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’五年目の「見直し」にあたっての予備的考察

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自動車リサイクル法 正式名当使用済自動車の再資源化等に関する法律」以下、白リ法と略す。)が施行された のが、二○○五年一月一日。この法律による新しいシステムがスタートして、年度暦でも早や三年目に突入した。 そして一一○○七年四月一七日、財団法人自動車リサイクル促進センターは、二○○六年度(一一○○六年四月~一一○ ○七年三月)のシステム運用状況を公表し穂 はじめに 論説 自動車リサイクル法の施行状況について

’五年目の「見直し」にあたっての予備的考察

外川健一

321(熊本法学113号108)

(2)

新しいシステムがスタートする際には、何らかの社会的摩擦が生じるのが世の常であるが、今回の白リ法による 新しいシステムに関しては、それをほとんど耳にしない。預託金の徴収や、ASR・フロン類・エァバッグ類の支 払いに関しても、何がしかの大きな問題が指摘されるケースはほとんど耳にしない。前者に関しては法施行後の累 計で約七、七九四万台、額にして七、五四一億円の預託が着実に進行したという。二○○七年八月末現在の自動車保 (2) 有台数は七九、五一一一二、○九○台であるので、ほぼすべての登録車でリサイクル料金の預託が済んだと考えてよい。 また、電子マニフェストによって、一応の処理・リサイクル工程の管理が可能になったので、新しいシステムに よって処理・リサイクルされた台数は、下一桁単位まで完壁にフォローできるようになった。その結果、新しいシ ステムによって引取られた処理台数は一一○○六年度の場合、対前年比一一七%である、三、五七一一一、一一一五台に達し た。メーカー等がその処理・リサイクルの責務を担っている、ASR・フロン類・エアバッグ類に関しても、それ ぞれの処理台数が、一一一、五八一一一、七七○(対前年比一一一一%)、一一、四六九、七九四(対前年比一一七%)、七一一三、一一 一一三(対前年比一五七%)と着実に増加しているという。 このような事実を背景に、経済産業省をはじめとする政府筋は「おおむね順調」にシステムは推移していると胸 (3) をはっている。順調にスタートできた北円景には、幸運な要因が重なっている。第一は世界的に観察される素材市況 の高騰である。このためリサイクル製品に対する需要が急増し、処理・リサイクルの停滞という法施行当初の懸念 が一時的ではあるにしる払拭された。さらに日本のリーディング企業であるトヨタ、ホンダ、日産をはじめとする 世界に冠たる自動車メーカー各社が、あるときは協力し、あるときは切瑳琢磨しながら、この極めて大きな社会シ ステムを動かすための資金・人材を投資することができ蕊もしも中国を中心とする国四・m諸国が牽引している現 在の景気が失速し、その影響で自動車メーカーが経営に行き詰まりを生じるような事態であったとすれば、このシ

(熊本法学113号108)322

(3)

一一○○六年二一月に政府審議会で報告された、「家電リサイクル制度等の見直しに当たっての検討課題(案)」 (以下「家リ法見直し資料」と略す。)では、家リ法の見直しにあたって考慮すべき検討課題として「見えないフロー の把握」と相互的な対策の実施がその中心に掲げられ麓家リ法でリサイクルの対象となっている廃家電製品四品 目(ブラウン管テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機、エアコン)の場合、それらが廃家電となった際には、家リ法で 定めたリサイクル施設にはそれらの半数程度しか運ばれずに、消費者の手元を離れた後の行方がわからない「見え ないフロー」が多く存在するという指摘が、多くの関係者から投げかけられたのである。当初の予想発生台数の計 算方法が間違っていたのではないかという指摘も無視できないが、やはり考慮すべきは、新しいリサイクル法に基 づいた制度にのらない使用済家電の「見えないフロー」が、相当な割合に上っているのではないかというという懸 念である。以下の文章は、「家リ法見直し資料」からの抜粋である。 ステムがこれほど順調に立ち上がったのか、疑問符がつく。 (5) ところで白リ法による新しいシステムは五年後に見直すことが規定されており、本格施行後約一二年を経たこのシ ステムも、来年(一一○○九年)・再来年(二○一○年)にはその議論が本格化きれるはずである。そこで一九九八 年に成立し、二○○一年四月から本格施行ざれ昨年度に見直しの議論がされた「家電リサイクル法 (正式名昌特 定家庭用機器再商品化法」以下、家リ法と略す。)の見直しの議論と比較しながら、「おおむね順調 とされている 日本の自動車リサイクル制度について、検討したい。

111、「見えないフロー」の問題

323(熊本法学113号'08)

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論 説

⑨消費者等に対する普及啓発 ⑥再商品化率の在り方 ⑦効率的な収集運搬システムの整備 ③離島における収集運搬に係る費用軽減 ⑤対象品目の在り方 ④リサイクル料金の在り方 ③3Rの推進 ①不法投棄の対策の強化 ②環境配慮設計の推進 この「見えないフロー」の中には、不法投棄され、大きな社会経済上の問題となっているものを始め、近年の資 源価格の高騰を背景に、中古品輸出と偽装した実質的な廃棄物が不適正に輸出されたり、国内でフロン回収等を行 わずに分解、破砕きれるなど不適正に処理され、環境に悪影響を及ぼしているものが存在する可能性があるのでは ないか。このような「見えないフロー」の全体像を把握することは困難だが、その実態を可能な限り把握しつつ、 課題を明らかにした上で、適正に特定家電機器のリサイクルが行われるような総合的な対策を講じることが必要で はないか。

この問題意識の下、「家リ法」の見直しに当たっては、以下の一○項目を中心に議論が進められている。

(熊本法学113号iO8)324

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家リ法の施行以降、不法投棄に関する問題意識が大きくなったのは事実であろう。このため以前に比べ不法投棄 の発見に行政等が力を入れ、これまで見過ごしてきた多くの不法投棄現場がカウントされるようになったとも目さ れるからである。しかし日本の家リ法によるシステムでは、排出者が排出時にいわゆる「リサイクル料金」や「収 集運搬料金」を負担するという「後払い制度」が採用されており、このような金銭的負担をきらっての「不法投棄」 (7) ている。 把握は、 以上の一○項目は自リ法による新しいシステムでは、ほぼ社会問題化していない、あるいはそれなりの対応が既 になされていると考えるのが妥当であろう。決定的なのは、基本的に登録システムを持ち、電子マニフェスト制度 により、一台一台の処理・リサイクルのフォローができる自動車に関しては、「見えないフロー」の懸念が、家電 製品に比べて小さいということである(ここで強調したいのは、あくまでも「小さい」のであって、「皆無」では ないという点であるpまた意外にこの問題は自動車でも無視できない存在であることを後述する。)。以下、ここで 指摘された①、②、③、④、⑥、③、について概観してみよう。 ⑩既存業者の取り扱い

