品質上昇型プロダクト・サイクルモデルにおける 定常状態の安定性に関する分析
−模倣活動が外生的で追従者が非効率的なケース− ∗
清水 隆則
1 はじめに
TRIPs
協定(Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights)
に より、WTO
加盟国であれば発展途上国も知的所有権保護に関する最低限の水準を維持するこ とが要求される。一般的に、発展途上国は先進国と比べて地積所有権保護の水準が低いと考え られる。したがって、発展途上国は知的所有権保護の水準を大幅に引き上げる必要がある。こ のため、発展途上国における知的所有権保護強化がイノベーション、技術移転、先進国と発展 途上国の相対所得などに与える影響を分析することにより、発展途上国における知的所有権保 護強化が本当に望ましいかについて、多くの理論的研究が行われている。その中でも本稿はGrossman and Helpman (1991, Ch. 11, 12)
に代表される、Vernon (1966)
のプロダクト・サ イクル理論をモデル化したプロダクト・サイクルモデルに焦点を当てる。プロダクト・サイク ルモデルは、イノベーションが新しい製品の誕生という形で現れるバラエティ拡大型モデルと、既存の製品の品質の向上という形で現れる品質上昇型モデルの二つに分けられる。前者には、
Helpman (1993)
、Lai (1998)
、Arnold (2002)
、Mondal and Gupta (2008)
、Ikeshita (2009)
、Okawa (2010)
、Gustafsson and Segerstrom (2010)
、Gustafsson and Segerstrom (2011)
、Branstetter and Saggi (2011)
等がある。後者には、Yang and Maskus (2001)
、Glass and Saggi (2002)
、Glass (2004)
、Glass and Wu (2007)
、Tanaka et al. (2007)
、Parello (2008)
、Dinopoulos and Segerstrom (2010)
、Iwaisako et al. (2011)
等がある。その中でも、本稿はGlass and Wu (2007)
における非効率的な追従者のケースにおける定常状態の安定性を分析∗本稿は平成23年度兵庫県立大学特別教育研究助成金による研究成果の一部である。また、本稿は兵庫県立大 学政策科学研究所Discussion Paper No. 50の内容を一部修正したものである。
する*1*2。
Glass and Wu (2007)
は模倣が外生的なケースにおいて、発展途上国における知的 所有権保護の緩和(模倣率の上昇)がイノベーションや海外直接投資、南北の相対所得にどの ような影響を与えるかについて、(i)
海外直接投資が存在する場合と存在しない場合、(ii)
追 従者によるイノベーションが行われる場合と行われない場合に分けて包括的な分析を行ってい る。しかし、定常状態の安定性についてはAppendix A.2
において安定性についての言及はあ るが、安定性のフォーマルな分析はされていない。品質上昇型プロダクト・サイクルモデルの多くが定常状態の安定性については確認してい ない。上であげた既存研究において、定常状態の安定性を確認しているのは、
Tanaka et al.
(2007)
およびIwaisako et al. (2011)
である。このうち、Yang and Maskus (2001)
の定常状 態が不安定であるということはTanaka et al. (2007)
によって指摘されている。また、プロダ クト・サイクルモデルではないが、Rivela-Batiz and Romer (1991)
が展開しているモデルの うちの一つの定常状態が不安定であるということがDevereux and Lapham (1994)
によって 示されている。したがって、これまでの既存研究の定常状態の安定性を再検討することは重要 な研究課題であると考える。本稿の構成は以下の通りである。
2
節ではモデルの設定を説明する。3
節では生産移転の経 路が海外直接投資の時に定常状態が不安定であることを示す。4
節では、生産移転の経路が模 倣であるときに定常状態は安定的であることを示す。5
節では生産移転の経路が海外直接投資 の時と模倣の時で、動学的安定性の性質になぜこのような対照的な違いが生じるかを図を用い て説明する。6
節では生産移転の経路が海外調節投資と模倣の両方の場合には定常状態は不安 定となることを示す。7
節では海外直接投資にコストがかかる場合にも定常状態は不安定とな ることを示す。8
節では、まとめとして結論と今後の課題を述べる。2 モデル
経済は北(先進地域)と南(発展途上地域)の
2
地域から成る。各地域の消費者は品質で差 別化された製品を消費する。北の企業のみが製品の品質を上昇させるイノベーション活動を行 うことができる。南の企業はイノベーションを行うことはできず、模倣によって生産方法を習 得するのみである。イノベーション活動を行う主体は先導者と追従者に分けられる。前者は製 品開発に成功し最先端の製品を生産している企業である。後者はそれ以外である。技術のスピ ルオーバーが非常に限られているなどの理由により追従者は先導者に比べて研究開発の生産 性が非常に低く、先導者のみがイノベーション活動を行うと仮定する(非効率的な追従者の*1ここでの安定性は鞍点安定性で特徴付けられる。鞍点安定性とは負の実部を持つ固有値の数と状態変数の数が 一致するということである。詳しくは下村(2004)参照。
