ライフスタイルと余暇意識
榊 原 國 城
Life Style and Attitudes toward Free Time
Kuniki Sakakibara
問
題
個人の行動を理解し,予測する変数として,ライフスタイル(life style)の概念を提起した のは,オーストリアの精神医学者・心理学者のアドラー(Adler; A.,1969)である。広く知ら れている彼の学説の特徴は,人間を動かす最大の動機は優越への欲求であるというものである。
彼は,人間を,祖先から受け継いできた動因の犠牲者とか刺激に対する単なる反応者としてで はなく,自らの造り上げた目標に対する能動的な志向者あるいは追求者としての存在と考えた。
アドラーは,個人の過去の生活経験の中で培った課題解決方法と将来に向けた目標志向努力に は一貫性と統一性が見られると主張する。したがって,アドラーによれば,ライフスタイルは,
個人に特有な生活様式あるいは目標追求に向けての行動様式として定義される。
井関(1979)によれば,ライフスタイルが,研究者により微妙に異なった概念化がされた上 で,主として社会学者により,消費者行動分析や市場細分化の基準作成において重要な変数と して導入されたのは1960年代初頭であり,その後,ライフスタイル・アプローチとして定着し てきた。ライフスタイル・アプローチが重要視されてきた背景として,消費者行動を説明する には,従来の性,年齢,職業,居住地域,所得水準などのデモグラフィック要因では不十分で あるという認識が一般化してきたという事情がある。
最近では,消費者行動分析,商品開発,マーケティング戦略立案などの分野においてライフ スタイル概念がその重要な指標として用いられるのみならず,ライフスタイルと政治意識との 関係に関する研究も加わっている。飽戸(1975)は,・政党支持に関連が深いと思われる主要な ライフスタイルの次元として,主流一反主流,積極一消極,保守一革新,結社一非結社,ハト 派一タカ派の5次元を見い出した。彼は,この5次元のライフスタイル因子に基づいて5つの スケールを構成し,これらのスケールと,政党支持,投票行動との関連を分析している。また,
川上・Feldman(1989)は,大学生を対象にして,ライフスタイルと政治意識との関連につい
一81一
て考察している。彼らは,因子分析により,大学生のライフスタイルに関して,個性志向,出 世志向,知性重視,自己実現志向,非主体制の5因子を見い出した。彼らの分析によれば,大 学生の政治的態度や行動に顕著な関連の見られたのは,個性志向と出世志向の因子であった。
そして,「個性を重視し,出世することを含めて,いわゆる『目立ちたい』という今日の若い 世代のライフスタイルが,全体的に政治と強い関わりあいを持っているということが明らかに
なった」と述べている。
筆者ら(榊原・若林,.1990)は,地方自治体職員を対象に,組織における職務遂行能力の自 己評価に関して,性,年齢,所属部門,職位,最終学歴などのデモグラフィック要因による差 異を分析したが,有意差を見い出したのは,対象者の属する組織の行政区画および職位による 差のみであった。その際,職務遂行能力の自己評価要因の考察に関し,研究における従属変数 の性質にもよるが,相関的研究における独立変数として個人のデモグラフィック要因の限界を 認識せざるを得なかったのである。この限界を克服する上で,上述のライフスタイルが,個人 の社会的行動の分析に関して,大きな可能性を含む重要な独立変数であるということができよ
う。
本研究では,従属変数として,休日・余暇・仕事に対する意識や態度を設定する。これらの 変数を取り上げた理由は,休日・余暇・仕事に対する意識や態度が組織成員の組織人としての 行動と密接な関連を持ち,組織コミュニケーションの問題を考察する上で,組織成員個人の組 織外行動すなわち休日における行動や余暇意識を分析することが不可欠と考えたからである。
最近発表された,愛知県下1,743社を対象とする調査(愛知県労働部,1993)によると,平 成4年1月1日から平成4年12月31日までの1年間における通常の日の1日の所定労働時間 は,1社平均7時間46分である。また,全企業の平均年間所定労働時間は,業種別,規模別に よる差が大きいが,2,061.0時間となっており,前年比21.8時間の減少となっている。一方,
