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学生相談 におけるキ ャンパス 0セ ク シュアル 0ハ ラスメ ン ト対応

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学生相談 におけるキ ャンパス 0セ ク シュアル 0ハ ラスメ ン ト対応

西村優紀美

Yukilni Nishirnura:Student Counseling and Sexual Harassment

I.は じめ に

1999年 3月 ,文 部省 (現文部科学 省)は 「セ ク シュアル 0ハ ラス メ ン ト防止 に関 す る規程」 を制 定,全 国 の国公私立 学 校 の長 に対 して セ ク シュア ル 0ハ ラス メ ン トを防止 し,問 題対処 の ための シ ス テム作 りを求 め た。 これ を受 けて,富 山大学 で もセ ク シュアル ・ハ ラス メ ン ト等対 応委 員会 が発 足 し,い くつ か の ケー スヘ の対 応 が お こなわ れて

い る。

1998年にマ ス コ ミに よ って発覚 した富 山大学 の 教 員 か ら女 子学 生 へ の セ ク シュアル ・ハ ラス メ ン ト (以下 セ クハ ラ)は ,突 発 的 な事件 で はな く, その数年前 か ら同教員 によ るい じめ問題 と して始 ま って い た。学 生 へ の小 さない じめ は,年 々その 激 しさを増 し,大 きな事 件 とな った。 当時,学 生 の相談 を引 き受 け る ところはな く,保 健管理 セ ン ター (以下 セ ンター)が その受 け皿 にな らざ るを 得 な い状 況 にな った。

セ ンターは,学 生 の相談 を受 けた立場 と して当 該学部 の調査委員会 や審査委 員会 の成 り行 きを見 守 て いたが,残 念 なが ら大学 の調 査 は加 害者 で あ る教 員 に有利 に はた らき,被 害 を受 けた学生 の訴 え はその一部が認定 され たに とどま ったのであ る。

セ クハ ラや い じめで セ ンターを訪 ね る学生 は, は じめか ら教員か らの被害 を訴 え るわ けで はない。

鬱状 態 や ノイ ローゼな ど,被 害 によ る二次 的症状 を抱 えて受診 す るので あ る。 面談 は学生 に とって

カ タル シス とな るが,加 害者側 の教 員 へ の働 きか けが で きな い学生 は後 を絶 たな い。 教員 へ の不信 感 が強 くな って い る学 生 は,た とえ対 応 委 員会 を 紹 介 して も,大 学 の組織 を信 用 す る ことが で きず 正式 に訴 えを申 し込む ことはない。結局,セ ンター に保護 を求 めっつ,な ん とか卒業 まで我慢 す る こ とが多 いので あ る。

セ ンターに は,学 生 の相談 に対 す る守秘義務 が あ る。 また,セ クハ ラや い じめを訴 え る学生 は, 教 員 か らの報 復 を恐 れ て問題 解 決 へ の取 り組 み を 望 まな い こ とが多 い。 毎年 の よ うに学生 が訪 れ, 解 決 の手 だて を講 じる こ と もで きず に年 を重 ねて い く中で,唯 一 で きる ことは,セ ンター発行 の季 刊 紙 「ほ けかん」 によ る啓 蒙活動 だ った。

以下 に, こ れ まで 4回 にわ た って発信 して きた

「ほけかん」 の記事 と,そ の記事 を掲載 す るに至 っ た背景 を ま とめて報告 したい。

Ⅱ. 『 勇気を出 して ! キ ャンパ ス 0 セ クシュ アル ・ハラスメン ト』

… 「ほけかん」 8号 ,1997年 12月発行

この記事 は, 学 内での問題解決 を願 って, 学 生が当 該学部長 に訴 え たに もかか わ らず, 学 部 内の調査委 員 会 で は加害者 の教 員 の一方 的 な弁解 のみが取 り上 げ ら れ, 学 生 の訴 えが退 け られた ことを受 けて書 いた もの で あ る。正 しい審議が行われず, む しろ訴 えた学生が

著者所属 :富 山大学保健管理 セ ンター,The Department of Health Services,Toyama University

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二次的 な被害 を受 けることにな った。 この不愉快 な事 実 は, マ ス コ ミの知 るところ とな り, 学 内で の公正 な 対 応 を願 って, 手 を尽 くして きたセ ンターの働 きは徒 労 に帰 したので あ る。 当時, セ クハ ラとい う言葉 が冗 談 の中で使 用 され, 「何 で もセ クハ ラ って言 われ た ら

た ま らないなあ」 と茶化 す教員が多 くいた。 その中で 発行 され た もので あ る。

◆ 深 刻 な キ ャンパ ス ・セ クハ ラ

大 学 とい う教 育 研 究 の場 で の セ ク シュアル ・ハ ラス メ ン ト (性的嫌 が らせ ・セ クハ ラ)の 事件 が 増 え, そ の被 害 を な くそ うとい う取 り組 み が各地 で行 われ て い ます。 セ クハ ラ問題 を解 決 す るため の対 策 と運動 は,実 際 の事件 を き っか けに取 り組 み始 めた大学 が多 いよ うです。 富 山大学 で もセ ク ハ ラ事件 は起 きま したが,現 在 の ところ,そ の対 応 は事件 の全貌 を明 らか にす るに はほ ど遠 く, 今 後 , 同 様 の事 件 が起 きな い よ うな対策 を講 じるま で に は至 って い ません。 以下 に,三 大学 の対応策 を ご紹介 しま しょう。

◆ セ クハ ラ問題 の解 決 を め ざす対 策 ( 1 ) 鳥 取 大 学

鳥 取 大学 工 学 部 で は, セ クハ ラ防止 の ガ イ ドラ イ ンを作成 しま した。 同学部 で は,他 大学 で は, 他 大学 の教授 な どを招 いて提言 を受 け る 「外部評 価委 員会」 で, セ クハ ラに関す る規 則 を作 るべ き だ との助言 を受 け,弁 護士 会 の企業 向 けの ガイ ド ブ ックを参 考 に作成 しま した (北陸 中 日新 聞1997 年 3 月 8 日 付 ) 。

( 2 ) 名 古 屋大学

名古 屋 大学 で は, 院 生 や教 官 有志 が加 藤総長 に 対 して, 「大 学 と して の セ クハ ラ対 策 の必 要 性 」 を訴 え ま した。 総長 の対応 は迅速 で,   さ っそ く生 活委 員会 で この問題 が取 り扱 われ ま した。 委員会 で は学生相談室 だ の関係機 関へ問 い合 わせ, 事 実 関係 を調 査 した後 , セ クハ ラに対 す る相 談 体 制 の 充実 が必 要 で あ る とい う結 論 に達 し, 今 年 度 か ら

「学 生便 覧」 に セ クハ ラの項 目が記 載 され る こと にな りま した。 この中で は, 学 生 に対 して次 の よ

うに呼 びか けて います。

『学生 の皆 さん の勉学 ・研究 は,心 理 的 に も身 体 的 に も安全 な環境 の中で行 われ る ことによ って, 実 り多 い もの にな ります。 名古屋大学 で は,学 生 の皆 さん の勉学 ・研究上 の安 全 をお びやかす いか な る行為 も黙認 しません。』

