第Ⅰ部
第1部
指針の改訂にあたって
1 子どもを取り巻く環境
1)社会的背景
少子化、高齢化に加え、核家族化の進行、都市化、情報化、国際化が進 み、人々の価値観や生活様式が多様化してきている。それに併せて、人間 関係や地域における地縁的関わりの希薄化も取り上げられることが多くな っている。また、共働き家庭の増加に併せて保育のニーズが増大(特に1・ 2 歳児の保育の利用児童数が増大)している。
子どもは本来、家族や周囲の人々に愛され、慈しみを受けて育つ存在で ある。子どもの育ちに合わせた関わりが必要であるが、昨今は、生活全般 的において子どもよりも大人優先の状況が多くなり、子どもとゆっくり時 間をかけて向き合うことが出来ない家庭が増えている。
2) 子育てを取り巻く状況
少子化が進み、子どもが集団遊びの中で学ぶ機会が減少している。 また、公園や自然環境が豊かな場所で遊ぶことより、テレビゲームやイ ンターネットなどで低年齢のうちから室内で遊ぶことが多くなっている。
男性も女性も仕事と子育ての両立ができるような支援が一般的になっ てきたことにより、残業があったり、過重な労働となったりと、保護者が 子どもと一緒に過ごす時間が十分でなくなっている現状もある中、子育て にも効率性を求める考え方が出てくるなど、親子関係の構築や子育て環境 に大きく影響が出ている。
こうした中、保護者に対して単に子育てを肩代わりするのではなく、就 学前の子ども、特に低年齢の時期は、人との関係性の基礎を形成する大切 な時期であることをしっかりと意識づけることが必要である。
しかしながら、喜びや生きがいを実感できず、子どもを育てたいと思っ ているのにどのように関わったら良いのか分らず悩んだり、孤立感を募ら せたり、虐待したりと子育ての悩みを抱えている保護者もいる。
育児不安やストレスによる虐待や育児放棄などは、子どもだけでなく、 その保護者にとっても深刻な問題となっており、様々な関係機関との連携
3) 国の動向
すべての子どもが健やかに成長していくために、子どもの育ちと子育て を社会全体で支援することを目的に平成27年4月から「子ども・子育て支 援新制度」がスタートした。
具体的には、質の高い幼児期の学校教育・保育の総合的な提供や保育の 量的拡大、保育・教育の質的改善、地域の子ども・子育て支援の充実を目 指している。
子ども・子育て支援新制度のポイント
(1)「施設型給付」・「地域型保育給付」を創設します。
・認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付(「施設型給付」) 及び小規模保育等への給付(「地域型保育給付」)を創設します。
※地域型保育給付は、都市部における待機児童解消とともに、子どもの 人数が減少傾向にある地域における保育機能の確保に対応します。 (2)認定こども園制度を改善します。
・幼保連携型認定こども園について、認可・指導監督を一本化し、学校 及び児童福祉施設として法的に位置づけます。
・認定こども園への財政措置を「施設型給付」に一本化します。 (3)地域の子育て支援を充実します。
・地域の実情に応じた子育て支援(利用者支援、地域子育て支援拠点、放 課後児童クラブ、一時預かり事業などの「地域子ども・子育て支援事 業」)を充実します。
(4)市町村が実施主体となります。
・市町村は地域のニーズに基づき幼児期の学校教育・保育・子育て支援 の提供について計画を策定し、給付・事業を実施します。
・国、都道府県は実施主体の市町村を重層的に支えます。 (5)新たな財源を確保して量の拡充や質の向上を進めます。
・消費税率の引き上げにより、0.7兆円程度の財源を確保します。 ※幼児期の学校教育・保育・子育て支援の質・量の拡充を図るため、消
費税率の引き上げにより確保する0.7兆円程度を含めて1兆円超程度 の財源確保を目指します。
2
浦安市の現状
本市の平成27年の合計特殊出生率は、1.09と全国的にも依然として低い 傾向にあり、少子化が進んでいる。本市の今後の人口推計においても、未 就学児童数が減少する見込みである。子どもの減少は地域活力の低下、労 働力の減少、社会保障における費用負担の増加など社会的・経済的に大き な問題となる。
