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灘 甲脳 ー2

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(2)

修 士 学 位 論 文

一過 性 運 動 に 対 す る 海 馬 の 生 理 的 応 答

̲M越Psと..シ グ ナ ル 伝 達 に着 目 して一

平 成26年1月8日 提 出

首 都 大 学 東 京 大 学 院

入 間健 康 科 学研 究 科 博 士 前 期 課 程 人 間健 康 科 学 専 攻 ヘル ス プ ロモー シ ョンサ イ エ ンス学 域 学 修 番 号111899604

氏 名1川 上 将 史

(指 導 教 員 名:北0郎 教 授)

(3)

要 旨

近 年 、 長 期 間 運 動 が 海 馬 神 経 機 能 を 高 め る こ と が 明 ら か に さ れ て き て い る 。 し か し 、 一 過 性 運 動 が 海 馬 の 生 理 的 応 答 に 及 ぼ す 影 響 を 検 討 し た 研 究 は 少 な く 、 ま た 、 そ の 分 子 機 構 は 未 だ 解 明 さ れ て い な い 。 海 馬 神 経 機 能 を 高 め る も の と し て 、 海 馬 細 胞 外 環 境 の 調 節 に 重 要 な 役 割 を 担 っ て い る マ ト リ ッ ク ス メ タ ロ プ ロ テ イ ナ0ゼ(MIVIP‑9、MIVIP‑2)、 多 様 な 神 経 保 護 作 用 を 有 す る イ ン ス リ ン 様 成 長 因 子 一1(IGF‑1)が 知 ら れ て お り 、 神 経 活 動 の 活 性 化 に よ りMMP‑9の 酵 素 活 性 の 上 昇 、 血 中IGF‑1の 脳 内 移 行 促 進 が み ら れ る こ と が 報 告 さ れ て い る 。 こ れ ま で の 研 究 か ら 、 一 過 性 運 動 が 海 馬 の 神 経 活 動 を 高 め る こ と が 明 ら か に さ れ て い る た め 、 一 過 性 運 動 はMMP やIGF‑1シ グ ナ ル 伝 達 を 活 性 化 さ せ る 可 能 性 が 考 え ら れ る 。 そ こ で 本 研 究 で は 、 一 過 性 運 動 が 海 馬MMPお よ びIGF・1シ グ ナ ル 伝 達 に 及 ぼ す 影 響 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た 。

実 験 で は 、Wistar系 雄 性 ラ ッ ト に 異 な る 運 動 強 度(コ ン ト ロ ー ル 群:O m/min、 低 強 度 群:10m/min、 高 強 度 群:25m/min)の 一 過 性 ト レ ッ ド ミ ル 走 運 動(30分 間)を 行 わ せ 、 運 動 終 了 の 直 後 、 お よ び6、12、24時 間 後 に 海 馬 を 採 取 し た 。 研 究 課 題1で はMMP‑9お よ び1VllVIP‑2の 酵 素 活 と そ 因 性 質TIMP‑1(Tissueinhibitorsof

metalloproteinases‑1)タ ン パ ク 発 現 を 、 研 究 課 題2で はIGF‑1シ グ ナ ル 伝 達 の 主 要 な リ ン 酸 化 酵 素 で あ るAkt(ProteinkinaseB)とErkl/2

(Extracellularsignalregulatedkinases1/2)の7舌 性 応 答 を 検 討 し た 。 実 験 の 結 果 、 研 究 課 題1で は 、 低 強 度 の 一 過 性 運 動 終 了 か ら12時 間 後

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に海 馬MMP‑9の 酵 素活 性 が 有 意 に上 昇 す る こ とが 明 らか にな った 。 しか し、 海 馬MMP‑2の 酵 素活 性 、海 馬TIMP‑1タ ンパ ク発 現 に関 して は 、 全 て の タ イ ム ポ イ ン トで 運 動 条 件 によ る差 異 はみ られ な か った 。 これ らの こ とは 、 一 過性 の低 強度 運 動 は海 馬MMP9の 酵 素活 性 を有 意 に 上 昇 させ る が 、 高強 度 運 動 で は海 馬MMP‑9酵 素活 性 に あ ま り影 響 しな い こ とを示 し て い る 。 先行 研 究 よ り、 高 強度 運 動 で は な く低 強 度 運 動 が 神 経 新 生 を促 進 させ る こ と、 また 、MMP・9が 神 経 新 生 に 関 与 して い る ことが 明 らか に さ れ つ つ あ る こ とを考 慮 す る と、 長期 的 運 動 に よ る海 馬 神 経 新 生 促 進 の分 子 基 盤 の ひ とつ に一 過 性 運 動 に よ るMMP・9酵 素 活 性 の増 加 が 関与 して お り、

また 、そ の効 果 は運 動 強 度 に よ っ て異 な る可 能 性 が 考 え られ る。

研 究 課 題2で は 、一 過 性 運 動 直後 にお い て 、 低 強 度 群 と高 強 度 群 だ けで な く運 動 を行 って い な い コ ン トロー ル 群 で も活 性 型 の リ ン酸 化Erkl/2発 現 が 増 加 した。 ま た 、一 過性 運 動 によ る活 性 型 の リ ン酸化Akt発 現 の 変 動

はみ られ な か った 。 リン酸 化Erk1/2発 現 の結 果 は、 ラ ッ トを トレ ッ ドミ ル に乗 せ る とい う実 験 操 作 自体 が刺 激 とな っ て し ま った こ と によ る もの か も しれ な い。また 、Aktリ ン酸化 に関 して は 、先行 研 究 よ り刺 激 提 示 の1〜2 時 間後 に促 進 す る とい う報 告 もみ られ る こ とか ら、 本 実験 で 設 定 した サ ン

プ リン グポ イ ン トで はAktリ ン酸化 の 変 動 を捉 え る ことが で きな か った 可 能 性 が 考 え られ る。 さ らに、 一 過 性 運 動 がIGF‑1を 介 してErkl/2とAkt

リン酸 化 を増 加 させ る こ とを 明 らか にす るた め に は、IGF‑1受 容 体 が 活 性 化 して い る こ と を 示 す 必 要 も あ る 。 こ れ ら の こ と か ら、 一 過 性 運 動 に よ る Erk1/2とAktの 活 性 応 答 を検 討 す るた め には 実 験 デ ザ イ ン を改 善 し、 さ

らに検 討 す る必 要 が あ る と考 え られ る。

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本研 究 の 結 果 か ら、 一 過 性 運 動 に よ り海 馬MMP‑9の 酵 素活 性 が 高 ま る こ とが 明 らか とな った 。 この 結 果 は 、 運 動 に よ る海 馬 神 経 機 能 の 向 上 に 、 MMP‑9酵 素 活 性 を介 した細 胞 外 環 境 の 調 節 が 関 与 して い る可 能 性 を示 唆 す る 。一 方 、一 過 性運 動 がIGF‑1シ グ ナル 伝 達 に及 ぼす 影 響 を解 明す る た め には実 験 デザ イ ンを改 善 し、 さ ら に検 討す る必 要 が あ る と考 え られ る 。

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目次

第 丑章 諸 言

第2章 研 究 の背 景

第1節 海 馬 の構 造 ・機 能

第2節 運 動 に よ る海 馬 機 能 向上 の分 子 機 構 2.1長 期 間運 動 によ る海 馬機 能 向 上 の 分子 機 構 2.2一 過 性 運 動 によ る海 馬神 経 活 動 の活 性 化

第3節 くt:

3.1MMP‑9と は2 3.2MMP‑9と 運 動

第4節 豆GF・亙シグ ナル 伝 達 4.11GF・1シ グナ ル 伝 達 とは 4.21GF‑1シ グナ ル 伝 達 と運 動 第5節 測 定 手法

5.1ゲ ル 酵 素 電 気 泳 動 法Geli・

第3章 実 験 的 検 討

研 究 課 題1一 過性 運 動 に対 す る海 馬 のMMP‑9活 性 応 答 1.目

3667

11

9211

14

4511

17

88

17

2.方

3.結

4.考

8980唾蓋19QJ

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研究課題2

1.目 2。 方 法 3.結 4.考 第4章

引 用 文 献

一 過 性 運 動 に対 す る海 馬IGF‑1シ グ ナル 伝 達 の活 性 応 答 39

9913344

総合討論

45μ◎

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第1章 諸言

運 動 は 、 筋 ・骨 格 系 や 、 呼 吸 ・循 環 系 の 機 能 を 向 上 さ せ る 。 さ ら に 近 年 の 神 経 科 学 研 究 に よ り 、 運 動 は 脳 に も 有 益 な 効 果 を も た ら す こ と が 明 ら か と な っ た 。 特 にe記 憶 ・学 習 の 中 心 的 役 割 を 担 う 海 馬 で は 、 神 経 機 能 が 運 動 に よ っ て 高 ま る こ と が 、 数 多 く の 先 行 研 究 に よ り 明 ら か に さ れ て い る

