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No. 3, p. 1-22, 2003 Paleoseismological study on the Kuromatsunai fault zone in southwestern Hokkaido, northern Japan Takashi Azuma

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活断層・古地震研究報告,No. 3, p. 1-22, 2003

黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査

Paleoseismological study on the Kuromatsunai fault

zone in southwestern Hokkaido, northern Japan

吾妻 崇1・下川浩一2・寒川 旭3・杉山雄一4・桑原拓一郎5

奥村晃史6・黒澤英樹7・信岡 大8・三輪敦志9

Takashi Azuma1, Koichi Shimokawa2, Akira Sangawa3,

Yuichi Sugiyama4, Takuichiro Kuwabara5, Koji Okumura6,

Hideki Kurosawa7, Dai Nobuoka8 and Atsushi Miwa9

1, 2, 3, 4, 5活断層研究センター (Active Fault Research Center, GSJ/AIST, t-azuma@aist.go.jp, k.shimokawa@aist.go.jp, sangawa.a@aist.go.jp, sugiyama-y@aist.go.jp, t-kuwabara@aist.go.jp)

6広島大学大学院文学研究科 (Graduate School of Letters, Hiroshima University, kojiok@hiroshima-u.ac.jp) 7, 8, 9応用地質株式会社 (Oyo Co., kurosawa-hideki@oyonet.oyo.co.jp, nobuoka-dai@oyonet.oyo.co.jp,

miwa-atsushi@oyonet.oyo.co.jp)

Abstract: The Kuromatsunai fault zone is an N-S trending fold-thrust belt in the southwestern part of

Hokkaido. Active faults in the fault zone displace the fluvial terraces of Middle to Late Pleistocene age. We investigated the fault zone in three areas: Shirozumi, Warabitai and Oshamambe areas, in the northern, central and southern part of the fault zone, respectively. Trenching survey at the scarp foot of the Shirozumi-higashi fault has revealed that a silt bed about 200 years old is overlain by Late Pleistocene aeolian loam. The cause of this geologic event remains unsettled because no clear fault trace was found on the trench wall, but possibly contemporaneous with the 1792 earthquake that hit the western part of Hokkaido. S-wave reflection survey across the Shirozumi-higashi fault indicates a vertical offset about 12 m, probably caused by folding, of the M2 terrace formed ca. 100 ka. Detailed topographic survey in the Warabitai area indicates that the Chiraigawa-ugan fault has been reactivated after the formation of M3 terrace, around 50 ka. Drilling and trench excavation surveys in the Oshamambe area revealed about 6 m of vertical offset of the M3 terrace deposits caused by the activity on the Oshamambe fault.

キーワード:黒松内低地断層帯,褶曲衝上断層帯,トレンチ調査,ボーリング調査,S 波反射法地 震探査,洞爺火山灰(Toya),クッタラ第 2 火山灰(Kt-2)

Keywords: Kuromatsunai fault zone, fold-thrust belt, trenching survey, boring survey, S-wave reflection

survey, Toya volcanic ash, Kt-2 volcanic ash

1.はじめに 1.1 調査目的 北海道の南西部に位置する黒松内低地断層帯は, 国の地震調査研究推進本部が選定した基盤的調査観 測の対象活断層の 1 つに位置づけられている.活断 層研究センターでは,平成 14 年度より 3 ヶ年計画で 本断層帯の調査を開始した.平成 14 年度は,その計 画の初年度として,本断層帯の最新活動時期及び活 動間隔を明らかにすることを主な目的とした. 1.2 平成 14 年度の調査概要 本年度は,黒松内低地断層帯の活動履歴を明らか にすることを目的として,明瞭な変位地形が観察さ れる地点においてトレンチ掘削調査を実施した. 活断層の分布及び地形面区分の確認と併せて,ト レンチ掘削地点を選定するために空中写真判読を実 した縮尺1万分の 1 カラー写真(CHO-76-8, C1∼C16 及び CHO-76-12, C1∼C16)及び 1965 年撮影の縮尺約 2万分の 1 白黒写真(HO-65-5X, C1∼C13)である. 上記作業に基づき,断層帯北部に位置する白炭東 断層上と断層帯南部に位置する長万部断層上(以下, それぞれ「白炭地区」,「長万部地区」と呼ぶ)に, それぞれトレンチ掘削地点を選定した.また,断層 帯中部の知来川右岸断層に沿って,既存の文献では 指摘されていない扇状地面上の変位地形を確認した ため,その扇状地面上でピット掘削調査を実施した. 併せて,知来川右岸断層と平行する蕨岱断層との関 係を明らかにするため,その周辺の地質構造図を作 成した(以下,ピット掘削及び地質構造図作成範囲 を合わせて「蕨岱地区」と呼ぶ). さらに,トレンチ掘削調査を補完するため,白炭 地区では S 波浅層反射法地震探査を,長万部地区で

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社古澤地質調査事務所に,それぞれ分析を依頼した. 2.調査対象地域の地形地質概観 黒松内低地は,寿都から長万部まで南北約 25 km にわたって伸びる低地帯で,北は日本海に,南は噴 火湾に面している(第1図左上).黒松内低地では, 沖積低地は黒松内市街地周辺や長万部川流域に限ら れており,高度 50∼100 m 前後の丘陵や段丘が卓越 している.この地域に分布する山地・丘陵を構成す る地層は,黒松内層(鮮新統),瀬棚層(鮮新−更新 統),知来川層(更新統)といった新生代の堆積岩類 及び瀬棚層と堆積時期をほぼ同じくする火山岩類で ある(第 2 図).堆積岩類の層相は,この地域が深海 から浅海,そして陸域へと徐々に堆積の場が浅くな ってきたことを示しており,それらの分布域の違い からみて堆積盆の範囲は鮮新世末以降,次第に小さ くなっている(椿原ほか,1989;鈴木,1991 など). 火山岩類は黒松内岳,長万部岳,写万部山を中心に 分布し,瀬棚層と指交関係にある(北海道立地下資 源調査所,1967;久保ほか,1983).これらの地層は, 南北方向の軸を持つ褶曲及び南北走向の逆断層によ り,変形・変位を受けている(池谷・林,1982;山 岸・渡辺,1986;渡辺,1993 など). 黒松内低地に断続的に分布する平坦面は,高位段 丘もしくは中位段丘に対比される(今泉ほか,1982; 奥村ほか,1984;奥村,1991;小池・町田,2001). これらの段丘面は,高度や切り合い関係等の地形学 的指標と,主に被覆火山灰層序に基づく地質学的指 標に基づき,H1∼H3 面,M1∼M3 面,L1∼L2 面に 細分される.当地域における主要な指標火山灰には, 約 9-10 万年前に噴出した洞爺火山灰(Toya;奥村・ 寒川,1984 など;一部では火砕流堆積物として確認 される)と約 5 万年前に噴出したクッタラ第 2 火山 灰(Kt-2;山懸,1994)などがある(第 2 図).完新 世の指標火山灰としては,駒ヶ岳を噴出起源とする 数枚の細粒火山灰と中国大陸の白頭山を噴出起源と する白頭山-苫小牧火山灰(B-Tm)がある(第 2 図). 黒松内低地断層帯は,活断層研究会(1991)に記 載されている白炭東断層,白炭西断層,旭野断層, 西熱郛原野東断層,蕨岱断層,知来川右岸断層,長 万部断層,及び周辺のリニアメントによって構成さ れる(第 1 図右).これらの断層については,今泉ほ か(1982),奥村(1983),山岸(1986),池田ほか(2002), 中田・今泉(2002)などが断層による地形面の変形 について報告している.これらの活断層はいずれも ほぼ南北走向で,上述の堆積岩類の褶曲構造にほぼ 平行して分布する.変位地形は,高位段丘上や中位 段丘上に断続的に存在する逆向き低断層崖や段丘面 の逆傾斜,あるいは背斜状の膨らみとして認められ 3.調査結果 3.1 白炭地区 白炭地区では,朱太川右岸に分布する白炭東断層 において,トレンチ掘削調査と S 波浅層反射法地震 探査を実施した.本地区では,山岸・木村(1981) が活断層露頭の存在を報告している. (1) 地形地質調査 白炭東断層は,朱太川右岸に分布する高位及び中 位の扇状地性の河成段丘を変位させる 3 条の逆向き 断層崖として認められる(第 3 図右のトレース a∼c). トレース a の断層崖の高さは約 20 m であるが,隆起 側と低下側とで地形面が異なる.トレース b は M2 面上の背斜状変形(バルジ)を伴う比高 10 m 弱の逆 向き低断層崖として認められる.トレース c は上述の 2 つのトレースとは斜交するように N30˚E の走向を 持ち,やや幅の広い変形帯として認められる.断層 崖の比高は約 5 m である. (2) トレンチ掘削調査 トレンチは,断層露頭の存在により断層の位置の 認定が比較的容易であり,崖下が湿地になっていて 完新世の断層活動履歴を明らかにするための年代測 定試料が得られると想定されることから,トレース b で掘削することにした. トレンチは,長辺の方向が東南東−西北西で,長さ 約 20 m,幅約 5 m,深さは断層崖の隆起側で約 5 m, 低下側で約 2 m である.トレンチ壁面に現れた地層 を,層相に基づき,1 層∼10 層と盛土・旧表土に区 分した(第 4, 5 図).1 層は,灰色のシルトで,炭化 した木片を含んでいる.これらの木片の放射性炭素 同位体年代は,暦年較正した値で 110∼180 yBP を示 す(第 1 表).また,トレンチ北壁面の N7 付近の 1 層には,駒ヶ岳起源あるいは白頭山-苫小牧火山灰 (B-Tm)の火山ガラスが混入している(古澤 明氏 私信).トレンチの中央付近では,1 層が 6 層の上に ほぼ水平に堆積するが,N7 付近では1層の上部は 3 層上に這い上がるように,下部は 3∼5 層と 6 層との 間に挟み込まれるようにして分布している(第 6 図). 2 層はシルト質ロームで,トレンチの東寄りの部分 (N16-18,S18 付近)に分布する.3 層はトレンチの 東西両側に分布する層厚約 20 cm のシルト質ローム である.4 層はトレンチの西側部分に分布するシルト 質ロームで,西側壁面(第 7 図)から採取した連続 サンプリングの分析結果(第 8 図)によれば,この 層準の上部には約 1 万 2000 年前に噴出した濁川テフ ラ(Ng)が,下部には約 5 万年前に噴出したクッタ ラ第 2 火山灰(Kt-2)がそれぞれ含まれる.5 層は砂