112、不法投棄対策の強化9離島における収集運搬に係る費用軽減について 「家リ法見直し資料」によれば、一一○○五年度は、家リ法対象品目の引取等台数の一・一一三%にあたる 一五四、九七四台(不法投棄台数のデータを所持している一、七八四自治体によるデータ)が不法投棄されたとされ てい壷この数字を直接受け入れることに筆者は若干の抵抗を感じている。というのは「不法投棄台数」の正確な 極めて難しいからだ。

325(熊本法学113号108)

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論 説

の増加が懸念されるのは当然であろう。とくにリサイクル料金をいつ徴収するかという論点に関しては、「家電法 見直し」における議論の一つの焦点として注目を浴びている。 このような不法投棄の懸念は、とくに離島部で指摘されてい壷「家リ法見直し資料」には、「離島地域において は、合理的な運搬等により収集・運搬料金の軽減に努めているものの、海上輸送を伴うため、その分、収集運搬料 金が本土と比べて高くなっており、その負担軽減のための措置が必要ではないか。」という記載がある。 この点を詳しく検討してみたい。家電メーカーがこれら廃家電を処理・リサイクルするには、メーカー等が設定 した処理dリサイクル費用(一般にテレビⅡ一一、七○○円、エアコンⅡ三、五○○円、洗濯機Ⅱ一一、四○○円、冷蔵 庫Ⅱ四、六○○円)を排出者が支払い、加えてメーカーが設営した全国四○○弱ある「指定引き取り場所」に運ぶ 必要がある。しかしメーカー等は、いわゆる離島にはただ一箇所の指定引き取り場所も設定していない。よって離 島の消費者は,家電を捨てる際に本土よりも船賃だけ余計に、指定引き取り場所までの収集運搬費用を負担しなけ ればならなくなったのである。以上からも、とくに離島部では廃家電を一般家庭内に「退蔵」したり、空き地や野 山に不法投棄するインセンティブが、本土に比べて大きいといえよう。 さて、白リ法による新しいシステムでは、国内での処理・リサイクルのボトルネックであるASRの処理・リサ イクル費用を中心とした、いわゆる「リサイクル料金」を新車販売時、あるいは車検時に徴収するいわゆる「前払 い制度」が採用されていることにより、家リ法のシステムのような不法投棄への懸念はより小さいと考えられる。 また、前述した近年の資源価格の高騰を背景に、不法投棄されていた使用済自動車も、カネになると分かれば市場 原理による処理・リサイクルが進むようになったのか、その数は着実に減りつつある。実際、白リ法施行前の二○ ○一年八月、環境省が公表したデータでは、全国で保管基準違反などの違法野積み分が約九万二、○○○台、不法

(熊本法学113号108)326

(7)

しかしこの制度にも若干の問題点がある。第一は補助金額が目下のところ、一律八割となっている点である。こ れには離島の当事者にも一定額の負担をさせ、運送費用の低減化・効率化を図るためという主旨があるようである。 実際に、輸送コストを抑えるためにプレス処理等を行い、費用の低減化を行った離島のケースもある。しかしこの また、白リ法第一○六条第三項に基づいた「離島対策支援事業」が、二○○五年一○月からスタートしている。 離島における野積車両発生の一番の原因は、離島にはシュレッダー施設等のリサイクル施設が無いケースがほとん どなので、島内での処理・リサイクルの完結が不可能であることから、最終的には島外へ搬出しなければならない ことが主である。しかし、海上輸送コストのハンデがあるので、どうしても島内に使用済自動車が放置・野積とし て滞留しやすい環境にあると考えられる(このあたりの論理展開は家電の場合と同じである。)。ならば離島から本 土までの海上輸送コストの八○%を上限にコストを負担し、放棄・野積車両の発生を避けようというのが、この事 業の趣旨である。なお以上の海上輸送の補助事業(白リ法では、「離島支援事業に要する特定再資源化預託金等の 出えん」という用語があるが、便宜上ここでは「補助事業」としておく。)のための経費は、新車購入者等ユーザー から予め徴収したリサイクル費用の剰余金を活用きせることとなっている。その結果、二○○六年度の「離島対策 支援事業」では、二万一、四一九台が離島から本土へ運ばれたという。またこのため約九、四五○万円強の補助が行 (、) われたという。 投棄等違法に処分されているものが三万四、○○○台あり、そのうち多くの離島を抱える沖縄県が四万八、○一一○台 (うち離島部では二万○、八一五台)と全体の三八・一%を占めていた。しかし、この数も徐々に減少し、一一○○七 年一一一月の数字は、日本全国で一一一万五、○六四台、沖縄県で一、○四一台(うち離島部では一一二九台)にまで減少して (9) いる。

327(熊本法学113号'08)

(8)

113、再商品化率の考え方 リサイクルを比較分析する際に、もっとも注意すべき指標がいわゆる「リサイクル率」である。「リサイクル率」 や「再商品化率」、果てまた「リサイクル可能率」や「リサイクル実行率」など似たような概念が混在し、またそ れらの定義Ⅱ分母と分子が、国により、制度により大きく異なるケースが多いのである。 「家リ法見直し資料」では論点として、「現行の再商品化率の算定の考え方について、量的のみならず質的な観 点から見直すべき点があるか。テレビのガラスカレットの海外における需要状況やブラウン管テレビの生産状況等 を十分勘案した上で検討すべきではないか。また、同じ処理内容でも再商品化率に算入されなくなるケースについ よ》フな工夫をしょうがしまいが、基本的に補助金は実際に島外搬出にかかった費用の八○%しか支払われないこと となる。仮にそのまま搬出すれば一台あたり一○、○○○円かかっていたのを、プレス処理等の事前処理によって 一台当たり三、○○○円に抑えたとしても、補助金の支給額は前者では八、○○○円にもなるのに対し、後者では 二、四○○円にしかならない。同様のケースを一つ紹介したい。九州のある離島ではシュレッダーを導入した業者 が存在する。この業者は「もしもこの補助事業が始まれば、本土のほうに多くの使用済自動車由来のスクラップが 持っていかれるだろう。だとしたら、私の事業はお手上げだ。こんな理不尽がまかり通れば、私が本土からスクラッ プを購入する際にも八○%の運賃負担を要求したい」とコメントしていた。島内インフラの活用を目指した、自主 的な島内でのリサイクルへの取組みを損なうような補助事業になりかねないという指摘である。一方、このような リサイクル事業には、一定の「規模の経済」がはたらくのが現実で、離島の場合はどうしても競争原理がはたらか (u) ず、独占の弊害を生み出す可能性も出てくる。この点をいかに考えるべきか、筆者にも確固たる考えはない。

