文化 交流 の理解 を深 め る小学校社会科 にお ける近隣諸国の学習
永 田 成 文
D
小学校社会科 における近隣諸国の学習では、文化のつなが りについて導入で扱 うのみで、文化のつなが りそ の ものに焦点 をおいた学習 となっていない。本研究の 目的は、小学校社会科 において、文化交流の理解 を深め る近隣諸国の学習 を提案す ることである。本研究では、文化交流の理解 を深めるとは、文化の伝播、文化の変 容、文化の交流 を理解 してい くことであると定義 し、これ らの視点において共通点 と相違点を有する文化事象 を 比較検討する新 しい学習論 を提示 した。具体的な近隣諸国として中国を、文化事象 として漢字 とお茶 を設定 して 授業 を開発 し、実験授業 を実施 した。ワークシー トの分析結果か ら、本研究で開発 した授業は児童の文化交流の 理解 を深めるために一定の効果があることがわかった。近隣諸国か ら伝播 し、現在の 日本の生活に根付いている 文化事象は、文化交流の理解 を深める学習の学習内容の中核に位置づけることがで きる。
キーワー ド :文 化交流、近隣諸国、伝播 ・変容 ・交流、漢字、お茶
I.研究 の 目的 と方 法
日本 と中国や韓 国 な どの近 隣諸 国は、今 後、経 済的0 文化的
0人
的 な交流が ます ます活発 になる と予想 される。小学校社会科6学年 の国際理解分野 の内容 ア「我が国 と 経済や文化 な どの面 でつ なが りが深 い国の人 々の生活の 様子」 では、 日本の近 隣諸 国 を意 図的 に取 り上 げ、文化 や習慣 を理解 し、尊重す る ことが 目指 されてい る
1)。
異 文化 を理解 し、尊重す るため には、文化 は 自然へ合理 的 な適応 を図 り、 よ り充実 した生活 を営 むため に考案 した もので あ る とい う点 で共通性 が あ る こ と分 に着 目す る 必要がある。学習指導要領 に対応 した教科書 では、対象 とす る国の 日本 とのつ なが り、人 々の生活、学校生活の ようすが共 通 して取 り上 げ られてい るの。 日本の近 隣諸 国は文化面 でつ なが りが深 い国 として取 り上 げ られ る。 しか し、導 入で様 々な文化が 日本 に伝播 してい ることが取 り上 げ ら れ るのみで、展 開後 は対象国の生活 ・文化 を理解す る学 習 となってい る。文化 は国 と国 との二 国間で伝播す るの ではな く、ある一定の範 囲で伝播す る。従来の近隣諸 国 の学習 は、文化が近隣諸 国か ら日本 に伝播 す る点が強調 され、伝播 した文化が 日本 に合 った形 で変容 している と い う視点が弱い。変容 した文化 は逆 に 日本か ら近隣諸国 に伝播 し、双方 向で文化 の交流 をす る場合 もある。文化 面 のつ なが りに焦点 をあてた近隣諸 国の学習 は、文化 の 伝播 、文化 の変容、文化 の交流 をとらえる必要がある。
本研 究の 目的 は、小学校社会科 において、文化交流 の 理解 を深め る近隣諸 国の学習 を提案す る ことである。
研 究方法 は、次の通 りである。
第 1に 、小学校社会科 において、文化交流 の理解 を深 め る近隣諸 国の学習の学習論 を提示す る。
第2に、提示 した学習論 に基づ いた授業 を開発 し、実 験授業 を行 う。
第3に、 開発 した授業 を文化交流 の理解 を深 め る視点 か ら分析 し、その有効性 を明 らか にす る。
Ⅱ.文化交流の理解 を深める社会科の学習論 1.内容論
文化交流 の理解 を深め る とは、 まず文化 の伝播 を理解 し、次 に文化 の変容 を理解 し、 さらに文化 の交流 を理解 す る ことであ る (図 1参照)。
図
1文化 交流の理解 を深 ま りの イメージ
文化交流 の理解 を深 め る内容 と して、近隣諸 国か ら日 本 に伝 播 し、 日本 の生 活 に根付 いて い る文化事 象のの 中で、 日本独 自の形 に変容 し、変容 した ものが再 び 日本 か ら近隣諸 国に伝播す ることで文化 の交流が イメージで
きる ような もの を事例 に取 り上 げる。
2.方法論
文化交流 の理解 を深め る方法 と して、近隣諸 国か ら日 1)三
重大学教育学部社 会科教育講座
‑19‑
永 田
成文
本へ伝播 し、日本の生活 に根付いている文化事象の中で、
その特質が異なるものを取 り上げ、比較考察 してい く。
文化の伝播 を理解するために、近隣諸国か ら日本 に伝 播 し、文化の伝播 の範囲が異 なる文化事象 を比較する。
文化の変容 を理解するために、近隣諸国か ら日本に伝播 し、文化の変容の難易が異なる文化事象 を比較する。文 化の交流 を理解するために、近隣諸国か ら日本 に伝播・
変容 し、再伝播の有無が異なる文化事象 を比較する。
文化事象 を比較考察することにより、児童は文化交流 の面的側面 とともに各文化事象の特質を意識で きる。
3.授業過程
従来の社会科 における近隣諸国の学習では、「 どの よ うな文化が存在するのか」「なぜそのような文化が存在す るのか」とい う問いについて、その背景 を自然環境や社会 環境か ら考察する異文化 を理解する過程 となっていた。
