• 検索結果がありません。

社団法人 日本機械工業連合会 株式会社 U F J 総 合 研 究 所

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "社団法人 日本機械工業連合会 株式会社 U F J 総 合 研 究 所 "

Copied!
86
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平 成 1 6 年 度

ものづくり政策におけるロボット政策 の位置づけ及び今後の方向性に関する

調査研究報告書

平 成 1 7 年 3 月

社団法人 日本機械工業連合会 株式会社 U F J 総 合 研 究 所

日 機 連 16 先 端 - 11

(2)

戦 後 の 我 が 国 の 経 済 成 長 に 果 た し た 機 械 工 業 の 役 割 は 大 き く 、ま た 機 械 工 業 の 発 展 を 支 え た の は 技 術 開 発 で あ っ た と 云 っ て も 過 言 で は あ り ま せ ん 。ま た 、そ の 後 の 公 害 問 題 、石 油 危 機 な ど の 深 刻 な 課 題 の 克 服 に 対 し て も 、機 械 工 業 に お け る 技 術 開 発 の 果 た し た 役 割 は 多 大 な も の で あ り ま し た 。 し か し 、近 年 の 東 ア ジ ア の 諸 国 を 始 め と す る 新 興 工 業 国 の 発 展 は め ざ ま し く 、一 方 、我 が 国 の 機 械 産 業 は 、国 内 需 要 の 停 滞 や 生 産 の 海 外 移 転 の 進 展 に 伴 い 、勢 い を 失 っ て き つ つ あ り 、将 来 に 対 す る 懸 念 が 台 頭 し て お り ま す 。 こ れ ら の 国 内 外 の 動 向 に 起 因 す る 諸 課 題 に 加 え 、環 境 問 題 、少 子 高 齢 化 社 会 対 策 等 、今 後 解 決 を 迫 ら れ る 課 題 が 山 積 し て い る の が 現 状 で あ り ま す 。 こ れ ら の 課 題 の 解 決 に 向 け て 従 来 に も ま し て ま す ま す 技 術 開 発 に 対 す る 期 待 は 高 ま っ て お り 、機 械 業 界 を あ げ て 取 り 組 む 必 要 に 迫 ら れ て お り ま す 。 我 が 国 機 械 工 業 に お け る 技 術 開 発 は 、戦 後 、既 存 技 術 の 改 良 改 善 に 注 力 す る こ と か ら 始 ま り 、 や が て 独 自 の 技 術 ・ 製 品 開 発 へ と 進 化 し 、 近 年 で は 、 科 学 分 野 に も 多 大 な 実 績 を あ げ る ま で に な っ て き て お り ま す 。

こ れ か ら の グ ロ ー バ ル な 技 術 開 発 競 争 の 中 で 、我 が 国 が 勝 ち 残 っ て ゆ く に は こ の 力 を さ ら に 発 展 さ せ て 、新 し い コ ン セ プ ト の 提 唱 や ブ レ ー ク ス ル ー に つ な が る 独 創 的 な 成 果 を 挙 げ 、世 界 を リ ー ド す る 技 術 大 国 を 目 指 し て ゆ く 必 要 が 高 ま っ て お り ま す 。 幸 い 機 械 工 業 の 各 企 業 に お け る 研 究 開 発 、 技 術 開 発 に か け る 意 気 込 み に か げ り は な く 、方 向 を 見 極 め 、ね ら い を 定 め た 開 発 に よ り 、 今 後 大 き な 成 果 に つ な が る も の と 確 信 い た し て お り ま す 。 こ う し た 背 景 に 鑑 み 、当 会 で は 機 械 工 業 に 係 わ る 技 術 開 発 動 向 等 の 補 助 事 業 の テ ー マ の 一 つ と し て 株 式 会 社 UFJ 総 合 研 究 所 に「 も の づ く り 政 策 に お け る ロ ボ ッ ト 政 策 の 位 置 づ け 及 び 今 後 の 方 向 性 に 関 す る 調 査 研 究 」を 調 査 委 託 い た し ま し た 。本 報 告 書 は 、こ の 研 究 成 果 で あ り 、関 係 各 位 の ご 参 考 に 寄 与 す れ ば 幸 甚 で あ り ま す 。

平 成 17 年 3 月

社 団 法 人 日 本 機 械 工 業 連 合 会 会 長 金 井 務

(3)

本 報 告 書 は 、 日 本 自 転 車 振 興 会 か ら 自 転 車 等 機 械 工 業 振 興 事 業 に 関 す る 補 助 金 の 交 付 を 受 け て 、社 団 法 人 日 本 機 械 工 業 連 合 会 が 行 っ た「 平 成 16 年 度 機 械 工 業 に 係 る 技 術 開 発 動 向 等 の 調 査 補 助 事 業( 先 端 技 術 予 測 調 査 )」の 一 環 と し て 、 株 式 会 社 U F J 総 合 研 究 所 が 受 託 し た 「 も の づ く り 政 策 に お け る ロ ボ ッ ト 政 策 の 位 置 づ け 及 び 今 後 の 方 向 性 に 関 す る 調 査 研 究 」 の 成 果 を と り ま と め た も の で あ る 。

電 子 ・ 機 械 工 業 の 集 積 で あ る ロ ボ ッ ト 産 業 は 、 我 が 国 の 製 造 業 に お い て 将 来 的 な 成 長 が 期 待 さ れ る 分 野 で あ る も の の 、 現 在 、 工 場 等 の 製 造 現 場 の 外 へ の 導 入 が 十 分 に 進 ん で い な い 。 そ の た め 、 導 入 を 促 進 す る た め の 各 種 環 境 整 備 を 進 め る こ と に よ り 、 ロ ボ ッ ト 産 業 、 さ ら に は 我 が 国 の も の づ く り の 基 盤 強 化 が 求 め ら れ て い る 。

ロ ボ ッ ト 分 野 で は 、 製 造 現 場 の み な ら ず 、 エ ン タ ー テ イ メ ン ト や 福 祉 ・ 介 護 等 の 新 規 分 野 で の 普 及 、 導 入 が 期 待 さ れ て い る 。 し か し な が ら 、 製 造 現 場 で 利 用 さ れ て い る ロ ボ ッ ト に 比 べ 、人 間 環 境 に 近 い 場 所 で 活 用 す る た め に は 、 小 型 軽 量 の セ ン サ ー 、 ア ク チ ュ エ ー タ ー や 分 散 制 御 機 能 等 の 先 端 的 な 技 術 開 発 が 必 要 と さ れ て い る 。

こ の よ う な 背 景 の も と 、 本 事 業 で は 、 今 後 の も の づ く り 政 策 全 般 の 論 点 を 整 理 す る と と も に 、 製 造 現 場 の み な ら ず 、 人 間 環 境 に ロ ボ ッ ト が 導 入 さ れ つ つ あ る 中 で 、 今 後 1 0 年 程 度 先 ま で 見 据 え た ロ ボ ッ ト 政 策 の あ り 方 に つ い て 、 有 識 者 等 に よ る 研 究 会 、 懇 談 会 お よ び ワ ー キ ン グ ・ グ ル ー プ に よ り 検 討 を 行 っ た 。

