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() 電気牧柵の設置方法 写真 24. 市販の電気牧柵セットの例 電牧器の設置方法 ( 図 8) 電牧器はソーラーパネル バッテリー アースのセットで動作します 8 千ボルトから 万ボルト前後のパルス電気を発生し 放牧面積 ( 電牧線を張る距離 ) や付属機能に応じて価格に幅があります 牧柵線を2

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Ⅲ.牛を放牧するための準備

1.放牧地の概要 下の図は放牧地の一例です。これは、1.3haの比較的広い耕作放棄地を牧柵で囲った例で すが、面積が広いか狭いかの違いだけで、放牧地の構成要素は同じです。牛の生活と管理に 必要ないくつかの簡単な施設があれば、畜舎も堆肥舎も必要ありません。 図17.放牧地とその構成要素(滋賀県) 2.電気牧柵 牛を放牧するためには、まず牧柵を設置する必要があります。従来の有刺鉄線などによる 牧柵は設置の労力が大きく、軟弱な土壌では牛に押されると倒れてしまい、牛が逃げ出すお それが少なくありませんでした。 電気牧柵は、心理的抑止効果を利用して牛が柵そのものに触らないため、脱柵防止の信頼 性が高い方法です。最近では、ソーラーパネルの利用により電源の心配が要らなくなり、使 用資材の改良により非常に安価で使いやすくなりました。さらに、設置や移設も簡単である ことから、現在広く普及しています。

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(1)電気牧柵の設置方法 写真24.市販の電気牧柵セットの例 (図18) ①電牧器の設置方法 電牧器はソーラーパネル、バッテリー、アースのセットで動作します。8千ボルトから1 万ボルト前後のパルス電気を発生し、放牧面積(電牧線を張る距離)や付属機能に応じて価 格に幅があります。 牧柵線を2段張りとする場合、上下線をバイパスするように結び、その結び目に電牧器の を接続し、 をアースに接続します。設置はアースが一番大事で、 赤のリード線 緑のリード線 完全にアース棒を土中に埋め、できれば3本より4本、4本より5本と多いほどよく、また できるだけ遠くへ埋めることがポイントです。 牛は放牧地内に草が十分にある状況なら、3千ボルト程度の電圧があれば脱柵し ません。電牧器が正常に作動し、十分な電圧があれば、多少、草が電牧線に触れる 程度では大きな問題とはなりません。しかし、支柱が鉄製の場合には、電牧線が支 柱に触れると、電圧が大きく低下するため注意が必要です。 (図18) ②牧柵の設置方法 牧柵は、太さと強度の異なる2種類の杭(主柱・支柱)を5~7m間隔に地中に打ち込み、 それに電牧線を張ります。

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杭は、放牧地の角(コーナー)や起伏部の山部と谷部、出入口の両側などには強度の高い 太めの主柱を打ち、その間は細めの支柱を用います。放牧地の起伏に合わせて、地面からの .. .. 高さが一定になるように電牧線を張ります。特に谷部は地面と電牧線の下段との空間を大き くすると、牛がくぐり抜けるおそれがあります。杭の本数を多くして杭と杭の間隔を短く取 ります。 杭の材質は、電気を通さない絶縁木やグラスファイバーまたはプラスチック製のポールが あります。足場パイプや鉄製のポールを用いる場合は、碍子を取り付けて鉄管と電牧線が接 触しないようにして電牧線を張ります。 図18.電気牧柵の設置 ③電牧線の本数と高さ 電牧線の本数は、放牧に慣れた成牛であれば、下段50~60cm、上段90cmの2段張り で問題ありません(図18 。下段の高さがこれくらいあると電牧線の下の草を牛が食べてく) れるので、漏電防止のための草刈りの手間が省けます。 3段張りとする場合は、段の高さの目安は地面からおおよそ50cm、80cm、110cmで す。特に子牛を入れる場合は必ず3段張りとします。 (2)電気牧柵のタイプと使い分け 電気牧柵のタイプとして、設置や移設が簡単なポリワイヤー線を使った簡易柵と物理的強 度の高い高張力線を使った柵、廃材を利用してコストを抑えた柵があります(表3 。) 20~50aの小区画の農地を少頭数(2~3頭)の牛群で移動しながら放牧(小規模移動 放牧)する場合は、ポリワイヤー柵が適しています。長期に使用する時や周囲に田畑や民家 があり、脱柵すると被害が大きい場合には、高張力線柵を使用する必要があります。 支柱の間隔は 5~7m程度 必ず注意板を設置 きけん! 支柱(直線部) 主柱(コーナー、起伏部や出入口) 電牧線:上段 90cmの2段張り の場合 50~ 60cm 90cm アース棒を地中深く挿 し完全に土中に埋設 ソーラーパネル 電牧器・バッテリー 起伏部は山部と谷部に主柱を打ち、電牧線の 高さが地面に対して一定になるようにする 電牧線の上下線をバイパ スしてその結び目に電牧 器のリード線を接続 地面 支柱の間隔は 5~7m程度 必ず注意板を設置 きけん! 支柱(直線部) 主柱(コーナー、起伏部や出入口) 電牧線:上段 90cmの2段張り の場合 50~ 60cm 90cm アース棒を地中深く挿 し完全に土中に埋設 ソーラーパネル 電牧器・バッテリー 起伏部は山部と谷部に主柱を打ち、電牧線の 高さが地面に対して一定になるようにする 電牧線の上下線をバイパ スしてその結び目に電牧 器のリード線を接続 地面

