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(1)

欧州同盟条約および欧州共同体設立条約を改定する リスボン条約(翻訳)(二)

著者 鷲江 義勝, 富川 尚, 菅沼 靖志, 久門 宏子, 山本 直

雑誌名 同志社法學

巻 60

号 4

ページ 305‑412

発行年 2008‑09‑30

権利 同志社法學會

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000011470

(2)

同志社法学 六〇巻四号 三〇五リスボン条約︵翻訳︶︵二︶

欧州同盟条約および欧州共同体設立条約を改定する リスボン条約︵翻訳︶ ︵二︶ 鷲 江 義 勝︵ 監 訳 ︶ 富 川 尚 菅 沼 靖 志 久 門 宏 子 山 本 直

 ︵一五六七︶

第二部   リスボン条約二条による改定を反 映した欧州同盟運営条約の全文の翻訳

欧州同盟運営条約 

前文︹修正︺

  ベルギー国王陛下︑ドイツ連邦共和国大統領︑フランス共和国

大統領︑イタリア共和国大統領︑ルクセンブルグ大女公殿下およ

びオランダ女王陛下は︑︵後に︑ブルガリア共和国︑チェコ共和国︑

デンマーク王国︑エストニア共和国︑アイルランド︑ギリシャ共 和国︑スペイン王国︑キプロス共和国︑ラトビア共和国︑リトアニア共和国︑ハンガリー共和国︑マルタ共和国︑オーストリア共和国︑ポーランド共和国︑ポルトガル共和国︑ルーマニア︑スロベニア共和国︑スロバキア共和国︑フィンランド共和国︑スウェーデン王国︑グレート・ブリテンおよび北部アイルランド連合王国が欧州同盟の加盟国になった︒︶

  欧州諸国民間のますます緊密化する同盟の基礎を確立すること

を決意し︑

  欧州を分断させている障壁を撤廃するために共同行動によって

これら諸国家の経済および社会的進歩を確保することを決意し︑

(3)

同志社法学 六〇巻四号 三〇六リスボン条約︵翻訳︶︵二︶

  これら諸国民の生活および労働条件を絶えず改善することを努

力の主要目的とすることを確認し︑

  既存の諸障害の撤廃には安定的拡大︑貿易の均衡および公正な

競争を保証するために協調行動が必要であることを認識し︑

 多様な地域間の格差およびより不利な条件にある地域の遅れを

縮小することによってこれら諸国の経済の一体性を強化すること

ならびに調和的発展を確保することを念願し︑

  共通通商政策により国際貿易における制限を漸次廃止すること

に貢献することを切望し︑

  国際連合憲章の原則に従って︑欧州と海外諸国とを結ぶ連帯を

確固たるものにすることを意図し︑かつ︑これらの繁栄の発展を

確保することを切望し︑

  資源の共同管理により平和および自由を保全ならびに強化する

ことを決意し︑理想を共にする他の欧州諸国民に対してこの努力

に加わることを呼びかけ︑

  教育への幅広い機会の付与および教育の継続的刷新によって諸

国民に可能な限り最高水準である知識の発達を促進することを決

意し︑ この目的のため︑次の全権委員を任命した︒

︵全権委員名簿省略︶

  これらの全権委員は︑互いにその全権委任状を示してそれが良

好妥当であると認められた後︑次の通り合意した︒

一部  原則

︵一条︶︹削除︺ 一条︵一a条︶︹新規︺

一.本条約は同盟の運営を体系づけ︑そして同盟の権能行使の分

野︑範囲設定および取り決めを決定する︒

二.本条約および欧州同盟条約が同盟を設立する条約となる︒こ

れら二つの条約は同等の法的価値を持ち︑双方合わせて﹁条約﹂

と表記する︒

︵二条︶︹削除︺

Ⅰ編  同盟の権能の範疇および分野︹新規︺

二条︵二A条︶︹新規︺

一.条約が特定の分野において同盟に排他的権能を授与している

場合︑同盟のみが法的に拘束力を持つ法を立法し採択すること

ができ︑加盟国は同盟によって権限が与えられるか同盟法の実

施のためにのみ法的に拘束力を持つ法を立法し採択することが

できる︒二.条約が特定の分野において同盟に加盟国と共有される権能を

授与している場合︑同盟および加盟国はその分野において法的

に拘束力を持つ法を立法し採択することができる︒加盟国は同

盟が権能を行使できない範囲内でその権能を行使する︒加盟国

は︑同盟がその権能の行使を中止することを決定した範囲内で

その権能を行使する︒

三.加盟国は︑本条約に定められた取り決めの範囲内でそれぞれ

の経済および雇用政策を調整し︑同盟はその取り決めを定める

機能を有する︒  ︵一五六八︶

(4)

同志社法学 六〇巻四号 三〇七リスボン条約︵翻訳︶︵二︶ 四.同盟は︑欧州同盟条約の規定に従い︑共通防衛政策の漸進的

枠組みを含む共通外交・安全保障政策を決定し︑かつ実施する

権能を有する︒

五.条約で規定された特定の分野および条件の下で︑同盟は加盟

国の活動を支援し︑調整し︑補足する活動を実施する権能を持

つが︑それによって同盟の分野における加盟国の権能を侵害す

るものではない︒

   これらの分野に関係する条約の規定に基づいて採択された法

的拘束力を持つ同盟の法は加盟国の法もしくは規制の調和化を

必要としない︒

六.同盟の権能の行使の範囲および取り決めはそれぞれの分野に

関係する条約の規定により決定される︒

三条︵二B条︶︹新規︺

一.同盟は以下の分野において排他的権能を有する︒⒜ 関税同盟⒝ 域内市場の運営に必要な競争法規の確立⒞ ユーロを通貨とする加盟国の通貨政策⒟ 共通漁業政策の下の海洋生物資源保護⒠ 共通通商政策

二.同盟は︑国際協定の締結が同盟の立法行為に規定されるか︑

あるいは同盟に域内の権能を行使できるようにさせるために必

要な場合︑もしくはその協定の締結が共通法規に影響を与える

かそれらの範囲を変更する可能性がある場合︑その国際協定の

締結にも排他的権能を持つ︒ 四条︵二C条︶︹新規︺

一.同盟は︑条約が三条および六条に言及された分野に関係しな

い権能を同盟に与える場合︑加盟国と権能を共有する︒

二.同盟と加盟国の間で共有される権能は以下の主要な分野に適

用される︒⒜ 域内市場⒝ 本条約により定められた側面に対する社会政策⒞ 経済的︑社会的および地域的結束⒟ 海洋生物資源保護を除く︑農業および漁業⒠ 環境⒡ 消費者保護⒢ 運輸⒣ 欧州横断ネットワーク⒤ エネルギー⒥ 自由︑安全および公正の分野⒦ 本条約により定められた側面に対する︑公衆衛生問題に関

する共通の安全

三.研究・技術開発および宇宙の分野において︑同盟はとくに計

画の策定ならびに実施に関して︑活動を実行する権能を有する

が︑その権能の行使は加盟国がそれらの権能を行使することを

結果的に妨げない︒

四.開発協力および人道援助の分野において︑同盟は活動を実行

し共通政策を行う権能を有するが︑その権能の行使は加盟国が

それらの権能を行使することを結果的に妨げない︒

 ︵一五六九︶

(5)