本 事 業 を 実 施 す る に 当 た り 、 格 別 の ご 指 導 を い た だ い た 経 済 産 業 省 製 造 産 業 局 、 ご 協 力 を い た だ い た 学 識 者 、 有 識 者 、 関 連 企 業 に 対 し 、 心 か ら 謝 意 を 表 す る と と も に 、 本 報 告 書 が 今 後 の 我 が 国 ロ ボ ッ ト 政 策 並 び に も の づ く り 政 策 の さ ら な る 発 展 に 貢 献 で き れ ば 幸 甚 で あ る 。

平 成 17 年 3 月

株 式 会 社 U F J 総 合 研 究 所 取 締 役 社 長 元 田 充 隆

(4)

「ロボット政策研究会」委員名簿

(敬称略、順不同)

委員長 工学院大学 学長 三浦宏文

委 員 東京大学大学院工学系研究科 教授 新井民夫 東京大学大学院情報理工学系研究科 教授 佐藤知正

早稲田大学理工学部 教授 高西淳夫

独立行政法人産業技術総合研究所 評価役 谷江和雄 独立行政法人産業技術総合研究所 知能システム研究部門長 平井成興

大阪大学大学院工学研究科 教授 浅田 稔

株式会社ATR知能ロボティクス研究所 所長 萩田紀博 ファナック株式会社 代表取締役社長 稲葉善治

株式会社安川電機 代表取締役社長 利島康司

中央大学総合政策学部 教授 平野 晋

株式会社東芝 執行役常務、研究開発センター長 有信睦弘 松下電器産業株式会社 デジタルネットワーク・ソフトウエア技術担当役員

津賀一宏 株式会社日立製作所 執行役副社長、研究開発本部長 中村道治 東京都老人総合研究所 介護予防緊急対策室長 大渕修一

セコム株式会社 執行役員 杉井清昌

綜合警備保障株式会社 代表取締役上席常務執行役員 益田兼弘 株式会社テムザック 代表取締役社長 高本陽一

富士重工業株式会社 常務執行役員 寺尾俊文

株式会社小松製作所 取締役専務執行役員、開発本部長 小宮山邦彦

株式会社トプコン 取締役社長 鈴木浩二

野村リサーチ・アンド・アドバイザリー株式会社 ゼネラルマネージャー

五内川拡史 株式会社電通消費者研究センター 消費者市場研究室プランニング・ディレクター

四元正弘

株式会社日経BP 編集委員 浜田基彦

富山大学経済学部 教授 清家彰敏

北九州市立大学国際環境工学部 教授 杉本 旭 トヨタ自動車株式会社 理事、パートナーロボット開発部長 髙木宗谷

(5)

「ロボット政策研究会 実用化ワーキング・グループ」委員名簿

(敬称略、順不同)

座 長 独立行政法人産業技術総合研究所 知能システム研究部門長 平井成興

委 員 東京大学人工物工学研究センター 教授 浅間 一 独立行政法人産業技術総合研究所 安全知能研究グループ 山田陽滋 株式会社安川電機 開発研究所 技術担当部長 横山和彦 富士重工業株式会社 クリーン事業PGM 青山 元 株式会社デンソー 技術企画部 技術企画室主任部員 田口信幸 松下電器産業株式会社 先端技術研究所A3Robot戦略室長 小林昌市 株式会社テムザック 事業戦略部 マネージャー 檜山康明 福岡県 商工部 新産業プロジェクト室長 藤元正二 野村リサーチ・アンド・アドバイザリー株式会社 ゼネラルマネージャー

五内川拓史 財団法人大阪市都市型産業振興センター 大阪産業創造館 ロボットラボラトリー

シニアプランナー 美濃地研一

(6)

「ロボット政策研究会 次世代技術ワーキング・グループ」委員名簿

(敬称略、順不同)

座 長 独立行政法人産業技術総合研究所 評価役 谷江和雄

委 員 芝浦工業大学工学部電気工学科 教授 水川 真 独立行政法人産業技術総合研究所 知能システム研究部門副部門長 比留川博久 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 知能ロボティクス研究所 主幹研究員

宮本孝典 ファナック株式会社 ロボット研究所名誉所長 榊原伸介 株式会社東芝 研究開発センター ヒューマンセントリックラボラトリー 研究主幹

松日楽信人 三菱重工業株式会社 機械事業本部風水力・一般機械部 部長代理 鈴木純二

株式会社ゼットエムピー 営業部長 比嘉勝孝

(7)

「ものづくり政策懇談会」委員名簿

(敬称略、順不同)

委 員 味の素株式会社 代表取締役専務執行役員 西山 徹 株式会社資生堂 取締役執行役員、経営企画部長 前田新造

東レ株式会社 常務取締役 藤川淳一

トヨタ自動車株式会社 常務取締役 金田 新 三菱化学株式会社 取締役、常務執行役員 佐藤隆一 旭硝子株式会社 執行役員、経営企画室技師長 大日向正文

株式会社日立製作所 執行役副社長 住川雅晴

三菱重工業株式会社 取締役、技術本部長 青木素直

株式会社アルゴ21 副社長 大岡正明

住友電気工業株式会社 常務取締役 竹中裕之

新日本製鐵株式会社 取締役経営企画部長 太田順司 和泉電気株式会社 執行役員常務、マーケティング戦略本部長 藤田俊弘

光洋精工株式会社 取締役会長 井上博司

株式会社並木金型 取締役社長 並木正夫

伊藤鉄工株式会社 代表取締役社長 伊藤光男

キリンビール株式会社 常務取締役 島津 武 株式会社日鉱マテリアルズ 取締役、専務執行役員 柴田智宏 イノベーション・エンジン株式会社 代表取締役社長 佐野睦典 富士写真フイルム株式会社 常務執行役員 高橋俊雄

株式会社東芝 顧問 大山昌伸

横浜国立大学大学院国際社会科学研究科 教授 岡田依里 国立科学博物館 理工学研究部 主任研究官 鈴木一義

明治大学 理工学部長 向殿政男

東京大学生産技術研究所 教授 山本良一

ものつくり大学 技能工芸学部長 吉川昌範

三井物産戦略研究所 所長 寺島実郎

東京大学大学院経済学研究科 教授 藤本隆宏

独立行政法人物質・材料研究機構 理事長 岸 輝雄 独立行政法人日本貿易振興機構 理事 奥村裕一 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 理事 佐々木宜彦 独立行政法人産業技術総合研究所 理事長 吉川弘之

日本政策投資銀行 理事 荒木幹夫

東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授 菅野純夫

東京大学大学院工学系研究科 教授 新井民夫

JAM 副会長 豊泉則幸

連合 中小労働対策局長 田村雅宣

日本電鍍工業株式会社 代表取締役 伊藤麻美

(8)

目 次

概要

本編

第1章 ものづくり政策全般に関する検討

1.我が国の製造業および経済の現状把握 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 2.各国産業政策の把握 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 3.今後のものづくり政策の論点整理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

第2章 5 年以内を目途としたロボットの実用化に関する検討

1.ロボット産業・技術及び関連政策の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 2.ロボットの産業化に向けた各企業の取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35 3.ロボット産業振興政策を展開する自治体の取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・ 43

第3章 10 年後以降を目途とした次世代のロボットに関する検討

1.ロボットのモジュール化および情報通信 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52

2.RT ミドルウェアの技術開発の方向性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 54

3.ロボット用通信系の現状と要求条件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60

4.ロボット PL~ロボット普及促進と製造物責任 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68

(9)

