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ウォライタの謎々に関するテキスト

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Academic year: 2021

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(1)

はじめに

ウォライタ語は,エチオピア南西部のウォライタゾーンを中心に話されている言語である。

ウォライタゾーンとは,エチオピアの首都アジスアベバから約400 kmの道のりで,アバヤ湖 の北西に位置するソド(ウォライタ語でSooddó1))を中心都市とする,面積約3500 km2

Keywords: Wolaytta, Afroasiatic, Ethiopia, riddle, oral literature キーワード : ウォライタ語,アフロアジア語族,エチオピア,謎々,口承文芸

* 本稿で紹介したテキストの採集及び分析のためのフィールドワークは財団法人三菱信託山室記念奨 学財団(現財団法人三菱UFJ信託奨学財団),山口大学の乾秀行助教授(当時)が研究代表者であ る日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究(B)課題番号16401008,研究協力者として参加), 及び京都大学の梶茂樹教授が研究代表者である同補助金(基盤研究(B)課題番号20320059,研究 協力者として参加)の支援により可能となった。心より御礼申し上げる。

1) 近年のウォライタではラテン文字を用いてウォライタ語を表記する試みがなされているので,本稿 でもその表記を採用する。その際に,現地の学校で使われているウォライタ語の教科書の表記を参 考にした。厳密な音韻表記にはなっていないが,本稿の趣旨には影響しないので逐一指摘すること はしない。各文字は概してIPAから推測される音価を有しているが,注意を要するのは以下で ↗

ウォライタの謎々に関するテキスト

若 狭 基 道

Texts on Wolaytta Riddles

WAKASA, Motomichi

Wolaytta (Afroasiatic family, Omotic branch) is a language spoken in south- western Ethiopia. This language has a rich oral literature, which includes qán’’ishiya. e term qán’’ishiya can be, and actually has been, translated as

“riddle” in English, although it is very diff erent from, for example, Japanese or Amharic riddles. I recorded two Wolaytta oral texts regarding qán’’ishiya during my fi eld trips. In this paper, these texts are presented with glosses and translations in Japanese. It contributes to the following points: 1) It offers many examples of qán’’ishiya and describes how to play it. 2) It enables the access and use of actual or non-elicited data on Wolaytta. 3) It may stimulate future studies on riddles and other oral literature in Wolaytta as well as in languages from other parts of Africa.

はじめに

1. Massala Maguja氏によるテキスト

2. Asela Gujubo氏によるテキスト

(2)

行政単位である。1894年にメネリク2世に征服され,エチオピア帝国に組み込まれるまで独 立していた王国に相当すると考えてよい。

ウォライタ語はアフロアジア語族のオモ語派に属するとされている言語である。オモ語派は 南北に大きく分かれるとの説に従えば,ウォライタ語は北オモに属し,その中でもオメト諸語 を代表する言語である。母語話者人口は2007年の国勢調査によれば1,627,955人である2

そのウォライタには,ウォライタ語でqán’’ish-iyaと呼ばれる口承文芸がある。以下では

「謎々」と訳し,Lemma 1992 (E.C.): 129でもpuzzle,riddleと英訳されているが,日本の謎々 とはかなり異なったものである。その概要は若狭 2005に紹介されているが,出題者の数語で 構成される問に対し,問と韻を踏み,可能ならば問と内容的にも一致するもので答える,一種 の言葉遊びのようなものである。例えば以下のようなものである。

(0-1)

(Q)Giy-á gidd-óó-ní gitigit-á.

市場-OBL 中-OBL-LOC 徘徊する-OPT.2SG (A)Og-íya doon-áa-ni batibat-á.

道-OBL.SG.M 口-OBL.SG.M-LOC そわそわする-OPT.2SG

(問)「市場の中で意味もなく歩き廻れ」

(答)「道端でそわそわ行動しろ」

↗ ある:c [t’],j [dʒ],q [k’],r [],x [t’],y [j],ch [t],dh(喉頭化した [d]),nh [h],ph [p’],

sh [],zh [ʒ],’ []。英語と同じく,文や固有名詞の最初は大文字で書く。

 現地の表記ではアクセントは表記しないが,本稿ではH(高)アクセントを本来有すると考えら れる箇所にアクサンテギュ(´)を附す。このアクセントが常に音声上も実現されるとは限らないが,

その詳細はここでは論じない。また,グロスを付ける関係上,ハイフンを適宜挿入し,形態素の境 界を示した。

 本稿で使った略号は以下の通りである:ABL(ablative,奪格後置詞),ABS(absolutive,絶対格。

他の格が使われない所で使われる無標の格で,例えば動詞の直接目的語や肯定平叙名詞述語文の述 語に使われる形である。いわゆる「能格ergative」と対になる格ではない),ADV(adverbial,副 詞格),ALL(allative,向格後置詞),AMH(Amharic,アムハラ語),CAUS(causative,使役接辞), COM(comitative,共格後置詞),CVB(converb,副動詞形。「〜して」の意味),DAT(dative,

与格後置詞。受益者も表す),DIST(distal,遠称),F(feminine,女性),FUT(future,未来 形),INF(infinitive,不定詞),INTER(interrogative,疑問形),INTJ(interjection,間投詞), IPFV(imperfective,未完了形),LOC(locative,場所格後置詞。道具も表す),M(masculine,

男性),NEG(negative,否定),NMLZ(nominalizer,名詞化辞。日本語の形式名詞「の」に近い), NOM(nominative,主格),NSBJ(non-subject oriented,非主語指向形。関係節に修飾される 名詞が関係節内で主語以外のものとして機能する時の形),OBL(oblique,斜格。後続する名詞 句を修飾する際の格),OPT(optative,希求(命令)形),PASS(passive,受身接辞。相互も表す), PFV(perfective,完了形),PL(plural,複数),PROX(proximal,近称),REFL(reflexive,再 帰代名詞),REL(relative,関係節形(連体形)),SBJ(subject oriented,主語指向形。関係節に修 飾される名詞が関係節内で主語として機能する時の形),SG(singular,単数),SIM(simultaneous,

共起形。「〜しながら」の意味),SUBOR(subordination marker,従属節標識),VOC(vocative,

呼格),1(first person,1人称),2(second person,2人称),3(third person,3人称)。  なお,謎々の問の冒頭を(Q),答の冒頭を(A)で示した。XXは明らかな言い間違いで意味を なさない音連続に附した。

 アムハラ語の転写にはIPAを使ったが,音声的実現に幅がある「狭い[a]」はäで表記した。

2) エチオピアの中央統計局(Central Statistics Agency of Ethiopia)のウェブサイトhttp://www.csa.gov.et/

で2013年1月13日に閲覧した。当該数値はホームページの「CENSUS 2007 TABLES」という タブをクリック,「Documents」の8番目の「Country level」をクリックして得られる資料の118 ページにある。

(3)

どのような条件を満たしていれば「韻を踏んでいる」と言えるのか,現段階では定かではない が,上では問と答のそれぞれ最初の語の音形が似ており,2番目の語が共に場所格後置詞を伴っ ており,最後の語の語幹がそれぞれt音を含む繰り返しからなっており,音声面での類似点が ある。また,内容的にも共に侮辱の表現であり,この点でも一致している。

筆者は近年,フィールドに出掛ける度にウォライタの謎々をいろいろな人からこつこつと採 集している。どの世代であってもよく知っている人はよく知っているとの印象であり,また謎々 を聞いてその面白さが理解出来ないウォライタ語話者がいないらしいことから判断して,決し て過去の遊びとなっているとは思われない。

こうして得られた資料とは別に,筆者が録音したウォライタ語によるモノローグ形式の口頭 テキストの中に,ウォライタの謎々に関するものが2つある。

1つは1998年に筆者のウォライタでの滞在先であるボディティ(ウォライタ語でBoddítté)

にてMassala Maguja氏の語ったものである。氏は当地では有名な即興歌の名手であり,首都

アジスアベバで基礎的調査のインフォーマントとして御協力戴いたAlemu Koyra氏の仲介に より録音が可能となった。残念ながら,当時はウォライタに着いたばかりで右も左も分からな い状態であり,半ば筆者の知らない内にアポイントメントが設定されていたためもあり,準備 も心構えも出来ていない内に録音することになってしまった。録音の大半はウォライタの伝統 的な歌や即興歌,あるいはそれに準じる口承文芸であるが,その中に,録音当時は気付かなかっ たが,謎々に関するものが入っていた,という訳である。その後は諸般の事情により筆者はこ の録音資料を余り有効活用して来なかった。だが近年,改めて資料としての価値に気付き,ま た謎々研究にも役立つことに気付いた次第である。