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てどう考えるか。」と記載されてい洗一前者は動脈部分で進む国際分業の結果、ブラウン管ガラスに代表されるリ サイクル材の需要が国内になく、この循環の輪を形成するには、「鉛」等の有害物質を含む「リサイクルガラス」 を、国境を超えて移動させる必要が出てくるので、廃棄物の越境移動を禁止したバーゼル条約との関係をクリアー しなければならないという、国際資源循環の問題と大きく関係する。後者はリサイクルエ程の結果生じたリサイク ル物に市場性がなければ、つまり有価で売れなければ、それはリサイクルされたとみなされず、結果としてリサイ クル率にカウントされないという家リ法に特徴的な「再商品化率」の定義に関する、主として家電メーカーやリサ イクル業者から投げかけられた疑問である。 リサイクルエ程で生産される素材は、市況による価格変動が顕著である。その結果、同じスクラップ製品が市況 によってリサイクル製品にカウントされたり、廃棄物としてカウントされたいするという矛盾がある。また、家リ 法における「再商品化率」はサーマルリサイクルと呼ばれる熱回収・エネルギーリサイクルを認めてはいない。こ れに対して日本の白リ法では、一九九七年に当時の通商産業省によって指導きれ策定された業界の自主取組Ⅱ使用 済自動車リサイクルイニシアティブ(以下、イニシアティブと略す。)に明記された、二○一五年のリサイクル率Ⅱ 九五%の達成に向け、シュレッダーダストのリサイクルを、「リサイクル投入施設活用率」という新しい概念を導 入して定義した。注目すべき点は「リサイクル」に関しては一定の案件を満たせば、サーマルリサイクルもリサイ (画) クルされたものとカウントされることである。 そして、白リ法による新しいシステムでは、二○一○年にASRの五○%のリサイクルを、二○一五年に七○% のリサイクルを、「定められた基準」の下で行うことが決められている。ところでどうして二○一五年までにAS Rのリサイクルを七○%達成という目標が掲げられているかというと、これはEUの自動車リサイクルに関する基

329(熊本法学113号'08)

(10)

②三一条認定 別名「全部再資源化」と呼ばれるもので「ASRを出さない自動車解体Ⅱシュレッダー処理を行わない解体」を 前提としたもの。解体段階で事前選別を徹底的に行うことでシュレッダー処理を不要とした。 ①二八条認定 本的な法的枠組みⅡ「EU指令」に「二○一五年までに使用済自動車の九五%リサイクル」が謡われているのに起 因す能日本では、九五%のリサイル率の達成とは埋立処分量が五%以内であることとイコールであるという解釈 を採用していると考えてよい。そしてこれを達成するためには、自動車メーカー等は引取ったASRについて七○ .(巧) %程度のリサイクル率を達成することが計算上必要となると考えている。 このように、日本のリサイクル目標の設定はEU指令を強力に意識したものであったが、本家EUではこの期に 及んでも(一一○○七年三月現在)、「リサイクル」の定義が依然として定まっていないことは注目に値する。いわゆ る「サーマルリサイクル」による取組みをカウントできるか否かという問題も、依然として結論までに至っていな (随) いのである。

解体した車両をシュレッダー処理することを前提とし、各自動車メーカーが引取ったASRを一定のマテリァル リサイクル、サーマルリサイクルができる「お墨付き」を受けた施設にて処理・リサイクルを行うものである。こ のような施設とは、都市ごみの処理にも活用きれているガス化溶融炉や非鉄金属精錬所における原料・燃料として の利用等が主なものとして挙げられる。 実際のASRの処理・リサイクルは、自動車メーカー等が二つのチームに分かれてそれらの実務を行っている。 一一つのチームとは、トヨタ・ホンダが主体のTHチームと、日産・三菱・マツダなどによるARTの一一つである。

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(11)

114、環境配慮設計の促進 「家リ法見直し資料」では、この点に関して以下のような記述がある。 「環境配慮設計の促進は、拡大生産者責任の考え方に基づき、現行制度下 で製造業者が物理的な処理責任を負うことの大きな理由となっていること から、これまでの製造業者等の取組状況を評価するとともに、今後、企業 間の競争を通じて、環境配慮設計を一層推進する観点から、制度の在り方 を検討すべきではないか」瓢 表1に二○○六年度の主要メーカーのASRリサイクル実績を示した。 どのメーカーも二○一○年の目標率Ⅱ五○%を前倒しでクリアーしており、 二○一五年の目標値である七○%に達したものも多数ある。このようにA SRのリサイクルが順調に推移しているのは、新しい白リ法に基づく正規 のシステムによって処理・リサイクルが行われた使用済自動車が、当初想 定よりも少ない台数しかなかったことにも起因するが、いずれにしろ粛々 と処理・リサイクルを進めてきたメーカーを中心とする関係業者の取組み は、それなりに評価すべきであろう。なお、一一二条認定はどのメーカーも (Ⅳ) せいぜい一割程度しか活用していない。この点に関しては、本論文314、 で再度検討を行いたい。

表1主要メーカーのASRリサイクル実績 (単位:台、%)

トヨタホンダ日産 828267289062549051 1282344418486389 956501333246635440 134133136 657688739

マノダ三菱自動車富士重工業 172561285800174877

231123308822140 195673318888197017 11.810.411.2 70.170.475.0

各自動車メーカーHPより作成。

331(熊本法学113号'08)

トヨタ ホンダ 日産

28条認定ASR処理施設にまわったELV 828,267 289,062 549,051 31条認定ルートにまわったELV 128,234 44,184 86,389

合計 956,501 333,246 635,440

31条認定比率 13.4 13.3 13.6

ASR再資源化率 65.7 68.8 73.9 マツダ 三菱自動車 富士重工業 28条認定ASR処理施設にまわったELV 172,561 285,800 174,877 31条認定ルートにまわったELV 23,112 33,088 22,140

合計 195,673 318,888 197,017

31条認定比率 11.8 10.4 11.2

ASR再資源化率 70.1 70.4 75.0

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この法律により、「設計」の主体であるメーカー等に課せられた主な物理的責任は、ASR・フロン類・エァバッ グ類の適正処理・リサイクルにほぼ限定されており、そのための費用を、前述した「リサイクル料金」としてあら かじめユーザーから徴収できることになっている。このことはすなわち、この法律でとくにターゲットときれてい る環境負荷物質はこの三つに限定されており、これ以外の物質(たとえば鉛やカドミウムなどの重金属)の使用制 限に関しては、イニシアティブによって推進されているとみてよい。欧州のEU指令やRoHS指令の影響なども そこで、こ》 て考察したい。 といって、よい。 ところで本論文の主題である自動車の場合、その「環境配慮設計」の定義・内容については、社会的に合意され た確固たるものがないと筆者は考えている。その根拠を示す一例を挙げれば、燃費の向上による軽量化を目指した 樹脂類の使用増加の結果、鉄などの金属部分の割合の減少によるリサイクル可能率の低下というトレードオフの問 題がある。 すなわち、現行の家リ法は、廃棄される使用済家電の適正処理・リサイクルを行うためのルールを規定するに留 まっており、いずれは処理・リサイクルされる運命にある家電製品に関して、いわゆる「リサイクルしやすい設計」 を包含した「環境配慮設計」をメーカー側に促す仕組みが、その制度運営上ほとんど見られないという問題意識が、 この記述の背後にあるものと考えられる。そして「拡大生産者責任」の美名の下、「環境配慮設計」を考慮したメー カーによる製品が、市場競争の下で一定のシェアが確保できるようなシステムへの模索が検討されているとも理解 できよう。