(va簸tiy;i・etal.,1999;Erickson.etal.,2010;Chaddocketal.,Bozo;

Treloetal.,2008;Be罫chtoldetal.,2010)。 こ れ ら の 研 究 で は 、 実 験 動 物 に 長 期 間(数 週 間 〜 数 ヶ 月)の 走 運 動 を 行 わ せ 、 そ れ に よ っ て 生 じ る 構 造 的 ・機 能 的 な 変 化 か ら 、運 動 が 海 馬 神 経 機 能 に 与 え る 影 響 を 検 証 し て い る 。 一 方 、 一 過 性 運 動 が 海 馬 内 で ど の よ う な 生 理 的 応 答 を 引 き 起 こ す か は ほ と

ん ど 明 ら か に さ れ て お ら ず 、 運 動 が ど の よ う な メ カ ニ ズ ム を 介 し て 海 馬 の 神 経 機 能 を 高 め て い る の か 、 そ の メ カ ニ ズ ム の 解 明 が 進 展 し な い 一 因 と な っ て い る 。 こ れ ま で い く つ か の 先 行 研 究 に よ り 、 一 過 性 運 動 が 海 馬 の 神 経 活 動 を 活 性 化 さ せ る こ と が 明 ら か に さ れ て い る 。 神 経 活 動 の 活 性 化 は 様 々

な 生 理 的 応 答 を ひ き 起 こ す ト リ ガ ー に な る こ と か ら(della鷺d H鯉di簸gh綾 搬,2011)、 一 過 性 運 動 は 海 馬 の 神 経 活 動 の 活 性 化 を 介 し て 、 多 様 な 生 理 的 応 答 を 引 き 起 こ し て い る 可 能 性 が 高 い 。 本 研 究 で は 、 そ の 神 経 活 動 の 活 性 化 が 引 き 起 こ す 生 理 的 応 答 の 中 で 、 特 に 海 馬 神 経 機 能 の 維

持 ・向 上 の た め に 重 要 な 役 割 を 担 っ て い る マ ト リ ッ ク ス メ タ ロ プ ロ テ イ ナ 0ゼ ー9(+, Y・f,'*〉,MMP9)と 血 液 中 イ ン ス リ ン 様 成

長 因 子 一玉 伍slin‑hkegmwthfactor‑1,IGF‑Dが 引 き 起 こ す シ グ ナ ル 伝 達 に 着 目 し た 。

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海 馬 の神 経 機 能 を維 持 す る た め には 細胞 外 プ ロテ ア ー ゼ に よ る調 節 が 必 須 で あ り、そ の 主 要 な プ ロテ ア ー ゼ の ひ とつ にMMP‑9が あ る(Wrightet al.,2007)。 このMMP‑9の 酵 素 活 性 は神 経 活 動 の活 性 化 に よ り高 ま る こ

とか ら(Szkl蹴zyke捻1.,2002)、 一 過 性 運 動 は神 経 活 動 の 活 性 化 を介 し て 海 馬MMP‑9の 酵 素 活 性 を上 昇 させ る可 能 性 が 高 い。 しか しな が ら、 こ れ まで 運 動 に よ る海 馬 神 経 機 能 の 向 上 に 関 わ る 分子 機構 と して 細胞 外 環 境 の調 節 に着 目 した 研 究 は 非 常 に少 な く、上 記 の仮 説 を検 証 した 報 告 もな い。

運 動 は海 馬 にお いて 神 経 細 胞 の新 生 を促 進 す る が1新 た に生 まれ る神 経 細 胞 が 分 化 ・成 熟 しそ の機 能 を発 現 す る た め に は細 胞 外 環 境 の リモ デ リン グ が 必 須 とな る。 この細 胞 外 環 境 の リモ デ リン グ にMMP・9が 重 要 な 役 割 を 担 って い る こ とか ら、 一 過 性 運 動 に よ るMMP‑9の 活 性 応 答 が 明 らか にな れ ば 、 そ の知 見 は運 動 が 海 馬 の構 造 的変 化 を ひ き起 こす 分 子 機 構 を 新 た な 視 点 か ら検 討 す るた め の基 盤 にな るだ ろ う。

近 年 、IGF・1が 神 経 活 動 の活 性 化 によ り脳 内 に移 行 して 作 用 す る ことが 明 らか とな った(Ni曲iji鵬aetaL,2010)。IGF‑1は 多 様 な 神 経 保 護 作 用 を 有 して お り、 運 動 に よ る海 馬 神 経 機 能 の 向 上 に重 要 で あ る こ とが 知 られ て い る。実 際 に、長 期 間運 動 が 血 液 中か ら海 馬 へ のIF一 供 給 を介 して 、Akt

(pr◎tei簸kiぬaseB)やE罫kl/2(Ex捷acellularsig簸alregulatedkinases

玉/2)を 活 性 化 させ 、海 馬 神 経 機 能 を 高 め る こ とが 報 告 され て い る(Treloet al.,2001;7,2006)。 しか しな が ら、 このIGF‑1シ グナ ル 伝 達 で さ え 、 一 過 性 運 動 に よ っ て 活 性 応 答 が ど の よ う に 応 答 す る か は 明 らか に さ れ て いな い。

そ こで 本研 究 で は 、 一 過 性 運 動 が 海 馬MMP‑9やIF‑1シ グナ ル 伝 達 に

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及 ぼす 影 響 を 明 らか に す る こ とを 目的 と した 。 な お 、 海 馬 の 神 経 活 動 は運 動 強 度 に依 存 して活 性 化 す る こ とが 報 告 され て い る(Leeetal.,2003)。 た 、神 経 活 動 の活 性 化 か らMMP‑9の 酵 素活 性 が 上 昇す る ま で に は12〜24 時 間が 必 要 で あ る こ とが 報 告 され て い る(,,XOO7)。 これ らの こ

とか ら.P‑9やIGF‑1シ グナ ル 伝 達 の活 性 応 答 も運 動 強 度 や 運 動 終 了 後 の時 間経 過 に よ って 異 な る可 能 性 が あ り、本 目的 を達 成 す るた め には 、 運 動 強 度 と運 動 終 了後 の 経 時 的 変 化 を 考 慮 す る 必 要 が あ る 。 そ こで 、 W減 灘 系雄 性 ラ ッ トに異 な る運 動 強 度(コ ン トロー ル 群:o搬/加 丑、 低 強 度 群110難/miぬ 、高 強 度 群:25rn/min)で30分 間 の 一 過i生 トレ ッ ドミル 走 運 動 を行 わ せ 、運 動 終 了 直後 、お よび 運 動 終 了か ら6、12、24時 間後 に 海 馬 を摘 出 し、P‑9素 活 性(研 究 課 題1)と 、IGF‑1シ グナ ル伝 達 の 主 要 な リン酸 化 酵 素 で あ るAkt、Erk1/2の 活 性 応 答(研 究 課 題2)を 検 討 した 。

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第2 研究 の背景

第1節 海 馬 の 構 造 ・機 能

海 馬 はGiulioCes躍eA聡 竣ziに よ っ て 初 め て 名 づ け ら れ た 脳 部 位 で あ りb 大 脳 皮 質 の 内 側 側 頭 葉 に 両 側 性 に 位 置 し て い る 。 海 馬 は 歯 状 回(穎 粒 細 胞 層)と ア ン モ ン 角(CA1〜CA3;錐 体 細 胞 層)と 海 馬 台(錐 体 細 胞 層)の 三 つ の 主 要 部 位 か ら 構 成 さ れ る(Miyashita,2004;YauetaL,1̀i)。