もう1つは2004年9月10日,同じくボディティにて筆者のメインインフォーマントであり,

多くのモノローグ形式のテキストを録音させて下さったAsela Gujubo氏によるものである。

筆者は当時,既に謎々の存在自体は知っていたが,具体的なことを知りたくて謎々に関して何 かテキスト用に語って戴きたいとお願いして得られたものである。但し,お願いしたその場で 録音したものではなく,思い出したりするために何日かの準備期間を置いてから録音したもの である。なお,当テキストでは謎々に関する語りが終わった直後に全く別の話(昔の狩猟を題 材としたもの)が語られている。因みに,謎々を咄嗟に思い出せないからと言って謎々を知ら ないということにはならない。先述のAlemu Koyra氏は,謎々を教えてくれるようにお願い しても「1つも知らない」とのことだったが,後日筆者が採集した謎々を問いかけるときちん と答えられるし解説も的を射ている。

なお,言うまでもないが謎々は本来モノローグで語られるものではない。本来は若者達が集 まって,お互いに出題し合うものである。これらのテキストはそうした様子を再現し,必要に 応じて解説を加えて語ったものである。

本稿では,以下にこれら2つのテキストを語の意味や文法的註釈を示したグロス,及び日本 語訳を付けて公開する。それには少なくとも以下の3つの利点があると考えられる。

1つ目は,今まで殆ど紹介されていないウォライタの謎々の実例を多少なりとも提供出来る ことである。若狭 2005では3つしか紹介されておらず,ウォライタの謎々に関して何か論じ る際に充分な量であるとは決して言えない。本稿はそれを多少なりとも補うものである。

2つ目の利点は,自然な,断片的ではない,エリシテーションによらないウォライタ語資料 へのアクセスを不充分ながらも可能にすることである。現在のところ,グロス付きのウォライ タ語のテキストは,Wakasa 2008: 1086-1096に少し見られるのみである。現地ではラテン文

(4)

字を用いた民話集,初等教育用の教科書,聖書の翻訳等,書かれたウォライタ語資料も出始め てはいるが,当然本文が印刷されているだけであり,ウォライタ語を知らない人には言語資料 として全く利用出来ない。本稿はそうした状況を多少なりとも改善するものである。

3つ目は,ウォライタの謎々やその他の口承文芸,更にはアフリカの他の地域のそれらの研 究に対する刺戟になるかも知れない,という点である。例えば柘植 2009: 147-151には同じく エチオピア南西部でウォライタ語と同じくオモ系言語に属するアリ語(ウォライタ語は北オ モ,アリ語は南オモに分類される)の謎々が紹介されているが,ウォライタ語の謎々に近いも の,即ち「一種の言葉遊び的な要素を強く持った」たもので,中には「構造上の効果的な対比 に加えて,音韻面での頭韻,脚韻の効果が際立っている」ものもあるとのことである(柘植 2009: 150)。1つ例を引く。

(0-2)

A: zaagi lota kisraee.

ザーギ 皮をむいた 登られない

「樹皮を剥いたザーギ(=木の一種)にはのぼれない」

B: zangat tiša garaee.

ザンガ-の ティシャ 食べられない

「ザンガ(=ソルガムの一種)のティシャ(=若く熟したものは),(苦くて)食べられない」

(柘植 2009: 150より)

因みにエチオピアで共通語的性格を持つセム語派のアムハラ語の謎々は「謎かけ」と「謎解き」

から成り立っている点で,日本で知られている謎々に近い。詳細は柘植 1984を参照されたいが,

1つだけ例を引用する(表記は原文のまま)。

(0-3)

bä-and tärara lay bzu akka.

に-一 山 上 多くの 森

「山の上に森がたくさん」(柘植 1984: 846より。グロスは本稿筆者が補った。答はṣägur「髪 の毛」)

本稿を機にウォライタ・アリタイプの謎々(但しアリには柘植 2009: 149にあるように日本・

アムハラタイプの謎々も存在する)がどの地域に分布しているのか,その起源は何であるのか,

議論が始まるのを期待したい。

以上,以下のテキストを「資料」として公表する価値があると考えられる。グロスや和訳に 不充分な点や思わぬ勘違いもあるに違いない。御指摘戴ければ有難い。録音されたテキストの 文字化・分析に際しては2つとも上記Asela Gujubo氏に御協力を戴いた。改めて感謝申し上 げる。無論,本稿の不備に関する一切の責任は筆者にある。

(5)

1. Massala Maguja氏によるテキスト

(1-1)

Qán’’ish-iya g-íyo yétt-ay d-ées.

謎々-ABS.SG.M 言う-REL.IPFV.NSBJ 歌-NOM.SG.M 存在する-IPFV.3SG.M

「謎々という歌3)があります」

(1-2) Qán’’ish-iya.

謎々-ABS.SG.M

「謎々」

(1-3)

Qán’’ish-iya omárss-aa-ni shiiq-ídí

謎々-ABS.SG.M 夕方-OBL.SG.M-LOC 集まる-CVB.3SG.M míízz-aa s-óo gel-iss-ídí

家畜-ABS.SG.M 家-ABS.SG.M 入る-CAUS-CVB.3SG.M míízz-aa boll-í kar-íya gordd-ídí

家畜-OBL.SG.M 上-ADV 戸-ABS.SG.M 閉める-CVB.3SG.M wodáll-ay útt-idi qán’’ish-iya g-éettees.

若者-NOM.SG.M 坐る-CVB.3SG.M 謎々-ABS.SG.M 言う-IPFV.1PL

「謎々と,夕方に集まって,家畜を家に入れて,家畜の所の戸を閉めて,若者達が坐って,謎々,

と私達は言います」

(1-4)

Laa Massál-á Maagúj-ee néná qán’’ish-e.

おい (人名)-OBL.M (人名)-VOC.M 貴方(ABS) 謎々-ABS

「おい,マサラ・マグジェ,君に謎々だ」

(1-5) Qaysh-é.

謎々の応諾-ABS

「受けて立つ(lit. 謎々の応諾だ)」

(1-6)

Qaysh-é-kkó qaysh-é-kkó

謎々の応諾-OBL-ALL 謎々の応諾-OBL-ALL

「受けて立つ,との言葉に対し,受けて立つ,との言葉に対し」

3) 3語目のyétt-ayはkaass-áy(遊び-NOM.SG.M)の間違いと思われる。このテキストを始める直 前まで,語り手であるMassala Maguja氏は歌を歌っていた。

(6)

(1-7)

(Q) Hassay-ádá qán’’ish-ana.

思い出す-CVB.1SG 謎々を出す-FUT (A) Haar-ádá ustt-aná.

飼育する-CVB.1SG 食べ物を牛乳を飲んで流し込む-FUT 問「私は思い出して,謎々を出すだろう」

答「私は(家畜を)飼育して,食べ物を牛乳を飲んで流し込むだろう」

(1-8)

(Q) Hassay-ádá qán’’ish-ana.

思い出す-CVB.1SG 謎々を出す-FUT (A) Haax-ádá bashash-aná.

発芽させる-CVB.1SG 苗木を植える-FUT 問「私は思い出して,謎々を出すだろう」

答 「私はエンセーテ(=バショウ科の植物,学名Ensete ventricosum)の球根を2つに割っ て土に埋めて発芽させ,その発芽した苗木を密集させて植えるだろう」

(1-9)

(Q) Hassay-ádá qán’’ish-ana.

思い出す-CVB.1SG 謎々を出す-FUT (A) Yel-ádá kiitt-aná.

産む-CVB.1SG 送る-FUT

問「私は思い出して,謎々を出すだろう」

答「私は子供を儲けて,後を継がせる(lit. 送る)だろう」

(1-10)

|bäk’k’a| mangg-ett-í-n

充分だ(AMH) 負ける-CAUS-SUBOR-LOC Né táná zaar-ádá qán’’ish-a.

貴方(NOM) 私(ABS) 戻す-CVB.2SG 謎々を出す-OPT.2SG

「もういいでしょう,負かしてやると,『今度は君が私に謎々を出せ』」

(1-11)

Miináám-ó Sabisíb-ee néná qán’’ish-e.

