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臨床実習における有意義感や達成度自己評定に 影響を与える要因【第

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[

原著

]

臨床実習における有意義感や達成度自己評定に 影響を与える要因【第

2

報】

:臨床実習Ⅰ改訂版アンケート結果より

渡部 未来

1)

本多 ふく代

1)

1)東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科作業療法学専攻

要旨

H20

年度臨床実習Ⅰ履修者

70

名を対象に,改訂版アンケートを用い調査を実施し,実習の有意義感 と指導者や指導状況,達成度自己評定と実習の実施状況,及び,最終評定との関係性を検討した.アン ケート結果の主成分分析を実施した所,①指導者との関わり・相互交流,②総合的理解への取り組み,

③指導に対する評価,④今後の指標,⑤実習課題の取り組み,⑥他者説明の評価と理解,⑦悩み,課題 提出状況の7つの主成分が抽出された.抽出された

7

つの主成分と有意義感,達成度自己評定の分散分 析を実施した所,有意義感では②③⑤主成分との間に,達成度自己評定では②⑤主成分との間に有意な 効果を認めた.達成度自己評定と最終評定の相関分析を実施した所,有意な正の相関を認めた.これら より,実習の有意義感には,学生の取り組みに関する要因の他に,指導者の指導状況が影響し,達成度 自己評定には,第三者の評定結果が影響すると考えられた.

【キーワード】 臨床実習Ⅰ,アンケート改訂,有意義感,達成度自己評定

Ⅰ.はじめに

作業療法(以下,

OT

)教育において臨床実習は 重要な過程であり,その教育的意義が大きい.臨 床実習は,実際の現場体験を通して,養成校で学 んだ作業療法士(以下,

OTR

)に必要な知識,技 術,態度を統合し,自己の能力を知り,今後の課 題や目標を得,職業的アイデンティティの形成を 図る

12

といった,様々な教育的効果が期待でき る.

本学作業療法学専攻では,

2

年次後期に

2

週間 の臨床実習Ⅰ(評価技術学実習,以下,実習Ⅰ)

を実施している.実習Ⅰの目的は,①実体験を通 して

OT

の概要と役割を学びながら,臨床実習指 導者(以下,指導者)の指導のもと,対象者やス

タッフに対する基本的な接し方,姿勢を学ぶ,② 対象者に必要な評価法を選択しその一部を実施 し,結果を整理するといった評価の実践的経験か ら

OT

のイメージを具体化し,

OT

評価の意義を 考える実習

3)

と位置づけている.実習Ⅰは,学生 にとって初めての長期実習である.実際の

OT

場 面を学生が見て体感することや,

OTR

より指導を 頂くことは,自己の現状,能力を知る機会となり,

今後の課題や目標を見出す一助となる.実習での 経験が,その後の学習に大きく関連すると考えら れる.そのため,これまで筆者らは実習Ⅰ終了後 に,学生を対象としたアンケート調査を実施し,

実習の特性や以後の教育支援について検討して

きた

4)

(2)

臨床実習における有意義感や達成度自己評定に影響を与える要因 第2

昨年度「臨床実習における有意義感や達成度自 己評定に影響を与える要因」について検討した結 果,学生の「実習の有意義感」には,学生自身の 実習への取り組みに関する要因の他に,指導者と の関係や交流状況といった環境的背景の影響が 示唆された.学生の「達成度自己評定」には,実 習経験や実習遂行状況よりも,実習後学内で開催 される症例報告会・討論(以下,セミナー)の実 施状況が影響することが示唆された.このことか ら,第三者の評定結果が学生の自己評定に直接影 響し,学生自身による実習全体の振り返りや実習 結果の客観的理解が乏しいのではないかと考え られた.更に,これらの結果を踏まえ,指導者と の関わりといった環境的背景を探ろうとしたが,

昨年度のアンケートでは,指導者について問う項 目が少なく,内容も限定的であったため,詳細な 検討には至らなかった.

また,清水

5)

の臨床実習における学生の自己評 価に関する研究では,「指導者評価と学生自己評 価には違いがあり,学生自身が自己の問題につい て十分理解できていないことが考えられる」と報 告されている.更に,原口

6)

の研究では,学生の 自己採点は,実習成績よりも有意に低い結果から,

「指導者の指導内容が上手く伝わっていないこ とが想像でき,学生にとって自己の長所と欠点を 認識できるようなフィードバックが必要である」

と報告されている.このように,学生の自己評定 については,客観的な評価との関係を見ることで,

その示す結果の意味が解釈できると考えられる.