文化交流の理解 を深める近隣諸国の学習では、近隣諸 国か ら日本 に伝播 した文化事象 について、「 どこが同 じ で どこが違 うのか」 とい う問いか ら文化の変容を把握す る。その上で、文化事象 を比較 し、「なぜ文化の伝播の 範囲が異 なるのか」とい う問いか ら、文化事象その ものの 特質やつなが りを考察する交流 を理解する過程 となる。
Ⅲ.文化 交流 の理解 を深 め る近隣諸 国の学習 の開発
1.中国 か ら日本 に伝播 した文化 ―漢字 とお茶 ― 本研 究で は近 隣諸 国の事例 として、文化交流 の歴 史が 長 く、様 々な文化事象 を日本へ伝 えてい る中国 を取 り上 げる。 また文化事象 の事例 と して、普段 の生活の中で児 童 力ψ慣れ親 しみ、児童が 中国か ら伝播 した文化 である と い う意識が強い漢字 とお茶 を取 り上 げる。
漢字 は約3500年前 に中国で生 まれ、約2000年前 に 日 本 に伝播 した とされてい る。漢字 は中国か ら東 アジア・
東南 アジアに伝播 してい る。 日本では、漢字か らひ らが な、 カタカナ を生み出す とともに漢字 その もの も独 自に ア レンジす る とい う変容が な された。
お茶 は紀元前59年頃 に中国 中部 の揚子江上流付 近 で 利用 の記録 が残 ってい る。8世紀 に遣唐使 と して派遣 さ れた留学生 たちが 日本 に伝 え、12Cに栄西 がお茶 の薬用 効果 を知 り、普及 につ とめた とされている。お茶 は世 界 各地 に伝播 してい る。 日本で は、緑茶 の製法 によ り中国 にないお茶 の種類
(抹
茶 な ど)をア レンジす る とともに、日本独 自のお茶 の作法 を生み出す な ど変容が なされた。
お茶かけ ご飯 や抹茶 ア イスな どは 日本独 自のア イデア である。 日本で生 み出 された茶道 は中国へ の再伝播 され るな ど交流 が な されてい る →。
漢字 とお茶 は伝播 の時期 や伝播 の範 囲や伝播後 の変容
や変容後の交流が異なる。漢字 とお茶 を事例 として取 り 上げることで、中国か ら伝播 した文化は日本で取捨選択
され、文化の特質により日本に合った形で変容 し、さら に再伝播する場合があることをつかむことがで きる。
2.小単元 「漢字 とお茶から文化交流を考える」
小単元の 目標 は次の通 りである。
○身近 な生活の中にある漢字やお茶のルーツや種類や変 容について興味を持つ。【関心・意欲0態度】
○漢字 はアジア圏 に広 まってい るのに対 し、お茶が世界
中に広まっている理由を考える。【思考・判断】
○ 日中の漢字の共通点や相違点、お茶 の種類 に よる成分
の違いを読み取り、表現できる。【技能・表現】
○ 中国か ら伝播 した文化 は 日本で変容 し、 中国に再伝播
している文化があることを理解する。【矢日識 。理解】
小単元 の構 成 は次の通 りである。
○漢字 の伝播 と変容 ・e...・ ・ ◆・・・・・1時間
○ お茶 の変容 と交流 ・
0・
・e・
・・・・・・01時間小単元 の学習過程 を表 したのが表 1である。
第1時は、 日本 と中国の歴 史的 な文化交流 を概観 し、
漢字が現在 も使用 されてい る地域 が アジアの一部である こ とを確認す る。「中国にな く日本 にだけある漢字」「中 国 と 日本 で意 味 は同 じだが表記 (語順)が逆 に な る漢 字」「中国 と日本 で同 じ表記 で同 じ意味の漢字」「中国 と 日本で同 じ表記 で意味が異 なる漢字」 を取 り上 げること に よ り、 中国か ら伝播 した漢字が 日本で変容 しているこ とをつか ませ る。 まとめ として漢字 について興味や疑問 に思 った ことを整理 させ る。
第2時は、 日本 と中国のお茶の種類 の違いか ら、 日本 独 自の製法 に よるお茶 の変容 を確 認す る。お茶が世界 中 に伝播 し、い ろいろな種類や飲 み方 にア レンジされてい る とい う変容 について確 認 した上 で、「 なぜ お茶 は世 界 中に広 まったのか」 について追究 させ る。漢字 とお茶 の 伝 播 を比 較 し、仮 説 を立 て る こ とに よ り、民 族 の指標 の1つである文字であ り、マス ターす るため に時間がか か る漢字 と、 ア レンジ しやすい飲料であ り、気軽 に取 り 入 れ る こ とがで きるお茶 との違い を意識す ることがで き る。児童 か らの様 々な仮説の中で、お茶 の本来の効用で あ る「お茶 は体 に よい」 について と りあげ、お茶 の成分 の資料 のか ら検 証 す る。 お茶 の成分 か ら、お茶 は体 に よ く、飲料 なので世界各地で取 り入れやすい ことを認識 す る こ とがで きる。文化交流 として、 日本独 自のお茶 の 種類 であ る抹茶 か ら発達 した 日本独 自の作法である茶道 が 中国に逆 に伝播 してい ることを確 認す る。
小単元 の まとめ として、漢字 とお茶 についての共通点 と相違点 を記述 させ ることで、中国か ら日本へ の漢字 と お茶 の伝播 、 日本での変容 と伝播 の範 囲の違 い、再伝播 に よる交流 の有無 を整理 させ る。