概 要

(10)

「 も の づ く り 政 策 に お け る ロ ボ ッ ト 政 策 の 位 置 づ け 及 び 今 後 の 方 向 性 に 関 す る 調 査 研 究 」 の 概 要

【 本 調 査 研 究 の 目 的 】

電 子 ・ 機 械 工 業 の 集 積 で あ る ロ ボ ッ ト 産 業 は 、 我 が 国 の 製 造 業 に お い て 将 来 的 な 成 長 が 期 待 さ れ る 分 野 で あ る も の の 、 現 在 、 工 場 等 の 製 造 現 場 の 外 へ の 導 入 が 十 分 に 進 ん で い な い 。 そ の た め 、 導 入 を 促 進 す る た め の 各 種 環 境 整 備 を 進 め る こ と に よ り 、 ロ ボ ッ ト 産 業 、 さ ら に は 我 が 国 の も の づ く り の 基 盤 強 化 が 求 め ら れ て い る 。

ロ ボ ッ ト 分 野 で は 、 製 造 現 場 の み な ら ず 、 エ ン タ ー テ イ メ ン ト や 福 祉 ・ 介 護 等 の 新 規 分 野 で の 普 及 、 導 入 が 期 待 さ れ て い る 。 し か し な が ら 、 製 造 現 場 で 利 用 さ れ て い る ロ ボ ッ ト に 比 べ 、人 間 環 境 に 近 い 場 所 で 活 用 す る た め に は 、 小 型 軽 量 の セ ン サ ー 、 ア ク チ ュ エ ー タ ー や 分 散 制 御 機 能 等 の 先 端 的 な 技 術 開 発 が 必 要 と さ れ て い る 。

本 調 査 研 究 事 業 で は 、 今 後 の も の づ く り 政 策 全 般 の 論 点 整 理 と と も に 、 製 造 現 場 の み な ら ず 、 人 間 環 境 に ロ ボ ッ ト が 導 入 さ れ つ つ あ る 中 で 、 今 後 1 0 年 程 度 先 ま で 見 据 え た ロ ボ ッ ト 政 策 の あ り 方 に つ い て 、 有 識 者 等 に よ る 研 究 会 、 懇 談 会 お よ び ワ ー キ ン グ ・ グ ル ー プ に よ り 検 討 を 行 っ た も の で あ る 。

【 本 調 査 研 究 の 進 め 方 】

学 識 者 や 有 識 者 か ら な る「 ロ ボ ッ ト 政 策 研 究 会 」「 ロ ボ ッ ト 政 策 研 究 会 実 用 化 ワ ー キ ン グ・グ ル ー プ 」「 ロ ボ ッ ト 政 策 研 究 会 次 世 代 技 術 ワ ー キ ン グ ・ グ ル ー プ 」「 も の づ く り 政 策 懇 談 会 」を 設 置 し 、ロ ボ ッ ト 政 策 お よ び も の づ く り 政 策 の あ り 方 な ど に つ い て 、 幅 広 く 意 見 交 換 を 行 っ た 。

「 ロ ボ ッ ト 政 策 研 究 会 」 開 催 経 緯

平 成 17 年 1 月 28 日 第 1 回 研 究 会 場 所 : 虎 ノ 門 パ ス ト ラ ル 新 館 平 成 17 年 3 月 31 日 第 2 回 研 究 会 場 所 : ホ テ ル グ ラ ン ド ヒ ル 市 ヶ 谷

「 ロ ボ ッ ト 政 策 研 究 会 実 用 化 ワ ー キ ン グ ・ グ ル ー プ 」 開 催 経 緯 平 成 17 年 2 月 16 日 第 1 回 WG 場 所 : 東 京 商 工 会 議 所

平 成 17 年 3 月 16 日 第 2 回 WG 場 所 :( 株 ) UFJ 総 合 研 究 所

(11)

「 ロ ボ ッ ト 政 策 研 究 会 次 世 代 技 術 ワ ー キ ン グ ・ グ ル ー プ 」 開 催 経 緯 平 成 17 年 2 月 15 日 第 1 回 WG 場 所 :( 株 ) UFJ 総 合 研 究 所

平 成 17 年 3 月 10 日 第 2 回 WG 場 所 :( 株 ) UFJ 総 合 研 究 所

「 も の づ く り 政 策 懇 談 会 」 開 催 経 緯

平 成 17 年 1 月 28 日 第 1 回 懇 談 会 場 所 : 銀 座 東 武 ホ テ ル 平 成 17 年 2 月 17 日 第 2 回 - ① 懇 談 会 場 所 :( 株 ) UFJ 総 合 研 究 所 平 成 17 年 2 月 24 日 第 2 回 - ② 懇 談 会 場 所 : ル ポ ー ル 麹 町

平 成 17 年 3 月 31 日 第 3 回 懇 談 会 場 所 : 銀 座 東 武 ホ テ ル

【 本 調 査 研 究 で 検 討 さ れ た 内 容 】

ロ ボ ッ ト 政 策 に 関 し て は 、 ロ ボ ッ ト 産 業 ・ 技 術 の 動 向 お よ び 関 連 政 策 の 現 状 を 整 理 し 、 5 年 以 内 を 目 途 と し た ロ ボ ッ ト の 産 業 化 に 向 け た 各 企 業 の 取 り 組 み や ロ ボ ッ ト 産 業 振 興 政 策 を 展 開 す る 自 治 体 の 取 り 組 み 内 容 を 把 握 し た 。 ま た 、1 0 年 後 以 降 を 目 途 と し た ロ ボ ッ ト が 使 わ れ る 場 所 や ニ ー ズ を 見 据 え た 上 で 、 ロ ボ ッ ト に 重 要 な 要 素 技 術 を 把 握 す る と と も に 、 ロ ボ ッ ト が 普 及 す る た め の 考 え 方 ( ロ ボ ッ ト モ ジ ュ ー ル 、 ロ ボ ッ ト と 通 信 の あ り 方 ) に つ い て 検 討 し た 。

も の づ く り 政 策 全 般 に 関 し て は 、 我 が 国 の 製 造 業 お よ び 経 済 の 現 状 、 各 国 産 業 政 策 等 を 把 握 し 、 そ れ ら を 踏 ま え な が ら 今 後 の 政 策 に 係 る 論 点 を 抽 出 ・ 整 理 し た 。

(12)

本 編

(13)

第1章 ものづくり政策全般に関する検討

1.我が国の製造業および経済の現状把握 ... 2

2.各国産業政策の把握 ... 13

3.今後のものづくり政策の論点整理 ... 17

(14)

1.我が国の製造業および経済の現状把握

(1)製造業の現状

①製造業の生産動向(鉱工業生産指数)

・ 生産は横ばい傾向にある。

・ 12月の鉱工業生産は、前月比マイナス1.2%と2ヶ月ぶりに低下した。

・ 業種別には、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業等が低下し、一般機械工業、化 学工業(医薬品除く)等が上昇した。

・ 先行きについては、1 月は前月比プラス 2.8%の上昇、2 月は同マイナス 1.2%の低下 が予測されている。

図表 1-1 鉱工業生産・在庫・在庫率指数の推移

85 90 95 100 105 110 115 120

11 98

12 1 99

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 00

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 01

2 3 4 5 6 78 9 10 11 12 1 02

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 03

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 04

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 05

生 産 在 庫

在庫率

前月比+1.5%

の上昇

注:2000=100、季節調整済 資料:鉱工業生産指数(経済産業省)