(3)高 知 大 学

高知大学 で は教職員組 合女性部 の活動 の中か ら,

「女 性 の人 権 を守 る委 員 会」 が 1994年に作 られ ま した。 さ らに,学 長 との懇談 や交 渉 の中 で,「 女 性 の人権 問題 調 査 0研 究 懇談 会」 が 1996年に発 足 しま した。 今年度 にな って取 り組 み は全学 的 に拡 が り,高 知 大学女性 の人権委 員会,同 セ クハ ラ相 談 窓 口,同 セ クハ ラ調 査委 員会 が発足 し,『 勇気 を 出 して』 とい う啓発 の ための リー フ レッ トも作

られ ま した (赤旗 1997年9月27日付)。

鳥取 大 学 は,他 大学 の教授 か ら学 部 の評 価 ・点 検 を受 け る とい う画期 的 な発想 の中 か らセ クハ ラ 対 策 が生 まれ,名 古 屋大学 は総長 が 強 い態度 で 自 ら防止 策 を発表 し,学 生便 覧 にセ クハ ラに関 す る 項 目が もうけ られ るまで に発展 しま した。 また, 高知 大学 は組 合女 性 部 の活動 が発展 し,全 学 的 な パ ンフ レッ トを作 るに至 って います。 いずれの大 学 も,良 い学 習環境 ,職 場環境 を作 るための意 識 改革 を め ざ し,実 際 に歩 みだ して い ると ころが大

き く評価 され る ところです。

◆ セ ク シ ュアル ・ハ ラ スメ ン トとは

どの大学 もセ クハ ラの定義 づ けか ら始 ま り,具 体 的 な行為 を例 に挙 げて示 して い ます。 さ らに, 実 際 にセ クハ ラの被害 にあ った ときの相談窓 口に つ いて も明記 して,勇 気 を持 って対応 す るよ うに 呼 びか けて い ます。

高知大学 のパ ンフ レッ トを一部 引用 してみ ま しょ う。

大学 で の セ ク シュアル ・ハ ラス メ ン トで最 も 多 いの は加 害者 が教職 員, 被 害者 が学 生 とい う ケ ースです。 教職員 は学生 を指導 した り成績評 価 をす る立 場 にあ ります。

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学生相談におけるキャンパス

相対 的 に, 賜 弓い立場 」 にあ る学生 はセ ク シュ アル ・ハ ラス メ ン トにあ つて もそれ を拒 否 す る ことがで きない場合 が あ ります。

セ ク シュアル ・ハ ラス メ ン トとされ る行為 に はた とえ ば次 の よ うな ものが あ ります。

①言 葉 によ るセ ク シュアル ・ハ ラス メ ン ト いかがわ しい冗談 や肉体 的 な外観, 性 的 好 み に関 す る不適 切 な言葉 な ど

②視線 ・動作によるセクシュアル 0 ハラスメ

ン ト

例)実 験 室 の B助 手 は個 別指 導 の最 中 に, あ る女子学生 の手 を握 った。学生 は ショッ

クで動 くことがで きなか った。 それか ら とい う もの,実 験 の最 中 に彼 は じっと彼 女 を見 つ め るよ うにな った。 彼女 が気 づ くと日配 せ をす る。 彼 女 は悩 み続 け,ス トレスか ら勉学意 欲 もな くな って しま っ た。

③ 行動 に よ るセ ク シュアル ・ハ ラス メ ン ト 例 )D助 教授 は コ ンパ の席 で いつ も女 子 学

生 を 自分 の隣 りに座 らせ,酒 のお酌 を さ せ た。女子学生 はD助 教授 の機嫌 を損 ね ない よ うに笑顔 で受 け答 えを しているが, 心 の中で は激 しい嫌 悪感 を感 じて い る。

セ ク シ ュ ア ル ・ハ ラ ス メ ン ト して受 け入 れ な いで くだ さい

セ ク シ ュ ア ル ・ハ ラス メ ン ト そ う とす る態 度 を許 さ な い で く

を,「 慣 習」 と

を冗談 で ごまか だ さい

. t , . / a - 7 ) v . ) \ i z I 7 l . i { f f i

です。 また,あ る教員 は廊下ですれ違 う際,突 然, 着衣の襟 を正面か ら直 します。 いす に乗 って高 い ところの ものを取 ろ うと していると,教 員 は学生 の腰 に抱 きついて きた こともあると言 います。

実際 にセクハ ラを受 けた被害者 は深 く傷ついて います。何が起 こったか口にす ることさえで きな い こともあ ります。 「権力 を持つ」加害者か らセ クハ ラを受 けているため,加 害者 の意 に添わない 態度 に出た ときの,「報復」 を予想 し,や むを得 ず我慢す ることが多 いのです (高知大学 『勇気 を 出 して』 より) 。

このよ うな事実を前 に,富 山大学 はどのような 対応 を考 えてい るので しょうか。 「セ クハ ラを訴 えて学部の平和 を乱す悪 い奴」 などと被害者を悪 者 に しようと した り, 教 員同士 のいざ こざ とい う よ うに して うやむやに済 まそ うとす ることのない よ う毅然 とした態度 で,真 実 を明 らかに してほ し いと思 います。学生 たちは名古屋大学 の総長が提 言 したよ うに,F心 理的 に も身体的 に も安全 な環 境で,勉 学 ・研究がで きる』環境を保障 してほ し

い と願 っています。

Ⅲ.『 セ クハ ラ相談 窓 日の落 と し穴』

¨ 「ほけかん」10号,1998年 4月 1日 発行

『学生 相談 の窓 口か らセ クハ ラを考 え る』

¨ 「ほけかん」12号,1998年 9月 30日発行

各大学 にセ ク シュアル ・ハ ラスメ ン トに関す る対応 が求 め られ, 富 山大学 で も設置 に向 けて動 き始 めた。

私 は大学が対応 に目を向 けた理 由が, 実 際の事件を きっ か けに してで な く, 文 部省 ( 現文部科学省) の 指導 を 受 けたか らとい うことに非常 に憤 りを感 じた。 また, 実 際 に起 きた事件 を もとに, な ぜ その よ うな ことが起

きたのか, ど うす れば二度 と起 らないよ うな環境 が保 障 で きるのか とい うよ うな見直 しをす る こと もな く, 先行 の他大学 の文言 をな らい, 体 裁 を整 え るだ けで あ

るとい う印象 が強か った。

そ こで, 実 際 に現実 に起 こった ケースに対応で きな 富 山大学 で も, 卒 論 発 表会 の二 次 会 で女子 学 生

に対 して一 時間近 くにわ た つて身体 を触 るな どの 行為 を繰 り返 した事 件 が あ りま した。 学 生 が そ の 場 か ら逃 げ よ うと して も,   しつ こ くつ きま と った とい う状態 で した (読売新 聞1997年8月 28日付)。

この研究室 で は,肉 体 的 な外観 に関す る言葉 で の セ クハ ラや視線 ・動作 で の セ クハ ラは 日常 的 に行 われ, 多 くの学生 は悔 しい思 いを して い ます。学 生 が や め て ほ しい と教 員 に訴 え て も, 「愛 情 表 現 や な いか」 と笑 って取 り合 って くれ なか ったそ う