ここではとくに「リサイクルしやすいクルマの設計」あるいは「環境負荷物質の使用低減」に焦点を紋つ い。結論から言えば、自動車の環境配慮設計に関して、日本の白リ法では直接それを促す仕掛けはない

(熊本法学113号108)332

(13)

115,3Rの推進 以上の考察から、環境負荷物質の使用制限という「減量化」四両&巨・のやシュレッダーダストを中心とした廃棄 物の「リサイクル」坤冗の&&のという仕掛けは、白リ法やイニシアティブ等によってそれなりに推進されていると 考えることもできようが、中古部品等の再使用を促す「再使用」函閃の房①という観点での仕掛けは皆無といってよ い。このことを意識してか、二○○六年一○月、経済産業省はリサイクル部品普及のキャンペーンを行っているが、 法制度として、あるいは業界の「目標値」として、中古部品の再活用率などを設定するといった「仕掛け」はない。 実際自リ法によるシステムでは、仮に外した部品に商品価値がなかったら、解体業者は自らの費用負担でそれら の「売れ残りの部品」を産業廃棄物として処理しなければならないのである。むしろ解体業者はニーズがなければ、 リスク管理の意味でもできるだけその部品は外さず、そのままシュレッダーエ程に回して、ダストを増やしてもか まわないシステムとなっているという見方もできる。また「エァバッグ類」に関しては、その安全性の問題もあっ て使用済自動車由来の「エアバッグ類」の「再使用」は禁止されている。この点は同じクルマ由来であっても、整 (四) 進んでいたであろうと考えられる。 なお白リ法にェる新しいシステムが、リサイクルしやすい車の開発を促すということが、理論的に言えるのか否 かという問題意識の下、筆者はASRのリサイクル料金と「リサイクル設計」との関係を調査し、自動車メーカー のいう「リサイクル設計」とは具体的に何を意味し、その取り組みがASRのリサイクル料金の低減につながりう るのかという考察を行ったが、その一部に関しては、本論314で取り上げたい。 あって、国際製品である自動車の設計にあたって、メーカーによるこれらの物質管理は白リ法なくしても、着実に

333(熊本法学113号iO8)

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116、リサイクル料金の在り方 「家リ法見直し資料」には「家電リサイクル法の施行以来、同一料金のまま変更されていない主要な製造業者の リサ可クル料金について、実際これを負担している消費者理解促進の観点から、コスト状況を明らかにするなど、 料金決定根拠等の透明性を確保しつつ、市場原理の下で、料金が低減していくような制度を検討すべきではないか」 という記載がある。「見えないフロー」の問題の背景には、国内で法に基づいた処理を行うためには、メーカー等 が定めた「リサイクル料金」を、排出者は支払わなければならない。しかし、211,213でも詳述するように、 空前のスクラップ市況の好転を背景に、果たしてスクラップの歴史的安値時に検討された「リサイクル料金」が、 ある程度の静脈インフラが整った現在も変わらず固定きれていることは、市場システムを活用した「拡大生産者責 任」システムを反映させたいという趣旨からも、再検討すべき点として認識されている模様である。 備時に取り出される三アバッグ類」ならば再使用が可能であることもあって、一部の自動車解体業者を中心に疑 問が投げかけられている。「フロン類」に関しても、その「需要」があるということから、整備工程における「再 使用」は認められている。同じ「安全性」に関しても直接ユーザーに係るリスクと、直接ユーザーに影響しない将 来世代に係るリスクとで温度差を与えたシステムであると考えるのは筆者だけであろうか? 「リデュース」という概念についても、そもそも自動車の総台数を減らすとか、自動車の使用する総エネルギー (議論が一台あたりのエネルギーにすりかえられることが多々あるが、地球環境全体を問題視するならば、総量を どのあたりに抑えるかという議論が本質である。)を減らすという視点も含まれるであろうが、白リ法の審議過程 (釦) で、この点を抑えた議論があったとは思えない。

(熊本法学113号'08)334

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味する。 「再資源化に要した費用」にはASRの処理・リサイクルに直接要した費用のほ か、資金管理や移動報告に要する電子マニフェストのプログラム初期構築費用およ び一定のシステムランニングコストが含まれているという。二○○五年度はほとん 一方、白リ法による新しいシステムでは、リサイクル料金は新車購入時に徴収さ れるのが原則であるが、そもそも一一○○万円とか三○○万円、あるいは五○○万円 というレベルの買い物をする新車購入者にとって、リサイクル料金が一二一万円か ら一・一万円、一・一万円から一・○万円というわずか一○○○円単位のレベルで 削減されることによって、よりリサイクル料金の安いクルマに購入へのインセンティ ブが働くかは大きな疑問である。さらに、そもそも「リサイクルをターゲットとし た設計」という設定自体に若干の無理を感じる、というのも、自動車の設計はまず はその安全・快適な走行を出来るだけ低コストで実現することを想定して行われて いると考えるべきであり、それを目指した結果がたまたま「リサイクル設計」を生 み出すというのボ、本当のところではないだろうか。 なお、自動車メーカー等はこれらのリサイクルに関する収支を年に一回報告する ことになっている。二○○六年度のその収支結果を表2に示した。ASRの適正処 理・リサイクルが確認されれば予めストックされていたASRの「リサイクル料金」 がメーカーに支払われる。表中の「払い戻された預託金」とはまさにその金額を意

2006年度の各〆 カーのASR処理収支決算 (単位:円)

表2

トヨタホンダ日産 626365093619558380384168360089 631109350619159813274003550859

-4744257039856711164809230 マツダ三菱富士重工業 110028065416909805961055790492 111878980317044228901004499805

-18809149-1343629451290687 各自動車メーカーHPより作成。

335(熊本法学113号'08)

トヨタ ホンダ 日産

払い戻された預託金 6,263,650,936 1,955,838,038 4,168,360,089 再資源化に要した費用 6,311,093,506 1,915,981,327 4,003,550,859 収支 -47,442,570 39,856,711 164,809,230

マツダ 三菱 富士重工業

払い戻された預託金 1,100,280,654 1,690,980,596 1,055,790,492

再資源化に要した費用 1,118,789,803 1,704,422ゥ890 1,004,499,805

収支 -18,809,149 -13,436,294 51,290,687

(16)