―‑20‑一
文化交流の理解 を深める小学校社会科における近隣諸国の学習
表
l Jヽ
単元「漢字とお茶から文化交流を考える」の学習過程 第1時「漢字の伝播と変容」。中国と日本の漢字の「表記」「読み方」「意味」に着目させ,共通点や相違点に興味を持つ。【関心・意欲・態度】
。中国から日本へ伝播した漢字が,日 本独自の漢字に変容していることに気付く。【知識・理解】
第 2時 「お茶の伝播 と交流」
・漢字がアジアの一部に伝播 したのに対 し,お茶が世界中に伝播 している理由を考える。【思考・判断】
・お茶が世界中に伝播 している理由の 1つ としてお茶の成分表を読み取 り,考えたことをヮークシー トにまとめる。
・お茶は中国から世界中に伝播 し,日本独 自に発展 したお茶の種類や作法が中国に逆輸入されていることをつかむ。
【技能。表現】
【知識。理解】
学習項 目 主な発問や指示 学習活動 指導上の留意点
資 料 評 価
導
入
中 国 と 日本 の 文 化 交 流 の歴史○「世界地図に赤 と青で 囲つてあるのはどこの 国で しよう。 」
○ 「中国 と日本は何年前 から交流があると思い ますか。 」
○ 「国同士の交流の きっ かけとなったことは何 で しょう。」
○「今で も日本 にある中 国から日本に伝わった 文化にはどのようなも のがあ りますか。」
〇世界地図の赤 と青 で示 された範囲が どこの国か を発表 す る。
○何年前 か ら交流 し ているか を予想 し,
発表す る。
○写真 か ら,本格 的 な交流 の きっかけ について発表す る
c
O中国か ら日本 に伝 わった文化 を発表 する。
○資料 1の世界地図上で,中国 と日本 の位置関係 を確 認 し,日本 と中国の つ なが りについて学習す ることを伝 える。 また,資料2から津市 と中国 の鎮江市 は友好都市 であ り,交流 し ている事 を説明する。
○予想 を発表 させ る。児 童 に「二千年 前」などと思い思いに答 えさせ る。
○遣隋使 と遣唐使 に着 目させ,中国の 進 んだ技術 や考 え方 な どの収集 を 目 的 とした貿易であつたことを伝 える。
○実生活か ら発表 させる。児童 に資料
4
の「漢字」「お茶」「仏教」「餃子」「ラ ー メ ン」な ど を答 え させ る。特 に,漢字 とお茶 は生活 の一部 として定着 していることを確認する。
資料 1:世界 地 図
資料 2:津市 と 鎮江市の位置
資料 3:遣隋使 と遣唐使の写真 資料4:中国 か ら日本 に伝播 し た文化
関心・意欲 。態度 中国 と日本の文 化交流 に関す る 質問 に答 え よう としたか。
展 開 I
漢 字 の 使 用 地 域 (一 部 の ア ジ ア 圏
)
○「漢字はいつ頃で きた と思いますか。 」
○「漢字 は どの ように し て作 られたので しょ う。 」
○「現在
,漢字 を使 つて いる国を知っています か。 」
○ 「漢字 を使 つているこ れらの国々をみて気づ いたことはあ りません か。 」
○漢字がいつ頃で き たか を予想 し,発
表する。
○写真が何 の漢字の もとであるか を発 表する。
○現在で も漢字 を使 用 してい る国 を発 表する。
○地図か ら,漢字 を 使用 している国々 の範囲を考える。
○資料 5の空欄 を予想 させ,中国で約 3500年前 に作 られた文字であること を伝 える。
○資料6の田園風景の写真か ら「山」
や「田」を連想 させ,漢字はモ ノを文 字化 した ものが多いことを説明する。
○資料 7から,生活全体で使用,生活 の一部で使用,中国の移民が使用 し ている国があ り
,そ
れぞれ中国 と日本,韓 国 と北朝鮮,シンガポール とマ レ ーシアであることを確認する。
○漢字 を使用 してい る国 々の位 置 に着 目させ,中国の近 隣諸 国であ る東 ア ジアや東南 アジアの地域 を意識 させ る。
資料 5:漢字 は いつ頃で きたか 資料 6:田園風 景の写真 資料 7:現在 漢 字 を使 つてい る 国
○資 料 8:世界 で漢字が使用 さ れる国々の地図
知識・理解 漢字 を使用 して い る国 々が 中国 の近隣諸 国であ るアジアに限定 されてい ること をつか む ことが で きたか。
展開Ⅱ
日本 独 自 に 変 容 した 漢 字
○「中国の漢字 と日本 の 漢字は同 じだ と思い ま すか。」
○「これらの漢 字をみて,
気づくことは何でしょう。」
○「これらは中国での漢字 の書 き方です。何か気づ くことはありませんか。」
○「日本ではこのように書き ますが,中国 ではどの ように書 くでしょうか。」
○「中国と日本で同じ書 き 方の漢字の中国の意味 を考えましょう。また,日 本 の意味 は中国ではど のような書き方になるのか を考えましょう。
○中国 と日本の漢字 は同 じなのか を考 える。
○資料 か ら,気づ く ことを発表す る。
○資料か ら,気づ く ことを発表する。
○資料 か ら,中国で の書 き方 を予想す る。
○中国での意味,中 国での表記 を考 え て,ワー クシー ト に書 く。
○表記や意味が全 く同 じなのか を問い 同 じものや違 うものが あることを伝 える。
