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(1)

経 営 と経済

8 7

巻 第 1号

2 0 0 7

6

4 9

非合法外国人労働者の雇用者にたいする制裁が 非合法外国人労働者と自国人労働者におよばす影響

Abs t r ac t

Bya s s uml ngaS ma l lo pe ne c o no my, wei nve s t i ga t et hee f f e c t so fe m‑

pl o ye rs a nc t i o nso ni l l e ga li mml gr a nte mpl o yme n ta ndna t i vewo r ke r we l f a r e.Fo rt hi sp ur po s e,wea s s umet heno n‑ S hi r kmo de lt ot a ket he po s s i bl ee f f e c t so fe mpl o ye rs a nc t i o nso ni l l e ga li mml gr a ntut i l i t i e si nt o a c c o unt .Wea l s oa s s umet ha tt hepr o ba bi l i t yt ha tt hego ve r nme ntwi l l di s c o ve ri l l e gali mml gr a nte mpl o yme ntha r dl yI nc r e as e sWi t ht he r e s o ur c e si nve s t e dbyi ta ndt ha ta l lt hec o s t so fe mpl o ye rs a nc t i o nsa r e f i na nc e dbyt hef i ne si mpos e do nt hef i r mst ha te mpl o yi l l e ga li m一 ml gr a nt S .I nt hi spa pe r ,Wede mo ns t r a t et ha te ve nunde rt he s ec i r c um

s t a nc e s, S t r e ngt he ni nge mpl o ye rs a nc t i o nsc a nno to nl yr e duc ei l l e g a li m‑

ml gr a nte mpl o yme ntbuta l s oc a ni nc r e a s ena t i vewo r ke rwe l f a r e・

Keywords:i l l e ga li mml gr a nt S;e mpl o ye rs a nc t i o ns;na t i vewo r ke r s;

e f f i c i e nc ywa ge s;s ma l lo pe ne c o no mi cmode l

l

は じ め に

本論文の 目的は,非合法外国人労働者の雇用者 にたいする制裁

( empl oyer sanc t i ons )

が非合法外国人労働者の雇用 と自国人労働者の厚生 にお よばす影 響 を検討す ることである1).具体的には小国開放経済 において政策 当局が,

1

)政策 当局の非合法外国人労働者の雇用者 にたいする制裁を意味す る

̀ e mpl o ye rs a nc ‑

t i o ns '

は, 日本語でい くつかの表 し方を もってい る.例 えば紺屋

( 2 0 03 )

は 「雇用主 (懲 罰)制度」 と表 している.本論文 は内容を具体的 に示す よう 「非合法外国人労働者の雇 用者 にたいする制裁」 と表す.

(2)

5 0

経 営 と 経 済

資源を投入 して非合法外国人労働者の雇用を見つけようとする.非合法外国 人労働者の雇用を見つける と,政策当局はその ような労働者 を雇 っている企 業 に罰金を科す.またその ような企業 に雇われている非合法外国人労働者は 解雇 され る. この ような小国開放経済 を仮定 して政策当局が罰金を増加 させ 雇用者 にたいする制裁を強めることによって,非合法外国人労働者の雇用 を 抑制で きるか どうか,また この とき自国人労働者の厚生 にどの ような影響 が

しょうじるかを明 らかにす る.

非合法外国人労働者は,受入国につぎの ような悪影響 をおよばすおそれが あ る

2)

.非合法外国人労働者は不熟練 自国人労働者 に取 って代わった り,質 金の上昇 を妨 げた りする

3)

.また構造調整や技術進歩を遅 らせ国際競争力を 低下 させた り,非合法的な部門への資本移動 を促 し合法的な部門の経済活動 を停滞 させた りす る

4 )

.さらに非合法外国人労働者は,社会保障政策 か ら受 ける恩恵 よりも少ない負担 しかおこなわない5).

このため多 くの国が非合法外 国人労働者の流入や雇用 を抑制 しようとして いる.その手段の 1つ として非合法外 国人労働者の雇用者にたいする制裁 が 広 く実施 されている

6 )

.すなわち政策 当局が非合法外国人労働者の雇用を発

2

)非合法外国人労働者受け入れの経済的影響については

,Dj a j i e( 2 0 0

1)な どを参照せ よ・

3

) これ らの影響 についての初期の展望論文 に

Gr e e nwoo da ndMc Do we

ll

( 1 9 8 6 )

がある.

4)Dj a j i

C

( 1 9 9 7 )

は,非合法外国人労働者の受け入れ とそれによる非合法部門の拡大が資源 配分や財価格や賃金に どの ような影響をお よばすかを分析 した.

5

)外国人労働者受け入れの財政 にたいす る影響 については

,Bor j as( 1 99 9)

な どを参照せ よ.

6)Ro bi na ndBa r r o s( 20 0 0 )

によると非合法外国人労働者の雇用者 にたいす る制裁は,オー ス トラ リア,オース トリア,ベルギー,フ ィンラン ド,フランス, ドイツ,ギ リシ ャ, 日本,オランダ,ノル ウ ェー,ポル トガル,スペ イン,ス イス, イギ リス,アメ リカな どで実施 されている.またアメ リカ, ドイツ,フランスでおこなわれている非合法外 国 人労働者の雇用者 にたいする制裁については

,Mar t i na ndMi l

l

er( 2 0 0 0 )

な どを参照せ よ.