117、使用済自動車にもある「見えないフロー」 ところで、白リ法による新制度スタート当初、いわゆる「リサイクル料金」の負担や、当時は目新しく「慣れて いない」電子マニフェストの運用の面倒さも手伝って、新制度による処理がなかなか進まず、いわゆる「消えた一 ○○万台問題」が注目を浴びた。すなわち国内での面倒で「がんじがらめ」な、高コストリサイクルシステムを逃 れて、中古車として輸出される使用済自動車の台数が激増したのではないか、あるいはあってはならないことだが、 一時抹消手続きだけを行って、あとはシステムをまったく無視した「違法解体」を行い、このスクラップ市況の良 (型) い昨今、私腹を肥やす違法業者が少なからずいるのではないかという指摘である。 これに対して二○○六年七月の政府審議会では、一一○○五年度に抹消され、再登録されていない車両台数約五○ ○万台のうち、白リ法による新しい正規のルートで解体処理された台数が約三○五万台、中古車輸出が約一三五万 台、中古車在庫の増加が約一○万台弱、そして法施行前の一一○○四年一二月以前に引取られたためへ新しいシステ (邸) ムでは処理されなかった使用済自動車が約五○万台前後存在していたのではないか、という見解をまとめた。しか しこの見解もあくまでも推測に過ぎないことは政府筋も認めており、引き続き、流通フローの正確な把握に努めて いくことを表明していた。 どのメーカーが赤字を出していたが、二○○六年度の収支では表2に示したように大きなばらつきが観察された。 これはメーカーの会計基準が異なることに大きな原因があると思われるが、このような実績値だけを公表されても、 この収支決算が果たして望ましいリサイクルを進める上で妥当かどうか、ステイクホルダーによる判断はほとんど (皿) 不可能といってよい。この部分の公表のやり方は一考を要するものと思われる。

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この問題に関してはとくに、解体業者の業界団体である日本ELvリサイクル機構の、「オークション会場等に おける取引車両のうち、『使用済自動車』と判断し得る車両の多くが、一時抹消のまま場合によっては一年以上放 置されており、これは企業にとっても個人にとっても経済的・合理的期間を逸脱していると考えられ、不法に解体 処理きれている蓋然性が高い」というショッキングな独自調査は注目を浴び蕊一時抹消については、白リ法施行 にあわせて、道路運送車両法第一八条が新設され、「一時抹消登録のまま一年間放置すると陸運支局から所有者に 催告する」監視制度がスタートした。この制度による「催告」が具体的にどのような形でなされるのかに筆者は注 目してきたが、その実例をこれまで一度も耳にしたことはない。そのような中、二○○七年一月「一時抹消登録か ら一年以上経過した車両」の大量保有者を対象にアンケート調査が行われ、その結果が二○○七年四月一○日に公 表ざれ蕊 その調査結果を概観してみよう。白リ法施行後一一一ヶ月の一一○○五年一一一月までに一時抹消登録され、一年以上経過 した車は七五万六、一八四台であった。そして、その一年後の一一○○六年三月末時点で一時抹消登録が解除された 車は一六万七、四一○台〈(これに二輪・被牽引車分の一万六、一一一一三台を差し引けば、問題の「一時抹消登録から一 年以上経過した車両」は、五七万一一、六四一台となる。報告書ではこのうち一一○○六年三月末までに白リ法により 解体された車が二九万七、五七八台あったと記載している。ここで問題を感じるのは、なぜこの二九万七、五七八台 が一時抹消のままであったか、ということである。正規のルートで解体されたのであればすぐに「永久抹消」の手 続きをすべきである。さらに調査では二○○六年二月までに追加・解体された車が一万一、五九二台あったので、 これに中古新規登録一、○二七台、輸出本抹消三四四台を合わせた車を除外すれば一一六万一一、一○○台が極めて怪し い台数として残る。

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筆者は自動車リサイクルの現場に携わる多くの人々から意見を頂きながら考察してみたが、目下この一一六万二、一 ○○台のかなりの部分に、いわゆる「不適正処理」の疑いが強まったと考えるのが妥当だと感じている。たとえば、 圧倒的多数を占める「転売」という回答について。アンケート調査では転売先の記入までを求めていたようである が、今回の調査は転売先の追跡調査の公表までは行っていない。すなわち、転売後そのまま違法解体したという疑 いは十分に残っているのである。次に多かった「輸出」であるが、正規に輸出していれば行われるべき「輸出本抹 消」が、この場合行われていなかったということなのか?「重量税還付」や中古車輸出に係るリサイクル料金の返 還等という輸出業者にはそれなりにメリットがある制度を無視してこのような「輸出」が行われているということ は、やはり何らかの不適正な行為が背後にあることが疑われる。また、五三八台(一・一%)の「解体」について 報告書では、これらは「自動車リサイクル法前の引取等により、解体されたもの」と記されている。しかし、この 五三八台のうちいったいどの程度の台数に、「売買契約書」や白リ法施行前の「紙マニフェスト」と「フロン券」 の一一一点セットが揃っているのだろうか?とくにマニフェストやフロン券は、単なる「免罪符」ではなく、追跡調査 には有効な手段であるからこそ開発されたのであり、そこまでさかのぼっての調査が必要だろう。また、これらの 今回の調査では、この一一六万一一、一○○台のうち、一○○台以上の大量保有者など四五三保有者・五万六、六五一一 台を対象にアンケート調査が行われ、四万八、五九二台の回答を得た(未回収は、七、八一○件、未着分は二五○台 分で回答率は八五・八%)。そしてその結果、転売が一一一万一、○五九台(六三・九%)、」輸出が八、七八九台(一八・ 一%)、中古新規登録が八一○台(一・七%)、解体が五三八台(一・一%)、保有が一一一七四台(○・八%)、不明が 六万六、四九九台(一一一一・七%)、盗難が三七三台(○・八%)という数字が公表された。ではこの数字をどのよう 六万六、四九九台(一三・七%) に解釈すればよいのだろうか?

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以上、白リ法による新しいシステムが、既存の登録抹消システムと必ずしもリンクしておらず、その結果 不適 正処理の懸念のある台数が二六万台レベルにあることを指摘した。また、道路運送車両法第一六条第三項には、 三時抹消登録を受けた自動車の所有者は滅失・解体・用途の廃止を知った時から一五日以内に届けなければなら ない」と規定され、また同法第二○条第三項には、これを怠った場合三○万円以下の罰金が科せられるというが、 そのような罰金を払わされたケースを筆者は一度も耳にしたことはない。要するに、二時抹消のままシステムを 無視して行われる不適正解体」に対する取り締まりは、ほとんどされていないのが現状なのである。 最後に調査方法について指摘したい。この調査は「大量保有者」をピックアップして調査されているが調査対象 の四五%強が新車ディーラー、一八%弱がリース業者であり、前述した日本ELvリサイクル機構が精力的に調査 したオークション会場の割合は、わずか○・九三%に過ぎなかった。使用済自動車の流通構造が変化し、オークショ ンを介在したものが占める割合が急増している昨今、調査対象の拡大が求められ露幸い、経済産業省は二○○七 年度も対象を広げながら、調査を継続すると明言している。より精繊な粘り強い調査に期待したい。 なお、二○○七年七月の政府審議会では、二○○六年度に抹消され、再登録されていない車両台数約五一五万台 のうち、自リ法による新しい正規のルートで解体処理された台数が約三五七万台、中古車輸出が約一四四万台、中 古車流通の増加が約一二万台、そして盗難車等が約三万台であり、「見えないフロー」は徐々に縮小しているとの 車両には、改正前の永久抹消登録が一 六四九台の「不明」という回答であヲ 全体の約二五%にもなる。これほど全 明らかになった、ということである。 改正前の永久抹消登録が実施されていないと考えられることも問題であろう。さらに気になるのは六、 「不明」という回答である。そしてこの数字は未回答の八、○六○台と合わせれば、一万四、七○九台と 五%にもなる。これほど多くの疑わしい車両が「不明」であるという状態というのが、今回の調査では