*2効率的な追従者のケースにおける安定性の分析は、清水(2012b)において行われている。
ケース)*3。さらに、品質の上昇幅は十分大きく、先導者が自らの製品を改良することはない とする。したがって、先導者はその製品が南の企業によって模倣されるまでは製品改良を行わ ない。
北から南への生産移転の経路は二つ存在する。一つは海外直接投資を通じた生産移転であ る。イノベーションに成功した企業(先導者)は海外直接投資によって生産を南に移転するこ とができる。南では北よりも低い労働コストで生産することができ、さらに海外直接投資にコ ストはかからない。しかしながら、製品を模倣されるというリスクに直面することになる。こ のような形で、海外直接投資によって南に生産を移転した多国籍企業の製品が南の企業に模倣 されるというというのが一つ目の生産移転の経路である。二つ目は南の企業が北の企業の製品 を直接模倣することによって起こる生産移転である。以下では一つ目の生産移転を海外直接投 資による生産移転、二つ目を模倣による生産移転と呼ぶ。現実には両者の生産移転が同時に起 こっていると考えられるが、分析を簡単にするためにどちらか一方のみの生産移転が起こって いるとする*4。
3 生産移転の経路が海外直接投資のケース
最初に北から南への生産移転の経路が海外直接投資のケースについて見ていくことにする。
これは
Glass and Wu (2007)
の2
節、3
節で展開されているモデルである。このケースをベ ンチマークモデルとする。最初に消費者の最適化問題を描写する。地域
i(= N, S)
の代表的消費者は以下の以下の生涯 効用を最大化するように行動する(N
は北、S
は南を表す)。U
it=
∫
∞t
e
−ρ(τ−t)ln u
iτdτ (1)
消費者が直面する異時点間の予算制約は以下の通りである。∫
∞t
e
−(Rτ−Rt)E
iτdτ =
∫
∞t
e
−(Rτ−Rt)w
iτdτ + A
it(2)
ここで、ρ, E
it, w
it, A
itはそれぞれ主観的割引率、支出、賃金率、資産保有である。R
t≡
∫
t0
r(s)ds
は0
期からt
期までの累積的利子率で、dR
t/dt = r
tはt
期の利子率を表す。瞬時的 効用は以下のように特定化される。ln u
it=
∫
1 0ln ∑
m
λ
mx
imt(j)dj (3)
*3Glass and Saggi (2002)においても同様の仮定がなされている。
*4海外直接投資による生産移転と模倣による生産移転を同時に考慮したモデルは、Glass and Saggi (2002)お よびLai (1998)Appendix Eによって構築されている。ただし、Lai (1998)はバラエティ拡大型モデルであ る。本稿の6節においても両方の経路を考慮したケースが分析されている。
ここで、
λ(> 1)
はイノベーションによる品質の上昇幅(新しい世代の製品の品質が前世代の 製品に比べてどれだけ品質が高いか)、x
imt(j)
はt
期における地域i
の住民による品質m
のj
財の消費量である。地域i
の消費者による時点t
の支出水準E
itは以下のようになる。E
it=
∫
1 0E
it(j)dj =
∫
1 0[ ∑
m
p
mt(j)x
imt(j) ]
dj (4)
p
mt(j)
は品質m
のj
財のt
期における価格である。関税障壁等は存在しないのでj
財の価格 は両地域で等しい。消費者の最適化行動により(
詳細は清水(2012b)
参照)
、j
財への需要関数 は以下のようになる。x
mt(j) = {
E
t/p
mt(j) for m = ˜ m
t(j)
0
その他(5)
ここで、
E
tは経済全体の支出水準、m ˜
は品質で調整した価格が最も低い品質水準を表す。ま た、異時点間の最適条件は以下のようになる。E ˙
t/E
t= r
t− ρ (6)
ここで、
r
tは利子率、ρ
は割引率を表す。ドット付きの変数は時間に関して微分したことを表 す。例えば、E ˙
t= dE
t/dt
である。動学分析を容易にするために、
E
t= 1
と基準化する*5。支出水準の基準化により、消費者 の需要関数(5)
は以下のように書き換えられる。x
mt(j) = {
1/p
mt(j) for m = ˜ m
t(j)
0
その他(7)
また、
(6)
は以下のように書き換えられる。r
t= ρ (8)
次に、企業の研究開発活動を考える。北の企業が
dt
の期間にa
Nι
N t単位の労働をイノベー ション活動に投入すると、ι
N tdt
の確率で成功するとする。したがって、w
N ta
Nι
N tdt
の労働 コストがかかり、v
N tι
N tdt
の期待収益が得られることになる。ここで、v
N tはイノベーション 活動に成功することによって得られる収益であり、北の企業価値である。このとき、イノベー ション活動への参入自由条件は以下のようになる。v
N t≤ w
N ta
Nι
N t> 0
のときのみ等号で成立(9)