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い窓 口にな らないよ うに とい う思 いを持 って, 二 回続 けて セ クハ ラに関 す る記事 を掲載 した。 1 0 号で は, 高 橋 りりす氏 の意 見 を中心 に, 「窓 口が で きて も実 際 に 機能 しな い可能性 が あ る」 とい う点 と, 「事実 の認 定 は第二者機関が行 うべ きだ」 とい う点 につ いて提言 し た。 1 2 号で は, 「実際 に窓 ロヘ相談 した後 の学生 の ケ アにつ いて」 と, 「第 2 の セ クハ ラの危険性」 とい う 点 につ いて提言 した。 これ はすべて先 の富 山大学 で起 きたセ クハ ラ事件 か ら得 られ た教訓 で あ る。 セ ンター が持 っている生 々 しい事実 に大学側 は耳 を傾 けず, セ クハ ラ対応 の字面 だけ整 えよ うとす る態度への抗議 で あ った。

この記事 は, 当 時の学生部長 と学生部次長 によって, セ ンター所長 へ差 し止 めの依頼 が あ った。 「セ クハ ラ 対応委 員会 の メ ンバ ーにな る教員が いな くな るか ら」

とい うのが理 由だ った。理 由にな らない理 由を挙 げて 記事 の掲載 を阻止 しよ うとす る態度 は, ま さ しくセ ク ハ ラ事件 を うやむやに した態度 と同質の ものである。

外部 に向 けて は, 対 応委員会 を設 置 し積極 的 な姿勢 を 示 しなが ら, 本 音 の ところで は事実 に蓋 を したい。 人 間教育 の場 で あ るはず の大学 で, 実 際 に支配 して い る の は このよ うな醜 い実態だ った。

『セ クハ ラ相談窓 回の落 と し穴』

¨。「ほけかん」 1 0 号

◆ 1993年頃 か ら,さ ま ざ まな大学 (京都 大 ・琉 球大 ・山形 大 ・二 重 大 ・天理 大 ・広 島修道 大 ・鳴 戸教育大 ・奈良女子大 ・高知大 0富 山大)で ,キ ャ ンパ ス ・セ ク シュアル 0ハ ラスメ ン ト事件 が新 聞 に大 き く取 り上 げ られ るよ うにな りま した。 いず れ の場合 も,男 性教 員 によ る女子学生 に対 す るセ ク シャル 0ハ ラス メ ン ト (以下 セ クハ ラ)で す。

多 くの事 例 で,女 子学 生 か らの訴 え に対 して, 事 件 そ の もの を曖 昧 に して しまお うとす る動 きが 起 こ ります。 「ち ょっと膝 に触 れ ただ けだ」 とか,

「学 生 が おか しいん だ」,「 学 生 の訴 え を ま と もに 信 じる教 員 が,大 人 げ な い。 教 授 を陥 れ よ うと し て い る」 な ど とい う噂 が ま こと しやか に流 され ま すが,そ の こと自体が加害者 とそれを擁護す る人 々 の卑 劣 さをあ らわ して い ると思 われ ます。

事実 を きちん と見据 え, 明 らか にす る こ とは, あ る特定 の個人 の利益 や不利益 を招 くもので はあ りませ ん。 その よ うな事 件 が起 こった背景 ( 教育 環境 と しての場 や人,   システ ムな ど) の 問題 を見 つ け,よ りよい教育 ・研究 の場 に して い くための 一 歩 なのです。問題 を提起 して くれた学生 の真意 を ゆが め る ことの な い,良 識 のあ る対応 が望 まれ ます。

◆各地 で キ ャ ンパ ス ・セ クハ ラ対策 が お こなわ れ て い ますが, さまざまな問題点 も出て きて い る よ うです。 上 野千 鶴 子 編 ,『 キ ャ ンパ ス性 差 別事 情 ― ス トップ 0 ザ ・ア カハ ラ』 ( 三省 堂 ) に は, 東京 大学 , 京 都 大学 , 筑 波大学 な どの女性 研究 者

( 教官 職 , 技 官 職 , 大 学 院生) が 体験 した, セ ク ハ ラも含 む アカデ ミック ・ハ ラスメ ン トにつ いて 多 くの事 例 が記 述 され て い ます。 そ の I 部 6 章

「キ ャ ンパ ス 0 セ クハ ラ対策 の落 と し穴」 (高橋 り りす氏執筆) の 一部 を ご紹介 しま しょう。 この中 に は,私 た ちが今後 どの よ うな姿勢 で対 応 して い けば よ いか を考 え る上 で重要 な示唆 をみ る ことが で きます。

高 橋 氏 は1 9 8 1 年か ら1 9 8 4 年まで ア メ リカの大学 院 に留 学 ヒ/ , そ の間 に受 けたセ クハ ラにつ いて述 べ,日 本 にお けるキ ャンパ ス ・セ クハ ラ対策 に警 鐘 を鳴 らして います。 彼女 は,(1)ア メ リカの セ クハ ラ対策 を神聖視 す る ことへ の問題,(2)大 学 の設置 す るセ クハ ラ対応窓 国の危 険性,の 二点 に つ いて次 の よ うに述 べ て います。

【セ クハ ラを テーマ に集 会 や シ ンポ ジウムが頻 繁 に開かれて きま したが,   日本 で出回 って い るア メ リカの大学 の セ クハ ラ対策情報 は,私 の知 る限 り大学 当局 か らの もので, 被 害者 か らの直接 の情 報 はなぜ か取 り上 げ られ ません。 当局側 とい うの は,す なわ ち強者側 とい うことです。 セ クハ ラと い うの は,強 者側 か ら弱者側 に加 え られ る人権侵 害 で あ り,   これ まで もず っ と存在 して いた問題 で あ ったのが, 今 頃 にな って は じめて弱者,す なわ ち女性 の立場 か ら検証 してみ よ うとい うことで,

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学生相談におけるキャンパス

社 会 問題 と して認 識 され始 め た問題 だ った はず で す。 つ ま り, セ クハ ラは弱者 か らの視点 が欠 かせ な い性質 の問題 だ と私 は考 えて い ます。

大学 で セ クハ ラ対応窓 口に被害者 か らの訴 えが あ った場 合,そ の訴 えが正 当 な もので あ るか ど う か を状況 や証拠 を もとに審査 し,大 学 当局組織 が 判 断決定 す るのです。 この シス テ ム は一 見公正 そ うに見 え ますが, そ の システムで はた して本 当 に セ クハ ラの問題 を被害者 の立場 に立 って公正 に処 理 す る ことがで きるで しょうか。

この システ ムを裁判 に喩 え られ る ものだ とす る と,大 学 当局 は裁判官 で,加 害者 は被告 で,被 害 者 は原告 とい う ことにな ります。 加 害者 が教 授 で あ り,被 害者 が学生 で あ る とい う,最 もセ クハ ラ の本質が顕著 に現 れ る場合 を考 え ると,「裁判官」