X953年 、て ん か ん 発 作 の 治 療 の た め に 、海 馬 を 外 科 的 に 取 り 除 い たH.M が 新 し く 物 事 を 記 憶 で き な く な っ た こ と で 、 海 馬 が 記 憶 の 形 成 に 関 与 し て い る こ と が 知 ら れ る よ う に な っ た(Scoville瓠dMilner,1957;

t!,・etal.,1986)。 さ ら に 、 海 馬 損 傷 の 程 度 が 記 憶 障 害 の 重 症 度 と 関 連 す る こ と が 明 ら か と な っ た(Zola‑Mo鷲ganetal.,・)。 海 馬 依 存 性 の 記 憶 と し て は 、 エ ピ ソ ー ド記 憶 、 陳 述 記 憶 、 文 脈 記 憶 、 空 間 認 知 記 憶 が 挙 げ ら れ る(McEwenetal.,2002)。 ま た 海 馬 を 障 害 す る と 恐 怖 条 件 下 で 不 安 を 感 じ な く な る こ と が 報 告 さ れ て お り 、 情 動 と の 関 与 も 示 唆 さ れ て い る(McNa建ghtonandGraヌ2000)。

海 馬 の 機 能 は 老 化 や 精 神 疾 患 と 関 係 づ け ら れ て い る 。 老 化0う つ 病 、 慢 性 ス ト レ ス やPTSD(心 的 外 傷 後 ス ト レ ス 障 害)は 海 馬 が 萎 縮 し 、 海 馬 機 能 の 障 害 が 生 じ る こ と に よ り 引 き 起 こ さ れ る こ と が 報 告 さ れ て い る

(IIIex°andC)℃allagha鷺,2045Fink,2011;F罫e麗a聡tal.,2006;

Acheso丑eもaL,2QI1)。 ま た 、 ア ル ツ ハ イ マ ー 病 の 患 者 で 海 馬 の 萎 縮 が み ら れ る こ と か ら.海 馬 の 機 能 低 下 が ア ル ツ ハ イ マ ー 病 の 原 因 の ひ と つ で あ

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る可 能性 が考 え られ て い る 。

以 上 よ り、海 馬 は ヒ トが 生活 を して い く上 で 中心 的 な役 割 を担 う記憶 や 情動 に 関与 してお り、そ の神 経 機 能 を維 持 す る こ とは健 全 な 生活 に不 可 欠 な要 因 で あ る と考 え られ る。 しか しな が ら、海 馬 の機 能 を 向 上 させ る分 子 機 構 の全 容 は未 だ解 明 してお らず 、 海 馬 の機 能 に対 す る研 究 の促 進 が望 ま れ て い る。

第2節 運動 による海 馬機能向上の分子機構

2ユ 長期間運動 による海 馬機能 向上の分子機 構

長 期 間 運 動 は 海 馬 依 存 的 な 学 習 と記 憶 を向 上 させ る こ とが 報 告 され て い る。高 齢 者 が 週 に3日 の運 動 を1年 間お こな った 結 果 、海 馬 の体 積 が 増 加 し、

海 馬依 存 的 な 空 間 認 知 機 能 が 向 上 した こ とが 報 告 され て い る(翫ickso鍛et al.,Salo)。 また 、9〜10歳 の小 児 は 高強 度 の運 動 をお こな う ことで 、海 馬 の 体 積 が 増 大 し、 海 馬 依 存 的 な 記 憶 課 題 の 成 績 が 向 上 す る こ とが 報 告 され て い る(haddocketa1.polo)。 この よ うに。 長 期 間運 動 が 海 馬 に構 造 的 な 変 化(肥 大)を もた らし、 そ の 神 経 機 能 を向 上 させ る こ とが ヒ トを対 象 と した研 究 か らも明 らか とな り、 運 動 が 海 馬 に及 ぼす効 果 は 益 々 注 目 を 集 め て いる 。

運 動 が海 馬 の 機能 を 向 上 させ る 要 因 につ いて の 報告 は数 多 く存在 す る 。 蕎 歯 類 の 海 馬 で は 、 運 動 は 脳 由 来 神 経 栄 養 因 子(Br綾i鷺 一D磁ved

Ne電ot翌ophic勲cto翌,BDNF)、 イ ンス リ ン様 成 長 因子(ln蹴h∬Like

磁owthFa伽r1,IGF‑Dの 増 加 を介 して 空 間認 知 機 能 を 向 上 させ る こ と

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が 示 され て いる(Trejoeta1.,2008;Be翌chtoldeta1.,,1i)。BDNFは 経 細 胞 の 発 生 ・成 長 ・再 生 を促 進 させ る栄 養 因子 で あ り、 海 馬 依 存 的 な 機 能 の向 上 に関 与 す る ことが 報 告 され て い る。近 年 、Be罫chtolde捻L(2010) は 蘇 歯 類 の実 験 で 、3週間 の 自発 運 動 がBDNF発 現 を増 加 させ た こと を報 告

して い る。 さ らに、 そ のBDNFの タ ンパ ク レベ ル は 空 間 認 知 機 能 を示 す 放 射 状 迷 路 課 題1の 改 善 と相 関 関 係 が み られ た 。 した が っ てs運 動 によ る BDNFの 増 加 は神 経 新 生 を増 加 させ 、 空 間 認 知 機 能 を向 上 させ る こ とが 示 唆 され る(Foste艶tal.,2011)。 また 、IGF‑1は 神 経 新 生 、血 管 新 生 、 ア ポ トー シ ス の制 御 、 グ ル コー ス代 謝 、神 経 伝 達 物 質 の合 成 と放 出 の た め に 重 要 で あ り、BDNFと 同様 に運 動 が 誘 発 す る認 知 機 能 向 上 の分 子 機 構 に重 要 な 役割 を果 た して い る(Dinge捻1.,2006)。 近 年 の研 究 で は、Treloet al.(2008)は 肝 臓 にお け るIGF‑1産 生 が 阻害 され たIII)マ ウ ス を用 い て 、 IMF‑1と 空 間認 知 機 能 との 関 係 性 を検 討 す る実 験 をお こな い、IIi'‑1の 阻 害 は モ リス 水 迷 路 課 題 の 成 績 を低 下 させ 、 神 経 新 生 を減 少 す る こ と を明 らか に した 。 モ リス 水 迷 路 の成 績 と神 経 新 生 の減 少 は低 強 度 の運 動 をお こな っ て も改 善 しなか っ た。 しか しなが ら、そ のLIDマ ウ ス に 皮下 に埋 め込 ん だ 浸 透 圧 ポ ンプ を用 い てIGF‑1を 投 与す る とモ リス水 迷 路 の成 績 が 上 昇 し、

神 経 新 生 が 増加 した 。 した が っ て 、神 経 新 生 と空 間認 知 機 能 がIGF‑1に 依 存 して い る こ とが 明 らか とな った 。

・放 射 状 迷 路

採餌 行 動 を利 用 した 迷 路 課 題 で 、海 馬 依 存 的 な 空 間 作 業 記 憶 お よ び 参 照 記 憶 を評 価 す る ことが で き る.(田 熊 ら,2007)。

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以 上 の こ とよ り、 運 動 はBDNF、IGF‑1の 増 加 を介 して神 経新 生 な どの 構造 的変 化 を 引 き起 こ し、 そ れ に よ り海 馬 神 経T能 を 向上 させ る こ とが示 唆 され る 。現 在 、運 動 によ る海 馬機 能 向 上 の 分 子 機 構 が 明 らか とな って き て い るが 、運 動 が海 馬 機 能 を向 上 させ る 詳 細 な 分 子 機 構 は 複 雑 で 、 未 解 明 な 部 分 も多 い。さ らに、運 動 が 海 馬 機 能 に与 え る影 響 を解 明す るた め に は、

長 期 間運 動 だ けで な く一 過 性 運 動 の影 響 に も着 目 して検 討 す る こ とが 有 用 と考 え られ るが 、一 過 性 運 動 に よ る海 馬 の 生理 的応 答 を検 討 した研 究 が 非 常 に少 な い。 長 期 間 運 動 は言 い換 えれ ば.一 過 性 運 動 の繰 り返 しで あ る 。 そ の た め 、 長 期 間 運 動 に よ る海 馬 神 経 機 能 の 向上 は 、一 過 性 運 動 が 繰 り返 し海 馬 を刺 激 す る こ と によ って 適応 した 結果 だ と考 え られ る。この こ とは 、 一過 性 運 動 に よ る海 馬 の 生 理 的 応 答 を明 らか にす る こ とが 、 長 期 間運 動 が

海 馬神 経 機 能 を 高 め る 分 子 機 構 の解 明 に貢 献 す る こと を示 唆 す る。 ま たそ れ だ け で な く、 長期 間運 動 が 神 経 機 能 を向 上 させ る最 適 な 運 動 条 件 を見 つ