休日に関しては,週休2日制の企業は全体の87.3%を占めているが,完全週休2日制の企業の 割合は22.1%と,依然少ない。
現代社会全体としては,個人の所得水準が向上し,豊かな経済的環境を得ることが可能になっ た今日の多くの組織成員の関心事が,このような労働時間,休日の実態の中で,労働時間短縮 とそれに伴う組織外での個人の生活の充実であることは周知の事実である。しかし,全体的視 点から個人に焦点を移してみた場合,休日とか余暇に対する意識や態度には種々の個人差が見 られるであろう。本研究では,この仮説に関し9個人のライフスタイルを独立変数とし,休日・
余暇・仕事に対する意識や態度を従属変数として,両者の関連性を分析・考察する。すなわち,
本研究の目的は,以下の3点に集約される。
①ライフスタイルの因子構造を明らかにすること。
②ライフスタイルが,所属する組織性,年齢,所属部門,最終学歴,職務経験年数などの デモグラフィック要因によって異なるかどうかを明らかにすること。
③ライフスタイルと休日・余暇・仕事に対する意識や態度との関連を分析すること。
、
方 法
1.調査の概要
本研究は「ライフスタイルと余暇に関する調査」と題する調査によるものである。調査票は,
ライフスタイルに関連する40項目(表2参照)と,勤務形態,労働時間,休日,仕事満足等に 関する18項目の計58項目から成っている。
ライフスタイル項目は,飽戸(1975)のライフスタイル尺度および経済企画庁国民生活局,
東京都情報連絡室,横浜市企画財政局等により実施された各種世論調査における関連項目を参 考にして,40項目を選択した。ライフスタイル項目作成にあたり,日常生活の様々な場面にお ける生活信条や自らの行動傾向を記述する短文を40種作成し,それらの短文の内容と自らの考 えとの合致度を5段階評定尺度により評定を求めた。40種のライフスタイル項目に関する質問 は,「以下の文の内容について,自らの考えともっともよく合致するところに○をつけてくだ さい。」というものであり,評定尺度は,「5 そう思う,4 ややそう思う,3 どちらとも いえない,2 あまりそう思わない,1 そう思わない」の5段階である。
ライフスタイル項目以外の他の項目の内容および項目数は,勤務形態(週休2日制,週休1 日制などの休日制度)に関する2項目,労働時間短縮や残業量に関する2項目,休日や余暇に 関する6項目,仕事や休日に対する満足度に関する8項目である。
なお,回答者のデモグラフィック要因項目として,性,年齢,所属部門,最終学歴,職務経
﹁験年数の5項目を用意した。
\ 2.対 象 者*
本研究の対象者は,名古屋市内に本社を置く民間企業A社の社員94名,愛知県B市役所職員 および愛知県下の約30市町村職員302名の合計396名である。調査対象者のデモグラフィック要 因別内訳は表1の通りである。
3.調査の実施
調査は平成4年11月〜12月にかけて実施された。調査対象となったA社社員,B市役所職員,
愛知県下約30市町村の職員は,それぞれ,・A社,B市役所,愛知県市町村職員研修会の主催す る社員(職員)研修参加者である。資料収集方法としては,各研修の終了時に調査を依頼し,
それぞれ個別に記入された調査票を約1週間後に回収するという留置調査の方法をとった。記 入された調査票は,研修担当者を経由して回収された。各回の研修参加者の人数は約30〜70名 の範囲で,延べ9回にわたって調査資料が収集された。
* 調査にご協力頂いたA社社員およびA社勤労部,B市役所職員およびB市役所人事課,愛知県市町村 職員および愛知県自治研修所研修第二課の方々に謹んで謝意を表する。
一83一
表1 調査対象者のデモグラフィック要因別内訳
273 68.9 122 30.8 0.3
日Ω⑪ω 2﹂苛−
︻d10000り右り■1 000﹂%121 1 1
満歳歳歳歳上明 未29343944以 歳〜〜〜〜歳
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事技技そ不 務術能 部部部の 門門門他明 2 中高専短大そ不 等門期 学 の 学学大 校校校学学他明 7蹴2146㎜34 0J l 刀せ 1 ﹂触51︻﹂01 β﹂3 ︑6﹄β0 満年年年年上明 未591419以 年〜〜〜〜年 336101520不 20り419d19◎ 8CO︻﹂8CU︵00 1﹂せー
結 果*