*5Grossman and Helpman (1991, Ch. 12), Tanaka et al. (2007), Iwaisako et al. (2011)でも同様の基準 化をしている。一方で、Glass and Wu (2007)では南の賃金率wSt= 1と基準化している。
したがって、イノベーション活動が行われる均衡を考えると、以下が成立しなければならない。
v
N t= w
N ta
N(10)
海外直接投資には費用はかからない*6。
dt
の期間に先導者がϕ
F tdt
の集約度で生産移転活 動に従事すると、ϕ
F tdt
の確率で生産移転に成功するとする。ϕ
F tが有限となるためには以下 が成立する必要がある。v
F t− v
N t≤ 0 ϕ
F t> 0
のときのみ等号で成立(11)
海外直接投資が行われる均衡では以下が成立する必要がある。v
N t= v
F t(12)
v
F tは多国籍企業の企業価値である。(12)
よりv
N tとv
F tは等しいので、この共通の企業価 値をv
tとする。次に、資本市場の裁定条件を説明する。
dt
の期間において、北の企業の株式の保有者はπ
N tdt
の配当と、v ˙
N tdt
のキャピタルゲインを得る。ここで、π
N tは北の企業の利潤である。従って、北の企業の発行する株式と安全資産の両方が保有されるためには、以下の裁定条件が 成立する必要がある*7。
π
N t+ ˙ v
N t= ρv
N t(13)
ここで、支出水準の基準化により、利子率r
tは割引率ρ
に等しくなっている((8)
式を参照)。多国籍企業の株式の保有者は
dt
の期間においてπ
F tdt
の配当とv ˙
F tdt
のキャピタルゲイン を得る。ここでπ
F tは多国籍企業の利潤である。一方で、多国籍企業の製品が模倣されてしま うと株式の価値が0
になってしまうので、v
F tのキャピタルロスを被る。その確率をM dt
と する。M
は模倣活動の集約度であり外生変数として扱われる*8。したがって、多国籍企業の 株式と安全資産の間の裁定条件は以下のようになる。π
F t+ ˙ v
F t− M v
F t= ρv
F t(14)
イノベーションに成功した北の企業はp
N t= λw
Stの価格を設定し*9、そのときの需要量は*6Lai (1998)、Mondal and Gupta (2008)、Branstetter and Saggi (2011)およびIwaisako et al. (2011) でも同様の仮定がなされている。
*7実際にはπN t+ ˙vN t+ϕF t(vF t−vN t) =ρvN tとなる。(12)を考慮に入れると、これは(13)に等しくな る。
*8Helpman (1993)、Lai (1998)、Glass (2004)、Dinopoulos and Segerstrom (2010)およびGustafsson and Segerstrom (2011)でも同様の仮定がなされている。
*9イノベーションに成功した北の企業は、自らが生産しようとしている製品よりも1段階低い品質の製品を生産 している南の企業を意識して価格付けをする。南の企業が限界費用wSに等しい価格付けをしているとき、北 の企業がλwSの価格を設定すると消費者は北の企業が発明した最先端の製品と南の企業が生産している1世 代前の製品の購入に関して無差別になる。産業内の代替の弾力性は無限大であるので、北の企業はλwSより もわずかに低い価格をつけることによって全ての需要を獲得し、1世代前の製品を生産している南の企業を市 場から排除することができる。このような価格付けをリミットプライシングと呼ぶ。
(7)
よりx
N t= 1/λw
St となる。λ(> 1)
はイノベーションによる品質の上昇幅である。一方 で、限界費用はc
N t= w
N tとなる。したがって、北の企業の利潤は以下のようになる。π
N t= (p
N t− c
N t)x
N t= 1 − w
N tλw
St= 1 − δ w
N tw
St(15)
ここで、記号の簡略化のためにδ ≡ 1/λ
としている。次に南に生産を移転した多国籍企業の 利潤についてみていく。多国籍企業は南の企業を意識して価格付けをするので、価格は生産 移転する前と同じλw
St であるが、限界費用は南で生産するためにw
Stとなる。したがって、p
F t= λw
St, x
F t= 1/λw
St, c
F t= w
Stであるので、南に生産を移転した多国籍企業の利潤は 以下のようになる。π
F t= 1 − 1
λ = 1 − δ (16)
n
N tで北の企業によって北で生産されている財の数、n
F tで多国籍企業数によって南で生産 されている財の数、n
Stで南の企業により南で生産されている財の数を表すとする。産業の合 計数は1
であるので以下が成立する。n
N t+ n
F t+ n
St= 1 (17) n
Stはdt
の期間においてM n
F tdt
増加し、同時にι
N tn
Stdt
減少するので、n
Stの動学式は 以下のようになる(Glass and Wu (2007)p. 413
参照)。˙
n
S= M n
F− ι
Nn
S(18)
最後に、各地域の労働市場均衡条件を説明する。
L
iで地域i
の労働供給量を表し、一定とす る。品質に関わらず、1