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黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 山灰(Mt)に対比される可能性がある火山灰が含ま れる.6 層は灰色の細砂で,トレンチ中央付近では 1 層の下位に,西寄りの部分では 5 層の下位に分布す る.この層からは木片が採取され,それらの放射性 炭素同位体年代は暦年較正した値で 130-160 yBP を 示す(第 1 表).また 6 層には,駒ヶ岳起源のものと 思われる火山灰が含まれるが,駒ヶ岳を起源とする 火山灰のうちのどれに対比できるのかは不明である. 7 層の白色シルトと 8 層の泥炭はほぼ同時代に堆積し たものと思われる.8 層から採取された泥炭と木片は, 約 43,000 yBP から 49,000 yBP の放射性炭素同位体年 代(未補正値)を示す(第 1 表;第 4,5 図).トレ ンチの西端付近(N3-5,S4-5)では両層の境界が東へ 約 20˚傾く.9 層は主に亜角∼亜円礫からなる礫層で, マトリックスはシルトが主である.10 層の礫層はク サリ礫が中心で,マトリックスは砂質である. 以上のような堆積構造と地層の堆積年代のデータ から,白炭東断層のトレース b では,以下のような 出来事があったと考えられる.まず,7 層が断層崖も しくは背斜構造の形成に伴って堆積した.通常,段 丘が離水していく過程を示す堆積物は,礫質な堆積 物から氾濫原堆積物へと漸移的に変わり,その上を 風成堆積物が覆う.トレンチの南北壁面においては, 9 層の上にまず 8 層の泥炭が堆積していることから, 一時的に止水環境になったことが伺える.次に,ト レンチ西端部の 7 層と 8 層とを東に増傾斜させる西 上がりの活動があった.さらに,約 4∼5 万年前に堆 積した 7∼8 層と,約 1∼5 万年前の火山灰を含む 3 ∼5 層との間に,西暦 1780∼1840 年頃に堆積した 6 層と 1 層の一部が挟み込まれた. ただし,トレンチ西端部の 7 層 / 8 層境界の約 20˚ に達する傾斜や,6 層と 1 層が挟み込まれるに至った 原因が断層活動なのか,あるいは地すべりや人為的 な埋積なのかについては,現段階では判断しかねる ところがある.今後,追加実施する火山灰分析等の 結果に基づいて,解釈をさらに検討する必要がある. (3) S 波浅層反射法地震探査 トレンチ掘削地点から約 20 m 南に離れたところに, トレース b と直交する長さ約 300 m の測線(第 3 図 右)を設定し,ポータブルバイブレータを震源とす る S 波浅層反射法地震探査を実施した.探査の主な 目的は,背斜部における上下方向の平均変位速度を 算出するため,段丘構成層と基盤(瀬棚層)との地 層境界の高度を明らかにすることである.このため, 深度約 50 m までの地質構造を探査対象とした.本探 査の主要諸元は,発震点間隔 1 m,受震点間隔 1 m, 垂直重合数 4 回である. 深度断面(第 9 図上)では,測線距離 200∼250 m 付近の極浅層の反射面が,地形と調和的に背斜状に 撓んでいる.また,測線距離 200 m 付近では,知来 川層に対比される,より深い反射面が西側に撓み下 の累積的な変形の様子が認められる.トレース a 付近 では向斜構造がイメージされたが,断層の存在を明 瞭に示す反射波構造は認められなかった. 反射法地震探査測線の南を流れる下白炭川の谷壁 には瀬棚層及び知来川層が断続的に露出する.両層 の地質構造と深度断面との対照(第 9 図下)から, 深度断面中の地表下約 5 m の反射面が M2 面構成層基 底に対応すると考えた.この反射面について,堆積 時の原傾斜を考慮した場合,図上で計測すると背斜 部で上下方向に約 12 m シフトしている. 3.2 蕨岱地区 蕨岱地区では,知来川右岸断層と蕨岱断層の存在 が知られている(第 10 図左).本年度は,これらの 断層により変位を受けている段丘面の形成年代と変 位量を明らかにすることを目的として,地質踏査, 地形測量及びピット掘削調査を行なった. (1) 地形地質調査 写真判読を行なった結果,知来川右岸断層は,ト マムナイ川付近において,従来から断層変位を受け ていることが指摘されている地形面よりも新しい地 形面を変位させている可能性があると判断した.こ の変位地形の特徴を明らかにするため,この地域で トータルステーションを用いた測量を行い,詳細地 形図(縮尺500分の1,コンター間隔1 m)と地形断面 図を作成した(第10図右).作成した地形断面図を用 いると,東側の断層によるトマムナイ右岸での地形 面の上下変位量は約5 mと読み取れる(第11図). また,蕨岱地区を流れる知来川及びその支流の谷 壁には,泥炭やシルトを挟む砂礫層からなる知来川 層と未固結の砂層からなる瀬棚層が露出している. これらの地層の分布と走向・傾斜を調べ,地形から 認められる活構造と対比した.その結果,知来川層 と瀬棚層上部が東へ急傾斜する構造が,知来川右岸 断層の周辺と,蕨岱断層周辺の幅10 m程度の狭い範 囲にみられることが明らかになった. (2) ピット掘削調査 トマムナイ川右岸に分布する地形面の形成年代を 明らかにするため,ピット掘削調査を行なった.ピ ットは,トマムナイ川右岸で地形断面方向(東西方 向)に6ヶ所(第10図右の1∼6)で掘削し,さらに比 較のため,その東方延長にあたる知来川左岸の2ヶ所 (第10図右の7と8)でも掘削した. いずれのピットにおいても,シルト層または砂礫 層の上位にパッチ状の黄褐色∼黄色の火山灰が認め られた.この火山灰は,層相からKt-2に対比され,ト マムナイ川右岸の地形面はM3面であることが明らか になった. 3.3 長万部地区

