宮城県結核・感染症発生動向調査事業
Infectious Diseases and Agents Surveillance in Miyagi Prefecture
微 生 物 部
Department of Microbiology キーワード:感染症;定点;週報;月報Key words:infectious diseases;clinic sentinels;weekly report;monthly report
表 1 全数把握感染症報告数(2006)
1 はじめに
1994 年 4 月 1 日から施行された感染症法において,感 染症発生動向調査は感染症の発生を予防するために重要 な事業とされ充実が図られている。本調査は,患者の発 生を週単位または月単位で収集し,分析,公開する患者情 報と感染症拡大防止のための病原体情報の機能を有してい る。患者情報に関する結核・感染症情報センターとしての 業務は,センター内の組織改変により 2006 年 4 月 1 日よ り企画情報部から微生物部に業務移管された。
この業務は厚生労働省の WISH ネットを用い,全ての医 療機関に報告が義務づけられている一類から五類感染症
(58 疾病)及び,県内定点医療機関から毎週報告される 定点報告五類感染症(21 疾病)と県独自に選定した 4 疾 病,並びに毎月報告される定点報告五類感染症(7 疾病)
の患者発生情報を県内各保健所経由で収集し,毎週並び に毎月集計の上,中央感染症情報センター(国立感染症研 究所)へオンラインにより報告すること。及び還元されたデー タをもとに県が設置する感染症対策委員会情報解析部会 事務局として解析コメントを作成し週報,月報としてとりま とめ,保健所,市町村,県医師会,県地域医療情報センター,
教育委員会等へ還元並びにホームページ上で公開すること である。これらの情報を 2006 年 1 月から 12 月までの集計
(2006 年第 1 週から第 52 週)として報告する。また宮城 県では 2002 年 4 月より宮城県医師会と県内の医療機関及 び保健所の協力を得て「宮城県結核・感染症発生動向調 査事業実施要綱」に基づき,感染症の病原体検査を開始 した。今回は 2006 年 4 月から 2007 年 3 月までに得られ た病原体の検出状況を報告する。
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表 2 定点把握感染症報告数(2006)
2 結核・感染症情報センター 2.1 全数把握感染症報告数
全ての医療機関に報告が義務づけられている一類から五 類感染症(58 疾病)について表 1 に示した。なお,一類か ら五類感染症の分類は 2007 年 4 月 1 日より感染症法の改 正により変更になったが,今回の集計は改正前の分類によ るものである。一類感染症は報告がなく,二類感染症は細 菌性赤痢が 8 件あった。三類の腸管出血性大腸菌感染症 は 51 件と 2005 年の 98 件に比較してかなり減少した。四 類はレジオネラ症 10 件,E 型肝炎 2 件,A 型肝炎 4 件,
オウム病,ブルセラ症,レプトスピラ症,ボツリヌス症がそ れぞれ 1 件報告された。ボツリヌス症については本誌論文
「井戸水を原因とした乳児ボツリヌス症の発生とその疫学的 対応」を参照されたい。五類感染症は梅毒が 20 件と多く,
アメーバ赤痢 16 件,ウイルス性肝炎(E 型・A 型を除く),
後天性免疫不全症候群がそれぞれ 15 件,その他に急性脳 炎,クロイツフェルト・ヤコブ病,髄膜炎菌性髄膜炎,破 傷風,バンコマイシン耐性腸球菌感染症が 1 件ずつ報告さ れたが,特に例年と変化があるものではなかった。後天性 免疫不全症候群は初発症例からの累計数で 91 件になった。
2.2 定点把握感染症報告数