単位の財の生産には1
単位の労働が必要である。すると、北の労働市 場均衡条件は以下のようになる。L
N= a
Nι
N tn
St+ n
N tλw
St(19)
右辺第1
項はイノベーション活動への労働需要、右辺第2
項は生産活動への労働需要である。南の労働市場均衡条件は以下のようになる。
L
S= n
F tλw
S+ n
Stw
S(20)
右辺第1
項は多国籍企業の生産活動への労働需要、右辺第2
項は南の企業の生産活動への労働 需要である。以上でモデルの描写は完了したので、以下ではシステムの動学的安定性を分析することにす る。
(12)
および(16)
を(14)
に代入して、以下の微分方程式を得る。˙
v
t= (ρ + M )v
t− (1 − δ) (21)
これを図に描いたものが図
1
である。v ˙
tは傾き(ρ + M )
、切片− (1 − δ)
の直線となる。v ˙
tと 横軸の交点ではv ˙
t= 0
となり、v
tの定常値である。この値をv
とすると、以下のようになる。v = 1 − δ
ρ + M (22)
v
の右側では、v ˙
t> 0
であり、v
tは増加し続ける。逆にv
の左側ではv ˙
t< 0
であり、v
tは減 少し続ける。したがって、この定常状態は不安定であり、v
tの初期値がv
でない限りは時間の 経過とともに定常値から離れていくことになる。v
tは操作変数であるので、v
tは初期時点でv
にジャンプし、そこにとどまり続けることになる。したがって、v
tは初期時点から常に一定 であるとして分析することができる。このとき、(10)
および(22)
よりw
N tも一定となる。w
N= v a
N= 1 − δ
a
N(ρ + M ) (23)
さらに、
(10)
、(13)
、(15)
および(23)
よりw
Stも一定となる。w
S= δ(1 − δ)
a
N(M + ρδ) (24)
(20)
を以下のように書き換える。n
F t= w
Sδ L
S− n
Stδ (25)
(24)
を(25)
に代入して、以下を得る。n
F t= (1 − δ)L
Sa
N(M + ρδ) − n
Stδ (26)
(17)
を用いて(19)
を以下のように書き換える。ι
N tn
St= L
Na
N− δ(1 − n
St− n
F t)
a
Nw
S(27)
(24)
および(26)
を(27)
に代入して、以下を得る。ι
N tn
St= L
N+ L
Sa
N− M + ρδ
1 − δ − M + ρδ
δ n
St(28)
(26)
および(28)
を(18)
に代入して、n
Stの微分方程式を得る。˙
n
St= ρn
St− (1 − δ)[M (L
N+ δL
S) + ρδ(L
N+ L
S)] − a
N(M + δρ)
2a
N(1 − δ)(M + δρ) (29)
先ほどの
v
tの場合と同様に、定常値n
Sは不安定であるが、n
Stは状態変数であるので、初期 値を選ぶことができない。したがって、海外直接投資が存在し、追従者が非効率的な場合は定 常状態は不安定である。v
t˙ v
tv
− (1 − δ)
図1
4 生産移転の経路が模倣のケース
前節までの分析で、海外直接投資が存在するときには定常状態が不安定となることがわかっ た。そこで、海外直接投資が存在しないときにこの結果がどのように変わるかを検討すること にする。このケースでは、多国籍企業の製品ではなく、北の企業の製品が直接模倣されること になる。これは
Glass and Wu (2007)
の4
節で展開されているモデルである。多国籍企業は存在しないので、
(17)
は以下のように変更される。n
N t+ n
St= 1 (30)
北の企業が模倣のリスクにさらされることになるので、北の企業の株式と安全資産の間の裁 定条件
(13)
は以下のように変更される。π
N t+ ˙ v
N t− M v
N t= ρv
N t(31)
南の労働市場均衡条件(20)
は以下のように変更される。L
S= n
Stw
St(32)
北の企業の製品が模倣の対象となるので、n
S の動学式(18)
は以下で置き換えられる。˙
n
St= M n
N t− ι
N tn
St(33)
(10)
および(32)
を(15)
に代入して、北の企業の利潤を以下のように表すことができる。π
N t= 1 − L
Sa
Nv
N tn
Stδ (34)
(30)
および(32)
を(19)
に代入して、以下を得る。ι
N tn
St= L
Na
N− 1 − n
Stn
StL
Sa
Nδ (35)
(35)
を(33)
に代入して、n
Stの微分方程式を得る。˙
n
St= M (1 − n
St) − L
Na
N+ 1 − n
Stn
StL
Sa
Nδ (36)
(34)
を(31)
に代入して、v
N の微分方程式を得る。˙
v
N t= (ρ + M )v
N t− (
1 − L
Sa
Nv
N tn
Stδ )
(37)
動学システムは(36)
および(37)
で表される。n
Stは状態変数、v
N tは操作変数である。定常 状態の近傍で線形近似することにより以下を得る。( n ˙
St˙ v
N t)
=
( b
110 b
21b
22) ( n
St− n
Sv
N t− v
N)
(38)
したがって、固有値はb
11< 0
とb
22> 0
