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都心部における犯罪発生と街路空間の環境特性に関する研究ー福岡市警固校区におけるケーススタディ [ PDF

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Academic year: 2021

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12-1 今泉地区 渡辺地区 薬院地区 警固地区 福岡駅 薬院駅 国体道路 城南線 渡辺通り 大正通り 警固 小学校 筑紫 女学園 ・渡辺地区:オフィスビルや商業施設の集積が高い ・今泉地区:若者向けの店舗や遊戯施設が多い ・薬院地区:中高層住宅・店舗、オフィスが混在する ・警固地区:丘陵地に位置し、戸建住宅が多い 図 2.警固校区 図 1.研究のフロー 地域単位での分析 都心周辺の犯罪発生に ついての考察 ・GISによる視覚化 ・周辺環境との関連性 警固校区全体の犯 罪発生傾向を明確化 ひったくり発生街路 の特徴を把握 ひったくり発生地点 の環境特性を抽出 ・現地調査 ・数量分析 ・犯罪地点カルテの作成 ・データマップの作成 街路単位での分析 地点単位での分析

都心部における犯罪発生と街路空間の環境特性に関する研究

福岡市警固校区におけるケーススタディ

宇津井 篤 1. 研究の背景と目的  都市で発生する犯罪の未然防止を意図した「都市防 犯」に関する研究は、わが国ではここ 20 年ほどの間 に急速に発展した。特に犯罪の集中を都市の特徴と関 連付け、「犯罪が起こる場所」を明らかにする、とい う試みは、都市防犯の中で大きなテーマの一つである。  当研究室においても、都市防犯の研究を行っており、 過去には都心部に位置する福岡市警固校区についての 調査を実施している1) 。これまでの研究では、①犯罪 情報量が少なく分析の妥当性が低い、②犯罪発生地点 から一定の範囲内に関する分析に止まっており、発生 地点の特性が掴めない、という点が課題となっている。  以上の背景を踏まえ、本研究では再度警固校区を対 象として、都心部における犯罪発生に関する調査を行 うものとする。以下に挙げる事項の達成により、都心 周辺で「犯罪が起こる場所」の特性を把握する事を目 的とする。①警固校区内における犯罪発生について、 マクロな視点から傾向の再検証を行う。②ミクロな視 点から、都市の重要な構成要素である街路空間の環境 特性と、犯罪発生との関係を地点単位で明らかにする。 2. 研究概要 2-1. 研究の方法 本研究では、視点を 3 段階に分けて都市防犯に関す る考察を行う。まずは地域単位の視点から、警固校区 全体について分析を行う。GIS ソフトを用いて犯罪発 生地点を視覚化し、周辺環境との関連性を加味しつつ、 警固校区の犯罪発生傾向について明らかにする。次に 対象とする罪種をひったくりに限定し、現地調査を通 して街路単位の視点からひったくり発生街路の特徴を 明らかにする。最後に地点単位の視点から、夜間にひっ たくりが多発する地点に着目し、ひったくり発生と関 連する発生地点の環境特性を抽出していく(図 1)。 2-2. 研究対象地  福岡市中央区の警固小学校区を研究対象地とする。 警固校区の犯罪認知件数は減少傾向にあるものの、依 然として中央区では大名地区に次いで 2 番目に多い。 地理的には福岡の商業中心地である天神地区に近接し ており、校区内の街路空間は多様化している(図 1)。 2-3. 使用データ  福岡県警察から情報の提供を受け、警固校区で発生 した犯罪について、以下の犯罪発生情報を使用した。 ・対象期間:2007 年 1 月~ 2010 年 7 月 31 日 ・罪種:ひったくり(173 件)、自転車盗(514 件)、 車上狙い(195 件) ・犯罪発生を認知した時点の日付と時刻 ・犯罪発生位置(地点単位) 3. 警固校区の犯罪発生状況 3-1. 犯罪発生分布状況  警固校区における犯罪発生について、マクロな視点 から傾向を明らかにしていく。過去の調査では、罪種 毎に発生傾向が異なる事が示されている。カーネル密 度推定法により犯罪集中箇所を視覚化し ( 図 3)、周 辺環境との関係性について検証した結果 ( 図 4、図 5)、 各罪種の発生傾向に関して以下の特徴が見られた。 ①自転車盗は、鉄道駅・主要幹線道路共に 50m の範囲 内で発生件数が最も多く、この点は過去の調査と同様