図表 1-2 業種別の鉱工業生産指数の推移

情報通信機械工業

85.9

75 80 85 90 95 100 105 110

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ 10 11 12 1

99 00 01 02 03 04

情報通信機械工業 鉱工業

電子部品・デバイス工業

111.0

65 75 85 95 105 115 125

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ 10 11 12 1

99 00 01 02 03 04

電子部品・デバイ ス工業 鉱工業

(15)

一般機械工業

109.4

75 80 85 90 95 100 105 110 115

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ 10 11 12 1

99 00 01 02 03 04

一般機械工業 鉱工業

輸送機械工業

80 85 90 95 100 105 110 115 120

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ 10 11 12 1

99 00 01 02 03 04

輸送機械工業 輸送機械(除.船舶・鉄道車両)

鉱工業

輸送機械工業 115.6 同(除.船舶・鉄道車両) 115.3

鉄鋼業

109.8

85 90 95 100 105 110 115

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ 10 11 12 1

99 00 01 02 03 04

鉄鋼業 鉱工業

石油化学製品

101.3

80 85 90 95 100 105 110

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ 10 11 12 1

99 00 01 02 03 04

石油化学製品 鉱工業

パルプ・紙・紙加工品工業

97.2

80 85 90 95 100 105 110

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ 10 11 12 1

99 00 01 02 03 04

パルプ・紙・紙加工品工業 鉱工業

注:2000=100、季節調整済 資料:鉱工業生産指数(経済産業省)

(16)

②日本経済に占める位置づけ

生産(GDP

・ 2002 年における産業別 GDP の割合をみると、製造業は 22.0%を占め、サービス業

(22.3%)に次いで高い。

・ 内訳をみると、「電気機械」「輸送用機械」「食料品」等が割合を占めている。

図表 1-3 産業別 GDP に占める割合(2002 年)

産業別 GDP(2002 年) 製造業内訳(2002 年)

   サービ ス業, 22.3%

  運輸・通信業, 6.8%

    不動産業, 14.7%

    金融・保険業, 7.3%

    卸売・小売業, 14.7%

    電気・ガス・水道業, 3.0%

    建設業, 7.4%

製造業, 22.0%

    鉱業, 0.1%    農林水産業, 1.4% その他の製造業, 15.1%

精密機械, 1.5%

 輸送用機械, 13.2%

電気機械, 15.6%

一般機械, 8.8%  金属製品, 4.9%

 一次金属, 5.9%

窯業・土石製品, 3.4%

石油・石炭製品, 7.3%

化学, 8.8%

パルプ・紙, 2.9%

繊維, 1.0%

        食料品, 12.2%

資料:国民経済計算(内閣府)

就業者数

・ 2002 年における産業別就業者数の割合をみると、製造業は 18.9%を占め、サービス 業(32.8%)に次いで高い。

・ 内訳をみると、「電気機械」「食料品」「一般機械」等が割合を占めている。

図表 1-4 産業別就業者数に占める割合(2002 年)

産業別就業者(2002 年) 製造業内訳(2002 年)

サービス業, 32.8%

運輸・通信業, 6.5%

不動産業, 1.5%

金融・保険業, 3.2%

卸売・小売業, 19.2%

電気・ガス・水道業, 0.7%

建設業, 10.7%

製造業, 18.9%

鉱業, 0.1%

農林水産業, 6.4%

その他の製造業, 23.2%

   精密機械, 1.9%

輸送用機械, 9.1%

電気機械, 15.9% 一般機械, 11.3%

金属製品, 8.4%

一次金属, 3.9%

窯業・土石製品, 3.8%

石油・石炭製品, 0.3%

化学, 3.7%

パルプ・紙, 2.6%

繊維, 2.6%

食料品, 13.5%

資料:国民経済計算(内閣府)

(17)

輸出

・ 我が国製造業の輸出に占める割合は90%以上である。

図表 1-5 輸出に占める工業製品の割合(2003 年)

資料:OECDNational Accounts

波及効果

・ 付加価値の波及効果はサービス業よりも製造業の方が大きい。

図表 1-6 輸出に占める工業製品の割合(2003 年)

0.28 0.71

0.12 1.35 1.99

0.22

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5

そ の 他 産 業 へ の 波 及

自 産 業 以 外 の 製 造 業 /広 義 の サ ー ビ ス 業 へ の 波 及 自 産 業 へ の 波 及

サー

注:製造業・広義のサービス業個別業種の加重平均 資料:2002年簡易延長産業連関表より経済産業省作成

93.9%

6.1%

工業製品 その他

(18)

③その他「ものづくり」に関連する状況

製造工程と利益率

・ 最も利益率が高い事業は製造・組立である。

図表 1-7 実施事業の製造工程 図表 1-8 利益率が最も高い製造工程 (複数回答 n=394) (単数回答)

85 .0%

82 .5 % 65 .2 % 26.9%

91.4%

74.9%

0% 20% 40% 60% 80% 100 %

研究 開発・設計・試作 製造・組立 販売 アフターサービス リサイクル

8.4%

30 .8%

1 0.5 % 2.8%

44 .4%

0.7%

0% 10 % 20% 30 % 40% 50%

研究(295) 開発・設計・試作(335) 製造・組立(360) 販売(325) アフターサービス(257) リサイクル(106)

資料:経済産業省調べ(2004.12

中小企業の実態

・ 中小企業には高収益企業も多く存在する。

・ 中小企業の資金繰り状況も 97年の金融危機以前の水準に戻りつつあり、製造業全体も バブル崩壊以前の水準に戻りつつある。

図表 1-9 製造業の売上利益率別の企業割合

注:小規模企業とは従業者20名以下のところを指す。また、中小企業は小規模企業を除く従業員300 名以下のところを指す。

資料:商工業実態基本調査(経済産業省・中小企業庁、1998年)

(19)

図表 1-10 資金繰り D.I.の推移

-40 -30 -20 -10 0 10 20 30

3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12月 3月 6月 9月12

1990年 1991年 1992年 1993年 1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年

全産業 製造業 大企業(製造業) 中小企業(製造業)

資料:経済産業省

2007年問題

・ ものづくり力の継承への危機感に関して、62.9%の企業が「危機感あり」と回答して いる。

・ 製造業の年齢別構成者数をみると、「50~54歳」の段階の世代が多い。

・ ものづくり人材の能力状況をみると、規模の大小にかかわらず「以前と変わらないが 求められるレベル自体が上がっている」との回答が最も多い。

図表 1-11 ものづくり力の継承への危機感

危 機 感 あ り   6 2 . 9 %

資料:経済産業省(経団連を通じた企業アンケート2004年)

図表 1-12 製造業の年齢別構成者数(2003 年)

7 0 8 0 9 0 1 0 0 1 1 0 1 2 0 1 3 0 1 4 0 1 5 0 1 6 0

2 5 - 2 9 3 0 - 3 4 3 5 - 3 9 4 0 - 4 4 4 5 - 4 9 5 0 - 5 4 5 5 - 5 9

( 万 人 )

資料:労働力調査(総務省、2003年)

(20)