1.ライフスタイルの特徴
表2は,民間企業のA社社員と公務員である市町村職員のライフスタイル項目の平均値と標 準偏差をそれぞれ示したものである。
民間企業社員と公務員の間で平均値に有意差が見られたのは,項目No.1,7,12,14,24,
36,39,40の8項目である。とりわけ,項目No.1の「経済的に恵まれなくても気ままに暮ら せればよい」および40の「男性は仕事,女性は家事・育児を行うのがよい」の2項目は,民間 企業社員の平均値の方が公務員のそれよりも有意に高かった(P<.05,P<.001)。
しかし,平均値のより高い項目と低い項目に着目すると,民間企業社員と公務員の両者に共 通する特徴的傾向を見い出すことができる。まず,平均値の高い順に上位10項目を比較すると,
8項目までは民間企業社員と公務員の間でまったく共通する項目である。一方,平均値の低い 順の下位10項目中,上位10項目と同様に,8項目が両者に共通の項目である。したがって,全 体としては,民間企業社員と公務員の間において,ライフスタイルは基本的に大きな差がなく,
共通したライフスタイルが窺えると言ってよいであろう。
民間企業社員と公務員とに共通して平均値の高い項目は,「自分の意見よりも周囲の意見や 和への調和が大事」,「友人・知人とのつきあいに生きがいを感じる」,「変化はないが穏やかな 生活をしたい」,「好きなことへのお金を惜しまない方」,「物質的豊かさより,心の豊かさに重 きをおきたい」,「仕事よりも趣味・レジャーに生きがいを感じる」,「生活を楽しくすることに
* 本研究の主要なデータの分析は,名古屋大学大型電子計算機センターのFACOM M 1800/20によって
行なわれた。
関心がある」,「職場で自分の仕事が認められ,昇進したい」などである。一方,平均値の低い 項目は,「遊んでいても仕事や家事が気になる方」,「洋服などは,ブランドものを選ぶ方」,「他 人と違う個性的な生き方をしている」,「ボランティア活動に関心がある」,「ベストセラーやヒッ
ト映画などは読んだり見る方」,「新しい商品は人より先に買う方」,「自分の身の回り以外は,
関心を持たない」,「自由時間を減らしても現在以上の収入を得たい」などである。
表2 ライフスタイル項目の平均値とt検定結果
項 目 内 容 民間企業社員(N=94)公務員(N=302)t値 1経済的に恵まれなくても気ままに暮らせればよい
2グループの中で注目の的になりたい 3早い機会にひとかどめ人物になりたい
4物質的豊かさより,心の豊かさに重きをおきたい 5家族との交流に生きがいを感じる
6自分の意見よりも周囲の意見や和への調和が大事 7変化はないが穏やかな生活をしたい
8新しい商品は人より先に買う方
9リーダーになって苦労するより人に従う方が気楽 10皆と同じ生活は好まない
11伝統的なものを大事にする方
12自由時間を減らしても現在以上の収入を得たい 13友人・知人とのつきあいに生きがいを感じる 14将来よりも現在の生活を充実させたい 15高齢者の意見には十分耳を傾ける方
16ベストセラーやヒット映画塗どは読んだり見る方 17収入が少なくてもやりがいのある仕事がしたい 18今の世の中努力すれば成功できる
19新しいものを取り入れる方
20職場で自分の仕事が認められ,昇進したい 21流行や新しいファッションを気にする方 22好きなことへのお金を借しまない方 23自然環境を大事にし,自然に親しむ方 24遊んでいても仕事や家事が気になる方
25自分のことを考える前に,他人のことを考える方 26今の世の中知恵を働かせれば成功できる 27多少の危険があっても冒険をしてみたい 28仕事よりも趣味・レジャーに生きがいを感じる 29洋服などは,ブランドものを選ぷ方
30生活を楽しくすることに関心がある 31ボランティア活動に関心がある
32少し無理なくらいの目標を立ててがんばる方 33他人と違う個性的な生き方をしている 34同じ一生なら苦労しても成功者になりたい 35自分の身の回り以外は,関心を持たない 36社会や人々の役に立っことに生きがいを感じる 37値段が高くても,高級レストランを選ぷ方 38健康のため食事や運動には気をっける方 39多少波風を立てても自分のやりたいことをやる方 40男性は仕事,女性は家事・育児を行うのがよい
3.48 (1◆25)
3.07 (1◆09)
2.86 (1.07)
3.84 (0.98)、
