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原価計算と費用理論との関係 ・−ドイツ原価計算論史の・一側面−

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(1)

−・・6∫−− 

299  

原価計算と費用理論との関係  

・−ドイツ原価計算論史の・一側面− 

平 林 喜 博  

Ⅰ 問題の所在  

本稿の目的ほ,原価計算と費用理論との関係について∵論究することである0   周知のように.,いわゆる原価の問題は,一腰にいうところの原価計算で論究す   る以外紅,原価と操業度あるいは原価と経営規模との関係を研究対象に・してい   るところの費用理論でも取扱って.いる。そして.,留意すべきほノ,こ・れら原価計   算と費用理論とがそれぞれ独立した理論体系をもち,自己発展をつづけて・いる  

ことである。だが,このように−・方で原価計算と費用理論とが区分されるとし   ても,他方でこの両者に密接な関係のあることほ想像にかたくない。等しく原   価の問題を解明するという研究対象・目的をもっていながら,この両者が没交  

渉であるとは.考えられないからである。   

しかし,それでは,原価計算と費用理論との関係に.ついて二,いかはど正面か   ら取組んだ論究があるかという問題に.なると,まことに・その数の少ないのが現   状である。たしかに.,多くの論者は原価計算と費用理論との関係に・無関心でほ   ない。というのほ,−・般に.この両者の関係を究明する必要性を強調してこいる  

し,また,その必要性を強調しないまでも,原価計算論の展開において費用理   論的思考を論述してこいるのをみるからである。しかし,原価計穿と費用理論と   の関係について積極的に.は言及しないのである。はたして,この両者の関係に   ついての究明を軽視してよいのであろうか。決して等閑紅付してはならないと   考える。むしろ,原価計算と費用理論との関係を考察することの重要性を筆者   は主張したい。   

その理由は,(1)既にふれたように,もともと原価計算と費用理論とが同じ研   究対象・目的をもっていることからみて,この両者が無関係でほありえないと   

(2)

−62−・・・  

欝39巻 欝3号   300  

いう極めて∴素朴な,しかも主観的な理由に.もとずいている。(2)これと関連   して,歴史の史実に照して:みると,後にみよるうにこの両者が密接軋開運する   ものとして−論じている文献をみるからである。(3)しかし何よりも大きな理   由ほ,原価計算ほ贋用理論的考察でもって科学的基礎をはじめて持つと考えら  

(1) れるからであり,(4)いいかえれば,費用理論は原価計算に計算の合理性を  

(2)  

与えるからである。   

ところで,本稿でほ,原価計算と費用理論との関係の問題を,ドイツ原価計   算論史の観点から考察している。すなわち,ドイツの原価学説(Ⅹostenlehre)  

紅おいて,この問題がいかに考えられてきたかを主として∴省察することに限定   している。特紅,原価計算と費用理論との関係が,原価計算及び費用理論の発  

展に伴ってどの、ようにその関係のあり方を変えてきたかを,素描したいと考え.割  

る。したがって−,原価計穿と費用理論との関係めあり方を「機能的分化の関   係」と規定し,その関係をとり結ぶ媒介の存在を指摘するに.止まり,具体的に  どのように原価計算と費用理論とがそ・の機能をほたし,その機能が相互紅有機   的に連関するかほ.残された課題として一本稿では言及されてこいない。   

なお,本稿で取り上げる論者ほV.ユマ−L/ンバッハ(E.Schmalenbach),  

メレログィッツ(K.Mellerowicz),V.ユLナ・イダー(D.Schneider),キルガ−  

(W。Kilger),ハイネン(E.Heinen)の5人である。この選択は次のような   理由にもとづいている。シュマ−レンバッハ紅ついてこほ,彼が原価計静の考察   に初めで経営経済学老として∴費用理論的考察を導入したからであり,メレログ   ィッツは,いわゆる伝統的費用理論を確立した人であり,しかも原価計穿と費   用理論との関係のあり方について一つの立場を表明しているからである。シ′コ  ナイダー,キルガ−,ハイネンについては,これら三人が原価計穿と費用理論   との関係についての論究が少ない中に.あって,積極的紅この問題紅対処し注目  

(1)ドルンはこの点について,シュ.マ−レンバッハが原価計算の研究に・費用理論的考察    を導入したちとに.よって,初めで原価計鍔が科学的基盤をもつに至ったと論述してい   

る。つまり原価計算に対する費用理論の不可欠さを指摘している。G,Dorn,DieEnt−   

wicklung derindustriellen KostenrechnunginDeutschland・1961・SS 83−L85・  

(2)久保田音二郎著隠接標準原価計別昭和40年版第3茸参照0   

(3)

原価計穿と費用理論との関係  

−63 −  

301  

すべき発言をしているからである。   

ところで,これら五.人の論者ほ,原価計算と費用理論との関係を,形式的軋   費用理論の発展にそくしてみると原価計算と伝統的費用理論との関係,原価計   算と新しい費用理論との関係に区分することができ,前者に〟.ユ.マーレンバッ   へ メレログィッツが,後者にシュナイター,キルガー,ハイネンがそれぞれ   属する。また,見方を変え{:,限界価値法則(Grenzwertgesetz)を媒介とし   ての原価引算と費用理論との関係を論じるグループと,費消函数の原理を媒介  

