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CYCLE, FURTHER INTERRUPTED さらに中断された景気サイクル グローバル マーケット アウトルック 2020 年 4-6 月期 当資料は 市場動向につきましてラッセル インベストメントが 2020 年 3 月 24 日に発行した英文のレポートを抄訳したものです 内容は作成時点の

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※当資料は、市場動向につきましてラッセル・インベストメントが2020年3月24日に発行した英文のレポートを抄訳したも のです。内容は作成時点のもので今後市場や経済の状況に応じて変わる可能性があります。また、当見解は将来の結果を 保証するものではありません。

INTERRUPTED CYCLE, FURTHER

さらに中断された景気サイクル

グローバル・マーケット・アウトルック 2020年4-6月期

russellinvestments.com/jp

(2)

メインシナリオでは、今年後半にウイルス感染拡大が収束に向か い、世界経済は回復し始める。

アンドリュー・ピーズ 投資戦略グローバルヘッド

新型コロナウイルス によりミニサイクルの回復*が失速し、世界的な景気後退の可能 性が高まっています。パンデミックがどの程度の期間持続するかは予測不可能である ものの、景気刺激策、蓄積された潜在需要に加え、経済に重大な不均衡が起きていな いことは、ウイルスの脅威が解消されれば、世界経済には回復余地があることを示唆し ていると考えます。

* 訳者注:小さな景気循環における拡大局面を指す。

さらに中断された景気サイクル

(3)

ウイルスの脅威が完全に去ったとのシ グナルが現れれば、大規模な景気刺激 策を受けて投資家心理は回復する。

ー アンドリュー・ピーズ

"Events, dear boy, events (何が起こるかだ、親愛なる皆さん、何が起こるかなんだ)"

ハロルド・マクミラン元英国首相は、 (政治が予測不可能であることをこう表現しました が、投資戦略においても同じことが言えると考えています。2月中旬時点で、ラッセル・イ ンベストメントは、世界経済はミニサイクルの回復局面にあると予測し、世界経済は予 測通りに動いていました。製造業の指標には回復の兆しが現れており、米中は貿易協 定の「第 1 段階」の合意に達しました。

はじめに

しかし 3 月中旬、ウイルス感染が世界に拡大し、各国政府が厳格 な封じ込め政策を取るとともに、急速に経済的ショックへと発展 しました。国境は封鎖され、学校や大学も休校となり、市場はウイ ルスの脅威と封じ込め政策がいつまで続くかわからない不安で パニックに陥っています。さらに、世界の中央銀行がゼロ金利へ と移行したことで、金融政策1が限界に達したという危機感 からこ の不安は一層高まっています。ラッセル・インベストメントは、より 大規模な財政出動が金融政策の火力不足を補うと考えています が、これに対する主な不確定要因として、ウイルスに端を発する景 気後退の長さと深度が挙げられます。私たちは、メインシナリオと して、今年後半にはウイルスの感染拡大が収束に向かい、世界経 済は回復し始めると考えていますが、ウイルスの脅威がどの程度 長引くかに関しては専門家の間ですら見解が分かれる所となって います。

以下の図表は、ウイルス感染拡大の結果が2月19日に米国株式 が最高値を更新して以降、重大なリスクオフのイベントとなって いることを示しています。

新型コロナウイルス禍の各アセットクラスに対する影響 / S&P 500® 最高値比(2020 年 2 月 19 日~3 月 12 日)

出所:Refinitiv Datastreamのデータ をもとにラッセル・インベストメント 作成、2020 年 3 月 12 日現在。

S&P500インデックスに関する著作権 等の知的財産権、その他一切の権利 は、マグロウヒル・カンパニーズの一 部門であるスタンダード・アンド・プ アーズに帰属します。 インデックス は資産運用管理の対象とはなりませ ん。また、インデックス自体は直接的 に投資の対象となるものではありま せん。インデックスには運用報酬がか かりません。

1 ゼロ金利政策とは拡張的な金融政策のツールであり、必要に応じて景気を刺激する ために中央銀行が短期金利をゼロまで引き下げることを指す。ゼロ金利政策を発動 せざるを得ない中央銀行は、同時に経済を活性化させるその他の(多くは非伝統的 な)手法を推進しなければならないとされる。

