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志津田氏治志津田氏治

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Academic year: 2021

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(1)

船舶不堪航の法律関係

(2)

よく船舶の安全性そのものは︑その船舶の堪航性の如何にかかるものであるといわれているが︑ある船舶の状態

が︑その椅造なり蟻装の点で不十分であるとか︑または貨物の積付方法などの欠陥によって︑通常の海上危険に出

会っても充分航海に適合しているといえないような場合︑その船舶は堪航性を欠いている︒つまり不堪航(ロロ

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であるといわれている︒J・べスの﹁海連防船事典﹂によれば︑船舶の不堪航について︑つぎのよ

うな捉え方をしている︒すなわち﹁ある船舶の状態が︑その維持・修繕の不完全︑乗組員配乗の不適当または蟻装

の不備・あるいは貨物積付の欠陥などによって︑通常の固有の危険

(

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に遭遇しても︑あらゆ

( 註 1

)

その船舶は堪航能力がない(不堪航)というよとしている︒る点において充分航海に迎合しているといえない場合︑

また加藤由作博士も﹁船舶が発航の当時安全に航海をなすに必要な準備をなさず︑または必要な書類を備えないこ

とに因って損害を発生せしめることは実際上少しとしない︒さらにまた安全に碇泊︑積荷の積込︑修繕︑建造等の

いわゆる運営能力を欠くことに因り損害を生ずることもありうる︒これらの場合の危険を称して船舶の不堪航﹂

(﹁海上危険新論L

)

船舶不堪航の法律関係

1

このように航海の目的を達成できる状態におかれていない場合︑つまり堪航性の有無は船舶社会と密接

不可離のつながりをもっ船主・荷主・旅客・船員・港湾労働者・海上保険者・造船者・国家などの多様な利益群に

( 註 2

)

とって重要な意味を有するものであり︑海事法上も観点をかえて︑さまざまの法規整を加えている実情にある︒と

その著﹁船荷証券論﹂において︑人の生命財産などの社会的価値物を収容する船舶の堪航くに西島弥太郎博士は︑

能力を非常に高く評価されていることは注目に値いしよう

(

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(3)

五 一

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) わが国でも海上運送契約法のうえでは

海上運送人の負う義務の一面としてこれを捉え(商法七三八条・七三九条・国際海上物品運送法五条)︑

また海上保険契 約法の面では保険者の填補責任の免除の問題として眺めており

(商法八二九条二号)︑さらに船員法の分野では船舶

航行の安全保持という立場から船長の職務の一内容としてこれを考慮している

(

)

しかし船舶不堪航の問題は︑ただそれだけに尽きるものではなく︑

海事行政法の領域からも重要な関心を払わざ るをえない︒すなわち船舶安全性の確保なり

(

命ノ安全ヲ保持スル‑一必要ナル施設ヲ為スニ非ザレパ之ヲ航行ノ用ニ供スルコトヲ得ズ﹂︑海難審判法による機構の確立など

は︑直接関接に乙れを指向するものである︒とりわけ前者の場合に︑

めを若くのは船舶安全法の二ニ条で明示して いるように︑船舶の堪航性に重大な欠陥があるとき︑少数船員の不服申立の制度を認めていることであろう

(

は拙稿﹁船舶不堪航と乗組員の不服申立﹂大分大学経済学部創立三十五周年記念論文集所収

) 0

そこで本稿では海事法秩序の

基礎をなす船舶不堪航の法律関係を若干考察し︑

それが海上運送契約法にあたえる法的な影響を吟味する乙とに

より︑二・一二の問題点を提起してみたい︒

( 註 1

)

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( 註 2

)

船舶不堪航という現象は︑海事私法のうえでも︑重要な意味をもっている︒すなわち船主が不堪航の船舶を航行の用に供

(4)

するときは︑自己の負担する責任を制限することができるか否か︑つまり船主責任制限法との関連で問題となる︒イギリ

スでは船主の責任制限を否認している(のZ

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Mω門戸?お)︒アメリカでも

堪航能力の欠如が損害発生の原因となったような場合には︑責任制限の利益をうける乙とができないとする判例が多数で

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書)︒小町谷博士は公平の観念を理由に︑船舶所有者が不適当な船長を選任し︑または肱装について相当の注意を欠いたと ω )︒日本法でも同様に解釈すべ︑きであろう(商法六九O条但

きは委付権がないものと解される(﹁船舶所有者有限責任条約案の研究﹂海商法研究第三巻所収四四六頁)︒乙れに対して

長場教授は︑商法七三九条が船主に苛酷であるという理由で︑商法六九O条の要件さえ具備すれば不堪航の場合でも免責

委付が可能である乙とを主張されている(﹁商法体系﹂海商編一九七頁)︒ω

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お・消極説としては巴ωZω

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不堪航船舶が他船と衝突したるときは︑不堪航船舶の側に過失の推定(宮山目白