本市の未来を担うすべての子どもが健やかに成長できるよう、安心して子 どもを産み育てることができる環境の充実、幼児期が生涯にわたる人格形成 の基礎を培う重要な時期であることから、質の高い幼児期の保育・学校教育 を総合的に提供する環境づくりを推進していく必要がある。
1)保育園・幼稚園・認定こども園の現状
本市には、認可保育園 25 園と公立の幼稚園6園、認定こども園が8園あ る。また、幼保連携型認定こども園1園、私立幼稚園が5園ある。保育園は、 0歳から2歳までの待機児童が多く、今後も保育園の拡充が望まれている一 方、幼稚園・認定こども園では園児数が減少している。
保育園では、多様化する保護者の就労形態に合わせて、延長保育や一時預 かり事業などの充実を図っている。
公立幼稚園・認定こども園においては、多様な保育や3年保育のニーズ が高い。
2)幼・保・連携の取り組み
公立幼稚園・認定こども園では、市教育委員会が主催となり計画訪問を 行い、また、公立保育園は、保育幼稚園課が主催して保育園訪問を実施し ている。訪問日当日は公開保育とし、保育士と幼稚園教諭が保育参観、意 見交換を行っている。公立保育園・幼稚園・認定こども園の合同園長会議 や副園長・主任教諭合同会議の開催、及び保育士研修会や幼稚園教諭研修 会への相互参加なども行っている。
公立保育園・幼稚園・認定こども園が同じ就学前施設として共通する課題 に向けて取り組み、それぞれのメリットを生かした質の高い保育と教育が提 供できるよう、就学前「保育・教育」指針の策定(改訂)を行っている。
3
指針策定の目的
1)本市の特質
本市は、東京湾最奥部に位置し首都東京に隣接した市である。元町・中町(第 1期埋め立て事業)・新町(第2期埋め立て事業)により、急激な宅地開発を 行ってきた歴史がある。そのような中で、保育・教育の推進を重点施策のひ とつととらえ、市として 25 の認可保育園及び6園の幼稚園、8園の認定こ ども園を整備し、それぞれ保育・教育方針、並びに具体的な保育・指導計画 に沿って取り組んでいる。
2)策定・改訂の経緯と目的
多様なニーズに対応して就学前の子どもがどのような保育施設・教育施設 に通園していても、本市の公立の保育園・幼稚園・認定こども園で培ってき た保育・教育のノウハウを十分に活かしつつ同じように質の高い幼児期の保 育・学校教育が実践できるよう統一した指針を平成 21 年9月に策定した。指 針に基づいた実践を踏まえ、平成 25 年3月に第1回目の改訂を行った。
改訂のポイント
○子ども・子育て支援新制度(平成 27 年4月)開始に伴う内容の追記
・幼児期の保育や学校教育、地域の子育て支援の量の拡充や質の向上を進め ていくための制度を示した。
○「浦安市子ども・子育て支援総合計画」の追記
・平成 27 年度から 31 年度までの 5 年間の計画が示されている。その中で、 子どもを産みたい、育てたいと思えるような環境づくりと切れ目のない支 援を行うことを目指している。就学前の保育・教育施設に携わる職員は幼 児期が人格形成の土台を培う大切な時期であることを十分に考慮し、より 質の高い保育・教育内容を提供する必要性を示した。
○自己肯定感のある子どもを育むために、「発達の特徴と育ちの連続性」に追記 ・自己(自分)の価値や存在意義を肯定(認めて評価)する感情がしっかり育つ
ことで、子ども自身が自信を持って主体的に生きていくことができること を願い、連続的に育ちを追っていくようにした。
○保育・教育課程の年齢ごとの発達と具体的な取り組みについての見直し ・改訂版を使用する中で、発達の正誤性や言葉の表記について再度見直し、
統一を図った。
○幼・保・小連携の内容の充実
・アプローチカリキュラム・スタートカリキュラムの見直しを行った。 ・まなびの連続性をふまえた、幼・保・小連携の内容の充実を図った。 ○公立 14 園の幼稚園のうち8園が認定こども園に移行したことによる追記 ○次期の幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・