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断層を挟んだ 3 地点でボーリングを掘削した. (1) トレンチ掘削調査 長万部断層は,丘陵と平野との境界に位置し,オ バルベツ川右岸で M3 面を,長万部公園付近で M1 面 を撓曲変形させている(第 12 図左).オバルベツ川 右岸域の撓曲崖基部については,用地の問題から掘 削が困難であったため,その南方延長の,扇状地面 上に比高約 1 m の傾斜変換が認められる地点におい て,トレンチを掘削することとした. トレンチは,長辺の方向が WNW-ESE 方向で,長 さ約 25 m,幅約 5 m,深さ約 2.5 m である.トレンチ 東寄りの部分では,深さ約 4 m まで掘り下げた.ト レンチの南北壁面に現れた地層を,層相に基づき,1 層∼6 層までと表土・耕作土に区分した(第 13,14 図).各層準には腐植質シルト,泥炭,火山灰が含ま れている.これらの層準のうち,3 層及び 4 層中の腐 植質シルト,6 層中の泥炭と火山灰について分析を行 なった.その結果,3 層の腐植質シルトからは,暦年 較正した値で,4,500 yBP から 5,200 yBP 頃,4 層の腐 植質シルトからは,同じく暦年較正した値で,約 7,000 yBP から約 9,800 yBP の放射性炭素同位体年代がそれ ぞれ得られた(第 2 表).6 層中・上部の泥炭は約 44,000 yBP から約 49,000 yBP の放射性炭素同位体年代(未 補正値)を示す.同層下部の泥炭の測定結果は scale out となった.6 層上部の泥炭の上位には,層厚約 20 cm で黄白色軽石質火山灰が堆積している.この火山 灰(第 13 図の OT-b)を分析したところ,Kt-2 に対比 されることがわかった(第 15 図).また,北壁面の N6 付近の火山灰層(第 13 図の OT-d)直上から採取 した古土壌は,約 28,000 yBP の放射性炭素同位体年 代(未補正値)を示している.この火山灰(OT-d) の鉱物組成は Kt-2 に似ているが,角閃石を全く含ま ないことから別の火山灰,おそらく駒ヶ岳起源の火 山灰に対比される可能性が高い(第 15 図). 南・北両壁面で観察される地層の構造で注目すべ き点は,6 層が約 20˚の傾斜で東へ傾いており,上位 の層準とは傾斜不整合の関係にあることである.こ のほか,トレンチの西端では,6 層中の泥炭が小規模 な逆断層で切られている.また,北壁面の N-13 付近 では,4 層の砂礫層が液状化した痕跡が見いだされた. (2) ボーリング掘削調査 トレンチ掘削調査で見いだされた泥炭層の傾斜と 撓曲変形との関係を明らかにするため,撓曲崖の南 方延長を挟んでボーリングを掘削し,ボーリングコ アの層序対比を行なった. ボーリング掘削地点は,撓曲崖とトレンチ掘削地 点を挟んで隆起側,低下側のそれぞれ1地点と,撓 曲崖斜面上の1地点とした(第 12 図右).西側の掘 分される.OT-2 コアは耕作土,沖積層,堆積年代が 不明な砂礫層及び基盤の砂層に区分される.OT-3 は 耕作土,沖積層,M3 面構成層,火山灰層及び基盤を なす砂層に区分される. これらの地層の堆積年代を明らかにするため,放 射性炭素同位体年代測定と火山灰分析を実施した. 放射性炭素同位体年代測定の結果,OT-1 と OT-3 から 得られた泥炭は,トレンチ壁面で確認された泥炭と ほぼ同じ年代を示す(第 2 表).このことから,これ らの泥炭は M3 面構成層の一部であると考えられる. 火山灰分析の結果からは,OT-3 の地表下 3 m 付近に Kt-2 が存在することと,M3 面構成層に不整合に覆わ れる火山灰層が Toya であることが分かった(第 15 図). これらの結果に基づき,長万部断層による M3 面構 成層の上下変位量を次のようにして求めた(第 16 図). 撓曲変形を被っていないと考えられる,撓曲崖から 離れた隆起側の M3 面の傾斜を,同面の原傾斜と仮定 する.この原傾斜を相対的沈降側(撓曲崖の東側) にも当てはめ,隆起側の OT-1 と沈降側の OT-3 にお ける M3 面構成層の上限高度から,同面の上下変位量 を求める.このようにして求められた長万部断層に よる M3 面の上下変位量は約 6 m となる(第 16 図). 4.断層帯周辺の古地震との関係 黒松内低地断層帯周辺では 1792 年(寛政 4 年)の 地震による被害が知られている.詳細な記録は不明 であるが,宇佐見(2003)によると,小樽から積丹 岬にかけての地域で揺れを感じ,津波が発生した. 「寿都町史」(寿都町教育委員会,1974)には,寿都 地方の出来事として,「五月二十四日この地方地震, 海嘯あり被害甚大であった」,北海道での出来事とし て,「西蝦夷地地震,津波あり被害多し」と記されて いる. 白炭地区では,既述のように,ロームとシルトに 挟まれる地層中の植物遺体から西暦 1770-1840 年の 放射性炭素年代が得られている.ローム層が覆いか ぶさるイベントが起きた時期は,1792 年の地震と重 なっている可能性が高く,大変興味深い.今後,こ のイベントと黒松内低地断層帯の活動との関係,さ らにそれと 1792 年地震との関係について,調査を進 めていきたいと考えている. 5.平成 14 年度調査のまとめ 平成 14 年度の調査により得られた黒松内低地断層 帯に関する新たな知見と今後の課題は,以下のとお りである. (1) 白炭地区では,白炭東断層のトレース b で行な

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黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 の上にローム層が覆いかぶさるイベントが生じたこ とが明らかになった.このイベントは,1792 年に発 生した西蝦夷地方の地震と時期的に重なる可能性が 高い.このイベントと白炭東断層の活動との関係, それらと 1792 年の地震との関係の解明が今後の課題 として残されている. (2) 蕨岱地区においては,被覆火山灰層序から, M3 面の分布が確かめられた.今後,蕨岱断層と知来 川右岸断層による M3 面構成層とそれを覆うローム 層の上下変位量や,両断層の最新活動時期の解明を 進める必要がある. (3) 長万部地区においては,長万部断層の両側に分 布する M3 面構成層の高度分布の比較から,同断層に よる約 6 m の上下変位量を明らかにすることができ た.今後は同地区に分布する活断層の最新活動時期 の解明に向けた研究の推進が課題である. (4) 白炭地区における反射法地震探査の結果,黒松 内低地断層帯は,褶曲構造の発達と密接に関連して 形成されていることが明らかになった.今後,反射 法地震探査による地下構造調査を進め,断層帯の 3 次元的な構造を解明することが各地区に共通する課 題である. 謝辞 平成 14 年度の調査を実施するにあたり,調査 用地の地権者の皆様には快く調査をお認め頂き,北 海道庁並びに黒松内町役場と長万部町役場の担当者 の方々からはいろいろとご協力を賜った.各町への 調査説明に際しては,黒松内町ブナセンターの高橋 興世館長にいろいろと便宜を図って頂いた.北海道 立地下地質研究所と北海道開拓記念館の研究者の皆 様をはじめとする多くの方々には,トレンチ現場に おいて有益な議論をして頂いた.以上の方々のお蔭 で調査を無事に進めることができ,貴重な研究成果 を得ることができた.こここに記して,篤く御礼申 し上げます. 文 献 北海道工業振興委員会(1990)北海道の石油・天然 ガス資源-その探査と開発(昭和 52 年∼63 年)-. 北海道立地下資源調査所(1967)長万部町の地質. 62 p. 池田安隆・今泉俊文・東郷正美・平川一臣・宮内崇 裕・佐藤比呂志(2002)第四紀逆断層アトラス. 東京大学出版会,260 p. 池谷仙之・林 慶一(1982)北海道渡島半島黒松内 地方の地質.地球科学,35,94-97. 今泉俊文・渡島半島活断層研究グループ(1982)黒 松内低地帯の活断層.日本地理学会予稿集,No. 22,98-99. 活断層研究会(1991)新編日本の活断層−分布図と資 料−.東京大学出版会,448 p. 小池一之・町田 洋(2001)日本の海成段丘アトラ ス.東京大学出版会,122 p. 久保和也・石田正夫・成田英吉(1983)長万部地域 の地質.地域地質研究報告(5万分の 1 地質図幅, 地質調査所,70 p. 町田 洋・新井房夫(1992)火山灰アトラス[日本 とその周辺].東京大学出版会,276 p. 中田 高・今泉俊文(2002)活断層詳細デジタルマ ップ.東京大学出版会,68 p.

Niklaus, T. R. (1991) CalibETH (Version 1.5b).

奥村晃史(1983)黒松内低地帯の活構造と地形発達. 日本地理学会予稿集,No. 23,30-31. 奥村晃史(1991)北海道地方の第四紀テフラ研究. 第四紀研究,30,379-390. 奥村晃史・寒川 旭(1984)洞爺火砕流(Tpfl)の分 布と絶対年代(演旨).火山,29,338. 奥村晃史・八木浩二・寒川 旭(1984)黒松内低地 帯の後期更新世段丘に関する年代資料.第四紀研 究,23,209-212. 寿都町教育委員会(1974)寿都町史.587 p. 鈴木明彦(1991)西南北海道美利河-花石地域の瀬棚 層の堆積環境.地質学雑誌,97,329-344. 椿原慎一・長谷川四郎・丸山俊明(1989)西南北海 道黒松内地域の上部新生界—とくに黒松内層の 層序と微化石年代について−.地質学雑誌,95, 423-438. 宇 佐 見 龍 夫 ( 2003 ) 最 新 版 日 本 被 害 地 震 総 覧 [416]-2001.東京大学出版会,605 p. 渡辺 寧(1993)岩脈・火口配列に基づく西南北海 道北部の新生代後期の応力場.地質学雑誌,99, 105-116. 山懸耕太郎(1994)支笏及びクッタラ火山のテフロ クロノロジー.地学雑誌,103,268-285. 山岸宏光(1986)北海道におけるいくつかの活断層 露頭.活断層研究,No. 2, 19-28. 山岸宏光・木村 学(1981)黒松内低地帯の活断層 露頭.地球科学,35,94-97. 山岸宏光・渡辺 寧(1986)西南北海道における新 生代後期の応力場の変遷̶地質断層,岩脈,鉱脈 及び活断層の検討̶.地団研専報,No. 31, 321-331. (受付:2003 年 9 月 10 日,受理:2003 年 10 月 17 日)

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1 2

3

4

5

6

7

8

長万部

双葉

黒松内

寿都

白炭地区

長万部地区

5 km

蕨岱地区

熱郛川 朱 太 川 知 来 川

二股川

長 万 部 川 紋 別 川

N

140° 140°E 142° 142° 144° 144° 40° 40° 42° 42° 44° 44°N 調査地域

日本海

オホーツク海

太平洋

噴火湾 札幌 旭川 函館

活断層名

1 白炭西断層

2 白炭東断層

3 西熱郛原野東断層

4 旭野断層

5 知来川右岸断層

6 蕨岱断層

7 長万部断層

8 中の沢断層

第1図.黒松内低地断層帯の位置(左上)と同低地に分布する活断層(右). Fig. 1. location (upper left) and distribution of active faults (right) in the study area.