同志社法学 六〇巻四号 三〇八リスボン条約︵翻訳︶︵二︶

五条︵二D条︶︹新規︺

一.加盟国は同盟内においてそれぞれの経済政策を調整する︒こ

の目的のために理事会は措置︑特にこれらの広範な指針を採択

する︒

  特定の規定がユーロを通貨とする加盟国に対して適用され

る︒

二.同盟は︑特に各国の雇用政策の指針を策定することによって︑

加盟国の雇用政策の調整を確保する措置をとる︒

三.同盟は加盟国の社会政策の調整を確保する発議を行うことが

できる︒

六条︵二E条︶︹新規︺

  同盟は加盟国の行動を支援し︑調整し︑補足する行動を実行す

る権能を有する︒欧州レベルにおけるそれらの行動の分野は以下

の通りである︒⒜ 人間の健康の保護と改善⒝ 産業⒞ 文化⒟ 観光⒠ 教育︑職業訓練︑青年およびスポーツ⒡ 市民の保護⒢ 行政協力

Ⅱ編  一般適用規定︹新規︺

七条︵二F条︶︹新規︺   同盟は︑そのすべての目的を考慮するとともに権限の授与の原則に従って︑政策と活動の間の一貫性を確保する︒八条︵三条︶︹修正︺

 同盟は︑そのすべての活動において︑男女間の不平等を除去し︑

平等を促進することを目標とする︒

︵四条︶︹一一九条へ移動︺

︵五条︶︹欧州同盟条約五条に置き換え︺

九条︵五a条︶︹新規︺

  同盟の政策および活動の策定ならびに実施において︑同盟は︑

高水準の雇用の促進︑適切な社会的保護の保証︑社会的排除に対

する闘い︑および高水準の教育︑訓練ならびに人間の健康の保護

に関連する必要条件を考慮する︒

一〇条︵五b条︶︹新規︺

 政策および活動の策定ならびに実施において︑同盟は︑性別︑

人種もしくは民族的出自︑宗教もしくは信条︑身体的障害︑年齢

もしくは性的指向に基づく差別と戦うことを目的とする︒

一一条︵六条︶︹修正︺

  環境保護要件は︑特に持続可能な発展を促進するという観点に

立ち︑同盟の政策および活動の策定および実施に組み込まれなけ  ︵一五七〇︶

(6)

同志社法学 六〇巻四号 三〇九リスボン条約︵翻訳︶︵二︶ ればならない︒一二条︵六a条︶︹ニース一五三条二項から移動︺

  消費者保護要件は︑他の同盟の政策および活動を策定し︑実施

するにあたり︑考慮される︒

一三条︵六b条︶︹動物福祉の保護に関する議定書から移動およ

び修正︺  同盟の農業︑漁業︑運輸︑域内市場ならびに研究・技術開発お

よび宇宙政策を作成し︑実施するにあたり︑同盟および加盟国は︑

動物は知覚を持つ存在であるという理由から︑特に宗教的慣例︑

文化的伝統︑地域的遺産に関する加盟国の立法規定ならびに行政

規定および慣行を尊重しつつ︑動物福祉の要件を最大限考慮す

る︒

︵七条︶︹削除︺

︵八条︶︹削除︺

︵九条︶︹削除︺

︵一〇条︶︹削除︺

︵一一条︶︹欧州同盟条約二〇条および欧州同盟運営条約

三二六条から三二六条に置き換え︺

︵一一a条︶︹欧州同盟条約二〇条および欧州同盟運営条約三二六条から三二六条に置き換え︺

︵一二条︶︹一八条へ移動︺

︵一三条︶︹一九条へ移動︺

︵一四条︶︹二六条へ移動︺

︵一五条︶︹二七条へ移動︺

一四条︵一六条︶︹修正︺

  欧州同盟条約四条もしくは本条約九三条︑一〇六条および一

〇七条に抵触しない限りで︑また︑一般的経済利益サービスが︑

社会的および地域的な結束を促進する上での同盟の共有する価

値︑ならびにその役割に従事するサービスとして位置づけられ

ていることに鑑み︑同盟と加盟国は︑それぞれ︑その権限の範

囲内において︑また条約の適用範囲において︑その使命を果た

すことができるような原則や条件︑特に経済および財政的条件

の基盤の上に立って︑その役務が果たせるよう考慮すべきであ

る︒欧州議会および理事会は︑通常立法手続きに従い規則とい

う手段により︑加盟国の権能に抵触しない限りで︑条約に従い︑

これらの原則を確立し︑それらの経済的利益を与え︑執行し︑

かつそれに融資するための条件を設定する︒

 ︵一五七一︶

(7)

同志社法学 六〇巻四号 三一〇リスボン条約︵翻訳︶︵二︶

一五条︵一六A条︶︹ニース二五五条から移動および修正︺

一.良き統治を促進し︑市民社会の参加を確保するために︑同盟

の主要機関︑その他の機関︑部局および行政法人は可能な限り

公開性をもってその任務を遂行する︒

二.欧州議会は︑理事会が立法草案を審議し︑投票するときと同

様に︑公開で開催される︒

三.同盟のすべての市民︑加盟国内に居住もしくは登記された事

業所を持つすべての自然人もしくは法人は︑本項に従って規定

された原則と条件の下で︑媒体は何であれ同盟の主要機関︑そ

の他の機関︑部局および行政法人の公的記録を入手する権利を

有する︒

   公的記録を入手する権限を規律する公的もしくは私的利益に

基づく一般原則および制限は︑通常立法手続きに従い議決する

理事会によって規則という手段によって決定される︒

   各機関は︑その手続きの透明性を確認し︑二段で言及された

規則に従い各自の手続き規則の中に各機関の公的記録の入手に

関する特別な規定を設ける︒

  欧州同盟司法裁判所︑欧州中央銀行および欧州投資銀行は行

政的任務を執行する場合にのみ本項に従う︒

   欧州議会および理事会は二段で定められた規則に規定された

手段に従い︑立法手続に関する公的記録の公表を確保する︒

一六条︵一六B条︶︹ニース二八六条から移動および修正︺

一.何人も自己に関する個人情報の保護に対する権利を持つ︒

二.欧州議会および理事会は︑同盟の主要機関︑その他の機関︑ 部局および行政法人︑もしくは同盟法の範囲内に属する活動を実行する場合の加盟国による個人情報の保護に関する法規︑ならびにそのような情報の自由移動に関する法規を︑通常立法手続きに従い定める︒それらの法規の遵守は独立機関の統制に従う︒

   本条に基づいて採択された法規は欧州同盟条約三九条に規定

された特定の法規に抵触しないものとする︒

一七条︵一六C条︶︹新規︺

一.同盟は加盟国内の教会および宗教団体もしくは宗教集団の国

内法における地位を尊重し︑その地位を侵害しない︒

二.同盟は同様に信条に関わる組織および非宗教的組織の国内法

上の地位を尊重する︒

三.同盟はそれらの団体の一体性と特定の貢献を認め︑それら教

会ならびに組織と開かれた︑透明性のある︑定期的な対話を維

持する︒二部  差別撤廃と同盟の市民権︹置き換え︺

一八条︵一六D条︶︹ニース一二条から移動および修正︺

  条約の適用において︑条約に特別の規定がある場合を除き︑国

籍に基づくすべての差別は禁止される︒

  理事会は通常立法手続きに従って前記の禁止のための法規を定

めることができる︒

一九条︵一六E条︶︹ニース一三条から移動および修正︺  ︵一五七二︶

(8)

