はじめに
著者 山田 史郎
雑誌名 同志社大学歴史資料館館報
号 12
ページ n
発行年 2009‑10‑30
権利 同志社大学歴史資料館
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000012240
は じ め に
同志社大学歴史資料館は、2008年度に展示・調査・研究という3つの側面で活動を行いました。
2008年10月と2009年2・3月には、京田辺・今出川両校地で近世公家屋敷の発掘調査成果を中心と した企画展を行いました。2つの企画展を行うことは楽ではありませんでしたが、多くの見学者を 得たことには安堵しています。また、この展示会では、文学部を中心とする学生有志が企画や展示 設営作業に大きくかかわりました。これにより、学内での博物館教育の一環として、実践活動が行 えたことは有意義だったと考えています。
また、同志社中学・高等学校校舎が整備される岩倉校地では、建設事業にともなって遺跡調査を 行いました。古墳時代初頭の竪穴住居群の検出や多数の古式土師器の出土など、3世紀の京都盆地 の歴史を知る上で重要な成果が得られました。2009年度には、こういった調査の成果を学術公表す るべく発掘調査報告書の作成作業を行っています。
さらに、2005年度以来続けている南山城の古代寺院に関する資料集成作業は、大詰めを迎え、
2009年度にはその成果をとりまとめた図書を刊行する予定です。また、本書に収録した大阪府城ノ 山古墳出土鉄製品の報告のように、当館収蔵資料で未公開の考古資料の公表作業なども行っていま す。
このように当館の活動は多岐にわたります。物言わぬ物質資料を社会にとっての「生きた存在」
にするためには様々な回路を利用することが必要であり、本館の事業内容が多様なことはむしろ必 然ともいえるでしょう。このような活動は、本学内外の様々な機関・個人のご協力によって成り立 っています。本館事業の継続と発展のために、今後とも多くの方々のご指導・ご鞭撻を賜りますよ うお願い申し上げ、緒言にかえさていただきたく存じます。
2009年10月30日
同志社大学歴史資料館
館長 山 田 史 郎