と 「被告」 が と もに大学 側 の人間 で あ り,利 害 が 一 致 していることにな ります。 しか も大学当局 も 教授 も, 学 生 に対 して権力 を持 って い る立場 にあ ります。 この状況 の中で, 本 当 に公正 な処 置が期 待 で きる もの なので しょ うか。 キ ャ ンパ ス内 の セ クハ ラ窓 日の ア ドヴ ァイザ ーに して も,大 学 か ら 給 料 を も らって い る大学 の被雇用者 で あ るわ けで す か ら, そ の点 ひ とつ と って も, 公 正 さにつ いて 大 きな疑 間 を抱 か ざるをえ ません。 日本 に もアメ リカの よ うな セ クハ ラ窓 口や ガイ ドライ ンを設 置 しろ と大学 に要求 す る前 に, この システムの構造 上 の欠陥 につ いて まず考 えてみ た方 が いいので は

な いで しょうか。】

【私が アメ リカの大学 で指導教官か ら実際 にセ ク ハ ラを受 けたとき,そ の大学 にはセクハ ラのガイ ドライ ンも窓 口 もあ りま したが,何 の役 に も立 ち ませんで した。役 に立 たないどころか,そ れ らは 単 に被害者の口を封 じるもので しかあ りませんで した。大学 のセクハ ラ対策 とい うのは,被 害者を 救済す るものではな く,大 学が裁判 に訴 え られな いように大学 を護 るための対応策だ と強 く感 じま した。 (中略)¨ 。私 は何 日も解決 を求 めてあち こ ちの窓□ (キャンパス内のカウンセ リングセンター, 留学生 セ ンター,女 性 セ ンター,セ クハ ラ窓 口,

. t . , - 2 t- 7 ) V ' ) \ , 7 I 7 l ' i j f f i

アカハ ラ窓 口)へ 相談 や抗議 に行 きま したが,ま っ た く埒 が あ きません で した。 ど う して も納 得 が い か な いの な らと,あ る窓 口で弁護士 を紹 介 して も らい ま したが,大 学側 が契約 した弁護士 が大学 を 訴 え る手助 けを して くれ るはずが あ りません。 大 学 側 はセ クハ ラ防止 の た め に学 生 に弁 護士 まで紹 介 す るよ うな万 全 の対 応 を して い る とい って い ま

したが, この話 はど こか おか しいのです。】

【私 は,大 学 にセ クハ ラの窓 口を作 って も,大 学 全体 が セ クハ ラ防止 のため に機能 しな い と何 の意 味 もな い と思 い ます。 問題 はセ クハ ラ対 応 の窓 □ が あ るか ど うかで はな く,実 際 にセ クハ ラが防止 で きて い るか ど うか です。 セ クハ ラを訴 え た こと が被害者 の不利 には絶対 な らない とい う保 障 が な い限 り,い くら窓 口が あ って も被害者 は訴 え られ ません。】

【私 の意 見 と して は,セ クハ ラの事 実 が あ ったか ど うか の判 定 を,大 学側 がす るので はな く,大 学 と利害 関係 の な い第二者機 関 がお こな う システム にす る とか,大 学側 の判 定 を監視 す るオ ンブズ シ ステ ムの よ うな ものを作 る とか,少 な くと もセ ク ハ ラ窓 日のア ドヴァイザーに対す る人事権を大学側 が持 たない とか,何 か工夫が必要 だ と思 います。】

セ ンターが これ まで に扱 か った い くつか の事例 を念頭 に置 くと,高 橋氏 が提言 した二 つ の点 につ いて,ま った く同様 の危険性 を感 じて います。実 際 に起 こ った事 件 に ま った く触 れ よ うとせず,先 行 の他 大学 の例 を参 考 に した り,諸 外 国 の例 を受

けて形 だ けの ガイ ドライ ンを作 ろ うとす る動 きが あ る とすれ ば,そ れ は非常 に大 きな問題 です。

被 害 に あ った学生 の話 を聞 くと,セ クハ ラ行為 の断片 (た とえば,「触 った」 とか,「言 われ た」

とい う事実)だ けで な く,そ の よ うな事 態 が引 き 起 こされ る場 (研究室 や講座 )の 物 的 0人 的環境 全体 が見 えて きます。 そ うす る と,セ クハ ラ行為 だ けで な く,さ まざまな問題 が あ り,学 生 は総合 的 に劣悪 な学 業 環境 の中 で苦 しみ,疲 れ果 て て し

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ま う事 実 が浮 き彫 りに されて くるのです。 セ クハ ラの ガイ ドライ ンを作 る とい う取 り組 み は,こ の よ うな実態 をふ まえ た上 で お こな うべ き ものだ と 考 え ます。先行 の他 大学 の例 は,そ の後 に必要 と され るべ きで しょう。

先 に引用 した高橋氏 の提言 は,彼 女 の実 際 の体 験 か ら生 まれ て きた もので あ り,単 な る権利 の主 張 とか調 査 ・研 究 に よ る概論 とは性 質 を異 に して い ます。 セ ンター は,学 生 か らなまな ま しい実際 の相談 を受 け る立場 にい ますか ら,高 橋氏 の こと ば はいずれ も共感 で き,納 得 す ると ころの多 い提 言 だ と感 じま した。

セ クハ ラは,高 橋氏 が提言 す るよ うに,《 大学 と利 害 関係 の な い第二者機 関》 に公正 な判 断 を求 め るべ きだ とい う̲のが,セ ンターか らの提案 です。

F 学生相談 の窓 口か らセ クハ ラを考 え る 』

¨ 「ほけかん」 12号

◆ キ ャンパ ス ・セ ク シ ュアル ・ハ ラ スメ ン ト 大 学 で の セ ク シュアル ・ハ ラス メ ン ト ( 以下 セ クハ ラ)に 関す る啓発パ ンフ レッ トが大学単位 や 学 部 単位 で作 られ て い るの を よ く目にす るよ うに な って きま した。 キ ャ ンパ ス ・セ ク シュアル ・ハ ラス メ ン ト全 国 ネ ッ トワー ク ・ニ ューズ レターに は,講 演会 や ワー ク シ ョップの案 内や地 区別例会 の報告,具 体 的 な事例 な どが掲載 され て います。

地 区 ネ ッ トワー クの連絡 先 や性暴 力裁判全 国弁護 士 ネ ッ トワー クの連 絡先 も記 されて お り, 全 国的 な意識 の高 ま りを感 じさせ られ ます。

手 元 にあ るパ ンフ レ ッ トか ら, い くつ か の共 通 した ポ イ ン トを挙 げてみ ま しょう。

( 1 ) セ クハ ラの定 義

望 まな い性 的 な言葉 を投 げか け られ た り, 性 的 な態度 を と られ た り,性 的 な接触 や直接 的 な性行 為 に よ り不利 益 を被 る こと。 大 学 で は最 も多 いの が加 害者 が教職 員,被 害者 が学生 とい うケース。

( 2 ) 性 差 別

大学 にお け るセ クハ ラは人 間軽視 の あ らわれで あ り,人 権 問題 ・教育 問題 で あ る。

(3)事   例

セ クハ ラは冗談 や慣習 と して片づ け られて しま いが ちで あ る。 セ クハ ラを判断す る上 で一番大切 な の は,「 被 害 を受 けた人 が ど う感 じたか」 で あ る。他 の人 の意 図 で はない。

(4)被 害 にあ った ら

① その好 意 が不快 で あ る こと,す ぐにやめて も らい た い ことを,相 手 には っき りと伝 え る。

② セ クハ ラが起 こ った と きの 日時,場 所,事 柄 につ いて メモを取 る。

③相 談 窓 口を利用 す る。

(5)相 談 窓 ロ

いず れ のパ ンフ レッ トに も,「 相 談 員 の氏名 , 所 属,連 絡 先」 が明記 されて い る。

(6)呼 びか けの ことば

『勇気 を出 して,窓 口に足 を運 んで くだ さい』

『相談 す る ことが,あ なたの不利 にはな りませ ん』

『き っとあ なたの力 にな ります』

◆ 勇気 を出 して… ?

