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座談会 これからの病棟業務は いかにあるべきか 病棟薬剤業務実施加算 創設がもたらすインパクト かつ み あき お 勝見 章男 司会 愛知県厚生農業協同組合連合会 安城更生病院 薬剤 供給部長 座談会開催にあたって まつ ばら ひろ ゆき 松原 弘幸 春日井市民病院 薬剤科長 やま だ きよ ふみ

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発行月 : 平成 24年9月 発 行 : 田辺三菱製薬株式会社     〒541-8505 大阪市中央区北浜2-6-18     お問い合せ先 : 営業推進部 06-6227-4666 田辺三菱製薬株式会社ホームページ http://www.mt-pharma.co.jp ファーマスコープは

病院、保険薬局

で輝く薬剤師の声をお届けする情報誌です。

特 別 号

愛知県版

特 別 号 愛知県版

これからの病棟業務はいかにあるべきか

∼「病棟薬剤業務実施加算」創設がもたらすインパクト∼

座 談 会

愛知県厚生農業協同組合連合会 安城更生病院 薬剤・供給部長 勝見 章男 先生 春日井市民病院 薬剤科長 松原 弘幸 先生 名古屋大学医学部附属病院 薬剤部長 山田 清文 先生 藤田保健衛生大学病院 薬剤部長 山田 成樹 先生 [司会] 愛知県厚生農業協同組合連合会 安城更生病院 薬剤・供給部長 かつ み あき お

勝見 章男

先生 (司会) 藤田保健衛生大学病院 薬剤部長 やま だ しげ き

山田 成樹

先生 春日井市民病院 薬剤科長 まつ ばら ひろ ゆき

松原 弘幸

先生 名古屋大学医学部附属病院 薬剤部長 やま だ きよ ふみ

山田 清文

先生

特 別 号

愛知県版

これからの病棟業務は

いかにあるべきか

∼「病棟薬剤業務実施加算」創設がもたらすインパクト∼

座 談 会

座 談 会

各施設における病棟薬剤業務の現状

勝見 最初に、各施設の現状と病棟薬剤業務の状況について伺 います。まず私から安城更生病院についてご紹介します。当院は 723床、19病棟であり、薬剤師は常勤47人、非常勤10人の合計57人 です。当院では4月から病棟薬剤業務実施加算を算定しています。 従来から一般病棟全てに薬剤師を常勤させ病棟薬剤業務の多く を実施していたため、新たに準備したのは病棟薬剤業務日誌だけ でした。病棟への薬剤師配置は、1990年から検討を始めました。 その当時は、看護師の離職や看護師不足が問題になっていまし た。薬剤師の病棟業務を拡大するとともに薬剤師を増員してきま した。現在は病棟担当者18人の体制で、特定入院料を算定する5 病棟を除く14病棟(NICU、緩和ケア病棟を含む)に薬剤師が常 駐し、各階にある病棟情報室を拠点に活動を展開しています。 2011年度における薬剤管理指導件数は平均約1,400件/月です。 外来処方せん950枚/日、入院処方せんは251枚/日、注射せん が420枚/日で、TPNや抗がん剤は365日、薬剤師がほぼすべて 調製しています。 松原 春日井市民病院は556床(うち感染症病床6床)、12病棟 で、薬剤師は常勤23人、パート1人の合計24人です。病棟薬剤業務 実施加算は4月から算定しています。2002年から臨床検査値と連 動した処方鑑査システムによる腎排泄型薬剤の至適投与量の監 査を開始し、医師への情報提供および医薬品の変更・減量をはじ めとする処方提案を実施するなど、病棟薬剤業務を積極的に実施 してきました。また、2004年には夜勤業務を開始しましたが、薬剤 師の増員がなかったため、薬剤管理指導件数を大幅に減少させま した。2007年には持参薬の全例調査を開始するとともに、入院・ 手術が決まった患者さんに対し外来受付で術前中止薬などをチェ ックする体制を構築しました。さらに2011年には持参薬センターを 開設し、電子カルテと連動させたチェックシステムを確立しました。 薬剤管理指導件数は2007年以降増加させる事ができ、現在は月 平均1,000件程度になっています(資料1)。7月の病棟薬剤業務の 実施時間を病棟別に集計したところ、週20.3∼32.9時間で平均 23.9時間となっています。 山田(清) 名古屋大学医学部附属病院は1,035床、うち50床は 精神科です。薬剤師は定員78人(うち2人は欠員)で、今年から薬 剤師レジデントを6人受け入れています。また、薬学部との連携に より、薬学部教員の診療補助従事者登録制を導入しており、現 在、9人の先生が薬剤師外来を担当しています。病棟薬剤業務実 施加算は5月から算定しています。対象は22病棟、2集中治療 室(S/MICUおよびNICU/GCU)です。実施にあたり、業務内容 の標準化、医師の負担軽減、業務の質の評価などを目指して、さま ざまな取り組みに着手しました(資料2)。当院では、2010年度の 診療報酬改定時に薬剤師の病棟配置が話題になった際に、中央 業務優先から入院患者さんの薬学的管理の充実へと運営方針を 転換し、計画的に毎年10人程の増員を実施してきました。現在で は目標としていた全病棟への専任薬剤師の常駐が実現していま す。来年度は薬剤師7人、レジデント4人の増員を予定しています。 今後、外来化学療法の患者数の増加に対応するため、診療の終了 時間を現在の17時から19時へ変更することや、ICU、NICUにおけ る24時間常駐、手術室への常駐なども考えられます。当院では今 回の病棟薬剤業務も含めて、常に次のステップを視野に入れた体 制を保持するようにしています。それが大学病院としての使命だと 考えています。 山田(成) 藤田保健衛生大学病院は総病床が1,494床で、一般 病床1,384床のほか、精神科30床、緩和ケア19床、救命救急セン ター61床があります。病棟数は35です。薬剤部は薬剤師83人(う ち3人は臨床研究センターに出向)、非常勤の薬剤補助員11人で構 成されています。院内処方が35∼40%あり、400∼500枚/日の外 来処方せんの調剤を行っています。また、TPN、抗がん剤は基本 的にすべて薬剤師がミキシングしており、薬剤管理指導の件数は 1,000∼1,100件/月という状況です。病棟薬剤業務実施加算の算 定は2012年9月を予定しており、現在、実績を作っているところで す。病棟薬剤業務の実施には薬剤部全体の業務の合理化が不可 欠であり、そのために、今年、薬剤補助員9人を新たに採用しまし た。薬局の棚の補充や病棟への医薬品の搬送など薬剤師でなく てもできる業務はすべて補助員に移管することで、薬剤師の病棟 業務時間を確保することができました(資料3)。