同志社法学 六〇巻四号 三一一リスボン条約︵翻訳︶︵二︶ 一.条約の他の規定を妨げることなく︑条約によって同盟に与え

られた権限内で︑理事会は︑特別立法手続きに従ってまた欧州

議会の同意を得た後に全会一致で︑性別︑人種もしくは民族的

出自︑宗教もしくは信条︑身体的障害︑年齢もしくは性的指向

に基づく差別と戦うために適当な行動をとることができる︒

二.一項に関わらず︑欧州議会および理事会は︑通常立法手続に

従い︑一項に言及されている目的の達成に貢献するために︑加

盟国の行動を支援する同盟の促進措置の基本的原則を︑加盟国

の法および行政規制全てのあらゆる調和化を除き︑採択するこ

とができる︒

二〇条︵一七条︶︹修正︺

一.ここに同盟の市民権を創設する︒加盟国の国籍を有するすべ

てのものは︑同盟市民とする︒同盟市民権は国家の市民権に追

加されるものであり︑それに取って代わるものではない︒

二.同盟市民は条約に規定された権利を享受するとともに義務に

も服する︒欧州市民はとりわけ以下の権利を持つ︒⒜ 全加盟国の領域内での自由な移動と居住の権利⒝ 加盟国の国民と同条件の下で︑欧州議会選挙および居住加

盟国の地方自治体選挙において投票し︑立候補する権利⒞ 国籍を持つ加盟国が代表部を設置していない第三国の領域

において︑当該加盟国国民と同条件で他の加盟国の外交およ

び領事当局の保護を享受する権利⒟ すべての条約言語で︑欧州議会に請願し︑欧州オンブズマ

ンに申し立て︑同盟の主要機関ならびに補助機関に意見を出 し︑それと同じ言語で返事を受ける権利

   これらの権利は条約およびそれによって採択された措置に定

められた条件および制限に従って行使される︒

二一条︵一八条︶︹修正︺

一.同盟のすべての市民は条約ならびに条約を実施するために採

択された措置に定める制限および条件に従って︑加盟国の領域

内を自由に移動し︑および居住する権利を有する︒

二.同盟による行動がこの目的を達成するために必要であり︑ま

た条約が必要な権限と規定していない場合︑理事会および欧州

議会は︑通常立法手続きに従って︑一項に言及された権利の行

使を容易にするために規定を採択することができる︒

三.一項に言及されたのと同様の目的のためであり︑かつ条約が

必要な権限を規定していない場合には︑理事会は特別立法手続

きに従い︑社会保障もしくは社会保護に関する措置を採択する

ことができる︒理事会は欧州議会に諮問した後に全会一致で議

決する︒二二条︵一九条︶︹修正︺

一.加盟国に居住する同盟の市民であって居住国の国民でないす

べてのものは︑その者が居住する加盟国の地方選挙において当

該国の国民と同一の条件の下に投票し立候補する権利を有す

る︒この権利は特別立法手続きに従って︑かつ欧州議会に諮問

した後︑全会一致により︑理事会によって採択された詳細な取

り決めに従って行使される︒この取決めは︑加盟国に特有の問

 ︵一五七三︶

(9)

同志社法学 六〇巻四号 三一二リスボン条約︵翻訳︶︵二︶

題と認められる場合には逸脱することができる︒

二.二二三条四項の規定およびその実施のために採択された規定

を害することなく︑加盟国に居住する同盟の市民であって居住

国の国民でないすべてのものは︑その者が居住する加盟国で欧

州議会の選挙に当該国の国民と同一の条件の下に選挙権および

被選挙権を有する︒この権利は特別立法手続きに従って︑かつ

欧州議会に諮問した後︑全会一致により︑理事会によって採択

された詳細な取決めに従って行使される︒この取決めは加盟国

に特有の問題と認められる場合には逸脱することができる︒

二三条︵二〇条︶︹修正︺

  同盟のすべての市民は︑その者が国籍をもつ加盟国が代表を設

置していない第三国の領域において︑いずれかの加盟国の外交機

関または領事当局による保護を当該国の国民と同一の条件の下で

受ける権利を有する︒加盟国は︑必要な規定を採択し︑かつこの

保護を確保するために必要な国際交渉を開始する︒

  理事会は︑特別立法手続きに従い︑欧州議会に諮問した後に︑

そのような保護を促進するのに必要な調整・協力措置を設定する

命令を採択することができる︒

二四条︵二一条︶︹修正︺

  欧州議会および理事会は︑通常立法手続きに従い規則という手

段で︑欧州同盟条約一一条の意味において発議する市民の属する

必要のある最小限の加盟国数を含む︑同条の意味の範囲内におい

て彼らが発議する上で必要な手続きと条件に関する規定を採択す る︒  同盟のすべての市民は二二七条に従って欧州議会に請願する権利を有する︒ 同盟のすべての市民は二二八条に従って設けられるオンブズマンに申し立てをすることができる︒  同盟のすべての市民は欧州同盟条約五五条一項に掲げられてい

る言語の一つで本条ならびに同条約一三条に言及されているいか

なる主要機関︑その他の機関︑部局および行政法人にも書面で訴

えることができ︑同じ言語で回答を得ることができる︒

二五条︵二二条︶︹修正︺

  委員会は︑欧州議会︑理事会および経済社会委員会に対して三

年ごとにこの部の規定の適応について報告する︒この報告は同盟

の発展を考慮に入れる︒

  この報告に基づき︑理事会は条約の他の規定を害することな

く︑特別立法手続きに従って︑かつ欧州議会の同意を得た後︑全

会一致により︑二〇条二項に列挙された権利を強化し︑またはそ

れに追加する規定を採択することができる︒これらの規定は加盟

各国の憲法上の要請に従って加盟国に承認された後発効する︒

三部  同盟政策および域内行動︹修正︺Ⅰ編  域内市場︹新規︺

二六条︵二二a条︶︹ニース一四条から移動および修正︺

一.同盟は︑条約の関連規定に従い︑域内市場の運営を確立し確

保する目的を持った措置を採択することができる︒  ︵一五七四︶

(10)

同志社法学 六〇巻四号 三一三リスボン条約︵翻訳︶︵二︶ 二.域内市場はモノ︑人︑サービスおよび資本の自由移動が条約

の規定に従って確保されるところの領域に︑境界のない地域を

作り上げる︒

三.理事会は委員会の提案に基づき︑すべての関係分野に均衡の

とれた進歩を確保するために必要な指針および条件を決定す

る︒

二七条︵二二b条︶︹ニース一五条から移動および修正︺

  委員会は︑二六条に定める目的を達成するための提案を作成す

るにあたり︑発展に違いのある国の経済が域内市場完成のために

払わなければならない努力の大きさを考慮に入れなければなら

ず︑かつ適当な規定を提案することができる︒

 これらの規定が逸脱の形態をとるときは︑それは一時的性格の

もので︑かつ域内市場の運営に与える障害が最小限のものでなけ

ればならない︒

Ⅱ編︵Ⅰa編︶  商品の自由移動

二八条︵二三条︶︹修正︺

一.本同盟は︑関税同盟を包含する︒この関税同盟は︑商品貿易

の全般にわたって適用され︑かつ輸入および輸出に関する関税

ならびにこれと同等の効果を有するすべての課徴金の同盟国間

での禁止と第三国に対する共通関税率の採用とを内容とする︒

二.本編の三〇条ならびに二章の規定は︑加盟国原産の産品およ

び加盟国内において自由流通状態にある第三国を積出地とする

産品に適用する︒ 二九条︵二四条︶

  第三国を積出地とする産品で︑輸入手続きが完了しており︑当

該加盟国において課される関税またはこれと同等の効果を有する

課徴金が徴収されており︑かつ関税または課徴金の全部または一

部の払い戻しを受けていないものは︑加盟国内において自由流通

状態にあるものとみなされる︒

一章  関税同盟

三〇条︵二五条︶

  輸入もしくは輸出に関する関税ならびにこれと同等の効果を有

する課徴金は加盟国間では禁止される︒この禁止はまた経理上の

関税にも適用される︒

三一条︵二六条︶

 共通関税率は︑委員会の提案に基づき理事会により決定され

る︒

三二条︵二七条︶︹修正︺

  委員会は︑本章の任務達成のため︑次の諸点に留意する︒⒜ 加盟国と第三国との間の貿易を促進する必要性⒝ 企業の競争力を増大させるような同盟内の競争条件の改善⒞ 原料ならびに半製品の供給を確保する同盟の必要性︒これ