(人名)-OBL.M (人名)-VOC.M 貴方(ABS) 謎々-ABS

「ミナモ・サビシベ,君に謎々だ」

(1-12) Qaysh-é.

謎々の応諾-ABS

「受けて立つ」

(7)

(1-13)

Qaysh-é-kkó qaysh-é-kkó qaysh-é-kkó

謎々の応諾-OBL-ALL 謎々の応諾-OBL-ALL 謎々の応諾-OBL-ALL

「受けて立つ,との言葉に対し,受けて立つ,との言葉に対し,受けて立つ,との言葉に対し」

(1-14)

(Q) Qaysh-éé qaysh-é-kkó lágg-e.

謎々の応諾-NOM 謎々の応諾-OBL-ALL 友人-ABS (A) Qántt-ay baatt-á-kkó lágg-e.

短い-NOM.SG.M 甕-OBL-ALL 友人-ABS 問「謎々の応酬が対等だ」

答「背の低い(lit. 短い)人が(太っていて)甕と対等だ」

(1-15)

(Q) Qaysh-éé qaysh-é-kkó lágg-e.

謎々の応諾-NOM 謎々の応諾-OBL-ALL 友人-ABS (A) Qacín-í hárpp-a-kko lágg-e.

経糸-NOM 織機の筬-OBL-ALL 友人-ABS 問「謎々の応酬が対等だ」

答「経糸は織機の筬(おさ)と友人だ」

(1-16)

(Q) Qaysh-éé qaysh-é-kkó lágg-e.

謎々の応諾-NOM 謎々の応諾-OBL-ALL 友人-ABS

(A) Qaallíchch-ay jím-a-kko lágg-e.

カリチャ族の呪術師-NOM.SG.M カート-OBL-ALL 友人-ABS 問「謎々の応酬が対等だ」

答 「カリチャ族(=ウォライタ内部の血縁集団の1つ)の呪術師はカート(=噛むと覚醒作用 をもたらす葉)と友人だ」

(1-17)

Mangg-ett-ádasa.

負ける-CAUS-PFV.2SG

「君の勝ちだ(lit. 君は負かした)」

(1-18)

|i| táná qán’’ish-a4.

宜しい(AMH) 私(ABS) 謎々を出す-OPT.2SG

「よろしい,私に謎々を出せ」

4) この後に何か一言あるようにも聞こえるが聞き取れない。

(8)

(1-19)

Massál-á Maagúj-ee néná qán’’ish-e.

(人名)-OBL.M (人名)-VOC.M 貴方(ABS) 謎々-ABS

「マサラ・マグジェ,君に謎々だ」

(1-20) Qaysh-é.

謎々の応諾-ABS

「受けて立つ」

(1-21)

Qaysh-é-kkó qaysh-é-kkó

謎々の応諾-OBL-ALL 謎々の応諾-OBL-ALL

「受けて立つ,との言葉に対し,受けて立つ,との言葉に対し」

(1-22)

(Q) Héé bóódd-o.

どうぞ 地面を足で掻く-OPT.3SG.M (A) Bóór-a áq-oy oll-á.

雄牛-OBL 泊る場所-NOM.SG.M 穴-ABS 問「さあ,(それに)地面を足で掻かせろ」

答「雄牛の泊る場所は穴だ」

(1-23)

(Q) Héé bóódd-o.

どうぞ 地面を足で掻く-OPT.3SG.M

(A) Bóódd-i zin’’-íya-y deeshsh-á.

地面を足で掻く-CVB.3SG.M 寝る-REL.IPFV.SBJ-NOM 山羊-ABS 問「さあ,(それに)地面を足で掻かせろ」

答「足で地面を掻きならして寝るのは山羊だ」

(1-24)

(Q) Héé bóódd-o.

どうぞ 地面を足で掻く-OPT.3SG.M (A) Boríchch-í kaw-ó.

(人名)-NOM.M 王-ABS

問「さあ,(それに)地面を足で掻かせろ」

答「ボリチャは王だ」

(9)

(1-25)

(Q) Héé bóódd-o.

どうぞ 地面を足で掻く-OPT.3SG.M (A) Booddíl-í ambb-é.

砂漠-NOM (木の一種)-ABS

問「さあ,(それに)地面を足で掻かせろ」

答「砂漠はアンベの木(非常に硬くてなかなか切れない)だ」

(1-26)

|bäk’k’a| wurss-íis.

充分だ(AMH) 終える-PFV.3SG.M

「もう充分,彼の番は終わりです(lit. 彼は終えた)」

(1-27) Naa’’antt-ádá 2回する-CVB.1SG

|i| Sabisíb-ee néná qán’’ish-e.

宜しい(AMH) (人名)-VOC.M 貴方(ABS) 謎々-ABS

「再び私が(lit. 私が2回して)『よし,サビシベ,君に謎々だ』」

(1-28) Qaysh-é.

謎々の応諾-ABS

「受けて立つ」

(1-29)

Qaysh-é-kkó qaysh-é-kkó qaysho 謎々の応諾-OBL-ALL 謎々の応諾-OBL-ALL XX5)

「受けて立つ,との言葉に対し,受けて立つ,との言葉に対し」

(1-30)

(Q) Hé fintt-a boll-á-n godar-é gíndd-e.

DIST 岸-OBL 上-OBL.SG.M-LOC ハイエナ-OBL 踵-ABS (A) Útt-i-n dottiennay shimaynn-é dúll-e.

坐る-SUBOR-LOC XX6) 織工-OBL 尻-ABS 問「向こう岸にハイエナの踵だ」

答「坐っても痺れないのは織工の尻だ」

5) qaysh-é-kkó(謎々の応諾-OBL-ALL)「受けて立つ,との言葉に対し」の言い誤りであると思われる。

6) dócc-enna-y(痺れる-NEG.REL-NOM)「痺れないのは」の言い誤りと思われる。

(10)

(1-31)

|i| néná qán’’ish-e.

宜しい(AMH) 貴方(ABS) 謎々-ABS

「よし,君に謎々だ」

(1-32) Qaysh-é.

謎々の応諾-ABS

「受けて立つ」

(1-33)

Qaysh-é-kkó qaysh-é-kkó qaysh-é-kkó

謎々の応諾-OBL-ALL 謎々の応諾-OBL-ALL 謎々の応諾-OBL-ALL

「受けて立つ,との言葉に対し,受けて立つ,との言葉に対し,受けて立つ,との言葉に対し」

(1-34)

(Q) Woysh-á-wú wozan-í báa.

竹-OBL-DAT 心-NOM 無い

(A) Ni aayy-íya baqq-íyo ót-uwa-ssi

貴方(OBL) 母-NOM.SG.F 叩く-REL.IPFV.NSBJ 壺-OBL.SG.M-DAT goyn-í báa.

尻尾-NOM 無い 問「竹に心はない」

答「君の母さんが(制作の過程で形を整えるために)叩く壺には尻尾がない」

(1-35)

|i| (Q) Woysh-á-wú wozan-í báa.

宜しい(AMH) 竹-OBL-DAT 心-NOM 無い (A) Har-íya-wu zimett-í báa.

驢馬-OBL.SG.M-DAT 背中の瘤-NOM 無い

「よし」,問「竹に心はない」

答「ロバに背中の瘤はない」

(1-36)

Laa táná cóo mangg-ett-áy

おい 私(ABS) 無駄に 負ける-CAUS-INTER.IPFV.2SG he-g-áá-ní.

DIST-NMLZ-OBL.SG.M-LOC

「おい,君はこのまま(lit. そこで)何となく僕に勝ってしまうのかい?」

(11)

(1-37)

|i| néná qán’’ish-e.

宜しい(AMH) 貴方(ABS) 謎々-ABS

「よし,君に謎々だ」

(1-38) Qaysh-é.

謎々の応諾-ABS

「受けて立つ」

(1-39)

Qaysh-é-kkó qaysh-é-kkó qaysh-é-kkó

謎々の応諾-OBL-ALL 謎々の応諾-OBL-ALL 謎々の応諾-OBL-ALL Qaysh-é-kkó

謎々の応諾-OBL-ALL

「受けて立つ,との言葉に対し,受けて立つ,との言葉に対し,受けて立つ,との言葉に対し,

受けて立つ,との言葉に対し」

(1-40)

Woysh-á-wú wozan-í báa wóntt-a gee 竹-OBL-DAT 心-NOM 無い 先程-ABS XX7)

「竹に心はない,とさっき言…」

(1-41)

Ée woysh-á-wú wozan-í báa g-áádasa.