-50 – -40 – -30 – -20 – -10 – 0 – 10 –

Brent Crude Oil ($)

MSCI EMU (€)

FTSE 100 (£)

MSCI World ($)

S&P500 ($)

Nasdaq ($)

Global REITS ($)

Japan Topix (¥)

MSCI Emerging Equities ($)

Bloomberg Commodities Index ($)

MSCI China ($)

EM debt hard currency ($)

ML Global High Yield Bonds ($)

EM debt local currency ($)

ML Global Corporate Bonds ($)

US Dollar Index DXY ($)

Gold ($)

German 10Y Govt Bond (€)

US 10Y Govt Bond ($)米国債 10 年($) ドイツ国債 10 年(€) 金($) 米ドル指数(DXY)($) ML グローバル社債($) 現地通貨建てエマージング債($) ML グローバル・ハイ・イールド債($) ハード カレンシー建てエマージング債($) MSCI 中国指数($) ブルームバーグ商品指数($) MSCI 新興国市場株式($) 日本 TOPIX(¥) グローバルREIT($) Nasdaq ($) S&P 500 ($) MSCI ワールド ($) FTSE 100 (£) MSCI EMU (€) ブレント原油($)

(4)

2020 年景気後退入りの可能性

全世界で実施されている新型コロナウイルスの封じ込め対策は 経済に大きな打撃をもたらしています。今年第1四半期のGDP は、おそらく全世界でマイナス成長となり、ウイルスの封じ込め対 策による経済活動の停止により、第2四半期のマイナス成長もほ ぼ確実と見られます。ウイルス感染者数は、この先も増加すると見 込まれるため、この先さらに思い切った封じ込め対策が実施され る可能性もあり、さらに信用市場のストレスがもたらすデフォルト や流動性を巡る問題の波が資本市場に押し寄せる可能性もある と見ています。

一方、中国の状況は、ウイルスが収束可能であることを示唆して います。ウイルス感染に見舞われた湖北省外の省では、3月の最 初の18日間で見つかった新たな感染者は中国全土で 1日当たり

平均10人に留まっています。韓国もまた、感染拡大の封じ込めに 成功しています。さらに、ウイルス感染による致死率も当初恐れら れていた水準より低く、現在では多くの予想が1%以下と見込んで います。現在までの死亡者の多くは高齢者や持病を患っていた人 たちに集中しています。

新型コロナウイルスが一過性のもので、おそらく第 2 四半期には 抑制されるとの前提に立てば、世界経済は 2020年下半期には回 復すると思われます。2月に中国でウイルス感染が拡大する以前 は、世界の経済指標には回復の兆しが現れていました。2019年 は、世界の中央銀行による緩和が2008年の金融危機以降で最も 多い年でした。

世界の中央銀行による金融政策の引き締め度合い

出所: Refinitiv Datastreamのデータをもとにラッセル・インベストメントが作成。過去3カ月間に利上げを行った中央銀行の割合(%)から利下げを行っ た中央銀行の割合を差し引いたディフュージョン・インデックス。対象国はアルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、チリ、中国、コロンビア、デン マーク、ECB、香港、インドネシア、インド、イスラエル、日本、韓国、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、ペルー、フィリピン、ポーランド、ロ シア、南アフリカ、シンガポール、スウェーデン、スイス、台湾、タイ、トルコ、英国、米国(アルファベット順)。2020年3月時点。

2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 -100 –

-80 – -60 – -40 – -20 – 0 – 20 – 40 – 60 –

80 –

2019年は2008年の金融以降

緩和政策を採った数が最も多い年となった

(5)

新型コロナウイルスの感染拡大や原油相場が大きく下落するなかで見落とされがち ですが、市場にとって重要な出来事のひとつとしては、民主党大統領候補指名争いに おける人気が民主社会主義者を自認するバーニー・サンダース議員から中道派のジョ ー・バイデン前副大統領に移っていることが挙げられます。

