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Academic year: 2021

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皮下埋込式リザーバーに関する患者の理解度および 訪問看護師の認知度調査

【背景】

皮下埋込式リザーパー(以下リザーパーと 称する)は健康時により近い状態での療養生 活を送ることを目的に開発されたものであ る。宮坂らは、リザーパーについて「輸液非 投与時にはカテーテルの体外露出部がないた め、常に留意しなければならなかったカテー テル管理から開放されるようになる。また、

患者本人、家族でも管理が容易なため、在宅 医療にも活用されつつある」と述べている 1) 。 当科でもこのリザーパーの利点を活かし、外 来での癌化学療法や在宅医療で、の高カロリー 輸液療法に使用している。そのため病棟では、

リザーパー留置後の在宅医療への移行準備期 間中に患者や家族に対してマンツーマンでの 指導をお ζ なっている。その際、患者の理解 度に疑問を感じることは稀ではなかった。ま た、退院前に訪問看護師に管理や手技に関す る情報提供をおとなった際には、その認知の 低さを実感するとともあった。

【目的】

リザーパーに関する患者の理解度および訪 問看護師の認知度を把握し、リザーパーの在 宅管理に必要な情報を明らかにする。

【対象と方法】

調査期間: 2003 年 4 月 30 日 ~6 月 25 日

放 射 線 病 棟

。 大 橋 千 栄 子 梅 岡 京 子

患者に対する調査

調査対象:放射線病棟にて皮下埋込式リザー パー留置後、外来化学療法施行中の患者 29 名 。

調査方法:調査目的、フ。ライパシー保護につ いての説明をおこない同意を得られた者に対 し、外来待合室にて面接方式で質問をおと なった。

調査内容 : a . リザーパーの使用目的、 b . カテー テルの挿入部位、 c . 可能性のあるトラブルに 加え、リザーパーに関する疑問、質問や体験 談を自由に語ってもらった。

訪問看護師に対する調査

調査対象:登録されている県内訪問看護セン ター 53 施設に勤務する訪問看護師。

調査方法:アンケート用紙を郵送し、調査の 目的、プライバシーの保護についての説明に 同意を得たうえで、調査票に無記名で記入し てもらった。

調査内容: a . リザーパーの認知度、 b .使用方 法 、 c . 管理方法の知識についての質問に加え、

自由記述でリザーパーに関する質問・疑問を 記入してもらった。

【結果】

患者に対する調査

外来化学療法施行中の 29 名の患者から回 答を得た。その内訳は、男性 1 9 名 (66%) 、

‑ 8 5 一

(2)

女性 1 0 名 (34%) 、平均年齢 6 4 . 7 土 9 歳 、

リザーパー留置後 0~23 ヶ月(平均 9.5 ヶ

月)経過していた。動注リザーパーのみの留 置は 1 0 名 (34%) 、動注リザーパーと IVH

リザーバーの双方を留置しているのは 1 9 名 (66%) であった。

使用目的を 1 9 名 ( 6 6 % ) 、カテーテル挿入 部位を 1 8 名 ( 6 2 % ) の患者が的確に回答でき た。使用目的や挿入部位について答えること が出来なかった者はすべて動注リザーパーと IVH リザーパーの双方を留置している患者で あった。

不正解 (動注 +IVH)

. 3 8 目

正解 ( 勤j 主) 9 名. 3 1 百

正解 (動注+

I V H )   9 名 , 3 1 首 国 1 挿入部位に関する質問 (n=29)

不正解 (動注 +IVH l .

10 名τ34%

正 解 (動注l.

9 名 , 3 1 百

正 解 (動注 +IVH l .