はい 竹-OBL-DAT 心-NOM 無い 言う-PFV.2SG

「そうだ,君は,竹に心はない,と言った」

(1-42) Qaysh-é-kkó

謎々の応諾-OBL-ALL

「受けて立つ,との言葉に対し」

(1-43)

(Q) Wodd-ída keett-áa woysh-á-n tuuq-á.

傾く-REL.PFV.SBJ 家-ABS.SG.M 竹-OBL.SG.M-LOC 柱で支える-OPT.2SG (A) Daamóót-á der-íya-n tuuq-íya ess-á.

(地名)-OBL 山-OBL.SG.M-LOC 柱-ABS.SG.M 立てる-OPT.2SG 問「傾いた家を竹で支えろ」

答「ダモタの山に柱を立てろ」

7) g-「言う」の何らかの形を言いかけてやめたものと思われる。

(12)

(1-44) yáág-iyo?

そう言う-INTER.IPFV.1PL

「僕達,そう言おうか?」

(1-45) Ée.

はい

「うん」

(1-46)

Néná qán’’ish-e.

貴方(ABS) 謎々-ABS

「君に謎々だ」

(1-47) Qaysh-é.

謎々の応諾-ABS

「受けて立つ」

(1-48)

(Q) Emer-é woxx-á.

裏庭-ABS 走る-OPT.2SG (A) Ecer-é ziitt-á.

鼠-ABS 求愛する-OPT.2SG 問「裏庭の方に走れ」

答「鼠に求愛しろ」

(1-49)

Haakk-á Xaláh-ee!

遠ざかる-OPT.2SG 悪魔-VOC

「あっちへ行け,悪魔め!」

(1-50)

(Q) Emer-é woxx-á.

裏庭-ABS 走る-OPT.2SG (A) Edat-ó manqq-á.

弁償する-OPT.3SG.M 貧乏になる-OPT.2SG 問「裏庭の方に走れ」

答「彼に弁償させて8),お前は貧乏になれ」

8) Edat-ó は Edat-á(弁償する-CVB.2SG)「お前は弁償して」の誤りかと思われる。

(13)

(1-51)

Laa he-g-éé pa pál-a cashsh-á おい DIST-NMLZ-NOM.SG.M XX 悪い事-OBL 侮辱-ABS cay-íi?

侮辱する-INTER.IPFV.3SG.M

「おい,こいつ(lit. あれ)は恐ろしい侮辱を言うのか?」

(1-52)

(Q) Emer-é woxx-á.

裏庭-ABS 走る-OPT.2SG

(A) Ekk-íyo-b-a xay-á.

取る-REL.IPFV.NSBJ-物-ABS 失う-OPT.2SG 問「裏庭の方に走れ」

答「お前は何も得るものがなくなってしまえ」

(1-53)

Xóóss-oo pál-a-b-aa-ppe ashsh-á.

神-VOC 悪い事-OBL-物-OBL.SG.M-ABL 救う-OPT.2SG

「神様よ,悪いことから救って下さい」

(1-54)

(Q) Shóóq-aa shottay-á.

耕された土地9)-ABS.SG.M 目的もないのにのろのろ歩く-OPT.2SG (A) Shoc-ádá qawcay-á.

殴る-CVB.2SG 頭を叩いて音を出す-OPT.2SG 問「耕された農地でのろのろ歩け」

答「頭を殴って音を出せ」

(1-55)

He-g-éé-kká qán’’ish-ee?

DIST-NMLZ-NOM.SG.M-も 謎々-INTER

「それが謎々か?」

(1-56) Ée.

はい

「そうだ」

9) 匿名の査読者のお一人から,「耕作を終えた収穫後の土地」のことではないかとの御指摘があった。

確かにその方が侮辱として意味が通る。確認を要する。

(14)

(1-57)

|i|.

宜しい(AMH)

「よし」

(1-58)

Néná qán’’ish-e.

貴方(ABS) 謎々-ABS

「君に謎々だ」

(1-59) Qaysh-é.

謎々の応諾-ABS

「受けて立つ」

(1-60)

(Q) Dugún-á-n Dulchch-ú qaxxár-aa gel-ées.

(地名)-OBL-LOC (人名)-NOM.M 割礼-ABS.SG.M 入る-IPFV.3SG.M (A) Boll-áá-rá xinggíll-ee yagán-uwa

上-OBL-COM 鳶-NOM.SG.M 慶事に差し入れる飲食物-ABS.SG.M ef-ées.

取る-IPFV.3SG.M

問「ドゥグナでドゥルチョは割礼を迎える」

答「上からトンビが差し入れを掠め取る」

(1-61)

Néná qán’’ish-e.

貴方(ABS) 謎々-ABS

「君に謎々だ」

(1-62) Qaysh-é.

謎々の応諾-ABS

「受けて立つ」

(1-63)

(Q) Dupp-í durúm-a.

ウシクサ-NOM 切株-ABS (A) Durchch-ú qaxxár-a.

(人名)-NOM.M 割礼された人-ABS

「ウシクサが刈り株になっている」

「ドゥルチョは割礼を受けた人だ(刈り株と同じく先を切られている)」

(15)

(1-64)

Néná qán’’ish-e.

貴方(ABS) 謎々-ABS

「君に謎々だ」

(1-65) Qaysh-é.

謎々の応諾-ABS

「受けて立つ」

(1-66)

(Q) Qeee qán’’ishe qarddíwalle.

XX XX10

(A) Indd-í ash-óy dorss doyss-í-n

老婆-OBL 肉-NOM.SG.M XX 調理する-SUBOR-LOC ká’’-ennaa-g-ee porddípolle.

熟する-NEG.REL-NMLZ-NOM.SG.M XX11)

問「謎々がちぐはぐだ」

答「年取った雌牛の肉で,調理しても熟れないのは噛み切れない」

(1-67)

[mmm] néná qán’’ish-e.

INTJ 貴方(ABS) 謎々-ABS

「ふふーん,君に謎々だ」

(1-68) Qaysh-é.

謎々の応諾-ABS

「受けて立つ」

(1-69)

Qaysh-é-kkó qaysho 謎々の応諾-OBL-ALL XX12)

10)聞き取りを手伝って戴いたAsela Gujubo氏によれば,この謎々の問は「qán’’ish-ee qanddiwall-e.

(謎々-NOM.SG.M ちぐはぐで醜い-ABS)」であるが再確認を要する。

11)聞き取りを手伝って戴いたAsela Gujubo氏によれば,borddiboll-é(噛み切れないほど硬い -ABS)である。

12) (1-29)の末尾と同じく,qaysh-é-kkó(謎々の応諾-OBL-ALL)「受けて立つ,との言葉に対し」

の言い誤りであると思われる。

(16)

(1-70)

(Q) Daamóóté daf-á.

XX13) 引く-OPT.2SG (A) Danqqál-aa mitt-á.

キャベツ-ABS.SG.M 呑む-OPT.2SG 問「ダモタ山を引きずれ」

答「キャベツを呑み込め」

(1-71)

Néná qán’’ish-e.

貴方(ABS) 謎々-ABS

「君に謎々だ」

(1-72) Qaysh-é.

謎々の応諾-ABS

「受けて立つ」

(1-73)

Néná qán’’ish-e.

貴方(ABS) 謎々-ABS

「君に謎々だ」

(1-74) Qaysh-é.

謎々の応諾-ABS

「受けて立つ」

(1-75)

(Q) Hassay-ádá qán’’ish-ana.

思い出す-CVB.1SG 謎々を出す-FUT 問「私は思い出して,謎々を出すだろう」

(1-76)

Wón-i g-áá-dan

さっき-ADV 言う-INF.PFV-ように (A) Haar-ádá ustt-aná.

飼育する-CVB.1SG 食べ物を牛乳を飲んで流し込む-FUT

13) Daamóót-á((山の名)-ABS)の誤りと思われる。

(17)

(A) Yel-ádá kiitt-aná.

産む-CVB.1SG 送る-FUT

(A) Haax-ádá bashash-aná.