これ以外 に入国管理

( bor de rc ont r o

l)の強化や外国人労働者の受 け入れ枠

( i mmi gr at i on

q uo t a s )

の設定な どが同時にお こなわれるこ とが多い.現実の経済では これ らの手段は独 立 に操作 され ることが多いが

,Shi mada( 200 6)

は外国人労働者の受け入れ枠 と非合法外 国人労働者の雇用者 にたいす る制裁 が 自国人労働者や合法外国人労働者 の予想生涯効用 の増加に とって独立ではないことを明 らかにした.

(3)

非合法 外 国人 労働者 の雇用者 にた いす る制裁 が

非 合法外 国人 労働者 と自国人労働 者 にお よばす影響

51

見 しこれ らの労働者が非合法であることを証明す ると,その ような労働者 を 雇 っていた企業は罰金を科せ られる.

非合法外国人労働者の雇用者 にたいする制裁 については,多数の優れた研 究 が存在す る.例 えば

Et hi er( 1 9 86)

は非合法外 国人労働者 の影響 について のは じめての正式な理論分 析であ り,入国管理 と非合法外国人労働者の雇用 者 にたいす る制裁 が受入 国の厚生や所得分配 におよばす影響 を明 らかに し

た .

Bo nda ndChe n( 1 9 8 7 )

Et hi e r( 1 9 86 )

を拡張 し,制裁の最適 な水準を導 き 出 した.

Ca r t e r( 2 005 )

は受入国の労働市場で非合法外国人労働者が他の労働 者 と競合するばあいに, どの ような制裁が望ましいかを明 らかにした7).

しか し非合法外国人労働者の雇用者 にたいする制裁 についての多 くの分析 は,つぎの ような問題を含んでいる.第 1の問題点は,非合法外国人労働者 の雇用者にたいする制裁が非合法外国人労働者の労働供給 におよぼす影響で ある.非合法外国人労働者の雇用が政策当局に見つかれば,非合法外国人労 働者を雇 っている企業が罰せ られるとともに,雇われていた非合法外国人労 働者は通常,解雇 された り出身国へ強制送還 された りする. このため現実の 経済では,非合法外国人労働者 はこの ような可能性を考慮 しなが ら労働を供 給するだろう. しか しモデル分析では非合法外国人労働者の雇用者 にたいす る制裁 は,非合法外国人労働者の労働供給 に影響 をおよばさない と仮定 され ることが多い

8 ).

7) もちろん非合法外 国人労働者の雇用者 にたいす る制裁の有効性 にたい しては,懐疑的 な見方 も存在する

( Chi s wi c k1 9 8 8,Bo s we l la ndSt r a ubha a r2 0 04 ).

8)Agi omi r gi ana ki sandZe r vo yi a nni ( 2 0 0

1)は政策当局が非合法外国人労働者の雇用を見つ ける と,企業 に罰金 を科す と仮定 している. しか し雇われていた非合法外国人労働者 は 解雇 された り強制送還 された りする とは明示的に仮定 していない.一方

Ca r t e r( 1 9 9 9 )

は, 政策当局が非合法外 国人労働者の雇用を見つける とこれ らの労働者 が強制送還 され る と 仮定 し,この ことが彼 らの労働供給 に影響をおよば している.ただ し非合法外国人労働 者の雇用者にたいす る制裁は仮定 していない.

(4)

1 5 2

経 営 と 経 済

2の問題点は,非合法外国人労働者の雇用の政策当局による摘発 にかん す る仮定である.現実の非合法外国人労働者の雇用量は膨大である. このた め現実には仮 に政策当局が彼 らを見つけるために投入する資源 を大幅に増加 させた として も,彼 らを発見 し非合法である と証 明する確率はほ とん ど上昇 しないだろう. しか しモデル分析では投入す る資源 を増やす と彼 らを見つけ る確率が確実 に上昇すると仮定 されることが多い

9 )

.また現実の政策当局が 非合法外国人労働者の雇用を見つけるために投入で きる資源は限 られている か ら,政策当局が これを実際にどの ように調達するかはひじょうに重要な問 題である.このためモデル分析で も予算制約 を課 し,税金な どによって賄 う と仮定 されることがある

1 0)

.しか し税金は非合法外国人労働者の雇用 を抑制 す るためにも支 出されるだろうが,その額はひじょうに限 られている.多 く のモデル分析は,現実の政策当局が この ような 目的に投入で きる資源がご く わずかであることを十分反映 していない.