県内定点医療機関から毎週報告される五類感染症 21 疾病と毎月報告される 7 疾病について,全国と宮城県全 域(仙台市も含む)の累積報告数と定点当たりの報告数 を表 2 に示した。定点医療機関数は保健所ごとに人口に より定数が決められている。週報のインフルエンザ定点 は 99 医療機関(小児科定点を含む),小児科定点は 61 医療機関,眼科定点は 12 医療機関,基幹定点は 12 医療 機関,月報の性感染症定点は 19 医療機関,耐性菌に関 しては 12 基幹定点医療機関に依頼した。2006 年 12 月 に全国的に猛威を振るった感染性胃腸炎に関しては宮城 県でも同様に報告数が多く,定点医療機関数で割った定 点当たり報告数でも 1 定点当たり約 40 件昨年より多く 報告されたことになる。今年のノロウイルスによる感染 性胃腸炎については本誌論文「2006 年シーズンに検出 されたノロウイルス遺伝子型についての検討」を参照さ れたい。また全国的に夏場に大きな流行をみた咽頭結膜 熱(プール熱)は宮城県ではそれほど大きな流行は見ら れなかった。例年と比較してまた全国と比較して,その 他の疾病で特に特徴あるものはなかった。
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2.3 年齢階級別性感染症
月報として毎月報告している中で,最近低年齢化が問わ れている性感染症 4 疾病について,過去 5 年間の年齢階 級別グラフで示した(図 1)。どの感染症も 20 歳代でピー クとなるが,10 代でも比較的高い数値を示していることか ら,早い時期に性感染症に対する教育が必要と思われる。
3 病原体検出情報 3.1 対象と疾病
病原体検査対象疾病は健康対策課と協議し,定点把握 対象の五類感染症の中から,咽頭結膜熱,A群溶血性レ ンサ球菌咽頭炎,感染性胃腸炎,ヘルパンギーナ,手足 口病,麻疹,流行性耳下腺炎,インフルエンザ,急性出 血性結膜炎,流行性角結膜炎,細菌性髄膜炎,無菌性髄 膜炎の 12 疾患とした。
3.2 検体採取協力医療機関
要綱の基準に従って宮城県医師会が選定した病原体定 点医療機関は 3 小児科定点,1 眼科定点,7 基幹定点お よび 6 インフルエンザ定点(そのうち 3 定点は小児科定 点を兼ねる)で,さらに,患者発生情報を考慮して一部 の患者定点医療機関へも検体採取を依頼した。
3.3 検査材料と検査対象病原体
インフルエンザ,A群溶血性レンサ球菌咽頭炎,ヘルパ ンギーナ,手足口病,流行性耳下腺炎等の 11 疾患につい ては,主に咽頭拭い液を,感染性胃腸炎については糞便 を採取し検体とした。呼吸器疾患の細菌検査は,主にA
群溶血性レンサ球菌を対象とし,ウイルス検査は,インフ ルエンザ,パラインフルエンザ,RS,アデノウイルスを対 象とした。また,腸管系疾患の細菌検査は,病原性大腸菌,
赤痢菌,サルモネラ属菌,カンピロバクター,腸炎ビブリオ,
エルシニアを対象とし,ウイルス検査は,ノロウイルス,ロ タウイルス,エンテロウイルス,アデノウイルスを一部の検 体についてはアストロウイルス,サポウイルスを対象とした。
3.4 検査方法
細菌検査は直接選択培地に塗抹後,疑わしいコロニー について直接鏡検や生化学性状検査,血清型別検査,ラ テックス凝集反応,薬剤感受性試験および PCR 法等に よる病原因子の検索を行い同定した。ウイルス検査は,
HEp-2,LLC-MK2,RD-18s,Vero,CaCo2,MDCK の 6 種類の細胞を用いて分離培養を行い,分離されたウイ ルスは中和試験,赤血球凝集抑制試験等により同定した。
また,PCR 法や増幅した遺伝子のシークエンスおよび 迅速化のため抗原検出 ELISA 法キットも使用した。
3.5 結 果
6 病原体定点医療機関および 15 患者定点医療機関の協 力により検体を採取した。採取された検体は 187 件で月別,
診断名別検体数を表 3 に示した。診断名別に見るとインフ ルエンザが 78 件(41.7%)と最も多く,続いて感染性胃腸 炎 61 件(32.6%),A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が 19 件
(10.2%),ヘルパンギーナ 12 件,手足口病 6 件,咽頭結 膜熱 5 件,流行性耳下腺炎 2 件であった。月別の主な検 体採取状況は,4 から 6 月にシーズン後期のインフルエン
図 1 年齢階級別性感染症
ザが 15 件採取され,5 月から 8 月には手足口病,ヘルパ ンギーナ,咽頭結膜熱(プール熱)が採取された。感染性 胃腸炎では年間を通じて採取された。今年度はノロウイル スによる感染性胃腸炎の報告が通常より早く始まり,例年 にない大きなピークを示したが,集団感染症としての発生 が多く,その結果発生動向調査の検体採取は少なくなっ た。またこれとは反対にインフルエンザの流行は例年より 遅く,検体も 1 月に入ってから増加した。