10 名 .35%

国2 使用目的に関する賓問 (n=29)

可能性のあるトラブルについては、 20 名 (69%) が全く回答できなかった。 9 名がカ テーテル逸脱、カテーテル閉塞、薬剤漏出、

ポート感染をそれぞれ 9 名 、 8 名 、 3 名 、 l 名(複数回答にて)が挙げることが出来た。

体験談では、他院受診時にリザーパーにつ いて質問されたが、うまく説明できずに困っ たという例が挙げられた。

力子ーテル逸 脱. 9 名

. 3 名

. 1 名 園 3 トラブルに関する質問

倒 = 2 9 複数回答可}

訪問看護師に対する調査

37 施設から回答在得、回収率は 70% で あった。リザーバーの名称を認知していた のは 2 8 施設 ( 7 6 % ) あったが、そのうち使用 方法や管理方法についても認知しているのは 1 2 施設 ( 3 2 % ) にすぎなかった。このほ施 設のうち 5 施設で経口摂取不良患者の水分・

栄養補給や終痛緩和の点滴にリザーパーを使 用した経験があった。残りの 7 施設は訪問看 護師が過去に勤務していた病院施設での使用 経験であった。

自由記述では、①トラブル発生時の連絡先 及び相談窓口、②起こりうるトラブルと対処 方法、③リザーパーの種類やポート留置部位、

穿刺時の消毒方法、④ヒューパー針の固定方 法、⑤リザーパーの構造や種類などについて の質問が寄せられた。しかし、なかには「何

者 E 質問したらよいのかも分からない J r リザー パーに関する看護情報をどこから得ればよい のか分からない」という返答もあった。

知らない, 9 施設, 2 4 見

使 用 管 理 方 法認知,

1 2 施設

3

32 目

名称、認知,

1 6 施設 4 4 %

国4 肪問看 1 1 師 へ の 認 知 度 調 査 (n=37)

‑ 86‑

(3)

【考察]

今回の調査により、患者の理解度および訪 問看護師の認知度はともに極めて低いととが 明らかとなった。訪問看護師はアンケ」トの 回答において、使用・管理に関する情報不足 に悩んでいた。彼らの認知度の低い理由はリ ザーパーに関する経験症例が少なく情報入手 が困難であるためと考えられた。患者はいま まで指導の中心で、あった手技については的確 な意見や体験談を述べることが出来ており、

今回の質問内容において患者の理解度の低い 原因は、病棟で、の患者指導方法にあると考え で

た 用 は 施 ド 使 看 伺

︒ た

当院は大学病院で、あるが、地域の中核医療 をも担っており、県内全域、近隣府県など遠 方から受診され、退院後は当科外来で、の治療 に加え、近医での通院を継続している例も多 い。当病棟でリザーパ」を留置した患者が 何らかの理由により新たな医療機関や在宅医 i 先

I 処 │  療・訪問看護を利用するケースが出現するこ 位 、 │  とも当然想定される。よってより多くの地域 f 方 │  医療従事者が共通したりザーパーに関する知

、 て │  識を持ち看護を提供できることが必要とな

「 何 │  る o 1 )   ‑lf'‑パー留置患者の在宅看護に関する F ー │  文献は皆無であり、リザーパー留置患者を看 二 い │  護する経験の多い私達が、その経験を生かし

た看護・管理方法や医師から得られた新しい 情報を地域医療従事者に提供してゆくことで リザ」パー留置患者の看護情報を普及・拡大 を図るごとが求められていると考えた。

この結果から、患者へは今までの指導に加 えて、留置したリザーパーの種類やカテーテ ルの留置部位を個別に記載したパンフレツト を作成し指導内容の充実を図っている。訪問 看護師など地域医療従事者へは基本的な知識

‑ 87‑

¥ ー こ も 歪 国

と使用・管理方法を掲載したホームページに よる情報提供活動を開始している。

引用文献

1)宮坂和夫・宮崎公子:放射線科エキスパー

トナーシング,南江堂, 1996,pl18~ 1 2 1  

参考文献

1 ) リ ザ ー パ ー 研 究 会 の ホ ー ム ペ ー ジ : h t t p : / / w w w

r e s e r v o i r ‑ j p . c o m / , 2003 2) 員船拓子・杉本正子:ナースのための地

域看護概論ー在宅看護のかけはし司〔第 2 版 J ,鹿川書店, 1999

3)杉本正・員船拓子:在宅看護論ー実践を ことばにー〔第 2 版 J ,虞川書 j 吉 , 1999 4) 白井美幸:病院一在宅の垣根をなくすた

めに,看護学雑誌, 9 , 2003

参照

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