3

の問題点は,非合法外国人労働者の雇用者 にたいする制裁が 自国人労 働者 にお よばす影響である.非合法外 国人労働者の雇用者 にたいする制裁は これ らの労働者の雇用抑制を 目指 した ものだか ら,制裁の変更が これ らの労 働者の雇用にお よぼす影響を明 らかにすることはい うまで もない.しかし同 時 に制裁の変更が 自国人労働者の厚生 におよばす影響 も明 らかにしなければ な らないだろう.なぜな ら制裁を強めることによって非合法外 国人労働者の 雇用量が減少 して も, 自国人労働者の雇用量が減少 した り雇われている自国 人労働者の効用が低下 した りするな らば,制裁はかな らず Lも非合法外国人

9

)例 えば

Et hi er( 1 9 8 6)

Bo nda ndChe n( 1 9 8 7 )

は,発見 し証 明す る確率の上昇は投入す る資源 の増加 とともに減少 す る と仮定 して いるが,ほ とん ど上昇 しない とは仮定 してい ない.

1 0)

例 えば

Buc c ia ndTe no r i o( 1 9 9 6 )

は,税金 と罰金 によって非合法外国人労働者の雇用 を 見 つけ るため に投入す る資源 と失業手 当を賄 う と仮定 している.失業手 当の支払 いが大 きければ,非合法外 国人労働者 の雇用 を見 つけ るために投 入 され る資源 はわずかであ ろ う.ただ し

Yos hi da( 2 00 4)

は本論文 で仮定 す るように,罰金 に よって非 合法外 国人労働 者の雇用 を見つけるために投入する資源 をすべて賄 うばあいを仮定 してい る.

(5)

非合法外 国人労働者の雇用者 にたいす る制裁 が

非合法外 国人労働者 と自国人労働者 にお よばす影響

5 3

労働者の雇用抑制の有効な手段 とはな り得ないか らである.制裁にかんす る 多 くの分析は,制裁の変更が 自国人労働者 におよぼす影響を十分に検討 して いない

11 )

そ こで本論文は,非合法外国人労働者の雇用者 にたいする制裁が非合法外 国人労働者の行動 におよばす影響を分析に反映させるために,非怠業モデル

( n o n ‑ S h i r kmo d e l )

を もちいて賃金率を決定する.また投入す る資源 を大幅 に増加 させて も非合法外国人労働者の雇用を見つける確率はほ とん ど上昇せ ず,投入する資源が罰金だけによって賄われると仮定する. これ らの仮定 を お くことによ り,分析における非合法外国人労働者の雇用の政策当局による 摘発を現実に近づける.そ して この ようなモデルをもちいて,非合法外国人 労働者の雇用者 にたいす る制裁 が非合法外国人労働者の雇用 と自国人労働者 の厚生 におよぼす影響を明 らかにする.

本論文では,つぎの結果が得 られる.非合法外国人労働者の雇用 を見つけ るために投入する資源を大 き く増加させて も非合法外国人労働者の雇用を見 つける確率がほ とん ど上昇せず,かつその費用を罰金だけで賄 った として も, 罰金を増加させ る と非合法外国人労働者の雇用量は減少 し,同時に 自国人労 働者の雇用量 と予想生涯効用が増加する.

本論文の構成は,以下の とお りである.

2

節は,政策当局が非合法外国人 労働者の雇用者 にたいし制裁を科す小国開放経済 をモデル化する.

3

節は, 自国人労働者 と非合法外 国人労働者それぞれの非怠業条件 か ら,それぞれの 労働者の名 目賃金率 と予想生涯効用を求め る.

4

節は,政策当局による罰金 の操作が非合法外国人労働者の雇用や 自国人労働者の厚生にどのような影響 をおよばすかを調べ る.

5

節は,本論文をま とめ,今後検討 し改善すべ き点 をあげる.

l l )Yo s h i d aa ndWo o d l a n d( 2 0 0 5 )

6

章および第

7

章は,非合法外国人労働者の雇用者にた いする制裁の厚生分析をおこな うさい,社会的厚生を受入国の国民所得をもちいて定義

している,自国人労働者の効用にたいする影響は明示的に考慮されていない.

(6)

5 4

経 営 と 経 済

2

モデル

本論文 は単一の労働市場 をもつ小国開放経済を仮定す る.小国開放経済は 外国人労働者の流入をつ うじて, 自国を除 く世界 とつなが りを もっている.

小国開放経済には複数の労働者,複数の企業 および政策当局が存在す る.

自国人労働者数 を

N N

,ただ し

N

u は定数で

N d>

0, と仮定す る.外 国人労 働者は一般に合法外 国人労働者 と非合法外国人労働者か らなるが,簡単化の ために小国開放経済へ非合法外国人労働者が M‑,ただ しM‑は定数で

M ‑>0

, 流入する と仮定する.また流入 した非合法外国人労働者 は,小国開放経済 に 留 ま り続ける.

企業は 自国人労働者 と非合法外国人労働者 を雇い生産 をおこな う.ただ し 雇われている非合法外国人労働者が政策当局 によって非合法であると発見 さ れ証 明される と,雇われていた非合法外国人労働者 は解雇 され る

1 2)

. 自国人 労働者 と非合法外国人労働者は,企業 によって代替的な生産要素 と見なされ

1 3)

. しか し非合法外 国人労働者 1人 あた りの有効労働 力

( e f f e c t i vel a bo r f o r c e )

は 自国人労働者 1人あた りの有効労働 力 よ りも小 さ く, ♂,ただ し

β

は定数で

0 <♂<

1,の割合であ る と仮定する. 自国人労働者の雇用量 を .〟, ただ し

N

≦N‑, とし,非合法外 国人労働者の雇用量 をM,ただ し

M

≦M‑,

とし,生産関数 を,

Y‑F( N+O M)

,

F' >

0

,F" <

0,

と仮定す る.