○中国にはない 日本 だけにあるの漢字 を提示 し,日本独 自の漢字が あ る こ とをつか ませ る。
○表記が 日本 と逆 になる漢字 を提示 し 中国 と日本で表記 が異 なる漢字が存 在することをつか ませ る。
○同 じ書 き方で同 じ意味 の漢字 を提示 し,中国 と日本で表記 も意味 も同 じ 漢字があることをつかませる。
○表記 は同 じで も意味が違 う漢字があ る ことを伝 え,日本 にの表記が 中国 で は どの ような意味 になるのか,日 本の意味が 中国で は どの ような表記 になるのか をワー クシー トに書 かせ 資料 12で 確認 させ る。
資料9:中国 に はない 日本 だけ にある漢字 資料lo:意味が 同 じだが字 の順 番が逆の漢字 資料
11:同
じ書 き方 で同 じ意味 の漢字 ワ ー ク シ ー ト1:中国で の意 味 と書 き方 資料12:書き方 は同 じで も意味 が違 う漢字
知識 。理解 中国 と日本の漢 字の「表記」「読 み方」「意味」が 異 なる ものがあ り,日本独 自の 漢字 に変容 して い る ことをつか む ことが で きた か。
終
結
中 国 と 日本 の 漢 字 へ の 探究○「漢字 につ い て興 味 を 持 ったことや疑間に思 ったことな どをヮーク シ ー トに書 き ま し ょ う。」
○興味 を持 った こと や疑間 に思 った こ とな どをワークシ ー トに書 く。
○本時で学 んだ こ とか ら,興味 を持 っ た こと,疑間 に思 った ことな どをヮ ー クシー トに書 かせ る。次時 は「お 茶」 について学習する事 を伝 える。
ワ ー ク シ ー ト
2:漢字 につ い て興味 を持 った
こと 字 について さら
に探 究 しようと したか。
学習項 目 主な発問や指示 学習活動 指導上の留意点
資 料 評 価
導
入
日本 と中 国 の お 茶 の種 類○ 「次の漢字の読み方は 何でしょう。 」
○ 「日本 と中国のお茶の 種類を比較 してみまし
ょう。 」
○資料 か ら,お茶 の 読み方 を考える。
○資料 か ら,日本 と 中国のお茶 の種類 を比較する。
○「ウーロン茶」「ジャス ミン茶」「プー アル茶」「 トチ ュ ウ茶」のカタカナと 漢字 を示 し
,ク
イズ形式で対応 させ る。○ 日本 と中国のお茶 の種類 を比較 させ,
発酵 と製法の違いを確認 させ る。
資料
13:お
茶の 漢字 クイズ 資料 14:日 本 と 中国のお茶 の種 類関心 。意欲・態度 日本 と中国のお 茶 の種類 につい て比較 し,その 違い を見つ け よ うとしたか。
展 開 I
お 茶 の飲 用 地 域
(世
界 全体)
○ 「お茶は世界の どれ く らいの国や人々に広ま っ て い る で し ょ う か。 」
○資料 の「○力国」
「〇億 人」にあて はまる数字 を予想 する。
○お茶 の「○力国」「〇億 人」を 漢字 の 「 6カ 国」 「 15億 人」を参考に予想させ
,約
160カ国
,約30億 人であることを 伝える。
資料15:漢字使 用 とお茶飲用 の 国数 と人口
知識 。理解 世界 中でそれぞ れの地域 に合 っ た種類 のお茶が
‑21‑
○ 「よくお茶 を飲んでい る国々をみて気づいた こ と は あ り ま せ ん か。 」
○ 「アジアではどの よう なお茶が飲 まれている で しょうか。アジア以 外ではどのようなお茶 が飲 まれているで しょ うか。 」
○地図か ら,お茶 を 飲用 している国々 の範囲を考える。
○写真 か ら,アジア やアジア以外 のお 茶の種類 を確認す る。
○アジアばか りでなく
,アフリカや北米
,南米にもお茶が飲用 されていること に着 目させ
,お茶は世界中に伝播 し ていることをおさえる。
○主に日本 。中国は「緑茶」
,マレーシ アは「ウーロン茶」
,シンガポールは
「プーアル茶」がイギリスやイン ド では「紅茶」が飲用 されていること を確認 し
,地域 に合 った種類がある ことをつかませる。
資料16:世界で お茶が飲用 され る国々の地図 資料
17:ア
ジア のお茶 の種類 の 写真資料
18:ア
ジア 以外 のお茶 の種 類の写真飲用 されてい る ことをつか む こ とができたか。
展 開
Ⅱ
お茶の効能
○ 「どうしてお茶 は世界 中に広まったので しょ うか
?」○ 「お茶の成分表 を見て 気づいたことをワーク シー トに書 きま しょ う。 」
○「カテキ ン・カフェイ ン・ビタミン
Cはどの ような効果があるので しょう。 」
○ 「現在
,特に緑茶が世 界中でブームになって いるのはなぜで しょう か
?」○地図 を参考 に,ど うして世界 中でお 茶が飲 まれている のか を考 え,ワー クシー トに書 く。
○お茶の成分表 を読 み取 り,気づいた ことをワークシニ
トに書 く。
○資料 か ら,お茶 に 含 まれている成分 の効果 を確認す る(
○資料 か ら,緑茶が ブームになってい る理由を考える。
○お茶が世界 中で飲用 されてい ること を再度確 認 し,漢字が アジアの一部 で使用 され るの に対 し,お茶が世 界 中 で飲 用 され る理 由 を考 え させ る.