効率的な業務体制とフォロー体制の

 構築が鍵

勝見 病棟薬剤業務実施加算を算定するためには、各病棟にお いて1週間に20時間相当以上の病棟薬剤業務を行う必要がありま す。限られた人員で最大限の病棟業務を実施するためには、業務 体制の再構築が大きなポイントです。当院では1病棟1人の専任が 基本ですが、がん化学療法の患者さんが多い7∼8階の6病棟は担 当者を1つのグループにして8∼9人がローテーションします。こうす ることで誰かが休みや当直明けでも業務に支障をきたすことはあ りません。2∼3年のうちには1フロア2病棟に3人の体制を構築した いと考えています。先生方のところではどのような体制をとってお られますか。 松原 当院の場合は1人1病棟の専任制で、1日のうち7時間は担 当病棟で業務を行うことを徹底しています。ただし、夜勤体制をと っていますので、夜勤入り、夜勤明けのフォローが大変ですね。今 後は2病棟3人体制や、手術室、ICUへの薬剤師の常駐を目標にし ています。 山田(清) 全病棟をいくつかのグループに分け、各病棟に専任 担当者と複数の兼任者を配置することで、専任担当者が休んだ場 合のフォローができるようにしています。当院では基本的にすべて の薬剤師が病棟業務を行う体制をとっていますが、これを可能に しているのが夜勤体制です。入院の定期処方を夜勤帯で行うこと で昼間の時間を効率的に使い、調剤室担当の薬剤師も1日のうち 何時間かは病棟に行く時間を確保できます。 山田(成) 当院の最大のネックは病棟数が35と多いことです。1 病棟1人の体制は難しいため、病棟薬剤業務の実施にあたって35 病棟を8つのブロックに分けました。1ブロック4病棟に5人の薬剤師 を配置して、そのうちの1人が終日、残りの者が5∼6時間、病棟に 上がります。ブロック単位で担当を決めて、不在者のカバーや業務 が滞っている病棟をフォローする体制をとっています。 勝見 病棟薬剤業務を実施するうえで問題になっていること、あ るいは新たに取り組まれたことはありますか。 山田(清) 例えば産科病棟の場合、薬剤はほとんど使用しな いにもかかわらず、薬剤師を常駐させて20時間の業務を実施しな いといけません。精神科も同様で、対応に苦慮しています。そこ で、病床数の少ない病棟あるいは関連治療室については、一病 棟として扱えるように検討を進めているとこ ろです。 勝見 各病棟における業務内容と所要時 間を記録する病棟薬剤業務日誌の作成が 義務付けられていますが、当院ではオリジ ナルのシステムを導入しました(資料4)。ウ ェブページで作成してありますので、電子カ ルテを含む全業務系端末からいつでもアク セスが可能です。カレンダー機能や連絡事 項の表示、未記入の病棟は赤字で表示さ れるなど、実用面の工夫を施しています。ま た、入力記録はデータベース化されます。こ のようなソフト面のサポートも業務の効率 化において重要です。 松原 当院もスタッフがデータベースソフト で病棟薬剤業務日誌を作成しました。記録 の内容については、部分的に統一性が取れ ていないので、標準化を図る必要がありま す。今後は、入力の省力化のために例えば 携帯端末などの利用も考えています。

人材育成とキャリアパス支援

勝見 病棟業務の拡充のためにはマンパワ ーの充実が必要ですが、新人の教育につい ては如何ですか。当院では1年間は研修期 間として、2年目から病棟に配置していま す。 松原 当院は、昨年までは調剤関係を2ヵ 月、注射関係を2ヵ月、DI関係を1ヵ月経験 させた後に病棟に出していましたが、今年 の新人から6年制課程になりましたので、5 ヵ月を3ヵ月に短縮しました。 山田(成) 当院の場合、これまで新人の 教育期間は2年間としていました。しかし、4 月に入ってきた6年制卒の薬剤師の場合、 調剤技術、混注のテクニックは一定レベル に達していましたので、今年からは教育期 間は半年にして、10月からは夜勤も行うよう にしました。また、2年目の薬剤師も今年中 にはサポート要員として病棟業務も担当さ せようと考えています。こうした体制が可能 になったのは6年制教育の恩恵ではないか と思っています。 山田(清) 当院でも6年制課程の第一期生が卒業したのを契 機に、「名大病院薬剤部のキャリアパス」を明確にしようと取り組 んでいます。一つは、正規職員として採用するのはレジデントを終 えた人、博士課程を修了した人、薬剤師としての経験が十分ある 人に限り、それ以外はレジデントとして受け入れます。もう一つ、 専門薬剤師については、せっかく専門資格を取得しても専門外の 病棟や部門に配属されるとプロフェッショナルとしての満足度が 得られません。そこで、まだ構想段階ですが、管理職を目指す薬 剤師と、専門性を追求する薬剤師という、二つのパスウェイを作 ろうと考えています。 勝見 私はスタッフには「私はこれなら誰にも負けない」という専 門分野を一つ作りなさいと指導しています。ただし専門スキルを 高めるためには学会やセミナーへの参加が不可欠ですから、それ に対する病院側のフォローアップ体制が必要ですね。

病棟薬剤業務の有用性検証にむけて

勝見 病棟薬剤業務を定着させるためには、薬剤部内および病 院内でコンセンサスを得ることが大切です。その目的が病棟にお ける安全管理や薬物療法の有効性の向上にあるということを薬 剤師はもちろん、医師をはじめとした医療スタッフ、経営者側にも 理解してもらう必要がありますが、いかがでしょうか。 松原 私が最初にスタッフに言ったのは、今まで自分たちが行っ ていたことが認められて診療報酬で評価されたという認識で良 いということです。実際、患者さんの薬物療法支援のために検査 データやカルテを見ることは薬剤部の中で行っていたので、それ を病棟の電子カルテを使って行うことに代わっただけです。ただ し、記録をしっかり残すように徹底しました。 山田(成) 今回の加算の算定に対しては、病院長から「病棟 薬剤業務は患者さんに貢献すると同時に、医師や看護師の負担 軽減、医療安全の面でも大きく貢献する」と評価されており、その 実現のためであれば、薬剤師の増員にかかる費用はコストではな く投資と位置づけられています。また、看護部や医局からは、持 参薬チェックとともに電子カルテへの処方入力など、医師の負担 軽減や看護業務の援助などに関してさまざまな要望が上がってき ている状況であり、病棟への薬剤師の参画は非常に歓迎されて います。 勝見 大切なのは結果を記録に残すことです。薬剤師がどのよう な病棟業務を行い、それがどのような成果をもたらしたかをしっ かり記録することにより、病棟薬剤業務のエビデンスを示す必要 があります。また、次回の診療報酬改定に向けて、調査・検証が 行われることになっています。薬剤師の自己評価ではなく、医 師、看護師など第三者から評価されることが非常に重要だと思い ます。 山田(清) 当院では、薬剤師がチーム医療に積極的に関与す ることで患者さんのQOL向上に貢献するということを示すため に、病棟薬剤業務の経過と結果をデータ化するシステムの構築 に取り組んでいます。その一つとして、現在、すべての入院患者さ んのカルテを薬剤師が週2回チェックしていますが、薬剤師がカ ルテをチェックしたことを薬剤師記録から確認できるようにして、 病棟活動の指標にしようと考えています。また、処方オーダ、 TDMオーダ、検査オーダなどは医師の負担軽減に貢献するとし て期待されていますが、これを病院全体のコンセンサスを得なが ら、チーム医療の中で具体的にどのように進めていくかは大きな 課題です。当院で検討しているのは、各病棟のクリニカルパスの 中に、例えば「患者の状態に応じた投与量の調節は薬剤師が行 う」、「添付文書に記載のある検査オーダが抜けていれば薬剤師 が行う」ということを、コンセンサスを得ながらルール化していくこ とです。このような取り組みを地道に行うことで、薬剤師への評 価を高めていこうと思っています。 勝見 クリニカルパスにしても、化学療法のレジメンにしても、薬 剤部は事務局を担当するなど組織横断的に重要な役割を果たし ています。そうした立ち位置を生かしてプロトコルの作成にも介入 することが可能です。化学療法で薬剤師の関与が評価されれば、 他の領域でも関与を求められるようになります。そうした一歩一 歩の積み重ねが大事であり、継続することによる波及効果は大き いと思います。