いず れ のパ ンフ レッ トも被害 に遭 って心細 い被 害者 を力 強 く支援 した い とい う意 思 が伝 わ って く る ものばか りです。 ここで注 目 した いの は,セ ク ハ ラを人権侵害 と して捉 え るとい うことです。 当 た り前 の ことか もしれませんが,い まだに,「ち ょっ と肩 に触 れ ただ けで もセ クハ ラとい うのか。 これ で は,ス ムーズな人 間関係 が とれ ない」 と冷 やか し半分 にい う人 もい るのですか ら, こ の点 の共通 認識 が必須条件 といえ ま しょう。 ただ,現 実 には, 具 体 的 に学 生 の人権 が どの よ うに傷 つ け られ て い るのか を点検 で きて いないよ うに思 われ ます。 こ の あた りは,む しろ学生 自身 の立場 か らの発言 が ほ しい と ころです。

相談 窓 口 に は,相 談 員 と して選 ばれ た大学 の教 員 の氏 名 が連 絡 先 とと もに明記 され て い ます。一 見, こ れ も確実 な支援 の裏付 け と して受 け取 る こ

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学生相談 におけるキ ャンパ ス ・

とが で き,心 強 く感 じられ ます。 しか し,学 生 が '勇気 を 出 して̀訴え る こ とが で きるに は,そ のi訴 え を きちん と受 け止 め て くれ る窓 口'が

存 在 す る こ とが前 提 とな ります。 さ らに,「 事 実 を正 し く 見 る ことが で き,ま た教 員 同士 の利 害損 得 を捨 て て公正 な判 断 を して くれ る人 が窓 口で あ る こと」,

「学生 が望 む まで, と にか く支 え続 け る人 が い る こと」 が求 め られて い る と思 います。相談 員 は, そのよ うな覚悟 と決意 を持 って名前 を連ねてい らっ

しゃるのだ と解釈 いた します。 ここで被 害 に遭 っ た学生 の立場 に身 を寄 せ て考 えてみ ます と,少 し ばか り気 にかか る ところが あ ります。 それ は窓 口 に相談 した後,相 談 の扱 いが どの よ うな過程 をた ど って問題 が解決 されて い くのか とい うことです。

「相談 す る ことが,あ な たの不利 にな る こ とはあ りませ ん」 と書 いて はあ る もの の,窓 口 は どの よ うな手 続 きで ど う動 くのか,そ して最 終 的 に ど こ まで学生 に付 き合 ってい くのかが不明確 なのです。

もう一 つ気 にか か る と ころ は,(4)の ① の項 目 です。啓蒙 とい う観点 か ら被害 に遭 わ ないための この よ うな呼 びか けは必要 です。 しか し,そ れが うま く言 え な い と ころ にキ ャ ンパ ス・セ クハ ラの 難 しさが あ るの で はなか ったで し ょうか。 自分 が 不快 で あ る ことやや めて ほ しい ことを訴 え た結果, 逆恨 み されて その後 の学業環境 が脅 か されて しま う事例 も多 く目に します。 や めざ るをえな い状況 に追 いや られ た例 もあ ります。

実 際 に被 害 に遭 った学 生 は, シ ョック と悔 しさ か ら,事 実 を言葉 に表 す まで にか な りの時間が必 要 です。 相 手 が教 員 で あ る場 合 はなお さ ら,誰 か に い う こ とに は た め らい を感 じる もの で す。̀勇 気 を 出 して'と

呼 びか け るに は, も っ と きめ細 や か な配慮 を必要 と します。

◆ 第二 の セ クハ ラ

学 生相談 に はた いへ ん な忍耐 と根 気 が要 求 され ます。 ま してや訴 えが セ クハ ラ (猥褻行為 も含 む) とな る と,解 決 には困難 が と もない,学 生 のつ ら い思 いに共感 を示 しなが ら関 わ り続 ける ことは, 想 像 を超 え る精 神 的疲労 を と もな い ます。 また,

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学 生 に対 す る第 二 の セ クハ ラと もいえ る中傷 が飛 び交 い,窓 口 にな った者 まで もが誹謗 中傷 の標 的 に な る ことが多 いのです。 具体 的 な例 で お話 しし ま しょう。

今 回 の富 山大 学 の例 で は,最 初 に学 生 の訴 え を 聞 いたの は保 健 管 理 セ ンターで した。事実 関係 を 確 認 した後, さ っそ く当時 の学長 と当該 学 部長 に 直接学 生 の訴 え を聞 いて も らうよ うに手 続 きを と りま した。 セ ンター は窓 口 と しての役割 を担 った わ けです。学部長 はま もな く学生 の話 を直接聞 き, 相手側 の教員 に も確 か めた上 で,セ ンター所長 に,

「本人 (教員)が セ クハ ラの事 実 を認 め ま した」

と報告 され ま した。

その年 の 9月 ,当 該学部長 の指示 で学 部 内 に調 査委 員会 が発足 し,事 実 関係 の確認 が始 ま ったの ですが,セ ンターヘ の調査,確 認 はい っさい行 わ れ ませ ん で した。 こ との経 過 は少 しず つ事 実 か ら 遠 ざか り,さ まざ まな人 の思 惑 が入 り込 み,事 実

とは遊離 した出来事 にす り替 え られて い く過程 が そ こに はあ つたので す。

そ の一 つ が学 生 へ の 中傷 で す。 「卒 業 に必 要 な 単 位 と引 き替 え に,教 員 を ゆす った悪 い学 生」 で あ るとか (学生 の名誉 の ため に言 ってお きますが, 本学 生 は前 例 の な い ほ ど多 くの単 位 を取 得 して い ます),「 コ ンパ に出席 す る女 子学生 は,そ うされ て もいい と思 って (セ クハ ラを覚悟 して)参 加 し て い るはず だ」 と言 う人 まで 出て きま した。学 生 へ の誹謗 中傷 はまだ まだ あ り,一 つ一 つ聞 くに堪 え られ な い もの で した。 そ こまで学 生 の人 格 を な いが しろに して,同 時 に,自 らの人格 を も疑 わせ ることを して,い ったい何 を護 ろ うとす るので しょ うか。

筆 者 に対 して も,「 守 秘 義 務 を怠 り,機 密 漏 洩 した。弁護士 を立 てて訴 え る」 と所長 に宣言 した 人 もお り (実際 には動 かず,桐 喝 しただ けだ った), セ ンターにつ いて の事実無根 の噂 を滑稽 な まで に

こまめ に言 いお、ら して い る人 もい るよ うです。

学 生 へ の嫌 が らせ は,今 で も続 いて い ます。 自 宅前 に止 めて あ った車 の ガ ラスが割 られ た り,脅 迫電 話 が た び たびか か った り,嫌 が らせ の手 紙 が