3.61 (1.15)
4.28 (0.78)
3.94 (0.98)
2.61 (1◆12)
3.04 (L22)
3.06 (1.15)
3.36 (1.08)
2.67 (1.34)
4.02 (0.93)
3.63 (1.18)
3.53 (0.88)
2.92 (1.14)
3.15 (1.27)
3.10 (L22)
3.26 (0.93)
3.65 (1.10)
3,07 (1.21)
3.90 (1.00)
3.46 (0_98)
2.59 (1.33)
3.21 (1.04)
3.14 (1.11)
3.43 (1.17)
3.78 (1.04)
2.77 (1.25)
3.65 (0.94)
2.48 (1.00)
3.10 (1.09)
2.83 (1.19)
3◆25 (1.25)
2.53 (1.10)
3.09 (1・02)
3.23 (1.25)
3.14 (1.17)
3.31 (1.17)
3.36 (1.41)
3.02 (1.24)
3.00 (1.11)
2今98 (1.12)
3.83 (1.00)
3.45 (1.ll)
4.12 (0づ86)
3.60 (1.14)
2.45 (1.19)
2・98 (1.17)
2◆97 (1.16)
3.38 (1.04)
2.32 (1.23)
3.92 (0,89)
3.31 (1.15)
3恒47 (0●89)
2.67 (1.16)
3.39 (1.14)
3.05 (1.20)
3.24 (1.01)
3.48 (1.15)
2.97 (1 25)
3.92 (1.04)
3恒63 (0右99)
2.93 (1.27)
3.28 (0_98)
3.36 (1.10)
3.29 (1.18)
3.82 (1.02)
2・77 (1.25)
3.70 (1.00)
2.70 (1.12)
3.09 (1.05)
2.73 (1.17)
3◆20 (1.16)
2・41 (0.99)
3・33 (1.07)
3.28 (1.21)
3.25 (1.11)
3.00 (1.17)
2.80 (1.32)
● ・ ・ 傘 . ・ ■ ■ . ・・
13 T7 X3 P1 P5 T5 T6 P0 S5 V1 P8 R9 X2 S0 T9 W3 V0 R2 P4 Q5 U9 P6 S4 Q9 T3 U8 O1 R1 O2 S3 U7 O5 V5 R2 O1 O0 Q8 W5 Q6 T3
翫0ぱ飢LLZLぱぴぴZ飢Z飢LLα乱L臥OL2ぱLLぴぴ飢Lぱ飢ぴLZぴ⑰乙鋭
()内は標準偏差
硲 P<.05, 愈⑨ P<.01, ・・. P<.OOI
2.ライフスタイルの構造
前項でライフスタイル項目に対する反応には民間企業社員と公務員の間に基本的な差異がな
一85一
いことが確認されたので,全対象者のデータについて,ライフスタイルの構造を明らかにする ために,40項目のライフスタイル項目に対し,主因子法による因子分析を施した。固有値1.0 以上の因子数は12であったが,芝(1981)による因子数の基準により,本研究で用いられてい る40個の変数の場合,因子数は6程度が適切であると考え,4因子解,5因子解,6因子解の 3種の因子負荷量を計算した。しかし,5因子解,6因子解ともに,第5因子以降の因子解釈 が困難なため,4因子解を採用した。表3は,因子数を4と設定して求めた,主因子法に続く バリマックス回転後の,第1因子から第IV因子それぞれの因子負荷量,共通性,寄与率の数値 を整理した結果である。
4因iFiの中で第1因子にもっとも高い因子負荷量を示し,その値が.35以上であった項目は,
「他人と違う個性的な生き方をしている」,「多少の危険があっても冒険をしてみたい」,「多少 波風を立てても自分のやりたいことをやる方」,「同じ一生なら苦労しても成功者になりたい」,
「皆と同じ生活は好まない」,「早い機会にひとかどの人物になりたい」,「リーダーになって苦 労するより人に従う方が気楽」(逆転項目),「グループの中で注目の的になりたい」,「少し無 理なくらいの目標を立ててがんばる方」,「新しいものを取り入れる方」,「変化はないが穏やか な生活をしたい」(逆転項目),「今の世の中知恵を働かせれば成功できる」の12項目である。
これらの項目は,目標や理想を実現するために積極的に行動していこうというライフスタイル に関連しているので,第1因子を積極志向の因子と呼ぶ。