け だす 手 掛 か りに な るか も しれ な い。

2.2一 過 性 運 動 に よる 海 馬 神 経 活 動 の 活 性 化

一 過 性 運 動 は 、 海 馬 の グ ル コ ー ス 代 謝(Matsuieta1.,2011)、 セ ロ トニ

ン や ドー パ ミ ン な ど の 神 経 伝 達 物 質 の 放 出(i,.,2001;

Goeki疵e盤1。,2012)、BDNF発 現(/r,2007)、c‑Fos発 現(Lee e捻1.,2003)、 局 所 脳 血 流 動 態(Nishijimae糠1.,2012)な ど に 影 響 す る こ

と が 明 ら か に な っ て い る 。 こ れ ら の 先 行 研 究 の う ち 、 σFos発 現 と 局 所 脳 血 流 の 増 加 は 神 経 活 動 の 指 標 と し て 知 ら れ て い る 。Laeeetal.(2003)は

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ッ トに3条 件 の 運 動 強度(8搬/min、14m/翻 豊、221m/in)で30分 間の トレ ッ ドミル 走 運 動 を させ 、 運 動 終 了後 のc‑Fos陽 性 細 胞 の 数 を検 討 した と ころ、 運 動 強 度 依 存 的 に海 馬CA1、CA3、 歯 状 回の 全 て の 部 位 でc‑F◎S 発 現 が 高 ま る こ とを明 らか に した 。 また 、Nishili瓢aeta1.(2012)は

ッ トに2時 間 の 低 強度 トレ ッ ドミル 走 運 動(la/藤 簸)を 課 し、運 動 中 に 神 経 活 動 に依 存 した 海 馬 局 所 脳 血 流 量 の増 加 を明 らか に して い る。

以 上 の こと よ り、 一 過 性 運 動 が 海 馬 の神 経 活 動 を 高 め る こ とが 複 数 の 先 行 研 究 に よ り示 され て い る(LeeetaL,2003;Nishili澱aetal.,2012)。 の神 経 活 動 の活 性 化 は様 々 な生 理 的応 答 を 引 き起 こす トリガ ー とな る こ と が 知 られ て お り(BellandHardingham,2011)、 そ の一 つ と してBDNF 発 現 の増 加 が 挙 げ られ る(LuB1!)。 神 経 活 動 の 活 性化 が カ ル シ ウム イ オ ン の流 入 や 駈kBシ グ ナル 伝 達 の活 性 化 を 引 き起 こす 。っ つ いて 、CREB

の活 性 化 を誘 発 し、BDNF発 現 が 増 加 す る と い う分 子 機 構 が 示 唆 され て い る(LuB.2003;DiぬgetaL,2011)。 さ らに、 セ ロ トニ ン、 ドー パ ミ ンな どの 神 経 伝 達 物 質 の放 出増 加 も神 経 活 動 の活 性 化 を反 映す る もの で あ り、

グ リコー ゲ ン分 解 も神 経 活 動 が 活 性 化 し、 エ ネ ル ギ ー 消 費 が 増 加 した 結 果 だ と考 え られ る。 これ らの こ とか ら、 上記 で 示 した 生理 応 答 は神 経活 動 に よ って 引 き起 こされ る 生理 応 答 の一 部 で あ り、他 に も多 くの 生 理応 答 が 運 動 で 引 き起 こされ て い る可 能 性 が 極 め て 高 く、 一過 性 運 動 の 神経 活 動 の活 性 化 は一 過 性 運 動 に よ っ て 生 じる 生理 的応 答 の根 源 で あ る 可 能性 が 示 唆 さ れ る 。 本 研 究 で は 、 そ の 生 理 応 答 の 中 で もp̲9の 活 性 増 加 とIGF‑1シ

グナ ル 伝 達 に着 目す る。

(16)

第3節MMP‑9

3.1MMP‑9と は?

神 経 細 胞 の 機 能 を 維 持 す る た め に は 、 神 経 細 胞 を と り ま く 細 胞 外 環 境 の 調 節 が 重 要 と な る 。 こ の 細 胞 外 環 境 マ ト リ ッ ク ス の 再 構 築 と 維 持 は タ ン パ

ク 質 分 解 酵 素 フ ァ ミ リ ー で あ るMMPs(Ma櫨xMeもallop望ptei聡ses)に

よ っ て 調 節 さ れ て い る(Stam頒kovicI,2003)。MMP‑9の 酵 素 活 性 は 脳 虚 血(A繊 無etal.,2000)、 て ん か ん 発 作(Szklarc叩ketal.,2002)に

よ り 上 昇 す る こ と が 明 ら か と な っ て い る 。MMP‑9酵 素 活 性 が 過 剰 に 高 ま る と 虚 血 や て ん か ん 発 作 が 重 篤 化 す る こ と か ら 、MMP‑9の 阻 害 剤 が 虚 血 、 て ん か ん 治 療 薬 に な る 可 能 性 も 示 唆 さ れ て い る(Ki艶a簸dLee,2013;

Mizoguchieta1。,2011)。 ま たMMP‑9の 特 異 的 阻 害 剤 が ア ル ツ ハ イ マ ー 病 の 治 療 に 役 立 つ こ と も 示 唆 さ れ て い る(Mizoguchietal.2009)。 こ れ ら の こ と よ り 、MMP‑9の 阻 害 が 様 々 な 治 療 に 役 立 つ 可 能 性 が 考 え ら れ る 。 し か し な が ら 、MMP‑9は 海 馬 の 機 能 を 向 上 さ せ る た め に 重 要 な 細 胞 外 プ ロ テ ア ー ゼ で あ り 、 そ の 活 性 を 阻 害 す れ ば 良 い と い う わ け で は 必 ず し も な い 。 鶴 歯 類 の 実 験 で は 、 行 動 学 的 手 法 に よ っ てMMP‑9と 海 馬 機 能 の 関 連 性 が 示 さ れ て い る 。Nagyetal.(2006)は 、MMP9ノ ッ ク ア ウ トマ ウ ス の 海 馬 依 存 的 な 文 脈 性 恐 怖 条 件 付 け テ ス ト2の 学 習 成 績 が 低 下 し た こ と

2文 脈 性 恐 怖 条 件 付 け テ ス ト

海 馬依 存 性 の 学 習 能 力 を評 価 す る行 動 テ ス トの ひ とつ 。 動 物 は箱 の 申 に 入 れ られ 、 足 に電 気 シ ョ ック を受 け る。 す る と動 物 はそ の箱 が危 険 で あ る

(17)

を報 告 して い る。 さ らに.Nagyeta1.(2007)は ラ ッ トにお いて 海 馬 依 存 的 な 機 能 を示 す 受 動 的 回避 学 習3課 題 後 のMMP・9活 性 の経 時 変 化 を検 討 し た 結 果 、 海 馬 のMMP‑9酵 素活 性 は12時 間後 で 有 意 に上 昇 し、24時 間 後

まで 活 性 が 高 い状 態 が 維 持 され た 。 またMMP‑9を 阻 害 す る と、 受 動 的 回 避 学 習 に障 害 が 生 じた 。 した が って 、MMP‑9は 海 馬 依 存 的 な機 能 に関 与 し、MMP‑9酵 素活 性 の 増 加 が 海 馬 の 機 能 向上 に 関わ る こ とが示 唆 され て い る。 さ らに 、MMP‑9活 性 は 神 経 活 動 の活 性 化 直 後 で は な く、 一定 時 間 経 過 後 に上 昇 す る と い う時 間 的 特 性 が 示 唆 され る。

以 上 の こ と よ り、 病 理 学 的 な研 究 で は 、 過 剰 なMMP‑9活 性 の抑 制 は て ん か ん 発 作 や アル ツ ハ イ マ ー 病 な どの治 療 に役 立 ち 、行 動 学 手 法 を用 い た 研 究 で は 適 度 なMMP‑9活 性 の 上 昇 が海 馬 機 能 を向 上 させ る こ とが 示 唆 さ れ て い る。 これ らの こ とか ら、MMP‑9は 海 馬 の機 能 に対 して非 常 に重 要 な 役 割 を担 っ て いる こ とが 示 唆 され る。 しか しな が ら、 運 動 がMMP‑9活 性 に及 ぼす影 響 につ いて は ほ とん ど解 明 され て いな い。

3.2MMP‑9と 運 動

こ とを 覚 え 、 再 び 同 じ箱 の 申 に入 れ る と、 す くみ とい う防御 的反 応 を示 す よ う にな る。す くみ 反応 を 呈 した 時 間 か ら学 習能 力 を評 価 す る こ とが で き 、 海 馬 を破 壊 す る とす くみ 反応 時 間 が 減 少 す る(Kitam鞭 我eta1.,2009)。