病棟業務の今後の展望

勝見 最後に、今後の病棟業務の方向性と展望をお聞かせくだ さい。 山田(成) 病棟薬剤業務の実践において、第一に患者さんの ため、第二に医療スタッフのためという姿勢で取り組んでいきた いと考えています。まずは2病棟3名体制の確立と病棟ですべて の業務が完結できる環境の構築を目指します。そして将来は24 時間の常駐体制を築くことが目標です。当院では新病棟の建設 計画があり、すべての病棟にサテライト薬局を置くことが決定して います。常に患者さん、医療スタッフのそばにいて、薬剤師が最大 限の力を発揮できるよう、力を尽くしたいと思っています。 山田(清) 処方支援や検査オーダなどは、薬剤師が能力を持 っていながらこれまで十分に行えなかったことです。それが病棟 薬剤業務として認められ、積極的に行うことが期待されているの ですから、薬剤師がプロフェッショナルとしての能力を存分に発 揮できる体制やフィールドを何としても作っていきたい。そして、 薬物療法に関しては、医師とともに応分の責任を果たすという自 覚をすべての薬剤師が持てるように、教育面や環境面の整備に も力を入れたいと思います。 松原 最終的には私たちが理想とするところは同じだと思いま す。しかし、始まったばかりの病棟薬剤業務を継続させることが まずは重要ではないでしょうか。質の高い病棟業務を行うため十 分な人員の確保と人材育成に取り組み、他職種と協働しながら 実績を積み上げていくことで評価を高め、人材確保にもつなげて いきたいと思います。病院薬剤師を志望する若い薬学生が希望 を持てる病棟業務のあり方や方向性を示していくことも我々の務 めだと思います。 勝見 病棟薬剤業務実施加算の新設により、私たちは新たなス タートラインに立ちました。このチャンスを生かすためにも、すべて の病院において、病棟に薬剤師が常駐し、薬に関することはすべ て薬剤師が関わり、責任を持つことが当たり前であるという状況 にしなければいけません。そのためには、薬の専門家として何を すべきかを常に考えて行動していくことが大切です。100点から始 まった薬剤管理指導業務がここまで広がってきたように、病棟薬 剤業務を大切に育てていき、それ以上の形に発展させなければ なりません。これからも情報交換をしながら、着実に実績を積み 上げていきましょう。本日はありがとうございました。  2012年度の診療報酬改定において「病棟薬剤業務実施加算」が新設されました。これは今まで薬剤師が行ってきた業務へ の評価であるとともに、薬剤師が薬の専門家として、病棟における薬物療法全般に責任を持つことへの期待だと捉えていま す。加算算定の有無にかかわらず、すべての病院が病棟に薬剤師を配置して病棟薬剤業務を実施することが、薬剤師に対する 社会的評価につながります。本日は、愛知県を代表する基幹病院の薬剤部長の先生方にご自身の施設における現状と課題を踏 まえ、これからの病棟薬剤業務について忌憚なく討論していただきたいと思います。この座談会が愛知県内の病院薬剤師の皆 様の参考となれば幸いです。

座談会開催にあたって

[司会] 愛知県厚生農業協同組合連合会 安城更生病院 薬剤・供給部長 

勝見 章男

先生 春日井市民病院 薬剤部業務実績の推移 資料1 資料2 名古屋大学医学部附属病院 病棟薬剤業務の特色 安城更生病院 病棟薬剤業務日誌 資料4 藤田保健衛生大学病院 薬剤部業務合理化における取組み 資料3 ◆特色ある取り組み ●病棟業務内容の標準化 ・看護師業務との区別化 ●医師の負担軽減 ・TDMオーダーの代行業務等を検討中 ●質の評価 ・医療スタッフからの相談件数、疑義照会・処方提案件数と  その内容、インシデントやアクシデントの報告件数や貢献  度の把握等 ●病棟業務のグループ化 ・臨床経験豊富な薬剤師をリーダーとして全病棟をいくつか  のグループに分け、その指導のもとで経験不足を補完し、  質の確保と協力関係を強化 ●薬剤師教育 ・レジデント制度を導入し、実務教育の推進と業務の活性化 ●勤務体制の見直し ・遅番勤務や夜勤の導入による日勤業務の効率化 2006 (H18) 23 0 夜勤 5,754 22 0 夜勤 9,436 22 0 夜勤 9,990 23 0 夜勤 11,666 23 1 夜勤 11,094 24 1 夜勤 23 1 夜勤 4名増員 1 夜勤 11,752 薬剤 師数 常勤 パート 勤務体制 薬剤管理指導 件数(年) 2007 (H19)(H20)2008(H21)2009(H22)2010(H23)2011(H24)2012(H25)2013 10月 2名薬剤師増員 3月 外来化学療法センター開設 入院患者の持参薬全例調査開始 持参薬センターの開設 担当薬剤師4名配置し、常時2名 勤務の体制を構築。 レジメンチェック・調製・服薬指導 医師に代わり化学療法の有用性や 副作用発現について説明 外来診察で、入院・ 手術予定が決定し た患者さんに立ち 寄っていただき、 薬剤師が手術前に 中止する医薬品を 調査・指導する体 制を確立し運用し ている。

(2)

発行月 : 平成 24年9月 発 行 : 田辺三菱製薬株式会社     〒541-8505 大阪市中央区北浜2-6-18     お問い合せ先 : 営業推進部 06-6227-4666 田辺三菱製薬株式会社ホームページ http://www.mt-pharma.co.jp ファーマスコープは

病院、保険薬局

で輝く薬剤師の声をお届けする情報誌です。

特 別 号

愛知県版

特 別 号 愛知県版

これからの病棟業務はいかにあるべきか

∼「病棟薬剤業務実施加算」創設がもたらすインパクト∼

座 談 会

愛知県厚生農業協同組合連合会 安城更生病院 薬剤・供給部長 勝見 章男 先生 春日井市民病院 薬剤科長 松原 弘幸 先生 名古屋大学医学部附属病院 薬剤部長 山田 清文 先生 藤田保健衛生大学病院 薬剤部長 山田 成樹 先生 [司会] 愛知県厚生農業協同組合連合会 安城更生病院 薬剤・供給部長 かつ み あき お