発芽させる-CVB.1SG 苗木を植える-FUT

「さっき言ったように,『(答)私は飼育して,食べ物を牛乳を飲んで流し込むだろう』,『(答) 私は子供を儲けて,後を継がせるだろう』,『(答)私は発芽させ,苗木を植えるだろう』」

(1-77)

(A) Haar-ádá ustt-aná.

飼育する-CVB.1SG 食べ物を牛乳を飲んで流し込む-FUT yáág-iyo-g-ee

そう言う-REL.IPFV.NSBJ-NMLZ-NOM.SG.M míízz-aa haar-ídí

家畜-ABS.SG.M 飼育する-CVB.3SG.M ustt-íyo-g-aa

食べ物を牛乳を飲んで流し込む-REL.IPFV.NSBJ-NMLZ-ABS.SG.M mangg-ett-íyo-g-ee

負ける-CAUS-REL.IPFV.NSBJ-NMLZ-NOM.SG.M (A) Haax-ádá bashash-aná.

発芽させる-CVB.1SG 苗木を植える-FUT yáág-iyo-g-ee

そう言う-REL.IPFV.NSBJ-NMLZ-NOM.SG.M úútt-aa Woláytt-áá-ní darkk-úwa エンセーテ-ABS.SG.M (地名)-OBL-LOC 裏庭-ABS.SG.M milat-íya-g-a-n tókk-eettees.

似る-REL.IPFV.SBJ-NMLZ-OBL.SG.M-LOC 植える-IPFV.1PL

「『(答)私は飼育して食べ物を牛乳を飲んで流し込むだろう』というのは,家畜を飼育して食 べ物を牛乳を飲んで流し込むことを,答える(lit. 負かす)のは,『(答)私は発芽させて苗木 を植えるだろう』と言うのは,エンセーテを,ウォライタでは私達は裏庭のような所に植える のです」

(1-78)

He úútt-aa milat-íya-g-aa

DIST エンセーテ-ABS.SG.M 似る-REL.IPFV.SBJ-NMLZ-ABS.SG.M tókk-idi eee

植える-CVB.1PL INTJ

keett-áa kamm-ído úútt-ay

家-ABS.SG.M 覆う-REL.PFV.NSBJ エンセーテ-NOM.SG.M órdd-idaa-g-a-n tókk-iyo-g-aa

太る-REL.PFV.SBJ-NMLZ-OBL.SG.M-LOC 植える-REL.IPFV.NSBJ-NMLZ-ABS.SG.M

(18)

haax-ádá bashash-aná 発芽させる-CVB.1SG 苗木を植える-FUT g-íyo he-g-áá.

言う-REL.IPFV.NSBJ DIST-NMLZ-ABS.SG.M

「私達はそのエンセーテのようなものを植えて,えー,家を覆ったエンセーテが太くなったの に加えて植えるものを発芽させ苗木を植えよう,という,そういうことです」

(1-79)

|i| (Q) Hassay-ádá qán’’ish-ana.

宜しい(AMH) 思い出す-CVB.1SG 謎々を出す-FUT g-íyo-g-ee shín

言う-REL.IPFV.NSBJ-NMLZ-NOM.SG.M 然し (Q) Hassay-ádá qán’’ish-ana. g-íyo-y

思い出す-CVB.1SG 謎々を出す-FUT 言う-REL.IPFV.NSBJ-NOM qopp-ádá zaar-aná yáág-iyo-g-a.

考える-CVB.1SG 答える-FUT そう言う-REL.IPFV.NSBJ-NMLZ-ABS

「宜しい,でも『(問)私は思い出して謎々を出そう』というのは,『(問)私は思い出して謎々 を出そう』というのは,考えて答えよう14),とそういうことです」

(1-80)

|i| ha-g-éé bágg-ay wur-íis.

宜しい(AMH) PROX-NMLZ-NOM.SG.M 部分-NOM.SG.M 終わる-PFV.3SG.M

「はい,この件は終わりです」(この後,歌に移る)

2. Asela Gujubo氏によるテキスト

(2-1) Eró.

宜しい

「OK」

(2-2)

Ha’’-í táání shiishsh-íyo-g-ee

今-ADV 私(NOM) 集める-REL.IPFV.NSBJ-NMLZ-NOM.SG.M woý ha’’-í od-íyo-g-ee

或いは 今-ADV 話す-REL.IPFV.NSBJ-NMLZ-NOM.SG.M eee Woláytt-á qáál-aa-ni woý

INTJ (地名)-OBL 言葉-OBL.SG.M-LOC 或いは

14) zaar-anáはqán’’ish-ana(謎々を出す-FUT)「謎々を出そう」の誤りであろう。

(19)

Woláytt-á wóg-aa-ni

(地名)-OBL 慣習-OBL.SG.M-LOC Woláytt-á biitt-áa-n

(地名)-OBL 国-OBL.SG.M-LOC

han-étt-iya-b-a haasay-étt-iya-b-a

成る-PASS-REL.IPFV.SBJ-物-ABS 話す-PASS-REL.IPFV.SBJ-物-ABS ben-í aaw-atú-ppé dóómm-idi.

昔-ADV 父-OBL.PL-ABL 始める-CVB.3SG.M

「今,私が集めるのは,あるいは今,お話しするのは,えー,ウォライタ語で,あるいはウォ ライタの文化で,ウォライタの国でなされるもの,話されるものです,昔,祖先(の時)以来」

(2-3)

Eee háchch-i yelág-a naatí-kká

INTJ 今日-ADV 若者-OBL 子供(NOM.PL)-も

eee muu míízz-aa héémm-iiddi woý qá INTJ XX 家畜-ABS.SG.M 番をする-SIM.3PL 或いは 更に tam-á achch-á-n útt-idi ííí

火-OBL 傍ら-OBL.SG.M-LOC 坐る-CVB.3PL INTJ haasay-íiddi naac-étt-iiddi woý qá 話す-SIM.3PL 冗談を言う-PASS-SIM.3PL 或いは 更に

ba lágg-iya-ra kar-é-n kaa’-íiddi REFL.OBL.3SG 友人-OBL.SG.M-COM 外-OBL-LOC 遊ぶ-SIM.3SG.M issí qán’’ish-e g-íídí eee

一(OBL) 謎々-ABS 言う-CVB.3SG.M INTJ haasay-íyo woý qán’’ish-e g-í-n

話す-REL.IPFV.NSBJ 或いは 謎々-ABS 言う-SUBOR-LOC qaysh-é g-íídí haasay-íyo-g-aa-nne

謎々の応諾-ABS 言う-CVB.3SG.M 話す-REL.IPFV.NSBJ-NMLZ-ABS.SG.M-と qá hays-é-b-aa yoot-aná.

更に 物語-OBL-物-ABS.SG.M 話す-FUT

「えー,今日では若い子供達も,えー,家畜の番をしながら,あるいはまた,火の傍に坐って,えー,

話しながら,冗談を交わしながら,あるいはまた,自分の友人と外でお喋りしながら,一つの,

『謎々だ』と言って,えー,話す…あるいは,『謎々だ』と言ったのに『応諾だ』と言って話す ものを,それと,さらに,物語についてお話しします」

(2-4)

Hays-ée han-íis g-í-n

物語-NOM.SG.M 成る-PFV.3SG.M 言う-SUBOR-LOC eró eee yáág-idi hays-íya-b-aa

宜しい INTJ そう言う-CVB.3SG.M 物語-OBL.SG.M-物-ABS.SG.M

(20)

útt-i síy-idi hinnk-óý yoot-í

坐る-CVB.3SG.M 聞く-CVB.3SG.M あれ-NOM.SG.M 話す-CVB.3SG.M wurss-í simm-óbare15) sími

終える-CVB.3SG.M 戻る-後で そうして áne ta der-íya zaar-á

どうか 私(OBL) 山-ABS.SG.M 返す-OPT.2SG

yáág-idi oychch-ées hinkkoosaykka.

そう言う-CVB.3SG.M 求める-IPFV.3SG.M XX

「『さあ,お話です(lit. 物語が成った)』と言うと,『いいですよ』と言い,物語の中身を坐っ て聞き,一方が話し終えると,そのー,『さあ,別の話をあなたもして下さい(lit. 私の山を返 しなさい)』と言って,お願いするのです」

(2-5)

Har-á qá eee ba laam-íya 他の-OBL 更に INTJ REFL.OBL.3SG 番-ABS.SG.M woý bá-wu qá í-kká simm-ídí

或いは REFL.OBL.3SG-DAT 更に 彼(NOM)-も 戻る-CVB.3SG.M hinkk-óý hays-íya yoot-an-áa-tto

あれ-NOM.SG.M 物語-ABS.SG.M 話す-INF-OBL.SG.M-ように kóyy-idi |nna| he-g-áá-dan

望む-CVB.3SG.M そして(AMH) DIST-NMLZ-OBL.SG.M-ように han-ées.

