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一般46 北方沖合海域の生物生産性の向上に関する基礎的研究

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- 1 -

一般 46 北方沖合海域の生物生産性の向上に関する基礎的研究

研究予算:運営費交付金 研究期間:平 21~平 22

担当チーム:水産土木チーム、寒地技術推進室

研究担当者:山本潤、関口浩二、福田光男、渡辺光弘、佐藤仁、大 井啓司、山之内順、片山勝、窪田康一、牧野昌史

【要旨】

北方沖合海域における漁場整備計画の検討に資する知見を得る事を目的に、水産土木チームでは日本海北 部沖の武蔵堆周辺において現地観測等を開始した。平成

21

年度には夏季に観測を行い、密度成層に伴う表層 の栄養塩枯渇と基礎生産量が低下していることを示した。また、平成

22

年度には秋季に観測を行い、表層冷 却過程における物理環境や基礎生産の状況等を把握し、これらの現象を再現する数値モデルの骨格を構築し た。

キーワード:基礎生産量、漁場開発、排他的経済水域、栄養塩枯渇、密度成層

1.はじめに

排他的経済水域における水産資源の生産力を向 上させ、水産物の安定供給の確保を図ることを目的 に

2007

年より直轄漁場整備事業(フロンティア漁 場整備事業)が開始された。平成

19

年度には鳥取 島根沖において、あかがれい・ズワイガニを対象に保 護育成礁の設置が行われ1)、また、平成

22

年度より 五島西方沖においてもまあじ・まさば・まいわしを 対象に事業が開始され 1)、さらに北海道周辺におけ る実施の可能性についても検討されている。北海道 の主要な水産有用種の1つにスケトウダラがあるが、

その漁獲量は

1990

年代前半をピークに減少してお り、

1997

年にTAC対象種に指定され、漁獲が数量 的に管理されている。北海道日本海北部沖にある武 蔵堆はその優良な漁場として知られており、この魚 種を対象とした直轄漁場整備事業の候補地として有 望視されている。水産土木チームでは、北海道沖合 海域において、将来事業が実施される場合の工法の 検討に資する基礎的知見を得ることを目的に、この 海域において調査を行っているので、その取り組み 状況について報告する。

2.漁場整備の工法に関する考え方

当海域において漁場整備が行われる場合、海域の 肥沃化を目的とした湧昇流発生マウンドと、資源の 減耗原因の解消を目的とした保護育成礁の二つの工 法が考えられる。湧昇流発生マウンドは、夏季の密 度成層により有光層内の栄養塩が枯渇した場合に、

底層の栄養塩を供給して基礎生産量を増加させ、対

象魚の成長を促すものである。湧昇流発生の外力と なる流れ等があり、栄養塩の枯渇が広範囲にわたり 一定期間継続する場合に有効な工法と言える。山本 ら2)によると、

2009

年の調査結果を基に算出された この海域における夏季の基礎生産量は

36.6(mg-C/

㎡/day)となっており、日本全国沿岸海洋誌3)に記載 されている同月の噴火湾や伊勢湾等の値

300

1400(mg-C/㎡/day)と比較すると、夏季の生産量が

大幅に劣っていることが確認されている。この時期 に栄養塩が枯渇している水深帯に栄養塩の豊富な水 塊を湧昇させることが出来れば、生産性が向上する 事が示唆された。

保護育成礁の場合、対象魚が生息する海底微地形 の回復を図るとともに、対象魚の適正な資源管理を 促すものである。漁場周辺に生息する対象魚を、捕 食生物や違法操業等から保護する効果が期待される。

これらの工法に適した箇所の選定や工法の選択を 行い、事業の基本方針を決定するためには、漁場周 辺の物理環境、生物生息状況と餌料環境、基礎生産 量の周年の傾向、海底微地形の状況等の判断材料が 必要となる。そこで、当チームでは以下に示す研究 を行う予定である。まず現地観測をもとに海域の現 況について周年の傾向を把握する。これまで、夏季 の栄養枯渇状況と、秋季の表層冷却に伴う鉛直混合 を観測する事が出来た。今後は密度成層が完全に崩 壊していると思われる冬季と、春季のブルーミング の状態について現地観測を行う。さらに、物理環境 の再現モデルと低次生態系及びスケトウダラを対象 とした高次生態系モデルの検討を行い、基礎生産と

(2)