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表3.電気牧柵のタイプ別の比較(1ha、周囲400mの正方形、平坦な放牧地の場合) 必要資材 資材費 タイプ 特徴 及び 電牧線 主柱 支柱 設置労力 設置・移設 ポリワイヤー 絶縁木 グラスファイ 12万円 ポリワイヤー が容易 バーポール 1人・日 2段張り 脱柵防止機 2.0㎜高張力線 90㎜径コーナー 絶縁木 18万円 高張力線3段 能が高い ポスト(丸太) 4人・日 張り または足場 パイプ 低コスト ♯16番線 足場パイプ ビニールハウ 8万円 番線・廃ポー - ル3段張り ス廃ポール ※電牧器・ソーラーパネル・バッテリーを含む (写真25) ポリワイヤー柵 ・・・設置や移設が簡単な簡易電気牧柵 ポリワイヤーは、ポリエチレンの白いひもやリボンにステンレスの細いワイヤーを編み込 んだもので、リールから繰り出したり、巻き取ったり扱いが簡単です。 ある程度の強度が必要なコーナー柱には絶縁木を使い、その間にはグラスファイバーポー ル等の簡易な支柱を使います。後述の高張力線柵に比べてはるかに設置が簡単で、ひとりで も作業が出来ます。 また、放牧地の内側は、グラスファイバーポールやピッグテールポールを使用した1段張 りで簡単に仕切りを作ることができます(写真26 。) ポリワイヤー柵の注意 ①電牧線は主柱および支柱の内側(放牧地側)に張り、碍子も内側に向けて付けます。 ②この柵は物理的強度が無いに等しいので、電圧の点検を怠ってはなりません。 ③ポリワイヤーは紫外線によって劣化しやすく、細いステンレス線は切れやすいため、 4~5年して電圧が維持できなくなったら交換が必要です。 写真25.ポリワイヤー柵2段張り(滋賀県) 写真26.放牧地内の仕切り(滋賀県) (ピッグテールポール:線を穴に通すだけ)