として両者の関係を論じるグループとに分けると,前者に.シーユ.マーレンバッ   ノ、,メレログィッツ,シ.ユ.ナイダーが,後者にキルガ−,ノ、イネソがそ・れぞれ   属する。ともあれ,シ㌧マーレンバッハの所説からみてみよう。  

Ⅱ 限界価値法則を媒介としての原価計算と   費用理論との関係   

(S\   

1 シ.ユマ−レンバッハの所説   

ここでいうところの限界価値法則とほレ.ユマーレ∵/バッハの用語であるが,  

癖的には限界費用法則をさすものである。周知のように,シ.ユマ−レ∵/バッハ   はこの限界費用法則を時価(特紅消費日)及び限界利用(点)と並んで,彼の   いう経営価値(Betriebswert)の具体的な評価価額と考えている。したがっ  

で,限界価値法則ないしは限界費用法則による計算とは,経営価値計舞を具体   的紅表現したものであることを留意して−おく必要がある。   

ところで,シェ.マーレンバッハの主著の一つ「原価計算と価格政策」(欝6   版)をみると,彼がこの経営価値計静を非常に.力説していることを知る。いわ  

ば経営価値計算がシュマーレンバッハの原価学説の基調にな  っていることを理  

(3)本筋では,シュマ・−レンバッノ\のF原価計算と価格政策j(第6版)一土岐政蔵訳『原    価計卯と価格政策』(節6版)昭和34年−を中心にして考えている。なお,久保田音二    郎著『間接費討瀞論』昭和34年,同著『直接原価計算論』昭和33年,松哀別稿「シ′ユマ・−   

レンバッハの経常価値論について」(大阪経済論集39号),同稿「経営価値紅対する操巣    度変動の影響」(大阪経済論集節45号)等々ほ,本節をまとめるにさいして参考とした。   

付して感謝したい。   

(4)

欝39巻 第3号  

−64 −・  

302  

解するのである。例え.ば,シ.ユ.マ−レンバッハほ第6版の序文に‥おいて,「前版   よりも増して.高鳴せねばならないのほ,原価計算においてほ一・般に.ありふれた   単なる支出計算でほ目的に到達しえ.ないのであって.,経営価値計算がこれに代  

(4)  

らねばならないことである」と強調している。   

いったい何故紅.レ.ユマー・レン㌧バッハほ経営価値計算を高唱するのであろう   か。後述でも明らかに.なるが,一首すれば,原価計算の計算原督である比較性  

(5) の原理を遂行することに基本的には由来する′。そして期間損益計算の計算原理  

が継続性の原理であるの紅対してち 原価計算が比較性の原理を要請されるの   は,シュマーレンバッハも主張してやまない共同経済的経済性に.その源を発し  

て:いるのである。更に,比較性原理の背後には,当時もはや無視できなくなっ   た固定費の増大現象とその解決,とりわけ固定費の利用状態の認識という問題   がからみ合ってこいるのである。いいかえれば,共同経済的経済性の実現ほ.当時   紅あって−は固定費問題の解決に関連し,そのために.ほ,例えば固定費の利用状   態を引数的に比較認識する基準の確立が必要であり,しかしでそ・のため紅経常   価値計算が提唱されるに至るのである。   

この事情を前記シーユマL−レンバッハの著書ほ次のように述べている。「固定   費の大きな重要性を正しい光明の下に移し,原価計算や価格計算において−,並,  

びに計算価格の使用にさいして−,その正しい取扱いを喚起し,しかして:これに 

(d)  

よって経済活動の私経済的並びに.共同経済的結果を長くする事を眼目とした」  

と。また,「それで,われわれの理論的労作に方向を与えるものは共同経済的  

(7)  

な経済性であって,私経済的経済性ではない」。しかして「本番(「原価計   算と価格政策」《第6版》−平林註)の指導精神が共同利益にあるという事   情ほ.,その内に経営価値計算の方法が非常に強く表われて:いて,その内に個々  

(4)土岐政蔵訳,前掲書,序文2貰,ただし引用文のうち一・部の訳語を改めている(以   

下同様)。  

(阜)土岐政蔵訳,前掲書,173真一176頁,及び,久保田音二郎著F間接費計界論』258頁,   

同著㌻ 直接原価計算論』罪6章節3節,参照。  

(6)土岐政蔵訳,前掲苔,1頁。  

(7)   

〝   〝  3頁。   

(5)

虎価計算と費用理論との関係  

▼l−1(;5 ▼−  

303  

(8) の事柄が構成されている事と関係するのである」。「事態ほ最高度の共同利益性  

が,今尚一般に行われている単純な支出計算に代えて.経営価値計算の適用によ  

(9)  

っでずっと促進されるように.なっている」のである。   

それではJ/ユマーレンバッハのいう経営価値計算とは何んであるのか。ま  

た,いかなるところに.その特色を見出すこ.とができるのであろうか。主/.ユ.マ−  

レンバッハによれば,「ある財が経営に.対して有する価値ほ経営価値である。  

(10)  

これほ.すべての原価計算的及び価格政策的討究の根本的基礎である」と経営   価値を定義する。・そして:その機能を,「原価計算内における経済的価値(経営価   値の意一丁平林註)は,経済的選択可能性のうちからその時のもっとも経済的  

なものを決定しうるために諸財,すなわち,ここでは原価財,給付財及びその   構成要素紅与えるべき数字的な金額である。しかもこれは多くの評価のうち経   済的選択の可能な範囲の中で,経済性の最有利なものを誘致するものであり,  