第n因子にもっとも高い因子負荷量を示し,その値が.35以上であった項目は,「自然環境を 大事にし,自然に親しむ方」,「社会や人々の役に立つことに生きがいを感じる」,「ボランティ ア活動に関心がある」,「高齢者の意見には十分耳を傾ける方」,「物質的豊かさより,心の豊か さに重きをおきたい」,「伝統的なものを大事にする方」,「家族との交流に生きがいを感じる」,
「自分の意見よりも周囲の意見や和への調和が大事」の8項目である。これらの項目に共通す る意味は,自然・環境・周囲の人々との調和や心の豊かさを求めるライフスタイルなので,第
皿因子を調和志向の因子と呼ぶ。
第m因子にもっとも高い因子負荷量を示し,その値が.35以上であった項目は,「流行や新し いファッションを気にする方」,「洋服などは,ブランドものを選ぶ方」,「新しい商品は人より 先に買う方」の3項目である。また,第m因子の負荷量が最高ではないが,.35以上の値を示 す項目は「新しいものを取り入れる方」である。これらの項目は,主として,流行感覚や自己 顕示欲に関連するライフスタイルを意味している。そこで,第田因子をファッション志向因子
と呼ぶことにする。
第W因子にもっとも高い因子負荷量を示し,その値が.35以上であった項目は,「経済的に恵
まれなくても気ままに暮らせればよい」,「将来よりも現在の生活を充実させたい」,「仕事より
も趣味・レジャーに生きがいを感じる」の3項目であり,その他の項目中.35以上の値を与え
られているのが,「リーダーになって苦労するより人に従う方が気楽」(逆転項目),「同じ一生
なら苦労しても成功者になりたい」(逆転項目)の2項目である。これらの項目に共通するのは,
主として,現状肯定,享楽主義のライフスタイルである。したがって,第IV因子をエンジョイ 志向の因子と呼ぶ。
表3 ライフスタイル項目の因子分析結果 バリマフクス回転後の因子負荷量
(Nニ382)
項 目 内 容 第1因子 第II因子 第皿因子 第[V因子 共通性 33他人と違う個性的な生き方をしている.
27多少の危険があっても冒険をしてみたい 39多少波風を立てても自分のやりたいことをやる方 34同じ一生なら苦労しても成功者になりたい 10皆と同じ生活は好まない
3早い機会にひとかどの人物になりたい
9リーダーになって苦労するより人に従う方が気楽 2グループの中で注目の的になりたい
32少し無理なくらいの目標を立ててがんばる方 19新しいものを取り入れる方
7変化はないが穏やかな生活をしたい 26今の世の中知恵を働かせれば成功できる 30生活を楽しくすることに関心がある 18今の世の中努力すれば成功できる 22好きなことへのお金を借しまない方
12自由時間を減らしても現在以上の収入を得たい 23自然環境を大事にし,自然に親しむ方 36社会や人々の役に立っことに生きがいを感じる 31ボランティア活動に関心がある
15高齢者の意見には十分耳を傾ける方
4物質的豊かさより,心の豊かさに重きをおきたい 11伝統的なものを大事にする方
5家族との交流に生きがいを感じる
6自分の意見よりも周囲の意見や和への調和が大事 38健康のため食事や運動には気をっける方 35自分の身の回り以外は,関心を持たない 25自分のことを考える前に,他人のことを考える方 13友人・知人とのっきあいに生きがいを感じる 17収入が少なくてもやりがいのある仕事がしたい 24遊んでいても仕事や家事が気になる方 21流行や新しいファッションを気にする方 29洋服などは,ブランドものを選ぶ方
8新しい商品は人より先に買う方
20職場で自分の仕事が認められ,昇進したい 16ベストセラーやヒット映画などは読んだり見る方 37値段が高くても,高級レストランを選ぶ方
1経済的に恵まれなくても気ままに暮らせればよい 14将来よりも現在の生活を充実させたい
28仕事よりも趣味・レジャーに生きがいを感じる 40男性は仕事,女性は家事・育児を行うのがよい
.61
.65
.61
.56
.55
.52
−.48
.41
,41
.45
−.40
.35
.32
.30
.29
.25
.13
.19
.12
−.05
.04
−.07
−.08
−.17
.10
−.06
.01
.16
.22
−.11
.09
.07
.08
.33
.08
.01
.07
−.03
.09
.09
.05
.03
−.0?
