• 検索結果がありません。

2 3 平成 30 年度予算の概要 ( 資料 2) ⑴ 平成 30 年度予算のポイント 30 年度予算は, 上記 1のような経済情勢 財政事情を踏まえ, 経済 再生財政計画 の集中改革期間の最終年度に当たる予算として, 経済再生と財政健全化の両立を実現するものとしている 具体的には, 保育の受け皿拡

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "2 3 平成 30 年度予算の概要 ( 資料 2) ⑴ 平成 30 年度予算のポイント 30 年度予算は, 上記 1のような経済情勢 財政事情を踏まえ, 経済 再生財政計画 の集中改革期間の最終年度に当たる予算として, 経済再生と財政健全化の両立を実現するものとしている 具体的には, 保育の受け皿拡"

Copied!
104
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Ⅰ 平成30年度予算

1 予算編成の前提となる経済情勢及び財政事情 (資料1) ⑴ 経済情勢  29年度の我が国経済をみると,アベノミクスの推進によ り,雇用・所得環境の改善が続く中で,緩やかに回復してい る。海外経済が回復する下で,輸出や生産の持ち直しが続く とともに,個人消費や民間設備投資が持ち直すなど民需が改 善し,経済の好循環が実現しつつある。政府は,持続的な経 済成長の実現に向け,「生産性革命」と「人づくり革命」を 車の両輪として,少子高齢化という最大の壁に立ち向かうた め,29年12月8日に「新しい経済政策パッケージ」を閣議決 定した。あわせて,追加財政需要に適切に対処するため,29 年12月22日に29年度補正予算を閣議決定した。雇用・所得環 境の改善が続く中,各種政策の効果もあって,景気は緩やか な回復が続くことが見込まれる。物価の動向をみると,原油 価格の上昇の影響等により,消費者物価(総合)は前年比で 上昇している。この結果,29年度の実質国内総生産(実質 GDP)成長率は1.9%程度,名目国内総生産(名目GDP)成 長率は2.0%程度と見込まれる。また,消費者物価(総合) は0.7%程度の上昇と見込まれる。  30年度の我が国経済は,海外経済の回復が続く下,「人づ くり革命」や「生産性革命」に取り組むこと等により,雇 用・所得環境の改善が続き,経済の好循環が更に進展する中 で,民需を中心とした景気回復が見込まれる。物価について は,景気回復により,需給が引き締まる中で上昇し,デフレ 脱却に向け前進が見込まれる。この結果,30年度の実質GDP 成長率は1.8%程度,名目GDP成長率は2.5%程度と見込まれ る。また,消費者物価(総合)は1.1%程度の上昇と見込ま れる。なお,先行きのリスクとしては,海外経済の不確実性 や金融資本市場の変動の影響等に留意する必要がある。 ⑵ 財政事情  前述の「新しい経済政策パッケージ」(29年12月8日閣議 決定)に基づき,「人づくり革命」に必要となる財源として, 31年10月に予定される消費税率10%への引上げによる財源を 活用し,教育負担の軽減・子育て層支援・介護人材の確保等 と,財政再建とに,それぞれ概ね半分ずつ充当することとし た。

平成30年度予算と財政の現状

 この結果,32年度のプライマリーバランス黒字化目標の達 成は困難となる。我が国財政は,国・地方の債務残高がGDP の2倍程度に膨らみ,なおも更なる累増が見込まれ,また, 国債費が毎年度の一般会計歳出総額の2割以上を占めるな ど,引き続き,厳しい状況にある。このような状況の中,財 政再建の旗は決して降ろさず,不断の歳入・歳出改革努力を 徹底し,プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標 自体はしっかりと堅持する。この目標の達成に向け,これま での経済・財政一体改革の取組を精査した上で,本年の「経 済財政運営と改革の基本方針」において,プライマリーバラ ンス黒字化の達成時期,その裏付けとなる具体的かつ実効性 の高い計画を示すこととしている。 2 平成30年度予算成立の経緯  30年度予算の編成作業については,「経済財政運営と改革 の基本方針2017」(29年6月9日閣議決定)を基に進められ た。まず,「平成30年度予算の概算要求に当たっての基本的 な方針について」が7月20日に閣議了解され,これを踏まえ 8月末までに各省庁から概算要求書が提出された。そして, 12月8日に閣議決定された「平成30年度予算編成の基本方 針」の中では,30年度予算の編成に向けては,これまでにも 増して,構造改革は無論として,金融政策に成長指向の財政 政策をうまく組み合わせることに留意したうえで,財政健全 化への着実な取組を進める一方,「子育て安心プラン」を踏 まえた保育の受け皿整備など「人づくり革命」の推進や「生 産性革命」の実現に向けた企業による設備や人材への力強い 投資,研究開発・イノベーションの促進など重要な政策課題 について,必要な予算措置を講じるなど,メリハリの効いた 予算編成を目指すこと,東日本大震災,熊本地震をはじめ, 各地の災害からの復興や防災対応の強化を着実に進めるこ と,30年度予算は,「経済・財政再生計画」における集中改 革期間の最終年度に当たり,同計画に掲げる歳出改革等を着 実に実行するため,改革工程表を十分踏まえて歳出改革を着 実に推進するとの基本的考え方に立ち,その取組を的確に予 算に反映すること等が確認された。その後,各省予算の主要 項目に係る大臣折衝を経て,12月22日に30年度予算政府案が 閣議に提出され,概算の閣議決定が行われた。  概算決定後,予算書の作成等が進められ,1月22日の閣議 決定を経て30年度予算は第196回国会(常会)に提出された。 2月28日に衆議院で可決された後,3月28日に参議院で可決 され,同日成立した。

(2)

なる一般財源の総額について,27年度の水準を下回らないよ う実質的に同水準を確保することとしている。  その結果,一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計 に繰り入れる地方交付税交付金は,29年度当初予算額に対し て737億円(0.5%)減の15兆3,606億円,地方交付税交付金と 地方特例交付金を合わせた地方交付税交付金等は,29年度当 初予算額に対して521億円(0.3%)減の15兆5,150億円となっ ている。また,同特別会計から地方団体に交付される地方交 付税交付金は,29年度当初予算額に対して3,213億円(2.0%) 減の16兆85億円となっている。  (防衛関係費)  防衛関係費については,25年12月17日の国家安全保障会議 及び閣議において決定された「平成26年度以降に係る防衛計 画の大綱について」及び「中期防衛力整備計画(平成26年度 ~平成30年度)について」等を踏まえ,周辺海空域における 安全確保,島嶼部に対する攻撃への対応,弾道ミサイル攻撃 等への対応等に重点化を図るとともに,装備品の調達の効率 化等に取り組むこととしている。  その結果,防衛関係費については,29年度当初予算額に対 して660億円(1.3%)増の5兆1,911億円を計上している。ま た,SACO(沖縄に関する特別行動委員会)関係経費,米軍 再編関係経費(地元負担軽減に資する措置)及び政府専用機 取得経費を総額から除いて見た場合,29年度当初予算額に対 して392億円(0.8%)増の4兆9,388億円となる。  (公共事業関係費)  公共事業関係費については,生産性向上のためのインフラ 整備,豪雨・台風災害等を踏まえた防災・減災対策や既存イ ンフラの老朽化対策の計画的な推進などへの重点化・効率化 を図りつつ,真に必要な社会資本整備等に取り組むこととし ている。  その結果,公共事業関係費については,29年度当初予算額 に対して26億円(0.0%)増の5兆9,789億円を計上している。  (経済協力費)  一般会計ODA予算については,ODA事業量の確保に配慮 しつつ,経費の見直しを行い,予算の重点化等のメリハリ付 け を 図 る こ と と し ,29 年 度 当 初 予 算 額 に 対 し て 11 億 円 (0.2%)増の5,538億円を計上している。  (中小企業対策費)  中小企業対策費については,生産性革命の実現に向けて, 中小企業・小規模事業者の生産性向上支援に資金の重点的な 配分を図るとともに,人材対策,取引対策や資金繰り対策に も万全を期している。一方,景気回復を反映した信用保証制 度に関連する日本政策金融公庫への出資金の減少等により, 29年度当初予算額に対して39億円(2.2%)減の1,771億円を 計上している。 3 平成30年度予算の概要(資料2) ⑴ 平成30年度予算のポイント  30年度予算は,上記1のような経済情勢・財政事情を踏ま え,「経済・再生財政計画」の集中改革期間の最終年度に当 たる予算として,経済再生と財政健全化の両立を実現するも のとしている。具体的には,保育の受け皿拡大や,給付型奨 学金の対象の拡充などの「人づくり革命」や,地域の中核企 業による設備・人材への投資等の促進などの「生産性革命」 をはじめ,現下の重要課題に重点化している。同時に,社会 保障制度の改革等,歳出削減努力を積み重ね,一般歳出及び 社会保障関係費の「目安」を達成するなど,財政健全化を着 実に進めている。一般歳出は58兆8,958億円,また地方交付 税交付金等は15兆5,150億円であり,これらに国債費23兆3,020 億円を加えた一般会計歳出の総額は,97兆7,128億円となっ ている。  一方,歳入については,租税等の収入は,59兆790億円, その他収入は,4兆9,416億円を見込んでいる。また公債金 は33兆6,922億円となっている。 ⑵ 一般会計の概要 〔歳出〕  (社会保障関係費)  社会保障関係予算については,診療報酬・薬価改定,薬価 制度の抜本改革,介護・障害福祉サービス等報酬改定,生活 保護制度・生活困窮者自立支援制度の見直しなど,多くの課 題がある中で,社会保障制度の持続可能性を確保する観点等 から,様々な改革努力を積み重ねている。また,「人づくり 革命」の実現に向け,「新しい経済政策パッケージ」(29年12 月8日閣議決定)に基づき,「子育て安心プラン」を前倒し し,保育の受け皿拡大等を推進することとしている。  これらの結果,社会保障関係費は,29年度当初予算額に対 して4,997億円(1.5%)増の329,732億円を計上し,「経済・財 政再生計画」の「目安」を実現するとともに,メリハリの効 いた予算としている。  (文教及び科学振興費)  文教及び科学技術の振興については,教育環境整備や科学 技術基盤の強化等に取り組むこととしている。  その結果,文教及び科学振興費については,29年度当初予 算額に対して79億円(0.1%)増の5兆3,646億円を計上して おり,うち,科学技術振興費は,114億円(0.9%)増の1兆 3,159億円となっている。  (地方交付税交付金等)  地方財政については,「経済財政運営と改革の基本方針 2015」(27年6月30日閣議決定)を踏まえ,国の一般歳出の 取組と基調を合わせつつ,地方の安定的な財政運営に必要と

