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第 69 回 東京医科大学循環器研究会
日 時
:
平成30
年12
月15
日(土)午後
2 : 00 〜
場 所
:
東京医科大学病院 新教育研究棟 3階当番世話人
:
東京医科大学茨城医療センター 東谷 迪昭1. 200 kg
の超肥満患者と93
歳の超高齢患者に対する緊急開心術から学んだこと
(東京医科大学 心臓血管外科)
加納 正樹、松本 龍門、鈴木 隼 丸野 恵大、岩堀 晃也、河合 幸史 高橋 聡、岩橋 徹、神谷健太郎 西部 俊哉、福田 尚司、荻野 均
【症例
1】55
歳、男性。1ヶ月前から呼吸困難を自覚し前 医を受診。深部静脈血栓症、両肺動脈塞栓症、卵円孔を介 した両心房内血栓を認めた。体重200 kg
のため耐荷重ベッ ドがなく対応可能な当院へ搬送。挿管下のTEE
で血栓は左 室内に伸びていたため、緊急左室・両肺動脈内血栓摘除術 を施行。術後は早期抜管、早期離床に努め、55病日に自宅 退院した。【症例
2】93
歳、男性。突然の呼吸困難を主訴に当院救急 搬送。心エコーで腱索断裂による急性僧帽弁閉鎖不全症と 診断。内科的治療のみでは改善なく、補助循環用ポンプカ テーテルを使用し手術まで循環維持。緊急僧帽弁置換術を 施行(Japan Score 41.6%)。術後の誤嚥に留意し十分な嚥下 機能訓練の後、経口摂取再開。術後54
日目に合併症なく杖 歩行でリハビリ施設に転院した。重篤な超肥満患者、超高齢患者に対する緊急開心術にお いて、的確な外科治療と周術期管理の工夫により良好な結 果を得た。治療経過の詳細を報告する。
研究会報告
2.
当院で経験したImpella
®導入3
症例(東京医科大学病院 循環器内科)
北村 美樹、中野 宏己、山下 淳 高橋 梨紗、藤井 昌玄、嘉澤 千文 池田 和正、近森大志郎
【症例
1】90
歳代男性。腱索断裂による僧帽弁逸脱をみと め、急性僧帽弁閉鎖不全症による急性心不全の診断で入院 となった。薬物療法にて呼吸状態は改善傾向であったが、心房細動を契機に循環動態が破綻、心原性ショックとなっ た。Impella®を挿入することで循環動態は改善し、緊急での 僧房弁置換術を施行することができた。穿刺部合併症を認 めたが、術後経過であった。
【症例
2】70
歳代男性。完全房室ブロックを伴うKillip IV
の急性下壁心筋梗塞の診断で、緊急冠動脈造影を施行した。#4AV
に完全閉塞をみとめたが、ワイヤー不通過にて治療不 成功に終わった。大動脈内バルーンパンピング、一時的ペー スメーカー、持続的血液濾過透析の補助下で薬物療法を行 い、循環補助装置を離脱。しかし、第15
病日に持続性心室 頻拍が出現し、血行動態が破綻、心停止となった。経皮的 心肺補助装置を挿入の上、ニフェカラント静注、ランジオ ロール持続静注で洞調律に復帰。その後、Impella
®を挿入し、#4AV
に対する経皮的冠動脈形成術を施行した。【症例
3】60
歳代男性。CS1病態で発症した急性心不全で 入院。経過中同様の病態の心不全を繰り返したため、第7
病日に鎮静・挿管管理の上、Impella®を挿入し、冠動脈造影 を施行。左冠動脈の完全閉塞と左回旋枝#13
の高度狭窄を 認め、それぞれに経皮的冠動脈形成術を施行した。心機能 は改善傾向となったが、Impella®駆動中に、上部消化管出血 を併発。また、抜管後脳梗塞の所見も認めた。本邦では、心原性ショックの治療において、経皮的心肺 補助装置と大動脈内バルーンパンピングが使用されている が、Impella®が国内で使用できるようになり、その有効性が 期待されている。当院で経験した
3
症例を基に、Impella®の 有効性や合併症について、若干の文献的考察を踏まえて本 会に提示する。3.