最長でしかも正当な評価である。もっともこ.のようにして見出された価値は,  

決してそれ自身単独で使用できるものでほ.ない。他の価値と比較することに・よ  

(11)  

って初めて葛義をもつものである.」と述べている。すなわち,i/コ.マーレンパ  

(1ご) ッハによれば「経済する事ほ物財と物財との間に.選択を行う事であり.」,その  

(1$)  

「選択過程ほ本能と価値判断にもとづいて−いるのであるが」,その価値判断をす   るため紅経営価値計算を導入するのである。いいかえれば,経営価値計算は経   営活動を選択・決定し,比較・批判するためのものであるというこ・とができる。   

例えば,いま,あるエ場が常妃綿花を用い,いつも1顆当り2.00マークで買   う事ができるならば,綿花紅対する経営価値ほ2.00マーークであり,これでもっ   て計算してもよい。ところが,この綿花の価格が2・10マークに.上昇した時把  は,こ.の2.10マークが経営価値となり,今後それでもって計算しなければなら  

(8)土岐政蔵訳,前掲審,4貰。  

(9)   

〝  

〝  4−5貢。  

(10)   

〝  

〝 16貢。  

(11)   

〝  

〝 14貢。  

(12)   

〝   〝  9頁。  

(13)   

〝  

〝 12貢。   

(6)

304  

算39巻 第3弓   

ー 66 −  

ない,とシーユマ−レンバッハは主儲する。何政ならば,まず2.10マークで綿花   が購入される時に.,2.00マ−クで注文を引受けるこ.とほ不経済であるし,共同   経済上からみても不経済である。次に・2い10マークという経営価値による計算に  

よって,綿花の新規注文者の負担能力をみることができる。もし,2・10マ−ク   が負担できぬ注文老であれば,それは差し当り必要な需要者でないから除外し   で良いのである。すなわち,2.10マ−クという経営価値ほ支払能力のある注文   者と,支払能力のない注文者とを選択し,しかして注文者を決定する基準に.な  

るのである。更にまた,この経営価値は,既紅受け入れた注文の可否を比較  

(14) し,その結果の良否を判断する基準にもなって.いるのである。要するに,綿花  

の取得価格が様々であるので,その取得価格で計昇(支出計算)すると,比較   可能性が失しなわれる。ところが,これを−・様に経営価値紅引直して計算して   みると,そこには共通の評価価額があるので比較の可能性が生れ,しかして∴経   営活動の選択・決定・批判が容易に.なるというのが,シ㌧.マ−レンバッハの考   えなのである。かくして\経営価値計算が経営活動の価値判断をすること,い   いかえれば,経営活動を選択・決定し,比較・批判する一つの重要な測定用具   であることがわかる。   

ところで上記シュマ」−レンバッハの例示では,経営価値として時価が考えら   れている。したがって二,経営価値計算とほ時価に.よる計算ということができる。  

しかし,このよう紅経営価値計算として時価に.よる計罫をとって言いるのほ非常   に・限られた範囲であり,多くの場合,限界価値とりわけ限界費用が凪いられて  いる。シ′ユマ・−レ∵/バッハも先の痢示のすぐあとで「こ.の計算原則(時価に.よ   る計算一平林註)ほすで紅限界価値法則と称する一個の原理の鶉芽をなすもの  

であって,  ある注文品に対して,以前に.買入れた価格より外の価格にて調   達しなければならない原料を必要とする時,この追加的紅必要とする原料の価   格が,その部分に.対してのみならず履行すべき注文の全部紅対し経営価値を決  

(15) 定す−るのである」と論述している。また限界価値が限界費用であるという点に 

(14)土岐政蔵訳,前掲書,20−21真。  

(15)   

〝  

〝  21真。   

(7)

原価計算と費用理論との関係  

305    ー67 −  

ついてほ,レユ.マ−レ∵/バッハの死後,「原価計算と価格政策」はバクア−(R¶  

BaueI・)に.よってこ改訂編集され第7版,8版を公刊して:いるが,そこで,経営   価値を決定づけるものほ限界費用又は限界利用であるが,通常は限界費用が考  

(16)  

えられると述べてこいることからみて1限界価値は限界費用と代置しても誤りな   いものと考えられる。   

かくみると,シュマ−∴レンバッハの原価学説には,原価計算は魔営価値で計   算するという経営価値計算の考え方,いいか.えれば限界費用法則に.よる計算ノ監   考が貰ぬいていることをわれわれは認識するのである。そして,この考え方が   シュマ−レンバッノ\の原価計算償おいて.ほ.随所に具体的に展開され,彼中原価   計算論を特色あるもめに.して.いるのである。   

ところで,この限界費用はどのように.して求められるのか。また,いわゆる   限界費用の理論ほ.どこで問題とされ,ヨリ深くその性格が論究されるのであろ  

うか。いうまでもなく,これらの問題に、取組んでいるのが費用理論なのであ   る。シ㌧.マ〜−レ∵/バッハが,原価と操業度との関係を基いとして′,数学的費用   分解にからみ合わせて限界費用の理論を明らかに.して:いることほ,周知のとこ   ろである。とれ紅ついて:は多くの論者が既に守旨摘しているので,本稿ではそ・の   詳論を省略したい。しかし実に,ここに経営価値計算一限界費用計算を媒介に 

