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論文審査の結果の要旨

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Academic year: 2021

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様式8の1の2 別紙2

論文審査の結果の要旨

専攻名 システム創成工学専攻 氏 名 北野 雄大

本論文は「スポーツの教示訓練を目的とした腕部関節運動計測装置の開発」と題し、教示訓 練への応用を目的とした装着型装置による人体腕部の運動の計測手法について論じたものである。

既存の装着型訓練装置では、人体の関節構造を、本来の構造に比べて単純な構造に置き換えて考 えていることから、訓練者の怪我や故障の原因になる可能性があり、人体の関節の複雑な動きに 対応できる高自由度な訓練装置が求められている。そのためには、実時間での人体関節運動の子 細な計測手法が必要となるが、既存の関節運動計測手法は、人体に対して侵襲があること、周辺 環境の影響を受けやすいこと、計測範囲が限定されていることなどから教示訓練への応用に適し ていない。本研究では、装着型高自由度教示訓練装置の基礎技術として、リニアエンコーダをパ ラレルリンクとして配置した装置による計測手法を開発した。

本論文は8章から構成されている。第1章は研究の背景について論じ、本研究の目的を示した。

第2章では腕部関節の解剖学的知見と既存の関節運動計測手法について論じ、本研究の位置付け を示した。第3章では開発した装着型パラレルリンク式計測装置についての説明を行った。第4章 から第6章では、開発した計測装置を用いて、実際の手関節、肘関節、肩甲骨関節に対して計測 実験を行い、既存の関節運動計測手法の計測結果や解剖学的な知見と比較することで、本手法の 有効性を評価している。第7章では、本研究で開発した装着型パラレルリンク機構を利用した装 着型手関節運動訓練装置の提案を行い、最後に第8章において本論文の結論を述べている。

本論文で得られた主な成果は以下の通りである。

1. 人体の関節運動計測手法として、リニアエンコーダをパラレルリンク構造として利用する ことを提案し、手関節、肘関節、肩甲骨関節に対する装着型の計測装置として実現した。

本装置を用いることで、人体の関節運動の回転運動と並進運動を同時に計測することが可 能である。

2. 既存の関節運動計測手法において、人体の手関節は球関節のような回転3自由度を持つモデ ルであると近似されることが一般的である。しかし、このような近似モデルと実際の手関 節の動きのズレを定量的に比較した研究は行われていなかった。本研究では、開発した計 測装置を用いて人体の手関節の橈・尺屈動作の計測を行い、従来の手関節モデルと計測結 果の比較して両者のズレを評価し、教示訓練においては、球関節などの近似モデルでは不 十分であり、本手法のような高自由度計測手法が必要であることを示した。

3. 既存の関節運動計測手法において、人体の肘関節は回転1自由度をもつモデルとして近似さ れる。しかし人体の肘関節は、本来回転の1自由度以外にも内外方向へ自由度を持っている ことが解剖学的に知られている。開発したパラレルリンク式計測装置を用いて肘関節の屈

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曲伸展動作の計測を行い、既存の解剖学的な計測結果との定量的な比較を行って、開発し た手法の有効性を示した。さらに、従来の解剖学的知見にはなかった肘関節運動の様態を 計測できることを示した。

4. 人体の肩甲骨は筋肉や皮膚に覆われており、人体内部で動くため、肩甲骨関節の運動を計 測することは難しく、装着型の装置を用いて肩甲骨の運動を計測する手法はこれまで開発 されていなかった。本研究では装具形状を肩甲骨構造に似せることで計測装置を実現した。

開発した計測装置用いて、人体の上肢挙上動作の際の肩甲骨関節の動きを計測し、既存の 透過画像を用いた計測結果との比較を行って、本研究の計測手法の有効性を示した。

本論文については、2014年2月17日(月)工学部7号館4階会議室において審査員全員及びこの 分野に関連する研究者の出席のもとに公聴会が開催され、その研究内容の発表と質疑応答が行わ れた。公聴会の後、審査委員全員による学位審査委員会が開催され、本論文の内容を詳細に検討 した。その結果、本研究は人体腕部運動の教示訓練のための有効な計測手法であると認められた。

また、本論文は工学的に価値のあるもので、研究内容の学術レベル、独創性、有用性においても 優れたものであると判断した。

よって、本論文は博士(工学)の学位論文に値するものと認める。

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