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○絶縁木(インサルティンバー) ・腐らず絶縁性の高い特殊な杭で碍子なしで施工できる ○グラスファイバーポール(写真27) ・強靱な耐候性のグラスファイバー製のポール ・碍子を使わず、専用クリップを用いて電線の追加や高さ 調節が簡単 写真27.グラスファイバーポール (図19、写真28) 高張力線柵 ・・・脱柵防止機能と耐久性の高い電気牧柵 2.0mm径の高張力線(亜鉛メッキを施した鋼線)を使った柵は物理的強度が高く、多少 牛がぶつかっても切れません。 ①コーナーポストに90mm径の木製杭を設置 ②その間は絶縁木の支柱を設置 ③支柱と支柱の間は短い絶縁木を地中に打ち込まず に電線をリードする目的のバトンとして設置 ④高張力線は45cm、90cm、120cmの3段張りポ リワイヤー柵よりも設置労力がかかり移設も面倒 にはなりますが、脱柵防止機能が高く、耐用年数も 長いことが利点です。 高張力線柵の注意 ・高張力線のコーナーポストの碍子は、ポリワイヤー柵とは反対に放牧地から見て外 側に取り付けます(写真28 。) 図19.高張力線柵に使用する杭 90mm径 コーナーポスト 絶縁木 の支柱 絶縁木の バトン 2.0mm高張力線 120cm 90cm 45cm 5~7m 90mm径 コーナーポスト 絶縁木 の支柱 絶縁木の バトン 2.0mm高張力線 120cm 90cm 45cm 5~7m 写真28.高張力線柵の例(サージミヤワキ株式会社提供)

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廃材を利用した低コスト柵 ・・・低コストを追求した手作り電気牧柵の例 (写真29、30、31、32) コーナーポストに足場パイプ(50㎜径単管パイプ 、支柱にビニールハウスの廃ポールを) 使い、電牧線に番線を使います。足場パイプには、塩ビパイプを切ったものをさやとして被 せ、廃ポールには簡易碍子を取り付けて絶縁します。この事例の資材費は8万円/haで済 んでいます。

(3)電気牧柵の設置手順

写真34.②主柱の打ち込み(滋賀県) . ( ) 写真33 ①フェンスラインの草刈り 滋賀県 . ( ) 写真29 コーナーには支え柱を設置 滋賀県 . ( ) 写真30 塩ビパイプによる絶縁の例 滋賀県 . ( ) 写真31 簡易碍子を取り付けた廃ポール 滋賀県 写真32.簡易碍子(滋賀県)

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〔注意点〕 ・フェンスラインの草刈りは2m幅程度に行う。 ・電牧線を張った後、上(中)下段の線をつないでバイパスをつくる。電牧器の赤のリー ド線はこのバイパス線の結び目に接続するのがよい。 ・電牧器は放牧地の外側に設置する。設置する前に電源がオフであることを確認する。 ・危険表示板や注意を促す立て札の掲示を忘れない。 ・すべてのセッティングが終わってから電牧器の電源を入れる。 ・検電器で電圧を確認する (5千ボルト以上であればOK)。 写真35.③支柱の設置(滋賀県) 写真37.⑤ゲートハンドルの出入口設置:写真 ( ) はスプリングゲートを使用 滋賀県 写真39.⑥電牧器の接続(滋賀県) 写真36.④電牧線張り(滋賀県) 写真38.ゲートハンドルとフック の部分の拡大(滋賀県) 写真40.⑦危険表示板の掲示(滋賀県)