(3)

いていわゆるゼロ・シーリングやマイナス・シーリングを設 定すること等により財政再建路線がとられた。こうした財政 再建努力とバブル期における好調な税収増により,「65年度 脱却目標」は達成された。しかし,バブル経済崩壊後,景気 低迷による税収減や景気対策としての減税等により歳入が減 少した一方,歳出については,公共事業をはじめとした景気 対策や高齢化等に伴う社会保障費の増大により伸び続けた結 果,歳出と歳入の乖離幅は拡大し,我が国の財政は急速に悪 化した。  急激に悪化する財政事情に対する危機感から,平成9年11 月には財政構造改革法が成立し,平成10年度当初予算におけ る公共投資関係費を前年度比7%以上減額する等,予算の歳 出分野毎に量的縮減目標(キャップ)が設定された。また, 平成15年度までに特例公債への依存から脱却し,同年度まで に国・地方を合わせた財政赤字の対GDP比を3%以下とする 等の財政構造改革の目標などが定められた。平成10年度当初 予算はこの法律にしたがって編成されたが,その後,経済活 動の著しい停滞等の場合に特例公債の減額規定の例外を認め る弾力条項が設けられたのを受けて,平成10年度第1次補正 予算が編成され,さらに財政構造改革法の凍結を前提に11月 の緊急経済対策に基づく第3次補正予算,平成11年度当初予 算が編成された。この結果,平成10年度当初予算で15兆5,570 億円であった公債発行額は第3次補正後予算で34兆円,平成 11年度当初予算で31兆500億円となり,公債依存度も37.9%と なった。  その後,平成11年度,平成12年度と大量の公債発行が続い たが,平成13年度予算においては,厳しさを増している財政 状況に鑑み,公債発行額を可能な限り縮減することとし,公 債発行額は第2次補正後予算で30兆円となった。平成14年度 当初予算においては,「公債発行額30兆円以下」との目標の 下,歳出の徹底した見直しを行い,公債発行額は30兆円(補 正後予算34兆9,680億円),公債依存度は36.9%(補正後予算 41.8%)となった。  平成15年度以降,歳出改革路線を堅持することにより,公 債発行額の抑制に努め,平成18年度当初予算において平成13 年度当初予算以来5年ぶりに新規国債発行額が30兆円を下回 る水準となった。公債依存度は37.6%に低下し,当初予算で は平成14年度当初予算以来4年ぶりに30%台となった。平成 19年度から平成20年度当初予算においては,「経済財政運営 と構造改革の基本方針2006」(平成18年7月7日閣議決定) に定められた歳出改革を確実に実施し,歳出・歳入にわたる 努力を行った結果,新規国債発行額は減額を続けた。しかし, 平成20年秋の世界金融経済危機の影響で税収が大幅減になる とともに経済対策を行った結果,歳出・歳入の差額が拡大し, 平成22年度当初予算では,公債発行額は44兆3,030兆円,公債 依存度48.0%という異常な事態となった。  こうした厳しい財政事情の下,政府は,国・地方を合わせ たプライマリーバランスについて,平成27(2015)年度まで に平成22(2010)年度に比べ赤字の対GDP比を半減,平成32 (2020)年度までに黒字化,その後の債務残高対GDP比の安  (エネルギー対策費)  エネルギー対策については,「長期エネルギー需給見通し (エネルギーミックス)」(27年7月16日経済産業省)の実現 に向けて,徹底した省エネルギーの推進や再生可能エネル ギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立に向けた取組を はじめ,エネルギーの安定供給の確保や安全かつ安定的な電 力供給の確保等についても取り組むこととし,一般会計のエ ネルギー対策費として,29年度当初予算額に対して448億円 (4.7%)減の9,186億円を計上している。  (農林水産関係予算)  農林水産関係予算については,歳出の効率化を図りつつ, 29年12月8日に農林水産業・地域の活力創造本部において改 訂された「農林水産業・地域の活力創造プラン」に沿って, 強い農林水産業の実現に向けた施策を推進することとし,29 年度当初予算額に対して50億円(0.2%)減の2兆3,021億円 を計上している。 〔歳入〕  歳入項目について概要を説明すると以下のとおりである。  租税及印紙収入は,現行法による場合,29年度当初予算額 に対して1兆3,530億円増の59兆650億円になると見込まれる が,資産課税,法人課税等の税制改正を行うこととしている 結果,29年度当初予算額に対して13,670億円(2.4%)増の59 兆790億円になると見込まれる。  また,その他収入は,29年度当初予算額に対して4,313億 円(8.0%)減の4兆9,416億円になると見込まれる。  公債金は29年度当初予算額を6,776億円下回り,前年度に 続いて30兆円台となる33兆6,922億円である。公債金のうち 6兆940億円については,「財政法」(昭22法34)第4条第1 項ただし書の規定により発行する公債によることとし,27兆 5,982億円については,「財政運営に必要な財源の確保を図る ための公債の発行の特例に関する法律」(平24法101)第3条 第1項の規定により発行する公債によることとしている。こ の結果,30年度予算の公債依存度は34.5%(29年度当初予算 35.3%)となっている。

Ⅱ 我が国の財政の現状

1 我が国の財政事情の推移等(資料3)  我が国の財政事情の推移を,公債の発行状況から見てみる と,昭和30年度から続いていた財政均衡原則が,昭和40年度 補正予算における歳入補てん公債発行で破られた後,昭和50 年度補正予算において初めて,特例公債が発行された。その 後,公債発行額は急増し,昭和54年度には公債依存度が 34.7%にも達した。  このような状況に鑑み,昭和59年度,次いで昭和65年度を 特例公債脱却の目標年次として掲げつつ,概算要求基準にお

(4)