児童 は
,「
体 によい」「おい しい」「運 べ る」な どと予想す る。 日本 に伝播 した最大 の要 因であ る「体 に よい」について検証する。
○お茶 の成分表か ら気づ いた こ とをヮ ークシー トにまとめ させ る。「 ビタミ ンが摂 れる」「カフェインが摂れる」
「 カテキ ンが摂 れ る」 な どお茶 の効 能について着 目させ る。
○「 カテキ ン」「カフェイン」「 ビタミン C」 のそれぞれの効能について説明 し,
体 によいことをつかませ る。
○緑 茶,ウ ー ロ ン茶,紅茶 を比 較 し,
緑 茶が体 に よい成分が多 く,たくさ んの効能があることをつか ませ る。
資料19世界で お茶が飲用 され る国々の地図 ワ ー ク シ ー ト 3なぜ お 茶 が 世界 中に広 まっ たのか 資料2お茶の 成分表 ワ ー ク シ ー ト 4:お茶の成分表 か らわかること 資料2:体によ い成分
資料2世界中 で緑茶 ブーム 資料2緑茶の の効能
思考 ・判断 漢字が アジアの 一部 に伝播 した の に対 し,お茶 が世界 中に伝播 した理 由 を考 え るこ とが で きた か。
技能 。表現 お茶が世界的 に 飲用 されてい る 理由の
1つ
とし て,お茶 の成 分 表か ら読み取 り, 考 えた こ とをま とめ るこ とがで きたか。終
結
日本 独 自 に 発 達 した茶 文化○ 「これは何の写真です か。 」
○ 「茶道が世界中に広 ま つている事例をみまし ょう。 」
○ 「漢字 とお茶の同 じと ころと違うところにつ い て ま とめ ま し ょ う。 」
○何 の写真 か を考 え る。
○新 聞 記 事 を読 み,
茶道の広 ま りを説 明を聞 く。
02時間の学習 を基 に,ワー クシー ト にまとめる。
○作 法 に着 目させ,日本独 自に発達 し た茶道であることを伝 える。
○ 日本で独 自に発達 した茶道 は中国 に 逆輸出されていることを確認する。
○中国か ら日本 に伝 わった ことを強調 し,漢字 とお茶 の共通点 と相 違点 を まとめ させ
,文
化の交流 に気づかせ る。資料
24:日
本の 茶道の写真 資料25:世界に 広が る 日本 の茶 道の新聞記事 ワ ー ク シ ー ト 5:漢字 とお 茶 で同 じところ と 違 うところお茶 は 日本で独 自の種類 や作法 を発 達 させ,中 国へ再伝播 され てい るこ とを理 解す るこ とがで
きたか。
永 田
成文
※2007年 度社会科教育特論演習 Ⅱで院生の森健輔 と共同で作成 した指導案に,趣旨を変えない範囲で永田が加筆修正 した。
お茶 の 成分 表
職′
書き方
!ま
同 じでも、意llXが違 う資料8:世界の漢字使用地域 資料12:意味が異なる漢字
※森健輔が作成 し、栗真小学校の実験授業で使用 した資料である
Ⅳ.文化 交流 の理解 を深 め る近隣諸国の学習 の効果
1.分析視点
小単元が文化交流の理解 を深めるために効果があった のかを確 かめるために、 ワークシー ト記述 を分析する。
小学生の発達段階に適切な教材であるのかを検討するた めに、大学生のワークシー ト記述 も参考にする。小単元 の実験授業 を、2007年 6月 に栗真小学校 で
5・
6学年合 同(45名 )で森健輔が実施 し、2008年 の 5月 に三重大学 教育学部の社会教材研究受講璽 50名)こ永 田が実施 した。ワァクシー ト記述の分析視点 と指標 を表 した ものが表
2、 分析指標 をもとにワークシー トの記述 を分析 した結 果 を表 した ものが表3である。
づ いたことなワークシートに書きま1´.ょう 100gあ た り1麟 卒 峯 島龍茶
紅 茶
参考:コーヒー警 10,物 Og
炉Iであ: ■鞠 all騰
暉
C8鈍
ンタミンd
雛 10´毎 10.9J 00
資料
16:世界のお茶飲用地域 資料
20:お茶の成分表
。永田が資料20の参考 コーヒーを付け加えて三重大学で使用 した。
蛉 飩
表2 ワークシー トの観点 と分析指標
分析視′点 分析指標
数 内容
2:【
関心・意欲・態度】日本 と中国の漢字
1つ 記述 +1
複数記述 +2 意欲の記述あ り関心の記述あ り 態度の記述あ り
+1 +2 +3 3:【
思考・判断】お茶 の広 ま りの違 い
1つ
記述 複数記述
+ +2
思考の記述あ り 判断の記述あ り
+ l
+2 4:【
技能・表現】お茶の成分表
複数記述
1つ記述 +1 +2
技 能の記述 あ り 表現 の記述 あ り
+1 +2
5‑1:【知識0理解】漢字 とお茶 の共通点
1つ
記述 複 数記述
+ 1
+2
知識 の記述 あ り 理解 の記述 あ り + +2
5‑2:【知識・理解】漢字 とお茶 の相違点
1つ
記 述 複数記述
十 l
+2
知識 の記述 あ り 理解 の記述 あ り
+ 1
+2
※無記述やテーマ に関係 しない記述 は
0ポイ ン トとした。
一‑22‑一
表3 ワークシー トの分析結果
2:漢 字について興味を持つたことを書いてみよう
関心 :漢 字でわ盗≧ ったことや驚立〕 たこと
,意欲
: !(複数回答)【
関心0意
欲0態
度】漢字でさらにわかりたいこと
,態
度:漢 字でわかったことからの疑問や分析
ポ
ン 小 学 生 (全体
45名
)=15年20名
│[6年25名 ]
大 学 生(50名 )
記 述 数 (人:%) 関 心 と意 欲 と態 度 (人
:%) 記述数
関 心 と意 欲 と態 度2.2)=10: 0.01
l (1: 2.2)=0:0.0 1: 4.0
0人( o%)
0人 ( 0%)1