3受 動 的 回 避 学 習

動 物 が 一度 経 験 した 嫌 悪 刺 激(電 気 刺 激)に 対 して 示 す 回避 行 動 を 記憶 の 指標 とす る海 馬 依 存 的 な 学 習 課 題 で あ る(田 熊 らt,1)。

(18)

長 期 間 運 動 がMMP‑9に 及 ぼ す 影 響 に つ い て は 幾 つ か の 報 告 が あ る 。 Chaudh塚etal。(2010)は 、 ラ ッ ト に 中 大 脳 動 脈 閉 塞 に よ る 脳 梗 塞 を 誘 発 す る と 皮 質 に お け るMMP9酵 素 活 性 が 上 昇 し 、 ア ポ トー シ ス が 促 進 さ

れ る が 、3週 間 の 高 強 度 ト レ ッ ド ミ ル 走 運 動 を 行 わ せ た ラ ッ ト で は そ の 応 答 が 抑 制 さ れ る こ と を 報 告 し て い る 。 更 にMMP・9を 阻 害 し た 群 で も 、 ア ポ トー シ ス が 抑 制 さ れ た 。 こ れ ら の こ と か ら 、長 期 間 運 動 が 脳 虚 血 に よ る MMP‑9酵 素 活 性 の 上 昇 を 抑 制 し 、 抗 ア ポ ト ー シ ス 作 用 を 発 揮 す る こ と を 明 ら か に し た 。 ま たMMP‑9の 酵 素 活 性 は 、MMP‑9の 内 因 性 抑 制 物 質 で あ るTIMP‑1(Tissuei簸hibito∫sof澱etaUopyotei憩ses‑1)に よ り 調 節 さ れ て い る 。 皮 質 に お い て 、 そ のTIMP1タ ン パ ク 発 現 が 長 期 間 運 動 に よ り 増 加 す る こ と が 報 告 さ れ て い る(Guoetal.,2008)。 こ れ ら の こ と か らr 皮 質 だ け で な く 海 馬 で も 長 期 間 運 動 がMMP‑9活 性 やTIMP‑1発 現 に 影 響

を 及 ぼ す こ と が 考 え ら れ る 。

そ のMMP‑9の 酵 素 活 性 は 神 経 活 動 の 活 性 化 に よ り 高 ま る こ と が 報 告 さ れ て い る 。Szklarczyketal.(2002)は ラ ッ ト に グ ル タ ミ ン 酸 受 容 体 の 作 動 薬 で あ る カ イ ニ ン 酸 を 腹 腔 内 投 与 し 、MMP‑9の 経 時 変 化(0、2、6、24 時 間 後 に 計 測 〉 を 検 討 し た 結 果 、海 馬 のMMP‑9酵 素 活 性 が24時 間 後 に 上 昇 が み ら れ た 。 こ れ ら の こ と か ら 、 神 経 活 動 の 活 性 化 がMMP9活 性 を 調 節 し て い る こ と が 示 唆 さ れ る 。 一 過 性 運 動 は 海 馬 の 神 経 活 動 を 高 め る こ と か ら(Leeetal.,2003;Nishiji磁aeta1.,2012)、 一 過 性 運 動 に よ り 海 馬 の 神 経 活 動 が 活 性 化 し 、MMP‑9活 性 が 上 昇 す る こ と が 考 え ら れ る 。 一 方 、 '19P‑1の 狐RNA発 現 も カ イ ニ ン 酸 投 与 に よ り増 加 す る こ と が 報 告 さ れ

て い る(Jo鞭qui捻etal.z2005)。 そ の た め 、 一 過1生運 動 がTIMP・1タ

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バ ク発 現 を増 加 させ 、MMP・9の 酵 素 活 性 を抑 制 す る可 能 性 も否 定 で き な い◎

以 上 の こ とか ら.運 動 がMMP‑9を 介 して海 馬 機 能 を向 上 させ る こ とが 示 唆 され る。 しか し、 運 動 とMMP‑9の 関係 につ いて の研 究 は 非 常 に数 が 少 な く、 一 過 性 運 動 がMMP‑9活 性 を 上 昇 させ る か ど うか も未解 決 の ま ま とな って い る。 これ まで は 、 運 動 が 海 馬 機 能 を 向 上 させ る要 因 と して 、神 経 新 生 と い っ た 細 胞 の 変 化 の み が 着 目 さ れ て き た 。 これ に対 し、 も し MMP‑9が 運 動 に よ る 海 馬機 能 向 上 に関 与 して い る こ とが 示 唆 され れ ば 、 運 動 が 海 馬 機 能 を向 上 させ る分 子 機 構 の解 明 に 、細 胞 だ け で な くよ り細 胞 外 環 境 に着 目す る こと も重 要 で あ る こ とを示 す こ とが で き る。 ま た 、他 の 細 胞 外 タ ンパ ク質 や 分 子 の 関与 も示 唆 され 、 新 た な研 究 の展 開 につ な が る

こ とが 期 待 され る。

第4節IGF‑1シ グ ナル 伝 達

4ユ 亙GF‑1シ グ ナ ル 伝 達 と は

IGF‑1は 主 に 肝 臓 で 産 生 さ れ る が 、 脳(海 馬)を 含 む 多 く の 組 織 で も 局

所 的 に 産 生 さ れ 、 自 己 分 泌 ・傍 分 泌 的 に 作 用 す る 。IGF‑1がIGF‑1受 容 体 と 結 び つ く と 、IGF‑1受 容 体 は チ ロ シ ン リ ン 酸 化 さ れ 、 そ の 下 流 でAkt

(p罫otei鍛ki鷺aseB)やErk1/2(Extracellularsig鍛alTeg賦1atedkinase1/2)

が リ ン 酸 化 す る 。1GF‑1は 神 経 新 生 、 血 管 新 生 、 ア ポ トー シ ス の 制 御 、 グ ル コ0ス 代 謝 、 神 経 伝 達 物 質 の 合 成 と 放 出 な ど 、 脳 神 経 系 に 対 す る 作 用 が あ り 、 認 知 機 能 に も 関 わ っ て い る 。 更 に は 、IGF遭 は 脳 損 傷 、 糖 尿 病 、 加 齢 に よ る 脳 機 能 障 害 の 場 合 で も 認 知 機 能 を 支 え て い る こ と が 明 ら か に な っ

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て い る(Abe塑getal.,2006;0'KuskyandYb,2012)。 そ のIGF・1シ グ ナ ル 伝 達 経 路 の 下 流 で 活 性 化 す る 主 要 な リ ン 酸 化 酵 素 がAktとE癒1/2で る 。Aktは 代 謝 と 増 殖 、 細 胞 生 存 、 成 長 を 含 む 多 く の 細 胞 内 プ ロ セ ス を 制 御 し て お り 、 認 知 機 能 に 関 与 す る こ と も 明 ら か に な っ て い る(HefsetaL,

2011;B照el‑」 囎g蟹maneta1.,2009)。Erb1/2も 細 胞 増 殖 と 分 化 の 過 程 に 肝 要 な 役 割 を 担 っ て お り 、 記 憶 と 学 習 の 機 能 と 重 要 な 関 連 が あ る こ と も 明 ら か に な っ て い る(PengetaL,2010)。

以 上 の こ と か ら 、IGF‑1シ グ ナ ル 伝 達 は 病 理 学 的 な 研 究 で は 、 脳 損 傷 、 糖 尿 病 、 加 齢 に よ る 脳 機 能 障 害 時 の 認 知 機 能 を 支 え て お り 、 神 経 新 生 な ど 様 々 な 構 造 的 変 化 を 介 し て 海 馬 神 経 機 能 の 維 持 ・向 上 に 貢 献 し て い る こ と が 示 唆 さ れ る 。 さ ら に は 、IGF‑1は 運 動 に よ る 認 知 機 能 向 上 の 分 子 機 構 に 重 要 な 役 割 を 果 た し て い る こ と が 知 ら れ て い る 。