そこで,今年度は,臨床実習における有意義感 や達成度自己評定に影響を与える要因を,昨年度 よりも詳細に検討するため,アンケートに指導者 に関する質問項目を増やすなどの改訂を行った.

改訂したアンケートがどのような特徴を持って いるのかを把握し,その上で,実習の有意義感と 実習達成度自己評定に影響する要因を明らかに し,これらの結果を基に,今後の教育支援の在り 方について考察した.

Ⅱ.対象と方法 1.対象

対象は,本学作業療法学専攻において,平成

20

年度臨床実習Ⅰを履修した

2

4

年次生

73

名のう ち,調査に協力の得られた

70

(

平均年齢

20.16

±0.47

歳,男性

28

名,女性

42

)

とした.

2.調査方法

方法は,臨床実習を終了し,学内セミナーを終 えた学生達に,調査の実施目的を説明し,同意を 得たうえでアンケート用紙を配布した.実施後の アンケート用紙は,回収期日をアンケート実施当 日とし,回収ボックスを設け回収した.

3.アンケート内容

今回の調査では,筆者らが

2008

年度に実施し たアンケート

4)

に,指導者について問う項目や,

今後の課題目標,

OTR

を目指す思いの変化を問う 項目を追加した.追加した項目は表中に網掛けに て示す(表

1

).

改訂したアンケートは,合計

47

項目から構成 されている.このうち

36

項目は選択式を用い,

その中の

28

項目は,肯定的な回答の順に

4

~1の 順序尺度を用い,

4

件法にて回答する形式である.

8

項目は二者択一,三者択一,四者択一,五者 択一で回答する形式である.残り

11

項目に関し ては記述式を用いた.4件法で回答を求めた項目 に関して,表

1

2

)実習全体の印象に含まれて いる④悩みの多少については, 「悩みなし」を4,

「悩みが多い」を

1

と尺度化した.⑧達成度自己 評定に関しては,

100

点満点で回答を求めた.

4.分析方法

アンケート内容は,項目毎に結果をまとめ,更 に各項目の特徴を探るため,

Kaiser

の正規化を伴 うバリマックス回転法にて主成分分析を行った.

主成分分析に用いた項目の選定については,記

述式,名義尺度の項目は分析にはふさわしくない

ため除外し,

4

件法

(

順序尺度

)

で回答を得た項目

(3)

のみ採用した.また,表

1

2

)実習全体の印象 に含まれている①有意義さの項目については,後 ほど独立変数として扱うため除外した.その結果,

2

に示す臨床実習の経験や遂行に関する

26

項 目に対して分析を行い,因子負荷量の絶対値が大 きい順に分類した.更に各主成分得点を従属変数,

「実習は有意義でしたか」, 「実習達成度の自己評 定」の

2

項目を要因とした一元配置分散分析を行 った.この際,「実習は有意義でしたか」につい ては,

4

件法で得られた回答結果をそのまま

4

準に分類し,これを「有意義感要因」とした. 「実 習達成度の自己評定」の回答結果については,本 学の実習評定規定

3)

を参考に「

100

80

点(優) 」,

79

70

点(良)」, 「

69

60

点(可)」, 「

59

50

点(合否検討,補習対象)」 「

49

点以下(不可,不 合格)」の

5

水準に分類し, 「達成度自己評定要因」

とし,分析に用いた.事後検定には,

Tukey

HSD

検定を用い,有意水準を

5

%とした.

学生の達成度自己評定と最終評定の比較につ いては,

Pearson

の積率相関分析を行った.なお,

表1.アンケート構成 ※網掛けは追加質問項目

1)基本情報(4項目) 5)臨床実習前オリエンテーション(5項目)

①学籍番号 ②性別 ③年齢 ④実習領域 ①開始時期 ②実施回数 ③内容理解 ④内容の適切さ 2)臨床実習全体の印象(8項目) ⑤伝えてほしい情報,内容

①有意義さ ②学び ③自主性 ④悩みの多少 6)臨床実習中の教員の関わりについて(2項目)