勝見 章男

先生 (司会) 藤田保健衛生大学病院 薬剤部長 やま だ しげ き

山田 成樹

先生 春日井市民病院 薬剤科長 まつ ばら ひろ ゆき

松原 弘幸

先生 名古屋大学医学部附属病院 薬剤部長 やま だ きよ ふみ

山田 清文

先生

特 別 号

愛知県版

これからの病棟業務は

いかにあるべきか

∼「病棟薬剤業務実施加算」創設がもたらすインパクト∼

座 談 会

座 談 会

各施設における病棟薬剤業務の現状

勝見 最初に、各施設の現状と病棟薬剤業務の状況について伺 います。まず私から安城更生病院についてご紹介します。当院は 723床、19病棟であり、薬剤師は常勤47人、非常勤10人の合計57人 です。当院では4月から病棟薬剤業務実施加算を算定しています。 従来から一般病棟全てに薬剤師を常勤させ病棟薬剤業務の多く を実施していたため、新たに準備したのは病棟薬剤業務日誌だけ でした。病棟への薬剤師配置は、1990年から検討を始めました。 その当時は、看護師の離職や看護師不足が問題になっていまし た。薬剤師の病棟業務を拡大するとともに薬剤師を増員してきま した。現在は病棟担当者18人の体制で、特定入院料を算定する5 病棟を除く14病棟(NICU、緩和ケア病棟を含む)に薬剤師が常 駐し、各階にある病棟情報室を拠点に活動を展開しています。 2011年度における薬剤管理指導件数は平均約1,400件/月です。 外来処方せん950枚/日、入院処方せんは251枚/日、注射せん が420枚/日で、TPNや抗がん剤は365日、薬剤師がほぼすべて 調製しています。 松原 春日井市民病院は556床(うち感染症病床6床)、12病棟 で、薬剤師は常勤23人、パート1人の合計24人です。病棟薬剤業務 実施加算は4月から算定しています。2002年から臨床検査値と連 動した処方鑑査システムによる腎排泄型薬剤の至適投与量の監 査を開始し、医師への情報提供および医薬品の変更・減量をはじ めとする処方提案を実施するなど、病棟薬剤業務を積極的に実施 してきました。また、2004年には夜勤業務を開始しましたが、薬剤 師の増員がなかったため、薬剤管理指導件数を大幅に減少させま した。2007年には持参薬の全例調査を開始するとともに、入院・ 手術が決まった患者さんに対し外来受付で術前中止薬などをチェ ックする体制を構築しました。さらに2011年には持参薬センターを 開設し、電子カルテと連動させたチェックシステムを確立しました。 薬剤管理指導件数は2007年以降増加させる事ができ、現在は月 平均1,000件程度になっています(資料1)。7月の病棟薬剤業務の 実施時間を病棟別に集計したところ、週20.3∼32.9時間で平均 23.9時間となっています。 山田(清) 名古屋大学医学部附属病院は1,035床、うち50床は 精神科です。薬剤師は定員78人(うち2人は欠員)で、今年から薬 剤師レジデントを6人受け入れています。また、薬学部との連携に より、薬学部教員の診療補助従事者登録制を導入しており、現 在、9人の先生が薬剤師外来を担当しています。病棟薬剤業務実 施加算は5月から算定しています。対象は22病棟、2集中治療 室(S/MICUおよびNICU/GCU)です。実施にあたり、業務内容 の標準化、医師の負担軽減、業務の質の評価などを目指して、さま ざまな取り組みに着手しました(資料2)。当院では、2010年度の 診療報酬改定時に薬剤師の病棟配置が話題になった際に、中央 業務優先から入院患者さんの薬学的管理の充実へと運営方針を 転換し、計画的に毎年10人程の増員を実施してきました。現在で は目標としていた全病棟への専任薬剤師の常駐が実現していま す。来年度は薬剤師7人、レジデント4人の増員を予定しています。 今後、外来化学療法の患者数の増加に対応するため、診療の終了 時間を現在の17時から19時へ変更することや、ICU、NICUにおけ る24時間常駐、手術室への常駐なども考えられます。当院では今 回の病棟薬剤業務も含めて、常に次のステップを視野に入れた体 制を保持するようにしています。それが大学病院としての使命だと 考えています。 山田(成) 藤田保健衛生大学病院は総病床が1,494床で、一般 病床1,384床のほか、精神科30床、緩和ケア19床、救命救急セン ター61床があります。病棟数は35です。薬剤部は薬剤師83人(う ち3人は臨床研究センターに出向)、非常勤の薬剤補助員11人で構 成されています。院内処方が35∼40%あり、400∼500枚/日の外 来処方せんの調剤を行っています。また、TPN、抗がん剤は基本 的にすべて薬剤師がミキシングしており、薬剤管理指導の件数は 1,000∼1,100件/月という状況です。病棟薬剤業務実施加算の算 定は2012年9月を予定しており、現在、実績を作っているところで す。病棟薬剤業務の実施には薬剤部全体の業務の合理化が不可 欠であり、そのために、今年、薬剤補助員9人を新たに採用しまし た。薬局の棚の補充や病棟への医薬品の搬送など薬剤師でなく てもできる業務はすべて補助員に移管することで、薬剤師の病棟 業務時間を確保することができました(資料3)。

効率的な業務体制とフォロー体制の

 構築が鍵

勝見 病棟薬剤業務実施加算を算定するためには、各病棟にお いて1週間に20時間相当以上の病棟薬剤業務を行う必要がありま す。限られた人員で最大限の病棟業務を実施するためには、業務 体制の再構築が大きなポイントです。当院では1病棟1人の専任が 基本ですが、がん化学療法の患者さんが多い7∼8階の6病棟は担 当者を1つのグループにして8∼9人がローテーションします。こうす ることで誰かが休みや当直明けでも業務に支障をきたすことはあ りません。2∼3年のうちには1フロア2病棟に3人の体制を構築した いと考えています。先生方のところではどのような体制をとってお られますか。 松原 当院の場合は1人1病棟の専任制で、1日のうち7時間は担 当病棟で業務を行うことを徹底しています。ただし、夜勤体制をと っていますので、夜勤入り、夜勤明けのフォローが大変ですね。今 後は2病棟3人体制や、手術室、ICUへの薬剤師の常駐を目標にし ています。 山田(清) 全病棟をいくつかのグループに分け、各病棟に専任 担当者と複数の兼任者を配置することで、専任担当者が休んだ場 合のフォローができるようにしています。当院では基本的にすべて の薬剤師が病棟業務を行う体制をとっていますが、これを可能に しているのが夜勤体制です。入院の定期処方を夜勤帯で行うこと で昼間の時間を効率的に使い、調剤室担当の薬剤師も1日のうち 何時間かは病棟に行く時間を確保できます。 山田(成) 当院の最大のネックは病棟数が35と多いことです。1 病棟1人の体制は難しいため、病棟薬剤業務の実施にあたって35 病棟を8つのブロックに分けました。1ブロック4病棟に5人の薬剤師 を配置して、そのうちの1人が終日、残りの者が5∼6時間、病棟に 上がります。ブロック単位で担当を決めて、不在者のカバーや業務 が滞っている病棟をフォローする体制をとっています。 勝見 病棟薬剤業務を実施するうえで問題になっていること、あ るいは新たに取り組まれたことはありますか。 山田(清) 例えば産科病棟の場合、薬剤はほとんど使用しな いにもかかわらず、薬剤師を常駐させて20時間の業務を実施しな いといけません。精神科も同様で、対応に苦慮しています。そこ で、病床数の少ない病棟あるいは関連治療室については、一病 棟として扱えるように検討を進めているとこ ろです。 勝見 各病棟における業務内容と所要時 間を記録する病棟薬剤業務日誌の作成が 義務付けられていますが、当院ではオリジ ナルのシステムを導入しました(資料4)。ウ ェブページで作成してありますので、電子カ ルテを含む全業務系端末からいつでもアク セスが可能です。カレンダー機能や連絡事 項の表示、未記入の病棟は赤字で表示さ れるなど、実用面の工夫を施しています。ま た、入力記録はデータベース化されます。こ のようなソフト面のサポートも業務の効率 化において重要です。 松原 当院もスタッフがデータベースソフト で病棟薬剤業務日誌を作成しました。記録 の内容については、部分的に統一性が取れ ていないので、標準化を図る必要がありま す。今後は、入力の省力化のために例えば 携帯端末などの利用も考えています。

