3 税金カレンダーの作成 ( 年間スケジュール表 ) ( 株 ) 税金カレンダー ( 平成 年 4 月 1 日 ~ 平成 1 年 3 月 31 日 ) 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 4 月 1 日期首日 3 月

会社の経理部では、会計年度ごとに決算書と税務申告書を

作り納税をしなければなりません。

会計上の決算では、

「収益－費用」で「利益」

を求めます。

一方、法人税の算定では、

「益金－損金」で「所得」

を求めま

す。

この「収益」と「益金」、「費用」と「損金」、「利益」と「所得」は

ほとんど同じ概念ですが、 会計と法人税で扱いが異なる場

合もあります。ここが会社経営で難しいところであります。

↓

経理担当者には、仕訳を説明する際には、同時に法人税の

ルールも加味しながら指導していくのがよいでしょう。

２ 経理の流れ（会計と税法）

準備

３ 税金カレンダーの作成

（年間スケジュール表）

○○(株)税金カレンダー （平成○年4月1日～平成○１年3月31日） 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 ☆4月1日期首日 ☆3月31日決算日 ○そのほか、会社の事情に応じて適 宜追加します。 ○固定資産税（償却資産税）、自動 車税など ○業種により大きな支払いがあ るときなどはそれもカレンダーに 追加する。 5月31日まで 法人税・法人事 業税・ 法人住民税、 消費税の申告 書と納税 (約○○万） 5月○ 日 株主 総会 開催 12月○日 賞与支給 (約○○万） 6月○日 賞与支給 (約○○万） 7月10日_{源泉所得税納期} の特例の納付日 (約○○万） 1月10日or20日 源泉所得税納 期の特例の納 付日(約○○ 万）

４ 帳簿の種類

１ 青色申告として作成しなければならない帳簿 ○主要簿 仕訳帳、総勘定元帳 これらを元に試算表や決算書を作成 ○主要簿を補助する役割としての帳簿 補助記入帳として 現金（小口現金）出納帳、預金出納帳、仕入帳、売掛帳 補助元帳として 未収金元帳、仕入先元帳、在庫帳 ※現在は、取引を会計データに入力することで試算表や決算書を作る のが一般です。

４ 帳簿（続き）

１ 帳簿などの証憑書類には保存期間がある。 あやまりやすい事例：税務調査と保存期間 10年 株主総会議事録をはじめとして重要な会議議事録 決算書 7年 総勘定元帳、仕訳帳、預金通帳、領収書や請求書、給与関係の書類

５ 決算書とは

１ 決算書の目的 ○企業をとりまく利害関係者 企業の営業活動には、資本金を出資した株主、 銀行などの債権者、 取引先 役員（経営陣） 従業員 ○決算書は利害関係者に企業の経営成績や財政状態を報告する書類 経営成績を示す「損益計算書」 財政状態を表す「貸借対照表」 営業報告書、株主資本変動計算書、付属明細書 ※キャッシュフロー計算書

５ 決算書とは

○ 経理書類の整理整頓 会社には日々たくさんの書類を作成あるいは到着します。 あちらこちらに書類が散乱していたり、綴り方を間違っていたりすることがあ りますので、書類の整理整頓も指導します。 １ 納品書・注文書・発注書・請求書の流れとその管理 発注 ↓ 納品（納品書と物品の確認、納品書の保管） ↓ 請求書（請求内容と納品書と確認、請求書の保管） ↓ 支払（振込日、振込先、振込金額の確認） ファイリング ２ 領収書の整理 日付順、領収書に内容をメモ書き。とくに交際費については、法人税で基 準が決まっているため食事をした人数を忘れずに記載する。 （未経験者が領収書を整理すると・・・？）

６ 毎日行うこと

○現金の入出金・通帳等の管理 ３ 現金（小口現金）の入出金の管理 入金：領収書発行し・仕訳帳(仕訳伝票）に記入金庫に入金 出金：金庫から出金し、領収書を領収書綴りに貼付、仕訳帳（仕訳伝票）に 記入 仕訳例 （現 金） ３０，０００ （売上）３０，０００ （消耗品費） １０，０００ （現金）１０，０００ ４ 現金の実査 業務終了後、帳簿の現金残高と実際の現金の残高を照合する。 ※実査をした人とそれをチェックする人は別の人であることが必要。 ５ 通帳のカード・印鑑の管理 通帳とのカードと印鑑は別々に管理する。 小口現金用の通帳、日々の取引用に使う通帳は別々にすることが望ましい。 （実際の経理の現場より～社内体制から不正を予防する！）