⑵ 世代間の不公平  現役世代が受益(高齢者の年金,医療,介護等)した結果 残された債務は,将来世代に付け回されることになる。更に, 将来世代においては,膨大な債務を償還するために給付が減 り,負担の増加につながるおそれがある。受益と負担の不均 衡を現状のまま維持すれば,世界に冠たる国民皆保険・皆年 金の維持,次世代への引渡しが困難となる。 ⑶ 民間部門の経済活力の低下  政府財政への信認が低下し,国債が格下げされた場合に は,銀行等の社債が格下げとなり,社債発行による資金調達 コストの上昇が懸念される。また,政府が赤字国債の発行を 通じて民間資金を吸収し続けることにより,成長のための資 金が民間にまわらず,民間部門の経済活力の低下がもたらさ れるおそれがある。 ⑷ 財政への信認低下による金利上昇  債務残高の増大により政府財政への信認が損なわれること となれば,金利の急騰がもたらされ,経済への悪影響が出る。 例えば,国債を大量に保有する金融機関に含み損が生じ,金 融システムが不安定化するおそれがある。また,国債の買い 手がいなくなり,政府の資金調達が困難となる。 定的な引下げを目指すとの財政健全化目標を定めた。また, 「経済財政運営と改革の基本方針2015」(平成27年6月30日閣 議決定)において「経済・財政再生計画」を策定し,一般歳 出の水準等の「目安」を設定するとともに,さらには,改革 工程表を策定し,各歳出分野における歳出改革の具体的内容 や実施・検討時期を明らかにした。こうした歳出改革等の取 組により,平成27(2015)年度におけるプライマリーバラン ス赤字半減目標を達成した。   消 費 税 率 引 上 げ 分 の 使 い 道 の 見 直 し に よ り ,平 成 32 (2020)年度のプライマリーバランスの黒字化目標の達成は 困難となるが,財政健全化の旗は決して降ろさず,これまで の経済・財政一体改革の取組を精査した上で,本年の「経済 財政運営と改革の基本方針」において,プライマリーバラン ス黒字化の達成時期,その裏付けとなる具体的かつ実効性の 高い計画を示すこととしている。 2 財政事情の国際比較(資料4~6)  我が国の財政事情は,主要先進国の中で極めて厳しい状況 にある。  1990年代後半に主要先進国がそろって財政収支を改善する 中,我が国の財政収支は大幅な赤字が続いた。2000年代に入 り,我が国の財政収支は改善傾向にあったが,2008年秋の世 界金融危機の影響により,他の主要国と同様に悪化。足元で 財政収支は再び改善しているものの,他の主要国と比較する と大幅な赤字が続いている。  また,債務残高の対GDP比についても,90年代後半に財政 健全化を着実に進めた主要先進国と比較して,我が国は急速 に悪化しており,最悪の水準となっている。  諸外国においては,世界金融危機への対応により悪化した 財政を健全化すべく,各々が定める目標のもと,財政健全化 に向けて取組を進めている。 3 財政健全化の必要性・重要性(資料7)  財政赤字が拡大し,債務残高が増大した場合の影響につい て,我が国の財政は,すでに国・地方の債務残高がGDPの2 倍程度に膨らみ,なおも更なる累増が見込まれるなど,厳し い状況にあり,今後も少子高齢化により財政や社会保障の支 え手が減少していくという経済・社会の構造変化を踏まえる と,以下のように,経済・財政・国民生活に重大な影響を与 えると考えられ,財政の健全化は喫緊の課題となっている。 ⑴ 公的サービスの水準の低下  国債の支払いが増加し,政策経費が圧迫された場合,社会 保障・文教・防衛・インフラ整備など国民生活に必要不可欠 な公的サービスの水準が低下する。また,災害や経済危機等 に対して,政府が本来果たすべき財政機能を発揮できなくな るおそれもある。

(5)

(資料1)平成30年度経済見通し・主要経済指標 平成28年度 (実績) (実績見込み)平成29年度 平成30年度(見通し) 対前年度比増減率 平成28年度 平成29年度 平成30年度 兆円 (名目) 兆円程度(名目) 兆円程度(名目) (名目)% (実質)% (名目)%程度 (実質)%程度 (名目)%程度 (実質)%程度 国内総生産 539.3 550.3 564.3 1.0 1.2 2.0 1.9 2.5 1.8  民間最終消費支出 300.5 305.2 311.5 ▲0.2 0.3 1.6 1.2 2.1 1.4  民間住宅 17.0 17.5 17.9 5.9 6.2 3.0 1.1 2.2 0.6  民間企業設備 83.6 87.6 92.3 0.4 1.2 4.8 3.4 5.3 3.9  民間在庫変動()内は寄与度 ▲0.3 ▲0.2 0.7 (▲0.3) (▲0.3) (0.0) (0.0) (0.2) (0.1) 政府支出  政府最終消費支出  公的固定資本形成  財貨・サービスの輸出 88.6 96.5 102.5 ▲3.4 3.4 9.0 4.8 6.2 4.0  (控除)財貨・サービスの輸入 83.3 92.3 97.9 ▲9.5 ▲1.1 10.8 3.3 6.1 3.4  内需寄与度 ▲0.1 0.4 2.2 1.6 2.5 1.6   民需寄与度 ▲0.1 0.3 1.7 1.3 2.2 1.5   公需寄与度 0.1 0.1 0.5 0.3 0.2 0.1  外需寄与度 1.1 0.8 ▲0.2 0.3 0.1 0.1 国民総所得 556.3 570.5 585.7 0.4 0.9 2.6 1.8 2.7 1.8 労働・雇用 万人 万人程度 万人程度 % %程度 %程度  労働力人口 6,681 6,735 6,759 0.7 0.8 0.4  就業者数 6,479 6,546 6,580 1.0 1.0 0.5  雇用者数 5,764 5,835 5,877 1.4 1.2 0.7  完全失業率 3.0% %程度2.8 %程度2.7 生産 % %程度 %程度  鉱工業生産指数・増減率 1.1 4.7 2.7 物価 % %程度 %程度  国内企業物価指数・変化率 ▲2.3 2.6 2.3  消費者物価指数・変化率 ▲0.1 0.7 1.1  GDPデフレーター・変化率 ▲0.2 0.2 0.8 国際収支 兆円 兆円程度 兆円程度 % %程度 %程度  貿易・サービス収支 4.4 2.8 3.3   貿易収支 5.8 3.7 3.1    輸出 70.7 77.4 82.8 ▲3.4 9.5 7.0    輸入 64.9 73.7 79.7 ▲10.9 13.6 8.2  経常収支 20.4 21.4 22.8  経常収支対名目GDP比 3.8% %程度3.9 %程度4.0 (注1) 消費者物価指数は総合である。 (注2) 世界GDP(日本を除く),円相場,原油輸入価格については,以下の前提を置いている。なお,これらは,作業のための想定であって,政府としての 予測あるいは見通しを示すものではない。 平成28年度 (実績) 平成29年度 平成30年度 世界GDP(日本を除く)の 実質成長率(%) 3.0 3.1 4.3 円相場(円/ドル) 78.5 77.5 85.7 原油価格(ドル/バレル) 113.2 113.0 84.4 (備考) 1.世界GDP(日本を除く)の実質成長率は,国際機関等の経済見通しを基に算出。 2.円相場は,平成23年11月1日~11月30日の1か月間の平均値(77.5円/ドル)で同年12月以後一定と想定。 3.原油輸入価格は,平成23年11月1日~11月30日の1か月間のスポット価格の平均値に運賃,保険料を付加した値(113.0ドル/バレル)で同年12月以後一定 と想定。

(6)

(資料2)平成30年度予算のポイント

平成30年度予算のポイント

○ 人生100年時代を見据え、社会保障制度を全世代型社会保障へ転換し、人への投資を拡充。 ・ 保育の受け皿拡大 ・ 保育士の処遇改善 ・ 幼児教育の段階的無償化 ・ 給付型奨学金の拡充○ 財政健全化も着実に進展。 ・ 一般歳出、社会保障関係費の伸びについて、「経済・財政再生計画」の「目安」を達成 (28~30年度の3年間でそれぞれ1.6兆円程度、1.5兆円程度)。 ・ 安倍内閣発足以来、国債発行額を6年連続で縮減(29年度︓34.4兆円⇒30年度︓33.7兆円)。 ・ 一般会計プライマリーバランスも改善 (29年度︓▲10.8兆円⇒30年度︓▲10.4兆円)。 「経済・財政再生計画」の集中改革期間の最終年度の予算として、経済再生と財政健全化を両立する予算

財政健全化

人づくり革命

○ 持続的な賃金上昇とデフレからの脱却につなげるため、生産性向上のための施策を推進。 ・ 地域の中核企業や中小企業による設備・人材への投資の促進 ・ 賃上げや生産性向上等のための税制上の措置の実施 ・ 産学官連携での研究開発等の支援 ・ 生産性向上のためのインフラ整備への重点化

生産性革命

平成30年度予算のポイント

(7)

(単位:億円) 29年度予算 (当初) 30年度予算 29'→30' 備 考 (歳 入) 収 税 577,120 590,790 13,670 そ の 他 収 入 53,729 49,416 △4,313 公 債 金 343,698 336,922 △6,776 ○ 公債依存度 34.5%程度(29年度当初 35.3%) うち4条公債(建設公債) うち特例公債(赤字公債) 60,970 282,728 60,940 275,982 △30 △6,746 計 974,547 977,128 2,581 (歳 出) 国 債 費 235,285 233,020 △2,265 一 般 歳 出 583,591 588,958 5,367 地 方 交 付 税 交 付 金 等 155,671 155,150 △521 計 974,547 977,128 2,581