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(4)電気牧柵のコスト例 表4に電気牧柵のコスト例を示します。ポリワイヤー柵を設置した場合と手作りの低コス ト柵を設置した場合で、いずれも平坦な地形の放牧地を単純な正方形に囲う場合を想定して います。 同じ1haの土地でも放牧地の形や起伏によって必要資材の数量が違ってきますので、こ こでの例は最低に近い価格と理解してください。支柱の間隔は5mとやや短めの間隔で試算 しています。 表4.ポリワイヤー柵と低コスト柵のコスト例 ※正方形の平坦な放牧地の場合の牧柵資材数量およびコスト 主柱本数は、コーナー4本+ゲート用2本=6本 支柱の間隔は5m:必要本数は、1haの場合(周囲400m÷5m)-主柱(コーナー)4本=76本 82,965 合 計 結束用 675 kg 5 135 なまし針金#10番 なまし線 結束用 640 kg 2 320 被覆線#12番 被覆線 L=1200m 6,000 kg 20 300 白針金#16番線60m/kg 電線 13,680 個 228 60 中間ポール用碍子 ビニールハウス廃パイプ切断利用 0 本 76 0 支柱 L=2m 中間ポール 塩ビ管切断VU管L=1.2m×2本 800 個 12 塩ビパイプ切断管(VUφ50cm) 単管パイプ用碍子 4,320 本 6 720 主柱(φ48.6mm) L=2m 単管パイプ 8,850 個 3 2,950 スプリングゲート 800m対応 48,000 式 1 電牧器、ソーラ-、BT、アース棒 電牧器一式 低コスト柵(1ha、周囲400m、3段張り) 120,391 合 計 1,575 個 1 1,575 グラファイポール用 打ち込みキャップ 1,176 枚 4 294 危険表示板 L=800m 9,960 巻 2 4,980 400m巻 ホワイトワイヤー グラスファイバーにワイヤーを固定 6,080 個 152 40 クリップ グラスファイバー製なので碍子不要 41,040 本 76 540 支柱(1370mm) グラファイポール パーマネントポストにワイヤーを固定 360 個 12 30 ワイヤータイ 絶縁木のため碍子不要 6,300 本 6 1,050 主柱(1520mm) パーマネントポスト 5,900 セット 2 2,950 スプリングゲート 800m対応 48,000 式 1 電牧器、ソーラ-、BT、アース棒 電牧器一式 ポリワイヤー柵(1ha、周囲400m、2段張り) 89,589 合 計 1,575 個 1 1,575 グラファイポール用 打ち込みキャップ 1,176 枚 4 294 危険表示板 L=440m 5,478 巻 1.1 4,980 400m巻 ホワイトワイヤー グラスファイバーにワイヤーを固定 3,200 個 80 40 クリップ グラスファイバー製なので碍子不要 21,600 本 40 540 支柱(1370mm) グラファイポール パーマネントポストにワイヤーを固定 360 個 12 30 ワイヤータイ 絶縁木のため碍子不要 6,300 本 6 1,050 主柱(1520mm) パーマネントポスト 5,900 セット 2 2,950 スプリングゲート 1,000 本 1 1,000 60cm アース 5,000 個 1 5,000 バッテリー 400m対応 38,000 式 1 電牧器、ソーラ-、BT、アース棒 電牧器一式 ポリワイヤー柵(30a、周囲220m、2段張り) 備考 金額 単位 数量 単価 規格 品名 82,965 合 計 結束用 675 kg 5 135 なまし針金#10番 なまし線 結束用 640 kg 2 320 被覆線#12番 被覆線 L=1200m 6,000 kg 20 300 白針金#16番線60m/kg 電線 13,680 個 228 60 中間ポール用碍子 ビニールハウス廃パイプ切断利用 0 本 76 0 支柱 L=2m 中間ポール 塩ビ管切断VU管L=1.2m×2本 800 個 12 塩ビパイプ切断管(VUφ50cm) 単管パイプ用碍子 4,320 本 6 720 主柱(φ48.6mm) L=2m 単管パイプ 8,850 個 3 2,950 スプリングゲート 800m対応 48,000 式 1 電牧器、ソーラ-、BT、アース棒 電牧器一式 低コスト柵(1ha、周囲400m、3段張り) 120,391 合 計 1,575 個 1 1,575 グラファイポール用 打ち込みキャップ 1,176 枚 4 294 危険表示板 L=800m 9,960 巻 2 4,980 400m巻 ホワイトワイヤー グラスファイバーにワイヤーを固定 6,080 個 152 40 クリップ グラスファイバー製なので碍子不要 41,040 本 76 540 支柱(1370mm) グラファイポール パーマネントポストにワイヤーを固定 360 個 12 30 ワイヤータイ 絶縁木のため碍子不要 6,300 本 6 1,050 主柱(1520mm) パーマネントポスト 5,900 セット 2 2,950 スプリングゲート 800m対応 48,000 式 1 電牧器、ソーラ-、BT、アース棒 電牧器一式 ポリワイヤー柵(1ha、周囲400m、2段張り) 89,589 合 計 1,575 個 1 1,575 グラファイポール用 打ち込みキャップ 1,176 枚 4 294 危険表示板 L=440m 5,478 巻 1.1 4,980 400m巻 ホワイトワイヤー グラスファイバーにワイヤーを固定 3,200 個 80 40 クリップ グラスファイバー製なので碍子不要 21,600 本 40 540 支柱(1370mm) グラファイポール パーマネントポストにワイヤーを固定 360 個 12 30 ワイヤータイ 絶縁木のため碍子不要 6,300 本 6 1,050 主柱(1520mm) パーマネントポスト 5,900 セット 2 2,950 スプリングゲート 1,000 本 1 1,000 60cm アース 5,000 個 1 5,000 バッテリー 400m対応 38,000 式 1 電牧器、ソーラ-、BT、アース棒 電牧器一式 ポリワイヤー柵(30a、周囲220m、2段張り) 備考 金額 単位 数量 単価 規格 品名