図表 1-13 ものづくり人材の能力状況

1 7 .1 %

1 7 .2 %

1 6 . 4 %

1 8 .0 %

4 0 . 6 %

4 0 . 1 %

4 2 . 9 %

5 5 . 7 %

2 8 . 7 %

2 8 . 7 %

2 9 . 9 %

2 1 . 4 % 1 3 . 6 %

1 4 . 0 %

1 0 . 9 %

4 . 8 %

0 % 2 0 % 4 0 % 6 0 % 8 0 % 1 0 0 %

全 体

中 小 企 業

中 堅 企 業

大 企 業

低 下 し て き て い る と 思 う

以 前 と 変 わ ら な い が 求 め ら れ る レ ベ ル 自 体 が 上 が っ て い る 以 前 と 変 わ ら な い

む し ろ 向 上 し て い る

資料:労働力調査(総務省、2003年)

機能分業

・ 中国はあらゆる工程において急激な伸びを見せている。また、製造工程以外の研究開 発・販売先としても欧州と同規模となっている。

図表 1-14 機能分業

1 6 . 2 %

1 0 . 2 %

2 . 0 %

1 . 8 % 2 .8 %

2 . 3 %

1 .3 % 1 0 . 9 %

8 8 .1 %

7 .6 % 1 0 . 9 %

8 7 . 1 %

2 . 3 %

0 . 5 % 0 . 8 % 2 . 0 % 0 . 8 % 1 . 8 %

0 % 2 0 % 4 0 % 6 0 % 8 0 % 1 0 0 %

日 本

北 米

欧 州

中 国

タ イ

台 湾

韓 国

マ レ ー シ ア

香 港

現 在 1 0 年 前

3 5 . 8 %

1 7 .3 %

1 0 . 4 %

5 .1 % 2 .8 %

3 . 6 % 1 .0 %

1 0 . 4 % 1 2 .7 % 1 1 .4 %

8 .4 % 1 8 .8 %

7 9 .7 %

1 5 .7 % 1 0 . 4 %

8 1 .5 %

8 .9 %

6 . 1 % 5 .6 % 5 .6 %

1 1 .2 % 9 .9 %

0 % 2 0 % 4 0 % 6 0 % 8 0 % 1 0 0 %

日 本 中 国 北 米 タ イ 台 湾 欧 州 マ レ ー シ ア イ ン ド ネ シ ア 韓 国 フ ィ リ ピ ン イ ン ド

現 在 1 0 年 前

研究開発拠点の立地 (n=394

部材の生産拠点の立地 (n=394

3 6 .3 %

2 1 .1 %

1 1 .7 %

6 .6 % 4 .1 % 4 .1 % 2 .5 % 1 .0 %

4 .3 % 1 .5 % 1 .5 % 1 .5 %

1 2 .9 % 1 5 .5 % 1 4 .2 %

8 .4 % 2 1 .6 %

8 0 .2 %

0 .8 % 1 9 .8 % 9 .1 %

8 1 .5 %

1 1 .9 %

6 .3 % 7 .4 % 9 .1 %

1 3 .5 % 1 2 .2 %

0 % 2 0 % 4 0 % 6 0 % 8 0 % 1 0 0 %

日 本 中 国 北 米 タ イ 欧 州 台 湾 マ レ ー シ ア イ ン ド ネ シ ア 韓 国 フ ィ リ ピ ン イ ン ド そ の 他 ア ジ ア 諸 国 香 港 パ キ ス タ ン

現 在 1 0 年 前

4 5 .9 %

3 9 . 6 %

2 3 .4 %

1 9 .0 %

1 4 .7 %

1 2 .9 % 1 4 . 0 %

1 0 .2 %

8 . 4 % 2 4 .6 %

3 2 .7 %

2 9 .9 %

2 1 .1 % 4 0 .4 %

8 8 .6 %

1 7 .5 %

4 0 .6 %

8 8 .3 %

2 2 .3 %

1 6 . 8 % 1 6 .5 % 1 8 .0 %

3 2 .5 %

2 5 .1 %

0 % 2 0 % 4 0 % 6 0 % 8 0 % 1 0 0 %

日 本 北 米 中 国 欧 州 台 湾 韓 国 タ イ マ レ ー シ ア 香 港 イ ン ド ネ シ ア フ ィ リ ピ ン イ ン ド

現 在 1 0 年 前

最終組立拠点の立地 (n=394)

主たる販売先 (n=394

資料:経済産業省調べ(2004.12

(21)

不均等な発展モデル

・ 多くのクラスターが成立しているが、バイオ・ITが全国各地に点在している。

図表 1-15 クラスターの分布状況

地域産業活性化プロジェクト

(三遠南信地域)

地域産業活性化プロジェクト

(中央自動車道沿線地域)

浜松オプトロニクスクラ スター

北海道スーパー・クラスター振興戦略

(バイオ産業クラスター)

青森 環境・エネルギー産業創造特区 青森 クリスタルバレイ構想(FDP)

本荘由利テクノネットワーク

岩手ネットワークシステム(INS)

情報・生命・未来型ものづくり産業プロジェクト 循環型社会対応産業振興プロジェクト

仙台サイバーフォレストクラスター 山形 超精密技術集積特区

(有機エレクトロニクスバレー構想)

会津・ITソフト産業

つくばバイオ・ゲノム推進会議 地域産業活性化プロジェクト(首都圏北部地域)

地域産業活性化プロジェクト(東葛・川口地域)

かずさアカデミアパーク

情報ベンチャーの育成(首都圏情報ベンチャーフォーラム)

バイオベンチャーの育成(首都圏バイオ・ゲノムベンチャーネットワーク)

大田区 機械金属加工産業集積 南武ハイテクライン

地域産業活性化プロジェクト

(首都圏西部(TAMA)地域)

長野・上田スマートデ バイスクラスター

仙台フィンランド プロジェクト

◆東日本のクラスター分布

かごしま電子デバイス・

フロンティア構想 九州地域環境・リサイクル 産業交流プラザ(K-RIP)

とやま医薬バイオクラスター 石川ハイテク・センシング・クラスター

北陸ものづくり創生プロジェクト

東海バイオものづくり 創生プロジェクト

東海ものづくり創生プロジェクト 岐阜・大垣ロボティック 先端医療クラスター

三重クリスタル バレー構想 京都ナノテク クラスター 彩都バイオメディカル クラスター 神戸トランスレーショナル リサーチクラスター

徳島 健康・医療 クラスター 高松希少糖バイオ クラスター 四国テクノブリッジ 計画

大分テクノ 熊本テクノポリス ポリス

九州シリコン・クラスター計画 シリコンシーベルト福岡構想

北九州ヒューマンテクノ クラスター

やまぐち・うべ・メディカル・

イノベーション・クラスター

中国地域機械産業新生 プロジェクト

循環型産業形成 プロジェクト

広島バイオ クラスター

けいはんなヒューマン・

エルキューブクラスター ものづくり

(東大阪等)

ものづくり元気企業 支援プロジェクト

近畿バイオ関連 産業プロジェクト

情報系クラスター 振興プロジェクト 近畿エネルギー・環境 高度化推進プロジェクト

OKINAWA型産業振興プロジェクト

吉備の国 クラスター

福岡システムLSI設計 開発クラスター

名古屋ナノテクもの づくりクラスター

霧島工業クラブ

◆西日本のクラスター分布

資料:経済産業省 凡例

● :産業クラスター計画に基づくプロジェクト

(中心地に表示)