平成30年度予算フレーム

(注1) 平成23年基準(2008SNA)による。 (注2) 平成29年度及び平成30年度は、「平成30年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(平成29年12月19日 閣議了解)による。 (注3) 平成26年度の名目GDP成長率及び消費者物価上昇率のカッコ内の計数は、消費税率引上げによる影響を機械的に除いた計数。 (注1) 計数は当初予算ベース。公債依存度は公債発行額を一般会計歳出総額で除して算出。 (注2) 平成24年度の一般歳出、基礎的財政収支及び公債依存度は、基礎年金国庫負担2分の1ベース。 (注3) 一般歳出とは、一般会計歳出総額から国債費及び地方交付税交付金等を除いたもの。 <経済指標> <財政指標(一般会計)> 平成24年度 (実績) 平成25年度 (実績) 平成26年度 (実績) 平成27年度 (実績) 平成28年度 (実績) 平成29年度 (実績見込み) 平成30年度 (見通し) 名目GDP成長率 0.1% 2.6% 2.2% (0.8%) 3.0% 1.0% 2.0% 2.5% 名目GDP 494.5兆円 507.2兆円 518.5兆円 533.9兆円 539.3兆円 550.3兆円 564.3兆円 実質GDP成長率 0.8% 2.6% ▲0.3% 1.4% 1.2% 1.9% 1.8% 消費者物価上昇率 ▲0.3% 0.9% 2.9% (0.9%) 0.2% ▲0.1% 0.7% 1.1% 完全失業率 4.3% 3.9% 3.5% 3.3% 3.0% 2.8% 2.7% 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成(政府案)30年度 一 般 歳 出 54.4兆円 54.0兆円 56.5兆円 57.4兆円 57.8兆円 58.4兆円 58.9兆円 税 収 ※( )は消費税率引上げ(5%→ 8%)に伴う増収分(国税部分) 42.3兆円 43.1兆円 50.0兆円 (4.5兆円) 54.5兆円 (6.2兆円) 57.6兆円 (6.3兆円) 57.7兆円 (6.3兆円) 59.1兆円 (6.4兆円) 公 債 金 収 入 ※別途、基礎年金国庫負担2分の1 への引上げに伴う年金特例債あり 44.2兆円 ※年金特例債2.6兆円 42.9兆円 ※年金特例債2.6兆円 41.3兆円 36.9兆円 34.4兆円 34.4兆円 33.7兆円 基 礎 的 財 政 収 支 ▲24.9兆円 ▲23.2兆円 ▲18.0兆円 ▲13.4兆円 ▲10.8兆円 ▲10.8兆円 ▲10.4兆円 公 債 依 存 度 47.6% 46.3% 43.0% 38.3% 35.6% 35.3% 34.5%

(8)

(注1)平成28年度までは決算、平成29年度は補正後予算案、平成30年度は政府案による。 (注2)公債発行額は、平成2年度は湾岸地域における平和回復活動を支援する財源を調達するための臨時特別公債、平成6~8年度は消費税率3%から5%への引上げに先行して行った減税による租税収入の減少 を補うための減税特例公債、平成23年度は東日本大震災からの復興のために実施する施策の財源を調達するための復興債、平成24年度及び25年度は基礎年金国庫負担2分の1を実現する財源を調達するた めの年金特例公債を除いている。

一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移

2.1 3.5 4.5 4.3 6.3 7.2 5.9 7.0 6.7 6.4 6.0 5.0 2.5 1.0 0.2 0.8 2.0 9.2 8.5 16.9 24.3 21.9 20.9 25.8 28.7 26.8 23.5 21.1 19.3 26.2 36.9 34.7 34.4 36.0 33.8 31.9 28.4 29.1 28.3 27.6 3.2 3.7 5.0 6.3 7.1 7.0 7.0 7.0 6.8 6.4 6.3 6.2 6.9 6.2 6.4 6.3 6.7 9.5 16.2 12.3 16.4 10.7 9.9 17.0 13.2 11.1 9.1 9.1 6.7 8.7 7.8 6.4 6.0 7.0 15.0 7.6 8.4 11.4 7.0 6.6 6.5 8.9 7.3 6.1 13.8 15.7 17.3 21.9 23.7 26.9 29.0 30.5 32.4 34.9 38.2 41.9 46.8 50.8 54.9 60.1 59.8 54.4 54.1 51.0 51.9 52.1 53.9 49.4 47.2 50.7 47.9 43.8 43.3 45.6 49.1 49.1 51.0 44.3 38.7 41.5 42.8 43.9 47.0 54.0 56.3 55.5 57.7 59.1 20.9 24.5 29.1 34.1 38.8 43.4 46.9 47.2 50.6 51.5 53.0 53.6 57.7 61.5 65.9 69.3 70.5 70.5 75.1 73.6 75.9 78.8 78.5 84.4 89.0 89.3 84.8 83.7 82.4 84.9 85.5 81.4 81.8 84.7 101.0 95.3 100.7 97.1 100.2 98.8 98.2 97.5 99.1 97.7 5.3 7.2 9.6 10.7 13.5 14.2 12.9 14.0 13.5 12.8 12.3 11.3 9.4 7.2 6.6 6.3 6.7 9.5 16.2 13.2 18.4 19.9 18.5 34.0 37.5 33.0 30.0 35.0 35.3 35.5 31.3 27.5 25.4 33.2 52.0 42.3 42.8 47.5 40.9 38.5 34.9 38.0 35.6 33.7 0 20 40 60 80 100 120 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 (兆円) (年度) 一般会計歳出 一般会計税収 4条公債(建設公債)発行額 特例公債(赤字公債)発行額 社会保障 329,732 33.7% 地方交付税 交付金等 155,150 15.9% 公共事業 59,789 6.1% 文教及び 科学振興 53,646 5.5% 防衛 51,911 5.3% その他 93,879 9.6% 債務償還費 142,745 14.6% 利払費等 90,275 9.2% 国債費 233,020 23.8% 基礎的財政収支 対象経費 744,108 76.2% 一般会計 歳出総額 977,128 (100.0%) (注1) 計数については、それぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは合致しないものがある。 (注2) 一般歳出※における社会保障関係費の割合は56.0%。 ※「一般歳出」(=「基礎的財政収支対 象経費」から「地方交付税交付金等」を除 いたもの)は、588,958(60.3%) 食料安定供給 エネルギー対策 経済協力 恩給 中小企業対策 その他の事項経費 予備費 9,924 (1.0) 9,186 (0.9) 5,089 (0.5) 2,504 (0.3) 1,771 (0.2) 61,904 (6.3) 3,500 (0.4) 租税及び印紙収入 590,790 60.5% 所得税 190,200 19.5% 法人税 121,670 12.5% その他 収入 49,416 5.1% 公債金 336,922 34.5% 消費税 175,580 18.0% その他 103,340 10.6% 一般会計 歳入総額 977,128 (100.0%) 特例公債 (赤字公債) 275,982 28.2% 4条公債 (建設公債) 60,940 6.2% (単位:億円)

平成30年度一般会計歳出・歳入の構成

一般会計歳出 一般会計歳入 (単位:億円)

(9)

平成30年度予算における重点施策

○ 保育の受け皿拡大︓「新しい経済政策パッケージ」に基づく「子育て安心プラン」の2年間前倒し(32年度までに+32万 人分)の実現に向け、+11万人分の保育所等運営費を計上(所要額+1,152億円、うち事業主拠出金+993億円)。 ※ 保育所等施設整備(改修含む)︓29年度補正808億円、30年度当初888億円 ○ 保育士・介護人材の処遇改善︓保育士について、人事院勧告に伴う賃金引上げ(+1.1%)。 ※ 上記に加え、「新しい経済政策パッケージ」に基づき、以下の措置。 ・ 保 育 士︓31年4月からさらに1%(月3,000円相当)の賃金引上げ。 ・ 介護職員︓31年10月から公費1,000億円程度を投じて処遇を改善。 ○ 幼児教育の段階的無償化(330億円※子ども・子育て支援新制度移行分を含む)。 ※ 「新しい経済政策パッケージ」に基づく幼児教育の無償化は31年4月から一部をスタートし、32年4月から全面的に実施。 ○ 給付型奨学金について、「社会的養護を必要とする学生、住民税非課税世帯のうち私立・自宅外生のみ」から、「住民税 非課税世帯」に対象を拡充 (29年度︓0.3万人 ⇒ 30年度︓2.3万人)(105億円)、無利子奨学金について、29年度に引 き続き、低所得世帯の成績基準を実質的に撤廃し、残存適格者を解消 (+4.4万人分)(958億円)。 ※ 「新しい経済政策パッケージ」に基づく高等教育の無償化は32年4月から実施。 ○ 地域の中核企業による設備投資等の促進(162億円)や、事業承継支援のための措置の拡充(21億円)といった中小企業 向け支援を実施。 ○ 十分な賃上げや設備投資を行った企業に対する税額控除、事業承継税制の抜本的な拡充、自社の株式を用いた事業再編 (M&A) の円滑化等の税制措置を実施。 ○ Society5.0の実現に向けて、高効率・高速処理AIチップの産学官連携での研究開発(100億円)、量子コンピュータ等の光・量子 技術の研究開発(22億円)、ナノテク・材料分野のオープンプラットフォームの形成(19億円)等、イノベーションを促進。 ○ 三大都市圏環状道路等の整備加速(2,283億円)やLNGバンカリング拠点の形成(7億円)等、生産性向上のためのインフラ 整備への重点化を推進。 ※ 圏央道、東海環状等については、財投を活用し、重点投資を加速 (融資規模1.5兆円)。 平成30年度予算においては、これまでの歳出改革の取組を強化しつつ、「人づくり革命」や「生産性革命」をはじめ、 現下の重要課題に重点化。 生産性革命 人づくり革命 主要経費 29年度予算(当初) 30年度予算 増減額 増減率 備 考 国債費 235,285 233,020 ▲ 2,265 ▲1.0%金利低下による利払費の減等 一 般 歳 出 583,591 588,958 +5,367 +0.9% 社会保障関係費 324,735 329,732 +4,997 +1.5% 文教及び科学振興費 53,567 53,646 +79 +0.1% うち科学技術振興費 13,045 13,159 +114 +0.9% 恩給関係費 2,947 2,504 ▲ 443 ▲15.0% 防衛関係費 51,251 51,911 +660 +1.3%中期防対象経費 +392億円(+0.8%)、SACO・米軍再編経費等 +268億円 対名目GDP比:防衛関係費0.920%(中期防対象経費0.875%) 公共事業関係費 59,763 59,789 +26 +0.0% 経済協力費 5,110 5,089 ▲ 21 ▲0.4% (参考)ODA 5,527 5,538 +11 +0.2%一般会計全体のODA予算は3年連続の増 中小企業対策費 1,810 1,771 ▲ 39 ▲2.2%景気回復を反映した信用保証制度関連予算の減等(▲42億円) エネルギー対策費 9,635 9,186 ▲ 448 ▲4.7%29年度予算で措置された原子力損害賠償支援勘定への繰入れ(400億円)の剥落 食料安定供給関係費 10,174 9,924 ▲ 250 ▲2.5%米の直接支払交付金の廃止(▲714億円)、水田活用交付金の増(+154億円)、収 入保険制度の創設(260億円の皆増)等 その他の事項経費 61,098 61,904 +806 +1.3% 予備費 3,500 3,500 - -地方交付税交付金等 155,671 155,150 ▲ 521 ▲0.3%地方税収の伸び等を反映。地方税・地方交付税等の地方の一般財源総額につい て29年度と実質的に同水準を確保 合計 974,547 977,128 +2,581 +0.3% (注1) 計数は、それぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは一致しないものがある。 (注2) 一般歳出とは、一般会計歳出総額から国債費及び地方交付税交付金等を除いたもの。 (単位:億円)