バーニーの気配はなし

サンダース氏が大統領に選出されれば、米株式市場に構造的な変化をもたらす可能性があります。同氏 は、大手テクノロジー企業の規制と解体、民間健康保険の廃止、そしてドランプ大統領が敷いた大規模 な法人税減税の撤回を考えているためです。しかしながら、市場予測ではバイデン氏が民主党候補の本 命となりつつあり、そのような変化の可能性は低下しています。新型コロナウイルスにより生じた経済的 混乱は、11 月の大統領選でバイデン前副大統領がトランプ大統領に打ち勝つ可能性を高めたのかもし れません。ラッセル・インベストメントは、バイデン前副大統領とトランプ大統領の対決が金融市場にも たらす影響は、概ねニュートラルと見ています。一方、サンダース議員とトランプ大統領の選挙戦となっ た場合、今後の市場の反発力に対して不透明感が生じ、市場にとっては追加的な懸念事項になっていた と考えています。

ウイルスの感染拡大が始まって以来、世界の主要中央銀行は金 融緩和を加速し、各国政府は大規模な財政刺激政策を取り始め ています。スティーブン・ムニューシン米財務長官は、米国 GDP の 5.5%にあたる 1.2 兆ドルの経済対策を提案しました*。世界中の 財務当局や中央銀行が、"いかなる措置もとる"との声明を発表し ています。中国は、既に大型の金融および財政刺激策を実施して います。

*訳者注:その後2兆ドル(約220兆円)に増額され、議会で承認され、トランプ 大統領が3月27日に署名しました。

米中貿易戦争の緊張緩和に加え、昨年の各国中央銀行による金 融緩和策に続いて、さらに追加的な金融政策および財政刺激策 が実施されることから、ウイルスの危機が後退すれば、本格的な 景気回復が見込めると考えられます。

しかし、第3四半期の景気回復見通しには、以下に挙げるリスクが 認められます。

ウイルスの進行は予測不可能である上、米国の感染者数は過 小報告されている可能性があり、今後感染者数が急増する可 能性がある。封じ込め措置がさらに厳格化し、第3四半期も景 気後退が継続する可能性がある。

新型コロナウイルスが経済に及ぼす影響が予想以上に大きく なる可能性がある。雇用市場は既に被害を被っていることを 示すデータが出ており、消費者および企業景況感が急激に落 ち込み、自律的な景気後退に向かう可能性がある。信用市場 でデフォルトや流動性が枯渇する問題が増加するようなイベ ントが起こる可能性もあり、2008年のような景気低迷を招く可 能性も考えられる。

世界のサプライチェーンの混乱が、世界経済の成長に大規模 で長期に亘りマイナスの影響をもたらす可能性がある。

米連邦準備制度理事会(FRB)、イングランド銀行、日銀、およ び欧州中央銀行(ECB)は、政策金利を既にゼロ金利等下限レ ベルに誘導しており、過去の景気後退期と比較すると、各国中 央銀行の金融政策余地は限定的である。

最も重要なリスクとして、ウイルスの感染者数が急激に増加する こと、そしてウイルスの封じ込め政策が第3四半期まで継続するこ とが挙げられます。その他のリスクが顕現する可能性は比較的低 いと見ています。ラッセル・インベストメントは、ウイルスの脅威が 完全に去ったとのシグナルが現れれば、投資家心理は大規模な 景気刺激策を背景に回復すると見ています。一方、サプライチェ ーンを取り巻く問題は、より長期に亘ると見られます。しかしなが ら、この問題は今に始まったことではなく、米中貿易戦争の勃発 当時から懸念されていたもので、ウイルスの感染拡大はそれを助 長することにはなるものの、サプライチェーンの混乱自体が景気 の回復を妨げる要因になるとは考えていません。

そして、2008年の金融危機が再び繰り返されるとも考えていませ ん。米国の大手銀行のティア 1 自己資本比率2は 2007 年から大 幅に改善しており、深刻なドローダウンリスクに対するクッション となると見られます。銀行の住宅ローン貸出は一貫して慎重であ り、消費者のバランスシートは健全です。中央銀行には政策金利 引き下げの余地があまり残されていないものの、必要であれば 量的緩和を初めとする非伝統的金融政策に転じることが可能で す。また、政府には財政政策を促す相当の圧力がかかると見てい ます。

バイデン前副大統領とトランプ大統領の 対決が金融市場に与える影響は概ねニ ュートラル。

- アンドリュー・ピーズ

2 ティア 1 自己資本比率は監督機関の観点から銀行の財務力を測る目 安。主に普通株式と開示準備金で構成されるコア (中核) 資本で構成 されるが、償還不可能な非累積優先株式も含まれる場合があるとされ る。