して原価計算と費用理論とが有機的に関係している純粋な姿をみることができ   るのである。しかも注目すべきほ,費用理論が原価計算の基鹿に.なるものとし  

て把握され,その独自の機能が認められていることである。われわれほ.,シ.コ  マーレ∵/バッハのこの関係づけを,原価計算と費用理論との関係のあり方の原  

型と考え.る。すなわち,一方である媒介紅よって∴原価計算と費用理論とが有機   的把.関連し,他方でその閑適ほ費用理論が原価計算と違った独自の機能をもっ   て,原価計算に計算の理論的基礎を与えるという関係,これを原価計算と費用   理論との関係のあり方の原型と考えるのである。  

(16)E..Schmalenbach.,Ⅹostenrechnungund Preispolitik,   

8.、Auflい1963小 S.150.   

(8)

306   帝39巻 第3弓  

−−一 6ざ −−−  

(17)  

2 メレログィッツの所説  

さて」上記のようなシュマー・レンバッハの考え方を忠実軋承継し,それを理    論の上に.おいて一層精緻なものに.したのがメレログィッツである。その証左を    われわれほ限界費用の理論にみることができる。  

メレログィッツはシ㌧.マーレンバッハと同じく,固定費の増大現象,固定費    の硬直性を問題にするさい,それを生産能力的観点からメスを加えて−いる。特    に生産能力の利用状腰の測定及びその良否の判断は,メレログィッツにとって    も大きな関心事であった。かくしてこのためメレログィッツほ平均費用の思考    でほなく,限界費用的思考を重要視するのである。というのはけ 限界費用の理    論を援用することによって,経営がその生産能力の利用がいかはどであるかを    確認できるからである。例えば,〜限界費用の算定から,経営は自己の総費用の    発展経過を測定し,それに.よって逓減地帯(生産能力の未利用状態),′比例地    帯(生産能力の完全利用状態),逓増地帯(生産能力の過大利用状態)のどこ    紅あるかを認識し,もって.生産能力の利用,管理を考えるのである。  

ところが,メレログィッツは,シ㌧.マーレ∵/バッハの立場を引継いだもの    の,その限界費用の理論ほヨリ厳密な理論的なも甲であり,また豆り実践的な    色彩をもっているものなのである。とこでは,もはやレコマーレンバッハを超    えた特色ある一つの理論展開をメレログィッツがしている。成層費用の理論   

(ilheoriederSchichtkosten)がそれである。  

メレログィッツに.よれば,成層費用とほ新しい生産層に.新しく発生する(ま    たほ消滅する)費用である。したがって■,成層費用ほ常軋個々の生産層紅関係   

し,しかも自然に.最終生産層(新たに.発生するまたは消滅する)が問題となる。  

、そして,この最終生産層に限界成層費用,すなわち限界費用が生じるのであ    る。かくて,メレログィッツに.よれば限界費用の理論は成層費用の理論と理解  

(1る)   

されているのである。  

(17)本邸では,K‥Mellerowicz.,Kosten und Kostenrechnung,2.Bゑnde.   

3.Aufl・1957。を中心に考察している。  

(18)K・Mellerowicz。,Kosten und Kostenrechnung,Bd小Ⅰ.   

SS.353−354.   

(9)

原価計算と費用理論との関係  

307    −69 −   

しかし,この成層費用ほ最終生産層の費用である限界費用のみならず,あら   ゆる生産層の費用に.も関係する。そ・こから差額費用(Differenzkosten)/と微   分費用(Differentialkosten)との関係が問題となる。差額費用ほ.,メレロ  

グィッツに.よれば,ある二つの操業層の総費用の差額であり,微分費用はその   層に附加された生産と差額費用との割合である。しかして微分費用ほ個々の成   層の単位費用であるから,単位微分費用とも呼ばれる。かくして,限界費用鱒  

(19)  

最終生産層のこの単位微分費用なのである。われわれほシネマ−レンバッハと   ほ違った精微な理論展開をここにみるのである。   

しかし,メレログィッツの限界費用の理論ほ,シーユ.マ−レンバッノ、のように   原価計算と費用理論とを関係づける結び目の役割をはたしていない。.メレログ  

ィッツもたしかに.「限界費用は近.代費用理論の中心であり,経営の原価計算や  

(20)  

給付計算思考の精密化のたあの基礎となる」と述べている。しかし,具体的に  原価計算と限界費用とがいかに.関係するかについて.−はメレログィッツの論述か  

らはほっきりしない。シ.ユマー・レンバッハが原価計算の基底に.経営価値計算を   おき,その具現として限界費用を理解し,そ・して:費用理論でその限界費用の理   論を確立し,もって原価計算と費用理論との関係のあり方をいわば直線的に関   連づけた原型は,メレログィッツの場合にほくずれかけているのである。   

だが,これでもっそ,メレログィッツの後退と速断してほ.ならない。彼ほ原  

価計算と費用理論との関係のあり方をづ/ユマーレンバッハとは違った観点から   考えているのである。メレログィッツほその著「原価と原価計算」(第2版)  

の序文において,原価計算は応用された費用理論であるので,原価計算は費用  

(21)  

理論の認識常.もとづいて構成される,と述べている。すなわち,原価計算が費   用理論的認識を必要とするという点においてレ.ユ.マーーレンバッノ、と同じ考え   方をしている。そして;この考え方が,原価計算と費用理論との関係を考える   場合,重要なポイント紅なっているのである。しかし,他面,メレログィッツ  

(19)DeIS,a.a0・,SL355・  

(20)Ders,ala・Ol,S‖354・  

(21)Ders,a・a.0・,SlⅢ.   