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(5)法面の崩壊対策について 水田放牧の場合、牛が田から田へいつも通る場所に牛道ができるため、ある程度は法面を 崩してしまうことを承知しておく必要があります(写真41 。) 法面の放牧地側上縁に電牧柵を張ると、牛が電牧柵の外の草を食べるときに 蹄 で崩してひづめ しまいます。法面の崩壊を防止するには、法面上に1m程度の牛が歩ける平らな場所を確保 して電牧柵を設置します(図20 。) あるいは、あらかじめ適当な場所に牛道を作っておいて、牛がそこを通るように誘導する 方法もあります。 (6)排水対策 耕作放棄地を利用して放牧する場合、畑地 跡は乾いた土地が多いのであまり問題はあり ませんが、水田跡は排水が悪い湿田の場合が あります。あまりにぬかるみのひどい湿田に は牛を放牧すべきではありません。また、牧 草も湿地では生育できません。 排水の悪い水田に放牧したり、草地化しよ うとする場合は、しっかりと下記のような排 水対策を講じて乾田化する必要があります。 (写真42) 明渠排水 めいきょ ・ほ場の外周や内部に深さ30㎝程度の明渠を掘る ・明渠に溜まった水の排水路を作る ・用水路の入水口をしっかり止め、排水路への出口を大きく開けて水が流れ出やすくする ・暗 渠排水や傾斜修正は有効だが経費がかかるあんきょ 写真41.法面にできた牛道(滋賀県) 写真42.明 渠を掘った水田(滋賀県) めいきょ 図20.法面の斜面の崩壊防止対策 放牧地側 約1m 牛が歩ける平らな 場所を確保する 電牧線の下から ここの草を食べる ここを蹄で崩す

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放牧地側 約1m 牛が歩ける平らな 場所を確保する 電牧線の下から ここの草を食べる ここを蹄で崩す

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3.その他の必要な施設 (1)飲水施設 放牧地にまず欠かせないのが水を飲む施設です。 和牛の場合、1日に20から50㍑の水を飲み、気温が高いほど飲む量は多くなります。冷 水でなくても構わないので、いつでも新鮮な水が飲めるようにしてやります。水槽は古い風 呂桶などの廃物利用で十分です(写真43 。ただし、ぬかるみを作らないように排水対策を) 施すことが大切です。 ①近くに水道がある 水槽周辺が泥濘化しないように、フロート式の止水弁を取り付けて利用します。 ②沢水や農業用水などがある 高低差を利用して水を引き、排水用ホースを取り付けて泥濘化を防ぎます(写真44 。) ③水がない場合 近くに水がない場合は500~1,000㍑のポリタンクに貯水し、2頭で放牧する場合、週 に1~2回水を補給します。 (2)日陰施設 牛は寒さよりも暑さが苦手です。放牧地内に木陰がない場合は、簡易な屋根や小屋など日 陰場所を作ってやります(写真45、46、47、48 。) 写真46.掘っ立て屋根(京都府) 写真43.風呂桶利用(滋賀県) 写真44 ぬかるみ防止水槽 滋賀県. ( ) 排水用ホース 給水用ホース 排水用ホース 給水用ホース 写真45.自然の木陰(滋賀県)