- 2 -

個体群動態の再現を行う予定である。

3.海域の基礎生産構造を把握する現地調査 3.1 調査時期

現地調査は、夏季と秋季の状況を把握するため、

2009

8

2~4

日と

2010

10

5~6

日に行っ た。これにより、栄養塩の枯渇している夏季と回復 途上と思われる秋季の試料を得る事が出来た。

3.2 調査位置及び調査方法

調査位置は、図-3.1に示す様に武蔵堆の通称天狗 の鼻と呼ばれる箇所を主とし、北緯

45°から北緯 44

°

30

′、東経

139

°

40

′から東経

141

°

30

′まで の区間で、北海道水産試験場が定期的に行っている 調査箇所(JW,J2)に2測線(L1,L2)追加し、28 地点において各種計測を行った。調査箇所は海象条 件が厳しく、通常の測量船では作業が不可能で有る ことから、海洋観測船を所有している北海道中央水 産試験場との共同研究により調査を行った。

3.3 調査項目

調査項目は、船舶に搭載された

CTD

による塩分、

水温観測および

ADCP

による層別流況観測3層

(10,50,100m)を全観測点で行い、バンドーン型採水

器による採水及び北原式ネットによるプランクトン 採取を

2009

年に

L1-4, L1-5, L2-4,J2-4

4

地点、

2010

年には

JW-13’を加えた 5

地点で行い、ノル パックネットによる動物プランクトン採取を

2009

2010

年とも

L1-4,J2-4

2

地点で行った。水質 については栄養塩を中心に分析を行い、プランクト ンについては種別に分析を行った。また、光量子量 の測定、COMPACT-CTD による水質観測、ADCP

による層別流況観測、スミスマッキンタイヤー採泥 器による採泥、粒度分布及び含有物の分析を行った。

その他、この海域における基礎生産量を算出する 際に必要な光合成量の測定を行うため、安定同位体

13

C)を用いた現地培養試験を行った。

4.現地観測結果と考察 4.1 栄養塩調査結果

栄養塩分析の結果を図

-4.1

に示す。栄養塩は水温 と負の相関があり、プランクトンの増殖に必要とさ れ る 硝 酸 塩 濃 度 を

0.014mg/L

、 リ ン 酸 塩 濃 度 を

0.003mg/L

とすると、後者は表層でも概ね条件を満

たしているが、前者ではそれを満たす水温が

2009

8

月では

15.5℃程度、2010

10

月では

16.1℃程

度とほぼ同様の値が算出され、躍層以浅での硝酸塩 の枯渇が夏だけではなく、秋でも確認された。また、

2010

年度はケイ酸態ケイ素についても分析を行っ たが、その値は、

0.06

0.16mg/L

となっており、珪 藻類の増殖の閾値と思われる

0.06mg/L

をほぼ満た しており、珪藻類増殖の限定要因とはなっていない。

当海域の生産性は、硝酸塩不足が制限要素となって いると思われる。

4.2 光量子量

2010

10

月の光量子量観測結果を図-4.2に示す。

表層の光量子は

2009

年の観測では

162.7~403.0(μ mol/(

㎡・

S))

で、

2010

年では

35.0

466.5(

μ

mol/(

㎡・

S))

であった。補償深度を表層の

1%

光量とすると、

2009

年では

51m

66m

であったが、

2010

年でも

57m

64m

となっており、有効層の季節による大きな違い は見られなかった。

4.3 水温・塩分・クロロフィルの鉛直構造

水温・塩分・クロロフィルの代表的な観測結果を 図-4.3に示す。水温と塩分の鉛直分布を

2009

年の沖 側(d)と陸側 (f)で比較して見ると、沖側では躍層が 比較的浅い位置にあり、陸側付近では深い位置にあ ることがわかる。表層の水温は、

2009

8

月では武 蔵堆の沖側

(d)

・陸側

(f)

とも

20

℃に近い値となってい たが、

2010

10

月では沖側

(c)

の表層水温が

16.1

℃ まで低下しており、表層冷却の影響が見られる。水 温・塩分とも

2009

8

月(b),(f)では緩やかに変化し ているが、

2010

10

月(a),(e)では躍層までの温度勾 配が小さくなっており、躍層位置が深くなっている。

これは、表層の水温低下に伴い鉛直混合が下層まで 図

-3.1

調査位置図(武蔵堆周辺)