己ゆ)がなされる場合があり(尤も不堪‑ E

航船舶が相当の注意を尽した事実により︑過失の推定が排斥される︒

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船舶街突法上もみのがすことのできない地位をしめている︒なお共同海損法の分野でも︑不堪航のときに共同海損が成立

するか否かの問題があり︑また成立するとすれば船舶所有者は︑荷主からの共同海損分担額の求償を免除されるものかど

うかに関して重要な問題が残されている︒詳細は西島博士﹁発航に際する船主の堪航能力担保義務﹂(法学論議一五巻一

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堪航能力と堪荷能力との関連性

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一般に堪航能力あるいは堪航性とは

﹁特定の運送契約の履行に当り船舶が当該航海に於ける通常の航海上の危

険に堪え得る能力﹂(小町谷博士﹁海商法要義!一中巻了二ニ二頁)であるとされている︒

これは元来航海上の危険に抵抗 できる船舶自体の物理的能力︑

つまり船舶自体の航行適格性のみを指したのであるが︑

として表現しているものもある ひろげるようになっている︒

学説によれば堪航能力といわないで︑

﹁堪航状態﹂

(

) この堪航能力については商法七三八条︑

(5)

に捉えているが(船荷証券統一条約五条・国際海上物品運送法五条では若干具体化されている︒

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五五九条︑八一二条参照)︑過去においては可成り︑具体的に明示されていたこと

もあった︒すなわち明治二三年の旧商法典では︑その八二六条で﹁船長ハ航海ノ際船舶ノ航海ニ耐フルコト船舶ノ

儀装︑海員ノ具備︑糧食ノ準備並ニ積荷ノ配置ノ適当ナルコト必要ノ積荷ヲ兵備スルコト過分ノ積荷ヲ為ササルコ

ト及ヒ過分ノ旅客ヲ載セサルコトニ付注意ヲ為ス可シ﹂と定めているのが乙れである

(

にも同趣旨のことを明示する)︒なお明治十一年のわが国最初の体系的な海商法政ハとも目される﹁日本海令草案﹂の一

三五条でも︑堪航能力の内容として﹁船ノ航海適否﹂︑

﹁船客若クハ積荷ノ適度及ヒ配置﹂を掲

げている︒まず船舶は技術的な視野から︑船体・機関・属具が航海上の危険に抵抗できるというだけではなく︑

のうえに当該航海を遂行するために適当な設備・適当な麟装(食料・燃料・飲料水が充分であること)︑適当な乗組員

および必要な書.類などを備えるように︑あらゆる点で通常の海上危険に抵抗できる用意がなければならない︒前者

は船舶が航海に支障がないかどうか︑つまり船舶自体の技術上の適格性をいうものであり︑後者は船舶が航海に必

要な準備が整っているかどうか︑つまり船舶の準備上の適格性換言すれば船舶犠装上の適格性をいうものである︒

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O円によれば前者を

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( 註 1

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OO頁︑外国の海商法

(6)

学者の見解もほY

11は︑﹁船舶がその設計・構造・様態および蟻装において航海の通常の危険

に遭遇するに適する﹂ことをいうとしている︒の

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・まにメッベンハイムも堪航能力を海の危険に対して抵抗のあることを意

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通常﹁

貨物を搭載すべき船舶の部分が︑貨物の保存︑収容︑運送に必要な状態にある﹂ことを堪荷能力(宮島ロロ

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と称している︒乙れは海上危険以外の運送危険に対しても堪え ることのできる能力であり︑具体的には積荷運送のために必要な船鎗︑冷蔵装置︑

通風機︑貴重品保管などを備え ることである︒従って金塊輸送にはそれなりの特殊装置を施すべきであり

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・一∞∞∞)︑冷凍肉運送の場合には冷凍設備を要求されるのであり0

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を欠くときは不堪航となるのである︒

およそ船舶の堪航能力を航海上の危険に堪え︑安全に運送の目的を遂行させ るに足る運送機関としての船舶の能力として捉えるときは︑堪航能力のなかに堪荷能力の概念が含まれるべきもの

と解する︒

従って海上運送契約法を前提とする堪航能力を考えるときは︑

堪荷能力が含まれているのであり︑

法七三八条では明確にあらわれていないが︑船荷証券統一条約なり︑

国際海上物品運送法ではこれを明白にしてい しかし堪荷能力を堪航能力概念のなかに包摂させることについては可成りの疑問がある︒すな わち船舶の塙航能力という概念は航海における船舶の安全性そのものを考慮したうえにたっての見解であり︑積荷

の安全性そのものを考慮した堪荷能力とは︑あい容れないものである︒ るものといえよう口

では何故に︑

これが含まれるかに関して殆

んど検討されていない(巧宏伸gB2も現荷能力は原則的に合まれないが︑条約によってその範囲が拡張されたものと解して

(7)