政策当局は資源を投入 して,雇われている外国人労働者が非合法であるか

1 2)

雇われている外国人労働者がすべて非合法であれば,政策当局は彼 らが確実に非合法 である とわかるだろう. しか し確実 に証 明することは不可能であ ろう.本節の後述 を参 照せ よ.

1 3)

自国人労働者 と非合法外国人労働者の生産要素 としての代替性 は,後述

( 1 0)

式 か らも 明 らかである.

(7)

非合法外 国人労働 者 の雇用者 にたいす る制裁 が

非合法外 国人労働 者 と自国人労働 者 にお よぼす影響

55

どうかを調べ る.ただ し政策当局は,失業 している外国人労働者が非合法で あるか どうかは調べない と仮定する.そ して政策当局は雇われている非合法 外国人労働者を少の確率で非合法であると発見 し証明すると仮定する・本論文 はこの ような確率を雇われている非合法外国人労働者の発見証明確率 とよび,

P‑P( R) ,0<

p<1,

9' >0 ,P' R/ p(

ヮ p )

<1

,R>0

,

と仮定 する. ここで

R

は,政策 当局 が雇われている非合法外 国人労働者 の 発見 と証明q)ために投入する資源 (大 きさは金額 によって測 られる)を表す.

政策当局が投入で きる資源は限 られている.また現実の多 くの企業は下請 け な どを利用す るこ とによ り,摘発を逃れ ようとす る

( Bo s we l la ndSt r aub

ha a r2 0 0 4 ).

このため雇われている外国人労働者がすべて非合法であ って も, 確実に非合法である と証明で きるとは限 らない. したがって雇われている非 合法外 国人労働者の発見証明確率は 1よりも小 さい.また雇われている非合 法外国人労働者の発見証 明確率は,投入する資源 を増加 させ ることによって 上昇す る.しかし現実には雇われている非合法外国人労働者数が膨大である ため,投入す る資源 を大幅に増加 させて もほ とん ど上昇 しない.このため雇 われている非合法外 国人労働者 の発見証 明確率の資源弾力性 でpは,一定 で 十分小 さい と一仮定す る.

政策当局が雇われている非合法外国人労働者を発見 し証明 したばあい,そ の ような労働者を雇 っていた企業は,雇 っていた非合法外国人労働者 1人 に たい してf,ただ し

f>

0,の罰金を支払わなければな らない と仮定する・罰 金は政策当局 によって操作 される.

すでに仮定 した ように政策当局が雇われている非合法外国人労働者を発見 し証 明 したばあい,雇われていた非合法外国人労働者は解雇 される

1 4 )

.した

1 4 )

すで に述べた ように

Ca r t e r( 1 9 9 9 )

は強制送還 を仮定 している. しか し強制送還は費用 がかかるため,現実的には可能性はかな り低いだろう. したがって現実の第1次接近 とし ては,企業が罰金を科せ られる と雇われている非合法外 国人労働者は解雇 される と仮定 するのが妥当であろう.

(8)

経 営 と 経 済

が って雇われている非合法外国人労働者は 自国人労働者 とは異な り,非合法 であることにより少の確率で解雇 され失業する・

本論文は,政策当局が雇われている非合法外国人労働者を発見 し証 明す る ための費用をすべて罰金によって賄 うと仮定する.この ような仮定をお くの はすでに述べた ように,政策当局がこの ような 目的 に投入で きる資源が現実 には非常 に限 られているか らである. この仮定の もとでは,

R‑A f M

,

が成 り立ち,雇われている非合法外国人労働者の発見証明確率は,

P‑

P(pfM)

,

1

と書 き換 えられる.

(1)式 か ら罰金や非合法外国人労働者の雇用量の雇われてい る非合法外 国 人労働者の発見証明確率にたいす る影響が,

・ . I / ' L

,,

J ・ : I / '

・ ・ / ' L

,,

J J I I / ' =

,. /'

af

1 ‑ ♪f'∂ M 1‑ ♪ M'

と求め られる・

b < 1

か ら罰金が増加 した り非合法外国人労働者の雇用量 が 増加 した りする と,雇われている非合法外国人労働者の発見証 明確率が上昇 する・ しかしpが十分小さいため,ほ とん ど上昇 しない・

自国人労働者の賃金率を

w N

とし非合法外 国人労働者 の賃金率を

w M

とす る と,企業の利潤 打は,

T r …F( N+O M)‑WN N‑WMM‑

P

( h f M) j M

,

と定義 される

1 5 ) .