JW L1 L2 J2

N45°00′

N44°40′

N44°50′

140°00

N44°30′

調査位置, ADCP調査測線 0 100km

141°00 141°30

139°40’

11 13 12

15 14 16 17

1 1 1 2 2 2 3 3 3 4 4 4 5 5 5 6 6 6 7 7 7

N

139°30 141°15

140°20 140°40

武蔵堆

13‘

測線

(3)

- 3 -

y = 0.119e-0.21x R² = 0.9396

0.000 0.005 0.010 0.015 0.020 0.025

0 5 10 15 20 25

PO4-P(mg/L)

水温(℃)

J2-4 L1-4 L1-5 L2-4 All 回帰式 0.003

c)夏季のリン酸帯リン (2009

8

月)

d)秋季のリン酸態リン(2010

10

月)

y = 0.1636e-0.235x R² = 0.9067

0.000 0.005 0.010 0.015 0.020 0.025

0 5 10 15 20 25

PO4-P(mg/L)

水温(℃)

J2-4 L1-4 L1-5 L2-4 JW-13' 回帰式 0.003

y = -0.141ln(x) + 0.4004 R² = 0.8346

0.00 0.05 0.10 0.15

0 5 10 15 20 25

N O3 - N(m g/ L )

水温(℃)

J2-4 L1-4 L1-5 L2-4 回帰式 0.014

15.5

a)

夏季の硝酸態窒素

(2009

8

)

b)

秋季の硝酸態窒素

(2010

10

) y = -0.138ln(x) + 0.398

R² = 0.7364

0.00 0.05 0.10 0.15

0 5 10 15 20 25

N O3- N( m g/ L )

水温(℃)

J2-4 L1-4 L1-5 L2-4 JW-13' 回帰式 0.014

16.1℃

-4.1

水温と栄養塩の関係

e)秋季のケイ酸態ケイ素(2010

10

月)

y = -0.177ln(x) + 0.5804 R² = 0.8981 0.00

0.05 0.10 0.15

0 5 10 15 20 25

SiO2-Si(mg/L)

水温(℃) J2-4 L1-4 L1-5 L2-4 JW-13' 0.06 回帰式

-4.2

光量子量観測結果

(2010

10

)

0 20 40 60 80 100

水深(m)

L2-4

有効層(海面光量の1%)

補償深度62m 0

20 40 60 80 100

0 100 200 300 400 500

水深(m)

光量子(μmol/(m2・s))

L1-4

有効層(海面光量の1%)

補償深度57m

0 20 40 60 80 100

0 100 200 300 400 500 光量子(μmol/(m2・s))

L1-5

有効層(海面光量の1%)

補償深度64m

0 20 40 60 80 100

J2-4

有効層(海面光量の1%)

補償深度60m

-4.3

水温・塩分・

Chl-a

の鉛直分布

(a) 漁場直上

(L1-4) (2010

10

月)

(b) 漁場直上 (L1-4) (2009

8

月)

(d) 武蔵堆北西沖側 (JW-17) (2009

8

月)

(c)

武蔵堆北西沖側

(JW-17) (2010

10

)

(f)

武蔵堆南東陸側

(L2-1) (2009

8

月)

(e)

武蔵堆南東陸側

(L2-1) (2010

10

)

0 1 2 chl.a(μg/L)

33 34 35 0

20 40 60 80 100 120 140

0 5 10 15 20

塩分(psu) [

(m )

水温(℃)

51m

33 34 35 0 5 10 15 20

塩分(psu) 水温(℃)

0 1 2 chl.a(μg/L)

38m

0 1 2 chl.a(μg/L)

29m

33 34 35 0 5 10 15 20

塩分(psu) 水温(℃)

32 33 34 35 0

20 40 60 80 100 120 140

0 5 10 15 20

塩分(psu) [

(m )

水温(℃)

0 1 2 chl.a(μg/L)

35m

0 1 2 chl.a(μg/L)

43m

33 34 35 0 5 10 15 20

塩分(psu) 水温(℃) 0 1 2

chl.a(μg/L)

41m

32 33 34 35 0

20 40 60 80 100 120 140

0 5 10 15 20

塩分(psu) 水温(℃)

水温 塩分

[ (m ) 水深(m水深(m 水深(m

(4)

- 4 -

mg/g 0.80 mg/g 0.04 mg/g 0.57 mg/g 6.9 g/cm3 2.672

% 43.0 mg/g 6.4 比重

含水率

化学的酸素要求量(COD) 全窒素(T-N)