診断名別の病原体検出状況を表 4 に示した。インフル エンザと診断された 78 件中 68 件(検出率 87.2%)から病 原体が検出された。内訳はインフルエンザウイルス A 香港
(H3)型が 51 件,A ソ連(H1)型が 5 件,B 型が 13 件だっ た。2006 / 07 シーズンの県内におけるインフルエンザの 流行は,1 月に入ってから始まり 5 月まで続いた。シーズン 初めのインフルエンザウイルスの型は A 香港(H3)型で 47 件だった。平成 19 年度の集計も入るが,3 月末から 5 月ま での検体からは B 型と A ソ連(H1)型のみの検出であっ た。B 型は全シーズン中 14 件,A ソ連(H1)型は 11 件の 検出だった。また同一検体から A ソ連(H1)型と B 型が 検出されたものが 1 件あった。A 群溶血性レンサ球菌咽頭
炎患者からの検体 19 件中 14 件(73.3%)から A 群溶血 性レンサ球菌が検出された。手足口病 6 件からは 4 件のエ ンテロウイルスが,ヘルパンギーナ 12 件からは 9 件のコク サッキーウイルスが,流行性耳下腺炎 2 件から 1 件のムン プスウイルスが,咽頭結膜熱 5 件からは 1 件のアデノウイル ス 3 型,2 件のコクサッキーウイルス A4 型が検出された。
また感染性胃腸炎の検体 61 件中 30 件(49.2%)から病原 体が検出され,その内訳はノロウイルス 19 件,アデノウイ ルス 3 件,ロタウイルス 6 件,サポウイルスとキャンピロバ クターがそれぞれ 2 件,また同一検体から複数の病原体が 検出された例が 2 件あった。
表 4 診断名別病原体検出状況
表 3 平成 18 年度感染症発生動向調査事業 (病原体検査)
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感染症流行予測調査
National Epidemiological Surveillance of Vaccine-preventable Diseases
微 生 物 部
Department of Microbiology キーワード:麻疹;風疹;抗体保有状況;日本脳炎;インフルエンザKey words:measles;rubella;distribution of antibody positives;japanease encephalitis;influenza
1 はじめに
感染症流行予測調査は「集団免疫の現況把握及び病原 体の検索等の調査を行い,各種疫学資料と併せて検討し,
予防接種事業の効果的な運用を図り,さらに長期的視野 に立ち総合的に疾病の流行を予測する」ことを目的とし て,厚生労働省の依頼により全国規模で実施されている。
調査は社会集団の抗体保有状況を知るための感受性調査 と,病原体の潜伏状況及び潜在流行を知るための感染源 調査により得られた結果を,総合的に分析し年度ごとの 資料としている。平成 18 年度は,麻疹感受性調査,風 疹感受性調査,日本脳炎感染源調査及びインフルエンザ 感染源調査を実施したので,その結果について報告する。
2 各調査における対象および検査方法 2.1 麻疹感受性調査
9 月 19 日から 10 月 30 日の期間で採血を行った,県 内在住の 0 ~ 59 歳の健康住民 244 名を対象とした。検 査法は感染症流行予測調査事業検査術式1)(以下検査術 式)に従い,粒子凝集反応(PA)法を用い,血清中の 麻疹ウイルスに対するPA抗体価を測定した。
2.2 風疹感受性調査
9 月 19 日から 10 月 30 日の期間で採血を行った,県 内在住の 0 ~ 59 歳の健康住民 274 名(男性 136 名,女 性 138 名)を対象とした。検査方法は検査術式に従い,
赤血球凝集抑制(HI)法により血清中の風疹ウイルス に対するHI抗体価を測定した。
2.3 日本脳炎感染源調査
