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九州大学農学部

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Academic year: 2022

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

トカラヤギにおける授乳・吸乳行動に関する基礎的 研究(1) : 子から親への接近方向について

岡野, 香

九州大学農学部

蒲原, 守 豊後, 貴嗣

九州大学農学部畜産学科

山田, 定雄

九州大学農学部

https://doi.org/10.15017/12699

出版情報:九州大学農学部農場研究資料. 15, pp.40-43, 1993-03. 九州大学農学部附属農場 バージョン:

権利関係:

(2)

トカラヤギにおける授乳・吸乳行動に関する基礎的研究       1.子から親への接近方向について

岡野 香・蒲原 守・豊後貴嗣・山田定雄・古沢弘敏:・福留 功

 牛,馬などの単胎動物の授乳・吸乳行動は,子が母親の左右どちらの側からも接近し,どの乳頭か らも吸回すると言うことが知られている。一方,豚のような多胎動物の場合は,子は吸回する乳頭を ほぼ決めていると思われている。また羊のように双子の場合は,乳期の早い時期には,子は別々に吸 乳するが,3−4週以後は2頭がそろわなければ母親は授乳しないと考えられている。トカラヤギは

これまで報告したように単子または双子,まれには三子分娩するが,今回は単子と双子の親子につい て子が吸乳のための親への接近方向について検討した。

      材料および方法

 材料としては2月11日単子分娩i親子,2月10日双子分娩親子2組および2月12日双子分娩親子の合 計4組の親子を用いた。観察は2月15日より2月20日までの一定の時間だけ行った。

      結果および考察

 単子の場合は表1に示すように6回の観察中3回は親の右側から接近し,残りの3回は左側から接 近し,23回の吸乳でも右乳頭を11回,毛乳頭を12回吸税しており左右ほぼ半々の割合であることが観 察された。また一回の吸乳で一方の乳頭だけを吸威する場合もあるが,左右を変更して何回も繰り返

      表1 雌1頭分娩ヤギ親子の授乳・吸乳行動 観察月日 生後日数 親への接近方位 吸 乳 乳 頭

2.17

6

噌⊥ り自 QU

左右左

左一右一左一党一左一右一左

右一三一右一左一右 左

2.18 7 ︷⊥ り乙

右右

右一左一三

右一左一右一左一右一左

2.19

8

1 左 三

(3)

して吸乳している場合があることが観察された。

 このように,単子の場合は,競争する相手がいないため親への接近は左右のどちらからでも試み,

また一回の吸乳において親が許す限り左乳頭から右乳頭,右乳頭から左乳頭へと変更して何回も繰り 返して長時間吸乳を行っていることが確認された。

 双子の場合,2月10日分娩親子(1)について,表2に示すように,生後5日後,4回の観察を行っ たが,4回ともほぼ同時に雄の子は親の左から接近し左乳頭を,雌の子は右から接近し右乳頭を吸乳

した。生後8日後5回観察し5回とも同様に行動し雄iは左,雌は右乳頭を吸乳した。したがって,生 後5日ですでに雌雄とも迷わず接近および吸乳できるように親子の行動および二頭の子の行動関係が 確立しているものと思われた。

 一方,表3に示すように,2月10日分娩親子(H)では生後8日まで単独で別々に吸乳する行動が 見られた。また,生後10日以後雌は親の左から接近し左乳頭を,雄は右から接近し右乳頭を吸乳する 行動が確立するまでに,逆の方向から接近したり,逆の乳頭を吸乳したりすることが多く観察された。

 さらに,2月12日分娩親子の場合は,表4に示すように,生後7日以後は白斑の雄(白)は左乳頭 を,単色の雄(単)は右乳頭を吸乳するようになったが,生後6日まで単独行動が多く,同時に吸面 したのは19回観察したうちのわずか3回であり,1回は逆の乳頭を吸乳した。生後7日以後は同時に 間違わずに吸如しているので,この時点で親子の行動および二頭の子の行動関係は確立したものと考

えられた。

 以上の結果から,トカラヤギにおいて単子分娩の場合は吸乳する子に競争相手がいないため,親の 左右どちらからでも接近し,またどちらの乳頭ででも吸忙し,さらに1回の吸乳でも右乳頭から左乳

表2.雌1雄1頭分娩ヤギ親子(1)の授乳・吸乳行動 観察月日 生後日数 親への接近方位 吸 乳 乳 頭

2.15 5 1

2,3,4,

左右   上

  同 左右

雄雌

2.18

8

1

2,3,4,5,

左右   上

  同 左右

雄雌

2.20

10

1

聖典 左右 左右

(4)

表3 雌1雄1頭分娩ヤギ親子(H)の授乳・吸乳行動 観察月日 生後日数 親への接近方位 吸 乳 乳 頭

2.15 5 1⊥りρ00

雌雄雌雄 左右左右 左右左右

2.16 6 1

2

3

4,5,6,

7

雌雄

 同 同 左右   右

左右

右一*左

2.18

8

1

り乙9σ

4rり 雌雄雌雌雄雄雄 牛右左左統統右 *右

*左

左一*右一左

*右

*左

*左

2ユ9

9 1

2

左右   上

  同 左右

雌雄

2.20

10

1 同  上

*は誤方位接近または誤乳頭吸乳

頭を,左乳頭から右乳頭へと乳頭を繰り返し変えて長時間吸乳することができるものと思われた。双 子の場合は早いもので生後5日以前に,遅いものでも生後8日後にはほぼ同時に一方は左側から接近 し左乳頭を,他方は右側から接近し右乳頭を吸回する親子の授乳・吸乳行動が確立するものと考えら

れた。

(5)

表4 雄2頭分娩ヤギ親子の授乳・吸乳行動 観察月日 生後日数   親への接近方位

吸乳乳頭

左右左右

左右左右

白墨白墨

−■ り乙 3

15

3

2.17 5 1

2

3 4

単 *左

白 左 白 中

白 *右

*左

*右

*右

左      右左 *右右左右左右**右左右

四右右左統左右拓統粧左右

単単単白単白単白単単白単

      1

18

6

λ

11

12

単  右

同  上

左右   上

  同 左右

白単

−⊥   り4

19

7

2

同上

2.20

8

1

*は誤方位接近または誤乳頭吸乳

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