の二つになり、定常状態は鞍点安定的である。4.1
比較定常状態分析生産移転の経路が海外直接投資のケースでは、定常状態は不安定であるので、生産移転の経 路が模倣であるケースにおいて、
M
の上昇がイノベーションや南北の相対賃金などに与える 効果の比較定常状態分析を行う。イノベーションの指標として、ι ≡ ι
Nn
S を総イノベーショ ン率とする。定常状態では(33)
よりι = M n
N となるので、n
N およびn
S を以下のように表 すことができる。n
N= ι
M , n
S= 1 − n
N= M − ι
M (39)
(32)
および(39)
を(19)
に代入して、a
Nι + διL
SM − ι − L
N= 0 (40)
この式は内生変数に
ι
のみを含むので、この式を用いて外生変数M
の上昇がι
に与える効果 を求めることができる。(40)
より、M
の上昇は総イノベーション率を増加させる。∂ι
∂M = ιδ
M [a
N(M − ι)w
S+ δ] > 0 (41)
ι w
Nw
Sn
Nn
SM ↑ ↑ ↓ ↑ ↓ ↑
表1 分析結果:生産移転の経路が模倣のみのケース
したがって、
(39)
より、北が生産する財の数は減少する。∂n
N∂M = ∂
∂M ( ι
M )
= 1 M
( ∂ι
∂M − ι M
)
< 0 (42)
n
S= 1 − n
N より、南が生産する財の数は増加する。∂n
S∂M > 0 (43)
w
S= n
S/L
S より、南の賃金率は上昇する。∂w
S∂M > 0 (44)
最後に、北の賃金率
w
N に与える効果を求める。(10)
、(15)
、(32)
および(39)
を(31)
に代入 して、以下を得る。w
N[ δ M L
SM − ι + a
N(ρ + M ) ]
= 1 (45)
ここで
(41)
を用いて∂
∂M [
δ M L
SM − ι + a
N(ρ + M ) ]
= a
Na
N(M − ι)w
S+ n
Sδ
a
N(M − ι)w
S+ δ > 0 (46)
であるので、M
の上昇により北の賃金率は減少する。∂w
N∂M < 0 (47)
分析結果は、表
1
にまとめられる。この結果の直感的な説明は以下の通りである。M
の上昇 により南がより多くの財を生産するようになり、財の生産のための労働需要が増大する。その ため、南の賃金率が上昇する。一方で北では生産する財の数が減少し生産活動のために必要な 労働量が減少する。余った労働はイノベーション活動に投入されることになり、総イノベー ション率が増加する。また、労働が生産活動からイノベーション活動に移動する過程において 北の賃金率は減少する。5 図による説明
これまでの分析により、生産移転の経路が海外直接投資である場合には定常状態は不安定 で、生産移転の経路が模倣の場合には定常状態は安定的となることがわかったが、動学的安定 性について何故このような対照的な結果が得られるかについて検討することにする。そのため に
n
S の動学に注目することにする。n
Stは模倣によって増加し、イノベーションによって減 少するので、n
Sを動学式を一般的に以下のように表すことができる。˙
n
St= γ
t− ι
t(48)
ここで
γ
tは総模倣率、ι
tは総イノベーション率である。総イノベーション率は製品改良が起 こる確率にイノベーションの対象となる製品数をかけたものと定義され、ι
t= ι
N tn
Stとなる。生産移転の経路が海外直接投資の場合の
ι
tは(28)
で、生産移転の経路が模倣の場合のι
tは(35)
で与えられる。一方で総模倣率は模倣が起こる確率に模倣の対象となる製品数をかけた ものと定義され、生産移転の経路が海外直接投資の場合はγ = M n
F、生産移転の経路が模倣 の場合はγ
t= M n
N t= M (1 − n
St)
となる。生産移転が海外直接投資の場合のγ
tは(26)
よ り求めることができる。横軸に
n
Stをとってγ
tとι
tを描いたのが図2
、3
になる。生産移転の経路が海外直接投資 の場合はγ
tもι
tも右下がりとなる。これは次のように直感的に理解することができる。n
Stの増加は
n
F tの減少をもたらす。従って、γ
t= M n
F tは減少する。一方n
F tの減少は海外調 節投資の受け皿の減少を意味し、海外直接投資が減少し、北ではより多くの製品を地域内で生 産することになる。このため、イノベーション活動に配分できる労働量が減少し、イノベー ションが減少する。生産移転の経路が模倣の場合は
γ
tは右下がりで、一方ι
tは右上がりである。これは次のよ うに説明することができる。n
Stの増加はn
N tの減少を意味する。このためγ
t= M n
N tは 減少する。n
N tの減少により、北では地域内で生産する製品の種類が減少し、生産活動に投入 する労働量が減少する。その結果イノベーション活動に配分できる労働量が増加し、イノベー ションが増加する。図
2
と図3
の大きな違いはι
t曲線が生産移転の経路が海外直接投資の時は右下がりで、生 産移転の経路が模倣の時には右上がりとなっていることである。このために動学的安定性に大 きな違いをもたらしていると考えられる。γ
t, ι
tn
Stι
tγ
tn
S図2 生産移転の経路が海外直接投資のケース
6 生産移転の経路が海外直接投資と模倣の両方のケース