人材育成とキャリアパス支援

勝見 病棟業務の拡充のためにはマンパワ ーの充実が必要ですが、新人の教育につい ては如何ですか。当院では1年間は研修期 間として、2年目から病棟に配置していま す。 松原 当院は、昨年までは調剤関係を2ヵ 月、注射関係を2ヵ月、DI関係を1ヵ月経験 させた後に病棟に出していましたが、今年 の新人から6年制課程になりましたので、5 ヵ月を3ヵ月に短縮しました。 山田(成) 当院の場合、これまで新人の 教育期間は2年間としていました。しかし、4 月に入ってきた6年制卒の薬剤師の場合、 調剤技術、混注のテクニックは一定レベル に達していましたので、今年からは教育期 間は半年にして、10月からは夜勤も行うよう にしました。また、2年目の薬剤師も今年中 にはサポート要員として病棟業務も担当さ せようと考えています。こうした体制が可能 になったのは6年制教育の恩恵ではないか と思っています。 山田(清) 当院でも6年制課程の第一期生が卒業したのを契 機に、「名大病院薬剤部のキャリアパス」を明確にしようと取り組 んでいます。一つは、正規職員として採用するのはレジデントを終 えた人、博士課程を修了した人、薬剤師としての経験が十分ある 人に限り、それ以外はレジデントとして受け入れます。もう一つ、 専門薬剤師については、せっかく専門資格を取得しても専門外の 病棟や部門に配属されるとプロフェッショナルとしての満足度が 得られません。そこで、まだ構想段階ですが、管理職を目指す薬 剤師と、専門性を追求する薬剤師という、二つのパスウェイを作 ろうと考えています。 勝見 私はスタッフには「私はこれなら誰にも負けない」という専 門分野を一つ作りなさいと指導しています。ただし専門スキルを 高めるためには学会やセミナーへの参加が不可欠ですから、それ に対する病院側のフォローアップ体制が必要ですね。

病棟薬剤業務の有用性検証にむけて

勝見 病棟薬剤業務を定着させるためには、薬剤部内および病 院内でコンセンサスを得ることが大切です。その目的が病棟にお ける安全管理や薬物療法の有効性の向上にあるということを薬 剤師はもちろん、医師をはじめとした医療スタッフ、経営者側にも 理解してもらう必要がありますが、いかがでしょうか。 松原 私が最初にスタッフに言ったのは、今まで自分たちが行っ ていたことが認められて診療報酬で評価されたという認識で良 いということです。実際、患者さんの薬物療法支援のために検査 データやカルテを見ることは薬剤部の中で行っていたので、それ を病棟の電子カルテを使って行うことに代わっただけです。ただ し、記録をしっかり残すように徹底しました。 山田(成) 今回の加算の算定に対しては、病院長から「病棟 薬剤業務は患者さんに貢献すると同時に、医師や看護師の負担 軽減、医療安全の面でも大きく貢献する」と評価されており、その 実現のためであれば、薬剤師の増員にかかる費用はコストではな く投資と位置づけられています。また、看護部や医局からは、持 参薬チェックとともに電子カルテへの処方入力など、医師の負担 軽減や看護業務の援助などに関してさまざまな要望が上がってき ている状況であり、病棟への薬剤師の参画は非常に歓迎されて います。 勝見 大切なのは結果を記録に残すことです。薬剤師がどのよう な病棟業務を行い、それがどのような成果をもたらしたかをしっ かり記録することにより、病棟薬剤業務のエビデンスを示す必要 があります。また、次回の診療報酬改定に向けて、調査・検証が 行われることになっています。薬剤師の自己評価ではなく、医 師、看護師など第三者から評価されることが非常に重要だと思い ます。 山田(清) 当院では、薬剤師がチーム医療に積極的に関与す ることで患者さんのQOL向上に貢献するということを示すため に、病棟薬剤業務の経過と結果をデータ化するシステムの構築 に取り組んでいます。その一つとして、現在、すべての入院患者さ んのカルテを薬剤師が週2回チェックしていますが、薬剤師がカ ルテをチェックしたことを薬剤師記録から確認できるようにして、 病棟活動の指標にしようと考えています。また、処方オーダ、 TDMオーダ、検査オーダなどは医師の負担軽減に貢献するとし て期待されていますが、これを病院全体のコンセンサスを得なが ら、チーム医療の中で具体的にどのように進めていくかは大きな 課題です。当院で検討しているのは、各病棟のクリニカルパスの 中に、例えば「患者の状態に応じた投与量の調節は薬剤師が行 う」、「添付文書に記載のある検査オーダが抜けていれば薬剤師 が行う」ということを、コンセンサスを得ながらルール化していくこ とです。このような取り組みを地道に行うことで、薬剤師への評 価を高めていこうと思っています。 勝見 クリニカルパスにしても、化学療法のレジメンにしても、薬 剤部は事務局を担当するなど組織横断的に重要な役割を果たし ています。そうした立ち位置を生かしてプロトコルの作成にも介入 することが可能です。化学療法で薬剤師の関与が評価されれば、 他の領域でも関与を求められるようになります。そうした一歩一 歩の積み重ねが大事であり、継続することによる波及効果は大き いと思います。

病棟業務の今後の展望

勝見 最後に、今後の病棟業務の方向性と展望をお聞かせくだ さい。 山田(成) 病棟薬剤業務の実践において、第一に患者さんの ため、第二に医療スタッフのためという姿勢で取り組んでいきた いと考えています。まずは2病棟3名体制の確立と病棟ですべて の業務が完結できる環境の構築を目指します。そして将来は24 時間の常駐体制を築くことが目標です。当院では新病棟の建設 計画があり、すべての病棟にサテライト薬局を置くことが決定して います。常に患者さん、医療スタッフのそばにいて、薬剤師が最大 限の力を発揮できるよう、力を尽くしたいと思っています。 山田(清) 処方支援や検査オーダなどは、薬剤師が能力を持 っていながらこれまで十分に行えなかったことです。それが病棟 薬剤業務として認められ、積極的に行うことが期待されているの ですから、薬剤師がプロフェッショナルとしての能力を存分に発 揮できる体制やフィールドを何としても作っていきたい。そして、 薬物療法に関しては、医師とともに応分の責任を果たすという自 覚をすべての薬剤師が持てるように、教育面や環境面の整備に も力を入れたいと思います。 松原 最終的には私たちが理想とするところは同じだと思いま す。しかし、始まったばかりの病棟薬剤業務を継続させることが まずは重要ではないでしょうか。質の高い病棟業務を行うため十 分な人員の確保と人材育成に取り組み、他職種と協働しながら 実績を積み上げていくことで評価を高め、人材確保にもつなげて いきたいと思います。病院薬剤師を志望する若い薬学生が希望 を持てる病棟業務のあり方や方向性を示していくことも我々の務 めだと思います。 勝見 病棟薬剤業務実施加算の新設により、私たちは新たなス タートラインに立ちました。このチャンスを生かすためにも、すべて の病院において、病棟に薬剤師が常駐し、薬に関することはすべ て薬剤師が関わり、責任を持つことが当たり前であるという状況 にしなければいけません。そのためには、薬の専門家として何を すべきかを常に考えて行動していくことが大切です。100点から始 まった薬剤管理指導業務がここまで広がってきたように、病棟薬 剤業務を大切に育てていき、それ以上の形に発展させなければ なりません。これからも情報交換をしながら、着実に実績を積み 上げていきましょう。本日はありがとうございました。  2012年度の診療報酬改定において「病棟薬剤業務実施加算」が新設されました。これは今まで薬剤師が行ってきた業務へ の評価であるとともに、薬剤師が薬の専門家として、病棟における薬物療法全般に責任を持つことへの期待だと捉えていま す。加算算定の有無にかかわらず、すべての病院が病棟に薬剤師を配置して病棟薬剤業務を実施することが、薬剤師に対する 社会的評価につながります。本日は、愛知県を代表する基幹病院の薬剤部長の先生方にご自身の施設における現状と課題を踏 まえ、これからの病棟薬剤業務について忌憚なく討論していただきたいと思います。この座談会が愛知県内の病院薬剤師の皆 様の参考となれば幸いです。