4.2‑‑1シ グ ナ ル 伝 達 と 運 動

長 期 間 運 動 がIGF‑1シ グナ ル 伝 達 に及 ぼす 影 響 を示 した 研 究 は 数 多 く存 在 す る。 近 年 の研 究 で は、Dingeta1.(2006)がIGF‑1受 容 体 阻 害 が 運 動 に よ るモ リス 水 迷 路 課 題 の成 績 向上 を 阻害 す る こ とを 明 らか に し、賢eloe£

al.(2008)が 運 動 によ る 神経 新 生 の 促 進 、お よ び海 馬 依 存 性 の空 間 記憶 ・ 学 習 の向 上 がIGF‑1の 増 加 を介 して 調 節 され て い る こ とを 明 らか に して い る。 これ らの こ とか ら、IGF‑1‑IGF‑1受 容 体 の シ グ ナル 伝 達 が 運 動 に よ る 神 経 新 生 の促 進 な どの構 造 的 変 化 を 引 き起 こ し、 海 馬 神 経 機 能 を 向上 させ る こ とが 示 唆 され る。 そ のIGF‑1シ グ ナル 伝 達 の下 流 に あ るAktとE癒1/2 の リン酸 化 は長 期 間運 動 に よ り促 進 し、Aktが 運 動 によ る 認知 機 能 向 上 に

(21)

関 与 して い る こ とが 報 告 され て い る。Di簸geta1.(2011)は1週 問 の 自発 運 動 によ り海 馬AktとE癒1/2の リン酸 化 が 増 加 した こ とを 明 らか に して い

る。 さ らに 、 ・.(2009)はAktの シ グナル 伝 達 が運

動 によ る海 馬 歯 状 回 の 神 経新 生 や 長期 増 強(lo簸g‑ter搬pote嚢tiatio鷺,LTP>

に関 与 して い る こ と を明 らか に した 。10日 間 の 自発 運 動 に よ る海 馬 歯 状 回 の リ ン酸 化Akt発 現 、細 胞 の生 存 数 、お よびLTPの 上 昇 がAktの 上流 に あ る PI3Kを 阻 害す る こ とで 抑 制 され た。 これ らの こ とか ら、長 期 間運 動 に よ る 海 馬 機 能 向上 にAktやrkl/2が 関 与 して い る こ とが 示 唆 され る 。

更 に近 年 、神 経 活 動 の活 性 化 に よ り血 液 中IGF‑1が 脳 内 に移 行 して作 用 す る こ とが 示 され て い る。Nishiji狙aeta1.,(2010)は 血 液 中 のIGF‑1は 神 経 活 動 が 活 性 化 した脳 部 位 へ 移 行 す る のか ど うか を検 証 す るた め、 ラ ッ ト 動 脈 に ヒ ト組 換 えIGF‑1を 投 与 し、活 性 化 させ た脳 部 位 で これ らが増 加 す る のか ど うか 調 べ た 。 麻 酔 下 で ラ ッ ト小 脳 脚 を電 気 刺 激 、 体 性 感 覚 野(バ

レル 皮 質)を 対 側 ヒゲ 刺 激 した の ち、 小 脳1バ レル 皮 質 にお け る ヒ ト組 換 えIGF‑1濃 度 を測 定 した 。 そ の結 果 、 電 気 刺 激 に よ って 小 脳 にお け る ヒ ト 組 換 えIGF‑1が 有 意 に増 加 す る こ とが 認 め られ た 。 バ レル 皮 質 で は、 チ ロ シ ン残 基 が リン酸化 され たIGF‑1受 容 体 は増 加 して お り、 刺 激 部 位 にお い てIGF一 亙作 用 が 充 進 して い る ことが 確 認 され た 。 これ らの ことか ら、 神 経 活 動 が 活 性化 した 脳 部 位 で は 、IGF‑1が 増 加 す る こ とや そ のIGF‑1は 脳 内 で 産 生 され た もの で は な く血 液 か ら供 給 され て い る こ とが 示 され た 。

以 上 の こ と か ら、IG‑F‑1やAkt、Erk1/2は 運 動 に よ る 認 知 機 能 向 上 の 分 子 機構 に重 要 な 役割 を果 た して いる こ とが 明 らか で あ るが 、 この 長 期 間運 動 によ る海 馬 神 経機 能 の 向 上 に関 わ る主 要 な 分 子 機構 で あ るIGF‑1シ グナ

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ル 伝 達 に も か か わ ら ず 、 一 過 性 運 動 に よ っ て ど の よ う に 活 性 応 答 を 示 す か は 明 ら か に さ れ て い な い 。 血 液 中IGF‑1が 神 経 活 動 の 活 性 化 に よ り 脳 内 に 移 行 し て 作 用 す る こ と(Nishijimaeta1.2410)や 、 一 過 性 運 動 が 海 馬 神 経 活 動 を 活 性 化 さ せ る こ と(LeeetaL,2003;I‑,2012)か ら 、 一 過 性 運 動 に よ りIGF‑1シ グ ナ ル 伝 達 が 活 性 化 さ れ る 可 能 性 が 高 い

第5節 測定 手法

5.1ゲ ル 酵 素 電 気 泳 動 法GelZymography

刺 激 に対 す るMMP‑9の 生 理 応 答 を検 討 す るた め 、MMP‑9タ ンパ ク の発 現 量 で は な く、そ の酵 素活 性 の変 化 を検 討 す る必 要 が あ り、 そ の解 析 方 法 と してGelZy拠 ◎9聡phyが あ る。GelZy磁09撒phyは ゼ ラチ ンな どの基 質 を 含 むSDSポ リア ク リル ア ミ ドゲ ル 上 で サ ン プル を電 気 泳 動 した 後 に、 ゲ ル を緩 衝液 中 でイ ンキ ュ ベー トす る。 これ に よ り、基 質 分 解 活 性 を含 む試 料 で はゲ ル が 消 化 され る こ とを利 用 した 検 出方 法 で あ る。 この方 法 の利 点 は 分 子 量 に よ り特 定 の タ ンパ ク質 を分 離 し、 酵 素 活 性 を定 量 で き る点 で あ る (i,,.,2010)。 そ こで 本研 究 で は 、 このGelZymog鍛phyを 用 い て 、 一 過 性 運 動 後 の海 馬MMP9活 性 応 答 を解 析 す る こ と と した。

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第3章 実験的検討

研 究 課 題1一 過 性 運 動 に対 す る海 馬 のMMP‑9活 性 応 答

1.目

一 過 性 運 動 は海 馬 の神 経 活 動 を 高 め(Leee捻1 .,2003)、 さ らに神 経 活 動

の活 性 化 はMMP‑9の 酵 素 活 性 を増 加 させ る こ とが 明 らか に され て いる (Szklarczyk就al.,2002)。 す な わ ち 、 これ らの こ とは 一過 性 運 動が 海 馬 MMP‑9の 酵 素 活 性 を増 加 させ る可 能 性 を示 唆 す る。 けれ ど も、 一 過 性 運

動 が 海 馬MMP・9の 酵 素活 性 を増 加 させ る か否 か は 明 らか にな っ て い な い。

な お 、MMP‑9の 酵 素 活 性 は 神 経 活 動 の 活 性化 を誘 発 す る刺 激 か ら12〜24 時 間 後 に上 昇 す る こ とが 報 告 され て い るた め(Nagyetal.,2007)、 運 動 に よ るMMP9の 活 性 応 答 を検 討 す る 際 に も運 動 終 了後 か らサ ン プ リン グ まで の 時 間 を考 慮 す る必 要 が あ る。 一 過 性 運 動 は 運 動 強 度 依 存 的 に神 経 活 動 を高 め る こと も報 告 され て い る(Leeetal.,2003)。 神 経 活 動 の 高 ま りの 程 度 がMMP‑9の 活 性 応 答 に影 響 す る こ とが 考 え られ るた め 、運 動 強 度 も 考 慮 す る必 要 が あ る。 そ こで研 究 課 題1で は 、運 動 によ る 海 馬MMP9の 活 性 応 答 を運 動 の強 度 お よび 運 動 終 了後 か らの経 時 的 変 化 と運 動 強 度 に着

目 して 検 討 す る。 また 、MMP‑9の 内 因性 抑 制 物 質 で あ るTIMP‑1の タ ン パ ク発 現 応 答 とMMP‑9と 同様 にゼ ラチ ンを基 質 とす る細 胞 外 プ ロテ ア ー ゼ で あ るMMP2(MatrixMetalloprpteinase‑2,MMP‑2)の 活 性 応 答 も検 討 す る。

(24)

2.方

(1)実 験 動 物

実 験 動 物 に は8週 齢 のWistar系 雄 性 ラ ッ ト(日 本 エ ス エ ル シー)を 用 い た。ラ ッ トは1ケ ー ジ に3〜4匹 ず つ 入 れ 、12時 間 の 明暗 サ イ クル