これまでの分析で、生産移転の経路が海外直接投資の場合には定常状態は不安定となり、生 産移転の経路が模倣の場合には定常状態は安定的となることがわかった。それでは、両方の経 路が同時に存在するときに動学的安定性がどのように変わるかを検討することにする。この ケースは
Glass and Saggi (2002)
やLai (1998) Appendix E
で考察されている。北の企業の 株式と安全資産の間の裁定条件(13)
は以下のように変更される。ρv
N t= π
N t+ ˙ v
N t− ηM v
N t, 0 < η < 1 (49)
一方で、多国籍企業の株式と安全資産の間の裁定条件は(14)
のままである。パラメータη
は 多国籍企業の方が北の企業よりも高い模倣のリスクに直面するということを反映している。Glass and Saggi (2002)
やLai (1998)Appendix E
でも同様の想定がなされている。η = 0
の ときは3
節のモデルと同一になる。多国籍企業だけでなく北の企業も模倣の対象となるので、γ
t, ι
tn
Stγ
tn
Sι
t図3 生産移転の経路が模倣のケース
n
Stの動学式(18)
は以下のように変更される。˙
n
St= ηM n
N t+ M n
F t− ι
N tn
St= ηM (1 − n
St) + M (1 − η)n
F t− ι
N tn
St(50)
それ以外の条件式は3
節と同様である。(10)
、(12)
、(22)
および(49)
よりw
Stの定常値は 以下のように求まる。w
S= δ(1 − δ)
a
N[(1 − η)M + δ(ρ + ηM )] (51) (25)
、(27)
および(51)
を(50)
に代入してn
Stの微分方程式を得る。˙
n
St= ρn
St− (1 − δ) { δρ(L
N+ L
S) + M [(1 − η + δη)L
N+ δL
S] } − a
N(M + ρδ)Γ
a
N(1 − δ)Γ (52)
ここで、
Γ ≡ (1 − η)M + δ(ρ + ηM )
である。したがって、定常状態は不安定である。7 海外直接投資にコストがかかるケース
Glass and Wu (2007)
では海外直接投資にはコストはかからないと仮定していたが、海外直接投資にコストがかかる場合に動学的安定性の性質がどのように変わるかを見ていくことにす る。ここでは、海外直接投資には労働投入を必要とする。現実には北の労働と南の労働の両方 を必要とすると考えられるが、北の労働のみを必要とする場合と南の労働のみを必要とする場 合に分けて検討することにする。
7.1
海外直接投資に南の労働がが必要な場合最初に、海外直接投資に南の労働を投入するケースを考える。このような想定は
Glass and Saggi (2002)
、Dinopoulos and Segerstrom (2010)
およびGustafsson and Segerstrom (2011)
でもなされている。この変更によって(12)
および(20)
が修正される。(12)
は以下のように修正される。Glass and Saggi (2002)
に従い、海外直接投資はイノベー ション活動と同様のプロセスを仮定する。つまり、dt
の期間にa
Fϕ
F t単位の南の労働を生産 移転に投入することにより、ϕ
F tdt
の確率で生産移転に成功する。ここで、ϕ
F tは生産移転活 動の集約度である。つまり、w
Sa
Fϕ
F tdt
のコストをかけることにより、(v
F t− v
N t)ϕ
F tdt
の 期待収益が得られる。( − v
N t)
の部分は南で生産を開始することにより、北で生産して得られ る利潤をあきらめるために生じる機会費用を表す。v
F t− v
N t> w
Sta
F のとき全ての北の企 業が南に生産を移転してしまうので、北に残って生産する企業が存在するためには以下が成立 しなければならない。v
F t− v
N t≤ w
Sta
Fϕ
F t> 0
のときのみ等号で成立(53)
したがって、海外直接投資が行われるような均衡を考えると、以下が成立しなければならない。v
F t− v
N t= w
Sta
F(54)
一方で、(20)
は以下のように修正される。南では多国籍企業と南の企業の生産活動のため の労働需要に加えて海外直接投資のための労働需要が発生する。その量はa
Fϕ
F tn
N tである。したがって、南の労働市場均衡条件
(20)
は以下のようになる。L
S= a
Fϕ
F tn
N t+ n
F tλw
St+ n
Stw
St(55)
さらに、n
F tの動学式が新たに必要となる。n
F tはdt
の期間にϕ
F tn
N tdt
増加し、同時にM n
F tdt
減少するので、n
F tの動学式は以下のようになる。˙
n
F t= ϕ
F tn
N t− M n
F t(56)
それ以外の条件式については前節と同様である。(16)
を(14)
に代入して、v
F tの微分方程式を得る。˙
v
F t= (ρ + M )v
F t− (1 − δ) (57)
この微分方程式の定常状態は不安定であるので、
v
F tは初期時点で定常値v
F にジャンプしそ こに留まり続けることになる。v
F= 1 − δ
ρ + M (58)
(10)
および(54)
を(15)