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見解を示した(図1)。 ここで注目すべきは、これまで一度も公式資料で は登場しなかった「職権抹消」という用語とその三 ○万台という決して無視できない台数である。これ まで国土交通省からこの職権抹消に関するデータは ほとんど公表されることは無かった。また軽自動車 については普通車等の登録システムとは別の「届出」 制度を採用しており、様々な点で普通車とは違った 管理システムが採用されている。実は日本の登録抹 消システムには、依然として多くのブラック・ポッ (”) クスが存在するのである。

2,自動車リサイクルのトレンド 以上の大勢をかんがみて、筆者はビジネスとして のリサイクルのトレンドとして、以下の三つに注目 して考察してみたい。

図1

Fi裏ii霧万卜邇-F要i霧三Wii嚢iw霧i二’ 7,551万台563万台7,568万台 30万台

平成18年度に抹消され、再登録され 一夢

ていない車輌の台数

約515万台

平成17年度末の

保有台数 平成18年度の

新車販売台数 平成18年度末の

保有台数 平成18年度の

職権抹消台数画世

=llllllI蕊雲!←

①中古車輸出 (輸出抹消仮登録実綴)

約144万台

②使用済自動車 (引取報告件数)

約357万台

③中古車流通の増加 ④その他

約12万台約3万台 資料)産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクル

WG中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会自動車リサイクル専門委 員会第10回合同会議配布資料資料5経済産業省自動車課環境省 企画課リサイクル推進室「自動車リサイクル法における課題と対策」、54 ページ、2007年7月13日。

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自動車リサイクル法の施行状況について 211、シュレッダー処理黄金時代の到来? 遷 I九五%リサイクル率の達成は 変 の ポストシュレッダー処理の方向へ?用 空前の素材市況・スクラップ好景気を背景に、大手の噸 シュレッダー業者は、大規模な設備投資を進め、一方で拠 母材となる材料スクラップの確保に四苦八苦している。殉 「シュレッダー屋は好景気には、より多くの金属スク外 ラップを取り出そうと設備投資する。そしてダストの中川 から、いかにしてスクラップを取り出すかに腐心する。1 、ン ]方不景気時には、より多くの廃プラを取り出して、そと れも売れないかどうか苦心する。そしてダストの中から、蝋 売れそうな廃プラを分けて取り出し、少しでも処理しな柳 ければならないダストの量を削減しようと腐心する。」瀬 これはあるシュレッダー業者からの聞き取り調査で筆者一刀 が耳にした台詞である。図2は、スクラップ業者の業界ク ス 団体である日本鉄リサイクル工業会の提供による、関東鉄 地区のスクラップ価格・ASR処理ニストの変遷を示し2 たものである。一九九○年代後半から今世紀初頭には、図

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(出所)日本鉄リサイクルエ業会提供資料。

(注)SHRスクラップとはシュレッダースクラップを、SRとは自動車由来 以外のシュレッダーダストを意味する(2005年1月からの自動車リサイ ク法施行により、ダスト処理単価は2005年度よりSR処理費を示してい る。なお、2005年度原材料買値はリサイクル「券無し」と「券付き」の 種の価格が存在した)。

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(22)

論 説

クルシステム」( (四) 体化しなかった。

ところで、E帝 まさに深刻なスクラップ不況を、そしてここ一一、三年は空前の好景気を背後に、ざらには白リ法によるASRのメー カーによる引き取りという追い風をもらったシュレッダー業者は、「現在稼がなくていつ稼ぐか」といわんばかり の勢いである。もっとも最近は市況の良さから、母材たる使用済自動車や廃車ガラの奪い合いが顕著になり、競争 に敗れたシュレッダー業者の一部には休業する者も現れた。お隣の韓国では、二○○五年に七基あったシュレッダー が、一一○○七年七月現在、三基に減少してい肛唖)廃業したのは、日本から輸入した自動車由来のAプレ クラップ源の中心に位置づけていた業者であった。 目下シュレッダー処理は、国際的にもグローバルスタンダードになりつつある。付加価値の高い鉄スクラップを 取り出すには、シュレッダーは非常に良く出来た機械だからであろう(興味深いことに筆者のヒアリング調査では、 自リ法施行後には、シュレッダースクラップの市場評価も施行前に比べて高くなったとも聞く。)。 実際、‐一九九○年代後半に大々的に宣伝された〆ルセデスベンッとオーストリアの鉄鋼メーカー、フィストアル ピーネ社による、シュレッダー処理せずに、適切な事前処理後に廃車ガラを直接溶鉱炉に投入する「冶金的リサイ クルシステム」(白リ法の三一条認定の全部再資源化.全部利用とほぼ同じ概念と筆者は考えている。)は、全く具

ところで、EU指令で規定されている二○一五年までの九五%リサイクル率の達成に関しても、日本のASR問 題への対応に比べて、欧州各国ではいまひとつ切迫感を感じ取れない。そのような中、デポジットリフアンド制度 に基づいたオランダのARNによる自動車リサイクルシステムが、二○一五年の九五%リサイクル率の達成を目指 して大きな方針転換を図った。 オランダでは、乗用車を新車で購入する際に、一括して廃車処理料金を納入するARN方式と呼ばれるデポジッ

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(23)

ト制度の導入が一九九五年一月一日になされた。廃車処理料金は、一九九五年一月一日~一九九七年一一一月三一日血 一一五○ギルダー、一九九八年一月一日以降二五○ギルダー、二○○一年一月一日以降函四五ユーロ(九九・一七 ギルダー)である。なお、ARNとは「オランダ自動車リサイクル社」のことで、RAI(自動車メーカーおよび 輸入車業者協会)、STIBA(解体業者の業界団体)、BOCAG(ガラス業)、SVN(シュレッダー業者)、F OCWA(事故修理業者)の各業界団体によって一九九三年に使用済自動車の適正処理のために設立された団体で ある。オランダの特質は自国に自動車メーカーが一社しかなかったせいか(一九九六年以降zのどの言己の○日|社 である。)、メーカーに依存しない独自の自動車リサイクルシステムが構築されている点であり、結果として自動車 解体業者の発言力が比較的強い点である。 ARNは回収・リサイクルすべき特定部品及び材料を指定し、その解体処理のためのプレミアム(報奨金)を新 車購入時にユーザーから徴収したデポジットをファンドにして解体事業者に支払う。特定部品及び材料にはそれぞ れ解体された重量(塁、特定液体に関しては容量(リットル)に基づき支払われるプレミアム額が決まる(沼尻 到の一九九九年の調査によると、国の『○百三地域において一九九九年一月から一一○○○年一一一月までに解体業者 にプレミアムが支払われる部品・材料は、バッテリー、オイル、クーラント、ブレーキ液、タイヤ、タイヤチュー プ、ウレタンフォーム、ガラス、ウエザーストリップ、シートベルト、ココナツ繊維、ウィンドウォッシャー液、 プラスチックバンパー、ホールキャップ、リアコンランプ、グリル、燃料の一七品目であった。)。一台当たりの使 用済自動車におけるプレミアムの対象となる部品・材料の回収量は一九九五年~二○○○年の間に約一○%増加し、 その重量は乗用車一台当り約一○○蛇となった。この方式の採用により、解体業者がどのような部品を取り外し、 処理ルートに回したかが明白になるⅡより正確な「リサイクル率」のモニタリングが可能となった。その結果オラ