座談会開催にあたって

[司会] 愛知県厚生農業協同組合連合会 安城更生病院 薬剤・供給部長 

勝見 章男

先生 春日井市民病院 薬剤部業務実績の推移 資料1 資料2 名古屋大学医学部附属病院 病棟薬剤業務の特色 安城更生病院 病棟薬剤業務日誌 資料4 藤田保健衛生大学病院 薬剤部業務合理化における取組み 資料3 ◆特色ある取り組み ●病棟業務内容の標準化 ・看護師業務との区別化 ●医師の負担軽減 ・TDMオーダーの代行業務等を検討中 ●質の評価 ・医療スタッフからの相談件数、疑義照会・処方提案件数と  その内容、インシデントやアクシデントの報告件数や貢献  度の把握等 ●病棟業務のグループ化 ・臨床経験豊富な薬剤師をリーダーとして全病棟をいくつか  のグループに分け、その指導のもとで経験不足を補完し、  質の確保と協力関係を強化 ●薬剤師教育 ・レジデント制度を導入し、実務教育の推進と業務の活性化 ●勤務体制の見直し ・遅番勤務や夜勤の導入による日勤業務の効率化 2006 (H18) 23 0 夜勤 5,754 22 0 夜勤 9,436 22 0 夜勤 9,990 23 0 夜勤 11,666 23 1 夜勤 11,094 24 1 夜勤 23 1 夜勤 4名増員 1 夜勤 11,752 薬剤 師数 常勤 パート 勤務体制 薬剤管理指導 件数(年) 2007 (H19)(H20)2008(H21)2009(H22)2010(H23)2011(H24)2012(H25)2013 10月 2名薬剤師増員 3月 外来化学療法センター開設 入院患者の持参薬全例調査開始 持参薬センターの開設 担当薬剤師4名配置し、常時2名 勤務の体制を構築。 レジメンチェック・調製・服薬指導 医師に代わり化学療法の有用性や 副作用発現について説明 外来診察で、入院・ 手術予定が決定し た患者さんに立ち 寄っていただき、 薬剤師が手術前に 中止する医薬品を 調査・指導する体 制を確立し運用し ている。

(3)

発行月 : 平成 24年9月 発 行 : 田辺三菱製薬株式会社     〒541-8505 大阪市中央区北浜2-6-18     お問い合せ先 : 営業推進部 06-6227-4666 田辺三菱製薬株式会社ホームページ http://www.mt-pharma.co.jp ファーマスコープは

病院、保険薬局

で輝く薬剤師の声をお届けする情報誌です。

特 別 号

愛知県版

特 別 号 愛知県版

これからの病棟業務はいかにあるべきか

∼「病棟薬剤業務実施加算」創設がもたらすインパクト∼

座 談 会

愛知県厚生農業協同組合連合会 安城更生病院 薬剤・供給部長 勝見 章男 先生 春日井市民病院 薬剤科長 松原 弘幸 先生 名古屋大学医学部附属病院 薬剤部長 山田 清文 先生 藤田保健衛生大学病院 薬剤部長 山田 成樹 先生 [司会] 愛知県厚生農業協同組合連合会 安城更生病院 薬剤・供給部長 かつ み あき お

勝見 章男

先生 (司会) 藤田保健衛生大学病院 薬剤部長 やま だ しげ き

山田 成樹

先生 春日井市民病院 薬剤科長 まつ ばら ひろ ゆき

松原 弘幸

先生 名古屋大学医学部附属病院 薬剤部長 やま だ きよ ふみ

山田 清文

先生

特 別 号

愛知県版

これからの病棟業務は

いかにあるべきか

∼「病棟薬剤業務実施加算」創設がもたらすインパクト∼

座 談 会

座 談 会

各施設における病棟薬剤業務の現状

勝見 最初に、各施設の現状と病棟薬剤業務の状況について伺 います。まず私から安城更生病院についてご紹介します。当院は 723床、19病棟であり、薬剤師は常勤47人、非常勤10人の合計57人 です。当院では4月から病棟薬剤業務実施加算を算定しています。 従来から一般病棟全てに薬剤師を常勤させ病棟薬剤業務の多く を実施していたため、新たに準備したのは病棟薬剤業務日誌だけ でした。病棟への薬剤師配置は、1990年から検討を始めました。 その当時は、看護師の離職や看護師不足が問題になっていまし た。薬剤師の病棟業務を拡大するとともに薬剤師を増員してきま した。現在は病棟担当者18人の体制で、特定入院料を算定する5 病棟を除く14病棟(NICU、緩和ケア病棟を含む)に薬剤師が常 駐し、各階にある病棟情報室を拠点に活動を展開しています。 2011年度における薬剤管理指導件数は平均約1,400件/月です。 外来処方せん950枚/日、入院処方せんは251枚/日、注射せん が420枚/日で、TPNや抗がん剤は365日、薬剤師がほぼすべて 調製しています。 松原 春日井市民病院は556床(うち感染症病床6床)、12病棟 で、薬剤師は常勤23人、パート1人の合計24人です。病棟薬剤業務 実施加算は4月から算定しています。2002年から臨床検査値と連 動した処方鑑査システムによる腎排泄型薬剤の至適投与量の監 査を開始し、医師への情報提供および医薬品の変更・減量をはじ めとする処方提案を実施するなど、病棟薬剤業務を積極的に実施 してきました。また、2004年には夜勤業務を開始しましたが、薬剤 師の増員がなかったため、薬剤管理指導件数を大幅に減少させま した。2007年には持参薬の全例調査を開始するとともに、入院・ 手術が決まった患者さんに対し外来受付で術前中止薬などをチェ ックする体制を構築しました。さらに2011年には持参薬センターを 開設し、電子カルテと連動させたチェックシステムを確立しました。 薬剤管理指導件数は2007年以降増加させる事ができ、現在は月 平均1,000件程度になっています(資料1)。7月の病棟薬剤業務の 実施時間を病棟別に集計したところ、週20.3∼32.9時間で平均 23.9時間となっています。 山田(清) 名古屋大学医学部附属病院は1,035床、うち50床は 精神科です。薬剤師は定員78人(うち2人は欠員)で、今年から薬 剤師レジデントを6人受け入れています。また、薬学部との連携に より、薬学部教員の診療補助従事者登録制を導入しており、現 在、9人の先生が薬剤師外来を担当しています。病棟薬剤業務実 施加算は5月から算定しています。対象は22病棟、2集中治療 室(S/MICUおよびNICU/GCU)です。実施にあたり、業務内容 の標準化、医師の負担軽減、業務の質の評価などを目指して、さま ざまな取り組みに着手しました(資料2)。当院では、2010年度の 診療報酬改定時に薬剤師の病棟配置が話題になった際に、中央 業務優先から入院患者さんの薬学的管理の充実へと運営方針を 転換し、計画的に毎年10人程の増員を実施してきました。現在で は目標としていた全病棟への専任薬剤師の常駐が実現していま す。来年度は薬剤師7人、レジデント4人の増員を予定しています。 今後、外来化学療法の患者数の増加に対応するため、診療の終了 時間を現在の17時から19時へ変更することや、ICU、NICUにおけ る24時間常駐、手術室への常駐なども考えられます。当院では今 回の病棟薬剤業務も含めて、常に次のステップを視野に入れた体 制を保持するようにしています。それが大学病院としての使命だと 考えています。 山田(成) 藤田保健衛生大学病院は総病床が1,494床で、一般 病床1,384床のほか、精神科30床、緩和ケア19床、救命救急セン ター61床があります。病棟数は35です。薬剤部は薬剤師83人(う ち3人は臨床研究センターに出向)、非常勤の薬剤補助員11人で構 成されています。院内処方が35∼40%あり、400∼500枚/日の外 来処方せんの調剤を行っています。また、TPN、抗がん剤は基本 的にすべて薬剤師がミキシングしており、薬剤管理指導の件数は 1,000∼1,100件/月という状況です。病棟薬剤業務実施加算の算 定は2012年9月を予定しており、現在、実績を作っているところで す。病棟薬剤業務の実施には薬剤部全体の業務の合理化が不可 欠であり、そのために、今年、薬剤補助員9人を新たに採用しまし た。薬局の棚の補充や病棟への医薬品の搬送など薬剤師でなく てもできる業務はすべて補助員に移管することで、薬剤師の病棟 業務時間を確保することができました(資料3)。