.14
−.06
.05
−.06
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.23
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.25
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.04
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.52
.51
.50
.49
.49
.46
.35
.34
−.33
.32
.28
.26
.24
.10
−.00
−.00
.16
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.07
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−.28
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.25
−.11
一.ll
−.08
.18
−.30
.13
.00
.41
.43
.39
.14
631825721845254059966536971689444433333321211133222221111110
.57
.39
.41
.34
.15
.06
.25
.20
.16
.03
因子負荷量2乗和
寄 与 率(%)
0900 90∂ 909 刀喰1 8127 ︵0﹂暢 01 25 97 500 1令◎
10.48
3.ライフスタイル尺度の構成
余暇や休日に対する態度を分析する測度として,ライフスタイル尺度を構成し,尺度得点を 比較するという方法をとった。
ライフスタイル尺度の構成は,ライフスタイル項目の因子分析結果に基づいて行なわれた。
一87一
構成された尺度は4尺度であるが,各尺度は,表3に示される,それぞれの因子負荷量が原則 として.35以上の項目から成る。しかし,後述のCronbachのα係数の値が小さくなって尺度の 信頼性を損うことを避けるために,第W因子に対応する尺度の構成項目から「同じ一生なら苦 労しても成功者になりたい」の項目を除外した。さらに,各尺度は因子分析結果の第1因子か ら第IV因子に対応させて,尺度を構成する項目内容の類似性により,積極志向尺度,調和志向 尺度,ファッション志向尺度,エンジョイ志向尺度と命名された。したがって,4尺度の構成 項目数は,それぞれ12,8,4,4である。
各尺度ごとに,それらを構成す 表4 ライフスタイル各尺度間の相関 る項目の平均値を求めることによ (N・382)
尺 度 1 I I 1 皿
1積極志向 (.65)
II調和志向 .18
mファッション志向 .39 IVエンジョイ志向 一,06
(.72)
.15ぴ京 (.70)
一.03 −.07
対角線上にある( )内の数値は信頼性係数(Cronbachα)
P<.05, . P<.01, .u P<.001
り,尺度合成得点を計算した。表 ・ 4はこれらの尺度間の相関係数と Cronbachのα係数である。まず,
(.42) 尺度の信頼性を示すα係数を見る と,エンジョイ志向尺度の.42を 最低値とする結果であり,すべて の尺度の信頼性はかなり高い値を示していた。尺度間の相関係数に関しては次のようにまとめ ることができる。①積極志向尺度とファッシ9ン志向尺度の間には,0.1%水準の有意な正の 相関が見られた。②積極志向尺度と調和志向尺度および調和志向尺度とファッション志向尺度 の間にはそれぞれ正の有意な相関が見られた(P<.OOI, P〈.01)。③エンジョイ志向尺度と 他の3尺度との間には有意な相関は見られなかった。これらの結果から,4つのライフスタイ
ル尺度は,それぞれ明確な構造を形成しており,一方で,積極志向尺度,調和志向尺度,ファッ ション志向尺度の3尺度は相互に密接な関連を持っていることが明らかになった。
4.ライフスタイル尺度のデモグラフィック要因別特徴
ライフスタイルが,調査対象者の,所属する組織,性,年齢,所属部門,最終学歴,職務経 験年数などのデモグラフィック要因によって異なるかどうかを明らかにするために,調査対象 デモグラフィック要因を独立変数,ライフスタイル尺度を従属変数とする分散分析を行なった。
表5は,各デモグラフィック要因ごとのライフスタイル尺度平均値,標準偏差と分散分析によ るF値を示したものである。
表5の結果によると,所属部門を除き,すべてのデモグラフィック要因において,いずれか のライフスタイル尺度に関して統計的有意差が見られた。尺度別にその結果を整理すると次の ようになる。
まず,積極志向尺度では,男性の方が女性よりも積極志向である(P<.001)。学歴間には