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(3)鉱塩台 牛には塩の補給が必要です。 」 、 牛用の「鉱塩 (ミネラルを配合した家畜用の塩)を購入するか並塩でも構いませんので なみしお 自由に舐められるようにします。ただし、雨に濡れると溶けるので、雨よけの天井のある場 所に固定します(写真49、50 。) (4)捕獲施設 ①移動式スタンチョン(簡易捕獲器) 殺ダニ剤の塗布や人工授精、治療など牛を捕ま えたい時に必要な道具です(写真51 。) 餌おけ(ポリバケツ)の餌を食べようと牛が首 を差し入れると自動的にロックされます。金網は 片側からしか首を入れられないように取り付けた ものです。 スタンチョンは鉄棒のペグを地面に打ち込んで 固定します。重さは80㎏で、人力で持ち運ぶこと も可能です。 写真47.ログハウス調日陰舎(滋賀県) 写真48.ビニールハウス(滋賀県) 写真49.鉱塩台(滋賀県) 写真50.鉱塩ブロック(写真は5㎏) 写真51.移動式スタンチョン(滋賀県)

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作成にかかる資材費は、4頭用のスタンチョ ン(2頭用はない)を購入して2台作成すると1 台で4万8千円です(表5 。また2頭用の放牧地) 用既製品が約6万円で販売されています。 ②足場パイプ捕定場 十分に人に慣れた牛であれば、写真52のよう な足場パイプと飼槽の簡単な捕定施設でも餌で 誘って牛を捕まえることができます。 表5.簡易捕獲器のコスト例 4.放牧する牛のトレーニング 今の牛は多くが畜舎で飼われた経験しかない箱入り娘。はじめて放牧される牛は、野草を 食べたことがなく、電気牧柵を知りません。このような牛をいきなり放牧すると、急な環境 の変化に適応できずに急激に痩せてしまったり、脱柵をする心配もあります。 そこで、牛舎から放牧地へスムースに順応できるように、放牧未経験牛では約1か月、経 験牛では約2週間程のトレーニング( 馴致」と言います)を行います(図21 。「じゅんち ) (1)気象や地形などの野外環境に慣らす 放牧1か月前から、昼間は舎外に出して外気や日光にさらし、野外を歩き回ることに慣れ させます。狭い牛舎から出たことがないような牛は、広い場所に出ることに不安を覚えるの で、まず2~3日外に繋ぐことから始めてもよいでしょう。外の環境に慣れてきたら、パド . ( ) 写真52 足場パイプ捕定場 栃木県S牧場

48,062

合 計 440 個 1 440 ネジ 560 本 1 560 丸パイプ 1,260 枚 3 420 1.8m×13mm 鉄丸棒 4,112 個 8 514 25×25mm×1.8m×3mm アングル 546 個 2 273 蝶番 2,880 本 4 720 φ48.6mm×2m 単管パイプ 1,120 本 2 560 φ48.6mm×1.5m 単管パイプ 720 本 2 360 φ48.6mm×1m 単管パイプ 1,120 個 4 280 タルキ止めクランプ 948 個 6 158 自在クランプ 1,760 個 8 220 兼用直交クランプ 1,596 枚 1 1,596 1×2m 格子60×150mm 金網メッシュ 4連スタンチョンを2分割して使用 31,000 基 0.5 62,000 成牛4頭用(4連) 連動スタンチョン

簡易捕獲器(スタンチョン)

備考 金額 単位 数量 単価 規格 品名

48,062

合 計 440 個 1 440 ネジ 560 本 1 560 丸パイプ 1,260 枚 3 420 1.8m×13mm 鉄丸棒 4,112 個 8 514 25×25mm×1.8m×3mm アングル 546 個 2 273 蝶番 2,880 本 4 720 φ48.6mm×2m 単管パイプ 1,120 本 2 560 φ48.6mm×1.5m 単管パイプ 720 本 2 360 φ48.6mm×1m 単管パイプ 1,120 個 4 280 タルキ止めクランプ 948 個 6 158 自在クランプ 1,760 個 8 220 兼用直交クランプ 1,596 枚 1 1,596 1×2m 格子60×150mm 金網メッシュ 4連スタンチョンを2分割して使用 31,000 基 0.5 62,000 成牛4頭用(4連) 連動スタンチョン

簡易捕獲器(スタンチョン)