に代入して、北の企業の利潤を以下のように表すことができる。π
N t= 1 − δ a
Fa
Nv
N tv
F− v
N t(59) (59)
を(13)
に代入して、v
N tに関する以下の微分方程式を得る。˙
v
N t= ρv
N t− (
1 − a
Fa
Nv
N tv
F− v
N tδ )
(60)
この微分方程式の解は不安定であるので、v
N tは初期時点で定常値v
N にジャンプしそこに留 まり続けることになる。v
N は以下の式から求められる。ρv
N= 1 − a
Fa
Nv
Nv
F− v
Nδ (61)
(54)
よりw
Stも一定値w
Sとなる。また、(10)
よりw
N tも一定となる。(55)
を書き換えることにより、以下を得る。ϕ
F tn
N t= L
Sa
F− δn
F t+ n
Sta
Fw
S(62)
(62)
を(56)
に代入して、n
Fの微分方程式は以下のようになる。˙
n
F t= L
Sa
F− δn
F t+ n
Sta
Fw
S− M n
F t(63)
(27)
を(18)
に代入して、n
Sの微分方程式は以下のようになる。˙
n
St= M n
F t− L
Na
N+ δ 1 − n
F t− n
Sta
Nw
S(64)
動学システムは(63)
および(64)
で表される。n
Stとn
F tはともに状態変数である。定常状態 の近傍で線形近似することにより以下を得る。( n ˙
F t˙ n
St)
=
( a
11a
12a
21a
22) ( n
F t− n
Fn
St− n
S)
(65)
ここで、a
11= − δ
a
Fw
S− M (66)
a
12= − 1
a
Fw
S(67)
a
21= M − δ a
Nw
S(68) a
22= − δ
a
Nw
S(69)
であるので、(65)
式の右辺の行列式(determinant)
は以下のようになる。det A = M (a
N+ δa
F)w
S∗− δ(1 − δ)
a
Na
F(w
S∗)
2(70)
ここで、
A
は(65)
式の右辺の2 × 2
の行列を表す。(54)
、(58)
および(61)
より、w
Sは以下 の関係式を満たす。ρ(ρ + M )a
Na
F(w
S)
2+ [M (a
N+ δa
F) + ρδ(a
N+ a
F)]w
S− δ(1 − δ) = 0 (71) (71)
を(70)
に代入して、(65)
式の右辺の行列式は負になることを示すことができる。det A = − ρ(ρ + M )a
Na
F(w
S)
2+ ρδ(a
N+ a
F)w
Sa
Na
F(w
S)
2< 0 (72)
したがって、行列式の符号は負であるので固有値の符号は(+, − )
となり、負の実部を持つ固 有値の数(1
個)
よりも状態変数の数(2
個)
の方が多いので、定常状態は不安定となる。7.2
海外直接投資に北の労働が必要な場合ここでは、海外直接投資に北の労働を必要とするケースについて考察する。バラエティ拡 大型モデルであるが、
Ikeshita (2009)
では海外直接投資に北の労働を必要とするとしている。この変更により
(12)
および(19)
が修正される。生産移転活動においては、w
Na
Fϕ
F tdt
のコ ストをかけることにより、(v
F t− v
N t)ϕ
F tdt
の期待収益が得られる。したがって、(12)
は以 下で置き換えられる。v
F− v
N= w
Na
F(73)
北の労働市場においてはイノベーション活動と生産活動への労働需要に加えて、生産移転活動 のための労働需要が新たに生じる。そのため、北の労働市場均衡条件
(19)
は以下で置き換え られる。L
N= a
Fϕ
F tn
N t+ a
Nι
N tn
St+ n
N t1 λw
St(74)
生産移転の経路が海外直接投資である他のケースと同様に、v
F t、v
N t、w
N tおよびw
Stは 初期時点より一定となる。(10)
および(58)
を(73)
に代入して、w
N tの定常値を以下のよう に求めることができる。w
N= 1 − δ
(a
N+ a
F)(ρ + M ) (75)
(10)
より、v
N tの定常値は以下のようになる。v
N= w
Na
N= a
Na
N+ a
F1 − δ
ρ + M (76)
(10)
、(13)
、(15)
および(75)
より、w
Stの定常値を以下のように求めることができる。w
S= δ(1 − δ)
a
N(δρ + M ) + a
F(ρ + M ) (77) w
S が一定であることに注意して(20)
を時間で微分して、以下を得る。δ n ˙
F t+ ˙ n
St= 0 (78)
(18)
および(56)
を(78)
に代入して、以下を得る。δϕ
F tn
N t+ (1 − δ)M n
F t− ι
N tn
St= 0 (79) (74)
および(79)
をι
Nn
Sとϕ
Fn
N について解くと、以下のようになる。ι
N tn
St= δL
N+ a
F(1 − δ)M n
F t− δ
2n
N t/w
Sa
F+ δa
N(80)
ϕ
F tn
N t= L
N− a
N(1 − δ)M n
F t− δn
N t/w
Sa
F+ δa
N(81)
(25)
、(77)
および(80)
を(18)
に代入して、n
Sに関する以下の微分方程式を得る。˙
n