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届 い た りと,身 の危険 す ら感 じさせ る状態 です。

セ クハ ラ相 談窓 口の教 員 は, この よ うな第 二 の セ クハ ラ も想定 して,覚 悟 の上 で名前 を連 ねて い らっ しゃる とは思 いますが,精 神 的苦 痛 は時 に人 の心 を弱 く します。 お互 いに協 力 しあ い,連 絡 を 取 り合 って対 応 して い くことの重 要性 を痛感 して

い ます。

◆ おわ りに

最 後 に,学 生 相談 の立場 か らセ クハ ラにつ いて 思 うこ とを述 べ て み ます。

今回 の一連 の事件 か ら,セ クハ ラの相談窓 口があ っ て も,そ の後 の対応策 が きちん と して いない と, 役 に立 た な い こ とが わか りま した。 これ で は,学 生 は̀勇

気 を 出 して窓 口 に足 を運 ん'でも,窓 口が

̀あな たの不利 にはな らな いよ うに'が

ん ば って も, 徒 労 に終 わ るのが 目に見 えて います。

「富 山大学 の現 状 と課 題」 (1998)の ,「 Ⅱ。学 生 生 活 へ の配慮,第 一節  全 学 的学生相談体制 の 現状 につ いて」 で は,一 歩進 ん だ具体 的 な動 き方 を示 して います。 そ こには,「各学部 の相談窓 □」,

「全学 的 な機 関」,「 機 関 の構 成 員 の推 薦 を人権 擁 護 委 員会,精 神科 医師,弁 護士 な どに委 嘱 す る」,

「ガ イ ドライ ンの早 急 な作 成 と周 知徹 底 」 な どを 盛 り込 み,大 学 の全構成 員 が この種 の問題 の発生 を未然 に防止 す るよ う努 め るべ きだ と述 べて いま す。 また,相 談 窓 口が学 部 や大 学 の'事

なか れ主 'の

隠 れ 蓑 に な らな い よ うに,被 害 者 の泣 き寝 入 りにな らな いよ うに とい う点 につ いて も言 及 し て い ます。 この よ うな考 え を もとに して,具 体 的 に どの よ うな対策 を して い くのか を早急 に示 して い ただ きた い と思 い ます。 机上 の空論 にな らな い よ うに,今 回 の事 件 を検証 しなが ら,関 わ ったす べ て の人 々の意 見 を聴 きなが ら進 めて い く必要 が あ ります。

相 談 窓 口を作 る こと, そ して窓 口を通 した後 の 手 順 を明確 に して お くこ とが必 要 です。 そ うで な けれ ば, 一 部 の人 間 の恣意 的 な思惑 で,人 権 が脅 か され る ことに もな って くるよ うな気 が します。

窓 口を作 る とか, ガ イ ドライ ンを作 る とか い うこ

とだけに終わ らないよ うに,多 くの目で見守 って い く必要があるようです。

今回被害 に遭 った学生 は,心 理的に も身体的 に も安全 な環境で,勉 学 0研 究がで きる環境 を保障 して ほ しいと願 い,̀勇 気 を持 って'学

長 と学部長 に直訴 したのです。 これは一人の学生 の願 いにと どまらず,過 去十数年 にわたる複数 の学生の願 い で もあ りま した。 その学生の真意が大学 に通 じな か った ことは,非 常 に残念です。

セ ンターでは,今 後 もさまざまな形で提言 して い くことによって,彼 らの意思をつないでいきた い と考えています。学生の人権を守 ることがで き なか った ことは残念ですが, これか らで きるであ ろ うガイ ドライ ンや相談窓 口につ いて,今 回の事 例か ら教訓 を得 なが ら関わ っていけた らと思 いま す。

Ⅳ .NHK ク ロー ズ ア ップ現代

『キ ャンパ ス ・セ ク シュアル ・ハ ラスメ ン ト』 か ら思 うこと

¨ 「ほけかん」13号,1998年12月1日発行

この記事 は, 前 回 に引 き続 き, 富 山大学 で作 られ る ガイ ドライ ンが, 大 きな事件 とな ったセ クハ ラ事件 を 置 き去 りに して作 られている経過 を目の当た りに して 書 かれ た もので あ る。 セ クハ ラを起 こ した教員 は, 同 時 にい くつ もの問題 につ いて も学生か ら訴 え られてい た。科研費不正使用, 実 験廃液不法処理 な ど, 学 生 の 証言 や証拠書類 もあ りなが ら, 教 員を擁護 す る数名の 教員達 は, 真 相 の解明を妨 げ るためにあの手 この手 の 画 策 を講 じて い た。 その中 には, 「学部長 によ る日頭 で の厳重注意」 を した とい って, そ の証拠書類 を残 さ ないな どとい う学生 を侮辱す るよ うな手段 もあ った。

こ こで は, 「 セ クハ ラの事実 が処分 の構成要件 に該 当す るか ど うか」, そ して, 「その構成要件 はどのよ う な処分が適 当か を適切 に判断す ること」等, 明 確 にさ せ, 「一部 の人 た ちによ る恣意 的 な判断 で行 われて い る事実」 を認識 させ たい とい う意図があ った。

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学生相談 にお け るキ ャ ンパ ス ・セ ク シュアル ・ハ ラス メ ン ト対応

◆ は じめ に

1 0 月 4 日 に, N H K の 「ク ローズ ア ップ現代」

で, 『 キ ャ ンパ ス 0 セ ク シュアル ・ハ ラスメ ン ト』

が特集 され ま した。 この番組 に取 り上 げ られ るほ ど,   この問題 に対 す る関心 が全 国的 に高 くな って い る ことが わか ります。 番組 の中で は, キ ャ ンパ ス ・セ クハ ラヘ の対応 が現 実 に は非常 に難 しい こ とが強調 されて いま した。

こ こで は, 番 組 の事 例 を通 して, セ クハ ラ対応 機 関 がで きた後 に も学 内の混乱 が生 じて い る点 に 注 目 して考 えて い きた い と思 います。

◆相談 窓 口 と人権委員会

番組 で紹 介 され て いた の は高知大学 で した。 高 知 大学 で は, あ るセ クハ ラ事件 を きっか けに全学 を あ げて セ クハ ラ問題 に専 門 的 に取 り組 む, 「女 性 の人権委 員会」 とい う組織 を作 り, 対 策 に乗 り 出 しま した。委員会 にはすべ ての学部 か ら 2 名 ず つ の教員が参加 して います。

それ まで セ クハ ラヘ の対応 は, 学 部 の教授 会 が あ た って い ま した。被害 が明 らか にな った場合, セ クハ ラを した教員 が所属 す る学部 で教授会 が開 かれ, 処 分 が決定 されて い ま した。 教授会 での内 容 は, い っさ い公 表 され ませ ん で した。 「女 性 の 人権委 員会」 の特徴 は, 「相談窓 口」 と, 「調 査委 員 会 」 が あ る ことで した。 相談 窓 口で は, 人 権 委 員会 の委 員 が被害者 と話 し合 い, 救 済方法 を考 え ます。 さ らに調 べ る必要 が あ る場合 には, 独 自 の調査委 員会 が設 置 され ます。 そ こで は, 被 害者 と加害者 の双方 か ら事情 を聞 き, そ の結 果 を各学 部 に伝 え, 学 部 の教授会 で処分 が決定 され ます。