主要経費別内訳

(10)

平成30年度予算における「質の向上」

平成30年度予算においては、政策効果を一層発現させる観点から、予算の「質の向上」に向けた以下の取組等を実施。 ○ 防衛装備品につき民生品の使用、まとめ買い、原価の精査等により効率的な調達を実現し、「中期防衛力整備計画」において 調達改革等により確保することとされていた財源規模(7,000億円程度)を上回る調達改革を実現(新規後年度負担を5年間の 累計で7,700億円程度抑制) 【防衛省】 ○ 低金利を活用した高速道路整備の加速(財政融資1.5兆円) ○ LNGバンカリング拠点の形成促進(7億円) ○ 道路、港湾等の連携による生産性向上(各分野の整備費の内数) 【全て国土交通省】 ○ 公共事業のイノベーション転換 【国土交通省】 ・ ドローン等の新技術の現場実証・実装の推進(12億円) ・ 世界最高水準の生産性を有するAIコンテナターミナルの実現(5億円) ・ ICT、AI、IoTの活用による下水道施設管理の低コスト化・省力化(38億円の内数) ○ 円滑かつ厳格な出入国審査に向けた顔認証ゲートの本格導入(10億円) 【法務省】 ○ 新技術(新移動通信用中継施設)を活用したトンネル等における電波遮へい対策の効率化 (67億円) 【総務省】 ○ 中小企業向けの補助金について、真に政策目的に資する取組へのインセンティブを付与する等の観点から補助率のメリハリ付 けを改善(322億円の内数) 【経済産業省】 ○ 国費外国人留学生制度について、各大学の留学生受入数の実績に応じて配分する枠組みを段階的に廃止し、外部試験や委員会 審査等により大学の垣根を超えて優秀な学生を選考する仕組みを導入(187億円) 【文部科学省】 ○ 米の直接支払交付金の廃止にあわせ、市場ニーズを踏まえて自らの経営判断に基づいて行う農業を支援すべく、水田活用交付 金を増額するとともに(+154億円)、収入保険制度を創設(260億円) 【農林水産省】 ○ 国指定文化財の修理等に対する補助金について、将来の収入増加に向けた取組とその収入見込みを勘案する仕組みを新たに導 入(278億円の内数)【文部科学省】 1.調達改革 2.生産性向上のためのインフラ整備 3.技術の活用による質の向上・効率化 4.仕組みの見直し等によるインセンティブ付け

「改革工程表」(2017改定版)の概要

歳出分野 主な事項 社会保障  国民負担の軽減等の観点から、薬価制度の抜本改革(新薬創出等加算の抜本的見直し、長期 収載品の薬価の見直し等)を着実に実施。  30年度介護報酬改定において、生活援助を中心に訪問介護を行う場合の人員基準の緩和とそ れに応じた報酬の設定及び通所介護等その他の給付の適正化を実施。  29年度の生活扶助基準の検証に合わせ、生活保護制度全般の必要な見直し(後発医薬品の使 用の原則化などに向けた所要の措置等)を実施。  大病院の外来受診時の選定療養の対象となる医療機関の範囲を見直すとともに、来年度末まで に、かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担の導入を含め、外来受診時の定額負担の在り 方について検討。 社会資本整備等  下水道事業について、30年度予算より、下水道の公共的役割・性格を勘案し、地域の特性等 に配慮しつつ、未普及の解消及び雨水対策への重点化を図る。  新技術・新工法の活用など建設生産システムの生産性の向上を推進するため、現場検証によ る各種技術の最適化、社会実装モデルの検討と検証などを促進。 地方行財政改革  地方交付税におけるトップランナー方式について、窓口業務の委託に向けた取組を強化し、 その状況を踏まえ、31年度の導入を視野に入れて検討。  地方公共団体の基金の考え方・増減の理由・今後の方針を含め、各地方公共団体に財政状況 に関する公表内容の充実を要請、見える化を促進。 文教・科学技術  ライフステージを通じた教育政策全体のPDCAサイクル構築を推進。大学教育の質や成果の見 える化など、大学改革を促進。  科学技術イノベーション官民投資拡大イニシアティブを具体化。戦略的イノベーション創造 プログラム(SIP)について、社会実装を推進。 「改革工程表」において、「経済・財政再生計画」期間(平成28年~32年度)の改革の方向性や検討・実施時期等を明確化。

(11)

○ 社会保障関係費の伸びについて、「経済・財政再生計画」の「目安」を達成(30年度+4,997億円)。 ○ 診療報酬改定︓本体+0.55% (+588億円)、薬価▲1.36% (▲1,456億円)、材料価格▲0.09%(▲99億円)。 ○ 薬価制度の抜本改革(▲310億円)や大型門前薬局等の調剤報酬適正化(▲56億円)といった制度改革を実施。 ○ 介護報酬改定︓+0.54% (+137億円) / 障害福祉サービス等報酬改定︓+0.47% (+57億円) ○ 生活扶助基準の見直しや医療扶助の適正化を図る一方、生活保護受給者の大学等進学の際の一時金の支給を行うほか、生活困窮者 自立支援制度において子供の学習支援等を強化。

平成30年度予算における各歳出分野の特徴①

社会保障 ○ 公共事業関係費については安定的な確保 (5兆9,789億円) を行い、その中で、①生産性向上のためのインフラ整備、②豪雨・ 台風災害等を踏まえた防災・減災対策などへの重点化を推進。 ○ 米の直接支払交付金の廃止にあわせ、農家の所得の向上と安定を図る観点から、水田活用交付金と農業農村整備事業を増額すると ともに、収入保険を創設。 ○ 「31年の輸出1兆円」目標に向けた農林水産物・食品の輸出の戦略的支援、加工施設の整備や木材の高付加価値化等による林業の 競争力強化等を実現。 ○ 新学習指導要領の円滑な実施や学校における働き方改革に向け、小学校英語の専科教員など学校の指導・事務体制を強化。 ○ 文化芸術立国に向け、文化庁の機能強化を図りつつ、文化資源を活用し、投資拡大の好循環を目的とする文化経済戦略等を推進。 公共事業 教育・文化 農業 ○ 外交実施体制を強化しつつ、日米・日露関係の強化やインド太平洋戦略などに予算配分を重点化し、戦略的外交を後押し。ODA も、一般会計予算、事業量ともに増額を確保。 ○ 中期防対象経費は、「中期防衛力整備計画」を踏まえ+0.8%の伸びを確保し、イージス・アショア(2基分)の整備に要する経 費を計上するなど、弾道ミサイル攻撃等に適切に対処。防衛関係費全体としても+1.3%を確保。 ※ あわせて、29年度補正において能力向上型迎撃ミサイル(PAC-3MSE)の調達の前倒し等を実施。 外交・防衛

