第
106
期
報告書
平成28年4月1日〜平成29年3月31日 トップインタビュー P1 決算ハイライト P4 トピックス P5 会社概要 P9 株式の状況 P10 CONTENTS人
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トップインタビュー
「Step-up〜飛躍と拡大」をテーマとした第2次中期事 業計画の2年目である平成28年度は、売上高4,771億円 となり2期連続で過去最高を更新し、経常利益は213億円 と古紙価格の高騰等による原材料コストの上昇がありま したが、昨年度からほぼ横ばいの結果となりました。 事業別の取り組みにおいては、まず洋紙事業は、国内需 要の縮小が続く中、当社グループでは過去5年間、三島工 場の競争力を最大限に発揮するために、収益性の高い製 品への販売シフトという売り方の改革を継続して実行して第2次中期事業計画の2年目は
いかがでしたか。
また、最終年度はどのような計画で、
第3次中期事業計画に向けて
どのように取り組みますか。
になったと思います。今後も、売り方の見直しと収益向上 に繋がる高付加価値化をそれぞれの分野で進めていきま す。厳しい経営環境の中だからこそ、三島工場の強みが当 社の比較優位になると思いますし、その優位性を最大限発 揮できるよう、さらなる構造改革に取り組んでいきます。 次に、板紙・段ボール事業は、加工部門である大王パッ ケージ㈱に積極的な設備投資を行い、川下での製造力や 営業力を強化しながら、原紙部門とも連携し、段ボール分 野における高付加価値化を進め、競争力を強化してきまし た。板紙・段ボール事業は今後も成長する分野です。当社 はいかに川下を強化しながら、原紙部門を強くするかとい うことを常に志向し、競争力に一層磨きをかけていきます。 次に、ホーム&パーソナルケア事業ですが、衛生用紙事 業は、来年10月稼動予定で川之江工場に新マシンを建設 中です。これは国内事業におけるシェアトップのポジション平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
ここに当社グループの第106期(平成28年4月1日から平成29年3月31日
まで)の業績の概況等につきまして、ご報告申し上げます。
なお、当期の期末配当金につきましては、1株につき5円50銭(中間配当
金5円を含めて年間10円50銭)といたしました。
株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援とご協力を賜ります
ようお願い申し上げます。
平成29年6月
取締役社長佐光 正義
Q
Top Inter view 平成28年度 平成29年度 実績 見込み (当初計画) 売上高 (億円) 4,771 5,500 (5,000) 経常利益 (億円) 213 255 (250) 売上比 (%) 4.5 4.6 (5.0) 純有利子負債(億円) 2,551 2,830 (2,500) 自己資本比率 (%) 26.8 26.8 (28.0) ネットD/Eレシオ(倍) 1.4 1.5 (1.5) 第2次中期事業計画 日清紡ホールディングス㈱の紙製品事業は4月3日に、三 浦印刷㈱は4月18日に当社グループの一員となりました。 日清紡ホールディングス㈱の紙製品事業は、衛生用紙、 洋紙、紙加工、シールラベルの4事業があり、衛生用紙事 業については、コットンフィールなどブランド力のある商品 群をエリエールのラインナップに加えることにより多様化 する市場及び顧客ニーズに対応し、来年10月予定の川之 江工場新マシンが稼動した際には、さらなる相乗効果を発 揮させ、衛生用紙全カテゴリーシェアNo.1という目標を 早期に実現させます。また洋紙は、付加価値の高いファイ ンペーパーや合成紙を当社の新たなラインナップとする ことで洋紙事業の構造転換の取り組みを補強し、紙加工、 シールラベルも含め、当社のグループネットワークを最大 限活用することでシナジーを創出します。
日清紡ホールディングス㈱の紙製品事業、