この シス テ ムがで きた後 に, あ る事件 が起 きま した。 4 年 生 の女子学生 が ゼ ミの コ ンパ で教員 か らセ クハ ラを受 け, 相 談窓 口を訪 れ たのです。女 子学生 はゼ ミの変更 を希望 しま した。人権委 員会 が教員 と直接 交渉 し, ゼ ミを変更 す る ことがで き ま した。 その後, 不 安 の残 る女子学生 の求 め に応 じて, 人 権委 員会 は面 談 を続 けたそ うです。

人権委員 会 の委 員長 は, 対 応 で きる窓 口が あ っ た ことは有効 だ った とい って います。 しか し,   こ

の ケースで人権委員会 の システムが機能 したの は こ こまでだ ったのです。 つ ま り,調 査委 員会 が設 置 され る前 に,当 該 学 部 の教授会 で処分 が決定 さ れ たのです。 そ して,一 週 間後 に学部長名 で処分 が発表 され ま したが,そ れ は,「教 授 に対 して文 書 によ る厳重注意 を行 った」 と書 いてあ るだ けで, セ クハ ラの実態 や処分 の経過 や理 由 につ いての説 明 はなか った といい ます。 その後 ,人 権委員会 の 委 員 長 に対 して 当該 学 部 長 か ら,「 調 査委 員会 を 設 置 しな くて も処分 はで きる」 とい う連絡 が入 っ た そ うです。

この経過 は学 内で の反発 を招 きま した。 大学 と して人権委 員会 が設 置 され たの に,従 来通 り学部 内 で処 分 を決定 して しま った ことを批判 す る声 が あが りま した。 「人権委 員会」 や,「調査委 員会」

が作 られて い るの に,そ のル ー トに乗 って解決 さ れ て い な い ことに強 い批判 が起 こったのです。

◆ 処分 につ いて

前 回 の,「 ほ けか ん 12号」 に も書 きま したが, セ クハ ラの訴 えが あ った後 の対策 を明確 に してお か な い と,ど の よ うな対策 も机上 の空論 で しか あ りませ ん。 高知大学 の例 の よ うに,当 該学部 の教 授 会 が処 分 を決定 し,学 部長名 で発表 して しま う

とい うことが起 こりうるわ けです。番組 の中で も,

「大学 は教 員 を護 る側 に向 いて しま うので はな い か」 とい うアナ ウ ンサ ーの問 いか けに,成 城大学 の教 授 は,「 大学 とい うの は,研 究 ・教 育 のた め の機 関 です。 その観点 か らい うと,人 格 を形成 し て い くための機関であるか ら,こ うい う問題 はあ っ て はな らな い し,あ るべ きはず の もので はないわ けです。 それが不幸 に してあ った場合,つ いつ い, 事 をで きるだ け小 さい もの に して い こ うとす る, 防御 す る対 応 を して くるの で しょう」 と応 えて い ます。

番組 の事 例 か ら学 ぶ べ き点 は,ま ず第一 に,セ クハ ラ問題 で大 切 なの は,「 セ クハ ラの事 実 が処 分 の構 成 要件 に該 当 す るか ど うか」,そ して,「 そ の構成要件 は どの よ うな処 分が適 当か を適切 に判 断 す る こと」 にあ る とい う ことで す。 高知大学 の

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場合,調 査委員会の複数 の委員が,① 事実関係 を 確認 し,② 構成要件 と して立件で きる出来事 の確 認を行 った上で,③ 適切 な処分の判断をお こない,

④教授会に報告する,と いう手続 きをするべ きだっ たので しょう。大学 に人権委員会があるのに,そ れ とは無関係 に学部単独で処分 を決定す るとい う 誤 った行為が行われた ことは大 きな問題です。

第二 に,「処分 の軽重 に関す る判断」 が恣意 的 にな ってはいけないとい うことです。大学 におけ る教職員の処分 については,懲 戒処分 〔処分の重 さによ り,① 懲戒免職,② 停職,③ 減給,④ 戒告 がある〕 と懲戒処分 にあた らない もの 〔⑤訓告,

⑥文書 による厳重注意,⑦ 口頭 による厳重注意〕

があ ります。教育公務員特例法の第九条第一項 に,

学長,教 員及 び部局長 は,大 学管理機関 (学長 及 び教員 にあ って は評議会,部 局長 にあ って は学 長)の 審査結果 によるものでなければ懲戒処分 を 受 けることはない」 と記載 されています。

処分の軽重 は,事 件の加害者 と被害者双方にとっ て大 きな意味を持 ちます。厳正で公正 な事実確認 が必要 となることはい うまで もあ りません。 た と え懲戒処分 にあた らない ものであ って も,公 正 な 判断が求 め られ るのは当然です。 た とえば,あ る セクハ ラ事件 について,学 部長 と数人の教員で話

し合 い,そ の メ ンバ ーで,「 これ は口頭 による厳 重注意 に しよ う」 とか,「 とりあえず,日 頭 によ る厳重注意を しておいて,あ とで文書 による厳重 注意をす る」 などとい う判断 はあ り得 ないわけで す。 このようなことが加害者 と親 しい一部の人た ちの恣意的な判断で行われた らたまった ものでは あ りません。 番組 の中で いわれて い るよ うに,

「内部 で事 をで きるだ け小 さい ものに してい こう とす る,防 御 しよ うとす る対応が起 こりやすい」

ということは,避 けがたい感情 なのか もしれませ ん。 しか し,そ のような ことが本当にあ ったとき に,被 害を受 けた学生 はセクハ ラの事実 に ショッ クを受 けた上 に,学 部 の対応の拙 さに も憤 りを感 じるで しょうし,ま た不信感が募 る結果 にな りま す。

富山大学で も, このよ うな先行事例 を念頭 に置

いて, 対 応策 を考 えて い く必要 が あ るで しょう。

文部省 ( 現文部科学省) か らの通達 が あ ったか ら とい って, 形 式 だ け整 え よ うとす ることは許 され ません。 どの大学 も急 いで ガイ ドライ ンを作成 し よ うと して い るよ うな気 が してな りません。腰 を 据 えて, 誠 実 に取 り組 んで い く姿 勢 を見 せ て いた だ きたい ものです。

V . 『 キャンパス ・セクシュアル ・ハラスメン ト ー教員か ら学生へのセクシュアル ・

ハ ラスメ ン トー』

「ほけかん」2 3 号, 2 0 0 1 年6 月2 5 日 発行

一連の事件の経過か ら,筆 者 は大 きな疲労感を感 じ, な るべ くな ら今後 このよ うなケースには関わ りた くな い とい うのが本音 だ った。学 内のセ クハ ラ等対応委員 会 がで きた後 も, セ ンター独 自に関 わ らな ければな ら ないケースは引 き続 きあ り, 学 生 の意思 を尊重す る形 で, 卒 業 までのカ タル シスと しての面談が続 け られた。