活断層の位置及び断層名は活断層研究会(1991)による.ケバ付きの太い線は活動度B級の活断層, ケバ付きの細い線は活動度C級の活断層を示す.ケバは断層の低下側を示す.細い実線はリニアメン ト(確実度IIIの活断層)を,赤い矢印は地形面の異常な傾斜の方向を示す.黒丸は14年度の調査実 施地区の位置を示す.

(7)

黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 10ka 100ka 1Ma

沖積層

L2面構成層

L1面構成層

M3面構成層

M2面構成層

M1面構成層

H3面構成層

H2面構成層

H1面構成層

知来川層

瀬棚層

黒松内層

クッタラ第2

(KT-2; 50 ka)

洞爺

(Toya; 90-100ka)

銭亀-女那川

(Z-M; 35-45 ka)

濁川

(Ng; 12 ka)

蕨岱

(WT; 0.4 Ma)

駒ヶ岳

d (Ko-d; AD1640)

白頭山苫小牧

(B-Tm; 0.8-0.9ka)

1ka

松前

(MT; ? )

年 代 地質時代 地 層 名 主な指標火山灰(略号;噴出年代) 第2図.黒松内低地に分布する地層の層序・年代と主な指標火山灰. Fig. 2. Stratigraphy and key tephra beds in the Kuromatsunai Lowland.

(8)

右 図 の 範 囲 0 5 0 0m N

西

0 50 10 0m •W D E48.63.27 T137 E48.68.68 T136 E58.24.33 T138 E57.74.38T139 E68.33.44T140 E68.84.49 T141 E78.41.55 T142 E40.02.55.78.84.59 T”’’YŠ£142Š „1 D E56.57.59 E56 .12.80 E46.59.99 E65.24.80 D D E40.02.55.65.58.43 E47.19.26 E37.75.62 E37.45.98 •W •W E39.09.28 •W E40.02.5640.89.69 T”’’YŠ£ 131 •W E38.44.63 E38.79.98 E49.23.29 •W E49.73.05 T135 E49.52.59 E49.82.19 T133 E49.77.46 T134 E40.05.28 T132 Ô ‰ò ”’ ’Y ì X=-143100 X=-142900 X=-142700 Y=5 900 Y=6 000 Y=6100 Y=6 200 Y=6200 Y=6 300 Y=6300

M

2

H

3

ト レ ン チ 掘 削 地 点 DD •W 86. 91 88. 52 92. 01 79. 16 75. 31 73. 62 79. 13

a

b

c

0 10 0 20 0 1 2 3 4 5 7 8 6 下 白 炭 川 30 0 90 85 80 95 010 10 5 110 85 90 95 100 105 第 3 図 . 白 炭 地 区 周 辺 の 地 形 と 活 断 層 の 分 布 ( 左 ) 及 び 調 査 地 点 周 辺 の 詳 細 地 形 ( 右 ) . Fi g. 3. To po gr ap hy an d di st ri bu tio n of ac tiv e fa ul ts ar ou nd th e Sh ir oz um is ite (l ef t) an d de ta ile d to po gr ap hi c m ap of th e Sh ir oz um is ite (r ig ht ). ( 左 図 ) 国 土 地 理 院 発 行 25 ,0 00 分 の 1 地 形 図 「 熱 郛 」 を 使 用 . 断 層 の 位 置 は 空 中 写 真 判 読 結 果 に 基 づ く . 断 層 線 の ケ バ は 断 層 の 低 下 側 を 示 す . 矢 印 は 地 形 面 が 異 常 な 傾 斜 を 示 す 部 分 と そ の 方 向 を 示 す . ( 右 図 ) 地 形 図 は ト ー タ ル ス テ ー シ ョ ン を 用 い た 測 量 結 果 に よ る . 等 高 線 の 間 隔 は 主 曲 線 1 m , 計 曲 線 は 5 m . 断 層 線 の う ち , 侵 食 な ど に よ り 位 置 が 不 鮮 明 な も の は 破 線 で 示 し た . ケ バ は 低 下 側 を 示 す . 下 白 炭 川 沿 い の 数 字 は , 露 頭 番 号 を 示 す . 紫 色 の 実 線 及 び そ の 上 の 数 字 は , 反 射 法 地 震 探 査 測 線 と C M P 番 号 を 示 す .

(9)

黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 盛 土 1 層 ( シ ル ト ) 2 層 ( シ ル ト 質       ロ ー ム ) 3 層 ( シ ル ト 質       ロ ー ム ) 4 層 ( シ ル ト 質       ロ ー ム ) 5 層 ( 砂 質 ロ ー ム ) 6 層 ( 細 砂 ) 7 層 ( シ ル ト ) 8 層 ( 泥 炭 ) 旧 表 土 9 層 ( 礫 ) 1 0 層 ( 礫 ) 凡   例 E N E 3 層 4 層 5 層 6 層 7 層 8層8層 9 層 1 0 層 1 0 層 2 層 1 層 15 9 ± 87 ( 木 片 ) 43 ,7 00 ± 29 0 ( 古 土 壌 ) 13 2 ± 79 ( 木 片 ) 13 6 ± 80 ( 木 片 ) 13 6 ± 80 ( 木 片 ) 17 4 ± 10 0 ( 木 片 ) 48 ,7 90 ± 65 0 ( 木 片 ) 14 7 ± 83 ( 木 片 ) N -1 N -2 N -3 N -4 N -5 N -6 N -7 N -8 N -9 N -1 0 N -1 1 N -1 2 N -1 3 N -1 4 N -1 5 N -1 6 N -1 7 N -1 8 N -1 9 N -2 0 N -2 1 EL= +8 5. 00 m 白 炭 地 区 ト レ ン チ 北 壁 面 の ス ケ ッ チ ( 上 ) と 写 真 ( 下 ) . og an d ph ot o of th e no rt h w al lo f th e Sh ir oz um it re nc h. レ ン チ 掘 削 地 点 の 位 置 は 第 3 図 に 示 す . 破 線 で 囲 ん だ 枠 は , 第 6 図 の 写 真 の 位 置 を 示 す . 図 中 に 示 し た 数 字 は , 赤 丸 印 の 位 置 か ら 採 取 さ れ た 試 料 の 放 射 性 炭 素 同 体 年 代 測 定 ( A M S 法 ) の 値 ( 1 層 及 び 6 層 か ら 採 取 し た 試 料 の 年 代 は 暦 年 較 正 値 , 8 層 か ら 採 取 し た 試 料 の 年 代 は 未 補 正 値 , 単 位 は yB P ) を 示 す .

(10)

13 2 ± 79 ( 古 土 壌 ) 11 7 ± 74 ( 木 片 ) M od er n ( 木 片 ) 13 6 ± 80 ( 木 片 ) 48 ,2 60 ± 63 0 ( 木 片 ) W S W E N E 盛 土 1 層 ( シ ル ト ) 2 層 ( シ ル ト 質       ロ ー ム ) 3 層 ( シ ル ト 質       ロ ー ム ) 4 層 ( シ ル ト 質       ロ ー ム ) 5 層 ( 砂 質 ロ ー ム ) 6 層 ( 細 砂 ) 7 層 ( シ ル ト ) 8 層 ( 泥 炭 ) 旧 表 土 9 層 ( 礫 ) 1 0 層 ( 礫 ) 凡   例 14 3 ± 82 ( 木 片 ) 11 1 ± 74 ( 木 片 ) 3 層 4 層 5 層 7 層 6 層 8 層 7 層 9 層 1 0 層 S -2 1 S -2 0 S -1 9 S -1 8 S -1 7 S -1 6 S -1 5 S -1 4 S -1 3 S -1 2 S -1 1 S -1 0 S -9 S -8 S -7 S -6 S -5 S -4 S -3 S -2 S -1 EL= 85 .0 0 m E L= 85 .0 0m 5 図 . 白 炭 地 区 ト レ ン チ 南 壁 面 の ス ケ ッ チ ( 上 ) と 写 真 ( 下 ) . g. 5. L og an d ph ot o of th e so ut h w al lo f th e Sh ir oz um it re nc h. ト レ ン チ 掘 削 地 点 の 位 置 は 第 3 図 に 示 す . 図 中 に 示 し た 数 字 は , 赤 丸 印 の 場 所 か ら 採 取 さ れ た 試 料 の 放 射 性 炭 素 同 位 体 年 代 測 定 ( A M S 法 ) の 値 ( 1 層 か ら 採 取 し た 試 料 の 年 代 は 暦 年 較 正 値 , 8 層 か ら 採 取 し た 試 料 の 年 代 は 未 補 正 値 , 単 位 は yB P ) を 示 す .