効率的な業務体制とフォロー体制の

 構築が鍵

勝見 病棟薬剤業務実施加算を算定するためには、各病棟にお いて1週間に20時間相当以上の病棟薬剤業務を行う必要がありま す。限られた人員で最大限の病棟業務を実施するためには、業務 体制の再構築が大きなポイントです。当院では1病棟1人の専任が 基本ですが、がん化学療法の患者さんが多い7∼8階の6病棟は担 当者を1つのグループにして8∼9人がローテーションします。こうす ることで誰かが休みや当直明けでも業務に支障をきたすことはあ りません。2∼3年のうちには1フロア2病棟に3人の体制を構築した いと考えています。先生方のところではどのような体制をとってお られますか。 松原 当院の場合は1人1病棟の専任制で、1日のうち7時間は担 当病棟で業務を行うことを徹底しています。ただし、夜勤体制をと っていますので、夜勤入り、夜勤明けのフォローが大変ですね。今 後は2病棟3人体制や、手術室、ICUへの薬剤師の常駐を目標にし ています。 山田(清) 全病棟をいくつかのグループに分け、各病棟に専任 担当者と複数の兼任者を配置することで、専任担当者が休んだ場 合のフォローができるようにしています。当院では基本的にすべて の薬剤師が病棟業務を行う体制をとっていますが、これを可能に しているのが夜勤体制です。入院の定期処方を夜勤帯で行うこと で昼間の時間を効率的に使い、調剤室担当の薬剤師も1日のうち 何時間かは病棟に行く時間を確保できます。 山田(成) 当院の最大のネックは病棟数が35と多いことです。1 病棟1人の体制は難しいため、病棟薬剤業務の実施にあたって35 病棟を8つのブロックに分けました。1ブロック4病棟に5人の薬剤師 を配置して、そのうちの1人が終日、残りの者が5∼6時間、病棟に 上がります。ブロック単位で担当を決めて、不在者のカバーや業務 が滞っている病棟をフォローする体制をとっています。 勝見 病棟薬剤業務を実施するうえで問題になっていること、あ るいは新たに取り組まれたことはありますか。 山田(清) 例えば産科病棟の場合、薬剤はほとんど使用しな いにもかかわらず、薬剤師を常駐させて20時間の業務を実施しな いといけません。精神科も同様で、対応に苦慮しています。そこ で、病床数の少ない病棟あるいは関連治療室については、一病 棟として扱えるように検討を進めているとこ ろです。 勝見 各病棟における業務内容と所要時 間を記録する病棟薬剤業務日誌の作成が 義務付けられていますが、当院ではオリジ ナルのシステムを導入しました(資料4)。ウ ェブページで作成してありますので、電子カ ルテを含む全業務系端末からいつでもアク セスが可能です。カレンダー機能や連絡事 項の表示、未記入の病棟は赤字で表示さ れるなど、実用面の工夫を施しています。ま た、入力記録はデータベース化されます。こ のようなソフト面のサポートも業務の効率 化において重要です。 松原 当院もスタッフがデータベースソフト で病棟薬剤業務日誌を作成しました。記録 の内容については、部分的に統一性が取れ ていないので、標準化を図る必要がありま す。今後は、入力の省力化のために例えば 携帯端末などの利用も考えています。

人材育成とキャリアパス支援

勝見 病棟業務の拡充のためにはマンパワ ーの充実が必要ですが、新人の教育につい ては如何ですか。当院では1年間は研修期 間として、2年目から病棟に配置していま す。 松原 当院は、昨年までは調剤関係を2ヵ 月、注射関係を2ヵ月、DI関係を1ヵ月経験 させた後に病棟に出していましたが、今年 の新人から6年制課程になりましたので、5 ヵ月を3ヵ月に短縮しました。 山田(成) 当院の場合、これまで新人の 教育期間は2年間としていました。しかし、4 月に入ってきた6年制卒の薬剤師の場合、 調剤技術、混注のテクニックは一定レベル に達していましたので、今年からは教育期 間は半年にして、10月からは夜勤も行うよう にしました。また、2年目の薬剤師も今年中 にはサポート要員として病棟業務も担当さ せようと考えています。こうした体制が可能 になったのは6年制教育の恩恵ではないか と思っています。 山田(清) 当院でも6年制課程の第一期生が卒業したのを契 機に、「名大病院薬剤部のキャリアパス」を明確にしようと取り組 んでいます。一つは、正規職員として採用するのはレジデントを終 えた人、博士課程を修了した人、薬剤師としての経験が十分ある 人に限り、それ以外はレジデントとして受け入れます。もう一つ、 専門薬剤師については、せっかく専門資格を取得しても専門外の 病棟や部門に配属されるとプロフェッショナルとしての満足度が 得られません。そこで、まだ構想段階ですが、管理職を目指す薬 剤師と、専門性を追求する薬剤師という、二つのパスウェイを作 ろうと考えています。 勝見 私はスタッフには「私はこれなら誰にも負けない」という専 門分野を一つ作りなさいと指導しています。ただし専門スキルを 高めるためには学会やセミナーへの参加が不可欠ですから、それ に対する病院側のフォローアップ体制が必要ですね。