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12-2 図 3.犯罪発生密度分布図 図 4.鉄道駅からの距離と犯罪発生件数 図 5.主要幹線道路からの距離と犯罪発生件数 図 6.警固校区の時間帯別ひったくり発生件数 自転車盗 福岡駅 薬院駅 薬院大通駅 桜坂駅 渡辺通駅 国体道路 渡辺通り 城南線 大正通り 車上狙い 福岡駅 薬院駅 薬院大通駅 桜坂駅 渡辺通駅 国体道路 渡辺通り 城南線 大正通り ひったくり 福岡駅 薬院駅 薬院大通駅 桜坂駅 渡辺通駅 国体道路 渡辺通り 城南線 大正通り 自転車盗 車上狙い ひったくり 犯罪発生件数 ( 件 ) 主要幹線道路からの距離 (m) ~ 50m ~ 100m ~ 150m ~ 200m ~ 250m ~ 300m 300 250 200 150 100 50 鉄道駅からの距離 (m) 自転車盗 車上狙い ひったくり 犯罪発生件数 ( 件 ) ~ 50m ~ 100m ~ 150m ~ 200m ~ 250m ~ 300m ~ 350m ~ 400m ~ 450m ~ 500m ~ 550m ~ 600m 120 100 80 60 40 20 である。又本調査では、特定の商業施設付近において 局所的に発生地点が密集している事も読み取れる。 ②車上狙いは、過去の調査よりも発生傾向が顕著に表 れている。大正通り付近のコインパーキング等、中規 模以上の駐車場で多発している。又、多発地点の周辺 は住宅密度が高く、中高層住宅と店舗が混在している。 ③ひったくりは、過去の調査では主要幹線道路から離 れた位置で集中箇所が見られたが、本調査では、城南 線や大正通り付近においても若干の集中箇所が見られ る。また発生地点周辺の土地利用は一定ではない。 3-2. 小結  マクロな視点からの分析では、各罪種について、以 下の発生傾向が明らかとなった。尚以下の考察では、 過去の調査で示されていない犯罪発生傾向が補足的に 明らかにされており、本調査の有用性を示している。 ①自転車盗は、近隣からのアクセス性に優れており、 且つ匿名性の高い施設の付近において発生し易い。 ②車上狙い発生は、主要幹線道路付近で増加傾向が伺 える。特に住宅地内で局所的に匿名性の高い空間とな る、時間貸し形式等の駐車場で多発する傾向にある。 ③ひったくり発生は、都市基盤等との関係性は一定で なく、街路空間の特性に影響を受ける事が考えられる。 4. 街路空間の環境特性と犯罪発生  本章ではミクロな視点から、街路空間の環境特性と 街頭における犯罪発生について明らかしていく。そこ で前章の分析から、街路自体の特性と強い関係性が示 唆される、ひったくりに対象を限定して分析を行う。 4-1. ひったくり発生状況  使用データでは、ひったくり発生件数はどの年度 においても 20 時~ 22 時で最も多く、19 時~ 24 時の 時間帯で全件数のうち約 8 割が発生している ( 図 6)。 そこで、以下ではひったくり発生に関して、夜間の街 路空間の特徴に着目して現地調査を基に分析を行う。 4-2. 調査概要  現地調査を行うにあたり、ひったくり発生との関係 性が予想される街路の特性を列挙し、各項目につき調 査の指標を考案した ( 表1)。尚、指標作成の際は既 往の研究2) や、予備調査による定性的分析を考慮した。  調査対象は、夜間にひったくりが多発する地点と、 0 2 4 6 8 10 12 14 16 年 年 2007 2008 2009年 時 台時台時台時台時台台時時台時台時台時台時台台時時台時台 時台時台 時台時台時台時台時台時台時台 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 時 台 ひったくり発生件数 ( 件 )