(11)

黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 W-1 W-2 W-3 W-4 W-5 W-6 EL=+85.00m EL=+85.00m

S

N

4層 9層 8層 6層 5層 56 7層 3層 45 35 32 27 25 20 16 1 14 10 5 盛土 旧表土 1層 5層 6層 7層 西 東 4層 3層 第6図.白炭地区トレンチ北壁面N7付近における1層の変形の様子. Fig. 6. Deformation of the unit 1 on the north wall of the Shirozumi trench.

1層のシルト層は3層のローム層の上に這い上がるような分布形状を示すとともに, 一部は3層~5層と6層との間に挟み込まれており,ロームのブロックにより低下側 (東)に押され,一部がめくり上げられたように見える.

(12)

標 尺 (m ) 柱 状 図 地 層 名 火 山 ガ ラ ス の 屈 折 率 ( n d ) 1. 50 0 1. 51 0 1. 70 0 斜 方 輝 石 の 屈 折 率 ( γ ) 1. 71 0 1. 72 0 1. 73 0 角 閃 石 の 屈 折 率 ( n 2 ) 1. 67 0 1. 68 0 1. 52 0 1. 69 0 1 2 3 4 5 6 C o u n t 個 数 0 20 記 載 S am pl e N o. 重 鉱 物 組 成 腐 植 土 層 ( 8 c m ) レ ス ( 1 1 3 c m ) : 1 ~ 2 c m の ブ ロ ッ ク 状 に 欠 け や す い . 褐 色 ~ 鈍 い 赤 み を 帯 び , 下 位 よ り 暗 色 . レ ス ( 9 2 c m ) : 上 位 の レ ス よ り 粗 粒 . 黄 色 帯 び た 淡 褐 色 . 角 礫 4 0 m m 円 礫 5 0 × 3 0 m m レ ス ( 2 8 c m ) : 全 体 的 に 0 . 1 ~ 0 . 3 m m の 軽 石 散 在 . レ ス ( 5 5 c m ) : 1 ~ 2 m m の 灰 色 ソ フ ト ラ ピ リ 散 在 . 下 位 ほ ど 明 る め の 色 調 . レ ス ( 5 c m ) : 明 る い 淡 褐 色 . 5 m m 程 度 の シ ル ト 偽 礫 散 在 . レ ス ( 6 c m ) : 淡 灰 色 砂 質 . 最 大 1 m m の 礫 多 数 . レ ス ( 1 6 c m ) : 明 淡 褐 色 レ ス と 黄 色 細 粒 レ ス が 混 合 . 堆 積 構 造 残 さ な い . レ ス ( 6 c m ) : 黄 色 細 粒 レ ス . 2 ~ 5 m m 灰 色 ソ フ ト ラ ピ リ 含 む . レ ス ? ( 2 1 c m ) : 砂 質 淡 褐 色 シ ル ト . 1 ~ 5 m m 円 礫 多 数 . チ ョ コ 色 に 変 色 し た 植 物 痕 あ り . レ ス ? ( 2 2 c m ) : 明 褐 色 ~ オ レ ン ジ . シ ル ト ~ 粘 土 . ラ ズ ベ リ ー 多 数 . シ ル ト 層 ( 1 3 c m ) : 淡 灰 色 . 最 大 5 m m の ソ フ ト ラ ピ リ 少 量 . ラ ズ ベ リ ー あ り . 粘 土 層 ( 2 2 c m ) : 淡 褐 色 . 砂 層 ( 1 5 c m ) : ゴ マ シ オ 状 . シ ル ト ~ 極 細 砂 サ イ ズ . 中 粒 砂 サ イ ズ も あ り . 粘 土 層 ( 1 5 c m ) : 淡 褐 色 . 有 機 質 粘 土 ( 2 5 c m ) シ ル ト ~ 細 粒 砂 層 ( 4 5 c m ) 亜 炭 ( 5 0 c m + ) 褐 色 風 化 帯 ( 1 4 c m ) 1 5 6 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 24 23 22 21 25 26 27 32 33 34 35 36 44 45 55 56 54 53 52 51 50 49 48 47 46 43 42 41 40 39 38 37 31 30 29 28 8 7 4 3 2 1 5 6 9 10 11 12 13 14 15 16 16 17 18 19 20 24 23 22 21 25 26 27 32 33 34 35 36 44 45 55 56 54 53 52 51 50 49 48 55 48 48 47 46 43 42 41 40 39 38 37 31 30 29 28 28 28 8 7 4 3 2 B w H o + ( 低 P m ) O p x + O p x + B w O p x + B w P m B w Bw O p x + 含 む P m B w P m リ ム 水 和 B w P m 強 風 化 ? B w 水 和 P m 水 和 不 良 ( 著 し く 新 し い ) A s o -4 ? P P 重 鉱 物 組 成 凡 例 O p x : 斜 方 輝 石 C p x : 単 斜 輝 石 G H o : 緑 色 普 通 角 閃 石 50 % N g K t-2 不 連 続 面 M t? 低 発 泡 多 種 g l a s s 低 発 泡 O p x + 低 発 泡 O p x + L p u l O p x + L p u l O p x + H o , L p u l H o + , L p u l H o + , L p u l H o + , L p u l H o + , L p u l 35 O p x + o n l y O p x + o n l y H o + o n l y O p x + o n l y 1. 76 0 H o + o r P u r e K o -e o r c2 ? P o st To ya 鉱 物 組 成 50 % 鉱 物 組 成 凡 例 バ ブ ル ウ ォ ー ル タ イ プ ガ ラ ス パ ミ ス タ イ プ ガ ラ ス 低 発 泡 ガ ラ ス 石 英 ・ 長 石 火 山 岩 片 岩 片 ・ 風 化 粒 重 鉱 物 不 透 明 鉱 物 第 8 図 . 白 炭 地 区 ト レ ン チ 西 面 連 続 試 料 分 析 結 果 . Fi g. 8. R at io s an d re fr ac tiv e in di ce s of m in er al s in th e co nt in uo us sa m pl es fr om th e Sh ir oz um it re nc h. 試 料 を 採 取 し た 位 置 は 第 7 図 に 示 す . 火 山 ガ ラ ス の 屈 折 率 で 1. 49 4-1. 49 9 の も の は , 洞 爺 火 砕 流 か ら の 再 堆 積 物 と 考 え ら れ る .

(13)

黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 W E 10 0 50 5 0 1 0 0 10 0m 50 0 標 高 (m ) ) (m 深度 標 高 (m ) 深度 (m ) ? ト レ ン チ 掘 削 範 囲 W E 50 10 0 50 10 0 10 0m 50 0 標 高 (m ) 深度 (m ) 標 高 (m ) 深度 (m ) 瀬 棚 層 c b a 知 来 川 層 瀬 棚 層 M 2 面 構 成 層 H 3 面 構 成 層 知 来 川 層 ca .1 2 m 1 2 3 4 5 6 7 8 瀬 棚 層 の 露 頭 位 置 知 来 川 層 の 露 頭 位 置 第 9 図 . 白 炭 東 断 層 を 横 切 る S 波 浅 層 反 射 法 地 震 探 査 結 果 ( 深 度 断 面 ) ( 上 ) と そ の 解 釈 図 ( 下 ) . Fi g. 9. S-w av e se is m ic pr of ile (t op ) an d sc he m at ic im ag e of th e su bs ur fa ce st ru ct ur e (b ot to m ) ac ro ss th e Sh ir oz um i-hi ga sh if au lt. 測 線 の 位 置 は 第 3 図 に 示 す . 縦 横 比 は 1 : 1 . 解 釈 図 に お け る 地 層 境 界 は , 主 に 下 白 炭 川 沿 い に お け る 地 層 観 察 に 基 づ い て 推 定 . 図 中 の a, b , cは そ れ ぞ れ 測 線 上 に お け る 断 層 ト レ ー ス a, b , cの 位 置 を 示 す . 白 い 破 線 は , M 2 面 構 成 層 の 基 底 に 対 応 す る 反 射 面 を 西 へ 延 長 し た も の . 背 斜 部 の 同 一 層 準 と 比 較 し た 場 合 の 上 下 方 向 へ の シ フ ト は 約 12 m で あ る .