との関係で委員会は完成品に関する加盟国間の競争条件を阻

害しないよう注意しなければならない︒⒟ 加盟国経済の深刻な混乱を避け︑同盟内の生産の合理的発

 ︵一五七五︶

(11)

同志社法学 六〇巻四号 三一四リスボン条約︵翻訳︶︵二︶

展と消費の拡大を確保する必要性

二章︵一a章︶  関税協力︹三部Ⅹ編から移動︺

三三条︵二七a条︶︹ニース一三五条から移動︺

 欧州議会および理事会は︑条約の適用の範囲内において︑通常

立法手続きに従い︑加盟国間および加盟国と委員会の間の関税協

力を強化するための措置をとる︒

三章︵二章︶  加盟国間の数量制限の禁止

三四条︵二八条︶

  輸入に関する数量制限ならびにこれと同等の効果を有するすべ

ての措置は︑加盟国間で禁止される︒

三五条︵二九条︶

  輸出に関する数量制限およびこれと同等の効果を有するすべて

の措置は加盟国の間で禁止される︒

三六条︵三〇条︶

 三四条および三五条の規定は︑公衆道徳︑公序もしくは公安︑

人間︑動物もしくは植物の健康および生命の保護︑美術的︑歴史

的もしくは考古学的価値のある国家的文化財の保護︑または工業

的および商業的所有権の保護の理由から正当化される輸入︑輸出

または商品通過に関する禁止または制限を妨げるものではない︒

ただし︑このような禁止または制限は︑恣意的な差別の手段また

は加盟国間の貿易に対する偽装された制限となってはならない︒ 三七条︵三一条︶

一.加盟国は︑加盟国国民間で商品の入手および売買条件に関す

る差別がないことを確保するために︑商業的性格をもつあらゆ

る国家的独占を調整する︒本条の規定は︑加盟国が︑それによ

って法律上または事実上︑直接的または間接的に︑加盟国間の

輸入または輸出を管理し︑統制し︑またはこれに相当の影響を

与えているすべての機関に適用される︒これらの規定は︑国家

が他に委任した独占にも適用される︒

二.加盟国は︑一項に掲げた原則に反するすべての新たな措置︑

または加盟国間の関税および数量制限の禁止に関する条文の適

用範囲を制限するすべての新たな措置を取ることを避けなけれ

ばならない︒

三.商業的性格を持った独占が農産物の販売または価格維持を容

易にするための取り決めを伴っている場合には︑本条に定める

法規の適用に当たっては関係生産者の雇用および生活水準に対

して同等の保証を確保する措置が取られなければならない︒

Ⅲ編︵Ⅱ編︶ 農業および漁業

三八条︵三二条︶︹修正︺

一.同盟は共通農業漁業政策を策定し実施する︒

   域内市場は農業︑漁業および農産物貿易に及ぶ︒農産物とは

農業︑牧畜業︑漁業の産品ならびにこれらの産品と直接関係の

ある第一次製品のことをいう︒農業政策もしくは農業に対する

言及︑および農業という用語の使用は本部門の特殊な性質を考

慮しつつ︑漁業に対しても言及されたものと理解される︒  ︵一五七六︶

(12)

同志社法学 六〇巻四号 三一五リスボン条約︵翻訳︶︵二︶ 二.三九条から四四条までに別段規定していない場合には︑域内

市場設立および運営のために規定する法規は︑農産物に対して

も適用される︒

三.三九条から四四条までの規定に該当する産品は︑付属文書Ⅰ

に列挙する︒

四.農産物に関する域内市場の運営および発展は︑共通農業政策

の設立を伴うものでなければならない︒

三九条︵三三条︶

一.共通農業政策の目的は︑以下の通りである︒⒜ 技術的進歩を促進することにより︑ならびに農業生産の合

理的発展および生産要素︑特に労働力の最善の利用を確保す

ることにより農業生産性を向上させること︒⒝ よって︑特に農業従事者の個人所得を増加させることによ

って農村社会における適正な生活水準を確立すること︒⒞ 市場を安定させること︒⒟ 供給物の安定を確保すること︒⒠ 供給物が消費者に適正価格で届くように確保すること︒

二.共通農業政策およびその適用に対して取られる特別の手段の

策定にあたり︑以下のことを考慮するものとする︒⒜ 農業の社会的構造ならびに︑それぞれ異なった農業地域間

の構造的および自然による不均衡から生じる農業活動の特殊

性⒝ 適切な調整を漸次行うことの必要性⒞ 加盟国において農業は経済全体と密接な関係を持つ部門で あること

四〇条︵三四条︶︹修正︺

一.三九条に定められた目的を達成するために農業市場に関する

共同組織を設立する︒

   この組織は︑当該産品により︑次のいずれかの形をとる︒⒜ 競争に関する共通の法規⒝ それぞれの各国内市場組織の間の強制的調整⒞ 欧州市場組織

二.一項に従い設立される共同組織は︑三九条に定められた目的

の達成のために必要なすべての措置︑とりわけ価格に関する規

則およびさまざまな産品の生産および販売に対する補助金なら

びに備蓄および繰越しの計画および輸出入の安定化のための共

同機構を含むことができる︒

  この共同組織は三九条に定められた目的の追求に限定され︑

同盟内の生産者や消費者の間のいかなる差別待遇をも排除す

る︒

   いかなる共通価格政策も共通の基準および一律の計算方法に

基づく︒三.一項に言及された共同組織がその目的を達成できるように︑

一またはそれ以上の農業指導保証基金を設立することができ

る︒四一条︵三五条︶

  三九条に定められた目的を達成するために︑共通農業政策の枠

 ︵一五七七︶

(13)

同志社法学 六〇巻四号 三一六リスボン条約︵翻訳︶︵二︶

内においては︑規定は以下の措置のために設けられる︒⒜ 職業訓練︑研究および農業知識の普及の領域における努力

の効果的な調整︒これには諸計画のもしくは諸機関の共同出

資が含まれうる︒⒝ ある産品の消費を促進するための共同措置

四二条︵三六条︶︹修正︺

  競争の法規に関する章の規定は︑欧州議会および理事会が︑四

三条二項の枠内で︑これらの規定に定められた手続きに従って︑

かつ︑三九条に定められた目的を考慮したうえで決定する範囲に

おいてのみ︑農産物の生産および取引に適用される︒

  理事会は︑委員会の提案に基づき︑以下の援助を与えることを

認めることができる︒⒜ 構造的および自然的条件によって不利な立場の企業を保護

するための援助⒝ 経済発展計画の枠内の援助

四三条︵三七条︶︹修正︺

一.委員会は︑四〇条一項に定めるいずれかの共同組織をもって

加盟国内の組織に替えることを含めて︑共通農業政策の策定お

よび実施ならびに本編に特に定める措置の実施に関する提案を

行う︒

   これらの提案は本編に言及される農業問題間の相互依存性を

考慮する︒

二.欧州議会および理事会は︑通常立法手続きに従って︑経済社 会委員会と協議した後︑四〇条一項に規定された農業市場の共同組織を創設し︑および共通農業政策ならびに共通漁業政策の目的の追求に必要な他の規定を制定する︒三.理事会は︑委員会の提案に基づき︑価格設定︑課徴金︑補助