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12-3 表 1.環境特性の調査項目 図 7.調査対象の抽出方法 図 8.調査対象街路 0 15 30 45 60 ~ 3 ~ 4 ~ 5 ~ 6 ~ 7 ~ 8 9 ~ 車道幅員 (m) 発生街路率 29.4% ひったくり発生街路率 (%) ひったくり発生街路率 (%) ~ 25 ~ 50 ~ 75 ~ 100 ~ 125 ~ 150 150 ~ 街路区間の長さ (m) 29.4% 発生街路率 0 15 30 45 60 0 15 30 45 60 ~ 0.5 ~ 1.0 ~ 1.5 ~ 2.0 ~ 2.5 ~ 3.0 3.0 ~ 29.4% 発生街路率 平均水平面照度 (lx) ひったくり発生街路率 (%) 0 15 30 45 60 ~ 2.5 ~ 5.0 ~ 7.5 ~ 10.0 ~ 12.5 ~ 15.0 15.0 ~ 29.4% 発生街路率 平均水平面照度 (lx) ひったくり発生街路率 (%) 図 9.街路の幅員と発生街路率 図 10.街路の区間長さと発生街路率 図 11.目線の水平面照度と発生街路率 図 12.路面の水平面照度と発生街路率 監 視性 接近性 逃 走 性 無人空間 監視者の存在 夜間の視認性 街路の見通し 歩行者空間 自動車空間 逃走経路 逃走難易度 周辺建物からの 監視性 環境特性 調査指標 調査方法 駐車場、空き地などの存在 夜間に無人となる建物の存在 建物階数 建物用途 建物からの監視性 賑わい量 水平面照度、鉛直面照度 夜間見通し距離 夜間見通し距離 ( 発生地点 ) 歩道の存在 歩道幅員 歩車分離 車道幅員 自動車交通量 逃走経路数 交差点までの距離 街路区間長さ 信号機 車道幅員 街路に面した駐車場や空き地などの位置を確認 街路に面している建物のうち、夜間に 1 階部分が無人となる建物を確認 調査範囲内の建物について、階数を確認 調査範囲内の建物について、建物 1 階部分の用途を確認 建物内部の様子を伺う事の出来る窓面の幅を遮る塀等の設置範囲を計測 街路上で軸線方向の前後の写真を撮影し、写っている歩行者の数を計測 10m 間隔で街路上に調査地点を設定し、地点毎に街路の水平面照度を計測 街路区間の中間地点から夜間に見通す事の出来る距離 犯罪発生地点から夜間に見通す事の出来る距離 歩道の範囲を計測 歩道の幅員を計測 車道と歩道を物理的に遮断する物体の有無とその範囲を計測 車道の幅員を計測 街路上で軸線方向の前後の写真を撮影し、写っている自動車の数を計測 対象街路区間に接続している街路の数を計測 ひったくり発生地点から最も近い街路の分岐点までの距離を計測 対象街路区間の軸線方向の長さを計測 調査範囲内の信号機の有無と位置を確認 車道の幅員を計測 夜間ひったくり発生街路 (43 区間 ) 夜間ひったくり未発生街路 (103 区間 ) 調査街路総数 :146 区間 50m ■多発地点 : 夜間にひったくりが複数回発生している地点 ■未発生地点 : 未発生範囲の中心付近 ■多発地点周辺 : 多発地点の半径 50m 範囲内 ■未発生範囲 : 多発地点周辺と重ならないよう留意して、       ひったくりが発生していない街路を中心に       描いた半径 50m 円の範囲内 ■調査対象街路 : 多発地点周辺又は未発生範囲に含まれる        街路の区間 多発地点 調査対象街路 街路網 多発地点周辺 ひったくり未発生である地点を各 20 箇所づつ選定し た。