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そこで二つの面︑一つは政策的な観点より不堪航の立証困難にともなう荷主保護の点で︑他は運送

契約が諸成契約であって要物契約ではなく︑従って運送品の受取保管は契約それ自体の成立要件及至本質的要件で

運送品の保管そのものは運送契約の本質的特徴を形成するはないにしても︑

(

運送品の受取・保管・引渡を不可欠的要素とされる)という理論的な面からも︑これを肯定せざるを得ない︒従って運送

契約法にいう堪航能力のなかには︑ω予定された航海に入るための船舶の適応性

( 2 2 2 ω )

と ︑

ω予定された積

( 註 1

)

荷を受取るべき運送用具としての船舶の適応性が考えられる︒ωは積荷保管の適応性を指すものである︒

このように運送契約法でいう堪航能力概念のなかには︑堪荷能力が必然的に合まれてくるが︑それ以外の運送契

約を前提としない船員法・船舶安全法・海難審判法等で用いる堪航能力中に堪荷能力は含まれるものではない︒蓋

し航海の安全そのものを重視する乙れ等海事行政法にあっては︑海上危険とは何等の関係のない堪荷能力を堪荷能

力のなかで捉える必要がないからである︒このことは船員法人条に定める船長の堪航能力検査義務を理解する場合

に大きな実益があるといえよう︒従って海上運送人の堪航能力担保義務と船長の場航能力検査義務との間には︑

( 註 2

)

の負担する義務の範囲に広狭の差があることを指摘することができる︒

( 註 1

)

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( 註 2

)

(8)

(2) 

海上運送人は︑その受取った運送品を積み込み︑適当に積付する義務を有する(商七六六・五七七・条約三条二項)︒

積付とは運送品の計画的な配置をいい︑通常荷役請負人

( ω Z J

OO)によって履行されることが多い︒しかし運送

人は︑運送品の積付に対する責任を回避することはできない︒船舶に運送ロ聞を積付した場合に︑その積付が予定され

た航海に関して船舶を危険にするようなものであれば︑その船舶は不堪航となる口島谷教授は積付に三つの場合が考

えられるとされている(前掲一二四頁)︒付つは積付が積付された貨物自体に影響をあたえるような場合︑同つは積

付が他の貨物に影響をあたえる場合︑同つは積付が船舶に影響をあたえる場合である︒付の場合は単純な不良積付

である︒国のときは堪航能力担保違反となる︒口の場合は最も困難な事態が生ずるが︑もしも貨物が他の貨物によ

って損害をうけているとするならば︑船舶の堪航能力担保違反を構成することになろう︒学説のなかには︑

船舶自体の安全性を阻害しない限り︑たとえ他の

( 註 1)

貨物に損害をあたえても︑不堪航にはならず単に保管義務違反に過ぎないとする見解もある(森前掲書二O

)

航﹂と﹁不良積付﹂とを区別し︑如何なる不良の積付をしても︑

これに対して西島博士は﹁わたくしはこの解決に対し多くの疑問を抱くものである︒即ち︑既に堪航能力担保の﹁

目的﹂が運送品(旅客船なれば旅客)

従ってその安全のための設備はすべて堪航能力の内容をなすζ

船舶不堪航の法律関係

とに学説がほとんど一致しているに︑何故に﹁設備﹂でなくして︑積付けが単に﹁方法﹂であるという理由で︑区

別されるのか︒航海における貨物の安全を目的とすることが堪航能力担保の存在理由とすれば︑それが

あろうと﹁方法﹂であろうと同一ではあるまいか︒

その間に区別を設ける法的根拠を発見することを

得ないのである︒殊にマット・ダンネlジ等の使用は積付方法の一手段に過ぎないと考えるときは一一周そのように

思う︒従って積付方法の不完全は不堪航であると考えることが︑地航能力担保の法の目的に妥当するものと思う︒﹂

(9)

()

両者の区別を否定されるのである︒前説は椛航能力と堪荷能力を正確に捉えない

ところからくる見解であって︑少くとも運送契約法を前提とする堪航能力の二面性を考える限り︑

前説の保管義務

堪荷能力違反の問題であり︑前掲付の例を除いて不良積付は不堪航(より正確には堪荷能力違反)を形成す

るものとして理解するのが正当であろう︒

( 註 1

)

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ω ω ツコンモン・ローでは海上運送人が不良積付に対する責任を除外す

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安全を危険ならしめる不良積付は不塙航となり︑杭付によって損害をP

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つぎに積付にあたっては﹁過積﹂(︒ぐゆ吋

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を避けることが必要である︒過積とは一般的にその積載船が海上