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二○○七年七月一日以降 ARNがプレミアムを保証する品目は七品目にまで減少し、さらに二○○九年以降、 オランダの自動車解体業者の役割は材料のリサイクルではなく、シュレッダー投入前に使用済自動車を「環境にや さしい廃棄物」にすることのみになるという。解体業者が回収する材料は、(1)液体、(2)バッテリー、(3) オイル・フィルター、(4)燃料タンク、(5)エアコンの冷媒の五品目だけとなる。なお、電気自動車とハイブリッ ド車については、上記に加え、(1)エアバッグ、(2)シートベルトファスナーが回収される。 らを残すことになる。 ンダでは、システムスタート直後すぐに八五%のリサイクル率が達成できた。 しかし解体業者は売れ筋の部品や、プレミアムに見合った材料は取り外して、ARNが用意した適正処理・リサ イクルルートに流したが、そうではない部品や素材に関しては責任を持つ必要は無かった。そのようなこともあっ てか、リサイクル率は八○%台後半で頭打ちとなり、九五%のリサイクル率の達成に関してこのシステムのままで は限界があるという認識にいたったのである。 その結果、ARNはこれまでの事前解体の徹底によるリサイクル率の向上から、ポストシュレッダー技術の開発 によって九五%のリサイクル率を達成する方針に大転換した。具体的にはドイツで開発された「ごミー匹○・ロ施設」 というASRリサイクル施設をARN自ら建設・運営し、ASRの適正リサイクルにより、九五%のリサイクル率 を達成しようというものである。ARNによれば、金属成分に関しては潜在需要があるのに対し、シュレッダーダ ストのリサイクルによって得ることが期待されるミネラル部分と樹脂部分の材料に関してはまだ買V手が見つかっ ていない段階である。ただし、ARNは買手の発掘に成功する確信があるとも述べている。この新施設によって、 オランダの解体業者はシュレッダー前に使用済自動車から多くの部品を回収する必要がなくなり、廃車ガラにそれ

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この、ポストシュレッダー技術は解体によるリサイクルよりもコストダウンを可能にすると期待されるため、オ ランダで乗用車が新規登録された際にユーザーに請求きれる廃車処理のためのデポジット額は、二○○七年一月一 日に四五ユーロから一五ユーロに値下げきれた。 このようにシュレッダー処理を前提とした「低コストでの」リサイクルシステムは、欧州諸国でも自動車リサイ クルの主流となりつつある。「低コストでのリサイクル」というのは、日本のリサイクルシステムに対するEU諸 国メーカー等からの大きな批判の一つである。確かに日本は自動車のみならず家電製品等のリサイクルの優等生な のだろうが、それを支えているのは、ユーザーから徴収するリサイクル料金や、メーカー等によるシステム運営の ための優秀な人材供給と巨額の資金なのである。 ところで、実のところARNが採用を予定している「『三‐辺○・口施設」が、きちんと稼動できるのか、また現在 販路開拓中のASR由来のミネラルや樹脂成分の市場需要があるのか、はなはだ不透明な点が多い。実際、二○○ 七年になっても、九五%のリサイクル率の達成とはどのように定義されるのか、具体的にどのような工程を経れば それが証明できるのか、EUでは何も決まっていないのである。 そして多くの使用済自動車予備軍が、日本からロシアへ、アラビアへ、世界各国へ流出しているのと同様に、ド イツやオランダから、中古車という名目で陸続きの東欧諸国へ、あるいは海路でアフリカ諸国や中東へ輸出される 現状で、EU指令に基づく九五%のリサイクル率を担保する適正処理システムがどのように展開されるのか、まだ まだ予見できないことばかりである。

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論 さらに、新しい自動車リサイクルシステムでは、電子マニフェストによってその使用済車の適正処理・リサイク ルが管理されることとなった。ここで注目すべき点は、これまで自動車リサイクルの事業を担っていた、既存の中 小零細の自動車解体業者等の「静脈セクター」には、いわゆる「インフォーマル・セクター」的な要素が強かった 212、処理・リサイクルの二極化 国内では「インフォーマルセクターのフォーマル化」を本格的に推進。国外へ流れた分は依然として不透明? 自動車リサイクルのトレンド。もう一つのキーワードは「二極化」である。 白リ法施行当初、いわゆる「消えた一○○万台問題」が業界内で懸かれたことを117で紹介した。「リサイク ル料金」の負担や、当時は目新しく「慣れていない」電子マニフェストの運用の面倒さも手伝って、新制度による 処理がなかなか進まず、いわゆる「消えた一○○万台問題」が注目を浴びた。(「リサイクル料金」に関しては、二 ○○五年一月以降は新車購入時もしくは車検時に、ユーザーから預託されることとなっている(前者を「新車時徴 収」と、後者を「車検時徴収」と呼ぶ。)が、この預託がされる前に使用済となる車に関しては、使用済車となる 時点で、最終所有者が負担することとなっていた(これを「排出時徴収」と呼ぶ。)。ゆえに法施行直後に新しいシ ステムで処理・リサイクルされた使用済自動車の場合は、ほとんどの場合リサイクル料金は「排出時徴収」によっ て集められたと考えられる。しかし、排出時に最終所有者にさらなる金銭的負担を求めることは、基本的に容易で はない。最終所有者が少しでも負担が少ない処理ルートを選ぶことは、合理的経済人としては当然であろう。(な お、日本の場合おおむね一一~三年経てば、すべてのクルマが車検を受けることになるので、このように最終所有者 が自ら所有するクルマが使用済となった場合に新たに「リサイクル料金」を負担する必要は原則的にはなくなるも のと考えられる。)