ここで右辺第4項 は,企業 が政策 当局 に支払 わなければな らない罰金の合計の予想値 を表す.自国人労働者の賃金率 と非合法外国人労 働 者 の賃金率 は,

Shapi r oandSt i gl i t z(1 984)

な どに よる効率賃金仮説

1 5)

本論文は分析 をつ うじて財価格を1と仮定 する

(9)

非合法外国人労働者の雇用者 にたいす る制裁が

非合法外国人労働者 と自国人労働者 にお よぼす影響

5 7

( e f f i c i e nc ywa gehy po t he s i s )

に したがって導 き出される.具体的にはそれぞ れの労働者の非怠業条件

( no n‑ s hi r kc o ndi t i o n)

をみたす ように決定 され る

(3

節参照).

企業は利潤最大化 を 目指 して,自国人労働者 と非合法外国人労働者 を雇 う.

利潤最大化の 1階条件か ら, F'

‑ w N ,

oF,

‑w M +

が得 られる.

3

非怠業モデルによる賃金率 と予想生涯効用の決定

本節は非怠業モデルを もちいて, 自国人労働者 と非合法外国人労働者の定 常状態 における賃金率 と予想生涯効用を決定する.

まず 自国人労働者の賃金率 と予想生涯効用を求める.雇用 され怠業する自 国人労働者の予想生涯効用

V

ES、は,

rVE S , 〜

‑wN+(

β+p ) ( V

U

. 了V E S 、 ) , ( 4 a)

と表 される・ ここで,γは割引率, βは 自国人労働者が怠業以外の理 由で離 職 し失業する確率, pは 自国人労働者が怠業 し企業に見つか り解雇 され失業 す る確率,

V

UNは失業 している自国人労働者の予想生涯効用 を表す

・( 4 a)

の右辺第

1

項 は雇用 され怠業す る自国人労働者の瞬間的な効用であ り,第

2

項は雇用され怠業す る自国人労働者が怠業や怠業以外の理 由で離職 し失業す

ることによって蒙 る予想生涯効用の変化の期待値 である.

( 4 a)

式は,

V E S N w N

+(P+p)

V

U

N r+P+p

と書 き換え られる.

( 4 a' )

(10)

5 8

経 営 と 経 済

一方,雇用 され怠業 しない 自国人労働者の予想生涯効用

VE N N

は,

rVE N N ‑u J N一g+ β( V U^‑ VE "

N),

( 5 a)

と表 され る. ここで β,ただ しβは定数で

β>

0,は,雇用 され怠業 しない 自 国人労働者が発揮する努力を表す.(

5 a)

式の右辺第 1

, 2

項は雇用 され怠業 しない自国人労働者の瞬間的な効用であ り,第

3

項は雇用 され怠業 しない 自 国人労働者が怠業以外の理 由で離職 し失業す ることによって蒙 る予想生涯効 用の変化の期待値である.

( 5 a)

式 は,

V E N N U J N‑e+PV UN

7 ・ +

.L3

( 5 a' )

と書 き換 えられる.

雇用 されている自国人労働者は,怠業するか どうかを

V E N N

V E

S

N

を比較す る ことに よって決定す る・ もし

VE T<VE

SNな らば,雇用 されている自国人労 働者 は怠業す る・ このため企業 は

V

ET≧

VE

Fvが成 り立つ ように賃金率 を決定 す るが,企業は 自国人労働者の怠業を防 ぐために必要 とする以上の賃金を支 払 う必要 がないので, 自国人労働者の非怠業条件 VET,

V E S N (

VEN)をみたす ように決定す る.

( 4 a' )

,( 5 a' )

式お よび 自国人労働者の非怠業条件 か ら,

w N‑r V UN +空 且也 e ,

β

が得 られ る.

さらに

V U

^,を,

r v UN ‑i b N+ α N( Y EN‑ Vu N ) ,

( 6 a)

( 7 a)

と与 える.ここで

, u) 7 N

は 自国人労働者の失業手当,αNは離職 し失業 してい る自国人労働者 が再雇用 され る確率を表す.本論文は簡単化 のために

, u) ‑N

を0と仮定する.またα〃は定常状態 において,失業 か ら流 出す る自国人労働 者数 と失業へ流入す る自国人労働者数 が等 し くなるように決定 される.言い

(11)

非合法外国人労働者の雇用者 にたいする制裁が

非合法外国人労働者 と自国人労働者 におよはす影響

㌘ 拍

換 えればαNは,α

N( N u‑N)

β N

をみたす ように決定 される・ (

7 a)

式の右辺

2

項は,失業 している自国人労働者が再雇用 されるこ とによって蒙 る予想 生涯効用の変化の期待値である.

定常状態 において成 り立 つα〃と(

4a'

)式

, ( 5a' )

, ( 6a)

式 お よび

( 7a)

か ら,定常状態 における雇用 されている自国人労働者の賃金率 と予想生涯効 用がそれぞれ,

wN‑e

+‡Nl (席 ‑N))

β + re

,

Y E N‑

I

ll

+

( N/ P ( N j N) )

β

]e ,

と求め られる.(

8 a)

式および

( 9a)

式 によると, 自国人労働者の雇用量の増加 は 自国人労働者が再雇用される確率の上昇をつうじて,雇用 されている自国 人労働者の賃金率 と予想生涯効用を増加 させ る.また雇用 されている自国人 労働者の賃金率 と予想生涯効用は,雇われている非合法外国人労働者の発見 証 明確率か ら独立である.