金および量的制限ならびに漁業機会の設定と割り当てに関する

措置を採択する︒

四.次の場合︑加盟国内の市場組織は本条二項に従い︑四〇条一

項に規定する共同組織に替えることができる︒⒜ この措置に反対し︑問題となっている産品についての国内

組織を有している加盟国に対して︑共同組織が︑可能な調整

および経過に応じて必要とされる専門化を考慮して︑関係生

産者の雇用および生活水準に対する同等の保証を与える場

合︒⒝ 共同組織が︑同盟内の貿易に対し︑加盟国国内市場にある

条件と同様の条件を確保する場合︒

五.ある原料に関する共同組織が︑その原料の加工産品に関する

共同組織が創られる前に設立される場合︑第三国に対する輸出

に充てられる加工産品のために使われる当該原料は︑同盟以外

から輸入することができる︒

四四条︵三八条︶

  加盟国においてある産品が国際市場組織の管理下にあるか︑ま

たはそれと同様の効果を持ち︑他の加盟国における同種の産品の

競争的立場に影響を及ぼす国内法規の適用下にある場合で︑その

加盟国が輸出に対して相殺課徴金を適用していないときには︑そ  ︵一五七八︶

(14)

同志社法学 六〇巻四号 三一七リスボン条約︵翻訳︶︵二︶ のような組織もしくは法規を有する加盟国からの当該産品の輸入に対して他の加盟国によって相殺課徴金がかせられる︒  委員会はこれらの課徴金の額を︑均衡を回復するために必要な程度に定める︒委員会はまた︑自らの定める他の措置︑条件および細目を公式に適用することができる︒Ⅳ編︵Ⅲ編︶  人︑サービスおよび資本の自由移動一章  労働者

四五条︵三九条︶︹修正︺

一.労働者の自由移動は同盟内において確保される︒

二.この自由移動は︑雇用︑報酬およびその他の労働・雇用条件

に関して︑加盟国の労働者間の国籍に基づくあらゆる差別待遇

の撤廃を意味する︒

三.自由移動は︑公序︑公共の安全および公衆衛生を理由として

正当化される制限を留保して︑以下の権利を含む︒⒜ 実際に提供されている仕事に応募する権利⒝ この目的のために︑加盟国の領域内を自由に移動する権利⒞ いずれかの加盟国の労働者の雇用を規制する法︑規制もし

くは行政行為に従って労働する目的で︑その国に滞在する権

利⒟ 委員会が定める規則に規定される条件に従い︑ある加盟国

で雇用が終了した後︑その国の領域内にとどまる権利

四.本条の規定は︑公共機関における雇用については適用しない︒

四六条︵四〇条︶︹修正︺   欧州議会および理事会は︑通常立法手続きに従って︑経済社会

委員会と協議した後︑四五条に定めるような労働者の自由移動を

実現させるために必要な措置を講じる命令または規則を定め︑そ

れは特に次のような手段による︒⒜ 各加盟国の国内雇用機関の間の密接な協力を確保すること⒝ 国内立法もしくは従来より加盟国間で締結されている協定

に基づく︑行政上の手続きおよび慣行︑ならびに就職資格の

獲得期間で︑その維持が労働者の自由移動を妨げているもの

を撤廃すること⒞ 国内立法もしくは従来より加盟国間で締結されている協定

によって定められたすべての資格獲得期間およびその他の制

限で︑雇用の自由な選択について他の加盟国の労働者に対し

課している条件が自国の労働者に対する条件とは異なるもの

を撤廃すること⒟ 各地方および各産業における生活水準および雇用水準に対

する重大な危機を避けるような方法で︑雇用の提供と応募を

結びつけ︑労働市場における供給と需要の均衡を容易にする

ための適当な機構を設立すること︒

四七条︵四一条︶

  加盟国は︑共同計画の枠内において︑青年労働者の交流を促進

する︒

四八条︵四二条︶︹修正︺

  欧州議会および理事会は︑通常立法手続きに従い︑社会保障の

 ︵一五七九︶

(15)

同志社法学 六〇巻四号 三一八リスボン条約︵翻訳︶︵二︶

分野において労働者に移動の自由を与えるために必要な措置を採

択し︑この目的のため︑被雇用および自営の移民労働者ならびに

その扶養家族に対し次のことを保証する︒⒜ 社会保障の給付を受ける権利を取得または保持する目的

で︑かつ︑その給付額を算定する目的で︑各国の国内法の下

で考慮されるすべての期間を合計すること⒝ 加盟国の領域内に居住する者に対し社会保障の給付を与え

ること

  一段で言及された立法草案がその範囲︑費用もしくは財政構造

を含む社会保障体制の重要な側面に影響を与えるか︑もしくはそ

の体制の財政的均衡に影響を与えると理事会の構成員が宣言した

場合︑その問題を欧州理事会に付託することを要請することがで

きる︒その場合通常立法手続きは一時停止される︒審議した後︑

欧州理事会は一時停止している四ヶ月以内に次のどちらかを行

う︒⒜ 草案を理事会に差し戻し︑理事会は通常立法手続きの一時

停止を終了する︒もしくは︑⒝ なんらの行動もとらないか︑委員会に新たな提案を提出す

ることを要請する︒その場合︑先に提案されていた法案は採

択されなかったものと見なす︒

二章  営業の権利

四九条︵四三条︶

  以下に定める規定の枠内で︑いずれかの加盟国の国民の他の加

盟国の領域における営業の自由に対する制限は禁止する︒この禁 止は︑いずれかの加盟国の領域に居住するいずれかの国民による代理店︑支店または子会社の設立に対する制限にも適用する︒  営業の自由は︑自営業活動を開始および継続する権利︑ならびに企業︑特に五四条二段で意味する会社を設立および経営する権利を含むものとし︑それは営業がなされる国の法律によってその国の国民のために定められる条件に従い︑かつ資本に関する章の規定に服する︒五〇条︵四四条︶︹修正︺

一.特定の活動における営業の自由を実現するために欧州議会お

よび理事会は︑通常立法手続きに従って︑かつ経済社会理事会

と協議した後︑命令によって議決する︒

二.欧州議会︑理事会および委員会は︑前記の規定に基づき課さ

れた義務を︑特に以下のことを行うことによって遂行する︒⒜ 一般的に︑営業の自由が生産および貿易の発展に特に有益

な貢献をなすような活動に対して優先的待遇を与えること⒝ 同盟内における各種の関係活動の特殊状況を知るために︑

各加盟国の管轄権を有する当局の間の緊密な協力を確保する

こと⒞ 国内規則もしくは従来より加盟国間で締結されている協定

に基づく︑行政上の手続きおよび慣行で︑その維持が営業の

自由を妨げているものを撤廃すること⒟ 他の加盟国の領域で雇用されているある加盟国の労働者

が︑自営業を開始しようとする時点で︑その国に入国する際

に要求される条件を満たしている場合は︑自営業活動を開始  ︵一五八〇︶

(16)