(40:88.9)=118:90.01[22:88.0] 3l : 68.9) = 16:80.0 15:60.0]
人(36.0%) 16人 (32.0%) 4: 8.9)=12:10.01[2: 8.0
24.44:20.0
[7:28.032人 (64.0%) 7人 (14.0%)
2: 4.4)= 0: 0.0 2: 8.0 27人 (54.0%)
平 均
1.07)=11.101[0.96]
1.31)=1.201 [r.+o]
1.64 2.22回答 の例
関心
:日本 と中国で漢字の意味 と書 き方が異なる(23)=1111[12]
関心 :中 国の読み方が 日本 と異なる(6)=101[6]
意欲
:日本語 と中国語の他の漢字の意味 と書 き方 を知 りたい (5)=131[2]
意欲
:もっと中国語 (読 み方や書 き方や意味
)を知 りたい(4)=lll[3]
関心
:この書 き方が中国ではこの書 き方なんて不思議だ(4)=121[2]
態度 :な ぜ 日本 と中国で漢字の意味 と書 き方が異なるのか(2)=101[2]
意欲 :特 別な読みの漢字 を調べたい
(2)=1研[2]関心 :漢 字はいろいろな形からで きている(2)=121[0]
関心 :中 国の漢字は難 しい(2)=111[1]
関心 :漢 字はアジアに広 まっている(1)=lll[o]
関心
:日本 と中国で漢字は似ている(1)=111[0]
関心
:日本 と中国で漢字の意味 と書 き方が異なる
(31)態度 :な ぜ 日本 と中国で漢字の意味 と書 き方が異なるのか
(21)態度 :な ぜ 日本は中国の漢字をそのまま使用 しなかったのか
(18)意欲
:日本語 と中国語の他の漢字の意味 と書 き方を知 りたい
(9)関心 :漢 字はアジアに広まっている
(5)離 :蓬 早急実鼻課響謀牟褒
:重i早 ネ謙 と を
(智
りたい ③ 意欲 :中 国人が どのようにしてた くさんの漢字を覚えているのか知 り
たい
(2)関心
:日本 と中国で漢字は成長
(変化 )し ている
(2)態度 :漢 字は国ごとに違 う使い方をしているのではないか
(1)態度 :な ぜ 日本ではひ らがなを使 うのか
(1)態度 :な ぜ 日本は中国の漢字を使 うのか
(1)関心 :漢 字はいろいろな形か らできている
(1) 関関
この書 き方が中国ではこの書 き方なんて不思議だ
(1日本 と中国で漢字は似ている
(1)3:漢
字はアジアの一部にしか広まらなかったのに,お茶が世界中に広まったのはなぜだろう?(複数回答)【
思考・判断】思考
:お
茶や漢字の一方からの考え,判
断:漢
字とお茶を関連付けての分析(判断の記述は記述数を2つ
とカウントする)
ポン 小 学 生 (全体
45名
)=15年20名
│[6年25名 ]
大 学 生(50名 )
記 述 数 人
:%)
思考 と判 断 (人:%)
記 述 数 思 考 と判 断(10:22.2)=12:10.01[8:32.0]
(10:22.2)= 2:10.0 8:32.0
o人 ( o%) o人 ( o%)1
(23:51.1)=112:60.01 [11 :44.0] (g+ : zs.o) = 18:90.0 16:64.0
8人(16.0%)
人(42.0%)
rZ : 26.T)= | 6 : 30.01 [ O : 24.0] 1: 2.2)= 0: 0.0
[1: 4.0 人(84.0%)
人(58.0%)
平 均 1.09
1.201[0.92]
(0.80)=lo.gol lo.tz
1.84回答
の例
思考 :お 茶 思考 :お 茶 思考 :お 茶 思考 :お 茶 思考 :お 茶 判断 :言 語 思考 :お 茶 思考 :お 茶
│ま
体によい(19)=1111[8]
まおい しい(15)=181[7]
よ貿易
(運搬
)できる(5)=131[2]
ま栽培できる(4)=131[1]
よ飲みやすい(3)=101[3]
は難 しいがお茶は気軽に取 り入れられる(1)=101[1]
ま様 々な種類がある(1)=10[1]
ま食べ物 (1)=101[1]
判断 :既 に
(好み 思考 :お 茶 思考 :言 語 思考 :お 茶 思考 :お 茶 判断 :漢 字 やす 判断 :言 語 思考 :お 茶 思考 :お 茶 判断 :言 語 思考 :お 茶
存在する場合
,漢字は言語で取 り入れにくいがお茶は飲料
│で
取 り入れやすい
(17)は貿易
(運搬 )で きる
(9)は既に存在 している
(9)│よ
生 きるために必要
(8)│ま
おい しい
(6)は文化で取 り入れにくいがお茶は飲料 (好 み )で 取 り入れ し `
(5)│よ
難 しいがお茶は気軽 に取 り入れ られる
(5)│よ
栽培で きる
(5)│よ
様 々な種類がある
(4)はア レンジしにくいがお茶はアレンジしやすい
(3)│ま
食べ物
(3)思考 :言 語 思考 :お 茶 思考 :漢 字 思考 :お 茶 思考 :漢 字
よ数多 くの文字が存在する
(3)ま保存が きく (2)
よ人とのコミュニケーションが必要
(2)を飲む習慣がなかった
(1)まアレンジが きかない
(1)4:お
茶の成分表からわかることを書いてみよう?(複数回答)【
技能0表
現】技能
:お
茶の成分の資料の読み取 り,表現:資
料の読み取 りからの分析 した表現ポ
ン 小 学 生 (全体
45名
)=15年20名
│[6年25名 ]
大 学 生(50名 )
記 述 数 人
:%)
技 能 と表 現 (人:%)
記 述 数 技 能 と表 現3: 6.7)=12:10.01[1: 4.0] g. 6.7)=
2:10.0‐1: 4.0 r A ( 2.oo/o) 1人
(2.0%)l