備考 金額 単位 数量 単価 規格 品名

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ックか庭先で昼夜放牧を行い、気象や環境への馴致を行います。 放牧トレーニングは、放牧経験牛と一緒に行うと、初めての牛の不安を和らげ、経験牛を 先生役として早く覚えます。 (2)生草の食べ方を上達させる 青刈りの草を与えたり、草地の上に繋いで青草を食べさせて慣らします。第一胃内の微生 物が放牧環境の餌に適応するまでには少なくとも2週間程度かかります。 (3)電牧線に触ってはならないことを学習させる パドックがある場合は、パドックの一部に電気を通した線を一本張り、電牧線を覚えさせ るのが最も安全です。電気牧柵の学習は牛の脱柵を防止し、人や車との事故や農地の損壊な どのリスクを避けるためにとても大切な準備です。 滋賀県では、県から畜産農家に電気牧柵セットを貸し出し、農場の敷地内に外周100m ほどの2段張りの電気牧柵を張って、トレーニングを行っています(写真53、54 。) 牛は見慣れないものがあると、まず鼻を近づけて臭いをかぎ、舌で舐める習性があり、こ のときに湿った鼻面が電牧線に接触します。個体によっては吼え声を上げて飛び跳ねたりす ることがあるので、入れた直後は注意深く観察することが必要です。半日もあれば電牧線を 写真53.電気牧柵内に入れた牛の観察(滋賀県) 写真54.電牧線を確認する牛(滋賀県) 図21.放牧牛に必要な能力

気象

変化に順応する

電牧柵に触らない

複雑な地形を歩く 上手に青草を食べる

野外環境に

適応させる

気象

変化に順応する

電牧柵に触らない

複雑な地形を歩く 上手に青草を食べる

野外環境に

適応させる

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覚えますが、接触する回数に個体差があり、2回くらいで覚える個体もあれば、何回も接触 してやっと覚える個体もあります。順位が高く好奇心の強い牛が先に接触を試み、順位の低 い牛はその様子を見ることも含めて学習するようです。 電牧線の学習は最初が肝心です。2,000~3,000ボルトの弱い電圧で行うと学習の効果 が低くなります。必ず電圧テスターで電圧が十分に高いことをチェックして 「危なくて恐、 いもの」という印象を強く植え付けることがポイントです。 人が強制的に鼻を電牧線に接触させて覚えさせる方法が取られることもありますが、 ※ 無理やり恐怖を与えて人への信頼感を損なうため、やらない方が良いようです。 牛は必ず自分から確認に行きますので、自分で覚えるまで見守りましょう。 放牧先進県の山口県では県畜産試験場が放牧馴致施設を持ち、次のような放牧牛トレーニ ングサービスを行っています。 山口県のような施設でトレーニングができない場合でも、危険回避のために事前に電牧線 の学習だけは必須です。先にも述べたように、牛舎周りの敷地で野外や少しの青草で慣れさ せておけば、放牧地の環境に最初は戸惑いますが、そのうちに順応します。順応できそうに ない牛は早めに判断して牛舎に連れて帰ってやります。 牛の能力や個性には個体差があり、草を食べることが下手な牛、電気に強い牛、気性の荒 い牛など放牧に不向きな牛がいます。また、ペアにしたときに相性が悪い牛同士もいます。 安全・安心な放牧のために、温厚な性格の放牧向きの牛を選ぶことが大切です。 5.念のための外柵の設置 今後、近畿管内で水田放牧が増えてくると、 車の通行量の多い場所で放牧するケースも出て きます。念のため電気牧柵の外側に足場パイプ や間伐材で恒久柵を設置し、危ないところをガ ードする必要も出てくると思われます。写真55 は、景観を考慮して間伐材を使った外柵の一例 です。 山口県の放牧馴致施設 ○施設の概要 足場パイプで組んだ広さ25m×25m、柵高90cmと60cmの2段の物理柵 柵内に水飲み場と寒冷紗(日陰)を設置 ○農家の牛を預かり約1か月かけてトレーニング ①2頭ペアにして1週間程度を目安として昼間放牧 ②徐々に放牧時間を延ばして昼夜連続放牧 ③物理柵の内側に電気牧柵を張って自然に電気牧柵へ馴致 ④電気牧柵に近づかなくなり、反芻してくつろぐ姿が観察できたらトレーニング 終了、一人前の放牧牛として放牧地へ 写真55.間伐材の外柵(滋賀県)

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