★ :知的クラスター創成事業によるプロジェクト

○ :その他、地域独自のクラスター構想

(22)

紛争処理

・ 模倣被害社の推移をみると、模倣品被害は年々増加傾向にある。

・ また、模倣品被害にあった企業の88%が製造業企業である。

・ 模倣品被害の大半を占めるアジアの中でも中国、台湾、韓国の3 国における被害が圧 倒的である。

図表 1-16 模倣被害社(模倣被害率)の推移(単数回答)

【全体】 【産業別】

注:2000年は1社でも業種が複数にわたる場合、社数も複数に計算した。

資料:2003年度模倣被害調査報告書(特許庁)

図表 1-17 アジアにおける模倣品製造国・地域(複数回答)

資料:2003年度模倣被害調査報告書(特許庁)

(23)

(2)経済の現状

①生産(GDP)

・ 実質GDP成長率は+0.1%(季調済前期比)と2四半期ぶりのプラス成長である。

・ 名目GDP成長率は、▲0.0%(季調済前期比)と横ばい状況にある。

図表 1-18 GDP の推移

1 3 年 度 1 4 年 度 1 5 年 度 16/4-6 16/7-9 16年 度 17年 度

(2001) (2002) (2003) (2004年 4-6)(2004年 7-9) (実 績 見 込 )(見 通 し ) 実 質 G D P ▲ 1.1 + 0.8 + 1.9 ▲ 0.1 + 0.1 (年 率 + 0.2) + 2.1 + 1.6

  個 人 消 費 + 0.8 + 0.7 + 0.5 + 0.3 + 0.2 + 1.7 + 0.9

  住 宅 投 資 ▲ 7.9 ▲ 2.3 ▲ 0.5 + 0.9 + 0.7 + 1.7 ▲ 0.6

  設 備 投 資 ▲ 3.4 ▲ 3.8 + 8.2 + 4.3 + 1.1 + 5.6 + 3.3

  政 府 消 費 + 2.8 + 2.4 + 1.1 + 0.8 + 0.4 - -

  公 共 投 資 ▲ 5.1 ▲ 5.1 ▲ 9.2 ▲ 16.8 ▲ 2.2 - -

  外 需 寄 与 度 ▲ 0.4 + 0.7 + 0.8 + 0.3 ▲ 0.1 + 0.7 + 0.4 名 目 G D P ▲ 2.4 ▲ 0.7 +0.8 ▲ 0.6 ▲ 0.0 (年 率 ▲ 0.1) + 0.8 + 1.3

デ フ レ ー タ ▲ 1.3 ▲ 1.5 ▲ 1.1 ▲ 1.7 ▲ 1.3 ▲ 1.3 ▲ 0.3

消 費 者 物 価 ▲ 0.8 ▲ 0.8 ▲ 0.2 ▲ 0.1 ▲ 0.2 ▲ 0.1 + 0.1

経 常 利 益 ▲ 19.6 + 7.2 + 16.9 + 24.6 + 34.3 - -

失 業 率 5.2 5.4 5.1 5.0 4.8 4.7 4.6

実 質 季 節 調 整 伸 び 率 (前 期 比 :% ) 政 府 経 済 見 通 し (% )

資料:経済産業省

②設備投資

・ 設備投資には、中小企業を中心に回復の広がりがみられる。

・ 設備投資(法人企業統計季報(16年 7-9月期))は、全産業で+14.4%(前年同期比)

と6四半期連続のプラスとなり、増加幅は拡大した(季節調整済前期比では+2.4%)。

図表 1-19 設備投資の推移(前年同期比)

設 備 投 資 の 推 移 (前 年 同 期 比 )

13 .0 1 9 .0 1 4 .4

-3 0 .0 -2 0 .0 -1 0 .0 0 .0 1 0 .0 2 0 .0 3 0 .0 4 0 .0 5 0 .0

13/ 4-6 1 3/7 -9 1 3/1 0- 12

14 /1- 3 14/ 4-6 1 4/ 7-9 14 /1 0- 12

15 /1- 3 1 5/ 4-6 1 5/7 -9 15 /1 0- 12

16 /1- 3 16/ 4-6 1 6/ 7-9 大 中 堅 企 業 中 小 企 業 全 規 模

(% )

資料:法人企業統計季報(財務省)

(24)

③雇用

・ 11月の完全失業率(季節調整値)は4.5%と前月に比べ0.2ポイント低下している。

・ 雇用者数は前年同月比プラス 3万人増加している。

・ 有効求人倍率(季節調整後)は0.92 倍と前月に比べ0.04ポイント上昇している(0.92 倍以上となったのは 1993年2月以来11年 10ヶ月ぶり)。

・ 11月の新規求人数(パート除く)は、前年同月比プラス24.2%増と 27ヶ月連続で増 加。産業別では、サービス業(前年同月比プラス 35.6%)、製造業(同プラス 16.9%)、

運輸・通信業(同プラス 16.8%)、卸・小売業(同プラス 12.9%)等で増加した。

図表 1-20 完全失業率と有効求人倍率の推移(季節調整値)

(季節調整値)

3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0

97/1 7 98/1 7 99/1 7 00/1 7 01/1 7 02/1 7 03/1 7 04/1 7

(年/月) (%)

0.40

0.50

0.60

0.70

0.80

0.90

1.00 失業率(左目盛)

有効求人倍率(右目盛)

(倍)

悪化

改善

04年11月

失業率      4.5%

有効求人倍率 0.92倍

資料:労働力調査(総務省、128日)、一般職業紹介状況(厚生労働省、128日)

図表 1-21 産業別新規求人数前年比(パート除く)

産業別新規求人数前年比(パート除く)

-50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50

97/1 98/1 99/1 00/1 01/1 02/1 03/1 04/1

(%)

建設業 製造業 運輸通信業 卸小売業 サービス業 全体

04年11月 全体 前年比

+24.2%

注:シャドー部分は景気後退期

資料:一般職業紹介状況(厚生労働省、128日)

(25)

2.各国産業政策の把握

(1)米国の産業政策

ここでは、『米競争力評議会 報告書「イノベート・アメリカ」~通称パルミサーノレポ ート:米国の競争力維持/強化に向けた提言~』の概要を整理する。この報告書の趣旨は 以下のとおりである。

・ 本提言は、米国が今後も継続して発展/成長していくためには「イノベーション」が唯 一の原動力であるとの認識の下、2003年 9月から産官学のリーダー400 名あまりが結 集し「国家イノベーションイニシアチブ」を立ち上げて検討を重ねてきたもの。

・ イノベーションは米国建国以来、米国の魂にいつでも深く根ざしていると謳い、IBM のパルミサーノ CEOは「国家にとっての最優先事項である」とコメント。

①人材育成

国家イノベーション教育戦略の策定

・ 科学・エンジニアリング分野の学生向けの“先行投資型”民間奨学金(所得控除)を 創設

・ 連邦政府研究開発機関の資金を活用した“ポータブル・フェローシップ(目的に合わ せて大学院を選択できる奨励金)”の 5,000人分創設を通じて若手イノベータを支援