(10)

節39巻 第3号  

308  

ーー 7(7・鵬・  

ほ原価計算と費用理論とを媒介するものをあいまいに.しているという点で,シ   ユ.マ−レンバッハとは異っている。したがって.,メレログィッツでは,原価計   算と費用理論とが直線的につながらないのである。ここにレユマーレンバッハ  

とはニュアンスを異に.した関係のあり方をみるのである。   

これは,メレログィッツが原価計算と費用理論とを原則として二区別している   ことに関連する。彼は,経営の原価問題を研究するさいに,原価討算と費用理   論とにほそれぞれ独自の研究分野と,したがって,機能があると認識し,それ   改に.,それぞれがその機能をほたす有用性を考え,両者の区分を考えるのであ   る。たしかに.,これをもってメレログィッツが原価計算と費用理論とを分離   し,いわゆる二元論の立場をとらているという−・般の指摘は,的をはずれ   てはいない。しかし,筆者は,これをもってメレログィッツが原価計算と費用   理論との関係のあり方を,機能的分化の関係で把えていると理解したい。つま   り,原価計算と費用理論とは,費用理論が原価計算の基礎になるという意味で   密接に.関係するのであるが,とれらを一応区分して,あたかも別個のものであ   るかのように扱うのは,メレログィッツがそれぞれがもつ機能の重要性を評価   して:いるからであると考え.るのである。  

それでほ,賀用理論が原価計穿と別に.はたす機能とほ何んであるのか。ま   た,費用理論が原価計算と別個に.その自己運動を開始した理由ほ奈辺にあるの   か,考えてみなければならない問題である。これほ,当時の歴史的事情,とり   わけ固定費の問題が関連する。周知のように.,今世紀に入ってからの経営内部   での大きな変化は,生産過程の機械設備が盈・質とも紅高度化し,それがため   資本の固定化,しかして∴費用の固定費化現象が顕著に.なったことである。しか  

も,生産と消費の矛盾がこれ紅かさなり合い,固定費の存在は強く意識され,  

固定費問題の解明が緊急の課題となったことである。   

しかるに.,当時の原価計算ほ,この固定費問題を間接費計算の問題と理解し,  

その究蛎に.終始した。固定費の多くが間接費の形をとるのであるから,このよ   うな傾向は当然であったわけである。しかし,原価計算は,間接費をいかに.正   確紅配賦するかの問題のみに.終始し,固定費の発生原因,あるいは.固定費の性   

(11)

309  

原価計静と費用理論との関係   ーアユー  格そ・の利用・管理等々は解明するまでに/至らなかった。しかも,致命的であっ  

たのは,間接費計算の基底に周定費の理論が関連していることを見逃していた   ことである。ここ.紅費用理論という研究分野の発生の契機があり,費用理論の   独自の研究分野が生れるのである。そして.,ひとたび,費用理論に.おいて 固定   費の操業度との関連の理論づけが明らか軋なると,それが間接費計算に関係を  

もってくる。例えば,配賦基準の選択,間接費配賦過不足の原因及びその合理   的処理等々が,費用理論を基底にすることによって明らかに.されるのである。  

かくて費用理論ほ原価計算の計算技術的思考をヨリ理論的に純化する機能をも   つものとして,存立基盤を確立したのである。ハイネンが原価学説に.は原価計   算,原価概念,費用理論の三つの個々の部分領域がある。そして:,これら個々   の部分領域は時間的に個並んで発展するのではなく,囁次蓮続的紅原価計算→  

原価概念→費用理論と発展することを指摘している。すなわち,原価問題の経   験的・計算的・そして概念的分析の後,初めて原価ほ理論的観点から研究され 

(22)  

るという論述ほ,上記の事情をあわせ考えると,費用理論の機能とその存立意   義を的確に表現していると考える。しかも費用理論は.原価計算との連関におい  

てこそ,その正しい意味が見出せることをはっきり認識しなければならない。   

しかし,それに.し七も,メレログィッツ以後,費用理論が原価計算と無関係   に.論じられている感があるのほ否定できない。ドルソはこの原因を国家政策に  よると指摘している。すなわち,■「この二つの領域(原価計算と費用理論一平   林註)が次の10年間に.ますます相互紅離れてこしまっているのは.,′その関心事が   独特であり,主として財務目的のために・経営内会計制度の成果を利用した国家  

(23)  

的機関の影響が,わけても重大なものとして関係しているからである.」。1980年   代以降,政府が布告した一・連の原価計算庭.関する指針・指令・細則ほ,財■務目   的とりわけ価格計算を中心とする原価計静を想定したた・め,原価計算と費用理   論とを分離する作用をしたのである。  

(22)E.HeiDen。,BetriebswirtschaftlicheXostenlehre,Bd・Ⅰ・   

2.Alユfl−.196Eり′Sノ.21−22ル  

(23)GりDoInい,a−a・0い,S.95.  

l   

(12)

310   

算39巻 第3号  

− 72 −  

かくみてくると,メレログィッツの原価計算と費用理論との関係づけほ.,シ   ュマ−レンバッハのそれと異ってごいる面がある。特に.原価計算と費用理論との   分離化傾向の端諸がみられる。しかし,それを分離化傾向と理解するのでほ.な  