全体的に有意差が見られたが(P<.05),群間の対比較において有意であったのぼ短期大学と
大学との間の差のみであった(P〈.05)。職務経験年数においても有意差が見られたが(P<
.01),群間の差で有意であったのは,職務経験3〜5年の層と10−−14年の層との間であった(P
<.05)。職務経験10〜14年の層の積極志向がもっとも低いことが注目される。
表5 ライフスタイル各尺度のデモグラフィック要因別平均値,分散分析結果
調 査 対 象 属 性 N I積極志向 II調和志向 皿フrvション志向 IVエンシ ヨイ志向
繊 民間企業社員 89 3.19(0.53) 3.46(O.57) 2.91(0.82) 3.48(0.70)
地方公務員 297 3.12(0.51) 3.49(0.59) 2.86(0.86) 3.28(0.69)
F 値 1.11 0.50 0.54 2.44牟
性 男女F
性2723.21(0.51)3.44(O.62)2.82(0.86)3.34(0.74)
性1222.97(0.48)3.57(0.50)2.99(0.81)3.31(0.59)
値4.54°⇔2.23°1.860.51
年齢 223344F ヨ ら 歳〜〜〜〜歳 未29343944以 満歳歳歳歳上値 脳⁝⁝46192212 3り∂り∂9◎2り白− 幻ぷ沮﹄旧潮孤Ω 000000 44CO︻04ρ0 0∨820ρUO 3.34(0.50) 3.04(0.84)
3.44(0,63) 2.81(0.83)
3.63(0.52) 2.87(0.88)
3.70(0.38) 3.12(0.78)
3.87(0.58) 2.71(0.81)
3.78(0.42) 2書38(0.81)
5.47 章.. 2.34 硲
3.44(0.70)
3.25(0.72)
3.22(0・65)
3.40(0.55)
3.51(0.62)
3.78(0.52)
2.45°
38 W2 R2 R8
門門門他値 2
部部部
務術能の 事技技そF
門
部゜
所 属 3.11(0.47) 3.46(0.59)
3.27(0.58) 3.56(0.64)
3.12(0.56) 3.46(O .51)
3.04(0.51) 3.50(0.47)
2.36 0.68
2.88(0.85) 3.34(0.68)
2.87(0.84) 3.28(0.72)
2.75(0.86) 3.25(0.82)
2.93(0.85) 3.45(0ヂ64)
0.28 0.68
7ぷ2146㎜3
校校校学学他値
学学大 学 の 等門期 中高専短大そF
歴
学
終
最 2.82(0.45) 3.63(0.49)
3.15(0.50) 3.47(0.51)
3.20(0.59) 3.64(0.60)
2.93(0◆51) 3.52(0.51)
3.18(0.49) 3.45(0.65)
3.25(0.68) 3・25(0.37)
2.56 . 0.62
2.71(0.98) 3.67(0.45)
2.96(0.86) 3.54(0.65)
2.98(0.86) 3.35(0.81)
3書10(0.79) 3.21(0.60)
2.75(0.82) 3.19(0.71)
2.50(1.08) 3.75(0.35)
1.90 4◆94 命章奉
72 W1 U0 R2 Q5 Q4
1
満年年年年上値 未591419以 年〜〜〜〜年 336101520F
聯 繊 3.16(0.48) 3.30(0.57)
3.20(0.47) 3.44(0.60)
3,16(0.56) 3.55(0,55)
2.87(0.57) 3.50(0.47)
3.04(0書52) 3.77(0.44)
2.97(0.50) 3.81(0.55)
3.09 .. 4.84 .竈.
2.92(0.82) 3.43(0.63)
2.88(0.85) 3.27(0.76)
2.86(0.88) 3.26(0.63)
2.86(0.91) 3.32(0.62)
2.87(0.83) 3.49(0・55)
2.74(0.91) 3.62(0.61)
0.17 1.80
( )内は標準偏差
寧 P<.05, s. P<.01, tll P<.OOI
調和志向尺度は,積極志向尺度とほぼ対比的な傾向が見られた。まず性別では,女性の方が 男性よりも調和志向である(P<.05)。年齢別では,年齢が高くなるに従って調和志向が強く なる傾向が見られるが(P<.001),40 一・ 44歳の年齢層と,25歳未満の層および25〜29歳層と の間にはそれぞれ有意差が明確に見られた(P<.01,P<.05)。職務経験年数別の傾向は年 齢別傾向とほぼ対応しており,職務経験年数が長くなるに従って調和志向が強くなる傾向が見 られるが(P〈.001),20年以上の層と,3年未満の層および3 一一5年層との間にはそれぞれ 有意差が明確に見られた(P<.01,P.05)。
一