(6)

地域別の見通し

米国

米国では、政府のウイルス封じ込め対策からテクニカルな景気後 退(GDP が第1四半期および第2四半期に連続してマイナス成長)

となる可能性が高いと見ています。S&P500®指標は、2020年2月 のピークから29%下落しましたが、これは標準的な景気後退局面 で観察されるものと同程度の下落幅で(3月19日時点)、すでに相 応の経済的な打撃は織り込まれていると考えられます。

もう一つのリスクとして挙げられるのが、キャッシュフローの急減 により債務水準の高い企業がデフォルトに陥り、より広範に経済 において信用収縮が惹起されることです。この脅威は、米連邦準 備理事会(FRB)による 150bpsの緊急利下げ、資産購入、および 金融危機当時の流動性支援策の再開により、軽減されると見て います。

ここから重要になるのは、景気後退の影響を緩和するための財 政政策*です。新型コロナウイルスショックに対応するため、大規 模な景気刺激策に対する党を超えての合意が期待されます。さら に喫緊の対策として、米国議会および財務省は、資金繰り悪化な どの流動性が欠乏する問題に直面している業界に対し、緊急的に 融資を提供する制度を設けることも可能です。

これらの金融および財政政策は、ウイルスの混乱が収束した際 に、より強固な経済を後押しすると考えられます。アップサイドリ スクは、この10年強の期間で最大規模の景気刺激策により、第2 四半期中にウイルスの新たな感染者数の減少が始まれば、その 後の景気回復が予想以上に後押しされると見ています。

*訳者注:トランプ大統領は3月27日、米議会が可決した新型コロナウイルス禍 に対処する2兆ドル(約220兆円)の大型経済対策法案に署名し、同法は同日成 立した。家計への現金給付や企業の給与支払いの肩代わりなどに投じられ、売 上高の急減や生活の困難に直面する企業や個人への安全網を整備することな どが柱となっている。

(7)

英国

欧州に比べ英国経済には主に2つの優位性があると考えていま す。

1.

イングランド銀行は、欧州中央銀行(ECB)と異なり、2度に亘 り合計65bpsの緊急利下げを行い、政策金利を実質的なゼロ 金利下限(effective zero-lower bound =ELB*)まで引き下げ ることができた。

2.

英国政府は、財政政策を迅速に実施する能力がある。実 際、GDPの1%以上に相当する景気刺激策を発表した。

*訳者注:Zero Lower Bound(ZLB「ゼロ金利下限」)とは、マイナス金利になら ない範囲で取り得る政策金利の下限を示す。

FTSE100種総合株価指数は、現在以下の3つの課題を抱えていま す。1) 2020年末まで移行期間中にある英国の欧州連合離脱(ブレ グジット)を巡る不透明感、 2) 海外収益の比重が高い多国籍企 業に対するエクスポージャーが大きいこと、3) 原油価格の下落に より損失を被ったエネルギー企業の経済に占める割合が高いこ とが挙げられます。2016年の国民投票に続いて、欧州離脱の議論 が 3年間続いたことで、英国株式はパフォーマンスが低迷してい ます。新型コロナウイルスによる下落で、FTSE100 種総合株価指 数は、異常とも言える程の割安圏に入りました。実績ベースの株 価収益率(PER)は約10倍で、配当利回りは7%に接近しています。

ユーロ圏

欧州は、中国以外で最も新型コロナウイルスの影響を受けている 地域です。欧州は世界との貿易、特に中国との接点が多く、一方、

欧州中央銀行(ECB)には金融政策余地があまりなく、さらにユー ロ圏における財政規律等の取り決めにより、景気刺激策を実施す ることが困難になっています。イタリアは隔離措置を取っており、

フランスやスペインでは厳重な封じ込め対策をとっています。こ れらの対策は、その他の欧州諸国でも導入されています。

こうした要因が重なり、主要証券取引所の中でも最も影響を受け たのがユーロ圏の株式です。3 月中旬時点で 高値から35%以上 下落しました。

ユーロ圏は、米国よりも深刻な景気後退を経験する可能性が高い と考えていますが、コロナ禍が後退すれば、景気回復は米国に比 べ大きくなると見られ、世界貿易の反発による恩恵を最も享受す る地域の一つになると見ています。ユーロ圏の株式は、現在非常 に魅力的な水準にあり、回復時にはベストパフォーマーの一つと なる可能性が高いと見ています。