成る-IPFV.3SG.M

「他の,また,えー,自分の順番,あるいは,自分で,また,彼も続いて,もう一方が,物語 を話すように望んで,そして,そのようになるのです」

(2-6)

Ha’’-í táání dóómm-aydda qaysh-íya

今-ADV 私(NOM) 始める-SIM.1SG 謎々の応諾-ABS.SG.M qántt-aa na16) ubb-áa-kka naa’’-áa-kka 短い-OBL.SG.M XX 全部-ABS.SG.M-も 二-ABS.SG.M-も kae qántt-a-n hays-íya-kka gid-ó

XX 短い-OBL.SG.M-LOC 物語-ABS.SG.M-も 成る-OPT.3SG.M qán’’ish-iya-kka qántt-a-n yoot-aná.

謎々-ABS.SG.M-も 短い-OBL.SG.M-LOC 話す-FUT

「今,私は(話を)始めつつありますが,謎々の応諾17)を簡単(に),総てを,二つとも,簡単に,

物語であれ,謎々であれ,簡単にお話しします」

15)語り手であるAsela Gujubo氏によると,simm-ídí(戻る-CVB.3SG.M)の間違い。

16) n(i)であれば前の語と結び付く場所格後置詞「に」で,全体で「簡単に」の意味になる。言い間違

いであろう。

17)4語目qaysh-íyaはqán’’ish-iya(謎々-ABS.SG.M)の間違い。

(21)

(2-7) Eró.

宜しい

「OK」

(2-8)

Eee táání iss-í úr-aa sími INTJ 私(NOM) 一-OBL 個人-ABS.SG.M そうして

ta mát-a-s-a-n d-íya lágg-iya 私(OBL) 近い-OBL-所-OBL.SG.M-LOC 居る-REL.IPFV.SBJ 友人-ABS.SG.M shiiq-ádá xéég-ada eee

近付く-CVB.1SG 呼ぶ-CVB.1SG INTJ

Anjjúll-oo eee néná qán’’ish-e yáág-ays.

(人名)-VOC.M INTJ 貴方(ABS) 謎々-ABS そう言う-IPFV.1SG

「えー,私は,ある一個人,そのー,私の近くにいる友人に近付き,呼びかけて,えー,『アン ジュロ,えー,君に謎々だ』と言います」

(2-9)

Yáág-iyo-d-e táá-ssí zaar-ídí

そう言う-REL.IPFV.NSBJ-時-ABS 私(OBL)-DAT 答える-CVB.3SG.M táání eee Anjjájj-á gid-íyo-d-e

私(NOM) INTJ (人名)-ABS.M 成る-REL.IPFV.NSBJ-時-ABS Anjjúll-óý táná táání á

(人名)-NOM.M 私(ABS) 私(NOM) 彼(ABS) néná qán’’ish-e g-íí-kkó í

貴方(ABS) 謎々-ABS 言う-SUBOR-なら 彼(NOM)

qaysh-é g-ées.

謎々の応諾-ABS 言う-IPFV.3SG.M

「そう言うと,私に彼は答えて,私が,えー,アンジャジョであるとして,アンジュロは私に,

私が彼に『君に謎々だ』と言うと,彼は『受けて立つ』と言います」

(2-10)

Qaysh-é g-íídí sími oott-óbare 謎々の応諾-ABS 言う-CVB.3SG.M そうして する-後で málss-iya |wäynm| záár-uwa imm-í-kkó

答-ABS.SG.M 或いは(AMH) 答-ABS.SG.M 与える-SUBOR-なら eee agg-í ag-íis.

INTJ やめる-CVB.3SG.M (補助動詞)18)-PVF.3SG.M

18)ウォライタ語では動詞がその本来の意味を多かれ少なかれ保って補助動詞的に使われ,様々なニュ アンスを表すことがある。いくつかの例がAdams 1983: 168-174,Wakasa 2008: 818-825に見ら れる。ここに見られる補助動詞はagg-「やめる」に由来するかとも思われるが,語り手である ↗

(22)

「彼が『受けて立つ』と言って,そのー,した後,mäls(=アムハラ語で「答」)を,あるいは,

回答を与えたなら,えー,終わりにしてしまうのです」

(2-11)

Záár-oy á-wu er-étt-enn-a-n

答-NOM.SG.M 彼(OBL)-DAT 知る-PASS-NEG.INF-OBL.SG.M-LOC xay-í-kkó táání záár-uwa

無くなる-SUBOR-なら 私(NOM) 答-ABS.SG.M ta ta qán’’ish-iya-ssi

私(OBL) 私(OBL) 謎々-OBL.SG.M-DAT záár-uwa imm-an-á xay-í-kkó

答-ABS.SG.M 与える-INF-ABS 無くなる-SUBOR-なら mokk-á g-áys tá á.

受け入れる-OPT.2SG 言う-IPFV.1SG 私(NOM) 彼(ABS)

「その答が彼に知られなかったなら,私は答を,私の,私の謎々に答を与えられなかったなら,

『降参しろ(lit. 受け入れろ)』と言います,私は彼に」

(2-12)

Mokk-á níyo ixx-íis mokk-á

受け入れる-OPT.2SG 貴方に 拒否する-PFV.3SG.M 受け入れる-OPT.2SG g-í-n mokk-áas g-í agg-ées.

言う-SUBOR-LOC 受け入れる-PFV.1SG 言う-CVB.3SG.M やめる-IPFV.3SG.M

「『降参しろ。君には無理だ(lit. それは君に拒否した)。降参しろ』と言うと,『私は降参した』

と彼は言ってしまうのです」

(2-13)

He wod-é eee táání á-yyo záár-uwa DIST 時-ABS INTJ 私(NOM) 彼(OBL)-DAT 答-ABS.SG.M qan qaysh-íya záár-uwa

XX 謎々の応諾-OBL.SG.M 答-ABS.SG.M imm-á agg-áys g-íyo-g-a.

与える-CVB.1SG やめる-IPFV.1SG 言う-REL.IPFV.NSBJ-NMLZ-ABS

「その時,えー,私は彼に答を,謎々の応諾の答を与えてしまう,ということです」

(2-14)

Ha’’-í leemís-uwa-ssi eee néná qán’’ish-e 今-ADV 例-OBL.SG.M-DAT INTJ 貴方(ABS) 謎々-ABS

↗ Asela Gujubo氏によると違うとのことである。ag-「醸造する」という動詞もあるが,意味的に無 関係と思われる。全体としてもどのようなニュアンスが先行する副動詞形動詞に加えられるのか,

「決心を表す」とのことであるが,詳細は不明である。なお,Asela Gujubo氏によるとここでは先 行の副動詞も含め,1人称単数形,即ちagg-á ag-áysとするのが正しいとのことである。

(23)

Anjjúll-oo g-óbare qaysh-é g-ées.

(人名)-VOC.M 言う-後で 謎々の応諾-ABS 言う-IPFV.3SG.M

「今,例えば,えー『君に謎々だ,アンジュロ』と言うと,彼は『受けて立つ』と言います」

(2-15)

Qaysh-é g-í-n19)

謎々の応諾-ABS 言う-SUBOR-LOC

(Q) Qaar-í qambball-o qákk-a ekk-á.

ミドリザル-OBL.F 徘徊-ABS 蹴る-CVB.2SG 取る-OPT.2SG yáág-iis.

そう言う-PFV.3SG.M

「『受けて立つ』と言うと,『(問)ミドリザルがあちこち意味もなく動き廻っているのを蹴っ飛 ばしてしまえ』と彼は言いました20

(2-16)

Táání yáág-iyo-d-e í qá 私(NOM) そう言う-REL.IPFV.NSBJ-時-ABS 彼(NOM) 更に málss-ee á-yyo woý záár-oy á-yyo

答-NOM.SG.M 彼(OBL)-DAT 或いは 答-NOM.SG.M 彼(OBL)-DAT ixx-í-kkó cóo yáá haa g-íiddi

拒む-SUBOR-なら 無駄に 彼方に 此方に 言う-SIM.3SG.M yáá21) g-íiddi sírphphi uutobare22)

彼方に 言う-SIM.3SG.M (preverb) XX mokk-á g-á agg-áys.