県南地方で飼育された 6 ヶ月齢のブタ 126 頭を対象と し,8 月 8 日から 10 月 10 日までの期間に 6 回の採材を 行った。検査術式に従い HI 法を用いたブタ血清中の抗 体価測定を行い,HI 抗体陽性の場合は 2ME 感受性試験 により IgM 抗体の確認を行った。
2.4 新型インフルエンザ(新型インフルエンザウイ ルスの出現監視を目的とした)感染源調査
7 月 6 日から 10 月 2 日の期間で採材したブタの鼻腔 拭い液 100 件を対象とし,検査術式に従いウイルス分離 を行った。ウイルスが分離された場合は,国立感染症研 究所より指定配布された抗血清 3 種を用い HI 法による 亜型の同定を行うこととした。3 結 果
3.1 麻疹感受性調査
麻疹抗体保有状況調査結果を表 1 に示す。全体の抗体 保有率は 93.0%で昨年の 93.5%2)とほぼ同じ結果であっ た。0 ~ 1 歳群は 62.5%と最も低かったが,これはワク チン接種年齢に達しておらず自然感染の機会も無かった 乳幼児が含まれているためである。2 歳以上の各年齢群 では,10 ~ 14 歳群で 85.0%と低くかったものの,90%
以上が抗体を保有していた。しかし,集団生活を送る各 年齢群に抗体陰性者が存在しており,患者発生時の感染 が懸念される。不明者を除くワクチン接種歴別では,接 種者 97.6%,未接種者 72.0%とワクチンの効果は良好 であった。また全体のワクチン接種率は 83.6%(127 / 152)であるが,2 歳から 19 歳以下の年齢群では流行を 抑制するために必要とされる 95%以上3)を達成してい た。一方,未接種者の 76%(19 / 25)が抗体を保有し ており,自然感染により抗体を獲得したものと推測され る。しかし,2001 年の流行以降全国規模の流行は無く,
抗体陰性者の蓄積は今後大きな問題と成りうる。また,
抗体を持っていても発症予防には不十分と考えられる 64 倍以下3)の抗体保有者の割合も 2.6%あり,ワクチン 接種による流行の抑制だけでは感染のコントロールは難 しく,追加接種による抗体価の維持も必要になると考え られる。そのため,2006 年の予防接種法改正により施 行されたワクチンの 2 回接種法の積極的な勧奨が必要と 考えられる。
3.2 風疹感受性調査
風疹抗体保有状況調査結果を表 2 に示す。年齢区分別 では,0 ~ 1 歳が 56.5%(男 62.5%,女 50.0%),10 ~ 14 歳で 55.0%(男 45.0%,女 66.7%)と 50%前後の低 い保有率であった。他の年令群は 20 ~ 24 歳女性と 35
~ 39 歳男性が 70%台でやや低いものの,80%以上の高 い保有率を示し,全体としては 85.4%で昨年の 84.9%2)
とほぼ同様の結果を得た。しかし,全ての年齢群で抗 体陰性者が存在していた。男女別では男性 83.8%,女性 87.0%と女性が若干高く,女子中学生限定で 1977 年か ら行われた定期接種が影響していると考えられる。不明 者を除くワクチン接種歴別では,接種者 94.7%,未接種 者 67.9%と有意な差を示した。19 歳以下のワクチン接 種率は,接種年齢に達していない乳幼児が含まれる 0 ~
1 歳が 54.5%と最も低く,その後 9 歳までは 90%を超え るが,10 ~ 14 歳で 70.6%,15 ~ 19 歳で 60.0%と漸次 低下した。この年令群は,ワクチン接種年齢時 1989 年 から導入され 1993 年に中止された MMR ワクチン定期 接種の年代と前後しており,ワクチン接種の差し控え があったものと推測される。一方,ワクチン未接種者 は 67.9%(36 / 53)が抗体を保有しており,1994 年以 前は 5 年毎に風疹の流行が起きていたため4),自然感染 により抗体を獲得したものと推測される。しかし,1994 年以降は 1998 年にあった小規模な流行を最後に患者報 告は激減している5)。今回の調査でも 14 才以下の未接 種者は抗体を保有していなかった。このような抗体陰性 者の蓄積は,患者発生時に地域的な流行を起こすおそれ があり,流行が拡大した場合は抗体を持たない妊婦の感 染による先天性風疹症候群(CRS)の発生が懸念され る。流行の抑制とCRSの発生防止のためにもワクチン 接種率の向上が望まれる。また,流行を抑制した場合,
野生株暴露によるブースター効果が期待出来なくなり,