BPA
で治療中に左心不全を繰り返したCTEPH
の一症 例(東京医科大学病院 循環器内科)
髙橋 梨紗、山下 淳、伊藤 亮介 村田 直隆、近森大志郎
症例
: 70
歳代後半 女性 20年前に急性肺血栓塞栓症を 発症した。ワーファリンの内服を開始するも、出血性合併 症をきたし、内服を中止したところ、肺血栓塞栓症の再発 を認めた。エドキサバンの内服で加療を再開したが、低酸1
東医大誌 77(2)
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-199, 2019
東 京 医 科 大 学 雑 誌
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巻 第2
号( ) 2
素血症が持続した。同時期より持続性心房細動と僧帽弁閉 鎖不全症(MR)を指摘された。その後当院での精査より慢 性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)と診断した。診断後1
週間後に心不全症状が出現した。原因として持続性心房細 動とうっ血に対して内服開始した利尿剤とβ
ブロッカーに よる心拍出量の低下が考えられた。そのためβ
ブロッカー の中止とDOB
の持続投与を開始したが症状の改善は乏し かった。心拍出量の増加を期待して経皮的肺動脈形成術(BPA)を行うも、MRと
AF
が増悪原因と思われる急性左 心不全を繰り返した。BPAを複数回施行し、利尿剤の調整 によりMR
をコンロトロールすることで徐々に症状は軽減 した。CTEPHにMR
などの左心不全をきたす疾患を合併し ている場合、BPAによる心拍出量の増加が急性左心不全を きたす可能性があることを経験した。貴重な症例と思われ 本会に提示する。4.
長年原因不明の低左心機能で外来通院されていたミトコ ンドリア心筋症の一例(東京医科大学八王子医療センター 循環器内科)
中野英太郎、可児 純也、大西 将史 大島桜太郎、寳田 顕、外間 洋平 高橋 聡介、西原 崇創、相賀 護 渡邉 圭介、山田 聡、田中 信大 ミトコンドリア病は,ミトコンドリア
DNA
異常による好 気性エネルギー産生障害に起因する疾患群で、多様な臨床 症状を呈する。ミトコンドリア心筋症は無症状で経過するものから重篤 な心不全に至るまで重症度は様々であり、時に致死性不整 脈や突然死を来すこともある。
多くは神経筋疾患や代謝性疾患などのミトコンドリア病 の諸症状を伴うが、心筋症孤発例や心筋症がミトコンドリ ア病診断のきっかけとなる場合もある。
今回、長年原因不明の低左心機能で外来フォローされて いた
50
代女性が慢性心不全増悪で入院。糖尿病、難聴、筋 力低下、精神遅滞を呈していたことから本疾患を疑い遺伝 子検査を行った結果、ミトコンドリアDNA3243
の変異を認 めミトコンドリア心筋症の診断に至った。臨床所見から本 疾患の診断に至るまでの治療経過について文献的考察を踏 まえて報告する。5.
血管径の大きい右冠動脈の急性心筋梗塞に対してステン ト留置せずに治療した一例(東京医科大学茨城医療センター 循環器内科)
落合 徹也、岸 翔平、東 寛之 鈴木 利章、小松 靖、木村 一貴 阿部 憲弘、東谷 迪昭
症例は
48
歳男性。2018年6
月初旬の起床時から突然の胸 部絞扼感を自覚し当院救急外来を受診した。来院時施行し た十二誘導心電図にてII IIIaVF
誘導でST
上昇を認め、急性 下壁心筋梗塞の診断で緊急入院した。緊急冠動脈造影ではLAD・LCX
に明らかな狭窄部位はなく、RCA#3に血栓と思われる巨大な透亮像を伴う
99%
病変を認めた。同部位に対 して引き続きPCI
を施行した。初回の血栓吸引では少量の 赤色血栓しか引けず、IVUSでは巨大な血栓が残存していた が血管径が8 mm
程度あり、ステント留置は不適と判断した。血栓吸引を繰り返し、最大長径約
4 cm
の赤色血栓が吸引さ れた。血栓の大半は消失したため、ステントを留置せずにPCI
を終了し、DAPT+ヘパリンで経過観察した。7日後に 再度CAG
を施行した。造影およびIVUS
上明らかな血栓像 は認めず、経過良好にて第〇病日に退院した。血管径の大 きい急性心筋梗塞患者に対しステントを留置せずに治療し た一例を経験した。術後経過を含めてここに報告する。6.
金属アレルギーのためstentless strategy
でPCI
を行った 一例(新座志木中央総合病院 循環器内科)
熊井 健人、進藤 直久、関谷 宗篤 古谷 啓人、加藤 充、上山 直也 小林 秀行
症例は
70
歳代女性。201X年10
月初旬より労作時胸部圧 迫感を頻回に自覚するため当科紹介受診。心電図上、II IIIaVf V2-