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という点である。筆者が一五年ほど前にある自動車解体業者にヒアリングしたときに、そこの社長が「この業界は 領収書のない商売をしているんだよ。」と語ってくれたことは何よりも印象に残っている。しかし、新しいシステ ムでは、その解体業者が取り扱った使用済自動車の台数が下一桁単位で分かるようになり、エァバッグ等の適正処 理がされているかどうかを中心に、メーカー等の関与を受けざるをえなくなった。その意味では「税金のごまかし」 はもちろん出来なくなり、よりコンプライアンスが求められるようになったのである。 白リ法では、政府、メーカー、リサイクル業者、そしてユーザーそれぞれの関係経済主体に、適正処理・リサイ クルを担保するために、新たな責任を課すこととなった。その中でもメーカー等には、ASR・フロン類・エアバッ グ類のいわゆる「指定三品目」引取りとその適正処理・リサイクル、ならびに使用済自動車の不法処理を防ぐため、 それがASRとなり最終的に適正処理されるまでのプロセスを電子マニフェストの運営等を通じて管理する責務が 生じた。いわゆる「トレーサピリティの確保」をメーカー等に課したのである。しかし、家リ法のシステムと違い、 自動車メーカー等は、実際のリサイクルの現場を運営することが保障されていない。ビジネスとしての自動車リサ イクルは、既得権益を持った解体業者やシュレッダー業者の「静脈セクター」が粛々と行っていたからである。よっ てへメーカー等が「指定三品目」の適正処理・リサイクルを課せられたとしても、その具体的な工程には、解体業 者やシュレッダー業者といったメーカー等とは全く違う経済主体の協力がどうしても必要となる。しかし、解体業 者によるフロン類の大気放散やシュレッダー業者によるASRの不法投棄などが生じたとしたら、その責任を負う のはメーカー等となる。このため、メーカー等は「静脈セクター」を管理せざるをえなくなったのである。その結 果メーカー等は「静脈セクター」に、適正処理・リサイクルを行ったことの証明を求めるようになってきた。その 意味では「コンブライアンス」が自動車リサイクルの一つのキーワードとなっている。そしてこのようなヨンプ

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説 イアンス」

いだろう。 論 》釘しハシマ 新しいシステムによって、国内での適正処理・リサイクルはASRを中心に、少なからず問題を内包しつつも進 んでいる。しかし白リ法は国内法であるので、その施行をきっかけに増加している輸出中古車が、かの地で使用済 みになった後の適正処理・リサイクルには全く対応ができない。自リ法の審議段階で、環境省の担当者は「輸出先 での適正処理を期待するしかない。」とコメントするにとどまっていた。この点は使用済家電(電子・電気機器) が途上国へと流出し、いわゆる①‐ゴロの訂という名前で、健康・安全・環境面への配慮がほとんどなされずに解体処 理されていることが社会問題視されているこ齢ど、極めて対照的な現象である。 「徹底的な人海戦術を用いた使用済家電や廃プラなどのリサイクルエ場が、中国の沿岸部やベトナムの中国国境地 帯などに散見きれるが、自動車を扱ったリサイクルエ場の存在を筆者はまだ一つも確認していないのである。貴重 な生活手段となった自動車は輸出先で幾度と無く修理が繰り返され、東南アジア諸国への輸出の場合は、年を経る につれ内陸地などの交通へき地に送られて使用きれ、最終的には動かなくなってもエンジンやモーターは別の用途 に使用されつつ最期を迎えているからなのかもしれない。そのような貴重な自動車に関して、放棄車両問題等の豊 かな社会ならではの問題を抱えている先進国の事情で始まったリサイクルシステムⅡ「拡大生産者責任制度」をそ のまま導入することは、当地の人間にとって、とくにインフォーマルセクターの当事者の方々にとってはそれこそ 「要らぬお世話」なのかもしれない。換言すれば、ビジネスとしてのリサイクルにおいて、拡大生産者責任の美名 の下、インフォーマルセクターのフォーマル化を本格的に始めようとしたのは、日本が唯一の存在なのかもしれな

し。

を求められる静脈セクターにとって、もはやインフォーマルな状態に留まることは容易なことではな

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筆者が自動車リサイクルのトレンドとして指摘する「二極化」というのは、まさにこの状態を示すものである。 すなわち日本国内では「循環型社会」(この用語は日本でしか通じない概念であなようだ。)構築のため、コンブラ イアンスを要求するフォーマルな処理・リサイクルが、メーカー主導で進みつつある(そのための費用の一部はリ サイクル料金の美名の下、ユーザーから徴収される。)。一方、相当数の使用済車が中古車として海外へ流出し、流 出後の行程に関するメーカー等の関与は、白リ法による新しいシステムでは避けたのである。これでは、地球規模 の「持続可能な社会」の構築への貢献は難しいであろう。 なお自動車ではないがP廃プラスチックや①,ミロの詰等の循環資源の「国際資源循環」に関して日本では、小泉首 相時代に三Rイニシアティブを提唱するなどの新たな取り組みが始まっている。途上国での低賃金労働力は、労働 集約型のリサイクルビジネスにとって、まさに比較優位を持っている。このため循環資源の日本から中国やベトナ ムなど途上国への輸出が、急速に進んでいるのである。一方、これまで廃棄物予備軍でもある循環資源の国際移動 に関しては、リサイクルを装った医療廃棄物の不適正な輸出等が散見された。日本の一業者から中国へ向けて不適 切な廃プラスチックの輸出が摘発されたとき、連座的に日本からのすべての廃プラ輸出がストップしたことがある。 そこで透明性のある循環資源の国際移動を担保するために、やはり「トレーサピリティの確保」の重視と「説明責 任」を確保するシステムが日本から提案されている。しかし、依然として多くのインフォーマルセクターが、実際 のリサイクルに携わっている海外諸国において、どのような意味で「トレーサピリティの確保」が期待されるのか、 依然として不透明である。そしていかなる規模・システムの下でのリサイクルの国際分業が、もっとも経済的に、 そして環境的に効率的なのかに関する議論もまだ始まってもいないのである。

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日本経済を支える技術の結晶が、その主産品である自動車に集約している。そしてこの自動車の動きを制御する コンピュータや排ガス発生を抑制する触媒等には、白金やパラジウム、タンタル等のいわゆるレァメタルと呼ばれ る希少金属がかなりの割合で使用されている。カーナピの液晶にもインジウムと呼ばれるレァメタルが使用されて いる。このような希少金属は、自動車の足回り部材や鋼板などにも少なからず使用されているという。 重要なポイントは、このレアメタルの国際相場がこの一一、三年急騰していること、そしてその産出国がロシア・ 中国・南アフリカの三カ国に偏在していることである。経済産業省等の調査によると、その国家備蓄は一一一○日程度 しかないということであるが、このレアメタルは、日本の基幹産業であるITには不可欠な原材料であることから も、もはや海外からの輸入に頼らずに、国内でのレアメタルの回収・リサイクルを本格的に進めなければならない (蛇) という意見が徐々にではあるが散見されるようになってきた。 そのような意味からも、希少金属を多く含む部材を、手解体で回収。取り外す手法に対する評価をもう一度見直 すべき時点にあるのかもしれない。いわゆる一三条認定(シュレッダー処理を行わない精級な解体)は当初ASR を発生させないという点でのメリットが強調されていたのであるが、レァメタルを中心とする資源の有効利用とい う観点からも、再考の余地があると思われる。(その推進のためには、どの部材にどのような種類の素材が含まれ ているのかという情報公開が不可欠であるが、メーカー等によるその種の情報公開にはまだ厚い壁が存在している。) (則) 当てた素材Ⅶリサイクルである。 213、宝のヤマELv希少資源の流出を防げ 自動車リサイクルの現場では、ELvの発生台数の減少による収入不足を解消しようと、解体業者は一台あたり の付加価値を高めるために様々な工夫をしている。そのなかでも注目すべき動きは、レァメタル等にターゲットを

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