く,機能的分化の傾向と把握するのがわれわれの行きついた考え/であり,この   考え方が後述でも明らかになるが,原価計算と費用理論との関係のあり方を示   す一つの型として定着しているのである。  

(24)  

3 ミ/ユ.ナイダーの所説  

さてシ.トナイダーの考え方の根底に.は,費用理論と原価計算との連結として   の費用分解がある。そして:,この費用分解ほ限界費用の研究に関連するのであ   る。この事情をシ.ユ.ナイダL−はおよそつぎのように・論述している。   

原価計算においてほ費用理論の概念を見出さない。しかし,費用理論の利用   及び立言を考え,しかも会計制度の課題を主として:企業管理の「用具」とみる   ならば,原価計算の主たる課題がはっきりする。それほ経営簿記の過去約数値   を未来関連的な限界費用に・変えてしまうことである。それに・よって,例えば,  

低価格で追加注文を引受けるか香かの問題を決定することができる甲である。  

かくして,限男費用の研究がまずうかびあがる。ところが費用理論は最初から   経営簿記に.もみられるように.,原価を固定費と変動費とに.分解し,しかして限   界費用を計算するという考え方がみられる。したがって,限界費用の研究は,  

(25)  

差し当り費用分解の研究ということで代置される。   

ここに.,限界費用を問題にするという意味匿おいて,シ.ユマ−レンバッへ   メレログィッツと共通する考えのあることをわれわれほ知る。しかし,問題の   費用分解では異った見解をもっている。シ′ユナ・イダー把.よれは,−・般に費用分   解法としては,イ)数学的費用分解法,ロ)記帳技術的費用分解法,ノ、)統計   的費用分解法,ニ)発生原因主義的原価附加計算法,ホ)畳的費用分解法の5  

(24)本節では,D.Scheider.,Kostentheorie und VeIurSaChungsgem去sse Kosten・   

rechnung,ZfhF・Heftlウill1961・を中心にして考察している。  

(25)D・Schneider.,aaい0一,S.679 

(13)

原価計算と費用理論との関係  

・− 73 −  

311  

つが考えられるが,ホ)の星的費用分解法をもって.最とも良い分解法であると  

(26)  

している。   

ここで鼠的費用分解法とほ,シーユ.ナイダーによれば,期待操業度の変化で生   じる原価の「量的構成(Mengengerijsts)」の体系的計画に.もとづくものであ   る。したがって,もし要素投入量と生産患との関係が技術的に.判明して−いる   と,追加的費用である限界費用は個々の要素投入量に価格をかけることに.よっ  

(ゞrl  

て:算定される。そこで,問題は要素投入量と生産患との関係が技術的に規定で   きるかである。しかし,これぬっいて−は,グーテンペルクの費用理論が,いい   かえれば新しい費用理論が,費消函数の原理を援用することに.よって容易に可   能であることを立証している。費消函数の原理とほ.,簡単紅いえば,要素投入   量の費消とある作業手段の技術的給付との間に.依存関係のあるこ.とを認識し,  

原価を全体生産過程の各作業手段場所単位ごと紅,その場所での給付度合に関   連しつつ把握するというものである。   

ともあれ,グーテンペルクの費用理論の助力によって要素の投入・産出は.把  

握できる。かくして,限界費用の計算ほもはや評価の問題となる。しかしそれ  

も価格問題を固定し,ただ星的構成の討画のみを考えるならば計画消費量と実   際消費塁との比較分析に関する原価計算の問題は解答を与えられることとな  

る。かくしで,グ−テンペルクの費用理論は直接的に.計画原価計算の前提であ   り,その目的であ、る経済性管理,個々の製造領域での要素消費藍の管理は可能と   

(28)  

なる。   

ところで,シュナイダーのかかる立論から,差し当り三つの点を指摘するこ   とができる。(1)第一・は,限界費用の理論というものを重要視していること,つ   まり限界費用を原価計算と費用理論との媒介にしているということである。こ   の点においてほ,ミノユマーレンバッハ,メレログィッツと同じ基盤にあるとい   える。(2ルかし,第二に,シュナイダーの限界費用の理論ほ.,グ・−テンペルク  

(26)Der■S,乱aい0・,S・・680 ff  

(27)Ders,aa・0,S686 

(28)Ders,a a・OL,SS.687−689 

(14)

第39巻 第3弓  

312  

− 74 −  

の費用理論を基底に.している。それほ.,ミ/コマーレンバッハ,メレログィッツ   とは全く異った立場から限界費用理論の展開を考えていることを意味する。  

(3)つまり,それはシュナイダーの原価計算に.対する理解と連関する。いいかえ   れば,原価計算の計算対象に変化のあったことを考慮した限界費用理論の屈繭   なのである。従来の原価計算がいわゆる製品学位当りの原価計算に.重点があっ   たのに対し,レユ.ナイダーにあっては,原価計算ほ部椚別,更にいえば場所別   の原価管理把壷点が移っているという事実である。したがって,原価計算と費   用理論との間に.機能的分化の関係があるとすれば,費用理論の機能ほ原価計算   例のこの変化転封応しなければならない。グ−ケンペルクの費消函数の原理を  