(14)

蕨 岱

断 層

1

km

N 右 図 の 範 囲 10 0 90 80 11 0 12 0 13 0 標高(m) 10 0 90 80 11 0 12 0 13 0 標高 (m ) 10 0 m 0 1 ▼ ▼ 2▼ 3▼ 4 5 ▼ ▼ ▼ 6 7 8 ▼ A ' A S S S S S S 2 1 3 4 6 7 8 5 115 110 105 100 95 90 85 90 95 100 A A ' B B ' 第 10 図 . 蕨 岱 地 区 周 辺 の 地 形 と 活 断 層 の 分 布 ( 左 ) 及 び ト マ ム ナ イ 川 付 近 の 詳 細 地 形 図 と 地 形 断 面 図 ( 右 ) . Fi g. 10 .T op og ra ph y an d ac tiv e fa ul ts ar ou nd th e W ar ab ita i si te (l ef t) an d de ta ile d to po gr ap hi c m ap an d pr of ile of th e To m am un ai R ev er ar ea (r ig ht ). ( 左 図 ) 国 土 地 理 院 発 行 25 ,0 00 分 の 1 地 形 図 「 黒 松 内 」 を 使 用 . 断 層 の 位 置 は 空 中 写 真 判 読 結 果 に 基 づ く . 断 層 線 の ケ バ は 断 層 の 低 下 側 を 示 す . ( 右 上 ) 地 形 図 は ト ー タ ル ス テ ー シ ョ ン を 用 い た 実 測 値 に 基 づ き 作 成 . 等 高 線 の 間 隔 は 主 曲 線 1 m , 計 曲 線 5 m . ● 印 及 び 数 字 は ピ ッ ト の 掘 削 位 置 と 番 号 を 示 す . ( 右 下 ) ▼ 印 と 数 字 は ピ ッ ト の 掘 削 位 置 と 番 号 を 示 す . 赤 い 破 線 は , 地 形 か ら 推 定 さ れ る 活 断 層 の 位 置 と 傾 斜 方 向 を 示 す .

(15)

黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査

5

m

10 0 90 11 0 標 高( m)

B

B

'

10 0 m 0 被 覆 ロ ー ム K t-2 火 山 灰 ピ ッ ト 掘 削 位 置 及 び ピ ッ ト 番 号 1

2

3

4

5

6

1

第 11 図 . ト マ ム ナ イ 川 右 岸 に お け る , 知 来 川 右 岸 断 層 に よ る M 3 面 の 変 形 を 示 す 模 式 断 面 . Fi g. 11 .S ch em at ic cr os s se ct io n of th e To m am un ai R iv er ar ea ,s ho w in g th e de fo rm at io n of M 3 te rr ac e by th e C hi ra ig aw a-ug an fa ul t. 被 覆 ロ ー ム の 層 厚 と K t-2 火 山 灰 の 層 序 は , ピ ッ ト 調 査 の 結 果 に 基 づ く . 赤 い 破 線 は , 地 形 か ら 推 定 さ れ る 知 来 川 右 岸 断 層 の 位 置 と 傾 斜 方 向 を 示 す . 地 形 面 の 原 傾 斜 の 勾 配 を 考 慮 し た 場 合 に は , 東 側 の 断 層 に よ る M 3 面 の 上 下 変 位 量 は 約 5 m と な る .

(16)

右 図 の 範 囲 0 5 0 0m 長 万 部 断 層 N 0 20 40 m

M

3

19. 2 21. 3

O T -3 O T -2 O T -1 25 35 30 20 15 A A ' B B ' 第 12 図 . 長 万 部 地 区 周 辺 の 地 形 と 活 断 層 の 分 布 ( 左 ) 及 び 詳 細 地 形 図 ( 右 ) . Fi g. 12 .T op og ra ph y an d ac tiv e fa ul ts ar ou nd th e O sh am am be si te (l ef t) an d de ta ile d to po gr ap hi c m ap of th e O sh am am be si te (r ig ht ) . ( 左 図 ) 国 土 地 理 院 発 行 25 ,0 00 分 の 1 地 形 図 「 渡 島 双 葉 」 を 使 用 . 断 層 の 位 置 は 空 中 写 真 判 読 結 果 に 基 づ く . 断 層 線 の ケ バ は 断 層 の 低 下 側 を 示 す . 矢 印 は 地 形 面 が 異 常 な 傾 斜 を 示 す 部 分 と そ の 方 向 を 示 す . ( 右 図 ) 地 形 図 は ト ー タ ル ス テ ー シ ョ ン を 用 い た 測 量 の 実 測 値 に 基 づ い て 作 成 . 等 高 線 の 間 隔 は , 主 曲 線 1 m , 計 曲 線 5 m . 断 層 線 の う ち , 侵 食 な ど に よ り 位 置 が 不 鮮 明 な も の は 破 線 で 示 し た . ケ バ は 断 層 の 低 下 側 を 示 す . 矢 印 は 地 形 面 が 異 常 な 傾 斜 を 示 す 部 分 と そ の 方 向 を 示 す . 赤 丸 印 と そ れ に 付 随 す る 記 号 は , ボ ー リ ン グ 調 査 を 実 施 し た 地 点 と そ の 地 点 番 号 を 表 す . 紫 色 の 実 線 は , 第 16 図 に 示 し た 地 形 地 質 断 面 の 位 置 .

(17)

黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 E 表 土 ・ 耕 作 土 1 層 ( 粗 砂 ~ 小 礫 ) 2 層 ( シ ル ト 質 細 粒 砂 ) 3 層 ( 腐 植 質 シ ル ト ) 4 層 ( シ ル ト ・ 砂 礫 ) 5 層 ( 砂 礫 ) 6 層 ( シ ル ト 質 砂 ) 泥 炭 火 山 灰 sc al e ou t( 泥 炭 ) 27 ,8 30 ± 15 0 ( 古 土 壌 ) 46 ,8 90 ± 56 0 ( 古 土 壌 ) 8, 54 8 ± 92 ( 古 土 壌 ) 9, 70 0 ± 99 ( 古 土 壌 ) 4, 71 0 ± 76 ( 古 土 壌 ) 4, 46 6 ± 79 ( 古 土 壌 ) 7, 13 2 ± 62 ( 古 土 壌 ) 7, 23 5 ± 55 ( 古 土 壌 ) 9, 09 3 ± 87 ( 古 土 壌 ) 5, 13 1 ± 10 3 ( 古 土 壌 ) O T-a O T-b O T-c O T-d N -1 N -2 N -3 N -4 N -5 N -6 N -7 N -8 N -9 N -1 0 N -1 1 N -1 2 N -1 3 N -1 4 N -1 5 N -1 6 N -1 7 N -1 8 N -1 9 N -2 0 N -2 1 N -2 2 N -2 3 N -2 4 N -2 5 EL= +1 2. 00 m 長 万 部 地 区 ト レ ン チ 北 壁 面 の ス ケ ッ チ ( 上 ) と 写 真 ( 下 ) 及 び 放 射 性 炭 素 同 位 体 年 代 . og an d ph ot o of th e no rt h w al lo f th e O sh am am be tr en ch . レ ン チ 掘 削 地 点 の 位 置 は 第 12 図 に 示 す . 図 中 に 示 し た 数 字 は , 赤 丸 印 の 場 所 か ら 採 取 さ れ た 試 料 の 放 射 性 炭 素 同 位 体 年 代 測 定 ( A M S 法 ) の 値 ( 1 万 年 よ り 若 い 年 代 暦 年 較 正 値 , 2 万 年 以 上 の 年 代 は 未 補 正 値 , 単 位 は yB P ) を 示 す . 四 角 印 と そ の 脇 の 記 号 は , 第 15 図 に 分 析 結 果 を 示 し た 火 山 灰 試 料 の 採 取 位 置 と 試 料 番 号 を 示 す .

(18)

表 土 ・ 耕 作 土 1 層 ( 粗 砂 ~ 小 礫 ) 2 層 ( シ ル ト 質 細 粒 砂 ) 3 層 ( 腐 植 質 シ ル ト ) 4 層 ( シ ル ト ・ 砂 礫 ) 5 層 ( 砂 礫 ) 6 層 ( シ ル ト 質 砂 ) 泥 炭 火 山 灰 W 44 ,0 50 ± 52 0 ( 古 土 壌 ) [2 00 4 ± 44 ( 古 土 壌 ] -2 5 S -2 4 S -2 3 S -2 2 S -2 1 S -2 0 S -1 9 S -1 8 S -1 7 S -1 6 S -1 5 S -1 4 S -1 3 S -1 2 S -1 1 S -1 0 S -9 S -8 S -7 S -6 S -5 S -4 S -3 S -2 S -1 S -0 m E L= +1 2. 00 . 長 万 部 地 区 ト レ ン チ 南 壁 面 の ス ケ ッ チ ( 上 ) と 写 真 ( 下 ) 及 び 放 射 性 炭 素 同 位 体 年 代 . .L og an d ph ot o of th e so ut h w al lo f th e O sh am am be tr en ch . ト レ ン チ 掘 削 地 点 の 位 置 は 第 12 図 に 示 す . 図 中 に 示 し た 数 字 は , 赤 丸 印 の 場 所 か ら 採 取 さ れ た 試 料 の 放 射 性 炭 素 同 位 体 年 代 測 定 ( A M S 法 ) の 値 ( 1 万 年 よ り 若 い 代 は 暦 年 較 正 値 , 2 万 年 以 上 の 年 代 は 未 補 正 値 , 単 位 は yB P ) を 示 す . [ ]内 の 年 代 は , 他 の 結 果 と 比 較 す る と 年 代 が 若 す ぎ て お り , モ ダ ン カ ー ボ ン に よ り 汚 染 さ た も の と 考 え ら れ る .