つぎに非合法外国人労働者の賃金率 と予想生涯効用を求める.雇用 されて いる自国人労働者 とは異な り,雇用されている非合法外国人労働者は非合法 であることにより少の確率で解雇 され失業するか ら,雇用 され怠業する非合 法外国人労働者の予想生涯効用

V E

S′と雇用 され怠業 しない非合法外国人労働 者の予想生涯効用VETlはそれぞれ

rVE S M ‑WM十(

β+p)

( V u、 1‑ V E F 、 ′ ) 十 P( V U、 l ‑ V E F 、 1 ) ,

r

VE

T M ‑ WM‑e

+

β( V UM‑ V E N M )

+

P( V UM‑ V E T , ) ,

と表 される・ ここで UU,Iは,失業 している非合法外国人労働者の予想生涯効 用 を表す.また雇用 されている非合法外国人労働者が怠業や非合法であるこ

と以外の理 由で離職 し失業する確率,雇用 されている非合法外国人労働者が 怠業 し企業に見つか り解雇 され失業する確率および雇用 されている非合法外 国人労働者が発揮す る努力は,雇用 されている自国人労働者のそれ らと同 じ

(12)

6 0

経 営 と 経 済

である と仮定する

1 6 ) . ( 4 b)

式の右辺第

3

項 と

( 5 b)

式の右辺第

3

項は,雇用 さ れている非合法外国人労働者が非合法であることにより解雇 され失業するば あいに,彼 らが蒙 る予想生涯効用の変化の期待値 である

1 7).

( 4 b)

, ( 5 b)

式お よび非合法外国人労働者q)非怠業条件

VE " M ‑VE S M (

VEM) か ら,

w M

r

V U

M

+r+β+A+

P

p e' が得 られ る.

さらに

V

UMを,

r

vuw‑緬M

M(VEM

V U 、 4 ),

( 6 b)

( 7 b)

と与 える.ここで

, i bM

は非合法外国人労働者の失業手当,αMは離職 し失業 している非合法外国人労働者が再雇用 される確率 を表す.本論文は簡単化の ために

,

元 M 0と仮定す る.またαMは定常状態 において,失業か ら流 出す る非合法外国人労働者数 と失業へ流入する非合法外国人労働者数が等 し くな るように決定 される・言 い換 えれば αMは,α

M

(ML ‑M )‑(

β+

A)M をみた す ように決定 される

1 8).

定常状態で成 り立 つ α〟と

( 4 b)

, ( 5 b)

, ( 6 b)

式お よび

( 7 b)

式か ら,定 常状態 における雇用 されている非合法外国人労働者の賃金率 と予想生涯効用 はそれぞれ,

u ) M=e+

(M‑/

( 磨 ‑M) )

(

P

(M /(

M))(

=」

ク)

1 6)仮 に これ らが雇用 されてい る 自国人労働者 と異 な っていて も一定であ る限 り,本論文

の結果 は変わ らない.

17)仮 に非合法であるこ とによ り解雇 された非合法外 国人労働者が強制送還 され るな らば, この ような労働者 の予想生涯効用の変化の期待値 は,小 国開放経 済 で失業 したばあいの 予想生涯効用ではな く出身国で得 られ る予想生涯効用 との差であ る.

1 8)非合法外国人労働者 は政策 当局 に非合法 であ る こ とを発見 され証 明され るこ とによ り

企業 に解雇 されて も,労働市場 に留 ま り再雇用 され る可能性があ る と仮定する.

(13)

非合法外国人労働者 の雇用者 にたいす る制裁 が

非合法外国人労働者 と自国人労働者 にお よぼす影響

61

と求め られ る.

( 8 b)

式 と

( 9 b)

式 による と,雇われてい る非合法外国人労働 者の発見証明確率の上昇は雇用 されている非合法外国人労働者の賃金率や予 想生涯効用を高 くす る.これ らの ことは,つぎの ように説 明される少が高 いほ ど定常状態 における α〟が大 きいか ら,失業期間が短 く失業 している非 合法外国人労働者の予想生涯効用が大 きい. この ようなばあい失業のコス ト が小さいか ら,企業は雇用 されている非合法外国人労働者の努力を引 き出す ために,高い賃金 を支払わなければな らない.またすでに述べた ように,少 が高いほど失業 している非合法外国人労働者の予想生涯効用が大 きい.一方, 雇用 されている非合法外国人労働者の予想生涯効用 と失業 している非合法外 国人労働者の予想生涯効用の差 は変化 しない

1 9 )

.このため少が高いほ ど,雇 用 されている非合法外国人労働者の予想生涯効用が大 きい.

4

罰金の効果

本節は,政策当局 による罰金の操作が非合法外国人労働者や 自国人労働者 に どの ような影響をおよはすかを調べる.

( 2)

式 と

( 3)

式か ら, 自国人労働者の賃金率 と非合法外国人労働者の賃金率 の関係が得 られる.

owN‑W M1

% (10)20)

( 1 0)

式 に

( 8a)

式 と

( 8 b)

式 を代入 し全微分 する. 自国人労働者の雇用量 , 非合法外国人労働者の雇用量お よび罰金の関係が得 られる.