経時的抗体の減衰が起きると考えられる6)。そのため,
追加接種の勧奨など適切な対応策を提案する必要があ る。
3.3 日本脳炎感染源調査
表 3 に示すとおり,126 頭のブタ血清中の日本脳炎抗 体価を測定した結果,7 件が 1:10 以上7)の抗体価を示 した。これらの血清は 2ME 感受性試験陽性であり,新 鮮感染である事を確認した。このことから平成 18 年度 宮城県における日本脳炎ウイルス感染蚊の活動は活発で あったと推測される。感染症法の改正に伴い全数把握と なった 1999 年から 2005 年までの全国における患者発生 は,西日本に限局していた。しかし,2006 年感染症発 生動向調査で報告された 8 名の患者の内 1 名は茨城県で の発生であった。今後夏季の気温が高く推移した場合,
我が県でも患者発生が危惧される事から,今後もブタの 感染状況を監視する事が重要である。
3.4 新型インフルエンザ感染源調査
ブタ鼻腔拭い液 100 件を対象に MDCK 細胞を使用し インフルエンザウイルス分離を行ったところ,9 月に採 取した 3 件からウイルスを分離した。RT-PCR およびダ イレクトシークエンスによる解析の結果,3 件ともイン フルエンザ A / H3N2 亜型であることを確認した。なお,
詳細は資料『ブタからのインフルエンザウイルスの分離』
に示した。
表 1 麻疹感受性(抗体保有状況)調査結果
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表 2 風疹感受性(抗体保有状況)調査結果
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4 まとめ
平成 18 年度の感染症流行予測調査は,麻疹感受性調 査,風疹感受性調査,日本脳炎感染源調査および新型イ ンフルエンザ感染源調査をおこなった。麻疹感受性調査 における調査実施者全体の抗体保有率は 93.0%と高かっ たが,幼稚園や学校などの集団生活を送る各年齢群で 抗体陰性者が存在した。ワクチン接種歴別では接種者 97.6%,未接種者 72.0%でワクチンの効果は良好であっ た。風疹感受性調査における男女別の抗体保有状況は,
男性 83.8%,女性 87.0%と女性が若干高く,またワクチ ン接種別では,接種者 94.7%,未接種者 67.9%と有意な 差を示した。しかし,全ての年齢群に抗体陰性者が存在 していた。麻疹および風疹は,ワクチン普及に伴い大規 模な流行が起こりにくくなっている。そのような状況で 抗体を獲得し感染防御に必要な抗体価を維持するために は,ワクチン接種率の向上と追加接種の啓発が必要と考 えられる(2007 年 5 月末現在,2007 年 15 週から成人麻 疹の全国規模での発生が確認された)。
日本脳炎感染源調査では 7 件が 2ME 感受性試験陽性 であり,県内のウイルス感染蚊の活動が活発であったと
推測される。新型インフルエンザ感染源調査では 3 件か らウイルスを分離したが,新型インフルエンザではな かった。いずれにおいても感染源調査はウイルスの潜伏 状況を知るうえで重要であり,実態調査の継続は今後も 必要である。
参考文献
1) 国立感染症研究所感染症流行予測調査事業委員会:
感染症流行予測調査術式(2002)
2) 宮城県保健環境センター年報,№ 24,141(2006)
3) 国立感染症研究所感染症情報センター,感染症流行 予測調査報告書,153(2005)
4) 国立感染症研究所感染症情報センター,病原微生物 検出情報,Vol. 21,№ 1(2000)
5) 国立感染症研究所感染症情報センター,病原微生物 検出情報,Vol. 27,№ 4(2006)
6) 国立感染症研究所感染症情報センター,感染症流行 予測調査報告書,115(2005)
7) 国立感染症研究所感染症情報センター,感染症流行 予測調査報告書,100(2005)
表 3 日本脳炎感染源調査結果
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2 類 感 染 症 の 発 生 は, 細 菌 性 赤 痢 が 2 件( 患 者 数 6 名)(表 1)。赤痢患者 6 名のうちS. flexeri 3 名,S.