(8)

日本

日本経済は、10 月の消費税増税と 50 年来の大型台風による自然 災害の影響から、2019 年末の時点で既に低迷していましたが、新 型コロナウイルスによる混乱により、同国経済はほぼ確実に景気 後退に陥ったとみられます。

日銀は金融政策余地こそ限定的であるものの、国債、社債、また ETF買い入れを通じて株式の購入も増加させています。日本政府 は、緊急対策としての財政対策を発表する可能性が高いとみてい ます。金融政策の手詰まり感とと根強いデフレとの日本の構造的 な脆弱性は、日本経済が引き続き先進国経済対比で低成長に留 まることを意味すると考えています。

中国

中国は、新型コロナウイルス危機に最初に直面した国であり、足 元では新たな感染者数が減少しつつあります。日常の経済活動を 追跡するGPS追跡装置によって、経済活動が徐々に再開されてい ることが示されています。深圳や上海の交通渋滞は正常な状態に 戻り、電力発電のための石炭消費量は回復し始めています。

政府は、間も無く景気刺激策を発表すると見られ、地方の州はイ ンフラ・プロジェクトを発表しています。中国人民銀行は、政策金 利と預金準備率を数回にわたって引き下げ、銀行は、現金の流通 量に圧力がかかっている間は債権回収を控えるように促されて います。主な不確定要因としては、金融及び財政刺激策が、V字型 の回復をもたらした2015~2016年時のものと同規模になるかど うかが挙げられます。中国の指導部が依然として過剰債務に懸念 を示していることから、ラッセル・インベストメントでは、今回の刺 激策は2015~16年当時と同等の規模になるとは考えていません が、ウイルスの脅威が鎮静化し始めた時には、中国経済が強い回 復に向かうに十分な規模になると見ています。

(9)

オーストラリア

オーストラリア経済は、かねてより慎重な消費者と住宅市場の軟 化から鈍化傾向にありましたが、新型コロナウイルスの脅威はこ れにさらに拍車をかけると見られます。オーストラリア準備銀行

(RBA)は、2度に亘り合計50bpsの緊急利下げを行い、政策金利 の誘導目標を0.25%としました。さらに同行は、同国初の非伝統 的金融政策に踏み切ると発表、3年物国債の利回りを0.25%に設 定して購入することを明らかにしました。国債の買い入れによる 量的緩和が実行に移されるのもそう遠くないことと思われます。

政府は、GDPの1.2%にあたる財政刺激策を発表し、豪ドル安が輸 出セクターへの打撃を緩和し、経済に対して緩衝材としての役割 を果たしています。オーストラリア経済の2020年の見通しは、最 大の貿易相手国である中国が、米国との間で貿易協定の第1段階 合意に達したことから明るいものとなっていましたが、ウイルスの 感染拡大はこの見通しを大幅に後退させることになりました。

カナダ

新型コロナウイルスの感染拡大と原油価格の崩落という2つのシ ョックにより、すでに精彩を欠いていたカナダの経済見通しは、一 段と複雑なものとなりました。今や同国の経済成長は、ラッセル・

インベストメントの予測レンジである1.0%を割り込むリスクに晒 されています。カナダ銀行は 100bpsの利下げと流動性供給を拡 大する対策を講じ、今後更なる景気刺激策も見込まれています*

。ジャスティン・トルドー首相は先日、カナダのGDPの約3%にあた る景気刺激策を計画していると発表しました*。ウイルスを巡る喫 緊の懸念を除けば、今後のカナダ経済を見通す上での構造面で のウオッチポイントは、担保価値の低下が高水準の債務を抱える 家計に与えるダメージと考えています。

*訳者注:トルドー首相は3月18日、新型コロナウイルス対策に最大820億カナ ダドル(約6兆1000億円)を新たに拠出すると発表している。

(10)

リスクの追加

ラッセル・インベストメントのサイクル(中期)、バリュエーション(

長期)、センチメント(短期)(以下CVS)の3本の柱から成る投資 戦略決定プロセスは、戦術的な意思決定を行うために、恐怖や陶 酔感が市場をオーバーシュートさせる局面を探るものでもありま す。多くの場合、市場のコンセンサスは、"Wisdom of crowds(集 団の叡智)"を体現しているため、強力な戦術的機会はありません が、時として市場は、群衆が戦術的な機会をもたらす"Madness of crowds(集団の狂気)"状態に陥ることがあるとされます。