三浦印刷㈱を子会社化しましたが、
その意図と今後の展望をお聞かせください。
海外市場での衛生用紙、吸収体製品の複合事業化を見据 えたものです。競争力のある三島工場から海外拠点に衛 生用紙原反を供給し、現地で加工・販売することで、国内 同様に多品種展開をしていく戦略です。一方、吸収体事業 のベビー用・大人用紙おむつやフェミニンケア用品につい ては、更に業界のポジションを高めていきます。海外では、 タイで昨年稼動したウェットティシューのマシンに続き、7 月には生理用ナプキンのマシンが稼動する予定です。中 国・インドネシアにおいても事業規模の拡大、複合事業化 に向けた設備投資を行っていきます。 また、三島工場では、前述の川之江工場の衛生用紙マ シン新設に加えて、黒液回収ボイラー新設、平判加工機の 増設、セルロースナノファイバーの乾燥設備の設置などの 設備投資を計画しています。積極的に設備投資をすること で、更に潜在的な競争力をも引き出し、比較優位の競争力 を生かして国内外で拡販する、という当社グループの成長 戦略に取り組んでいきます。 こうした成長戦略を着実に実行していくことで、第2次中 期事業計画の最終年度である29年度は、売上高5,500億 円、経常利益255億円(当初計画の売上高5,000億円、経 常利益250億円を達成)を見込んでおり、更には第3次、第 4次中期事業計画での一層の成長に繋げていきたいと考 えております。Q
トップインタビュー
Top Inter view 社員一人ひとりが能力を最大限発揮できるよう、27年 度より働き方改革を進めてきました。28年度は、より一層 社内に「働き方を変える」意識を定着させるため、私のメッ セージとともに「宣言」を出しました。宣言を出すことで、会 社の本気度も社内外に伝わっていると思います。 28年度は、ノー残業デーの徹底や年次休取得を積極 的に進めてきた結果、一般社員一人あたりの平均総労働「働き方改革宣言」を出しましたが、
どのように進めていきますか?
「働き方改革」を通じて創り出すもの ❶ 定時で帰宅すること(社員)が当たり前の風土をつくる。 ❷ 定時退社・年次休取得を通じて、生産性の高い仕事の 進め方を創りだす。 ❸ 社外で過ごす時間を増やすことで、「健康増進」「自己 成長のための能力開発」「新しい発想」につなげる。 主な取り組み内容 ● 週2回「ノー残業デー」の周知・徹底。 ● 19時までには退社し、朝型勤務を推奨。 ● 変形労働制や時差出勤などの制度の再周知と活用 促進。 ● 功績表彰の項目に「働き方改革の取り組み」を追加。 ● 夏季休暇以外に年間5日間以上の計画年次休取得の 推進。 ● 管理職を含めた、時間外労働時間及びノー残業デーの 実施率の社内公開。 ● 公募制の語学教室、通信教育の受講費用補助、MBA 取得費用支援 等。 ● 健康増進を目的に「スポーツクラブ」法人契約による利 用支援を実施。Q
一方、三浦印刷㈱は、ダイオープリンティング㈱との一 体運営により一層の売上・収益拡大を見込んでいます。ま た、創業86年の歴史と「カラーの三浦」と呼ばれるブランド 力や技術力、優良な顧客を有する営業力などのノウハウに 加えて、企画・校正などの前工程やWebサイトなどデジタ ル媒体に関する事業も拡充しており、ダイオープリンティ ング㈱とのシナジーを発揮することでさらなる業容拡大を 図ります。洋紙事業にとって製紙部門と印刷部門は不可分 の関係にあり、印刷事業の強化は洋紙事業の強化にも繋 がります。このような製紙と印刷の両輪で事業強化ができ るのは当社独自のビジネススタイルでもあります。 以上のとおり、日清紡ホールディングス㈱の紙製品事業、 三浦印刷㈱の子会社化はともに当社の事業戦略に合致し たものであり、これから相乗効果を出すようグループ一体と なって取り組んでまいります。 た。29年度は1,900時間を目標に取り組んでいきます。 また、管理職を含めた全社員を対象に進めていますので、 「早く帰ることが当たり前」の風土になってきていると思 います。 今後は、これまでの「意識を変える」ことに加え「会議の 運営を大きく見直す」「テレワークを導入する」など仕組み そのものを変え、働き方の選択肢を増やしていくことで改 革を更に進めていく考えです。決算ハイライト