⑤悩みの内容 ⑥OTRを目指す思い ⑦今後の課題目標 ①教員に相談したいと思ったか ②相談したい内容

⑧達成度自己評定 7)セミナー・グループ討議(4項目)

3)臨床実習の実施について(4項目) ①セミナー準備 ②セミナー発表 ③グループ討議 ①目的理解 ②課題,記録の期限内提出 ④他学生の発表,討議は勉強になったか

③課題(記録,検査)の遂行 ④レポートまとめ 8)臨床実習中の生活状況(4項目)

4)臨床実習指導者について(12項目) ①宿泊施設 ②住心地 ③健康状態 ④時間の使い方 ①指導方針 ②指導時間 ③会話,指導時間数 (睡眠,セルフケア,通勤,記録記載,TV・余暇,その他)

④求める指導,助言 ⑤十分なコミュニケーション ⑥指導者の説明 9)感想,要望 ⑦苦手,不足のフィードバック ⑧利点のフィードバック

⑨変化のフィードバック ⑩希望,意見の受容 ⑪悩みの受容

⑫指導者との関係

表2.主成分分析に用いられた26項目

1)多くのことを学ぶことが出来ましたか 15)自分の苦手な部分,不足部分についてのフィードバックは

2)自主的に実施できましたか 得られましたか

3)悩んだことが多かったですか 16)自分の利点,できている内容についてのフィードバックは 4OTRを目指す思いは強くなりましたか 得られましたか

5)今後に向け取り組むべき課題や目標は得られましたか 17)自分の変化についてのフィードバックは得られましたか 6)実習の目的を理解して実施できましたか 18)自分の希望,意見を受け入れてもらえたと思いますか 7)課題や記録等を期限まで提出することができましたか 19)悩みや困っていることを受け入れてもらえたと思いますか 8)課題の遂行(記録,検査実施等)は思うようにできましたか 20)指導者との関係は良好であったと思いますか

9)レポート(施設概要・評価意義)を思うようにまとめることは 21)オリエンテーションの内容は理解できましたか

できましたか 22)オリエンテーションの内容は適切でしたか

10)指導者の指導方針や実習スケジュールは適切でしたか 23)セミナーの準備は思うようにできましたか 11)指導者の指導時間は適切でしたか 24)セミナーの発表は思うようにできましたか 12)自分の求める指導や助言は得られましたか 25)グループ討議は思うようにできましたか 13)指導者と十分なコミュニケーションを取ることはできましたか 26)他の学生の発表や討議は勉強になりましたか 14)指導者の説明は解かりやすかったですか

(4)

臨床実習における有意義感や達成度自己評定に影響を与える要因 第2

最終評定とは,実習施設における指導者評定(

50

点満点),セミナーにおける教員評定(

50

点満点)

を合わせ,

100

点満点で構成され,実習Ⅰの合否 判定をする際の指標となる.

全ての分析には

SPSS13.0J

を使用した.

Ⅲ.結果

1.アンケートの特徴分類

前回の調査では,

14

項目に対して主成分分析を 行い,その結果5つの主成分が抽出され,累積寄 与率は,

69.8

%であった(表

3

).今回の改訂版ア ンケートから選択した

26

項目の主成分分析の結 果,

7

つの主成分が抽出され,累積寄与率は

67.9

% であった(表

4

).

1

主成分には

6

項目が該当し,内

4

項目は指 導者について追加した項目であり,指導者との関 わりや,指導者との受容体験を問う項目で高い負 荷を示した. (因子負荷量

0.810

0.602

)これを

「指導者との関わり,相互交流」と解釈した.ま た,これらの因子負荷量は全て正の値を示すため,

1

主成分得点が高い学生は,より指導者と関係 が図れ,相互交流もできていることを意味する.

2

主成分は,実習後セミナーに関する項目や,

実習内容の理解,目的理解に関する項目で高い負 荷を示した(因子負荷量

0.775

0.662

) .表

3

に 示す昨年度の主成分分析の結果では,第

2

主成分 はセミナーの準備と発表に関する

2

項目が該当し,

「総合的理解への取り組み」と解釈した.今回は,

分析にかけた項目が増えたことも影響し,新たに 実習内容,目的の理解に関する項目が含まれてい る.実習内容,目的の理解が,実習の総括にも繋 がると考えられることから,今回も第

2

主成分は,

「総合的理解への取り組み」と解釈した.また,

これらの因子負荷量は全て正の値を示すため,第

2

主成分得点が高い学生は,より総合的理解への 取り組みができていることを意味する.

