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  服装の歴史 古代から1914年まで 4巻

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Leloir, M. M aurice

  Histoire du costume de 1 antiquitE a 1914.4v.

 Paris, Ernst Henri,1933.(文献番号3−257)

 Hiler p.537

ルロワ著

  服装の歴史 古代から1914年まで 4巻

 着色した複製の図版を軸に、衣装細部にわたる精密な記述のテキストを加えた服装史図集で ある。挿絵画家、歴史家、収集家であったモーリス・ルロワ(Maurice Leloir 1853−1940)の 生涯を通じての研究の集大成ともいうべきこのシリーズは、第8巻から第12巻までの計5巻の

うち、8−11巻までが1933年から1935年までにパリで刊行されたが、第12巻は、作者の死後家 族  ルロワ・トゥードゥーズ家によって1949年に刊行された。

 シリーズのタイトルは、「古代から1914年までの服装の歴史」となっているが、実際に出版さ れたのは、1610−1795年に至る下記の5巻だけであった。すなわち、

第8巻:ルイ13世時代、1610−1643(1933年)

第9巻:ルイ14世時代その1、1643−1678

第10巻:ルイ14世時代その2と摂政時代、1715−1725(1935年)

第11巻:ルイ15世時代、1725−1774(1938年)

第12巻:ルイ16世時代とフランス革命時代、1775−1795(1948年)

であり、このうち、本館は第9巻を除く4冊を所蔵している。ルロワの死後、家族によって出 版された遺著である第12巻を除いては、本シリーズは限定出版の豪華本25冊と非売品10冊(A からJまで)とが出版された。

 各巻とも記述形式はほぼ類似しており、本文は各時代ごとに代表的な衣装の部分と名称、素材、

構成、そして付属装飾品、下着などにわたり詳細に記述され、優れた図版がより具体的に説明 を助けている。一応、ヨーロッパのコスチュームを網らしてはいるが、フランスのものがその 主力になっている。各巻ともに、1)男女の代表的な上着、2)脚衣、3)頭部(たとえばルイ14世 時代では、男子では髪とかつら、帽子及び様々な髪型、女子では髪とかぶりもの、髪型)、4)下 着、5)付属品・装飾品(同じくルイ14世時代の男子では手袋、ベルト・ひも類、ショール、剣、

袖、女子では手袋、扇、パラソル、宝飾品)などの項目が立てられ、これに子供服が加えられ る場合もある。図版は本文とは別刷りで40図が加えられ、仏・英・西・独・伊の5か国語によ る解説が付されている。

 芸術の世界にあっては往々にして代々芸術家の家系というべきものが存在するものであるが、

この豪華なシリrズをあらわしたモーリス・ルロワも、18世紀から20世紀へかけてのフランス の有名な芸術一家、シャル  グルーズ  ドゥルーエ  コランードゥヴェリア、  ト

ゥードゥーズ  ルロワ(Les Challe−Greuse  Drouais  Colin  Dev6ria

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Toudouze  Leloir)の一員として生まれている。この2世紀にわたる家系は父から息子へ というつながりだけでなく、父系から母系に至る、より広いつながりを特徴とし、男性と同じ ように女性の活躍もめざましく、すべての家族が芸術の分野で活躍した真の芸術家王国を築い

た。

 モーリスは宗教画家であった父・オーギュスト・ルPワ(Auguste Leloir)とモードの挿絵 画家として有名な母・エロイーズ(Helol se)の二人の息子の一人であり、兄・ルイもまた画家 であった。母・エロイーズは、1日姓コラン、すなわち、19世紀のファッション・プレート作家 として著名なコラン三姉妹の長姉であった。中の妹・アナイス(Anais)は建築家であり画家で あったガブリエル・トゥードゥーズ(Gabriel Toudouze)と結婚したが、トゥードゥーズ家もまた 芸術家の家系であった。末の妹・ローラ(Laura)は画家ギュスターブ・ノエル(Gustave Noel)

と結婚している。コラン家の末弟で画家のポール・コラン(Paul Colin) が結婚したのは、ア シル・ドゥヴェリア(Achille Dev6ria)の娘サラであった。こうして、その父・母・兄・おじ

・おば・いとこ・友人・弟子など当時の有名な画家たちと何らかの関係でつながっていたモー リスは、その天賦の才能に加えて、恵まれた芸術的環境の中で育ち、すでに幼なくして画家に なることのみ運命づけられていた。時代小説の挿絵画家であった母方の祖父・アレクサンドル

・コラン(Alexandre Colin)は、また、歴史服のコレクターとしても有名でモリエール、マリ ボー、スコットなどの小説の挿絵を描く時、そのすばらしいコレクションの中から選び出した 時代衣装やアクセサリーを長椅子の上において写生していたが、幼いモーリスも、古い衣装の 写生が大好きだった。エコール・デ・ボザールで学んだ後、編集者ローレット(Laulette)との 出会いは、モーリスを挿絵画家として出発させることになり、その第一作の成功で、小デュマ

(Dumas fils)は大デュマ(Alexandre Dumas)の多くの有名な小説の挿絵をモーリスに依頼す る。「三銃士」、「20年ののち」、「モンソローの婦人」………この後、彼は50歳までにおよそ300 もの小説・戯曲の挿絵を描いた。

 歴史服を通じて、モーリスはその生涯のうちに、服飾博物館と服飾辞典を完成することを目 指すようになる。そして、1906年、歴史服協会を設立し初代会長となるが、これは1920年に設 立されたバリ市立服飾博物館の母体となったものであり、ルロワのコレクションはここに移管

され、その夢の一つは実現された。77歳になった時、彼はもう一つの夢である服飾辞典にとり かかる。彼の最後の仕事となるこの服飾辞典(Dictionnaire du costume)(文献番号1−9)は、

その死までの10年間が費やされ、この間ほとんど1日に14〜15時間も仕事をした。「服装の歴史」

は、彼の晩年の最も充実した時期に出版されたものである。また、考証学的知識、技術的記述、

洗練された感覚で他に比肩するもののないルPワの「服飾辞典」は、彼の87年間にわたる全生 涯を費やしてのみ完成することができた一種の作品集でもあり、画家、文学者、歴史家、俳優、

映画家、クチュリエ、服飾研究者らにとって、フランスの服飾芸術を知る上で不可欠の研究書 となっている。

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