Financial Highlights 25年度 26年度 27年度 28年度 売上高 (百万円) 430,055 450,239 474,077 477,140 営業利益 (百万円) 16,049 21,796 24,323 23,535 経常利益 (百万円) 11,257 21,784 21,259 21,347 親会社株主に帰属する 当期純利益 (百万円) 6,293 13,209 14,594 12,136 1株当たり当期純利益 (円) 51.52 93.48 100.15 83.28 総資産 (百万円) 646,113 652,745 656,310 657,747 純資産 (百万円) 119,253 164,495 174,820 191,079 1株当たり純資産 (円) 875.39 1,059.78 1,119.24 1,211.33 自己資本比率 (%) 17.0 23.7 24.9 26.8 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 (百万円) 450,239 430,055 25年度26年度 474,077 27年度 477,140 28年度 6,000 12,000 18,000 24,000 0 (百万円) (%) 0 1.5 3.0 6.0 4.5 21,784 11,257 2.6 2.6 4.8 4.8 25年度26年度 21,259 4.5 4.5 27年度 21,347 4.5 4.5 28年度 (%) 21,796 (百万円) 6,000 12,000 18,000 24,000 0 0 2.0 4.0 8.0 6.0 4.8 4.8 16,049 3.7 3.7 25年度26年度 24,323 5.1 5.1 27年度 23,535 4.9 4.9 28年度 51.52 51.52 93.48 93.48100.15100.15 83.28 83.28 26年度 25年度 27年度 0 4,000 8,000 12,000 16,000 (百万円) (円) 0 50 100 150 200 6,293 13,209 13,209 14,594 14,594 28年度 12,136 12,136 ●売上高 ●営業利益・営業利益率 ●経常利益・経常利益率 ● 親会社株主に帰属する当期純利益・ 1株当たり当期純利益日清紡ホールディングス㈱
から譲受けた
紙製品事業の概要
平成29年4月3日に、日清紡ホールディングス㈱の紙 製品事業を譲受けました。 この紙製品事業は、日清紡ペーパープロダクツ㈱、日 清紡ポスタルケミカル㈱、東海製紙工業㈱、大和紙工 ㈱、上海日豊工芸品有限公司の5社で構成されており、 衛生用紙、洋紙、紙加工、シールラベルの4事業があり ます。また、譲受日に、日清紡ペーパープロダクツ㈱は ダイオーペーパープロダクツ㈱、日清紡ポスタルケミカル ㈱はダイオーポスタルケミカル㈱に社名を変更しています。 ファインペーパー三浦印刷㈱の概要
公開買付により、平成29年4月18日に三浦印刷㈱が 当社子会社となりました。三浦印刷㈱は、カラーの三浦と してポスター・カタログ・POPなどの商業宣伝物を中心に 各種印刷物の製造販売を首都圏中心に行っています。ま た、クロスメディア化に対応する事業開発やWebサイト の製作・運用、自社開発の販促支援パッケージ「ミウラ の缶」、EC、キャンペーン、動画など、さまざまなプロ モーションでお客様のビジネスを支援しています。 Web系販促支援パッケージ 「ミウラの缶」 オンラインショップ 商業印刷物T
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トピックス サーマルリボン ラベル貼付け機 電飾用合成紙 船橋工場 衛生用紙 洋紙 シールラベル 紙加工 紙器 ダイカットBOX総工費 約12億円 生産品種 生理用ナプキン 営業運転開始時期 平成29年7月 設備の概要