更に各点から半径 50m 範囲内の周辺環境や、範囲 内に含まれる街路も同じく調査対象とした ( 図 7)。 4-3. 街路の特性とひったくり発生  ひったくり発生街路と未発生街路の比較を行い、 ひったくり発生街路の特性について明らかにしてい く。各調査指標に関して、街路の特徴を示す項目と、 各値毎のひったくり発生街路数についてクロス集計を 行った。ひったくり未発生の街路数についても同様に クロス集計を行い、各項目の値毎に、ひったくり発生 街路が占める割合 ( 以下、これを発生街路率とする ) を算出した。尚、全調査対象街路に対して、ひったく り発生街路の割合は約 29.4%であった ( 図 8)。以下 では発生街路率 29.4%を目安として考察を行う。  まず、街路の形態的特徴について見ていく。車道幅 員との関係から ( 図 9)、幅員 6m ~ 8m で発生街路率が 高く、4m 未満の細街路に関しては、発生街路の割合 は低い事が分かる。街路区間の長さとの関係では ( 図 10)、区間長さ 100m 以上で発生街路率が高く、50m 以 下の街路では発生街路率が大きく低下する。  次に街路の環境的特徴として、夜間照度との関係を 分析した。照度の測定の際は、街路方向に 10m 間隔で 測定点を設定し、左右両側の路側帯部分で目線の高さ と路面部分それぞれの水平面照度を測定した。区間毎 に平均値平均値を算出し、先の分析と同様にクロス集 計を行い特徴を見ていく。目線の高さの平均水平面照 度が 2.5lx 以下の街路では、ひったくりは発生してい ない。路面の水平面照度については、水平面照度が 0.5lx ~ 1.0lx と 2.0lx ~ 2.5lx の街路で発生街路率 が高く、2.5lx を境に発生街路率は大きく低下する。  以上から、夜間ひったくりが発生している街路の特 徴として次の点が挙げられる。①ある程度幅員が広く、 自動車等が余裕を持って通行できる。②街路の結節点 までの距離が長く、自動車等のスピードが出しやすい。  逆にひったくりが発生していない街路の特徴として は、次の点が挙げられる。①街路の規模が小さく、自 動車等の走行が制限される。②照度が低く、視認性が 悪い。③路面の照度が安定して高く、監視性が高い。 4-4. 地点特性とひったくり発生  ひったくりが集中的に発生している地点の分析か ら、犯罪被害の高リスク空間の環境特性を抽出する。 現地調査より取得した情報を地図上にプロットし、各 調査地点と、その付近の環境的要素をカルテ形式にま とめた ( 表 2)。この地図とカルテを基に各多発地点 で共通して現れている特徴について、未発生地点と比 較した結果、以下の環境特性が明らかとなった。