同志社法学 六〇巻四号 三一九リスボン条約︵翻訳︶︵二︶ する目的でその国にとどまることができるよう保障すること⒠ 三九条二項に反しない限り︑ある加盟国の国民が他の加盟国の土地および建物を獲得および利用できるにすること⒡ 加盟国の領域内における代理店︑支店および子会社の設立の条件に関して︑ならびに代理店︑支店および子会社の経営および監督といった地位への本店従業者の参加の条件に関して︑考慮される活動のすべての分野において︑営業の自由に対する制限の漸進的撤廃を実現すること⒢ 五四条後段で意味する会社の従業員およびその他の者の利益を保護するために加盟国が必要とする保障を︑そのような保障を同盟のすべてで等しくするために︑必要な範囲で調整

すること⒣ 営業の条件が加盟国の与える援助によってゆがめられない

よう保障すること

五一条︵四五条︶︹修正︺

  偶発的な場合であっても︑加盟国の公権力の行使に関与する活

動は︑当該加盟国に関しては︑本章の規定の適用から除外される︒

  欧州議会および理事会は︑通常立法手続きに従って︑一定の活

動を本章の規定の適用から除外することができる︒

五二条︵四六条︶︹修正︺

一.本章の規定およびこの規定に基づいてとられる措置は︑公序︑

公共の安全および公衆衛生を理由としてとられる外国人に対す

る特別な取扱いを定める法︑規制もしくは行政行為の実施を害 するものではない︒二.欧州議会および理事会は︑通常立法手続きに従って︑前記の

規定を調整するための命令を発する︒

五三条︵四七条︶︹修正︺

一.個人が自営業活動を開始および継続することを容易にするた

めに︑欧州議会および理事会は︑通常立法手続きに従って︑卒

業証書︑免許状︑およびその他の公式の資格証明書の相互承認

のための︑さらに自営業者としての活動を開始および従事する

ことに関する加盟国の法︑規制もしくは行政行為に定められる

規定の調整のための命令を発する︒

二.医療およびそれに類似する職業︑または薬剤業の場合には︑

制限の漸進的撤廃は︑各加盟国における実施条件の調整によ

る︒五四条︵四八条︶︹修正︺

  加盟国の法律に基づいて設立され︑かつ定款上の本店︑管理の

中心もしくは主たる営業所を同盟内に有する会社は︑本章の目的

上︑加盟国の国民たる自然人と同様に扱われる︒

  会社とは︑協同組合を含む民法または商法に基づく会社︑およ

び公法または私法に基づくその他の法人を意味する︒ただし︑営

利を目的としないものは除く︒

五五条︵四八a条︶︹ニース二九四条から移動および修正︺

  加盟国は︑条約の他の規定の適用に抵触しない限りで︑五四条

 ︵一五八一︶

(17)

同志社法学 六〇巻四号 三二〇リスボン条約︵翻訳︶︵二︶

にいう会社への資本参加に関して︑他の加盟国の国民にも自国の

国民と同じ待遇を与える︒

三章  サービス

五六条︵四九条︶︹修正︺

  以下の規定の枠内で︑同盟内におけるサービスの提供の自由に

対する制限は︑サービスの対象となる人の属する国以外の加盟国

に居住する加盟国国民に関して禁止される︒

  欧州議会および理事会は︑通常立法手続きに従い︑サービスを

提供し︑かつ同盟内に居住する第三国の国民にも︑本章の規定を

拡大することができる︒

五七条︵五〇条︶︹修正︺

  商品︑資本および人の自由移動に関する規定により規制されな

い限り︑通常報酬を目的として提供されるサービスを条約にいう

サービスとみなす︒

  サービスは︑特に次のものを含む︒⒜ 工業的性格の活動⒝ 商業的性格の活動⒞ 職人的な活動⒟ 自由職業の活動   営業の権利に関する章の規定に抵触しない限りで︑サービスを

提供する者は︑サービス提供のため︑サービスの提供が行われる

加盟国において︑その国が自国の国民に課している条件と同じ条

件で︑一時的に自己の活動を行うことができる︒ 五八条︵五一条︶

一.輸送に関するサービスの提供の自由は︑輸送に関する編の規

定に規制される︒

二.資本の移動に関連する銀行および保険のサービスの自由化は︑

資本の移動の自由化と調和して遂行される︒

五九条︵五二条︶︹修正︺

一.特定のサービスの自由化を達成するために︑欧州議会および

理事会は︑通常立法手続きに従い︑経済社会委員会と協議した

後に︑命令を発する︒

二.一項に言及された命令は︑一般に︑生産費に直接影響するよ

うなサービスもしくはモノの貿易を促進するような自由化を優

先的に対象とする︒

六〇条︵五三条︶︹修正︺ 

  加盟国は︑自国の一般的経済状況および経済部門の状況が許す

場合には︑五九条一項を適用して発せられる命令が求める義務以

上に︑サービスの自由化を行う努力をする︒

 委員会は︑この目的のために当該加盟国に対して勧告を行う︒

六一条︵五四条︶

  サービスの提供の自由に対する制限が撤廃されない間は︑各加

盟国は︑この制限を︑五六条一段で意味するサービスを提供する

すべての者に対し︑国籍もしくは居住による差別をせずに適用す

る︒  ︵一五八二︶

(18)

同志社法学 六〇巻四号 三二一リスボン条約︵翻訳︶︵二︶ 六二条︵五五条︶

  五一条から五四条の規定は︑本章で規制する事項にも適用され る︒四章  資本および支払い

六三条︵五六条︶

一.本章に設けられた規定の枠内において︑加盟国間および加盟

国と第三国との間の資本の移動に関するすべての制限は禁止さ

れる︒

二.本章に設けられた規定の枠内において︑加盟国内および加盟

国と第三国との間の支払いに関するすべての制限は禁止され

る︒

六四条︵五七条︶︹修正︺

一.六三条の規定は︑不動産への投資を含む直接投資︑設立︑金

融サービスの提供︑もしくは資本市場に対する有価証券の参入

を含む第三国向けまたは第三国からの資本の移動に関して採択

された国内法もしくは同盟法の下で一九九三年一二月三一日の

時点で存在するあらゆる制限を第三国に適用することを妨げな

い︒

二.加盟国と第三国との間の資本の自由移動を最大限可能な範囲

まで実現するという目的を達成するために努力を払いつつ︑か

つ︑条約の他の章を侵害することなく︑欧州議会および理事会

は︑通常立法手続きに従い︑不動産への投資を含む直接投資︑

設立︑金融サービスの提供︑もしくは資本市場に対する有価証 券の参入を含む第三国向けまたは第三国からの資本の移動についての措置を採択する︒

三.二項に関わらず︑特別立法手続きに従い︑欧州議会に諮問し

た後︑第三国向けまたは第三国からの資本の移動の自由化に関

する同盟法における後退となるような措置を︑理事会のみが︑

全会一致で採択することができる︒

六五条︵五八条︶︹修正︺

一.六三条の規定は以下の諸点における加盟国の権利を侵害しな

い︒⒜ 納税者の住所もしくは納税者の資本が投資された場所に関

して︑同じ状況にない納税者を区別する加盟国の税法の関連

規定を適用すること⒝ 国内法および規制違反を防止するために︑特に税制および

金融機関の慎重な監督の分野における違反を防止するために

必要なあらゆる措置をとること︑または行政的もしくは統計

的な情報を目的として︑資本移動についての申告のための手

続きを規定すること︑または公序もしくは公的安全のために

正当化される措置をとること

二.本章の規定は︑条約と両立する営業の権利に対する制限の適

用を損なうことはない︒

三.一項および二項に定められた措置および手続きは︑六三条で

定義された資本と支払いの自由移動に関する恣意的な差別手段

もしくは偽装的な制限を構成するものではない︒

四.六四条三項に従った措置がない場合には委員会が︑もしくは

 ︵一五八三︶

(19)