６ 毎日行うこと

６ 仮払精算 従業員や役員などの仮払いについては、業務の効率化及び資金繰りを考 えて次のことをあらかじめ決めておきます。 ○仮払をする日及び各人への仮払予想額 ○仮払精算日 ※とくに決算月の仮払は精算日を厳守してもらうこと。 （実際の経理の現場より～仮払精算が一番遅れるのは誰？） ○売掛金、買掛金、手形などの管理 日々、先方から送られてくる請求書等については内容を確認後、ファイリン グをしておく、そして社内の締め日に応じて月の売上（売掛金）一覧、支払 （買掛金）一覧を作る準備をしておく。 （実際の経理の現場より～忘れられていた請求書はどこにファイリングする の？）

６ 毎日行うこと

７ 経理のデータ入力の流れ

６ 毎日行うこと

出納帳・

仕訳帳等の

作成

会計ソフトへ入力

（伝票入力方式）

月次試算

表の作成

間違った方法で作業を続けていると、最初からやり直しをしなければならなくなります。 したがって会計事務所は大事に至らないように、基本的にはどの段階においてもサ ポートを行うのが望ましいです。

１ 資金繰りの管理 決算書は、発生ベースに基づいて決算書を作る ↓ したがってお金の出入りにタイムラグが生じる 月次決算や年間の決算書が黒字でお金に窮することがある ↓ 契約した日までに支払いがなされないと 取引先との信頼関係を失ってしまう ↓ そのため、お金の入出金ベースに基づいた書類をあらかじめ作っておく必要 がある ↓ それが、

資金繰表

です

７ 資金繰表

７ 資金繰表

２ 資金繰表のひな形 中小企業庁のサイトからダウンロードできます。 http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/kaikei_tool.html

資金繰り表 （単位：百万円） 年 月 年 月 年 月 予算 実算 予算 実算 予算 実算 前月繰越（金） 0 0 0 0 収入 現金売上 売掛金の回収 受取手形の期日入金 前受金の入金 その他の入金 収入合計 0 0 0 0 0 0 支出 現金仕入 買掛金の支払 支払手形の期日決済 未払金の支払 人件費の支払 その他の支払 支出合計 0 0 0 0 0 0 差引過不足 0 0 0 0 0 0 財務 収支 借入 手形割引 設備投資 借入金返済 次月繰越（金） 0 0 0 0 0 0

７ 資金繰表

３ 資金繰表のひな形（中小企業庁のサイトよりダウンロード） １０ 資金繰表の作成で注意すること それはたったひとつ

作成する時期

です！ 数日後に資金が足りないことに気がついても間に合いません！ （実際の経理の現場より～ズボラ経営ではあっという間に会社は倒産？） 必要に応じて、 「毎日の資金繰表」 「銀行通帳ごとの資金繰表」 （とくに自動引き落とし口座のある銀行） を作ります。

７ 資金繰表

１１ 現金出納帳の記入の仕方

８ 出納帳の記入の仕方

日付 摘 要 科 目 収 入 支 出 残 高 繰越金額 _50,000 ○/１ 商品売上 _{売上高 100,000 150,000} ○○小切手回収 _{売掛金 30,000 180,000} ○○商店、コピー用 紙３冊 事務消耗品費 1,500 178,500 自動販売機売上 _{雑収入 10,000 188,500} ○/２ 普通預金へ _{普通預金 100,500 88,000} 商品売上 _{売上高 150,000 238,000} ○△商品仕入 _{商品仕入 100,000 138,000} 社長出張旅費 _{旅費交通費 50,000 88,000} 切手購入 _{通信費 2,000 86,000} ○/３ 普通預金へ _{普通預金 80,000 6,000} １２ 預金出納帳の記入の仕方

８ 出納帳の記入の仕方

日付 摘 要 科 目 収 入 支 出 残 高 繰越金額 _5,500,000 ○/25 電話料 _{通信費 53,000 5,447,000} 機械リース料 _{リース料 315,000 5,132,000} 借入返済 _{長期借入金 545,000 4,587,000} ○/27 ○△商事㈱ 売掛金 売掛金 5,600,000 10,187,000 ○/31 ○○生命 _{保険料 60,000 10,127,000} ○△商品仕入 _{商品仕入 100,000 138,000} ○△販売㈱ 仕入代金 買掛金 3,500,000 6,627,000