N ‑ p( N I‑N) 2

/ /( 、 P d N ‑Ad M +Bd f,

(

l

l )

19)v E

、 T V U . , ‑e / p

20 )Agi o mi r gi ana ki sa ndZe r vo yi a nni ( 2 0 01 )

では不熟練 自国人労働者の名 目賃金率 と非合法 外国人労働者の名 目賃金率のあいだに類似の関係が成 り立 っている.

(14)

経 営 と 経 済

t >

iY1

. ' 〝. . 1 了

ML

l J ∴ ( ( ‑ I ! . /

.e

, ,. I

I

M M ヮ "I /

.

1 ' p : , .̲ i p l . .

]'

f

lTpI:

/

r

. ; .

P

i

l

l

A…旦

B

‑毒 +‡

M

g Mi霊

,

である.

A>

0

,B>

0か ら(

ll )

式 によると,非合法外国人労働者の雇用量の 増加や罰金の増加は 自国人労働者の雇用量を増加 させる (

∂ Ⅳ/ ∂ 〃>

0

,∂ Ⅳ/

a f> 0).

( 3)

式 を全微分 した式 に(

ll )

式 を代入

Ld N

を消去する.

Cd M ‑d u ) M +

ここで,

C=O F "

[( 0 %

N ‑

N

p( N "‑N) 2

p( N L‑N) 2

・ ) 1 B・

]

(12)

1 A+0

]一

怠,

である.

C<

0か ら

( 1 2)

式 による と,非合法外国人労働者 にたいする需要 は 非合法外 国人労働者 q)賃金率の上昇 とともに減少する

( ∂ M/ a wM

<

0).

この ため縦軸 に

wM

を とり横軸 に

M

を とる と,非合法外国人労働者 にたいす る 需要 曲線 は右下が りである・また

‑O F′ ′ [ 0( e

/p)

( N l ( N ‑‑N) 2 )β ] ‑ 1 B+P

/(

1

で p ) 2 >

Oか ら,罰金の上昇 によ り非合法外国人労働者にたいす る需要 曲線 は 下方へシフ トする

( ∂ M

/a

f<0).

( 8 b)

式 を全微分す る.

dwM‑(A一

孟 )d M

‡ M 4 h

手d f・

1 A‑f f 7 9

/(1‑

で ♪ ) 2

)(

p/ M)>0

か ら(

1 3)

式による と,非怠業条件 をみたす定常 状態 における非合法外国人労働者の賃金率は,非合法外国人労働者の雇用量 の増加 とともに上昇 す る

( a u ) M/ ∂ M > 0)

. このため縦軸 に

wM

を とり横軸 に

〝 を とる と,定常状態 における非怠業条件 をみたす非合法外 国人労働者 の

(15)

非合法外国人労働者 の雇用者 にたいす る制裁が

非合法外国人労働者 と自国人労働者 にお よばす影響

6 3

賃金率 と雇用量の関係を表すグラフは右上 が りである・また

( e

/p)(

M J/

(M

‑M) H で

J(1‑

か p ) 〉( P / i ) > 0

か ら,罰金の上昇によりグラフは上方へシフ ト する(au)M/a

f> 0).

( 1 2 )

式 と(

1 3)

式 か ら非合法外 国人労働者 の雇用量 にたいす る罰金の影響 は,つぎの ように求め られる.

d M D d f‑D '

ここで,

D‑A 撒 嘉一

C,

D 〜 ‑‑‡

M

4

M荒h

P f+O

F "

( 0 ‡

NT

p( N ‑‑N) 2 ・)

l

B 一 毒 ,

である.

D>

0,D

〜<

0か ら,罰金が増加する と非合法外 国人労働者の雇用量 が減少する

( d M/ d f<0 )・したがって政策当局が雇われている非合法外国人

労働者 を発見 し証明するために投入で きる資源が限 られていて,費用をすべ て罰金 によって賄 うばあいにおいて も,罰金を引 き上げることにより非合法 外国人労働者の雇用量を減少 させることが可能である.

この結果は,非合法外国人労働者 にたいす る需要曲線

( 1 2

式)のシフ トの方 向 と定常状態 における非怠業条件をみたす非合法外国人労働者の賃金率 と雇 用量の関係を表すグラフ

( 1 3

式)のシフ トの方 向か らも明 らかである.非合法 外国人労働者の雇用量はこれ らのグラフが どれだけシフ トするかにかかわ ら ず,罰金の増加によってかな らず減少する.

( ll )

式によると罰金の増加は,直接的に自国人労働者の雇用量を増加 させ る一方,非合法外国人労働者の雇用量の減少をつ うじて間接的に自国人労働 者の雇用量を減少 させる.すなわち,

(a: N

p

(N‑ ‑N ) 2 lAD

i I (

o‡

N

p(Nl ‑

N )2p )l l B・

(16)

6 4

経 営 と 経 済

である

ヵが十分小 さいばあい,直接的な効果 (上式右辺第 2項)が間接的な 効果 (上式右辺第 1項)を上回 り,罰金が増加することにより自国人労働者の 雇用量が増加する

2 1 ).

