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指導教員 黒澤 毅 キーワード:ネット依存,長期キャンプ,社会的自己制御

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Academic year: 2021

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1 ネット依存者の社会的自己制御の変容過程

長期キャンプ体験におけるネット依存者の社会的自己制御に関する研究

尾野 健太(生涯スポーツ学科 野外スポーツコース)

指導教員 黒澤 毅 キーワード:ネット依存,長期キャンプ,社会的自己制御

1.序論

近年,インターネットの長時間の利用が健全な 生活習慣に悪影響を与え問題となっており,イン ターネットへ過剰に依存している者をネット依存 者と呼ぶ.ネット依存者は ,人との関わりが少ない ため社会的自己制御が低いのではないかと考えら れる.社会的自己制御とは ,社会的場面で個人の欲 求や意思と現状認知との間でズレが起こったとき に,内的基準・外的基準の必要性に応じて自己を主 張する,もしくは抑制する能力である.

一方,ネット依存から青少年を守るため,自然体 験や野外体験プログラムなどを実施し効果を証明

している

2)

.そこで,本研究の目的は,長期キャン

プ体験におけるネット依存者の社会的自己制御に 及ぼす影響を明らかにすると共に,長期キャンプ 体験中のネット依存者の社会的自己制御の変容過 程を明らかにすることである.本研究の目的を検 証するために以下の課題を設けた.

課題 1:ネット依存者の社会的自己制御を明らか

にする.

課題 2:長期キャンプ体験がネット依存者の社会

的自己制御に及ぼす影響を明らかにする.

課題 3:長期キャンプ体験中におけるネット依存

者の社会的自己制御の変容過程を明らかにする.

2.研究方法

【対象者】 K 自然学校が主催する「A キャンプ」に 参加した計13 名のうち,調査に協力の得られた 11 名を対象とした.また「A キャンプ」のスタッフと して参加した大学生 11 名に調査を依頼した.さら に,非依存群としてネットに依存していないと答 えた B 大学学生 11 名に調査を依頼した .

【調査方法】原田ら

1)

が開発した“社会的自己制 御尺度” を筆者が独自に修正したものをキャンプ

前,キャンプ後に調査した.また筆者が独自に作成 した“日常生活に関するアンケート” , “行動チェ ックシート” , “ふりかえりシート ” をキャンプ前, キャンプ中,キャンプ 3 か月後に適宜行った . 3.結果と考察

課題 1:ネット依存者の社会的自己制御は低いこ

とが明らかとなった(t=-4.96,p<.001).ネット依 存者は,社会的な場面で周囲との関わりが少ない ため社会的自己制御が低いと考えられる.

課題 2:長期キャンプ体験前後におけるネット依

存者の社会的自己制御は持続的対処・根気因子が 向上した(z=1.99,p<.05).キャンプの「プログラ ム」を通して「集中して取り組めた」ことや「最後ま でやり遂げた」ことがネット依存者の持続的対 処・根気因子の得点を向上させたと考える.

課題 3:各参加者の具体的な行動の観察を説明的

内容分析による質的アプローチによって ,ネット 依存者の長期キャンプ体験中における社会的自己 制御の変容過程を分析した .ネット依存者の社会 的自己制御は,キャンプでの《参加者の行動》と 様々な 《他者との関わり》 を通し変化した .特に 《参 加者の行動》に「積極的」であり , 《他者との関わ り》が多かった参加者は社会的自己制御が向上し

ていた .また,参加者によって《参加者の行動》や

《他者との関わり》が違ったその背景には《参加 者の状態》が影響していた .しかし,《スタッフの 関わり》によって支えられていたことで《参加者 の状態》が《参加者の行動》や《他者との関わり》

の場面で影響されなかった参加者もいた .予め参 加者の状態を把握し ,その参加者に合った 《スタッ フの関わり》方を行うことが社会的自己制御の向

上 ,つまり《参加者の成長》に大きく影響するので

はないかと考える . 4.まとめ

ネット依存者の社会的自己制御は非 依存群と比べ低かった.長期キャンプ体 験を通し,社会的自己制御が向上する者 と向上しない者がいた.その背景には参 加者の状態が影響していた.

引用・参考文献

1) 原田知佳,吉澤寛之,吉田俊和(2008):社会的自己制御(Social Self-Regulation) 尺度の作成-妥当性の検討及び行動抑制/行動接近システム・実行注意制御との関連, パ-ソナリティ研究第17巻,第1号,pp.82-94

2) 国立青少年教育振興機構(2015):青少年教育施設を活用したネット依存対策研 究事業報告書,http://www.niye.go.jp/kanri/upload/editor/94/File/55233a204e2 e0.pdf(最終アクセス日2016年1月4日)

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