同志社法学 六〇巻四号 三二二リスボン条約︵翻訳︶︵二︶

当該加盟国の要求があってから三ヶ月以内に委員会の決定がな

い場合には理事会が︑加盟国によって採択された一ヶ国以上の

第三国にかかわる制限的租税措置が同盟の目的のいずれかによ

って正当化される限り︑条約と両立が可能であると考えられ︑

なおかつ域内市場の適切な運営とも両立可能であると考えられ

ると表明する決定を採択することができる︒理事会は加盟国に

よる申請については全会一致で議決する︒

六六条︵五九条︶

  例外的状況において第三国へのもしくは第三国からの資本の移

動が経済通貨同盟の運営に対する深刻な困難の原因になるかもし

くは原因になるおそれがある場合︑理事会は︑委員会からの提案

に基づき︑欧州中央銀行と協議した後に︑六ヶ月を超えない期間

で第三国に関する保護措置を︑それらの措置が厳密に必要とされ

た時に︑取ることができる︒

︵六〇条︶︹七五条へ移動︺

Ⅴ編︵Ⅳ編︶  自由︑安全および公正の分野︹修正︺一章  一般規定︹新規︺

六七条︵六一条︶︹ニース欧州同盟条約二九条を置き換えおよび

修正︺

一.同盟は基本権および各加盟国の異なった法体系と伝統を尊重

しつつ︑自由︑安全および公正の分野を確立する︒

二.同盟は加盟国間の連帯に基づいて人に関する域内国境管理が 存在しないことを確保し︑亡命者庇護︑移民および域外国境管理に関する共通政策を形成する︒このことは第三国国民に対しても公正に適用される︒本編の目的を果たすため国籍を持たない人は第三国国民として処遇される︒三.同盟は︑犯罪︑人種差別︑外国人排斥を防止しそれらと戦う

措置を通して︑警察・司法当局ならびにその他の管轄権を有す

る当局間の調整と協力に関する措置を通して︑刑事問題におけ

る判決の相互承認を通して︑および必要な場合は刑法の接近を

通して︑高水準の安全を確保する努力を行う︒

四.同盟は︑特に民事問題における司法上および司法外の決定の

相互承認の原則を通して司法への接近を促進させる︒

六八条︵六一A条︶︹新規︺

  欧州理事会は自由︑安全および公正の分野における立法および

運用計画のための戦略的指針を策定する︒

六九条︵六一B条︶︹新規︺

 国内議会は︑補完性の原理ならびに比例性の原理の適用に関す

る議定書に規定された取り決めに従って︑四章および五章の下で

提出された提案および法的発議が︑補完性の原理と両立している

ことを確保する︒

七〇条︵六一C条︶︹新規︺

  二五八条︑二五九条および二六〇条に抵触しないかぎり︑理事

会は︑委員会の提案に基づき︑特に相互承認の原則の完全な適用  ︵一五八四︶

(20)

同志社法学 六〇巻四号 三二三リスボン条約︵翻訳︶︵二︶ を促進するために︑加盟国が委員会と協同で加盟国の当局による本編に言及された同盟政策の実施に対する客観的かつ公正な評価を行うという取り決めを規定する措置を採択することができる︒

欧州議会および国内議会はその評価の内容および結果について通

知される︒

七一条︵六一D条︶︹ニース欧州同盟条約三六条を置き換えおよ

び修正︺

  常設委員会が︑域内安全の運用上の協力が同盟内で進められ強

化されることを確保するために︑理事会内に設立される︒当委員

会は︑二四〇条に抵触しない限りで︑加盟国の管轄権を有する当

局の活動の調整を促進する︒関係する同盟の機関︑部局および行

政法人の代表は当委員会の手続きに参加することができる︒欧州

議会および国内議会はその手続きに関する情報提供を確保され

る︒

七二条︵六一E条︶︹ニース六四条一項を置き換え︺

  本編は法および秩序の維持ならびに国内の安全の保護のために

加盟国に課された責任の遂行に影響を与えるものではない︒

七三条︵六一F条︶︹新規︺

  国家の安全を守る責任を担う加盟国の行政組織内の管轄権を有

する省庁の間で︑適切であると加盟国が考えるような協力および

調整の枠組みを︑加盟国間で︑かつそれらの責任において組織す

ることは加盟国に開かれている︒ 七四条︵六一G条︶︹ニース六六条を置き換えおよび修正︺

  理事会は︑本編の対象となる分野において︑加盟国の関係省庁

と委員会の間と同様に︑加盟国の関係省庁との間で行政協力を確

保する措置を採択する︒理事会は︑七六条に従い委員会の提案に

基づき︑欧州議会に諮問した後に︑議決する︒

七五条︵六一H条︶︹ニース六〇条から移動および修正︺

  テロリズムおよびそれと関連する活動の防止およびそれらとの

戦いに関して︑六七条に設定された目標の達成に必要な場合︑欧

州議会および理事会は︑通常立法手続きに従い規則という手段

で︑自然人︑法人︑団体もしくは非国家主体に所属︑所有もしく

は保持されている基金︑資産または経済的利得を凍結するなどの

資本の移動および支払いに関する行政措置の枠組みを策定する︒

 理事会は︑委員会の提案に基づき︑一段に言及された枠組みを

実施するための措置を採択する︒

  本条で言及される法には法的保護に関する必要規定も含まれ

る︒

七六条︵六一I条︶︹新規︺

  四章および五章で言及される法はこれらの章で取り扱われる分

野の行政協力を確保する七四条で言及される措置とともに以下に

基づいて採択される︒⒜ 委員会からの提案︑もしくは⒝ 加盟国の四分の一の発議

 ︵一五八五︶

(21)

同志社法学 六〇巻四号 三二四リスボン条約︵翻訳︶︵二︶

二章  国境検問︑亡命者庇護および移民に関する政策︹新規︺

七七条︵六二条︶︹修正︺

一.同盟は以下の観点から政策を展開させる︒⒜ 域内国境を越える場合︑国籍に関わらず︑人に対するいか

なる統制も行われないことの確保⒝ 域外国境を越える人に対する検問と効率的な監視⒞ 域外国境に対する統合管理体制の段階的導入

二.一項の目的を果たすために︑欧州議会および理事会は︑通常

立法手続きに従い︑以下に関する措置を採択する︒⒜ 査証およびその他の短期滞在許可に関する共通政策⒝ 域外国境を越える人が対象となる検問⒞ 第三国の国民が短期間同盟内を旅行する自由を持つに際し