St= ρn
St− δ a
F+ δa
N(1 − δ)[M (a
N+ a
F)(L
N+ δL
S) + ρ(δa
N+ a
F)(L
N+ L
S)] − Λ
2(1 − δ)Λ
(82)
ここで、表記の簡略化のため、Λ ≡ a
N(δρ + M ) + a
F(ρ + M )
としている。したがって、定 常状態は不安定である。本節の分析により海外直接投資に南の労働を投入する場合でも北の労働を投入する場合でも 定常状態は不安定となることがわかった。現実には海外直接投資を行うためには、北の労働と 南の労働の両方を必要すると考えられるが、その場合でも定常状態は不安定となると予想で きる。
8 結論と今後の課題
本稿は
Glass and Wu (2007)
の非効率的な追従者のケースについて安定性を分析し、生産移転の経路が海外直接投資を含む場合には定常状態が不安定となることを示した。したがっ て、生産移転の経路が海外直接投資であるケースにおける比較定常状態分析の結果は意味の無 いものである。この結果は海外直接投資にコストがかかるとした場合や海外直接投資と模倣の
両方が生産移転の経路である場合でも改善することができない。生産移転の経路が模倣のみの 場合には定常状態は安定的である。
今後の課題について述べる。本稿の分析では、生産移転の経路が海外直接投資である場合は 定常状態は不安定であり、その性質は海外直接投資にコストがかかる場合でも改善することは できなかった。生産移転の経路が海外直接投資である場合でも定常状態が安定的となるような 設定を考えることは今後の課題である。
Tanaka et al. (2007)
は、Yang and Maskus (2001)
のモデルにおいてライセンス契約に北の労働を投入する場合には定常状態は不安定であるが、南の労働を投入する場合には定常状態が鞍点安定的となることを示している。
また、本稿では、模倣活動が内生的であるケースについては扱っていない。模倣活動に労働 投入を必要とするという形で内生化することにより、
Glass and Saggi (2002)
やGrossman and Helpman (1991, Ch. 12)
で展開されているモデルの安定性についても分析できるように なるであろう*10。参考文献
Arnold, Lutz G. (2002) ‘On the growth effects of north-south trade: the role of labor market flexibility.’ Journal of International Economics 58, 451–466
Branstetter, Lee, and Kamal Saggi (2011) ‘Intellectual property rights, foreign direct investment, and industrial development.’ Economic Journal 121, 1161–1191
Devereux, M. B., and B. J. Lapham (1994) ‘The stability of economic integration and endogenous growth.’ Quarterly Journal of Economics 109(1), 299–305
Dinopoulos, Elias, and Paul S. Segerstrom (2010) ‘Intellectual property rights, multina- tional firms and economic growth.’ Journal of Development Economics 92, 13–27 Glass, Amy Jocelyn (2004) ‘Outsourcing under imperfect protection of intellectual prop-
erty.’ Review of International Economics 12(5), 867–884
Glass, Amy Jocelyn, and Kamal Saggi (2002) ‘Intellectual property rights and foreign direct investment.’ Journal of International Economics 56, 387–410
Glass, Amy Jocelyn, and Xiaodong Wu (2007) ‘Intellectual property rights and quality improvement.’ Journal of Development Economics 82, 393–415
Grossman, Gene M., and Elhanan Helpman (1991) Innovation and Growth in the Global Economy (Cambridge, MA: MIT Press)
*10清水(2012a)はGrossman and Helpman (1991, Ch. 12)のモデルの安定性を分析している。ただし、
Grossman and Helpman (1991, Ch. 12)とは異なり、先導者と追従者のイノベーションの集約度が等しい ケースを分析している。