受け入れる-OPT.2SG 言う-CVB.1SG やめる-IPFV.1SG

「私がそう言った時,彼が,mälsが彼に,あるいは答が彼に出て来なければ,無駄にあれこれ 言いながら,あれこれ言いながら,黙ってしまったら,『降参しろ』と私は言ってしまうのです」

(2-17)

Eró mokk-áas g-íyo-r-i-n23)

宜しい 受け入れる-PFV.1SG 言う-REL.IPFV.NSBJ-NMLZ-OBL.SG.F-DAT táání qá málss-iya woý záár-uwa

私(NOM) 更に 答-ABS.SG.M 或いは 答-ABS.SG.M á-yyo imm-áydda

彼(OBL)-DAT 与える-SIM.1SG

19)録音は極めて不鮮明だが,こう推測される。

20)最後はyáág-ays(そう言う-IPFV.1SG)「私は言います」が正しい。

21)この後にhaa「此方に」が脱落している。

22) g-óbare(言う-後で)の誤りと思われる。ここでは動詞g-は本来の「言う」という意味を殆ど失い,

直前のpreverb(オノマトペのようなもの)と結び付いて「黙る」という意味を表している。

23)録音は不鮮明だが,語り手のAsela Gujubo氏に従ってこう解した。

(24)

(A) Qárxx-a xaph-óó-ní xááx-ett-a útt-a.

部屋の仕切り-OBL 根-OBL-LOC 巻く-PASS-CVB.2SG 坐る-OPT.2SG woý

或いは

(A) Qárxx-a xaph-óó-ní suq-úwa dukk-á.

部屋の仕切り-OBL 根-OBL-LOC 屁-ABS.SG.M 突き刺す-OPT.2SG g-á agg-áys.

言う-CVB.1SG やめる-IPFV.1SG

「彼が『分かった,降参だ』と言うや,私はmälsを,あるいは答を彼に与えて,『(答)部屋 の仕切り壁の隅っこでくるまって坐れ』あるいは『(答)部屋の仕切り壁の隅っこで屁でもこ け』と言ってしまうのです」

(2-18)

(Q) Qa qaar-í qambball-o qákk-a ekk-á.

XX ミドリザル-OBL.F 徘徊-ABS 蹴る-CVB.2SG 取る-OPT.2SG g-áádá od-ída táání

言う-CVB.1SG 話す-REL.PFV.SBJ 私(NOM)

záár-uwa áá-ssí

答-ABS.SG.M 彼(OBL)-DAT í mokk-ídaa-g-a-wu

彼(NOM) 受け入れる-REL.PFV.SBJ-NMLZ-OBL.SG.M-DAT záár-oy á-wu ixx-ídoo-g-a-wu

答-NOM.SG.M 彼(OBL)-DAT 拒否する-REL.PFV.NSBJ-NMLZ-OBL.SG.M-DAT (A) Qárxx-a xaph-óó-ní suq-úwa dukk-á.

部屋の仕切り-OBL 根-OBL-LOC 屁-ABS.SG.M 突き刺す-OPT.2SG g-áys.

言う-IPFV.1SG

「『(問)ミドリザルがあちこち意味もなく動き廻っているのを蹴っ飛ばしてしまえ』と言った 私は,答を彼に,降参した彼に(lit. 彼が降参したところのに),答えられなかった彼に(lit.

答が彼に拒否したところのに),『(答)部屋の仕切り壁の隅っこで屁でもこけ』と言うのです」

(2-19)

Ha’’-í ha-g-éé eee qayn qa 今-ADV PROX-NMLZ-NOM.SG.M INTJ XX XX qán’’ish-iya-ssi ló’’-o záár-o

謎々-OBL.SG.M-DAT 良い-OBL 答-ABS gid-an-á xay-í-kkó

成る-INF-ABS 消える-SUBOR-なら

gid-énná gid-énná tá er-áys

成る-NEG.IPFV.3SG.M 成る-NEG.IPFV.3SG.M 私(NOM) 知る-IPFV.1SG

(25)

g-ées.

言う-IPFV.3SG.M

「今,これが,えー,謎々にとって良い答でないならば,『違う,違う,私は知っている』と彼 は言うのです」

(2-20) Wóý g-íídí

或いは 言う-CVB.3SG.M

í er-énn-a-n xay-í-kkó-kká

彼(NOM) 知る-NEG.INF-OBL.SG.M-LOC 消える-SUBOR-なら-も tá er-énna gishsh-á-wu eró

私(NOM) 知る-NEG.REL 理由-OBL.SG.M-DAT 宜しい g-í agg-í ag-ées.

言う-CVB.3SG.M やめる-CVB.3SG.M (補助動詞)24)-IPFV.3SG.M

「あるいは,言って,彼が知っていなくても25),彼は,『私は知らないから宜しい』,と言って しまうのです」

(2-21)

zaar-ídí qá har-á eee gúj-uwa

返す-CVB.3SG.M 更に 他の-OBL INTJ 追加分-ABS.SG.M eee néná qan qaysh-é g-áys.

INTJ 貴方(ABS) XX 謎々の応諾-ABS 言う-IPFV.1SG

「更に,また,他の,えー,追加分を,えー,『君に,応諾だ』と私は言います」

(2-22)

|man näw| néná qán’’ish-e g-áys tá.

誰だ(AMH) 貴方(ABS) 謎々-ABS 言う-IPFV.1SG 私(NOM)

「間違い(lit. 誰だ),『君に謎々だ』と言います,私は」

(2-23)

Eee néná qán’’ish-e g-óbare INTJ 貴方(ABS) 謎々-ABS 言う-後で í qaysh-é g-ées.

彼(NOM) 謎々の応諾-ABS 言う-IPFV.3SG.M

「えー,『君に謎々だ』と言うと,彼は『受けて立つ』と言います」

(2-24)

Áne (Q) Giy-á gidd-óó-ní gitagi gitigit-á.

どうぞ 市場-OBL 中-OBL-LOC XX 徘徊する-OPT.2SG 24)註18参照。

25)5語目の最後の-kkáはqá「更に」の間違い。訳は「彼が知っていなければ」となる。

(26)

g-áys.

言う-IPFV.1SG

「どうぞ,『(問)市場の中で意味もなく歩き廻れ』と私は言います」

(2-25)

(Q) Giy-á gidd-óó-ní gitigit-á.

市場-OBL 中-OBL-LOC 徘徊する-OPT.2SG

「(問)市場の中で意味もなく歩き廻れ」

(2-26) Gitigit-á.

徘徊する-OPT.2SG

「意味もなく歩き廻れ」

(2-27)

Woý batibat-á eee 或いは そわそわする-OPT.2SG INTJ

qaaxx-á g-íyo26) ha-g-éé.

揺れ動く-OPT.2SG 言う-REL.IPFV.NSBJ PROX-NMLZ-NOM.SG.M

「あるいは,そわそわしろ,えー,揺れ動け,ということです,これは」

(2-28)

(Q) Giy-á gidd-óó-ní gitigit-á. yáág-i-n

市場-OBL 中-OBL-LOC 徘徊する-OPT.2SG そう言う-SUBOR-LOC qopp-í qopp-í ekk-ídaa-g-ee

考える-CVB.3SG.M 考える-CVB.3SG.M 取る-REL.PFV.SBJ-NMLZ-NOM.SG.M aháaa he-g-áá-ssí ma záár-oy ée

INTJ DIST-NMLZ-OBL.SG.M-DAT XX 答-NOM.SG.M はい

(A) Og-íya doonin og-íya doon-áa-ni batibat-á.

道-OBL.SG.M XX 道-OBL.SG.M 口-OBL.SG.M-LOC そわそわする-OPT.2SG g-ées.