(19)

黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 テ フ ラ 名 火 山 ガ ラ ス の 屈 折 率 ( n d ) 1. 50 0 1. 51 0 1. 70 0 斜 方 輝 石 の 屈 折 率 ( γ ) 1. 71 0 1. 72 0 角 閃 石 の 屈 折 率 ( n 2 ) 1. 68 0 1. 69 0 1. 67 0 C ou nt 個 数 20 0 鉱 物 組 成 重 鉱 物 組 成 そ の 他 特 記 鉱 物 鉱 物 組 成 凡 例 重 鉱 物 組 成 凡 例 C ol or le ss B w gl as s Li gh tM in er al O px C px G H o B i O pq R oc k C ol or le ss P m gl as s 試 料 N o . O T-a O T-b O T-c O T-d 20 02 -8 -1 5- 2-S P 1 20 02 -8 -1 4- 3-S P 1 20 02 -8 -1 5- 2-S P 2 A 02 08 14 06 01 A 02 08 10 01 02 A 02 08 10 01 01 F 14 F34 C um B H o O px C px G H o B i C um B H o 50 % 50 % A p 含 む A p 含 む β 多 く 含 む ( g l a s s 付 着 有 色 鉱 物 ) ( g l a s s 付 着 有 色 鉱 物 ) 石 英 含 む 石 英 含 む 石 英 含 む 石 英 含 む 石 英 + 含 む β + 含 む 石 英 含 む 石 英 含 む 発 泡 や や 不 良 H o+ ,F l+ 発 泡 良 好 P m Ty pe 自 形 P m ガ ラ ス 付 着 O px の み O px 付 着 O px 付 着 の み 1. 75 0 O px +( P m 付 着 の み ) O px +( P m 付 着 の み ) C um K o -? K o -? K o -? Ko-d K t-2 Kt-2 K t-2 To ya C ou nt 個 数 0 20 重 鉱 物 組 成 凡 例 O px C px G H o O T H A p B H o O T-e O T-f O T-g O T-h O T-i O T-j 鉱 物 組 成 凡 例 C ol or le ss B w gl as s Li gh tM in er al O px C px G H o R oc k C ol or le ss O gl as s C ol or le ss O T H gl as s C ol or le ss P m gl as s C ol or P m gl as s B io 石 英 含 む 石 英 含 む 石 英 + 含 む 石 英 + 含 む 石 英 + 含 む 石 英 + 含 む 骨 針 含 む 骨 針 , 珪 藻 , ウ ニ 片 含 む G H o pu re 自 形 で 細 長 い 粒 子 O px + 1. 76 0 1. 76 0 1. 76 0 H o+ 角 閃 石 含 有 テ フ ラ       混 在 角 閃 石 含 有 テ フ ラ       混 在 K t-2 To ya To ya To ya O px + : ガ ラ ス 付 着 斜 方 輝 石 H o+ : ガ ラ ス 付 着 角 閃 石 15 図 . 長 万 部 地 区 の 調 査 で 採 取 さ れ た 火 山 灰 試 料 の 分 析 結 果 . g. 15 .R at io s an d re fr ac tiv e in di ce s of m in er al s in th e te ph ra sa m pl es fr om th e O sh am am be si te . O T-a, c, d は 駒 ヶ 岳 起 源 の 火 山 灰 と 思 わ れ る が , ど の 時 代 の も の に 対 比 さ れ る か は 不 明 .

(20)

標高(m)

20 30 10 5 15 25 0 -5 -10

標高(m) 20 30 10 5 15 25 0 -5 -10 0 50m 4,773±97 49,440±1,010 7,129±71 M3面 沖積扇状地面

A

A'

B

B'

46,820±690

6m

Kt-2沖積層下底 Toya

OT-1

OT-3

OT-2

OT- e OT- f OT- g OT- h OT- i OT- j 第16図.長万部地区の地形地質断面.

Fig. 16. Topographic and geologic cross section of the Oshamambe site.

地形断面は,A-A'(黄色)がM3面,B-B"(紫色)が沖積扇状地面.縦横比は5:1.断面の位置は第12図右図を 参照.緑色の三角印とその脇の記号は,第15図に分析結果を示した火山灰試料の採取位置と試料番号を示す.柱 状図の緑色で示した礫層は,直上の泥炭の年代から判断して,ほぼ同時代に堆積した,M3面構成層と考えられ る.隆起側のM3面の勾配を原傾斜と仮定して,OT-1とOT-3のM3面構成層の上限高度から,長万部断層による M3面の上下変位量(約6 m)を求めた.

(21)

黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 黒松内低地断層帯における断層活動履歴調査 第 1表.白炭地区のトレンチ壁面から採取された試料の年代測定結果一覧表. 暦年較正値は, CalibETH (ver . 1.5b) を用いて算出した.

Table 1. List of the radiocarbon age of the samples from the Shirozumi trench.

IA A A -1 16 03 N5 C1 木 片 6 19 0 ± 20 15 9 ± 87 1, 76 0 A D -1, 81 0 A D 39 .7 (% ) 1, 73 0 A D -1, 81 0 A D 60 .3 (% ) 1, 66 0 A D -1, 68 0 A D 16 .2 (% ) 1, 66 0 A D -1, 69 0 A D 20 .1 (% ) 1, 93 0 A D -1, 95 0 A D 12 .3 (% ) 1, 93 0 A D -1, 95 0 A D 15 .0 (% ) IA A A -1 16 04 N5 C2 土 壌 8 43 ,7 00 ± 29 0 — IA A A -3 00 06 N3 C1 木 片 6 15 0 ± 40 14 7 ± 83 1, 72 0 A D -1, 78 0 A D 25 .0 (% ) 1, 66 0 A D -1, 96 0 A D 95 .4 (% ) 1, 83 0 A D -1, 88 0 A D 14 .9 (% ) 1, 91 0 A D -1, 95 0 A D 11 .8 (% ) 1, 67 0 A D -1, 70 0 A D 10 .4 (% ) 1, 79 0 A D -1, 82 0 A D 6. 1 (% ) IA A A -3 00 07 N4 C1 木 片 6 11 0 ± 40 13 2 ± 79 1, 80 0 A D -1, 93 0 A D 47 .4 (% ) 1, 80 0 A D -1, 96 0 A D 62 .3 (% ) 1, 68 0 A D -1, 74 0 A D 20 .8 (% ) 1, 67 0 A D -1, 78 0 A D 33 .1 (% ) IA A A -3 00 08 N7 C4 木 片 6 12 0 ± 40 13 6 ± 80 1, 80 0 A D -1, 89 0 A D 39 .0 (% ) 1, 80 0 A D -1, 96 0 A D 59 .2 (% ) 1, 68 0 A D -1, 74 0 A D 21 .1 (% ) 1, 67 0 A D -1, 78 0 A D 36 .2 (% ) 1, 91 0 A D -1, 93 0 A D 8. 1 (% ) IA A A -3 00 09 N7 C2 木 片 1 12 0 ± 40 13 6 ± 80 1, 80 0 A D -1, 89 0 A D 39 .0 (% ) 1, 80 0 A D -1, 96 0 A D 59 .2 (% ) 1, 68 0 A D -1, 74 0 A D 21 .1 (% ) 1, 67 0 A D -1, 78 0 A D 36 .2 (% ) 1, 91 0 A D -1, 93 0 A D 8. 1 (% ) IA A A -3 00 10 N7 C3 木 片 1 22 0 ± 40 17 4 ± 10 0 1, 76 0 A D -1, 81 0 A D 32 .5 (% ) 1, 72 0 A D -1, 82 0 A D 46 .4 (% ) 1, 64 0 A D -1, 68 0 A D 28 .4 (% ) 1, 63 0 A D -1, 70 0 A D 34 .2 (% ) 1, 93 0 A D -1, 95 0 A D 7. 3 (% ) 1, 91 0 A D -1, 96 0 A D 11 .7 (% ) 1, 52 0 A D -1, 56 0 A D 3. 2 (% ) IA A A -3 00 11 N9 C2 木 片 8 48 ,7 90 ± 65 0 — IA A A -3 00 12 S6 C2 木 片 6 -1 ,1 00 ± 40 IA A A -3 00 13 S6 .5 C 1 土 壌 1 70 ± 40 11 7 ± 74 1, 87 0 A D -1, 92 0 A D 29 .8 (% ) 1, 80 0 A D -… … .. 70 .5 (% ) 1, 69 0 A D -1, 73 0 A D 19 .1 (% ) 1, 68 0 A D -1, 74 0 A D 24 .9 (% ) 1, 81 0 A D -1, 85 0 A D 16 .6 (% ) 1, 94 0 A D -1, 96 0 A D 2. 7 (% ) IA A A -3 00 14 S7 .5 C 1③ 土 壌 1 30 ± 50 11 1 ± 74 1, 87 0 A D -1, 92 0 A D 29 .5 (% ) 1, 80 0 A D -1, 93 0 A D 61 .7 (% ) 1, 69 0 A D -1, 73 0 A D 16 .1 (% ) 1, 68 0 A D -1, 74 0 A D 21 .7 (% ) 1, 94 0 A D -… … . 11 .4 (% ) 1, 94 0 A D -…… A D 12 .0 (% ) 1, 81 0 A D -1, 84 0 A D 11 .2 (% ) IA A A -3 00 15 S8 C1 土 壌 1 12 0 ± 40 13 6 ± 80 1, 80 0 A D -1, 89 0 A D 39 .0 (% ) 1, 80 0 A D -1, 96 0 A D 59 .2 (% ) 1, 68 0 A D -1, 74 0 A D 21 .1 (% ) 1, 67 0 A D -1, 78 0 A D 36 .2 (% ) 1, 91 0 A D -1, 93 0 A D 8. 1 (% ) IA A A -3 00 16 S8 C2 木 片 1 14 0 ± 40 14 3 ± 82 1, 83 0 A D -1, 89 0 A D 20 .7 (% ) 1, 66 0 A D -1, 96 0 A D 95 .4 (% ) 1, 72 0 A D -1, 78 0 A D 20 .2 (% ) 1, 91 0 A D -1, 96 0 A D 11 .2 (% ) 1, 67 0 A D -1, 70 0 A D 10 .6 (% ) 1, 80 0 A D -1, 82 0 A D 5. 5 (% ) IA A A -3 00 17 S8 C3 木 片 8 48 ,2 60 ± 63 0 — IA A A -3 00 18 S9 C1 土 壌 1 11 0 ± 40 13 2 ± 79 1, 80 0 A D -1, 93 0 A D 47 .4 (% ) 1, 80 0 A D -1, 96 0 A D 62 .3 (% ) 1, 68 0 A D -1, 74 0 A D 20 .8 (% ) 1, 67 0 A D -1, 78 0 A D 33 .1 (% ) (m od er n) Labo No. Sa m pl e N o. M at er ia l C al ib ra te d A ge C al ib ra te d A ge U ni t C on ve nt io na l A ge C al ib ra te d A ge (y BP ) ( 1 σ : 6 8 . 2 % ) ( 2 σ : 9 5 . 4 % ) (y BP )