・ 大学における科学専門マスターコースを全ての州立大学へと拡大

・ 世界中の科学・エンジニアリング分野の優秀な学生を惹きつけるために移民政策を見 直し、米国大学を卒業した者への就労を許可

次世代イノベータの要請

・ 小中高大学における問題解決型学習の推進を通じて、創造的思考・イノベーションス キルを啓発

・ 研究開発と利用とのギャップを解消するためイノベーション学習機会を提供

・ 起業家及び小企業のマネージャ向けのイノベーション教育課程を創設

②投資

未開拓分野及び多くの学問領域における研究活動の活性化

・ 各研究機関のR&D予算の 3%を振り向ける“イノベーション加速補助金”の創設を 通じてハイリスクの研究活動を振興

・ 国防総省の科学技術予算の 20%を長期研究に振り向け、基礎研究に対する同省のコミ ットメントを復活

・ 強固な国家R&Dポートフォリオを確立するため、物理科学・エンジニアリング分野 向けの支援を拡充

(26)

・ 研究・エンジニアリング分野向けの優遇税制を見直した上で恒久化し、対象を産学コ ンソーシアムによる研究活動まで拡大

起業家経済の奨励

・ 地方資産への投資や官民協調投資を活用するため、今後5年間にイノベーションホッ トスポットを 10ヶ所創設

・ イノベーションに基づいた成長を加速化するべく、連邦政府の経済政策/施策を調整 するための主導省庁を明確にし、省庁連携会議を創設

③インフラ

イノベーション成長戦略に対する国家的コンセンサスの創出

・ 大統領府を通じて連邦イノベーション戦略を制定

・ イノベーション政策を実行しイノベーション主導の成長を実現するため、国と地方の 連携を引き出す

・ イノベーションをより効果的に理解し、マネジメントするための新たなマトリックス を策定

・ 優秀なイノベーション活動を認知するために、国家イノベーション賞を創設 米国の製造能力の強化

・ コンソーシアム・共有施設を含んだ優秀製造センターを構築

・ 相互運用性のある製造、物流方式に向けた産業界主導の標準策定を促進

・ 中小企業は一流の製造パートナーになることを可能にするため、イノベーション拡大 センターを創設

・ R&Dの優先順位を定めた産業界主導のロードマップを拡大

(2)欧州の産業政策

①EUの産業政策(2000年「リスボン・サミット」)

・ IT革命への対応を1つの軸として「欧州社会モデル」のあり方について包括的に議論

・ 今後10年間の戦略目標を明確にしたリスボン戦略を採択

・ 「雇用拡大、経済改革、社会的結束を目指した新たな戦略目標」

・ 戦略目標達成のために、具体的措置としてエネルギー、運輸、雇用などの分野での規 制撤廃や情報通信技術の導入などが盛り込まれた

②イギリスの産業政策(2002年5月「製造業戦略」)

・ 輸出で大きなウェイトを占める製造業の成功が英国の反映に欠かせないと判断

・ 英国における弱点として研究開発投資やイノベーションの低さをあげ、これを克服し、

知識主導型で技術力の高い製造業へ変革することに向けた戦略の軸として以下の 7 つ を設定

①マクロ経済の安定化、②投資促進、③科学とイノベーションの推進(共同研究支援)、

(27)

④ベスト・プラクティス(最も効果的、効率的な実践方法)の推進、⑤技能と教育レ ベルの向上、⑥先進的な構造基盤の整備(交通システム、ブロードバンドの整備)、

⑦公正な市場の確立

③フランスの産業政策(産業技術革新庁の設置)

・ 産業技術革新庁を設置(フランスの問題は民間研究開発が大きく立ち後れている)

・ 首相の直轄下において公的資金と民間資金とを出し合ってプロジェクトを進行

・ ゆくゆくは欧州内での枠組にする構想。ドイツとの連携を図る

・ 革新庁の理事会には企業代表、研究者等も参加し、運営方法についてアドバイス。こ の理事会にて支援 PJの基準を設ける

(3)アジアの産業政策

①中国の産業政策(2001年10月「第 10次5カ年計画」)

・ 基本方針:「発展こそが絶対の道理」~経済効率を高めることも強調

・ 課題:「産業構造調整、地域及び都市農村構造の調整」~特に産業構造調整に重きを 置く

・ 個別施策:①農業の基礎的地位と農民収入の増加、②産業構造の最適化とグレードア ップ(ハイテク及び先進かつ適切な技術による伝統産業の改造、水資源と石油を重点 にしたエネルギー開発)、③西部大開発、④教育、科学技術(「科教興国」政策(科 学技術と教育)を国の最重要政策から補完的地位へ)、⑤改革の深化と対外開放拡大、

⑥社会保障、就業、収入確保、⑦持続可能な発展(低出産レベルの維持を指示する一 方、高齢化社会への対応を新課題とする)

②シンガポールの産業政策(1999年1月「インダストリー21計画」)

・ 2010年までの産業基本政策

・ 以下の9分野を戦略的産業と位置づけ世界的ハブ機能を目指す

①エレクトロニクス、②石油化学、③生命化学、④エンジニアリング、⑤教育サービ ス、⑥医療サービス、⑦物流、⑧通信・メディア、⑨地域統括サービス

③マレーシアの産業政策(2003年10月「第 8次マレーシアプラン中間見直し」)

・ ブミプトラ優遇強化策

・ 製造業分野の外資の自由化措置(新規・拡張投資等の場合に限り、輸出比率にかかわ

らず100%外資を許容)が恒久的措置となった

④韓国の産業政策(2003年8月「10大新成長動力産業」)

・ 大統領府迎賓館で 160人あまりの産・学・研、及び政府関係者らが参加する中で「次 世代成長動力推進報告会」を大統領が主宰。この中で、10大新成長動力産業を確定し、

国民所得2万ドル時代に向かうための牽引とするための集中育成産業の方向性を示す

・ 企業の技術開発の投資誘導のため、工場配置法を改定し、首都圏での工場建設を許可

(28)

し、大企業が工場を建てたり増築することを規制していた各種規制が廃止され、関連 産業分野の大企業については、出資総額制限制度(他社持ち分取得が純資産の 25%以 内)が適応されない方針

・ 目的:限られた予算の中で効率よく効果をあげるために策定

・ 具体的産業(①デジタル TV、放送~放送システム、DTV、DMB、②ディスプレイ~

LCD、LED、PDP、有機 EL、3D、電子ペーパー、③知能型ロボット、④未来型自動

車、⑤次世代半導体~次世代メモリ、ナノ電子素子、⑥次世代移動通信~テレメティ ックス、⑦知能型ホームネットワーク~ユビキタスコンピューティング、⑧デジタル コンテンツ、ソフトウェアソリューション、⑨次世代電池~二次電池、燃料電池、⑩ バイオ新薬

⑤インドの産業政策(2004年5月「基本政策書」)

・ 社会的調和と法治主義を継続、原理主義的な要素の排除

・ 今後10年、雇用創出を促進し、年率8%程度の成長を維持

・ 農民、工場労働者などの労働者権利、福祉の向上に注力

・ 女性の政治、経済、教育等多方面の進出機会を拡大、その地位を向上

・ 少数民族・宗教や低位カーストに均等平等な教育・雇用機会の付与

・ 技術者、企業家、科学者等の自由な企業への支援を実施

(29)