硫化物 全リン(T-P) 有機態炭素

-4.1

底質分析結果

(JW-13’)

図-4.5 底質粒度分布

(JW-13’)

0.0

20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

JW-13'

粒度組成 (%)

粗礫分 19mm以上

中礫分 4.75~19mm 細礫分

2~4.75mm

粗砂分 0.850~2mm 中砂分

0.250~0.850mm

細砂分 0.075~0.250mm シルト分

0.005~0.075mm

粘土分 0.005mm以下

進んでいるためであり、冬季には鉛直混合がさらに 進むと思われる。一方、陸側では水深数十メートル 付近の水温が沖側と比較して高く、さらに

2010

10

月(e)では、2009年

8

月(f)と比較してもその領域

の水温が

20℃程度で維持されている。これは、対馬

暖流が陸側に影響しているためと考えられる。

クロロフィルaは、密度成層およびその直下にピ ークがあり、その位置において基礎生産が集中して 行われている。また、

2010

年陸側

(e)

では、クロロフ ィルのピークが見られなくなっており、基礎生産が 回復せず、さらに低下していることがわかる。

4.4 武蔵堆周辺の水塊構造

T-S

ダイアグラムを図-4.4に示す。(a),(b)いずれも陸 側と沖側で異なる密度分布を示し、

2009

年(a)の陸側 では、降水による表層の塩分低下と、対馬暖流の特 徴である中層高塩分の傾向が見られた。

2010

(b)

では、沖側については水温の低下が見られるが、陸 側では高水温が維持されており、対馬暖流の影響が より顕著に現れている。

4.5 底質の調査結果

底質の分析結果を表-4.1 と図-4.5に示す。細砂分

40.2%、シルト分 21.7%、0.005mm

以下の粘土分は

10.6%となっており、礫も含まれていた。Murray&

Renard

4)の分類によると、「砂・礫が含まれる堆積物

は泥だけの遠洋性堆積物ではなく、陸域堆積物に分 類される」とあることから、この海域の底質は陸域 由来のものと思われる。また、含水比で見ると、外 洋の表層堆積物の含水比は

50

60

%程度といわれ ており、今回の調査結果の

43

%とほぼ同程度となっ ていた。有機態炭素では、

Romankevich(1970)による

と、海底堆積物表層中の有機性炭素量は、日本海北 部 海 域 で

0.5~ 1.0% と な っ て お り 、 調 査 結 果 の 6.9mg/g=0.69%はこの範囲内となっていた。また、

外洋の体積物の有機炭素含有量は一般に

1%以下で、

ペルー沖のような湧昇の起こっている海域等では

10

%を超えている 5)ことから、今回の値は、外洋の 含有量に相当するといえる。全リンについては、門 谷ら 6)によると、大阪湾や播磨灘などの内湾で

0.5mg/g

程度となっており、今回の観測結果

0.57mg/g

とほぼ同程度であることがわかった。

本海域の底質は、粒度分布から言うと陸域の影響 を大きく受けており、天塩川の影響が考えられる。

特に、底質の全リンは内湾と同程度の値を示してい

る。これは、春季の生産量が高く、それによりこの 時期でもリンの値が高レベルで維持されている事を 示していることが考えられる。また、それ以外の可 能性として、周辺海域での基礎生産の影響が当海域 に集積されたことも考えられる。

σt=22 σt=23 σt=24

σt=25

σt=26 σt=27 σt=28

0 5 10 15 20 25

32 33 34 35

Temperature (°C)

Salinity (PSU)

JW-17 JW-11 L1-7L1-1 L2-7L2-1 J2-7 J2-1

σt=22 σt=23 σt=24

σt=25

σt=26 σt=27 σt=28

0 5 10 15 20 25

32 33 34 35

Temperature (°C)

J2-1 J2-7 JW-11 JW-17 L1-1 L1-7 L2-1 L2-7

Salinity (PSU)

(a) 2009

8

月調査

-4.4

武蔵堆周辺の

T-S

ダイアグラム

(b) 2010

10

月調査

Temperature(℃)Temperature(℃)

(5)

- 5 -

4.6 流速観測結果

L1-4,L1-5,L2-4,L2-6

4

点について、

ADCP(75Hz)