ラッセル・インベストメントのコンポジット・コントラリアン指標 は、テクニカルマーケット指標やポジショニングシグナルおよ び投資家調査など、多くの指標を統合して算出されています。

世界の株式が 1日で10%下落した3月12日、同指標は非常に強 い"買い"シグナルを発しました。

コンポジット・コントラリアン指標

出所: ラッセル・インベストメント。2020年3月12日時点。投資家センチメントのコントラリアン指標は、市場参加者の多くがどの程度悲観的または楽観的 であるかを数値化したものです。

CVS投資プロセスが発信するシグナルは、慎重ながらよりリスクの高い資産に高いウェイトを置くものとなっています。株式のバリュエ ーションは、市場の大幅な下落を受けて改善し、目先は景気後退を予想しているものの、現在実施されている大規模な景気刺激策がサ イクルの見通しを支ええています。ラッセル・インベストメントのコンポジット・コントラリアン指数からは、投資家がパニックに陥り、大 挙して悲観的な見通しに傾倒したことが読み取れ、コントラリアン的な逆方向の見通しをサポートするものとなっています。

主な不確定要因として挙げられるのは、ウイルスの脅威がいつまで続くのか、そして、多くの国で行われている厳格な封じ込め対策が 緩和された際に、ウイルスが再度勢いを増すことはないのかということです。欧州及び米国では、一日の新規感染者数が低下し始めた 時に、金融市場が底打ちする可能性が高いと見ています。

パニック 高揚感 コントラリアン指標値(米国)

Over sold Overbought

2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 -4 – -3 – -2 – -1 – 0 – 1 – 2 – 3 – 4 –

-4 – -3 – -2 – -1 – 0 – 1 – 2 – 3 – 4 –

売られ過ぎ買われ過ぎ

(11)

資産クラスの選好

現在、新型コロナウイルス危機の打撃を最も被っている株式こそ、最終的な反発の恩 恵を最も享受する資産クラスになると見ています。地域別に見ると、英国およびユー ロ圏株式は割安感が認識され、特に欧州は景気敏感株が占める割合が高いため、市 場の回復時には他の地域をアウトパフォームする可能性があると見ています。

新興国株式もまた、やがて到来するであろう回復時に恩恵を享受すると考えていま す。足元で魅力的な割安水準にあるため、貿易戦争の緊張が緩和した際にも恩恵を 受ける地域と考えられます。

ハイイールド社債は、新型コロナウイルスのショックおよび原油価格の崩落を受け た売却により、足元のバリュエーションが非常に魅力的な水準にあると考えていま す。ハイイールド債券市場では、エネルギー関連企業が占める割合が高く、3月19日 時点における対米国債のイールドスプレッドは 900bps近くと高い水準となっていま す。この先、ウイルス禍がさらに拡大する場合、このスプレッドはさらに広がる可能性 があり、投資家がその機会を利用するかどうかを判断する際には、市場と流動性リス クにかなりの不確実性があることを考慮する必要もありますが、歴史的に見れば、こ の水準はハイイールド債のエクスポージャーを取得するのに良いエントリーポイン トとなってきました。

国債は、地域によらずおしなべて割高水準にあると考えています。今後、新型コロナ ウイルス危機が深刻化すれば、国債価格はさらに上昇すると考えられますが、ウイル ス禍が収束に向かい、景気回復が始まれば、アンダーパフォームするリスクがあると 見ています。

為替に関しては、新型コロナウイルス禍が収束し、経済の回復局面が始まれば、安全 通貨として米ドルに向かっていた資金の流れは巻き戻される可能性が高いと見てい ます。このため、大幅に減価し、第1四半期末時点で長期購買力平価対比で見る割安 感が著しく高まっていると判断されるオーストラリアドル、ニュージーランドドル、カ ナダドルおよび英国ポンドのような通貨を選好します。

(12)

当資料に関してご留意いただきたい事項

当資料グローバル・マーケット・アウトルックに記載されている業績見通し 等の将来に関する記述は、2020年3月24日時点の見通しであり、市場の動 向等に応じて随時変化する可能性があります。