平成30年度予算における各歳出分野の特徴②

復興 地方創生 ○ 訪日外国人旅行者数32年度4000万人等の目標達成に向け、国際観光旅客税(仮称)の財源を活用しつつ、顔認証ゲート等の最新 技術を活用したCIQ体制(出入国管理、税関)の整備、ビッグデータを活用したデジタルマーケティングの導入、文化財や国立公 園等に関する多言語解説の整備等を推進。 観光 ○ 東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据え、テロの未然防止等に向けたセキュリティ向上のための資機材の整備 を図るとともに、国境離島等警備用の大型ヘリ(2機分)等を措置。 ○ 「海上保安体制強化に関する方針」に基づき、29年度補正予算とあわせ、尖閣対応の大型巡視船を中心に体制強化を引き続き前倒 しで実施。 警察・海保 ○ 先端科学や観光・農業といった地方大学の新たなチャレンジを後押しする新たな交付金を創設するとともに、地方の自主的かつ先 駆的な取組を支援する地方創生推進交付金を引き続き確保。 ○ 復興のステージに応じ、生業の再生等きめ細かな支援とともに、復興拠点整備や風評被害対策等の福島の復興を推進。 ○ 地方財政について、歳出特別枠の廃止による歳出の重点化・効率化、地方消費税の清算基準の見直し等により、国・地方を通じた 財政資金の効率的配分を実現。一方、地方一般財源総額について前年度同水準を確保。 ○ 秋の年次公開検証の指摘事項を適切に反映(診療報酬(調剤技術料)、物流における省エネルギー対策等)。 行政事業レビュー 地方財政

(12)

(1)診療報酬本体 +0.55% (国費+588億円) 各科改定率 医科 +0.63% 歯科 +0.69% 調剤 +0.19% ※ 併せて、7対1入院基本料を含めた急性期に係 る入院基本料の評価体系の見直し、長期療養に 係る入院基本料の評価体系の見直し等、機能に 応じた適切な評価を行う。 (2)薬価等の改定 ① 薬価 ▲1.36% (国費▲1,456億円) ※ 薬価制度改革(後述(3))の効果を含めた影響は▲1.65% ② 材料 ▲0.09% (国費▲99億円) (3)薬価制度の抜本改革 (国費▲310億円) ① 新薬創出・適応外薬解消等促進加算につい て、平均乖離率要件を撤廃し、対象品目を医薬 品そのものの革新性・有用性に着目して判断す る仕組みとするなど、抜本的な見直しを行う。 ② 後発品上市後10年を経過した長期収載品の 薬価について、30年度以降、後発品の薬価を 基準に段階的に引き下げる。 ③ その他、費用対効果評価の試行的実施の対 象となっている品目の価格調整などを行う。 (4)いわゆる大型門前薬局に対する評価の適正化 (国費▲56億円)

平成30年度診療報酬・薬価等改定及び薬価制度の抜本改革

(13)

(資料3)戦後における我が国財政の変遷(名目額) 公債不発行 4 条公債発行 4 条公債発行 特例公債発行 4条公債発行 特例公債発行 4条公債発行 (兆円) (兆円) 消 費 税 率 5 % 8 % リ マ ン ・ シ ョ ッ ク 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 導 入 介 護 保 険 制 度 導 入 消 費 税 導 入 3 % 基 礎 年 金 制 度 導 入 マ イ ナ ス ・ シ リ ン グ 年 度 特 例 公 債 脱 却 目 標 設 定 6 5 ゼ ロ ・ シ リ ン グ 第 二 次 石 油 危 機 年 度 特 例 公 債 脱 却 目 標 設 定 機 関 車 論 5 9 第 一 次 石 油 危 機 変 動 為 替 相 場 制 移 行 福 祉 元 年 当 初 予 算 で 建 設 公 債 発 行 補 正 予 算 で 歳 入 補 填 債 発 行 国 民 皆 保 険 ・ 皆 年 金 制 度 確 立 バ ブ ル 経 済 崩 壊 財 政 再 建 計 画 大 綱 第 二 次 世 界 大 戦 終 戦 財 政 法 成 立 財 政 制 度 審 議 会 設 置 朝 鮮 戦 争 ド ッ ジ ラ イ ン ・ シ ャ ウ プ 勧 告 日 本 国 憲 法 成 立 金 融 危 機 措 置 令 預 金 封 鎖 ・ 新 円 切 替 神武景気 30 「 も はや戦後 で は な い 」 岩戸景気 国 民 所 得 倍 増 計 画 東 京 オ リ ン ピ ッ ク い ざ なぎ 景気 現 在 の 減 債 制 度 確 立 年 償 還ル ル 日 本 国 有 鉄 道 民 営 化 年 度 国 債 発 行 額 30 兆 円 以 下 目 標 所 得 税 減 税 税 率 構 造 の累 進 緩 和 等 補 正 予 算 6 年 度 で 特 例 公 債 発 行 阪 神 ・ 淡 路 大 震 災 年 度 P B 黒 字 化 目 標 設 定 23 年 度 P B 黒 字 化 目 標 設 定 32 土 光 臨 調 発 足 3 K 米 国 鉄 健康 保 険 問 題 増 税 な き 財 政 再 建 五輪景気 P B 中 間 目 標 達 成 40 年不況 郵 政 民 営 化 い ざ な み景気 サ ン フ ラ ン シ ス コ 条 約 対 日 講 和 条 約 締 結 生 活 福 祉 事 業 法 成 立 バ ブ ル経済 年 度 特 例 公 債 脱 却 目 標 設 定 55 補 正 予 算 で 特 例 公 債 発 行 財 政 危 機 宣 言 6 0 財 政 構 造 改 革 法 停 止 ア ジ ア 通 貨 危 機 ・ 国 内 金 融 シ ス テ ム 問 題 財 政 構 造 改 革 法 成 立 消 費 税 率 3 % 5 % プ ラ ザ 合 意 日 本 電 電 公 社 ・ 日 本 専 売 公 社 民 営 化 ス ミ ソ ニ ア ン 協 定 ニ ク ソ ン ・ シ ョ ッ ク 大 阪 万 国 博 覧 会 新 国 民 健 康 保 険 法 成 立 国 民 年 金 法 成 立 31 ・・・・・ 15 年 特例公債発行 な べ底不況 均 衡 財 政 不 均 衡 財 政 バ ブ ル経済崩壊 臨 時 特 別 公 債 発 行 湾岸 戦 争 へ の 対 応 特 例 公 債 発 行 脱 却 減 税 特 例 公 債 発 行 8年 度 年 金 特 例 公 債 発 行 25 年 度 補 正 予 算 で 復 興 債 発 行 東 日 本 大 震 災 14 法 人 税 減 税 税 率 引 下 げ 所 得 税 減 税 最 高 税 率 の引 下 げ 所 得 税 か ら 住 民 税 へ の 税 源 移 譲 (注 1 ) 一般会計税収及び歳出総額 は 、平成28年度 ま で は 決算、 平 成29年度 は 補正後予算 、 平成30 年 度 は 予算 に よ る。 (注 2 ) 政府債務残高 は 、「国債及び借入金 現 在高」 の 年度末 の 値 (財務省「国債統計年報」 等 に よ る )。 平 成29、30年度 は 年度末 の 見込 み 。

1

2

38

.8

3

3

.7

5

9

.1

9

7

.7

1,

800

600

400

200

0

000

1,

200

0

20

40

60

80

100

120

20 昭 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 平 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 (年度) 新規国債発行額(左軸) 一般会計税収(左軸) 政府債務残高(右軸) 一般会計歳出(左軸) 消 費 税 率 8 % 10 % 予 定

(14)

(資料4)財政収支の国際比較(対GDP比) (%) 暦 年 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 日 本 ▲ 7.7 ▲ 5.8 ▲ 4.6 ▲ 3.0 ▲ 2.6 ▲ 3.6 ▲ 8.1 ▲ 8.1 米 国 ▲ 7.3 ▲ 6.7 ▲ 5.5 ▲ 4.5 ▲ 5.0 ▲ 8.4 ▲ 13.7 ▲ 12.6 英 国 ▲ 3.3 ▲ 3.5 ▲ 3.4 ▲ 2.8 ▲ 2.9 ▲ 4.9 ▲ 10.4 ▲ 9.5 ド イ ツ ▲ 4.2 ▲ 3.8 ▲ 3.4 ▲ 1.7 0.2 ▲ 0.2 ▲ 3.2 ▲ 4.2 フ ラ ン ス ▲ 3.9 ▲ 3.5 ▲ 3.2 ▲ 2.3 ▲ 2.5 ▲ 3.2 ▲ 7.2 ▲ 6.8 イ タ リ ア ▲ 3.4 ▲ 3.6 ▲ 4.2 ▲ 3.6 ▲ 1.5 ▲ 2.7 ▲ 5.3 ▲ 4.3 カ ナ ダ ▲ 0.1 0.8 1.6 1.8 1.8 0.2 ▲ 3.9 ▲ 4.7 暦 年 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 日 本 ▲ 8.3 ▲ 7.6 ▲ 7.2 ▲ 5.7 ▲ 4.5 ▲ 5.0 ▲ 4.8 ▲ 3.8 米 国 ▲ 11.2 ▲ 9.3 ▲ 5.7 ▲ 5.1 ▲ 4.4 ▲ 5.3 ▲ 4.8 -英 国 ▲ 7.6 ▲ 8.2 ▲ 5.6 ▲ 5.7 ▲ 4.3 ▲ 3.3 ▲ 2.3 ▲ 2.1 ド イ ツ ▲ 1.0 ▲ 0.0 ▲ 0.1 0.3 0.6 0.8 1.1 1.5 フ ラ ン ス ▲ 5.1 ▲ 4.8 ▲ 4.1 ▲ 3.9 ▲ 3.6 ▲ 3.4 ▲ 2.9 ▲ 2.8 イ タ リ ア ▲ 3.7 ▲ 2.9 ▲ 3.0 ▲ 3.0 ▲ 2.6 ▲ 2.5 ▲ 2.1 ▲ 1.6 カ ナ ダ ▲ 3.3 ▲ 2.5 ▲ 1.5 ▲ 0.0 ▲ 1.1 ▲ 1.9 ▲ 1.6 ▲ 1.4