3.今後のものづくり政策の論点整理

「1.」および「2.」にて整理した内容を踏まえ、今後の我が国ものづくり政策に係る 論点として、「ものづくりの意義」「強みの検証」「産業横断的課題の発掘」「政策ツールの 拡大」「国民マインドの形成」「産業ネットワークの形成」の 6項目を抽出した。その内容 を以下に整理する。

(1)ものづくりの意義 Point

日本のものづくりは産業・経済規模におけるボリュームに止まらず、伝統に根ざし た国力が凝縮し、国家イメージ/ブランド・信頼感の源泉となっているのではない か。

ソフト的な目に見えないコンセプトも含めたものづくりを再定義し、わが国の国家 戦略の中核に位置づけ、その特性・強みを強化する政策を採用することで、ものづ く り の 強 化 は も と よ り 他 産 業 の 活 性 化 や 社 会 的 問 題 の 解 決 に 資 す る こ と が で き る のではないか。

具体的内容

・ GDPの 2割、外貨獲得や研究開発投資の 9割というボリュームを超えて、ものづくり には我が国の強みが凝縮している可能性が高く、日本のものづくりに対する国内外の 信頼感などから考えた場合、「ものづくり」を我が国の国家戦略における求心力の中 核とするなど、明確な位置づけを行うべきではないか。その場合、従来の「目に見え るものを作る」というハード的定義を拡張して、設計思想やデザインなど「目に見え ないコンセプト」というソフト的定義にまで広げ、新しいもの、現在は存在していな いものを構想することまでを射程に入れるべきではないか。また、明治時代以前にま で淵源をたどり、我が国ものづくりの伝統(たとえば、ものづくりの裨益者が特定の 階層ではなく、不特定の大衆を対象とするものであり、そのような裾野の広がりを持 っていること。機械に対する親和的につきあえる風土が形成されていることなど)を 整理し、どういう特性が綿々と続いてきているのか明確にすることが有効ではないか。

さ ら に 、 そ の よ う な 伝 統 を 踏 ま え つ つ 、 我 が 国 の ブ ラ ン ド 戦 略 に お い て 、

「MONODZUKURI」を国際的に通用するキーワードにするなど、その特性や強みに 関して、積極的に理解を促進すべきではないか。

・ 科学技術、ITやバイオなど幾つかの国家目標や戦略が策定され、実行されてきている が、ともすれば欧米での先行する取り組みに対して、遅れを取らずに併走していく運 営となっており、我が国のオリジナリテイに乏しく、戦略上の差別化を強化する余地 があるのではないか。そういう状況に対し、我が国固有のものづくりの力を活用する ことで、関連する国家戦略の強化・差別化を図ることが可能ではないか。また、もの

(30)

づくりの力は、これまで競争力や生産性が課題となっているエネルギー、ソフトウエ ア、物流、サービスなどの産業の活性化に応用することが有効ではないか。そのよう なものづくり力の他産業への移植を促進する仕組みを整備することが必要ではないか。

(2)強みの検証 Point

強みを検証する上で、「大企業と中小企業」二元論や産業分類上の「○○産業」と いった従来のフレームワークは時代に合わなくなっていないか。事業の機能や製造 工程・納入先との調整状況などに着目した新しい整理方法が必要ではないか。

短期的な財務指標にのみ着目した企業評価は、わが国企業の長期的な競争力の源泉 を正当に評価できないのではないか。産業を軸とするわが国資本主義を発展させる 企業像を明らかにすることが必要ではないか。

具体的内容

・ これまでの産業分類や商品分類だけでは、我が国産業の強み弱みの見極めや実態把握 に限界があるのではないか。これらを補強するために、①原材料確保、研究開発、製 造工程、営業販売、アフターサービス、リサイクル、知的資産の活用といった一連の 事業の流れを機能分解する整理、②製造工程や顧客との事前調整において、既存品を 活用するモジュール分野と、特製品を開発するインテグラル分野とに分ける整理、③ 社内における情報共有・決定権の範囲、意思決定のスピードなど組織管理に着目した 整理など、新しい方法を整備・普及することが重要ではないか。このような新しい整 理方法は、政策と経営、政策と現場、経営と現場などの意見交換や戦略作りのために 有効な共通言語となるのではないか。バブル崩壊後の経済低迷期に、個別企業の実力 差や系列変化などが現れてきているが、これまでの○○産業という括り方や、大企業 と中小企業という二分論も産業実態の把握は不十分となってきているのではないか。

むしろ、機能の違う企業を同じ産業としてひとまとめにすることや、ややもすれば保 護対象のイメージのある中小企業概念などは、実態をミスリードする可能性すらある のではないか。

・ 不良債権処理など財務整理が主要な経営課題となる中で、企業のパフォーマンスを短 期的な収益で判断する状況になっていると言われている。しかしながら、このような 収益は結果であり、将来の成長見込みを判断するには不十分ではないか。むしろ、そ の企業の中長期的な成長見込みは、競争力の源泉を何に置き、それをどのように活用 しているか、それが全体の市場や産業の中で明確なストロング・ポジションを取って いるかという点への評価に依拠するのではないか。その観点から、知的資産ガイドラ インなど無形資産を客観的に評価する方法を開発・普及させることが重要であり、そ れは、まさしく我が国ものづくりの正当な評価につながり、我が国のオリジナリテイ に根ざした CSRにつながっていくのではないか。また、そのような競争力の源泉を最

図表 1-5  輸出に占める工業製品の割合(2003 年)
図表 1-10  資金繰り D.I.の推移  -40-30-20-10 0102030 3月 6月 9月 12 月 3月 6月 9月 12 月 3月 6月 9月 12 月 3月 6月 9月 12 月 3月 6月 9月 12 月 3月 6月 9月 12 月 3月 6月 9月 12 月 3月 6月 9月 12 月 3月 6月 9月 12 月 3月 6月 9月 12 月 3月 6月 9月 12 月 3月 6月 9月 12 月 3月 6月 9月 12 月 3月 6月 9月 12 月 3月 6月 9月 12 月 19
図表 1-13  ものづくり人材の能力状況  1 7 .1 % 1 7 .2 % 1 6 . 4 % 1 8 .0 % 4 0 . 6 %4 0 . 1 % 4 2 . 9 % 5 5

参照

関連したドキュメント

全国 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県

データなし データなし データなし データなし

三洋電機株式会社 住友電気工業株式会社 ソニー株式会社 株式会社東芝 日本電気株式会社 パナソニック株式会社 株式会社日立製作所

アドバイザーとして 東京海洋大学 独立行政法人 海上技術安全研究所、 社団法人 日本船長協会、全国内航タンカー海運組合会

海洋技術環境学専攻 教 授 委 員 林  昌奎 生産技術研究所 機械・生体系部門 教 授 委 員 歌田 久司 地震研究所 海半球観測研究センター

波部忠重 監修 学研生物図鑑 貝Ⅱ(1981) 株式会社 学習研究社 内海富士夫 監修 学研生物図鑑 水生動物(1981) 株式会社 学習研究社. 岡田要 他

原子力損害賠償・廃炉等支援機構 廃炉等技術委員会 委員 飯倉 隆彦 株式会社東芝 電力システム社 理事. 魚住 弘人 株式会社日立製作所電力システム社原子力担当CEO

★ IMOによるスタディ 7 の結果、2050 年時点の荷動量は中位に見積もって 2007 年比約3倍となり、何ら対策を講じなかった場合には、2007 年の CO2 排出量 8.4