3

主成分は,

4

項目で高い負荷を示した

(

因子 負荷量

0.767

0.580)

.内

3

項目は新たに追加し た指導状況を問う項目であったことから,「指導

に対する評価」と解釈した.また,これらの因子 負荷量は全て正の値を示すため,第

3

主成分得点 が高い学生は,より指導者の指導を高く評価して いることを意味する.

4

主成分は,今回新たに追加した項目のみで 構成され,指導者の具体的なフィードバック内容 や,今後について問う項目で高い負荷を示した

(因子負荷量

0.808

0.511

).指導者からのフィ ードバックを参考に,課題目標を見出し,今後を 考える機会に繋がると思われる内容であること から,これを「今後の指標」と解釈した.また,

これらの因子負荷量は全て正の値を示すため,第

4

主成分得点が高い学生は,より今後の指標が得 られていることを意味する.

5

主成分は,実習課題(検査,記録など)の 遂行,レポート作成に関する項目や,取り組みの 姿勢を問う項目で高い負荷を示した

(

因子負荷量

0.799

0.606)

.検査や記録などの実施,レポート 作成は臨床実習における課題として,学生や指導 者に提示しており,実習後セミナーにも反映され る.これを「実習課題の取り組み」と解釈した.

また,これらの因子負荷量は全て正の値を示すた め,第

5

主成分得点が高い学生は,より実習課題 の取り組み状況が良いことを意味する.

6

主成分は,他学生の発表,討議は参考にな ったか,オリエンテーション内容は適切だったか を 問う 項 目 で 高 い 負 荷 を 示 し た ( 因 子 負 荷 量

0.848

0.636

).どちらの項目も,他者の説明を

聞き,理解に繋がったかどうかを問う内容と考え られる事から,これを「他者説明の評価と理解」

と解釈した.また,これらの因子負荷量は全て正 の値を示すため,第

6

主成分得点が高い学生は,

他者の説明は解りやすい,参考になると評価し,

より理解に繋がったことを意味する.

7

主成分は,悩みの状況,課題の期限内提出 に関する項目で高い負荷を示した(因子負荷量

0.755

0.677

).これを「悩み,課題提出状況」

と解釈した.また,これらの因子負荷量は全て正

の値を示すため,第

7

主成分得点が高い学生は,

(5)

表3.昨年度アンケート項目分類表(主成分表)

主成分 第1 2 3 4 5

自分の求める指導や助言は得られましたか 0.892 -0.234 0.202 0.012 0.016 多くのことを学ぶことができましたか 0.727 0.053 0.120 0.171 -0.245 指導者と十分なコミュニケーションをとることができましたか 0.704 0.011 0.181 -0.123 0.405 実習の目的を理解して実施できましたか 0.582 0.381 0.055 0.193 -0.118 自主的に実施できましたか 0.578 0.554 0.138 0.093 0.021 セミナーの発表は上手にできましたか -0.076 0.865 0.140 0.070 0.073 セミナーの準備は上手にできましたか 0.066 0.838 0.037 -0.002 0.079 課題の遂行(記録,検査実施等)はできましたか 0.293 0.112 0.762 0.143 0.005 課題や記録等を期限まで提出することができましたか 0.212 -0.083 0.737 0.129 0.121 レポート(施設概要,評価の意義)を上手くまとめることができましたか -0.026 0.348 0.715 -0.207 -0.071 オリエンテーションの内容は適切でしたか 0.178 -0.097 -0.095 0.848 -0.110 オリエンテーションの内容は理解できましたか 0.001 0.189 0.182 0.810 -0.011 悩んだことが多かったですか -0.047 0.206 0.095 0.091 0.843 他学生の発表や討議は勉強になりましたか 0.028 0.088 0.072 0.440 -0.669 寄与率(%) 18.3 15.7 13.0 12.5 10.3

表4.今年度アンケート項目分類表(主成分表)