１３ 会計ソフトへの入力の仕方 仕訳帳を手書きで作成→ 会計ソフトへ入力 領収書や通帳、請求書などから ダイレクトに仕訳伝票形式で会計ソフトへ入力 １４ 会計ソフトの種類 会計ソフト：自社のパソコンにインストール。 クラウド会計：インターネット上で行うため、会社と会計事務所の時間と距離を縮める ことができ、業務の効率化を図ることができる。 月次決算などもより迅速に行えるようになります。 中小企業のIT化、特に小規模事業者のIT化を進めるため、経済産業省もJ‐Saasを２００ ９年３月末からスタートさせています。

９ 会計ソフト

９ 会計ソフト

クラウド「発展会計」のサイトより http://www.bizup.co.jp/p01_01.html

1 仕訳のルール 仕訳は、会社の営業活動で生じる取引を 「２つの目」で 見ること。 「２つの目」は、 「原因」と「結果」を表します。 例 （現金） １０，０００ （売上） １０，０００ ↑ ↑ 結果 原因

１０ 仕訳のルール

1 仕訳のルール 仕訳は、会社の営業活動で生じる取引を 「２つの目」で 見ること。 「２つの目」は、 「原因」と「結果」を表します。 例 （現金） １０，０００ （売上） １０，０００ ↑ ↑ 結果 原因

１０ 仕訳のルール

２ 勘定科目の種類 勘定科目は5つの種類に分けられます

○ 資産

○ 負債

○ 資本(純資産）

○ 収益

○ 費用

これらの５つの関係は決算書でつぎのように表示されます。

１１ 勘定科目

１２ 勘定科目と決算書の関係

貸借対照表 損益計算書 ○年○月○日 ○年○月○日～○年○月○日 資産 負債 費用 収益（売上） 資本（純資産） 利益 （利益） ← 貸借対照表がある一定時点での写真、損益計算書は１年間の動画、 できあがった決算書は、自社の「過去との比較」「同業他社との比較」など経営分析 の資料となります。

１２ 勘定科目と決算書の関係

 決算書の形式  貸借対照表→流動性の高い項目から配列（正常営業循環基準及びワン・イ ヤー・ルール）  損益計算書→利益が段階的に表示される 貸借対照表 ○年○月○日 資産の部 負債の部 流動資産 流動負債 現金・預金 買掛金 売掛金 短期借入金・・・ 商品・・・ 固定負債 固定資産 有形固定資産 資本（純資産） 無形固定資産 資本金 投資その他の資産 資本剰余金 繰延資産 利益剰余金（利益） 損益計算書 ○年○月○日～○年○月○日 Ⅰ 売上高 ＊＊＊ Ⅱ 売上原価 ＊＊＊ 売上総利益 ＊＊＊ ← 粗利 Ⅲ 販売費及び一般管理費 ＊＊＊ 営業利益 ＊＊＊ ← 本業の利益 Ⅳ 営業外収益 ＊＊＊ Ⅴ 営業外費用 ＊＊＊ 経常利益 ＊＊＊ ← 経常的な利益 Ⅵ 特別利益 ＊＊＊ Ⅶ 特別損失 ＊＊＊ 税引前当期純利益 ＊＊＊ 法人税、住民税及び事業税 ＊＊＊ 法人等調整額 ＊＊＊ 当期純利益 ＊＊＊

参考：キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書

 貸借対照表や損益計算書では、実際のお金の入出金の状況がわからない  会計上利益があっても資金が不足している場合もある。キャッシュフロー計 算書では、企業の資金状況がわかります。  日本では、１９９９年度からは、上場企業は財務諸表の一つとしてキャッシュ・ フロー計算書を作成することが法律上義務付けられています。  非上場では作成を義務づけられているわけではありませんが、規模が小さく てもキャッシュフロー計算書は会社の経営分析にとっても重要な書類ですの で、アウトラインを押さえておくのがベストです。

キャッシュフロー計算書

 ※C/Fのひな形は、中小企業庁の  サイトからもダウンロードできます。 Ⅰ営業活動によるキャッシュフロー Ⅱ 投資活動によるキャッシュフロー Ⅲ 財務活動によるキャッシュフロー

日々の仕訳

仕訳をはじめる前に 仕訳は貸借対照表や損益計算書を形作るひとつひとつの要素です。 その要素には一定のルールがあります。 迷ったときは、使った勘定科目が貸借対照表や損益計算書のどこの部分に 表示されるかをイメージすると比較的簡単にわかります。 （実際の経理の現場より：経理未経験者が経理担当になったら？）

１３ 日々の仕訳での注意点

借方

貸方

資産の増加

資産の減少

負債の減少

負債の増加

収益の減少

収益の増加

費用の増加

費用の減少