( 9 a)

式 による と雇用 されている自国人労働者の予想生涯効用 は, 自国人労 働者の雇用量の増加関数であ る

( dV E N/ d N> 0)・このため雇われてい る非合

法外国人労働者の発見証明確率の資源弾力性が十分小さいばあい,罰金の増 加は 自国人労働者の雇用量の増加をつ うじて,雇用 されている自国人労働者 の予想生涯効用を増加 させ る

2 2).

要するに雇われている非合法外 国人労働者の発見証明確率の資源弾力性が 十分小 さ くて も,非合法外国人労働者の雇用者 にたいする制裁 を強め ると, それ らの労働者の雇用が抑制 される.また制裁の強化は, 自国人労働者 にも 望 ましい影響 をおよばす.

5

本論文 は小国開放経済を仮定 して,非合法外国人労働者の雇用者にたいす る制裁が非合法外国人労働者の雇用 と自国人労働者の厚生 にお よばす影響 を 調べた.その さい制裁 にかんするこれまでの分析 とは異な り,制裁が非合法 外国人労働者の労働供給におよばす影響を明示的に考慮 した.また非合法外国 人労働者の雇用の政策当局による摘発 にかん して も現実的な仮定をおいた.

2

1)dN/dfk,[0(e/p)fNl (NT‑N)2)軒 lD‑1(AD十BD)と書 き換 えられる・Dが正であ る ことはすでに示 した・また ヮpが十分小さければ,AD〜+BDは正である・具体的には

l り i ♪ m ‑ ' 0

(AD〜+BD)

ニ ー

p紺 〝である.

22 )

∂V

E Ja f

‑(e/p)(1/r)(Ml (M ‑M)2)(β+p)

(

D〜/D)+(e/p)(1/r)(M/(ML ‑M)

Hワ

p/(1‑

p))(P/i)か ら罰金の増加は非合法外 国人労働者の雇用量の減少 をつ うじて雇用 されてい る非合法外国人労働者の予想生涯効用を減少 させる一方 (上式右辺第1項),発見証明確率 の上昇 をつうじて雇用 されている非合法外 国人労働者の予想生涯効用を増加 させ る(上式 右辺第2項)

軸 が十分小 さければ,前者の効果が後者の効果を上回る・ このためヮpが十 分小 さければ,罰金が増加す ることによ り雇用 されてい る非合法外国人労働者の予想生 涯効用が減少す る.

(17)

非合法外国人労働者の雇用者 にたいする制裁が

非合法外国人労働者 と自国人労働者におよばす影響

I 泊

そ して本論文はこのような経済において も,政策当局が非合法外国人労働 者の雇用者 にたいす る制裁 を強めると,非合法外 国人労働者の雇用が減少す るばか りでな く, 自国人労働者の厚生が増加する とい う結果を導 き出した.

それ 自身によって費用を賄 うことがで き, 自国人労働者 にも好 ましい影響 を お よばすか ら,非合法外国人労働者の雇用者 にたいする制裁は非合法外国人 労働者の雇用抑制の有力な政策の 1つ とな り得 よう.

本論文で今後検討 し改善すべ き点 として,つぎのことがあげ られる.1 は, 自国人労働者 と非 合法外国人労働者の代替性 にかんする仮定である.本 論文は非合法外国人労働者の有効労働力は 自国人労働者のそれ よりも小さい が,これ らの労働者 は代替的な生産要素である, と仮定 した. しか し現実に は非合法外国人労働者 にはた くさんの不熟練労働者が含 まれているか ら,徳 らは 自国人労働者 と補完的な生産要素であ ると仮定することもできる.この ような仮定の もとでは,制裁 によって非合法外国人労働者の雇用を抑制 しよ うとす ると, 自国人労働者の雇用 も抑制 されて しまうか もしれない.このた め制裁は自国人労働者の厚生を損な うおそれがある.この ような可能性は非 合法外 国人労働者の雇用者 にたいする制裁の実行可能性を左右するか ら,坐 産関数 にかんする仮定を変更 して 自国人労働者 と非合法外国人労働者が補完 的な生産要素であるばあいを是非検討 してみなければな らない.

もう

1

つは,非合法外国人労働者数にかんする仮定である.本論文は,罪 合法外国人労働者数 を分析をつ うじて一定 と仮定 した. しか し非合法外国人 労働者の出身国で得 られる効用 との差 によって彼 らの流入や流 出が しょうじ

るな らば,非合法外国人労働者数は減少するかもしれない.なぜな ら本論文 では罰金の増加によって非合法外国人労働者の効用が減少 したか らである.

罰金の増加によって非合法外国人労働者数がほん とうに減少す るな らば,罪 合法外 国人労働者の雇用者 にたいする制裁 は,非合法外国人労働者の流入抑 制 にも有効である といえよう.制裁の効果をより明確 にするために,労働移 動の内生化 にも取 り組まなければな らない.

(18)

t W

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c

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(19)

非合法外国人労働者の雇用者にたいする制裁が

非合法外国人労働者 と自国人労働者におよばす影響

67

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Pa l gr a veMa c mi l l a n.

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