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不可能形状の自然な表現と形態的認識要素の抽出

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

不可能形状の自然な表現と形態的認識要素の抽出

鶴野, 幸子

http://hdl.handle.net/2324/1931921

出版情報:Kyushu University, 2017, 博士(芸術工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (2)

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(様式6-2)

氏 名 つるの さちこ 鶴野 幸子

論 文 名 不可能形状の自然な表現と形態的認識要素の抽出

論文調査委員 主 査 九州大学 教授 富松 潔 副 査 九州大学 教授 伊藤 裕之 副 査 東京工科大学 教授 近藤 邦雄

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

本研究は、①不可能形状の実物体に対応した自然な表現を可能にする手法の生成、および、②不 可能形状として認識しやすい形態的要素の抽出の2つを研究の目的としている。これらの目的を達 成することで、不可能形状に関連する作品制作において不可能形状として認識しやすく、違和感の ない自然な制作を容易にすることが可能となる。

本論文は4章で構成されている。

第1章は序論であり、研究の歴史的な背景を説明し、本研究の目的、関連研究、論文構成の説明、

用語の解説をしている。特に不可能図形や不可能形状に関する用語は研究者間でも定義が定まって おらず、議論が噛み合わないことがあるので、本論文では注意深く定義している。

第2章は実物体のための自然な不可能形状の表現方法について述べている。ここでは不可能形状 の自然な表現方法を得るための課題の抽出から、手法の開発まで、研究目的である実空間における 不可能形状の自然な表現手法について作品制作を通して解説している。

第3章は考案した手法を用いて不可能形状の制作を通して浮かび上がった「不可能形状の認識に 関する個人差への疑問」、すなわち不可能形状は人によって、形状によって認識が違うのではないか という疑問をリサーチクエスチョンとして調査を行なった。不可能形状として認識しやすい形態的 特徴の抽出を行った結果、①不可能四角形の中で可能な四角形と同じ外輪郭を持つものは、たとえ 概形が類似していても、面構造の違いが不可能形状の認識に影響を与えるということ、②空間把握 力テストと不可能直方体の認識には、一部を除き概ね相関が見られること、③不可能直方体の中で 不可能形状としての認識率が高くない形状はプロポーションによる違いの影響を受けやすいという ことことが解った。さらに総合的な分析を行った結果、調査した形状の中で、4 つの形態的要素を 抽出し、それらが不可能形状としての認識に影響を与えていることを検討した。これらの形状要素 4 つの内、1 つでもその図形の中で明確に見えている形状は、不可能形状としての認識率が高くな ることがわかった。今回抽出した要素は、作品制作者が鑑賞者の不可能形状に対する認識傾向を把 握するための指標となりうるので制作者の作品制作意図を伝えやすくなるものと考えられる。

第4章は本研究の総括と結論をまとめている。

公開発表会には、学内外の研究者、大学院生など約 10 名が参加した。本論文について筆者から

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適切な説明のあと質疑応答に移り文脈学習に関わる質問など、非常に活発な質疑応答が行われ、筆 者からはいずれも具体的かつ論理的で十分に納得のできる的確な回答がなされた。

よって本審査委員会は、本論文を博士(芸術工学)の学位に値するものと判断した。

また用語の定義について、歴史的に見るとペンローズらの論文を含め不可能形状研究の初期の文 献では、奥行きが矛盾した形状に対し「不可能物体(impossible object)」という名称が使われてお り、用語の使用について曖昧であったため、本論文では不可能なのは形状自体であるということを 明確にするために「本論文で使用する用語の定義」に関する節を追記することとした。

参照

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