当資料は、当社が信頼できると判断した情報に基づき作成しております が、その情報の正確性や完全性についてこれを保証するものではありま せん。

すべての投資は、投資元本の潜在的な損失を含め、リスクが伴います。通 常、収益率は均一ではなく、損失を被る可能性があります。あらゆるタイプ のポートフォリオ構築と同様に、リスクを軽減し、収益の向上を目指す際に は、特定時点で意図せずにリターンを低下させる可能性があります。

すべての投資と同様に、マルチアセット投資も収益の確保、または損失の 防止を保証するものではありません。

資本市場から獲得可能な将来の収益を正確に予想ができる分析モデル または分析モデルのグループは存在しません。 合理的な分析手法では、

金融市場の高揚感やパニックなど、極端な価格変動を予測することはで きません。ラッセル・インベストメントの分析モデルは通常のそして合理 的な金融行動の仮定に基づいており、 予測モデルは本質的に不確実であ り、さまざまな要因に基づいていつでも変更される可能性があり、不正確 な場合があります。ラッセル・インベストメントは、グローバルに分散され たポートフォリオの様々な要素の相対的関係を評価するにあたり、当モデ ルが最も有効な分析手段であると考えています。当モデルは時として特定 な市場要素(ファクター)をオーバー、もしくはアンダーウェイト、金融市場 の高揚感やパニックなど、極端な価格変動次に売買シグナルを発すること があります。これらの分析モデルによる、売買シグナルは市場タイミングの シグナルではありません。

当資料における予測は様々な分析データを使用し、市場価格やボリュー ムパターンを予測したものであり、株式市場または特定の投資に関する 予測を示しているものではありません。

グローバル、国際、または新興国市場への投資は、特定の国の政治的・経 済的状況や規制要件に大きく影響される可能性があります。米国以外の 市場への投資には、為替変動、政治的・経済的不安定性、会計基準の相 違、外国税のリスクが含まれます。このような有価証券には、流動性が乏し く、より変動性が大きい可能性があります。新興国や開発途上国市場への 投資には、一般的に多様性や成熟度が低い経済構造や、先進国に比べて 安定性の低い政治システムへのエクスポージャーが含まれます。

為替投資は、自国通貨か外国通貨かにかかわらず、通貨価値の変動を含 むリスクを伴います。また、外国投資に関連する収益率を向上、または減 少させることがあります。

米国以外の市場への投資には、為替変動、政治的・経済的不安定性、会計 基準の相違、外国税のリスクが含まれます。

債券投資は、金利、信用、債務不履行、デュレーション・リスクなどのリスク を慎重に吟味する必要があります。ボラティリティの増大、限定的な流動 性、期限前返済、不払い、債務不履行リスクの増加などのより大きなリスク は、ハイ・イールド(「ジャンク」)債やモーゲージ担保証券、またはサブプラ イム・モーゲージへのエクスポージャーを有するモーゲージ担保証券に投 資するポートフォリオに内在するものです。一般的に、金利が上昇すると、

債券価格は下落します。

米国の金利は歴史的な低水準、またはその近傍に位置しているため、金 利上昇に付随するリスクに対するファンドのエクスポージャーを増大させ る可能性があります。また、米国以外の国及び新興国市場の有価証券への

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フランク・ラッセル・カンパニーは、当資料におけるラッセルの商標および ラッセルの商標に関連するすべての商標権の所有者で、ラッセル・インベ ストメント グループの会社がフランク・ラッセル・カンパニーからライセン スを受けて使用しています。ラッセル・インベストメント グループの会社 は、フランク・ラッセル・カンパニーまたは「FTSE RUSSELL」ブランド傘下の 法人と資本的関係を有しません。ラッセル・インベストメント(米国)のホー ムページに掲載されている製品・サービスは、米国の居住者のみを対象と しています。

当資料は法律、税金、有価証券、投資アドバイス、投資の適切性に関する 意見、また勧誘を目的としたものではありません。当ウェブサイトに掲載さ れている一般的な情報は、ライセンスを受けた専門家から法律、税務、投 資に関する具体的なアドバイスを受けることなく実行されるべきではあり ません。

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ラッセル・インベストメント株式会社

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