sonnei 3 名であった。それぞれの家族内感染であった。
S. flexneri,S. sonnei は定型的な赤痢菌の性状を示し,
invE および ipaH を保有していた。
渡航歴は,S. sonnei 1名に認められた。
3 類感染症(腸管出血性大腸菌感染症)の発生は 20 事 例で,124 件の検体(糞便,ふきとり,水)について検査 を行った結果,陽性者は 23 名であった(表 2)。内訳は,
O26 が 5 事例 6 名,O103 が 2 事例 2 名,O157 が 13 事 例 15 名であった。O26 が登米保健所管内で 3 事例,大 崎保健所管内で 2 事例,石巻保健所管内で 1 事例であっ た。O103 は大崎保健所管内および登米保健所管内でそ
れぞれ 1 事例であった。O157 は大崎保健所管内,岩沼保 健所管内,石巻保健所管内,黒川保健所管内がそれぞれ 3 事例で,塩釜保健所管内で 2 事例,登米保健所管内お よび気仙沼保健所管内で1事例であった。集団発生は無く,
すべて家族内感染であった。
平成 18 年度に宮城県で発生した 2 類 3 類感染症
THE cases of Infectious Diseases Categories Ⅱ and Ⅲ in Miyagi prefecture ( 2006 )
微 生 物 部
Department of Microbiology キーワード:細菌性赤痢;腸管出血性大腸菌感染症;O157;O26;O103Key words:bacterial shigellosis;entero hemorrhagic E. coli Infection;O157;O26;O103
表 1 2 類感染症発生状況
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表 2 3 類感染症発生状況(届出)
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㪍 㪊平成 18 年度,食中毒発生および有症苦情について原因 究明のため実施した検査状況を表に示した。
病原物質が検出されたのは 31 事例中 24 事例(77%)で,
うち 18 事例からノロウイルスを検出した。その他,検出し た原因物質はカンピロバクターが 3 事例,ボツリヌス菌,
サルモネラ属菌,黄色ブドウ球菌が各 1 事例であった。ノ ロウイルスによる事例は 10 月下旬から全国的に猛威を振る い,感染事例が過去 10 年で最大になった。宮城県でも同
様の傾向を示し冬場にノロウイルスによる食中毒等が多発 し,検査の結果一部の検体からノロウイルス G Ⅱ 4 の変異 株が検出された。詳細は論文に示した。また,過去に日 本で発生したボツリヌス菌食中毒は“いずし”や“芥子レン コン”によるものや 1 歳未満の乳児の蜂蜜による乳児ボツ リヌス症が知られているが,今回遭遇したのは白湯や粉ミ ルクの調製に使用していた井戸水を原因食品とした極めて 特異な事例であった。詳細は論文に示した。
平成 18 年度食中毒検査結果
The Result of Examination of Food Poisoning in 2006
微 生 物 部
Department of Microbiology キーワード:食中毒;ノロウイルス;ボツリヌス菌Key words:food poisoning;Norovirus;Clostoridium botulinum
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表 食中毒検査結果
食品衛生法第 22 条および第 24 条に基づく収去品の検査を実施した。細菌検査について,検体 2,301 件(かき養殖 海域海水 142 件含む),総計 5,252 項目の検査を実施した。実績を表 1 に示した。
平成 18 年度収去食品検査(細菌検査)実績 Food Safety Survey Concerning Bacterial Contamination in 2006
微 生 物 部
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表1 平成 18 年度食品等収去検査実績
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PP2A 阻害法を用いるオカダ酸群測定キット及び ELISA 法による イエッソトキシン群測定キットの実証試験結果
The Results of Detection of the Okadaic Acids Using PP2A Obstruction Method and the Yessotoxins Using ELISA Method.