の風波の作用に対して必要な抵抗ができなくなる程の積過ぎをいうのである︒この過積は満載吃水線法による吃水

の制限と密接な関係をもつが︑どの程度で過積と判断するかは︑積荷の和類︑容積︑重量のほかに積載船の船令︑

構造のほかに航路の状況︑季節など諸般の事情を考慮して決めるべきであろう︒そのほかに重量品と軽量品とは︑

ζれを船舶の上下左右に振りわけて︑船舶の主心の安定を図るベ︑きであろう︒このような配慮は︑かの有名な

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E件が既に中世期海法の特徴として存在していたことが指摘されている

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︒また積付は堅実であることを要し︑とりわけ撒荷については隔板または仕切板

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船舶の動揺につれて︑積荷が船腹の一方に片寄ることのないように注意す

べきである︒判例でも撒荷の穀物が船舶に積荷されたが︑すべり止めの適切な設備を欠いたとき(叶志望

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(10)

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なお過積とは反対に積荷が不足したとき︑

に船舶の安定性を若しく阻害するときは不堪航となるものと解されよう︒

危険口聞については︑

いずれの国でも︑その船積について一定の取締法規(わが国では明治六年に﹁危害物品船積規則﹂(布告二九二号)が制定

されたが現在では﹁危険物船舶運送及び貯蔵規則﹂

このようなときに︑

(

O号)が施行されている︒呂・∞・﹀・笠お

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台︒)を設けてい

( 註 2

) 乙れに従った船積をしないときは原則として船舶の不堪航を生ずることになろう︒

( 註 1

)

移動貨物搭載上の過失と認定された事件(﹁機附帆船第一北隆丸出没事件﹂・昭二六・一一・四函審・生ニシンを搭載す

るにあたり︑荷止板を装置せずパラ積としている︒乙れと類似のケ1スとしては﹁機附帆船第八雲浦丸遭難事件﹂・昭二

五・五・二二小審がある︒また﹁機附帆船宝栄丸洗没事件﹂・昭三0・三・一一間審・でも︑船長が荒天中移動物の固縛

を怠ったまま航行したことを運航上の過失としている︒)︑頭部過重が過失と認定された事件(﹁機船第二開運丸洗没事件

﹂・昭三0・一二・ニ七仙審では︑船長が屑鉄を運搬するにあたって︑乙れを過載したばかりか︑頭部過重の状態つまり

乾舷0・二四メートル︑船首ニ・

0

00メートル︑船尾二・九メートルにて発航した乙とを過失としている︒﹀︑倉口の密

閉不充分の事件(﹁機附帆船善栄丸洗没事件﹂・昭=二・一一・一二横審では砂利を満載し︑倉口を密閉しないで出港し

たことを過失としている︒なお倉口の閉鎖不良を過失として認定した事件には﹁機船第十三南洋丸事件L

0

O横審ほか多数がある︒

危険物の不良積付による事件としては﹁汽船花咲丸遭難事件﹂(昭二五・二審八号・昭二五・九・一一裁決)が有名であ

る︒これは含有水分の多い微粉硫化鉱を積載する場合︑何等移動防止の方法を詰せず︑然も積付不良であって本船を極め

てステプの状態にあらしめたことによって発生した遭難事件について︑出荷主側の受渡主任︑検査員︑船長及び一等航海

士の所為をともに本件発生の原因をなすものであって︑右四人の責に帰すべきものであると認めた﹂事例である(﹁海難

船舶不堪航の法律関係

( 註 2

)

(11)

五一八

)

(

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)

船舶不堪航の責任関係

︑ ︑•• ︐ ︐ ︐ ︐  

4・ ・ A

不堪航責任者の範囲

船舶の堪航能力に関する担保義務は︑運送債務を負担する海上運送人の義務である︒商法七三八条では︑船舶所

()

旅客に対して堪航性担保義務をかしているか︑再注送を引交けた傭船者にも︑述︑訟を‑委誌する対節三者ω

乙の義務を負担させるかどうか法解釈上︑

この義務づけを否定するのが有力である

(

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乙れに対して船荷証券統一条約では

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と明示しているために再

運送を引受ける傭船者もこの義務を負担することになる︒乙の点で国際海上物品運送法においても﹁運送人﹂のな

かに船舶所有者︑船舶賃借入および傭船者を合ましめている(二条二項)︒そこで船舶所有者だけでなく︑他人の所

有船舶をもって海運経営をおこう者つまり再運送を引受ける傭船者(再運送人口

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︿2g

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円)も堪航能力担保義務Z

を負うこととなるが︑しかし傭船者は直z接自己自身で蟻装する乙とが不可能であるために︑事実上この義務を履行

するわけにはいかない︒ただ船舶所有者との問の傭船契約i

この義務を履行させることができるに過

ぎない︒従って傭船者は︑船舶所有者を履行補助者として︑この義務を履行することができるのであって︑もしも

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