もといとする費用理論は,正に.これに対応した費用理論である。つまり,原価   管理を主たる目的とする原価計算の理論的裏付けをする費用理論であるという  

ことができる。もっとも,これには再び固定費の問題が関係してくる。つまり,  

部門別,場所別原価管理の思考ほ,従来の固定費を所与とし,もっぱらその回収   引算に置きをおき,精々固定費を形成する生産鱒カの利用状態の分析に終始し   ていた立場を止揚したものであって−,所与としてめ固定費の内容に.介入し,固定   費を積極的に解明する立場紅もとづいている。そ・して屑昔すれば,そのような   実状把発生基盤をもっているのがグL−テンペルクの費用理論なのである。  

かくみると,シュナイダーの考え.方は,限界費用甲理論を媒介に・して鱒価計   算と費用理論との関係のあり方を考えているとはいえ,シュ.マーレ∵/バッへ   メレログィッツとほ.全たく異った背景と立場とに・立脚しているということがで   きる。そして,そのことが以後のキルガ−,ハイネンの所説を考える場合にも,  

非常に.重要な患囁をもっているのである。  

Ⅲ 費消函数の原理を媒介としての原価計算と費用理   論と の 関係  

く29)   

1. キルガーの所説  

(29)本節でほ,W KilgeI∴,I)ieProd11ktions・・und Kostentheorieals theoretische    Grundlage der KostenIeChnunglZfhF:Heftll 1958を中心にして考察している。   

官本匡章稿,『費用理論と原価計算との交渉』(会封77巻1号)参照。   

(15)

原価計静と費用理論との関係  

ー 75−   

313  

ところで,キルガーの原価計算と費用理論との関係のあり方についての考え  方は.,メレログィッツのそれと共通している。したがって,メレログィッツの  

それを,われわれほ機能的分化の関係と規定したが,それほキルガ一に・もその   ままあてはまる。キルガ一によれば,(生産)費用理論の課題と原価計算の目   標との間に.は,基本的な一億があるという。すなわち,経営の結合過程の函数   関連を明らかに.するという課題がそれである。そして,生産諸要素の費消患が   生産量と生産能力との関係に.おいて規定されると,価格の問題を別に・すれば,  

原価計算,凛用理論ともに.,まず,費用の恩的構成の分析が問題となる。しか   し,こ.の研究対象の−・致にもかかわらず,原価計算と費用理論とに・は次の様な   本質的な相違がある。費用理論ほ結合過程の函数的関連を理論的モデルの支援   に.よって研究し,その普遍妥当的法則性を研究する。それ紅対して,原価計算   ほ一−・定の経営の結合過程の函数的関連を経験的研究や測定でもって分析する。  

かくして,キルガ−は,費用理論が形成され,それから推導された法則性が原  

「80) 価計算の実践のための理論的原理を形成すると論結する。   

それでは,どのような費用理論が原価計算の理論的原理となりうるのか。い   うまでもなくグーテンペルクの費用理論なのである。いわゆる伝統的費用理論   ほもほや原価計算の諸問題を解決するさいの指導性を失っているのである。そ   れほ伝統的費用理論それ自体から一つは釆てし丁る。しかし,他面,先に・もふれ   た原価計算側の急速な変化にも由来している。われわれほ伝統的費用理論の限   界をここに.ほっきりみると同時に.,新しい費用理論の意義を見出すのである。   

さて,キルガーは,費消函数の原理を媒介としての原価計穿と費用理論との  

し31)  

関係を次の四つに.まとめている。とれは,新しい費用理論の原価計算への機能   関連がいかなるものであるかを最初に.示したものであって,注目すべきもので   ある。  

(1)費消函数の原理に.よって,要素投入量と生産豊との間に・存立する函数的   関連が,良く構成された原価場所計算に・おけると同様に・,設備あるいほ.同質の  

(30)W.Kilger一,a.a.Ol・,SS・555−5561  

(31)Ders,a.a 0小,SSl・563−564・   

(16)

314  

滞39巻 罪3号   

−−76−  

設備群によって区分されて研究される?  

(2)費消函数の理論に.よる個々の部分単位ごとの分析ほ,大壷生産企業に=お   いて,要素費消のための測定値として使用される。しかも,そ・の測定値ほ弾力   的計画原価計算における原価の配賦基準尺度として,また,給付討算における   変動費の原価負担者への計算のための基礎として役立っている。それ敢に.,こ   の形式的考察から,要素投入量の体系ほ弾力的封画原価計算の肇的構成や給付   計算の配賦基準原理と一・致する。  

(3)計画原価計算に.おいてチ 強度的差異または給付度差異(Intensitats・Oder   leistungsgradabweichungenlを計算することは必要であるが,原価引算とほ   反対に贋用理論において−はこの給付皮をいままで顧慮していなかった。ところ   が,グーテンペルクのいう「費消函数の理論」の導入によってニ,これが初めて  注目され,しかも原価計算と費用理論との間の断絶がうめられたのである。  

(4)シ㌧マ−レ∵/バッハの比例率紅ついての説明,原価発生主義原則の妥当   領域について:のルソメルの研究は,変動費のみが生産物に帰属するように・な   る。したがって,この考え方を発展せしめると,原価計算峰比例約またほ限界   原価計算となり,ついに.は近代の限界計画慮価計算庭到達する。同じ考え方に 