(22)

第 2表. 長万部地区のトレンチ壁面とボーリングコアから採取された試料の年代測定結果一覧表. 暦年較正値は,

Calib ETH (ver

. 1.5b)

を用いて算出した.

Table 2. List of the radiocarbon age of the samples from the trench and boring cores at Oshamambe site.

IA A A -3 00 19 O N 13 C 1-1 土 壌 3 4, 20 0 ± 50 4, 71 0 ± 76 2, 82 0 BC -2, 68 0 BC 55 .1 (% ) 2, 90 0 BC -2, 62 0 BC 95 .4 (% ) 2, 89 0 BC -2, 85 0 BC 13 .1 (% ) IA A A -3 00 20 O N 13 C 3-1 土 壌 4 6, 26 0 ± 50 7, 13 2 ± 62 5, 31 0 BC -5, 20 0 BC 52 .1 (% ) 5, 33 0 BC -5, 06 0 BC 95 .4 (% ) 5, 17 0 BC -5, 14 0 BC 10 .6 (% ) 5, 11 0 BC -5, 10 0 BC 2. 9 (% ) 5, 09 0 BC -5, 08 0 BC 2. 6 (% ) IA A A -3 00 21 O N 13 C 5-1 土 壌 6 46 ,8 90 ± 58 0 — IA A A -3 00 96 O N 6C 5-1 土 壌 6? 27 ,8 30 ± 15 0 — IA A A -3 00 97 O N 6C 6-1 泥 炭 6 >4 9, 80 0 ± IA A A -3 00 98 O N 13 C 2-1 土 壌 3 4, 00 0 ± 50 4, 46 6 ± 79 2, 58 0 BC -2, 46 0 BC 68 .2 (% ) 2, 67 0 BC -2, 34 0 BC 94 .1 (% ) 2, 84 0 BC -2, 81 0 BC 1. 3 (% ) IA A A -3 00 99 O N 13 C 4-1 土 壌 4 6, 34 0 ± 50 7, 23 5 ± 55 5, 38 0 BC -5, 26 0 BC 62 .5 (% ) 5, 47 0 BC -5, 20 0 BC 93 .8 (% ) 5, 46 0 BC -5, 45 0 BC 2. 9 (% ) 5, 17 0 BC -5, 14 0 BC 1. 6 (% ) 5, 42 0 BC -5, 40 0 BC 2. 9 (% ) IA A A -3 01 00 O N 15 C 1-1 土 壌 3 4, 49 0 ± 50 5, 13 1 ± 10 3 3, 34 0 BC -3, 15 0 BC 55 .4 (% ) 3, 36 0 BC -3, 01 0 BC 95 .4 (% ) 3, 14 0 BC -3, 09 0 BC 12 .8 (% ) IA A A -3 01 01 O N 15 C 2-1 土 壌 4 8, 15 0 ± 50 9, 09 3 ± 87 7, 19 0 BC -1, 06 0 BC 55 .1 (% ) 7, 33 0 BC -7, 05 0 BC 95 .4 (% ) 7, 30 0 BC -7, 27 0 BC 9. 1 (% ) 7, 24 0 BC -7, 22 0 BC 4. 1 (% ) IA A A -3 01 02 O N 15 C 3-1 堆 積 物 4 7, 81 0 ± 50 8, 54 8 ± 92 6, 69 0 BC -6, 56 0 BC 60 .8 (% ) 6, 90 0 BC -6, 45 0 BC 95 .4 (% ) 6, 55 0 BC -6, 51 0 BC 7. 4 (% ) IA A A -3 01 03 O N 15 C 4-1 土 壌 4 8, 72 0 ± 50 9, 70 0 ± 99 7, 82 0 BC -7, 60 0 BC 66 .2 (% ) 7, 96 0 BC -7, 60 0 BC 95 .4 (% ) 7, 92 0 BC -7, 90 0 BC 2. 0 (% ) IA A A -3 01 04 O S3 C 3-1 堆 積 物 6 44 ,0 50 ± 52 0 — 0 A D -90 A D 64 .7 (% ) IA A A -3 01 05 O S1 5C 2-1 堆 積 物 6 1, 96 0 ± 40 2, 00 4 ± 44 20 BC -10 BC 2. 7 (% ) 50 BC -13 0 A D 95 .4 (% ) 10 0 A D -11 0 A D 0. 8 (% ) IA A A -3 05 45 O T- 1-1 堆 積 物 6? 46 ,8 20 ± 69 0 — IA A A -3 05 46 O T- 3-1 堆 積 物 沖 積 層 4, 26 0 ± 60 4, 77 3 ± 98 2, 93 0 BC -2, 85 0 BC 37 .2 (% ) 3, 02 0 BC -2, 83 0 BC (% ) 2, 82 0 BC -2, 74 0 BC 23 .3 (% ) 2, 82 0 BC -2, 66 0 BC (% ) 2, 73 0 BC -2, 69 0 BC 7. 6 (% ) 2, 65 0 BC -2, 62 0 BC (% ) IA A A -3 05 47 O T- 3-2 堆 積 物 沖 積 層 6, 26 0 ± 60 7, 12 9 ± 71 5, 31 0 BC -5, 20 0 BC 45 .3 (% ) 5, 37 0 BC -5, 04 0 BC (% ) 5, 18 0 BC -5, 14 0 BC 12 .4 (% ) 5, 12 0 BC -5, 08 0 BC 10 .5 (% ) IA A A -3 05 48 O T- 3-4 堆 積 物 6? 49 ,4 40 ± 1, 01 0 — scale out C on ve nt io na l A ge (y BP ) C al ib ra te d A ge (y BP ) ( 1 σ : 6 8 . 2 % ) ( 2 σ : 9 5 . 4 % ) Labo No. Sa m pl e N o. M at er ia l U ni t C al ib ra te d A ge C al ib ra te d A ge

Fig. 16. Topographic and geologic cross section of the Oshamambe site.

参照

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