(出典)OECD "Economic Outlook 102"(2017年11月)

※ 数値は一般政府ベース、ただし、日本及び米国は社会保障基金を除いた値。 仮にこれを含めれば、以下のとおり。 (%) 暦 年 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 日 本 ▲ 7.6 ▲ 6.6 ▲ 5.0 ▲ 3.2 ▲ 2.9 ▲ 4.2 ▲ 9.2 ▲ 9.2 米 国 ▲ 6.0 ▲ 5.5 ▲ 4.2 ▲ 3.1 ▲ 3.7 ▲ 7.2 ▲ 12.8 ▲ 12.2 暦 年 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 日 本 ▲ 9.2 ▲ 8.3 ▲ 7.7 ▲ 5.7 ▲ 4.3 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 4.2 米 国 ▲ 10.8 ▲ 9.0 ▲ 5.5 ▲ 5.0 ▲ 4.3 ▲ 5.0 ▲ 4.6 ▲ 4.5

(注1)本資料はOECD "Economic Outlook 102"による2017年11月時点のデータを用いて おり、2018年度予算(政府案)の内容を反映しているものではない。 (注2)日本の財政収支については、単年度限りの特殊要因を除いた数値。 (暦年) ▲ 16.0 ▲ 12.0 ▲ 8.0 ▲ 4.0 0.0 4.0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 (%) 日本 米国 英国 フランス イタリア カナダ ドイツ (資料5)債務残高の国際比較(対GDP比) (%) 暦 年 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 日 本 163.7 173.8 184.9 184.3 183.3 191.3 208.6 215.9 米 国 58.5 65.8 65.3 64.2 64.7 73.6 87.0 95.7 英 国 35.9 38.8 40.1 41.0 42.0 50.2 64.5 76.0 ド イ ツ 63.1 64.8 67.0 66.5 63.7 65.1 72.6 81.0 フ ラ ン ス 64.1 65.7 67.1 64.4 64.3 68.0 78.9 81.6 イ タ リ ア 100.5 100.1 101.9 102.6 99.8 102.4 112.5 115.4 カ ナ ダ 76.2 72.1 70.9 70.1 66.8 67.8 79.3 81.1 暦 年 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 日 本 230.6 236.6 240.5 242.1 238.1 239.3 240.3 240.0 米 国 100.0 103.4 105.4 105.1 105.2 107.1 108.1 107.8 英 国 81.6 85.1 86.2 88.1 89.0 89.3 89.5 89.7 ド イ ツ 78.7 79.9 77.5 74.7 70.9 68.1 65.0 61.8 フ ラ ン ス 85.2 89.5 92.3 94.9 95.6 96.3 96.8 97.0 イ タ リ ア 116.5 123.4 129.0 131.8 132.1 132.6 133.0 131.4 カ ナ ダ 81.5 84.8 85.8 85.4 91.6 92.4 89.6 87.7

(出典)IMF "World Economic Outlook Database"(2017年10月) (注1)数値は一般政府ベース。

(注2)本資料はIMF "World Economic Outlook Database"による2017年10月時点のデータ を用いており、2018年度予算(政府案)の内容を反映しているものではない。 (暦年) 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 (%) 日本 イタリア フランス 英国 米国 カナダ ドイツ

(15)

(資料6)主要国の財政再建計画ならびに財政健全化目標 財政運営の原則等 具体的な目標等(計画等) 日本 財政法( 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなけれ1947年) ばならない。 経済財政運営と改革の基本方針2017 PB(国・地方)⇒ 2020年度までに黒字化  債務残高(国・地方)対GDP比 ⇒ 同時に安定的に引下げ ※この目標については「新しい経済政策パッケージ」(2017年12月8日閣議決定)において、以下の通りとされている。 ・ 消費税率引上げ分の使い道の見直しにより、PB黒字化目標の達成は困難となる。 ・ ただし、財政健全化の旗は決して降ろさず、PB黒字化を目指すという目標自体は堅持。 ・ 目標達成に向け2018年の「骨太方針」において、PB黒字化の達成時期、その裏付けとなる具体的 かつ実効性の高い計画を示す。 米国 大統領予算教書(2017年) 10年以内に財政収支(連邦政府)を均衡させ、債務残高(連邦政府)対GDP比を60%に削減する。 英国 予算責任・会計検査法( 財務省において、財政政策の策定・実施等に関する文章として、予算2011年) 責任憲章を策定し、その中において、財政の目標を定めなければなら ない。  予算責任憲章は、下院の決議による承認が必要。 予算責任憲章  構造的財政収支(公的部門)対GDP比 ⇒ 2020年度までに▲2%以下に削減  純債務残高(公的部門)対GDP比 ⇒ 2020年度には減少 ドイツ 連邦基本法(2009年)  連邦及び州の予算は、原則、借入れなしに、均衡させなければならない。 予算原則法(2013年)  構造的財政収支(一般政府)対GDP比を▲0.5%以下とする。 (参考)安定化プログラム2017(2017年)  財政収支(連邦政府) ⇒2018年から2021年まで均衡を維持  債務残高(一般政府)対GDP比⇒ 2020年までに60%以下 フランス 憲法(2008年)  公共財政の複数年にわたる方針を計画化法において定め、その方針 は会計均衡の目標の中に位置づけられる。 複数年財政計画法2018~2022(2018年)  構造的財政収支(一般政府)対GDP比を▲0.4%以下とする。 (参考)安定化プログラム2017(2017年)  財政収支(一般政府)対GDP比 ⇒ 2017年までに▲3%以下  債務残高(一般政府)対GDP比 ⇒ 2020年より60%超の部分を直近3ヵ年平均 1/20以上削減 イタリア 憲法(2012年)  行政は、欧州連合の法規と一致するよう、予算の均衡及び公的債務の 持続可能性を保障する。  国は、景気循環の後退期及び拡大期を考慮して、その予算の歳入と歳 出の均衡を保障する。 均衡財政原則の適用に関する法律(2012年)  均衡予算の判定には構造的財政収支を用いる。 (参考)安定化プログラム2017(2017年)  構造的財政収支(一般政府)対GDP比 ⇒ 2020年までに均衡化  債務残高(一般政府)対GDP比 ⇒ 60%超の部分を直近3ヵ年平均1/20以上 削減 <参考1>EUにおける財政関連ルール  域内の財政健全化目標(マーストリヒト基準)(①財政収支(一般政府)対GDP比▲3%、②債務残高対GDP比60%)(欧州連合機能条約)(1993年)  毎年、中期財政目標を定めた「安定化プログラム」を欧州委員会に提出することを義務付け(安定成長協定)(1997年)  財政収支均衡又は黒字化(構造的財政収支対GDP比▲0.5%以内でも可)を国内法(拘束力があり永続的な性格を有する規定(望ましくは憲法)又は予算編成過程で十分に尊重・遵守されることが保証されるもの)で定める(財政協定)(2012年) <参考2>構造的財政収支とは、実際の財政収支から、景気によって変動する要因や一時的な要因(EUでは、資産売却等の財政黒字要因のみが対象)を除いたもの。 (資料7)財政赤字の問題点

財政赤字の拡大 (公債発行の増加・債務残高の増大)

公的サービスの水準の低下

 国債の支払いが増加し、政策経費が圧迫されると、社会保障・文教・防衛・インフラ整備など国民生活に必要不可欠な公的 サービスの水準が低下する。また、災害や経済危機等に対して、政府が本来果たすべき財政機能を発揮できなくなる。

世代間の不公平

 現世代が受益(高齢者の年金、医療、介護等)した結果残された債務は、将来世代に付け回される。将来世代においては、膨 大な債務を償還するために給付の減少や負担の増加につながる。  受益と負担の不均衡を現状のまま維持すれば、世界に冠たる国民皆保険・皆年金の維持、次世代への引渡しが困難となる。

