し顕 症 梅 毒 が 特 に 著 明 で 硬 性 下 疳 は 最 も 正 常 値 に 近 く血 清 反 応 の 陽 性 度 とは 動 を 示 す.駆. ゞ逆 の 変. 梅 療 法 に よ り減 少 して い たAは. 正 常 に復 す 傾 向 が あ る.. び. 口,橋 本 の 諸 氏 の 様 に. 伏 梅 毒6例,. の各 期梅 毒患者 につ いで. て 「結 」 とE′ の 増 減 又 更 にGの. 「結 」 の 増 減 と一 致 し て い る と云 う.更. 梅 毒3例,第2. 梅 毒 各1例,第3潜. 糖 で あ る と称 し ま た 黒 山 氏 も家 兎 梅 毒 に お い 増 減は ほ ぼ. 論. 硬 性 下 疳4例,第2期. 報 で 述 べ た 如 く斉 藤,黒 山 氏 等 の 説 と一 致 し. 前 述 の 如 く飯 塚 氏 は 「結 」 がGと. 結. 3) α,β,φ. は 軽 度 の 増 加 を 見 せ るか,正. 常 値 を 示 し,治 療 経 過 及 び 血 清 反応 の 変 動 と の 関 係 は 見 出 し難 い.. る.余 の 検 査 成 績 に お い て も血 清 反 応 陽 性 度,. 4). γ はAと. 逆 の 経 過 を 示 し,顕 症 梅 毒 に. 「結 」 の 増 減, G主 と し て γ の 変 動 との 間 に. お い て 著 しい 増 加 を 示 す.γ は 血 清 反 応 陽 性. ほ ゞ平 行 的 な 関 係 が見 ら れ るが 必 ず し も量 的. 度 と ほ ゞ平 行 的 な 関 係 は 見 ら れ るが 必 ず し も. に 一 致 せ ず,時. 量 的 に は 一 致 し な い.治. と して は 逆 の 場 合 もあ り,梅. 毒 に お い て 血 清 反 応,「 結 」, G主 と し て γが. し て い れ ば 正 常 に 復 す 傾 向 が 見 ら れ る.. そ れ ぞ れ な ん ら か の 関 係 が あ るに し て も これ ら個 々 に 対 す る種 々複 雑 な 条 件 が 関 与 す る も の で 以 上 の 結 果 か ら これ を 簡 単 に 解 明 す る こ. 療 を 行 う と γが 増 加. 5). 血 糖 中 特 に 「結 」は 各 分 屑 中 γ の 消 長. と ほ ゞ一 致 し た 増 減 を 示 す が 全 く量 的 に 平 行 関 係 が あ る とは 云 え な い.. とは 困 難 で あ る. 擱筆 す るに当 り終 始御 懇篤 な御指導 と御 校閲 を賜 つ た恩 師根岸 教授 に深 く感 謝す.. 1). 2). 飯 塚,日. 第1号,昭. Loeb;. f. Dermat.. Arch.. Mc.. 4). 岡 本;京. Glasson;. Arch.. Rosena.. 文. 1号,昭. 和. 11). Bd.. of.. dermat.. Pick;. 8,. 1923.. 13). 齊 藤;十. 2号,. 14) 松 本;皮. Vol.. of. dermat.. 11号,昭 Vol.. 16,. 15). 安 東;皮. 16). 膚 科 泌 尿 器 科 雑 誌,第29卷,第6号,. 7). Spracio;. 8). Memmensheimer;. Zbl.. f.. Hautkh. Arch.. Bd.. 24,. f. Dermat.. 1927.. 10). Schulmann;. 黒 山;岡. Ebenda.. Rd.. 72,. 1921.. 全 会 雑 誌,第58卷,. 4号,昭. 和8年.. 膚 科 泌 尿 器 科 雑 誌,第30卷,. 10及 び. 和5年. 山 医 学 会 雑 誌55年5,. 鎌 田;京. 7,. 8号,昭. 都 府 立 医 科 大 学 雑 誌,第3卷. Bd.. 142,. 17). 藤 井 暢 三 著,生. 18). 井 内;皮. 1923. Crosti;. Bd.. 和. 第1号,. 昭 和5年.. 昭 和5年.. 9). Ebenda.. 18年.. 1927. 6). Tschatschkowska;. 1927.. 12). 和6年.. Arch.. Neumarku.. 1926.. 152,. び 第5卷A3号,昭 Krasnow;. 献. 85,. 和5年.. 都 府 立 医 科 大 学 雑 誌,第2卷,. 昭 和4年,及 5). 要. 本 内 科 学 会 雑 誌;第15卷,. 3年 及 び 第18卷. 3). 主. 化 学 実 験 法,. 膚 科 性 病 科 雑 誌,第51卷,第1号,昭. 和17年, Zhl.. f.. Hautkh.. Debmat.. Bd. Wschr.. 18, Bd.. 1926. 85,. 1927.. 19). 橋 本;皮. 膚 科 泌 尿 器 科 雑 誌,第28卷,昭. 20). 藤 田;皮. 膚 科 紀 要,第10卷,昭. 和3年.. 和4年..

(13) 梅 毒 に お け る含 水 炭 素 代 謝 の 研 究 21). 江 里 口;熊. 22). Winternitz;. 本 医 科 大 学 雑 誌,第8卷,昭 Arch.. f. Dermat.. 和7年.. Bd.. 93,. 1908.. 及 びBd.101,1910. 23) 24). Somogyi;. Dermat.. 村 上;皮. Bd.. 49,. 和8年.. 25). Muller. u.. 26). Noguchi;. 27). Luisi;. 28). 平 井;日. 29). 平 井,島. 30). 電 気 泳 動 研 究 会,. び. 定,昭. Hough. Jour.. Wien of. Iab.. Klin. a. Wschr, Clin.. 1911. Med.. Reform.. med.. 新 医 学, 尾;生. 35卷,. 1939. 3及 び4号,. 化 学,第21卷,第2及. 1948. び3号,. 1949.. 1927.. 膚 科 泌 尿 器 科 雑 誌,第34卷,第1及. 5号,昭. 1921.. Z.. 1999. 7,. Tiselins.電. 気 泳 動 法 実施 規. 和25年.. 31). 太 藤;皮. 32). 下 稲 葉;医. 膚 科 紀 要, 学 研 究,. 47卷,1〜4号,昭 22卷,. 5号,昭. 和26年. 和27年..

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