主成分 第1 2 3 4 5 6 7 18) 希望,意見の受容 0.810 -0.054 0.121 0.097 0.004 0.245 0.065 20) 指導者との関係 0.808 0.199 0.259 0.068 0.011 -0.106 0.053 19) 悩み,困っていることの受容 0.782 0.031 0.202 0.243 -0.034 -0.051 -0.013 13) 十分なコミュニケーション 0.708 0.095 0.229 0.192 0.158 -0.234 0.188 12) 求める指導・助言 0.620 0.035 0.513 0.147 -0.049 0.157 -0.056 16) 利点,出来ている内容のフィードバック 0.602 -0.208 0.236 0.430 0.170 0.028 -0.039 23) セミナー準備 0.021 0.775 0.087 -0.066 0.078 0.109 -0.144 21) オリエンテーション内容の理解 0.017 0.690 -0.052 0.224 -0.255 -0.060 0.276

6) 目的理解 -0.172 0.675 0.220 0.183 0.331 -0.103 0.196

24) セミナー発表 0.118 0.666 0.046 -0.050 0.155 0.375 0.034 25) グループ討議 0.182 0.662 -0.264 -0.007 0.259 0.089 -0.076 10) 指導者の方針 0.237 -0.100 0.767 -0.000 0.126 -0.043 0.213

11) 指導時間 0.301 0.050 0.667 0.083 0.089 -0.123 -0.263

14) 指導者の説明は解りやすいか 0.424 -0.073 0.597 0.018 0.119 0.235 0.099 1) 多くの学び 0.178 0.217 0.580 0.181 -0.081 0.239 0.111 17) 自分の変化のフィードバック 0.222 -0.016 -0.070 0.808 0.032 -0.134 0.008 5) 今後の課題目標 0.099 0.212 0.379 0.607 -0.039 0.232 -0.068

4) OTRを目指す想いの変化 0.384 0.220 0.081 0.593 -0.028 0.185 0.144

15) 苦手・不足内容のフィードバック 0.210 -0.347 0.448 0.511 0.051 0.092 -0.130

8) 課題遂行 -0.005 0.060 0.016 0.055 0.799 -0.083 0.286

9) レポートまとめ 0.002 0.199 0.140 0.016 0.782 0.013 -0.050 2) 自主的実施 0.481 0.087 -0.041 -0.113 0.606 0.133 0.203 26) 他学生の発表・討議 0.031 0.059 0.059 0.122 0.114 0.848 -0.101 22) オリ内容の適切さ -0.054 0.305 0.132 -0.045 -0.261 0.636 0.282 3) 悩みの多少 0.280 0.041 -0.009 -0.202 0.106 -0.053 0.755 7) 期限内提出 -0.064 0.033 0.121 0.279 0.320 0.128 0.677 寄与率(%) 16.1 11.3 10.6 8.6 8.4 6.7 6.2

(6)

臨床実習における有意義感や達成度自己評定に影響を与える要因 第 2 報

より悩みが少なく,課題の提出状況も良いことを 意味する.

このように今回のアンケート結果から,①指導 者との関わり・相互交流,②総合的理解への取り 組み,③指導に対する評価,④今後の指標,⑤実 習課題の取り組み,⑥他者説明の評価と理解,⑦ 悩み,課題提出状況の

7

つの特徴が抽出された.

2.有意義感要因と各主成分との関係

「有意義感要因」の各群間人数は,とても有意 義

30

名,有意義

24

名,やや有意義

13

名,有意 義でない

3

名であった.

7

つの主成分得点平均と

「有意義感要因」について一元配置分散分析を行 っ た結 果, 各群間と第

2

主成分「総合的理解 への取り組み」 (

F

3

66

)=

3.623

P

0.05

),

3

主成分「指導に対する評価」(

F

3

66

)=

2.946

P

0.05

),第

5

主成分「実習課題の取り 組み状況」(

F

3

66

)=

4.220

P

0.01

)にお いて有意な効果が認められた(表

5

).また,事後 検定の結果,第

2

主成分では,「とても有意義」

と「有意義」の間に有意差が認められた(図

1

).

3

主成分では,「とても有意義」と「やや有意 義」との間に有意差が認められた(図

2

).第

5

主成分では,「やや有意義」と「有意義でない」

との間に有意差が認められた(図

3

).

3.達成度自己評定要因と各主成分との関係

「達成度自己評定要因」の各点数群間人数は,

100

80

点が

4

名,

79

70

点が

14

名,

69

60

点が

25

名,

59

50

点が

10

名,

49

点以下が

15

名,未回答が

2

名であった.