病棟薬剤業務の有用性検証にむけて

勝見 病棟薬剤業務を定着させるためには、薬剤部内および病 院内でコンセンサスを得ることが大切です。その目的が病棟にお ける安全管理や薬物療法の有効性の向上にあるということを薬 剤師はもちろん、医師をはじめとした医療スタッフ、経営者側にも 理解してもらう必要がありますが、いかがでしょうか。 松原 私が最初にスタッフに言ったのは、今まで自分たちが行っ ていたことが認められて診療報酬で評価されたという認識で良 いということです。実際、患者さんの薬物療法支援のために検査 データやカルテを見ることは薬剤部の中で行っていたので、それ を病棟の電子カルテを使って行うことに代わっただけです。ただ し、記録をしっかり残すように徹底しました。 山田(成) 今回の加算の算定に対しては、病院長から「病棟 薬剤業務は患者さんに貢献すると同時に、医師や看護師の負担 軽減、医療安全の面でも大きく貢献する」と評価されており、その 実現のためであれば、薬剤師の増員にかかる費用はコストではな く投資と位置づけられています。また、看護部や医局からは、持 参薬チェックとともに電子カルテへの処方入力など、医師の負担 軽減や看護業務の援助などに関してさまざまな要望が上がってき ている状況であり、病棟への薬剤師の参画は非常に歓迎されて います。 勝見 大切なのは結果を記録に残すことです。薬剤師がどのよう な病棟業務を行い、それがどのような成果をもたらしたかをしっ かり記録することにより、病棟薬剤業務のエビデンスを示す必要 があります。また、次回の診療報酬改定に向けて、調査・検証が 行われることになっています。薬剤師の自己評価ではなく、医 師、看護師など第三者から評価されることが非常に重要だと思い ます。 山田(清) 当院では、薬剤師がチーム医療に積極的に関与す ることで患者さんのQOL向上に貢献するということを示すため に、病棟薬剤業務の経過と結果をデータ化するシステムの構築 に取り組んでいます。その一つとして、現在、すべての入院患者さ んのカルテを薬剤師が週2回チェックしていますが、薬剤師がカ ルテをチェックしたことを薬剤師記録から確認できるようにして、 病棟活動の指標にしようと考えています。また、処方オーダ、 TDMオーダ、検査オーダなどは医師の負担軽減に貢献するとし て期待されていますが、これを病院全体のコンセンサスを得なが ら、チーム医療の中で具体的にどのように進めていくかは大きな 課題です。当院で検討しているのは、各病棟のクリニカルパスの 中に、例えば「患者の状態に応じた投与量の調節は薬剤師が行 う」、「添付文書に記載のある検査オーダが抜けていれば薬剤師 が行う」ということを、コンセンサスを得ながらルール化していくこ とです。このような取り組みを地道に行うことで、薬剤師への評 価を高めていこうと思っています。 勝見 クリニカルパスにしても、化学療法のレジメンにしても、薬 剤部は事務局を担当するなど組織横断的に重要な役割を果たし ています。そうした立ち位置を生かしてプロトコルの作成にも介入 することが可能です。化学療法で薬剤師の関与が評価されれば、 他の領域でも関与を求められるようになります。そうした一歩一 歩の積み重ねが大事であり、継続することによる波及効果は大き いと思います。

病棟業務の今後の展望

勝見 最後に、今後の病棟業務の方向性と展望をお聞かせくだ さい。 山田(成) 病棟薬剤業務の実践において、第一に患者さんの ため、第二に医療スタッフのためという姿勢で取り組んでいきた いと考えています。まずは2病棟3名体制の確立と病棟ですべて の業務が完結できる環境の構築を目指します。そして将来は24 時間の常駐体制を築くことが目標です。当院では新病棟の建設 計画があり、すべての病棟にサテライト薬局を置くことが決定して います。常に患者さん、医療スタッフのそばにいて、薬剤師が最大 限の力を発揮できるよう、力を尽くしたいと思っています。 山田(清) 処方支援や検査オーダなどは、薬剤師が能力を持 っていながらこれまで十分に行えなかったことです。それが病棟 薬剤業務として認められ、積極的に行うことが期待されているの ですから、薬剤師がプロフェッショナルとしての能力を存分に発 揮できる体制やフィールドを何としても作っていきたい。そして、 薬物療法に関しては、医師とともに応分の責任を果たすという自 覚をすべての薬剤師が持てるように、教育面や環境面の整備に も力を入れたいと思います。 松原 最終的には私たちが理想とするところは同じだと思いま す。しかし、始まったばかりの病棟薬剤業務を継続させることが まずは重要ではないでしょうか。質の高い病棟業務を行うため十 分な人員の確保と人材育成に取り組み、他職種と協働しながら 実績を積み上げていくことで評価を高め、人材確保にもつなげて いきたいと思います。病院薬剤師を志望する若い薬学生が希望 を持てる病棟業務のあり方や方向性を示していくことも我々の務 めだと思います。 勝見 病棟薬剤業務実施加算の新設により、私たちは新たなス タートラインに立ちました。このチャンスを生かすためにも、すべて の病院において、病棟に薬剤師が常駐し、薬に関することはすべ て薬剤師が関わり、責任を持つことが当たり前であるという状況 にしなければいけません。そのためには、薬の専門家として何を すべきかを常に考えて行動していくことが大切です。100点から始 まった薬剤管理指導業務がここまで広がってきたように、病棟薬 剤業務を大切に育てていき、それ以上の形に発展させなければ なりません。これからも情報交換をしながら、着実に実績を積み 上げていきましょう。本日はありがとうございました。  2012年度の診療報酬改定において「病棟薬剤業務実施加算」が新設されました。これは今まで薬剤師が行ってきた業務へ の評価であるとともに、薬剤師が薬の専門家として、病棟における薬物療法全般に責任を持つことへの期待だと捉えていま す。加算算定の有無にかかわらず、すべての病院が病棟に薬剤師を配置して病棟薬剤業務を実施することが、薬剤師に対する 社会的評価につながります。本日は、愛知県を代表する基幹病院の薬剤部長の先生方にご自身の施設における現状と課題を踏 まえ、これからの病棟薬剤業務について忌憚なく討論していただきたいと思います。この座談会が愛知県内の病院薬剤師の皆 様の参考となれば幸いです。

座談会開催にあたって

[司会] 愛知県厚生農業協同組合連合会 安城更生病院 薬剤・供給部長 

勝見 章男

先生 春日井市民病院 薬剤部業務実績の推移 資料1 資料2 名古屋大学医学部附属病院 病棟薬剤業務の特色 安城更生病院 病棟薬剤業務日誌 資料4 藤田保健衛生大学病院 薬剤部業務合理化における取組み 資料3 ◆特色ある取り組み ●病棟業務内容の標準化 ・看護師業務との区別化 ●医師の負担軽減 ・TDMオーダーの代行業務等を検討中 ●質の評価 ・医療スタッフからの相談件数、疑義照会・処方提案件数と  その内容、インシデントやアクシデントの報告件数や貢献  度の把握等 ●病棟業務のグループ化 ・臨床経験豊富な薬剤師をリーダーとして全病棟をいくつか  のグループに分け、その指導のもとで経験不足を補完し、  質の確保と協力関係を強化 ●薬剤師教育 ・レジデント制度を導入し、実務教育の推進と業務の活性化 ●勤務体制の見直し ・遅番勤務や夜勤の導入による日勤業務の効率化 2006 (H18) 23 0 夜勤 5,754 22 0 夜勤 9,436 22 0 夜勤 9,990 23 0 夜勤 11,666 23 1 夜勤 11,094 24 1 夜勤 23 1 夜勤 4名増員 1 夜勤 11,752 薬剤 師数 常勤 パート 勤務体制 薬剤管理指導 件数(年) 2007 (H19)(H20)2008(H21)2009(H22)2010(H23)2011(H24)2012(H25)2013 10月 2名薬剤師増員 3月 外来化学療法センター開設 入院患者の持参薬全例調査開始 持参薬センターの開設 担当薬剤師4名配置し、常時2名 勤務の体制を構築。 レジメンチェック・調製・服薬指導 医師に代わり化学療法の有用性や 副作用発現について説明 外来診察で、入院・ 手術予定が決定し た患者さんに立ち 寄っていただき、 薬剤師が手術前に 中止する医薬品を 調査・指導する体 制を確立し運用し ている。

参照

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