(14:31.1)=1 4:20.01 L10:40.OJ 37:77.8)= 18:90.0 19:76.0 14人 (28.0%) 34人 (68.0%) (28:62.2)=114:70.01 [14:56.0] 5:15.6)= 0: 0.0 5:20.0]
人(70.0%)
人(30.0%)
平 均(1.56)=11.601[1.52]
1.04)= lo.9ol[1.16回答 の例
技能
:日本茶はビタミンが多い(25)=171[18]
技能 :紅茶はカテキンが多い(16)=110[6]
技能 :紅茶はビタミン Cが ない(13)=171[6]
技能 :お 茶はカフェインはほぼ同 じ(6)=151[1]
表現 :お 茶は体によい (5)=101[5]
技能 :お 茶はカテキンが多い(4)=131[1]
技能 :紅 茶はカフェインが多い(2)=111[1]
技能
:日本茶は栄養が多い(2)=121[0]
技能
:日本茶はカフェインが少ない
(2)=1研[2]技能 :お 茶はいろいろな成分がある(1)=111[0]
技能 :お 茶は繊維質がほぼ同 じ(1)=10[1]
技能
:日本茶は繊維質が少ない(1)=ld「
1]技能 :お 茶 技能
:日本 表現 :お 茶 技能
:日本 技能 :お 茶 技能 :お 茶 技能 :お 茶 表現 :紅 茶 技能 :お 茶 技能 :お 茶 技能 :紅茶 技能 :紅茶
│よ
コーヒーより栄養が多い
(30)茶はビタミンが多い
(21)は体によい
(13)恭は栄養が多しヽ
(9)│よ
いろいろな成分がある
(5)│よ
カフェインが多い
(4)│ま
ビタミンが多い
(3)(完 全発酵 )は 栄養が失われる
(2)まカテキンが多い
(2)ま種類によって栄養が異なる
(2)よカテキンが多い
(1)まビタミン Cが ない
(1)5‑1:中国から伝わつた漢字とお茶で同じところと違うところを書いてみよう
!〈
同じところ)(複
数回答)【
知識・理解】知識
:伝
播や変容のみ記述,理解:伝
播と変容を関連付けて記述(理解の記述は記述数を2つ
とカウントする)
ポン 小学 生 (全体
45名
)=15年20名
│「6年25名 ]
大 学 生(50名 )
記 述 数 人:%) 知 識 と理 解 (人
:%)
記 述 数 知 識 と理 解0
13 : 28.9) -l 7 : 35.01 [ 0 : Z+.0] i3 : 28.9)= 7 : 35.01
[6:24.0]+ )u ( e.oYo )
4人(8.0%
l
(29:64.4)=111:55.01[18:72.0]
(30:66。7)= H:55.01 [19:76.0] 14人 (28.0%) 26人 (66.7%
(3: 6.7)=12:10.01[1 2: 4.4)= 2:10.01
[o: o.o]A G+lo/o) 20人 (4.4%
平 均 (0,78)=10.751 [0.80]
(0。 76)=
0。751[0.76]
回答
の例 知識 :中 国か ら伝わつた
(24)=191[15」知識 :中 国が生み出 した(3)=101[3]
理解 :中 国から伝わり日本で変化 した(2)=121[0]
知識 :昔 からある(2)=101[2]
知識 :い くつかの国に伝わった(1)=111[o]
知識 :生 活の中で定着 している(1)=111[o]
知識 :生 活の中で定着 している
(25)理解 :中 国から伝わり日本で変化 した
(20)知識
:日本で独 自の変化 をした
(15)知識 :中 国か ら伝わった
(3)知識 :い くつかの国に伝わった
(1)知識 :昔 からある
(1)5‑2:中国から伝わつた漢字とお茶で同じところと違うところを書いてみよう
!〈
違うところ〉(複数回答)【
知識 。理解】知識
:伝
播の違いや交流のみ記述,理解:伝
播の違いと交流の両方を記述 (理解の記述は記述数を2つ
とカウントする)
ポイ ン ト
小 学 生 (全体
45名
)=15年20名
│[6年25名 ]
大 学 生(50名 )
記 述 数 人
:%)
知 識 と理 解 (人:%)
記 述 数 知 識 と理 解:40.0)=111:55.01[7:28.0]
(rs : +o.o)=
5.01[7:28.0] 8人(16.0%) s A (ro.oolo )
27:60.0)=19:45,01[18:72.0]
27:60.0)= 9:45.01 18:72.OJ zt )u $+.oo/o) 1人 (62.0%)
0: 0.0)=10: o.ol「o: o ol
(o: o.o)=0: 0.01 0: 0.01 15人 (30.0%) A Q2.oo/o)
平 均
(0.60)=10.451[0.7 (o.oo) = o.+sl lo.t
1.06回答
の例 知識 :漢 字はアジァのみ ,お 茶は世界
(広い地域
)に広がっている (25)=191[15]
知識 :使 った り飲んだ りする国の数(2)=10[2]
知識 :漢 字はアジアのみ ,お 茶は世界
(広い地域 )に 広がっている
(23)理解 :漢 字はアジアのみ
,お茶は世界に広がリー部中国に逆輸入され ている
(11)知識 :お 茶は中国に逆輸入されている
(6)知識 :お 茶はアレンジしやす く漢字はアレンジ しに くい
(3)知識 :お 茶は物質
(形のあるもの
)で漢字は文化
(形のない もの
)である
(2)知識 :使 つた り飲んだ りする国の数
(1)※太字は分析の際に着 目する視点 と記述例である。ワークシー トの記述内容からそれぞれの記述例にあてはめた。 │ │は
5年,[ ]は6年 の値 を示 している。
永 田
成文
2ロ ワークシー トの分析