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12-4 表 2.犯罪地点カルテ記入例 図 14.オープンスペース 図 15.建物開口部 図 16.ピロティ式駐車場 図 13.目線の水平面照度と発生地点 ID 発生年度 発生時間 発生地点の土地利用 発生地点周辺の土地利用 形態的特徴 環境的特徴 水平面照度 ( 路面 ) 水平面照度 ( 目線の高さ ) 地区名 街路の特徴 土地利用 建物用途 住宅 商業 業務 その他 車道幅員 歩道幅員 逃走経路数 前方 後方 前方 後方 交差点からの距離 見通し距離 信号機の有無 その他 業務 業務 業務 その他 その他 その他 商業 右側 平均値 光源の種類 左側 右側 平均値 左側 商業 商業 住宅 住宅 住宅 建物用途 1 階部分の土地利用 夜間経営 1 階部分の土地利用 夜間経営 発生地点 測定地点 前方 30m 前方 20m 前方 10m 後方 10m 後方 20m 後方 30m 発生地点 測定地点 前方 30m 前方 20m 前方 10m 後方 10m 後方 20m 後方 30m 発生 件数 005 2007 年 2008 年 2 20:00 20:00 今泉地区 ○ ○ ○ ○ ○ ○ × 駐車場 駐車場 駐車場 6.76m 1.88m 30.2m 57.1m 156m 108m 0 0 0 0.5 1.0 0 0 0 0 0 1.0 1.0 1.0 0 0 0 0 0 0 0 0 1.0 12.0 1.0 1.5 3.0 0 1.0 2.0 2.0 22.0 2.0 2.0 2.5 1.0 0 0 1.5 17.0 0.5 0.5 1.0 有 ( 後方 ) 自動販売機 6 路面の水平面照度 ひったくり発生地点 目線の水平面照度 目線の高さの水平面照度(lx) 路面の水平面照度(lx) 0 10 20 30 40 10 8 6 4 0 目線の高さの水平面照度(lx) 路面の水平面照度(lx) 10m 20m 30m 40m 50m 60m 70m 80m 0 10 20 30 40 10 8 6 4 0 10m 20m 30m 40m 50m 60m 70m 80m 過去の研究と比較して、罪種毎に警固校区全体の犯罪 発生傾向をより鮮明に示す事が出来た。 ・ミクロな視点からは、時間帯を考慮し、街路の環境 的要素に関する分析を行った事により、夜間のひった くり発生街路の特徴を明らかにした。更に犯罪地点カ ルテを用いた地点単位の分析により、ひったくり多発 地点に表れる環境的要素の抽出に成功している。  本研究では、街路の夜間照度等の、静的な環境要素 のみに着目して分析を行ったが、都心周辺においては、 人通りなど動的な要素も犯罪発生に大きく影響すると 考えられる。今後は、こうした都心周辺の動的な環境 要素についても調査・分析を進めていく必要がある。 参考文献  1) 松本佳奈 , 有馬隆文 都心部における犯罪発生と犯罪不安感に関する 研究―福岡市警固校区におけるケーススタディ― 日本建築学会大会学術 梗概集 ( 近畿 )2005 年 9 月  2) 石川愛 , 鍋島美奈子 , 鈴木広隆 詳細事件情報を考慮したひったくり 発生と道路空間特性との関係に関する研究―大阪市住宅系地区を対象とし て― 日本建築学会環境系論文集 , 第 74 巻 , 第 635 号 ,2009 年 1 月 見して監視者の有無が 判 別 し 難 い ピ ロ テ ィ は、少なくとも夜間の ひったくり誘発要因と はならないと言える。 5. 総括  本研究では、犯罪発 生地点に関する詳細な 情 報 を 用 い て 分 析 を 行った事により、以下 の成果を収めている。 ・マクロな視点からは、 ①照度の急激な変化 ( 図 13): 自動販売機等のスポッ ト的な光源付近で、水平面照度が大きく変化する地点。 光源付近からの視認性は低下する為、ターゲットに とっては死角に、犯行者にからは標的を識別し易くな る ( 多発地点は 11 箇所、未発生地点は 4 箇所で該当 )。 ②夜間無人建物 : 消灯済み、又はシャッターが下りて いる等、建物内部の無人状態を街路上から明確に判別 可能な建物付近。潜在監視者の不在を示している ( 多 発地点は 14 箇所、未発生地点は 6 箇所で該当 )。 ③オープンスペース ( 図 14): 前面道路の幅員よりも 広い奥行きの駐車場や、公園等のオープンスペースが 存在する地点。この部分は監視者の有無を街路上から 容易に確認可能であり、街路の被監視状態を把握し易 い ( 多発地点は 17 箇所、未発生地点は 9 箇所で該当 )。 ④建物開口部 ( 図 15): 夜間飲食店等の窓面が街路に 面している地点。夜間は明るい内部から街路への視認 性は低い為、建物開口部は監視の目として機能し難い。 逆に街路上の犯行者は建物内部からの被監視状態を把 握し易く、開口部が光源となり、標的を捕捉し易くな る ( 多発地点は 8 箇所、未発生地点は 3 箇所で該当 )。 ⑤夜間営業施設の裏側 : コンビニエンスストア等、夜 間に営業を行っている施設裏側の地点。大通りに接続 する場合が多い為、犯行後は交通量の多い街路に紛れ やすい。又、付近の施設は標的を物色する場ともなり 得る ( 多発地点は 5 箇所、未発生地点は 0 箇所で該当 )。  過去の調査では、1 階部分がピロティとなっている 建物 ( 図 16) は、建物からの監視性が低下する為、ひっ たくりを誘発し易い事が指摘されていた。しかし本調 査の結果からはその傾向は見られなかった。ひったく り発生に関しては、実際の監視性能よりも、街路上の 犯行者が感じる被監視性が重要である事が伺える。一

参照

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