千葉 美子 福原 郁子 栁田 則明
* Yoshiko CHIBA,Ikuko FUKUHARA,Noriaki YANAGITA* 現 石巻保健福祉事務所
図1 検体抽出液の調製方法
1),2)図2 オカダ酸群構造式
キーワード:下痢性貝毒(DSP);プロテインフォスファターゼ 2A(PP2A);オカダ酸(OA)群;酵素免疫測定(ELISA);イエッソトキシン(YTX)群 Key words:diarrhetic shellfish poison;protein phosphatase 2A;okadaic acids;
enzyme-linked immunosorbent assay;yessotoxins
1 はじめに
下痢性貝毒の我が国の公定試験法はマウス毒性試験を 採用しており,可食部 1g 当たり 0.05MU を規制値として いる。しかし下痢性貝毒は,化学構造の違いによりオカダ 酸(okadaic acid:OA)群,イエッソトキシン(yessotoxin:
YTX)群,ペクテノトキシン(pectenotoxin:PTX)群の 3 群に分けられ,EU の新規制では可食部 100g 当たり OA 群 16µg,YTX 群 100µg,PTX 群 16µg と個別の基準が 設けられている。そのため,EU ではマウス毒性試験法の ほかに HPLC 法,LC/MS 法,ELISA 法等も検査法とし て認められ,近年は動物愛護の観点からも動物試験に依 存しない貝毒分析法の開発が各国で進められている。
我が国では平成 16 年度から 18 年度まで,農林水産省 のプロジェクト研究「現場即応型貝毒検出技術と安全な貝 毒モニタリング体制の開発」が(独)水産総合研究センター を中核機関とし,東北大学,北里大学,大阪府立公衆衛 生研究所,(財)日本食品分析センターを共同研究機関と して実施された。この研究の目的は,生産現場で二枚貝の 下痢性貝毒及び麻痺性貝毒を簡便かつ迅速に検査できる 簡易測定キットを開発するとともに,簡易測定キットを生産 現場の貝毒モニタリング体制に導入することにある。
(財)日本食品分析センターでは下痢性貝毒の簡易測 定法開発を担当しており,当部ではそれにより開発され た OA 群及び YTX 群測定キット(いずれも試用品)を 用いた実証試験に参加した。
また,簡易測定キットの性能を詳細に評価するため,
(独)水産総合研究センター東北区水産研究所が行った LC/MS/MS による個別の貝毒成分測定結果を併せて報 告する。
2 方 法
2.1 測定実施項目
下痢性貝毒成分のうち OA 群及び YTX 群
2.2 試料及び前処理法
試験品として収去検査を終了した可食部の残品(全量 をホモジナイズして均質化したもの)を- 30℃で保存 し,試験品の規定保存期間(3 ヶ月)終了後の二枚貝類 26 検体(あさり 11 件,ほたて 6 件,かき 9 件)を試料 として用いた。
前処理は,凍結保存試料を解凍し均一化した後,図 1 により検体抽出液を調製し,使用時まで- 30℃で冷凍 保存した。
2.3 測定方法
2.3.1 オカダ酸群測定方法
OA 群の構造式を図 2 に示した。このキットは,OA を指標として検体中の OA 群を測定する。測定用試料溶
図 3 オカダ酸群測定用試料溶液の調製方法
1)図 5 イエッソトキシン構造式
図4 オカダ酸群測定フロー
1)図 6 イエッソトキシン群測定用試料溶液の調製方法
2)液の調製方法を図 3 に,OA 群測定フローを図 4 に示し た。測定溶液中の OA 相当量として 0.10ng/ml,試料中 では 0.10µg/g から測定可能で,エステル型 OA を含む 検体は,アルカリ加水分解処理をすることにより OA 総 量として求めることもできる。ただし,この場合の定量 下限値は 0.14µg/g となる。また,OA 群(OA,DTX1 及び DTX3 の加水分解物)以外のその他の主要な脂溶 性貝毒(PTX6,YTX)は,このキットで使用している PP2A に対する阻害活性が極めて低いため,試料中の濃 度に換算して 2µg/g 程度までは測定に影響がないこと が確認されている。
2.3.2 イエッソトキシン群測定方法
YTX の構造式を図 5 に示した。このキットは間接 競合 ELISA 法を利用し,YTX を指標として検体中の YTX 群を測定する。測定用試料溶液の調製方法を図 6
に,YTX 群測定フローを図 7 に示した。測定溶液中の YTX 相当量として 0.10µg/g から測定可能で,YTX 群
(YTX,450H-YTX)以外の下痢性貝毒(OA 群)及び 他の主要な脂溶性貝毒(PTX6)は,このキットで使用 している抗 YTX 抗体に対する交差性が極めて低いため,
試料中の濃度に換算して 10µg/g 程度までは測定に影響 がないことが確認されている。ただし 450H-YTX は,
YTX に比べ 8 ~ 15 倍高くこのキットの抗体と反応する ため,LC/MS 法に比べ約 8 ~ 15 倍程度高い測定値とな る。なお,主に海外で検出される homo-YTX 等に対す る抗体の交差性については,同等であると推定されるが 検討中である。
図7 イエッソトキシン群測定フロー
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