7

つの主成分得点平 均と「達成度自己評定要因」について一元配置分 散分析を行った結果,点数群間と第

2

主成分「総 合的理解への取り組み」 (

F

4

63

)=

4.947

P

0.005

),第

5

主成分「実習課題の取り組み状況」

F

4

63

)=

4.791

P

0.005

)において有意 な効果が認められた(表

5

).また,事後検定の結 果,第

2

主成分では, 「

49

点以下」と「

100

80

点」,

49

点以下」と「

80

71

点」, 「

49

点以下」と「

69

60

点」との間に有意差が認められた(図

4

).

5

主成分では,「

49

点以下」と「

79

70

点」

との間に有意差が認められた(図

5

).

4.学生の達成度自己評定と最終評定との関係 学生の達成度自己評定は,最高得点が

90

点,

最低得点が

10

点であり,平均点数は

56.0

±

17.1

点であった.最終評定は,最高得点が

88

点,最 低得点が

55

点であり,平均得点は

71.2

±

7.89

点 であり,学生の自己評定の平均点数が,最終評定 よりも低い結果となった.

学生の達成度自己評定と最終評定の相関分析 の結果,やや強い正の相関(r=

0.528

P

0.000

) が認められた(図

6

).

表5.各主成分と「有意義感要因」,「達成度自己評定要因」の分散分析結果

要因 有意義感要因 達成度自己評定要因

主成分名 F値 有意確率 F値 有意確率

1主成分「指導者との関わり・相互交流」 1.610 0.195 1.973 0.109 2主成分「総合的理解への取り組み」 3.623 *0.017 4.947 ***0.002 3主成分「指導に対する評価」 2.946 *0.039 0.091 0.985 4主成分「今後の指標」 2.040 0.117 0.091 0.985 5主成分「実習課題の取り組み」 4.220 **0.009 4.791 ***0.002 6主成分「他者説明の評価と理解」 1.214 0.312 0.325 0.860 7主成分「悩み,課題提出状況」 0.799 0.499 0.965 0.433

***P<0.005**P<0.01*P<0.05

(7)

図1.「有意義感要因」と第

2

主成分との関係

図2.「有意義感要因」と第

3

主成分との関係

図3.「有意義感要因」と第

5

主成分との関係

図4.「達成度自己評定要因」と第

2

主成分との関係

図5. 「達成度自己評定要因」と第

5

主成分との関係

図6.学生達成度自己評定と最終評定との関係

(8)

臨床実習における有意義感や達成度自己評定に影響を与える要因 第2

Ⅳ.考察

本調査の目的は,アンケート改訂に伴い,再度,

アンケートの特徴を把握し,その上で,指導者や 指導状況のどのような事柄が実習の有意義感に 影響しているのかを検討すること,また,学生の 実習達成度自己評定と,実習経験や実施状況およ び最終評定との関係性を明らかにし,それらを参 考に今後の教育支援について検討することであ る.以下,得られた結果をもとに考察する.

1.アンケートの特性について

今回のアンケートは,指導者との具体的な関わ りや,指導状況を問う9項目,今後の課題目標や

OTR

を目指す思いの変化の2項目を追加,改訂し た.主成分分析の結果,昨年度より主成分が増え たが,累積寄与率はあまり変わらないことから,

項目が増え構成が複雑になったものの,特性が似 た項目同士で上手く分類できたと言える.昨年度 の主成分表(表

3

)では,指導者について問う項 目は第1主成分に分類されているが,項目自体が 少なく,自主性,学び等の項目も含まれていたた め統合的に解釈した.しかし今回は,指導者につ いての項目は,第1,第

3

,第

4

主成分に分類さ れている.特に第

1

主成分は,指導者について問 う項目のみで構成され,他の主成分においても特 性が似た項目同士で分類されている.このことか ら,新たに指導者に関する主成分が得られ,より 実習の特徴を把握するのに役立つアンケートに なったと思われる.

2.実習の有意義感に関係する事柄

昨年度の実習の有意義感には,学生自身の取り 組みに関する要因の他に,指導者との関わりとい った環境的背景が示唆された.この結果を踏まえ,

指導者や指導状況のどのような事柄が実習の有 意義感に影響するかを検討した.その結果,指導 者について問う項目が含まれている主成分の中 で,実習の有意義感と有意差が認められたのは,

3

主成分「指導に対する評価」であった.その

他,学生の取り組みに関する第

2

主成分「総合的 理解への取り組み」,第

5

主成分「実習課題の取 り組み」と,実習の有意義感との間にも有意差が 認められた.