事例 を通 して感 じる ことは, 教 員 の社会性 の な さと 対人的距離 の と り方 の まず さで あ る。 かつて 自分が学 生 だ った頃の師弟関係 をいまだ に引 きず って, 同 様 の 関係 を学生 に求 め るのであ る。 た とえば, 多 少 きわ ど いセ ク シュアルな会話 が二人 の距離 を縮 めて特別 の師 弟関係 にな ると勘違 い して い る様子 が あ り, 学 生 の プ ライベ ー トな時間 まで拘束 し, 探 ることで親 しさをあ らわそ うとす る。学生 はい くら尊敬 で きる教員 に対 し て も, あ る一定 の距離 を持 って指導 を受 けよ うと思 っ て いる。 しか し, 教 員が その距離 に踏 み込 んで くるの で あ る。 その 日の気分 で学 生 へ の態度 を変 え た り,

「頭 が悪 いね。 富 山大学 の学生 は これだか ら困 っち ゃ う」 と侮辱す る言葉 を吐 いた りす る。教員 自身 のス ト レスや人格 の偏 りを,教 員 とい う立場 を利用 して学生 に向 けて いるよ うな感 じがある。

セ クハ ラに限 らず い じめ問題 は,男 性教員か ら女子 学生 とい うケースだ けで はな く, 女 性教員 か ら男子学 生, あ るいは, 女 子学生 へ の もの もあ り, セ クハ ラに 限 らず教員 に対 す る一般常識 的 なモ ラルを説 く必要性 を感 じたほどで あ る。人 と人が 向 き合 った ときに,   ど のよ うな関係であろうと言 ってはいけない言葉があ り, して はな らない態度があ る。 ま してや教員 とい う立場 は学生 に対 して成績評価や単位認定などの点で, 支 配 ―

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学生相談におけるキ ャンパ ス ・セクシュアル ・ハ ラスメ ン ト対応

従属関係 が あ る。 この よ うな 自己認識 の もと, 常 に 自 分 の言動 を振 り返 ることがで きる姿勢 を喚起 した い と 考 え た。

◆ セ クハ ラ国 立大教 員懲戒   1 6 人

5 月 2 7 日付 の北 国新 聞 に, 文 部科学 省 の開示文 書 で明 らか に され た国立 大学 教 員 の懲戒 処 分 につ いての記事 が掲載 されて いま した。 これ によると, 2 0 0 0 年度 にセ ク シュアル ・ハ ラスメ ン トを理 由 に 懲戒 処分 を受 けた国立 大 学 の教 員 が, 昨 年度 ( 3 人) の 5 倍 以上 ( 1 6 人) に 急増 した とい うことで す。 その理 由 と して, 「相 談 窓 口を設 置 す る大学 が増 えて い る ことや人事 院 が セ クハ ラの防止 規則 を定 め るな ど厳 しい対応 を打 ち出 した ことな どか ら,被 害が表面化 しやす くな った」 と しています。

ま た, 「 処 分 され た セ クハ ラはすべ て教 え子 が対 象。 悪 質 な行為 で も停職 や戒 告 な ど比 較 的軽 い処 分 に とどま って お り, セ クハ ラに甘 い大学 の体 質 を示 した」 と分析 して います。 つ ま り,構 成要件 と して立 件 で きる出来事 に比 して,処 分 の判 断 が 適 正 に行 われ て いな い実情 が 明 らか に され た とい

え るで しょう。

◆ セ ク シ ュアル ・ハ ラ スメ ン トー 第二段階ヘー 平 成 1 1 年 3 月 に文 部 省 ( 現文 部 科 学 省 ) は ,

「セ ク シュ ア ル ・ハ ラス メ ン トの防 止 等 に関 す る 規程」 を制 定 し, 同 年 4 月 よ り実施 され ま した。

文部 省 の規 程 の中 で, ま ず は じめ に次 の よ うな言 葉 の定義 が な されて い ます。

< 定 義 >

1 . セ ク シュアル ・ハ ラス メ ン ト

職 員 が他 の職 員, 学 生 及 び関係 者 を不愉 快 に させ る性 的 な言動 な らび に学 生及 び関係者 が職員 を不快 に させ る性 的 な言動

2 . セ クシュアル ・ハ ラスメ ン トに起因す る問題 セ ク シュアル ・ハ ラス メ ン トの ため職 員 の 就 労 上 また は学 生 等 の修学 上 の環 境 が害 され る こ と及 び, セ ク シュアル ・ハ ラスメ ン トヘ の対応 に起 因 して職 員が就労上 の また は学生 が修学上 の不利益 を受 け る こと

つ ま り,「相手 を不快 に させ る言動」 や,「就労 上 また は修学上 の不利益 を もた らす言動 」 は, す べ て セ ク シュアル ・ハ ラスメ ン トで あ る と包括 的 に定義 して います。

京都 産業 大学 の渡 辺 和 子 氏 は, 「 かつ て̀ これ っ て セ クハ ラで す か ? ' と い う相 談 や , 被 害 者 で あ る女性 を支援 した人 が受 け る第二 の セ クハ ラの被 害者 か らの相 談 が多 か ったが, 今 は相 談 の性 質 が 変 わ って きた」 と述 べ て い ます。

「今 はガイ ドライ ンが作 られ, ま たセ クハ ラに 取 り組 む団体 も増 えて きたのですが, 実 はそ こに 訴 え た けれ ど も満 足 に行 く解 決 が な され な い とい う相談 が増 えて きた。 その多 くが,セ クハ ラを大 学 当局 に訴 え て, 大 学 か らさ らな るセ クハ ラを受

けた と訴 え る内容 だ」 とい うことです。

キ ャンパ ス 。セ ク シュアル ・ハ ラスメ ン ト全 国 ネ ッ トワー ク事務局 が活動 を始 めて 2ヶ 月 あ ま り で 15件の深刻 な相談 を受 けて い る現状 か ら,渡 辺 氏 は次 の よ うに語 って い ます。 「セ クハ ラの状 況 が,す で に第二 の段 階 に入 って きたので はないか と考 えて います。 つ ま り,第 一 段階 と してセ クハ ラにつ いて の意 識 が高 ま って訴 えが始 ま った とい う手探 りの時期 か ら,第 二段 階 と して,そ の意識 が さ らに高 ま り行動 を起 こ し始 めた人 た ちが,対 応 が始 ま ったはず の大学 や機 関 に訴 え たが,責 任 を とるべ き大学 当局 の理 解 も対 応 も遅 れ て い る こ とに気 づ き始 めた とい うことです」

この講演 は1998年11月29日の第 4回 全 国 ネ ッ ト の集 会 で行 われ た ものです。 すで に 2年 半経過 し て い ますが,筆 者 の印象 で は今 で もその状 態 は続

いてい る と思 われ ます。 各大学 が ガイ ドライ ンを 作 成 し終 わ って ほ つと して い る現在 も,現 実 にセ クハ ラは起 きて います し,被 害 を受 けて い る人 が 泣 き寝 入 りを して い る現状 は変 わ りな いのです。

◆ セ クハ ラの解 釈

文部 科学 省 で定義 され た文言 はセ クハ ラの範囲 を最大 限 に拡 げ,包 括 的 に予 防 しよ うと して い る 点 で評 価 され ます が,そ れ故 に,「 何 で もセ ク ラにな って しま う」 と言 わ れ,深 刻 に と らえて も

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