言う-IPFV.3SG.M

「『(問)市場の中で意味もなく歩き廻れ』と言うと,じっくりと考えに考えた人(lit. 考えて考 えて取ったの)は『ははあ,これに対する答は,そう,(答)道端でそわそわ行動しろ』と言 います」

(2-29)

Yáág-i-n ée ha’’-í ló’’-o zaar-ádasa そう言う-SUBOR-LOC はい 今-ADV 良い-ABS 答える-PFV.2SG

26) g-íyo-g-a(言う-REL.IPFV.NSBJ-NMLZ-ABS)「言うことです」が正しい。

(27)

eró g-íídaa-g-ee har-áá

宜しい 言う-REL.PFV.SBJ-NMLZ-NOM.SG.M 他の-ABS.SG.M qá gujj-áys.

更に 加える-IPFV.1SG

「そう言うと,『そう,今度は君は上手く答えた。宜しい』と言った(私)は,他の(謎々)を 追加するのです」

(2-30)

Eró ha’’-í-kká záár-uwa sími sími 宜しい 今-ADV-も 答-ABS.SG.M そうして そうして naa’’-ú-too woý iss-í-too táání á

二-OBL-回 或いは 一-OBL-回 私(NOM) 彼(ABS)

qán’’ish-e g-óó-g-aa27 sintt-á-n

謎々-ABS 言う-REL.PFV.NSBJ-NMLZ-OBL.SG.M 顔-OBL.SG.M-LOC í qá zaar-ídí táná

彼(NOM) 更に 答える-CVB.3SG.M 私(ABS) har-ántt-uwa í qán’’ish-e g-ées.

他の(- 序数詞)-ABS.SG.M 彼(NOM) 謎々-ABS 言う-IPFV.3SG.M

「宜しい,今度も答をそのー…そのー,2回,あるいは1回,私が彼に,『謎々だ』,と言った後,

彼は答えて,私に今度は(lit.(私のではなく)他の順番にて)彼が『謎々だ』と言うのです」

(2-31)

Néná qa qán’’ish-e Ánjj-aa Anjjul 貴方(ABS) XX 謎々-ABS (人名)-VOC.M XX Anjjájj-oo néná qa qán’’ish-e g-ées.

(人名)-VOC.M 貴方(ABS) XX 謎々-ABS 言う-IPFV.3SG.M

「『君に謎々だ,アンジャ,アンジャジョ,君に謎々だ』と彼は言います」

(2-32)

Eee eró g-á táání g-á-nne eee INTJ 宜しい 言う-CVB.1SG 私(NOM) 言う-CVB.1SG-と INTJ oott-íyo-d-e wóýg-ii

する-REL.IPFV.NSBJ-時-ABS 何を言う-INTER.IPFV.3SG.M í táná?

彼(NOM) 私(ABS)

「えー,『宜しい』と私が言って,私が言うや,えー,(そう)した時,何と言うでしょう,彼は私に」

27)語り手のAsela Gujubo氏によると,g-óó-g-aa-ppe(言う-REL.PFV.NSBJ-NMLZ-OBL.SG.M-ABL)

「言ってから」と奪格後置詞-ppeを付けるのが正しい。

(28)

(2-33)

(Q) Um-áy útt-i er-énná.

オモ川-NOM.SG.M 坐る-CVB.3SG.M 知る-NEG.IPFV.3SG.M g-ées.

言う-IPFV.3SG.M

「『(問)オモ川は涸渇したことがない(lit. 坐って知らない)』と彼は言うのです」

(2-34)

(Q) Um-áy útt-i er-énná.

オモ川-NOM.SG.M 坐る-CVB.3SG.M 知る-NEG.IPFV.3SG.M

「(問)オモ川は涸渇したことがない」

(2-35)

Mm qopp-á qopp-á qopp-á

INTJ 考える-CVB.1SG 考える-CVB.1SG 考える-CVB.1SG ekk-ídaa-g-ee ssss(吸気)

取る-REL.PFV.SBJ-NMLZ-NOM.SG.M INTJ

(A) Túm-í túm-ay xay-í er-énná.

真実-NOM 真実-NOM.SG.M 消える-CVB.3SG.M 知る-NEG.IPFV.3SG.M woý (A) Túm-ay xay-í átt-i

或いは 真実-NOM.SG.M 消える-CVB.3SG.M 居残る-CVB.3SG.M er-énná. yáág-i-n

知る-NEG.IPFV.3SG.M そう言う-SUBOR-LOC

aaaa líkk-e líkk-e záár-oy líkk-e INTJ 正しい-ABS 正しい-ABS 答-NOM.SG.M 正しい-ABS g-í-n agg-í ag-iis.

言う-SUBOR-LOC やめる-CVB.3SG.M (補助動詞)28)-PFV.3SG.M

「んー,充分に考えて考えて考えた私が,『(答)真実は,真実は消えたことがない』,あるいは

『(答)真実は消えたままになったことがない』,と言うと,『ああ,正解だ,正解だ,その答は 正解だ』と言って,終りにするのです」

(2-36)

Sími he-g-áá-dan han-ídí

そうして DIST-NMLZ-OBL.SG.M-ように 成る-CVB.3SG.M qán’’ish-iya-nne qaysh-íya-nne g-éétett-idi

謎々-ABS.SG.M-と 謎々の応諾-ABS.SG.M-と 言う-PASS-CVB.3SG.M aduss-á-s-aa kess-í-n29 naatí-kká

長い-OBL-所-ABS.SG.M 出す-SUBOR-LOC 子供達(NOM.PL)-も 28)註18参照。

29)語り手のAsela Gujubo氏によると,この語はb-ées(行く-IPFV.3SG.M)にした方が良いとのこ とである。訳にもそれを反映させた。

(29)

naatúú-rá eee |bätäläjj| woý dár-o-too 子供達(OBL.PL)-COM INTJ 特に(AMH) 或いは 多い-OBL-回 naatí naatúú-rá he-g-áá-ttuwa

子供達(NOM.PL) 子供達(OBL.PL)-COM DIST-NMLZ-OBL.SG.M-ように qa qa qán’’ish-ett-ees qaysh-étt-ees30.

XX XX 謎々をする-PASS-IPFV.3SG.M 謎々に応諾する-PASS-IPFV.3SG.M

「そうして,そのようになって,謎々と謎々の応諾と言われ,続いて行くのです。子供達も子 供達と,えー,取分け,あるいは,しばしば子供達は子供達とそのように謎々を出し合うので す,謎々に応諾し合うのです」

(2-37)

Git-á gástt-a as-áy-kka |bärgt’|

大きい-OBL 年の行った-OBL 人々-NOM.SG.M-も 確かに(AMH) eee túm-aa-ppe eee naac-étt-ees

INTJ 真実-OBL.SG.M-ABL INTJ 冗談を言う-PASS-IPFV.3SG.M iss-óý iss-úwá-rá.

一-NOM.SG.M 一-OBL.SG.M-COM

「大人の,年の行った人達も,確かに,えー,心から,えー,からかい合うのです,お互いに(lit.

一つが一つと)」

(2-38)

Náác-a mál-a sími gudd-áy 冗談-OBL 容貌-ABS そうして 事-NOM.SG.M eee náác-aa-nne hassáy-uwa-nne

INTJ 冗談-ABS.SG.M-と 注意を払うこと-ABS.SG.M-と haasáy-aa.

話-ABS.SG.M

「冗談のように,そのー,このことは,えー,冗談であり,注意を払うことであり,お話なのです」

(以下,別の物語が続く)

参 考 文 献

Adams, Bruce A. 1983. A tagmemic analysis of the Wolaitta language. Doctoral dissertation, The University of London.

Lemma Didana. 1992 (Ethiopian Calender). Wolaytigna-Amharic English dictionary. Birhanuna Selam.

柘植洋一 1984.「エチオピアのなぞなぞ」『世界なぞなぞ大事典』(柴田武,谷川俊太郎,矢川澄子編), 839-851,東京:大修館書店.

柘植洋一 2009.「アリ語の「ことわざ」と「なぞなぞ」」『オモ・クシ系少数言語の調査研究及び地理情報 システムを用いたデータベース構築 Cushitic-Omotic sutudies 2008』(乾秀行編著,平成19年度〜

22科学研究費補助金(基盤研究(B))研究成果中間報告書),139-151.山口.

若狭基道 2005.「ウォライタの謎々」『アフリカ文学研究会会報 MWENGE』No. 34: 5-8.

30)最後の2語はいずれも単数形になっているが,語尾をIPFV.3PLの-oosonaにするのが正しい。

(30)

Wakasa, Motomichi. 2008. A descriptive study of the modern Wolaytta language. 博士論文,東京大学.

原稿受理日―2013年65

参照

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