3

主成分は,指導者の方針やスケジュールの 適切さ,指導時間の適切さ,指導者の説明の解り やすさ,多くの学びが得られたかの4項目から構 成され,「とても有意義」と「やや有意義」との 間に有意差が認められた.また,図

2

に示すグラ フも右下がりの傾向を示すことから,実習を「と ても有意義」と評価した学生は,主成分得点が高 く,「やや有意義」と評価した学生は,主成分得 点が低いことが分かる.このことから,強い有意 義感を得ている学生は,指導者の意向が分かり,

指導時間への不満も少なく,多くの学びが得られ たと認識し,「やや有意義」と評価した学生は,

指導者の意向が分からず,指導時間も不十分であ り学びも少ないと認識したため有意義感の低下 を招いたと考えられる.高橋

7)

は,「学生が考え る指導者の望ましくない行動の一つに,指導者が 独自の考えを示さないこと」を挙げ,溝田

8)

は,

「学生の不満には,もう少し指導してほしかった という指導に関する内容が含まれていた」と報告 していることからも,指導者が考えや方針を学生 に伝えることや指導時間を確保してくれること を学生は望んでおり,それらが実習への有意義感 に繋がったと考えられる.

2

主成分は,実習概要を確認するオリエンテ ーション,及び,実習目的の理解,更にセミナー の実施状況を問う項目で構成され,「とても有意 義」と「有意義」との間に有意差が認められた.

2

主成分では,特に「セミナーの準備」の因子 負荷量が最も大きい.今回のセミナーに関しては,

昨年度よりも教員による事前指導を強化した.こ れらの背景より,教員がセミナーの準備を支援し,

学生の理解を深める働きかけを行ったことが学

生の有意義感にも繋がったと考えられる.「とて

も有意義」と評価した学生は,教員の支援により

理解が深まったことで,有意義感が一層強まった

(9)

と考えられる.また,「有意義」と評価した学生 は,自己の能力だけでは実習内容の総括が困難で あったため主成分得点が低く,教員の支援により 気づきや学びが多かったため有意義感が得られ たと考えられる.

5

主成分は,課題遂行(記録,検査),レポ ートまとめ,自主的実施の項目で構成され,事後 検定の結果,第2主成分に反して,「有意義でな い」と「やや有意義」の間にのみ有意差が認めら れた.図

3

のグラフを見ると「有意義でない」と 評価している学生の第

5

主成分得点平均値は,他 の要因に比べ高い.これは,「有意義でない」群 の度数が

3

名と非常に少ないことから,個人差が 大きく反映されたと考えられる.このことから,

有意な効果は認めたものの,第

5

主成分「実習課 題の取り組み」が,学生の実習への有意義感に影 響するとは言い難いと考えられる.

以上のことから,学生の実習への有意義感には,

学生自身の取り組みに関する要因の他に,指導者 の指導方針といった事柄の影響が示唆された.こ のことから,教員や指導者が,学生の実習内容の 確認や振り返りを行ったことが,実習への有意義 感にも繋がることが明らかとなった.よって,指 導者には,実習に対する自身の考えや指導方針を 学生に示し,学生が学びやすい環境を整えること が求められる.また,教員が学生と共に実習後の 振り返りを行い,学生の気付きを促す支援が必要 と考える.

3.学生の達成度自己評定に関係する事柄 昨年度の達成度自己評定には,実習後セミナー の実施状況のみが影響したが,今回は,セミナー に関する項目が含まれている第

2

主成分「総合的 理解への取り組み」の他に,第

5

主成分「実習課 題の取り組み」においても有意差が認められた.

事後検定の結果,第2主成分では

49

点以下(不 合格)群の学生と,

60

点以上(合格)群の学生と の間に有意差が認められ,図

4

に示すグラフでも 右下がりの傾向を示すことから,達成度自己評定

が低い学生ほど主成分得点が低く,達成度自己評 定を合格レベルで評定した学生は,主成分得点が 高まる結果が得られたと解釈できる.第

5

主成分 では,

49

点以下(不合格)群の学生と,

79

70

点以上(合格)群の学生との間に有意差が認めら れ,図

5

に示すグラフも一定の傾向を示しており,

合格群の学生の方が,主成分得点が高い.以上,

両者の結果より,合格群と評定した学生は,「総 合的理解への取り組み」や,「実習課題の遂行」

が出来たと認識し,達成度自己評定が高まる傾向 にあるが,反対に不合格群で評定した学生は, 「総 合的理解への取り組み」や「実習課題の遂行」が 出来なかったと認識し,達成度自己評定が低くな ったと考えられる.