による底層までの層別流速の成分別観測結果を図

-4.6

に示す。水深

40m~60m付近で流れの向きが急

激に変化しているが、図-4.3 に示す躍層が生じてい る水深帯と一致しており、その影響により、流れの 向きが変化しているものと思われる。表層の流れに ついて見ると、東向きの

L1-4

以外は北西に向かう流 れとなっており、水平渦の影響が考えられる。この ことは、周辺からの有機物の集積効果を示唆してい る。L2-6では、上層で北上する流れが大きく、南北 成分が強くなっている。一方、水深

140m

前後では 南北成分の大幅な逆転が見られるが、この水深帯に は躍層等が存在しないため、次期計画では観測数を 増やし、引き続き流速観測を行い、データの信頼性 について確認する予定である。

5.当該海域の基礎生産の現状の評価

この海域では、前章で述べたような基礎生産量の低 い状態が続いているが、その期間は図

-5.1

に示す当 海域の表層水温から推察すると約

3.5

ヶ月となる。

2010

10

月調査で得られた表層水温も、図-4.3の ように、陸側(L2-1)は

19.7℃と高いものの、漁場直

上(L1-4)や沖側(JW-17)では

16.4℃, 15.4℃と、図-5.1

に示す同時期の表層水温と同等となっている。また、

-4.1

に示されているように、秋季においても、躍 層より上層の栄養塩が枯渇していることから、この 時期においても基礎生産量は低レベルにある。表層 への栄養塩供給は、それなりの効果があると推定さ れ、図-5.2 に示すように、躍層下の栄養塩の有効層 への供給が特に効果的である。ただし、その外力ポ テンシャルは不明であり、今後の課題である。2010 年調査も同様の傾向にあると思われるが、今後は、

より詳細に基礎生産量を算出していきたい。

6.おわりに

2009

年、

2010

年の調査で夏季及び秋季のデータを 得る事が出来た。現段階では、一般研究課題として 基礎的な研究を進めてきたが、今後はプロジェクト 研究個別課題「北方海域の物理環境改変による生物 生産性の向上に関する研究」として本格的に実施す ることとしており、引き続き調査を実施し、当海域 の物理環境及び基礎生産の周年の傾向についてまと めていきたい。

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240

-40 -20 0 20 40

水深(m)

流 速(cm/s)

東 西成分 (cm/s) 南 北成分 (cm/s) L1-4

-40 -20 0 20 40 流 速(cm/s)

東 西成分 (cm/s) 南 北成分 (cm/s) L1-5

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240

-40 -20 0 20 40

水深(m)

流 速(cm/s)

東 西成分 (cm/s) 南 北成分 (cm/s) L2-4

-40 -20 0 20 40 流 速(cm/s)

東 西成分 (cm/s) 南 北成分 (cm/s) L2-6

図-4.6 底層までの層別成分流速観測結果

-5.1

武蔵堆周辺の表層水温

(日本海洋データセンター)

0

5 10 15 20 25

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 表層水温

水温 ()

月 (1906~2003年)

-5.2

当該海域の夏季の基礎生産構造

2.5 10 20 30 40 50 60 70 80 95 0 1 2

層の水深(m)

0 50 100 150 NO3-N(mgN/m3) 0

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0 20 40

水深(m)

PHY(mgC/m3

計算値 観測値

光合成量(mgC/(m3・day))

貧栄養

躍層下の水をここに持っ 光不足 てくるだけで生産性が向 上する可能性がある。

(6)

- 6 -

参考文献

1)水産庁HP:国が施行する特定漁港漁場整備事業

計画(漁場)

2)山本潤・渡辺光弘・林田健志・峰寛明・坂本和佳・

西田芳則・田中仁(2009):日本海北部海域での 漁場整備の実現に向けた観測の試み,海岸工学論 文集,第

66

巻,

pp1291-1295

3

)日本海洋学会沿岸海洋部会(

1985

):日本全国沿

岸海洋誌,東海大学出版会,

1106p

4)海洋科学基礎講座 12

三宅泰雄(1972):堆積物

の化学,東海大学出版会,357p.

5)高橋正征・古谷研・石丸隆(1996):生物海洋学

4ベントス,東海大学出版会,54p.

6)門谷茂・多田邦尚・岡市友利(1987):播磨灘体

積物中の有機態炭素・窒素,全リン及びフィオフ ィチンの水平分布,

La mer 25

pp67-72

参照

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