よって,夷・米でも限界原価計算又は直接原価計算が生まれている。新しい費   用理論はこの原価■計算の発展傾向に丁数する。すなわち,固定または区間固定   的要素費消を,生産能力との関係に.おける鼠的適応過程の理論によって規定す   る。そして,変動的費消ほ生産見や設備の給付皮と関係している費消函数の理   論に.よって規定する。したがって,要素投入函数ほ弾力的限界計画原価計算に   おいて利用されるゾ)L/原価曲線(Sollkosten・Kurven)の量的構成のための理   論的表現である。  

(32)  

2.ハイネンの所説   

ところで,ノ、イネンの原価計算と費用理論との関係のあり方については,こ   れを機能的分化の関係を示す典型的なものというととカざできる。すなわち,シ  

(32)本筋は,E Heinen,BetriebswirtschaftlicheKostenlehre・BdりIl・1965・2・Aufl・   

を中心にして考察している。   

(17)

原価計算と費用理論との関係  

− 77 鵬  

315  

ユマ岬1/ンバッハ,メレログィッツ,そしてキルガー・等々は、どちらかとい   えば費用理論を原価計算の基底に.あるものという理解をしている。それに射し  

(3S)  

で,ハイネンほ,もちろん,そのようなニュ.アンスはあるが,原価計算と費用   理論を相互依存関係と理解している。ここ.に原価計算と費用理論との関係のあ   り方軋やや遵った理解方法がみられるのである。もっとも,ノ\イネンも,その   著「凝営費用理論」の第一俄に.おいてほ,メレログィッツ,キルガ一等々と回  

し:il)  

じ考え方をしていた。したがって,ハイネγ自身の考え方に微妙な変化が生じ   ていることを知っておかなければなるまい。   

さて,ノ、イネンは,既軋指摘したように.原価学説の三つの個々の部分領域は,  

順次連続的に.発生するが,ひとたびこれら部分領域がその自己運動を開始する  

(35)  

と,この三つほ.次のような関係をもつと図解している。  

経験的原価現象  

†   原 価 概 念  

† †  

→ 原価討節i   

いま,問題となる原価計算と費用理論との関係をみると,ノ\イネンの見解ほ  

(36)  

つぎのように.まとめることができる。  

原価計算の楓能  

算定機能一原価諸現象を具体的に   計算的に規定する。  

最適化機能一計昇レ・管理のために   費用理論の機能  

解釈機能一原価額が依存して−いる   影響要因を一腰的に.示   す。  

(33)例えば,「原価計罫は彗用理論の認識なもとにして構成しなければならない」と    か,「費用理論ほ原価計算の基底(Basis)である」という文言をみることができる。   

E.Zleinen.,aいa.0..,S..36 

(如)ハイネソは,第1版においては,第一巻を基礎窟と名付け,費用理論に.ついて論    じ,ついで原価計算需の公刊な公表していた。E.Heinenい,Betriebswirtschaftl呵1e   

Xostenユehre,Bd.Ⅰ′,1959一′1.,Aufl。Vorwozt zur ersten Auflage 

(35)臥Heinenla.a0リ(2.A11fl.)S。35.  

(36)Ders一,,a、a.0い,SS.35−36 

(18)

316  

企業者に情勢関連的   な原価情報を提供す    る。   

第39巻 第3弓  

−7β−・  

形成機能−′−最適の原価事情にする   ために↓、か軋すれば点   いかを考え.る。  

かくして,「費用理論と原価計算との関係は相互依存関係である。原価計算   は費用理論の明らかに.した,そして助言した立言をよりどこ.ろに・するし,逆に 

(37)  

費用理論の立言ほ計算による確証を必要とする」というのが,ノ、イネンの結論   である。  

Ⅳ 残された課題一緒びにかえて   

以上,われわれは,原価計算と費用理論との関係の問題を,過去の論者がい   かなる関係づけをしていたか,つまり関係のあり方の理解ということに.問題を   限定してささやかな考察をしてきた。そして,各論老によって関係のあり方が   多少相達して−いるのであるが,そして,それほそれなりに重要な意味をもって   いるが,われわれは,総じて,原価計算と費用理論との関係のあり方を機能的   分化の関係と把握していることを看取したわけである。たしかに.,このような   結論は自明のことであるともいえる。問題は,むしろ,この機能的分化という   内容に.ある。すなわち,いったいいかに具体的に原価計算の機能と費用理論の   機能とが相互に連関するのか,という問題の解明が必要なのである。われわれ   は,この点について何んら言及しなかった。したがって,問題は始ったばかり   であるといえる。今後この残された大きな課題について考察していきたいと考   えている。そのために.は,現今の原価計算の動向も洞察しなければならない。  

われわれが原価計算という場合,いわゆる特殊原価調査の領域軋入る分野をど   う考えるのか,それを含めるのか否かという問題がある。もし,含めるとすれ   ば,それを考慮した上での原価計算の機能と費用理論の機能とをいか紅考え  のか問題点の一つである。   

また,原価計算と費用理論との関係というような問題はひとりドイツ原価計  

(37)Ders,a.a.0.,S 36。   

(19)

ー 79 −  

原価計静と費用理論との関係  

317  

算論に.おいてのみみられる現象であり,英・米に‖おいては問題とされていな   い。とすれば,このドイツの特殊事情をどう理解するのか考えてこみなければな   らない問題である。それほ,ドイツ原価計算論の理解に.関連する。本小文はそ   のささやかな研究の算−・歩でもある。   

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