学生の達成度自己評定と最終評定との関連を 見ると,正の相関が認められ,図

6

を見ると,最 終評定が合格群(

60

点以上)の学生は,達成度自 己評定も合格群で採点した学生が多い.最終評定 は指導者による実習評定,教員によるセミナー評 定から構成され,実習課題の遂行に関連する内容 や,セミナーも含めた総合的理解の状態を評定し たものである.このことから,達成度自己評定を 合格群で採点した学生は,第三者の評定結果を参 考に, 「総合的理解への取り組み」や, 「実習課題 の遂行」が出来たと認識し,達成度を評定したと 考えられる.また,学生の達成度自己評定平均は,

最終評定平均よりも

10

点以上低い結果であった.

これまでも,指導者評価と学生自己評価を比較し,

学生自己評価の方が低い傾向にあることは報告 されており

,9)

,達成度自己評定が

50

点以下の学 生は,最終評定が

65

点以上を示す学生が多いこ とから,不合格群で自己評定している学生は,自 己を過小評価し,達成度自己評定にも関連したと 考えられる.

以上のことから,学生の実習達成度自己評定に

は,第三者による評定結果が影響することが示唆

された.学生が達成度を評定することは,実習全

体の振り返りに繋がることから,指導者や教員に

は,学生の能力,現状を的確かつ客観的に評価す

(10)

臨床実習における有意義感や達成度自己評定に影響を与える要因 第2

る能力が求められ,より詳細な指標を学生に提示 することが重要と考える.また,学生は自己を過 小評価する傾向にあることから,学生の利点,不 足点を客観的に評価し,フィードバックすること で,学生の気付き促す働きかけが必要と考える.

4.今後の課題

今回は有意義感要因において群間人数の少な い群が生じてしまった.これらは本研究の限界で あると思われる.今後はデータ数を増やす等し,

より詳細な検討を試みたい.また,各学年間の比 較検討を行い,より実習Ⅰの特性や教育的効果に ついて明らかにしたい.

Ⅴ.まとめ

今回,臨床実習Ⅰにおける実習への有意義感や 達成度自己評定に影響を与える要因について,昨 年度よりも詳細な検討を行うため,アンケートの 改訂を行い,実習を終えた学生

70

名に対し,調 査を実施した.その結果,学生の実習への有意義 感には,学生の取り組みに関する要因の他に,指 導者の指導状況が影響することが示唆された.学 生の実習達成度自己評定には,第三者の評定結果 が影響することが示唆された.

Ⅵ.文献

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Influencing Factors on Meaningfulness and Self-rated Achievement in Clinical Training【Second Report】

:Results from the Revised Questionnaire of Clinical Training I

Miku Watanabe1)Fukuyo Honda1)

1) Occupational Therapy Course, Department of Rehabilitation, Faculty of Medical Science and Welfare, Tohoku Bunka Gakuen University

Abstract

In 2008, the survey targeting the 70 students of clinical training I with using the revised questionnaire was performed to study their meaningfulness, satisfactions with teachers and the teaching situations implementation of the training and a self-rated achievement assessment as well as the final rating. A principal component analysis of the questionnaire revealed seven components,

Communication with teachers, Students’ efforts in comprehensive understanding, The evaluations of the teachers and the teaching situations, The barometer in future, Students’

efforts in practical work, ⑥ The evaluations and understandings of the explanations of others, Students’ worries and report submission status. As the analysis of variation of the extracted main components and meaningfulness, and self-rated achievements was performed, the effective results have been found for meaningfulness among , , and , and for the self-rated achievements between and . A correlation analysis of the self-rated achievement and the final rating revealed a significantly positive correlation. According to these facts, the meaningfulness of the training could be effected by not only the effort of students but also the teachers and the teaching situations, hence for the self-rated achievements, the results evaluated by bystanders could be effected.

Key Words Clinical trainingⅠ,Revised questionnaire Meaningfulness Self-rated achievement

参照

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