(5時 点 灯 、17時 消 灯)で 、温 度24℃ 、湿 度50%に 常 時 維 持 した飼 育 室 に て飼 育 した 。水 と食餌(F‑2、 フ ナバ シ フ ァー ム)は 自由摂 取 と

した 。実 験 は 全 て 、首 都 大 学 東 京 南 大 沢 キ ャ ンパ ス の研 究 安 全 倫 理 委 員 会 の 承 認 の下 、 動 物 実験 管 理規 定 の規 則 に従 い実 施 した 。

(2)安 静 時a、MMP‑2酵 素 活 性 、TIMP‑1タ ンパ ク発 現 の経 時 的変

一 過 性 運 動 実 験 を実 施 す る に先 立 ち 、海 馬 をサ ン プ リン グす る時 刻 の

違 いが 安 静 時 のMMP‑9、MMP‑2酵 素活 性 、 お よ びTIMP‑1タ ンパ ク 発 現 に影 響 す るか ど うか を検 討 した 。8週 齢 か ら飼 育 を始 め 、7日 間 の 予 備 飼 育 を行 った 。予備 飼 育後 、本 実 験 で の海 馬 サ ン プ リン グポ イ ン ト で と して9時 、15時 、21時 に海 馬 を採 取 した(9時 バ6、15時 距5、

21日寺 簸篇5>。

(3)一 過性 トレ ッ ドミル 走 運 動 テ ス ト

8週 齢 か ら飼 育 を始 め 、3〜7日 間 の 予備 飼 育 を行 った 。 まず トレ ッ ドミル 走 運 動 に馴化 され るた め に、全 て の ラ ッ トに走行 トレー ニ ン グ を 行 わ せ た(表1)。 電 気 刺 激 を受 け る こ とな く安 定 して トレ ッ ドミル 走 運 動 が 行 え る よ う に、段 階 的 に速 度 を 上 げ 、時 間 を延 長 しな が ら トレッ

(25)

ドミル 走 運 動 を行 わせ た 。最 終 的 に全 て の ラ ッ トが25艶/撫nの 速 度 で30分 間 の トレ ッ ドミル 走 運 動 を行 え るよ う にな った 。最 後 の トレ ッ

ドミル 走 運 度 の影 響 を 除 くた め 、3日 間 の 安 静期 間 を設 け た後 、一 過 性 トレ ッ ドミル 走 運 動 テ ス トを行 っ た 。ラ ッ トを トレ ッ ドミル 上 に移 動 さ せ てか ら10分 間 の 安 静 の後 、30分 間 の一 過 性 トレ ッ ドミル 走 運 動 を課 した(図1)。 神 経 活 動 の 高 ま りの程 度 がMMP‑9の 活 性 応 答 に影 響 す る こ とが 考 え られ る こ とか ら、運 動 強 度 依 存 的(8〜22m/澱in)な 海 馬 c‑Fos発 現 の 増加 を 明 らか に した 先行 研 究 を基準 に(Leeeta1。,2003)、

低 強 度 運 動 はOzn/m.in、 高 強 度 運 動 は25m/mi嚢 と した 。 コ ン トロー ル 群 は 、 トレ ッ ドミル 上 に置 くだ け(Om/in)と した 。神 経 活 動 の活 性 化 を誘 引す る刺 激 の12〜24時 間後 にMMP9酵 素 活 性 が上 昇 す る こ とか ら(N購yeta1.,2007)、 サ ン プ リ ングポ イ ン トは トレ ッ ドミル 走 運 動 の直 後 、 お よ び6、12、24時 間後 と した 。 そ のサ ンプ リ ング時 刻 は9時(運 動 直後 、24時 間後)、15時(6時 間後)、21時(12時 間後)

と した。

(4)サ ンプル 処 理 海 馬 摘 出

各 サ ン プ リ ン グポ イ ン トにお いて ラ ッ トに過 剰 量 の ペ ン トバ ル ビ タ ー ル ナ トリウム(100mg/kgBW)を 腹 腔 内投 与 し、冷 却 した 生 理 食 塩

水(0.9%NaCl)を 左 心 室 か ら全 身 に 灌 流 した 。 灌 流 後 、 直 ち に 脳 を 摘 出 し、氷 冷 した ガ ラス プ レー ト上 で海 馬 を分 画 した 。分 画 した 海 馬 は直 ち に液 体 窒 素 を用 いて 凍 結 し、以 降 の解 析 まで 一80℃で 冷 凍 保 存 した 。

(26)

海 馬ホモジナイズおよび総タ ンパ ク濃度 の定 量

海 馬 片 側 に 対 し て500p1のLysisb猛f紐(20'Z̀ris‑cl(pH7.6>、

150澱MN&Cl、5搬MCaC12、1%Trito葺X‑100、1%Glyce望ol、500pM

PMSF)を 添 加 し 、 マ イ ク ロ マ ル チ ミ ク サ ー を 用 い て 氷 上 で 麗 絆 ・粉 砕 し た 。10,000即 澱 、40Cで10分 間 遠 心 分 離 し 、 上 清 を 回 収 し た 。 上 清 の 玉00翼1をWestemblot用 と し て 取 り 分 け 、 プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 (cO狙plete狙i簸i、Roche)入 り のLysisbuf{b翌 を200pl添 加 し た 。 残 り の 上 清 は 、GelZymographyに 用 い た 。

各 サ ン プ ル 中 の 総 タ ン パ ク 濃 度 は 、BCA野oteinAssayKit(Themo

Fishe鍔Scie鷺t遣chc)を 用 い て 定 量 し た 。 上 清 を0.1MPBSで30倍

釈 し た 各 試 料 とBCARege鉱 を96ウ ェ ル プ レ ー ト 内 で 混 合 し 、 室 温 で 30分 静 置 し た 後 、 マ イ ク ロ プ レ ー ト リ ー ダ ー(Spect&MR、DYNEX

t')を 用 い て562nmに お け る 吸 光 度 を 測 定 し た 。濃 度0、

0.025、0.125、0.25、4.5>0.75、1、1.5mg/搬1の ウ シ 血 清 ア ル ブ ミ ン を 標 準 液 と し て 検 量 線 を 作 成 し 、 こ れ を 基 準 に 各 上 清 の 総 タ ン パ ク 濃 度 を 算 出 し た 。

(5)MMP‑9、MMP‑2酵 素 活 性 の 定 量(GelZy搬og聡phy)

MMP‑9、MMP‑2酵 素 活 性 はGelZy=mographyに よ り定 量 し た 。ま ず 、 上 清 か らMMP‑9お よ びMMP‑2を 抽 出 す る た め 、 タ ン パ クhngを む 上 清 と50%Gelatin‑Sepharose4B(GEHealthc躍e)100F1を 混 合 し 、4℃ で24時 間 イ ン キ ュ ベ0ト し た 。500×g、4℃ で2分 間 遠 心 分 離

(27)

し 、不 要 な 上 澄 み を 除 去 し た 。MMP‑9お よ びMMP2と 結 合 し た セ フ ァ ロ ー ス ビ ー ズ を 含 む 沈 殿 物 を'i・(50mMT野is・HC1(pH

7.6)、1δ0欝MNaC1、5狙MCaCl2、0.05%Brij35)で3回 洗 浄 し た 後.