民間部門の経済活力の低下

 政府財政への信認が低下し、国債が格下げされた場合には、銀行等の社債が格下げとなり、社債発行による資金調達コスト の上昇が懸念される。  政府が赤字国債の発行を通じて民間資金を吸収し続けることにより、成長のための資金が民間にまわらず、民間部門の経済 活力の低下がもたらされる。

財政への信認低下による金利上昇

 債務残高の増大により政府財政への信認が損なわれることとなれば、金利の急騰がもたらされ、経済への悪影響が出る。  例えば、国債を大量に保有する金融機関に含み損が生じ、金融システムが不安定化するとともに、国債の買い手がいなくなり 政府の資金調達が困難となる。

(16)

次に,主要な経費について申し述べます。  社会保障関係費につきましては,持続可能な社会保障制度 を構築する観点から,薬価制度の抜本改革等,様々な分野に おける改革に取り組むこととしております。また,「子育て 安心プラン」を前倒し,保育の受け皿拡大等を推進すること としております。  文教及び科学振興費につきましては,教職員定数において 効率化と必要な分野への充実を図るほか,幼児教育や高等教 育の経済的負担の軽減,大学改革,安全・安心な学校の施設 整備等を推進することとしております。また,科学技術イノ ベーションを促進することとしております。  地方財政につきましては,歳出特別枠を廃止するなど地方 歳出を見直す一方,地方の税収増を反映し地方交付税交付金 等を縮減しつつ,その一般財源の総額を適切に確保し,地方 に最大限配慮しております。  防衛関係費につきましては,より重大かつ差し迫った脅威 となった北朝鮮の核・ミサイル開発等に適切に対応し,中期 防衛力整備計画に基づき所要の取組を講じるとともに,沖縄 の基地負担軽減等のための在日米軍再編事業を着実に推進す ることとしております。  公共事業関係費につきましては,生産性向上のためのイン フラ整備や豪雨・台風災害等を踏まえた防災・減災対策等へ の重点化・効率化を推進することとしております。  経済協力費につきましては,戦略的外交を後押しする観点 から,自由で開かれたインド太平洋戦略等に重点化しつつ, ODAは予算・事業量ともに必要な額を確保しております。  中小企業対策費につきましては,地域の中核となる企業の 支援や中小企業の事業承継支援を充実するほか,人材対策や 資金繰り対策等にも万全を期すこととしております。  エネルギー対策費につきましては,再生可能エネルギーの 導入に向けた研究開発を拡充するほか,省エネルギーの取組 や国内資源の開発,海外資源の権益確保等を推進することと しております。  農林水産関係予算につきましては,米政策の改革を円滑に 行うことができるよう,必要な支援を充実させるほか,林業 の成長産業化や輸出力の強化等に取り組むこととしておりま す。  国家公務員の人件費につきましては,給与改定や給与制度 の総合的見直しのほか,退職手当の引下げ等を的確に予算に 反映しております。  東日本大震災からの復興につきましては,復興のステージ に応じた課題に対応するため,平成三十年度東日本大震災復 興特別会計の総額を約二兆三千六百億円としております。  平成三十年度予算及び税制改正並びに平成二十九年度補正 予算の御審議に当たり,財政政策等の基本的な考え方につい て所信を申し述べますとともに,予算の大要を御説明申し上 げます。 (日本経済の現状と財政政策等の基本的な考え方)  安倍内閣のこれまでの取組によって,雇用・所得環境の大 幅な改善を達成したことを背景に,経済の好循環は着実に回 り始めております。このような経済の好循環をより確かなも のとし,持続的な経済成長を実現するためにも,昨年十二月 に取りまとめた「新しい経済政策パッケージ」に基づき, 「人づくり革命」と「生産性革命」を車の両輪として,少子 高齢化という最大の長期的課題に立ち向かってまいります。  「人づくり革命」の財源には,二〇一九年十月に予定され る消費税率十%への引上げによる増収分の一部等を活用しま す。これにより,二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字 化目標の達成は困難となりますが,財政健全化の旗は決して 降ろすことなく,プライマリーバランスの黒字化を目指すと いう目標自体はしっかり堅持します。この目標の達成に向 け,今年の「経済財政運営と改革の基本方針」において,具 体的かつ実効性の高い計画を示すこととします。 (平成三十年度予算及び税制改正の大要等)  次に,平成三十年度予算及び税制改正の大要等を御説明申 し上げます。  「新しい経済政策パッケージ」も踏まえ,平成三十年度予 算におきましては,保育の受け皿拡大や地域の中核企業によ る設備・人材投資等の促進等の重要課題に重点化しておりま す。同時に,一般歳出等について「経済・財政再生計画」の 「目安」を達成し,公債の発行額を安倍内閣発足以来六年連 続で減額するなど,経済再生と財政健全化の両立を実現する 予算としております。  歳出につきましては,一般歳出が約五十八兆九千億円であ り,これに地方交付税交付金等約十五兆五千百億円及び国債 費 約 二 十 三 兆 三 千 億 円 を 加 え た 一 般 会 計 総 額 は , 約 九十七兆七千百億円となっております。   一 方 , 歳 入 に つ き ま し て は , 租 税 等 の 収 入 は , 約 五十九兆八百億円,その他収入は,約四兆九千四百億円を見 込んでおります。また,公債金は,約三十三兆六千九百億円 であり,前年度当初予算に対し,約六千八百億円の減額を 行っております。

第196回国会における麻生財務大臣の財政演説

平成30年1月22日

(17)

現に向けた施策等,総額約二兆七千百億円の歳出の追加を行 うこととしております。また,国債整理基金特別会計への繰 入として,約千九百億円を計上しております。これらについ ては,既定経費を約一兆二千四百億円減額するとともに,前 年度剰余金を約三千七百億円,税外収入を約千億円計上する ほか,建設公債を約一兆千八百億円発行することで対応する こととしています。  この結果,平成二十九年度一般会計補正後予算の総額は, 一般会計当初予算に対して歳入歳出ともに約一兆六千五百億 円増加し,約九十九兆千百億円となります。  また,特別会計予算につきましても,所要の補正を行って おります。  財政投融資計画につきましては,足下の旺盛な設備投資意 欲に鑑み,二千八百億円を補正追加しております。 (むすび)  以上,財政政策等の基本的な考え方と,平成三十年度予算 及び税制改正並びに平成二十九年度補正予算の大要等につい て御説明申し上げました。  経済の好循環をより確かなものとし,持続的な経済成長を 実現するべく,今後もあらゆる政策手段を総動員していかな ければなりません。そのためにも,経済再生と財政健全化を 両立する本予算及び関連法案の一刻も早い成立が必要であり ます。  何とぞ御審議の上,速やかに御賛同いただくとともに,財 政政策等について,国民の皆様及び与野党の議員各位の御理 解と御協力を切にお願い申し上げます。  平成三十年度財政投融資計画につきましては,生産性向上 に向けた事業者及び農業者の設備投資等の支援,物流ネット ワークの核となる高速道路整備の加速等に取り組むなど,真 に必要な資金需要に適切に対応するため,総額約十四兆四千 六百億円としております。  国債管理政策につきましては,借換債等を含む国債発行総 額が約百五十兆円と,依然として極めて高い水準にある中 で,引き続き市場との緊密な対話に基づき適切に運営してま いります。  平成三十年度税制改正につきましては,働き方の多様化等 を踏まえ,個人所得課税の見直しを行うとともに,デフレ脱 却と経済再生に向け,賃上げ・生産性向上のための税制上の 措置を講ずることとしております。さらに,中小企業の代替 わりを促進する事業承継税制の拡充や観光促進のための税と して国際観光旅客税の創設等を行うこととしております。こ のほか,国際課税制度の見直し,税務手続の電子化の推進や たばこ税の見直し等を行うこととしております。  なお,国会等から指摘のあった国有財産の管理処分手続に つきましては,手続の明確化,売却価格の客観性の確保及び 文書管理の徹底という方針で,財政制度等審議会の意見を踏 まえ,見直しを行ってまいります。 (平成二十九年度補正予算の大要)  続いて,平成二十九年度補正予算の大要について申し述べ ます。  一般会計において,「生産性革命」・「人づくり革命」,災害 復旧等・防災・減災事業,総合的なTPP等関連政策大綱実

参照

関連したドキュメント

エ.上方修正の要因:①2008年の国民経済計算体系(SNA:United Nations System of National

■詳細については、『環境物品等 の調達に関する基本方針(平成 30年2月)』(P93~94)を参照する こと。

・マネジメントモデルを導入して1 年半が経過したが、安全改革プランを遂行するという本来の目的に対して、「現在のCFAM

北区無電柱化推進計画の対象期間は、平成 31 年(2019 年)度を初年度 とし、2028 年度までの 10

経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を

なお、平成16年度末までに発生した当該使用済燃

平成28年度の日本経済は、緩やかな回復軌道を描いてきましたが、米国の保護主義的な政

なお,平成16年度末までに発生した当該使用済燃