ての条件⒟ 域外国境での統合管理体制の段階的確立に必要な措置⒠ 域内国境を越える場合︑国籍に関わらず︑人に対するいか

なる統制も行われないこと

三.同盟による行動が二〇条二項⒜に言及された権利の行使の促

進に必要であると証明された場合︑および条約が必要な権限を

付与していない場合︑理事会は︑特別立法手続きに従い︑旅券︑

身分証明証︑居住許可もしくは他のすべての同様の公的文書に

関する規定を採択することができる︒理事会は欧州議会に諮問

した後︑全会一致で議決する︒

四.本条は︑国際法に従って︑加盟国の国境の地理的確定に関す る加盟国の権能に影響を与えない︒七八条︵六三条︶︹ニース六三条一項および二項に一目および二目をそれぞれ置き換えおよび修正︑ならびにニース六四条二項から移動および修正︺

一.同盟は︑国際的保護を必要としているすべての第三国国民に

適切な地位を付与し︑ノンルフールマン原則の遵守を確保する

ために亡命者庇護︑補助的保護および一時的保護に関する共通

政策を展開させる︒この政策は一九五一年七月二八日のジュネ

ーブ協定および難民の地位に関する一九六七年一月三一日の議

定書ならびにその他の関連条約に従わなければならない︒

二.一項の目的を果たすために︑欧州議会および理事会は︑通常

立法手続きに従い︑以下のことを含む欧州共通亡命者庇護制度

のための措置を採択する︒⒜ 同盟内全域に有効な︑第三国国民に対する亡命者庇護の統

一的な地位⒝ 欧州亡命者庇護を得てはいないが︑国際的保護を必要とし

ている第三国国民に対する補助的保護の統一的な地位⒞ 大規模な流入が生じた場合の避難民の一時的な保護の共通

の体制⒟ 亡命者庇護の統一的地位もしくは補助的保護の統一的な地

位を付与および剥奪するための共通の手続き⒠ 亡命者庇護もしくは補助的保護の適用を考慮する責任を持

つ加盟国を決定するための基準と機構⒡ 亡命者庇護もしくは補助的保護の申請者の受け入れ条件に  ︵一五八六︶

(22)

同志社法学 六〇巻四号 三二五リスボン条約︵翻訳︶︵二︶ 関する基準⒢ 亡命者庇護もしくは補助的保護あるいは一時的保護を申請する人々の流入を管理する目的のための第三国との協働ならびに協力

三.一ヶ国以上の加盟国が第三国国民の突然の流入に性格づけら

れる緊急事態に直面している場合は︑理事会は︑委員会からの

提案に基づき︑関係加盟国のために緊急措置を採択することが

できる︒理事会は欧州議会に諮問した後に議決する︒

七九条︵六三a条︶︹ニース六三条三目および四目を置き換えお

よび修正︺

一.同盟は︑すべての段階において︑移民の流れの効率的な管理︑

加盟国に合法的に居住する第三国国民の公正な処遇︑および不

法移民と人身売買の防止ならびにそれらとの戦いのための強化

措置を確保するという目的を持った共通移民政策を展開する︒

二.一項の目的を果たすために︑欧州議会および理事会は︑通常

立法手続きに従って︑以下の分野の措置を採択する︒⒜ 家族の再会を目的とするものも含めた︑入国および居住の

条件ならびに加盟国が給付する長期査証および居住許可の基

準⒝ 移動もしくは他の加盟国への居住の自由を規律する条件を

含む︑加盟国における第三国国民の合法的居住の権利の策定⒞ 許可を得ていない居住者の移転と本国への送還を含む︑不

法移民と無許可居住⒟ 人身売買とりわけ女性と子供の売買との戦い 三.同盟は︑加盟国の領域に入国︑滞在もしくは居住する条件を

満たさないあるいは満たさなくなった第三国国民の出身もしく

は由来国への送還に関する第三国との協定を締結することがで

きる︒四.欧州議会および理事会は︑通常立法手続きに従い︑加盟国領

域に合法的に居住する第三国国民の統合を目指す加盟国の行為

に対する動機付けおよび支援を提供する措置を確立することが

できる︒ただし加盟国の法および規制のいかなる調和化もこの

措置に含まれない︒

五.本条は︑被雇用者あるいは自営者に関わらず︑職を求めて加

盟国領域に第三国から来る第三国国民の入国者の数を決定する

加盟国の権利に影響を与えるものではない︒

八〇条︵六三b条︶︹新規︺

 本章に設定された同盟の政策およびその実施は︑財政的な意味

合いも含めて︑加盟国間の連帯および責任の公正な分担の原則に

よって規律される︒本章に従って採択された同盟の法は︑必要な

場合はいつでも︑この原則を有効にする適切な措置を含む︒

︵六四条︶︹一項は七二条に置き換え︑二項は七八条三項

へ移動および修正︺

三章  民事における司法協力︹新規︺

八一条︵六五条︶︹修正︺

一.同盟は︑判決および司法外事件における決定の相互承認の原

 ︵一五八七︶

(23)

同志社法学 六〇巻四号 三二六リスボン条約︵翻訳︶︵二︶

則に基づき︑国境を越える性質を持つ民事における司法協力を

展開する︒そのような協力は︑加盟国の法および規制の接近の

ための措置の採択を含むことができる︒

二.一項の目的を果たすために︑欧州議会および理事会は︑通常

立法手続きに従って︑特に域内市場の適切な運営に必要な場

合︑以下のことを確保する目的の措置を採択する︒⒜ 判決および司法外事件における決定の加盟国間での相互承

認および相互施行⒝ 司法および司法外の公的文書の国境を越えるサービス⒞ 法と司法権の抵触に関わる加盟国で適用できる法規の互換

性⒟ 証拠の取得における協力⒠ 司法に対する効果的接近⒡ 必要な場合は︑加盟国で適用されうる民事手続きに関する

法規の互換性を高めることによる民事手段の適切な運用に対

する障害の除去⒢ 紛争の解決の代替手段の開発⒣ 裁判所および司法関係者の修習に対する支援

三.二項に関わらず︑国境を越える性質を持つ家族法に関する措

置は︑理事会によって︑特別立法手続きに従って制定される︒

理事会は︑欧州議会に諮問した後に︑全会一致で議決する︒

   理事会は︑委員会からの提案に基づき通常立法手続きによっ

て採択された法の目的となりうる︑国境を越える性質を持つ家

族法の諸側面を規律する決定を︑採択することができる︒

   二段で言及された提案は国内議会に告知される︒一国内議会 でもその告知の日から六ヶ月以内に反対の意見を表明した場合︑その決定は採択されない︒反対がない場合︑理事会はその決定を採択することができる︒

︵六六条︶︹七四条に置き換えおよび修正︺

︵六七条︶︹削除︺

︵六八条︶︹削除︺

︵六九条︶︹削除︺

四章  刑事における司法協力︹新規︺

八二条︵六九A条︶︹ニース欧州同盟条約三一条を置き換え︺

一.同盟内の刑事における司法協力は︑判決と司法決定の相互承

認の原則に基づき︑また二項および八三条に言及された分野に

おける加盟国の法および規制の接近を含む︒

   欧州議会および理事会は︑通常立法手続きに従って︑以下の

ことを行う措置を採択する︒⒜ 欧州全域にわたる判決と司法決定のあらゆる形式の承認の

確保のための法規と手続きを規定する措置⒝ 加盟国間の管轄権の対立を防止し︑解決する措置⒞ 裁判所および司法関係者の修習に対して支援する措置⒟ 刑事におけるならびに決定の施行における手続きに関係し

て︑加盟国の司法当局もしくはそれに相当する当局間の協力  ︵一五八八︶

参照

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