E1磁o薮Buf艶r(50狙MTris‑HCI(pH7.6)、150rnMNaCl、5mMCaCl2、

o.05%Brij35、10%DMso)a/を 添 加 し た 。4℃ で2時 間 静 か に 混 合 し 、MMP‑9お よ びMMP2を 溶 出 し た 。 こ の 溶 出 液20ulと Lae艶 癒lioffer10p1を 混 合 し 、 電 気 泳 動 用 の 試 料 と し た 。 な お 、 MMP‑9の 酵 素 活 性 を 失 活 さ せ な い た め に 、LaemmihBuf艶rに は 還 元 剤

を 加 え ず 、 試 料 の 煮 沸 も 行 わ な か っ た 。

調 た30p1の てSDS‑PAGE

(SDS・polyaclylaxnidegelelectropho聡sis、SDSポ リ ア ク リ ル ア ミ ドゲ ル 電 気 泳 動)を 行 う こ と に よ っ て タ ン パ ク 質 を 分 離 し た 。SDS‑PAGEに

は0.1%ゼ ラ チ ン 含 有 の10%SDS一 ポ リ ア ク リ ル ア ミ ドゲ ル を 使 用 し 、 ミ ニ ト ラ ン ス プ ロ ッ ト⑭ セ ル(BIO‑RAD)を 用 い て125Vで2時 間 の 電 気 泳 動 を 行 っ た 。 分 子 量 マ ー カ ー に はPrecisio簸Plug敷ote沁TM

St鋤dard(BIO‑RAD)を 使 用 し た 。 電 気 泳 動 後 の ゲ ル を2.5%丁 蹴on x‑100で30分 間 の 洗 浄 を2回 行 う こ と でSDSを 除 去 し 、MMP‑9の 体 構 造 を 復 元 し た 。 ゲ ル をNovexDevelopi簸gBu伽r(lnvi緬geゆ に 浸 し 、37℃ で48時 間 イ ン キ ュ ベ ー トす る こ と に よ り 、MMP‑9に よ る ゼ ラ チ ン 分 解(酵 素 消 化)を 行 わ せ た 。 ゲ ル を 蒸 留 水 で3回 洗 浄 し 、 染 色 液 (翫illianもBlue、Sig瓢a‑Aldrich)に よ り ゲ ル に 含 ま れ る タ ン パ ク 質(ゼ ラ チ ン)を 染 色 し た 。 脱 色 液(10%メ タ ノ ー ル 、7%酢 酸)で3回 浄 し た 。 ゲ ル を ス キ ャ ナ0(Ca丑oSc蹴LiDE600E、Ca強on)を 用 い て

(28)

ス キ ャ ン し 、1澱ageJ(NIH)を 用 い てMMP‑9、MMP‑2の 酵 素 消 化 に よ っ て 現 れ る バ ン ド の 光 学 的 密 度 を 求 め た 。

(6)GelZy憩og餓phyの 妥 当 性 の 確 認

本 実 験 が 、 当 研 究 室 に お い てGelZy鵬ogyaphyを 用 い る 初 め て の 機 会 で あ っ た た め 、本 実 験 の サ ン プ ル 解 析 を 行 う に 先 立 ち 、GelZy搬o鍵a油y

に よ りMMP‑9酵 素 活 性 が 検 出 で き る か 否 か を 検 討 し た 。 カ イ ニ ン 酸 の 腹 腔 内 投 与 か ら24時 間 後 に 海 馬MMP‑9の 酵 素 活 性 が 上 昇 す る こ と が 報 告 さ れ て い る た め(Szklarczyketa1.,2002)、 生 理 食 塩 水 も し く は カ イ ニ ン 酸(10難g/kg・BW)を ラ ッ ト の 腹 腔 内 に 投 与 し 、 投 与24時 間 後 に

海 馬 を 採 取 し た(n=2)。 上 述 の 方 法 を 用 い て 海 馬MMP・9、MMP‑2の 素 活 性 を 検 出 す る こ と に 加 え 、ゲ ル を プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤(0.05MEDTA) を 含 むNovexDevelopingBuf蝕(lnvi伽ge麺)に 浸 す こ と で 酵 素 消 化 を 阻 害 し 、Gehym◎g膿phyで 検 出 さ れ た バ ン ドがMMP‑9、MMP・2の 用 に よ る も の か 否 か も 確 認 し た 。

(7)TIMP‑1タ ン パ ク 発 現 の 定 量(Westemblot)

MMP‑9の 内 因 性 阻 害 物 質 で あ るTIMP‑1の タ ン パ ク 発 現 はWestem blotに よ り 検 出 ・定 量 し た 。 タ ン パ ク 上 清 と 蒸 留 水 な ら び に0ユ%

2‑Merc即toethaぬolを 含 むLaemmlisa艶plebuf£ 鍵(BIO‑RAD)を 混 合 し 、 溶 液 中 の 最 終 タ ン パ ク 質 量 が20碁gと な る よ う に サ ン プ ル を 調 整 し た 。 サ ン プ ル を ヒ ー トブ ロ ッ ク(TOHO)を 用 い て100℃ で10分 間 加 熱

し 、SDS‑PAGEに よ り タ ン パ ク 質 を 分 離 し た 。SDS‑PAGEに は16%ポ

(29)

リ ア ク リ ル ア ミ ドゲ ル を 使 用 し 、0。06Aで1時 間 、 続 い て0.1Aで2時 間 の 電 気 泳 動 を 行 っ た 。 分 子 量 マ ー カ ー に はhecisio簸Plus晒oteinTM

Stand躍d(BIO‑RAD)を 用 い た 。 続 い て 、100ZT、so分 通 電 し 、 ポ リ ア ク リ ル ア ミ ドゲ ル か ら タ ン パ ク 質 をPVNF膜(孔 径0.2オ、BIO‑RAD)

上 に 転 写 し た 。PVNF膜 は 直 ち に ブ ロ ッ キ ン グ 溶 液(5%BSA、0.05%

Twee雛 一20i簸TBS)に1時 間 浸 し た 後 、5%BSAを 含 むTBS‑T(0.05%

Twee汀20i鷺TBS)に1次 抗 体(抗TIMP‑1抗 体 、1:500、Sig璽na‑Ald繋ich;

抗GAPDH抗 体 、1:1000、 丁犯vigen)を 加 え 、4℃ で 一 晩 反 応 さ せ た 。 GAPDHは 内 部 標 準 と し て 検 出 し た 。 反 応 終 了 後 、TBS・Tで20分 間 洗 浄 し た 。 続 い て 、5%ス キ ム ミ ル ク を 含 むTBS‑Tに2次 抗 体(HRP結 合 抗 ウ サ ギIgG抗 体 、1:1000、GEHealthcare)を 加 え 、 室 温 で1時 反 応 さ せ た 。 反 応 終 了 後 、isで20分 間 洗 浄 し た 。 洗 浄 終 了 後 、 WestemLightHiBg⑧PLUS‑ECL(Pe面HEhner)に2分 間 反 応 さ せ 、

h澱geQuantLAS4000憩ini(GEhealthc躍e)を 用 い て ゲ ル を 撮 像 し た 。 4で 検 出 さ れ た バ ン ド の 光 学 的 密 度 は 、ImageJ(NIH)を

用 い て 定 量 し た 。TIMP‑1タ ン パ ク 発 現 を 検 出 後 、Re一 騨obingを 行 い 、 GAPDHタ ン パ ク 発 現 を 検 出 し た 。バ ン ド検 出 後 のPvNF膜 をstripping bu董 勉(1.5MTris‑Hcl,10%SDS、100瓢M2‑Me翌captoethanol、pH6.8)

に60℃ で1時 間 浸 す こ と で 、PVNF膜 か ら 抗 体 を 剥 が し た 。 そ の 後 は ブ ロ ッ キ ン グ 溶 液 に 反 応 さ せ る 作 業 か ら 上 記 と 同 様 の 工 程 を 行 っ た 。

(8)統 計 解 析

MMP9お よびMMP‑2の 酵 素 活 性 、 お よびTIMP1発 現 量 は、 コ ン

(30)

トロー ル 群(Om/mi豊)に 対 す る増 加 率(%)で 示 し、 結果 は 全 て 平 均士 標 準 誤 差 で 示 した 。 サ ン プ リ ングポ イ ン トご と に運 動 強 度 を独 立 変 数 と す る一 要 因分 散 分 析 を行 い、有意 性 が 認 め られ た 場合 は 多 重 比 較(丁 磁ey)

を行 った 。 統 計 的 有 意 水 準 は 全 て5%以 下 と した 。

(31)

表1:走 行 ト レ ー ニ ン グ の ス ケ ジ ュ ー ル ス ケ ジ ュ ー ル

1日 目

2日

3日 目

4日

5日 目

6日

7日

8日

9日 目

10日

!1日

12日 目

Trainin

o蓋撫 〜賞塗量n 醸 痴 騒鑓1穏鱒幽泌1・

一1Q 0 10 zo γ融3韓 灘誉ン

◎m/搬i難 漁擁◎磁轟鍵 1細 麟 、

一10 0 10 25

Time(rnin;

◎副 麟 益 累婆1勲溝鍵 濱卵 幽}1

一10 0 15 25 Timemin}

◎m/癒 雛 窯瞬黛 聯溝 励1園タ幽寿1ガ

護◎ a 15 3Q

Time(min>

Rest

◎拠A徽i11 ゾ漁碗繭1

一10 0 15 30 TimeEmin}

◎蓋副ml簸 ;磯蘇曝篶 :海吻 海療

一10 0 10 30 Time(勝 爵〉

一10

譲麟痴穿

γ繍 曾(鵜恥)

Rest

Rest

Rest

本実験

参照

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