文化交流 の理解 を深 め る要素である、文化 の伝播、変 容、交流 に着 目して、 ワークシー ト記述 を分析 す る。
ワー クシー ト2「 漢字 につ いて興味 を持 った ことを書 いてみ よう」 【関心
0意
欲・態度】 の記述か ら、小学生 は、中国か ら日本へ伝播 した漢字が 日本で変容 してい ること に対す る関心や 中国 と日本 の漢字の違いについて もっ と 知 りたい とい う意欲が高 まってい る。5年と6年を比較
して、6年は、 よ りもっ と知 りたい とい う意欲が高 まっ てい る。大学生 と比較 して、小学生 は漢字 に対す る疑問 を出 し、分析 をす る態度 まで は至 っていない ことがわか る。
ワークシー ト3「漢字はアジアの一部にしか広まらな かったのに、お茶が世界中に広まったのはなぜだろう」
【思考・判断】の記述から、小学生は、中国からの漢字
とお茶 の伝播 の範 囲の違 い について、お茶 の特質か らの 思考が な されてい る。6年は伝播 の範 囲で はな く伝播 の 手段 の回答 が多 く、題意 を取 り違 えているためポ イン ト が5年よ り低 くなってい る。大学生 と比較 して、小学生 はお茶 と漢字 を関連付 けて特質の違い を判 断す ることが か な り難 しい ことが わか る。
ワークシニ ト4「お茶の成分表からわかることを書い てみよう」【技能・表現】の記述から、小学生は、お茶 は体によいことの検証として、お茶の成分を資料から読 み取る技能が高 まっている。5年と6年を比較 して、
6
年は、より資料の読み取 りからの分析 したことを表現す ることができている。大学生と比較 して、小学生は資料 の読み取 りとることに留まり、全体の読み取 りから分析
した表現ができていないことがわかる。
ワークシー ト5「中国から伝わった漢字 とお茶で同じ ところと違 うところを書いてみよう」【知識・理解】の 記述 か ら、小学生 は、 中国か ら日本へ の漢字やお茶 の伝 播 やそれぞれの変容、お茶 の伝播 の範 囲の違 い を知識 と
して得 てい る。 しか し、お茶 の交流 については意識で き てい ない。 また、題意 を取 り違 えている児童がかな り多 い。5年と6年を比較 して、6年は、 よ りお茶 の伝 播 の 範 囲の違い を把握 で きている。大学生 と比較 して、小学 生 は伝播 と変容 を関連付 けた り、双方向の伝播 である文 化 の交流 を理解 で きてい ない ことがわか る。
小単元 を通 して、児童 は文化 の伝播 や伝播 した文化の 変容 についての意識が高 まっている。 これは、漢字 とお 茶 のそれぞれで伝播 と変容 の イメージがつかめているた めであ る。 しか し、 日本 で生 み出 された茶道の中国への 再伝播 についての意識が弱 く、文化 の双方向での交流が 十分 に把握 されていない。 これは、 日本で抹茶 とい う新 しい種類が ア レンジ され、抹茶 か ら日本独 自の茶道が生 まれた とい う変容 の意識が弱 く、茶道が 日本か ら伝播 し た こととの関連づ けが不十分であるためである。
以上 の分析 か ら、 中国か ら日本 に伝播 した漢字 とお茶 の伝播 の範 囲や変容や交流 を比較検討す る手法 は、文化 交流 を理解 を深 めるため に一定の効果がある といえる。
V.成果 と課題
本研 究 は、小学校社会科 にお ける近 隣諸 国の学習 につ いて、文化交流 の理解 を深める学習 を提案 した。文化の 伝播 、文化 の変容、文化 の交流 に着 目し、それぞれ特質 の異 なる文化事象 を比較検討す る新 しい学習 に基づいて 授業 を開発 し、実験授業 を実施 した。 ヮークシー トの分 析結 果か ら、本研 究で開発 した授業 は児童 の文化交流 の 理解 を深 めるために一定の効果が あることを示 した。
従 来の近 隣諸 国の学習で、導入 のみ に位置づ け られて いた近隣諸 国か ら伝播 した文化事象 は、文化交流 の理解 を深 め る近隣諸 国の学習では、学習内容の中核 として位 置づ ける ことがで きる。
実験授業で は、児童 は文化 の交流 を意識す ることが不 十分 で あ った。「 なぜ お茶 は 日本 か ら中国 に伝播 す るの に漢字は伝播 しないのか」 という問いを加 えるなど、文 化の再伝播 による交流の有無 を児童に意識 させる手だて を取 り入れてい く必要がある。今後、他の近隣諸国につ いて も文化交流の理解 を深める教材 を検討 し、授業開発 を行ってい く必要がある。
註
1)文部省『小学校学習指導要領解説社会編』1998,
p.107
2)田渕五十生「多文化社会 とわた したち」米田伸次・
大津和子・田渕五十生 ・藤原孝章・田中義信 『テキス ト国際理解』国土社1997,p.63
3)東京書籍、 日本文教出版、大阪書籍、教育出版、光 村の教科書 を分析 した。
4)文化 は、文化の構成要素 として精神文化・行動文化・
物質文化 ・民族文化が存在 し、文化の構成要素の中に 個 々の文化事象が属 している。
拙稿「高等学校地理 における異文化理解 を深める文 献調査学習 一異文化交流の仮想体験 を活用 して」地理 教育研究 No.5,2009,pp.1‑2
5)「中国 と私 茶道裏千家」朝 日新聞 2007年
1月
30日6)http://、
渦〜恥lochakaidO.cOm/sOusi/kOunou/koul.htm参考文献
大 島正三 『漢字伝 来』 岩波新書
,2009
村井 康 彦 『茶 の文化 史』 岩波新書,1979
「 日本茶 の種類」htり 〃
… 匈 サa̲Chahojp/hnd.html 一‑24‑一