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Academic year: 2021

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博士課程用(甲)

(様式4)

学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨

光岡 俊成 印

(学位論文のタイトル)

Assessment of NMDA receptor inhibition of phencyclidine analogues using a high-throughput drebrin immunocytochemical assay

(ハイスループットドレブリン免疫細胞染色法を使ったフェンシクリジン類のNMDA 受容体阻害効果の評価)

(学位論文の要旨)

はじめに:近年、乱用目的で使用される新精神活性物質(NPS)と呼ばれる物質が広く流通してい る。 NPSの蔓延に対する効果的な対策は、リスク評価を行い迅速に規制することである。最近、国 内においてNMDA型グルタミン酸受容体(NMDAR)に対して阻害効果を有するフェンシクリジン類 のNPSが出現している。現在のNMDARへの作用の評価法には、カルシウムイメージング法や放射 性同位元素で標識したMK801を使った結合試験がある。しかし、カルシウムイメージング法は操作 が煩雑でハイスループット解析にはなじまず、NMDAR以外の作用も影響し、また、放射性同位元 素で標識したMK801を使った結合試験は、放射性同位元素を使用し、結合能を調べる評価法であ り、簡便で直接的な作用を評価する方法ではない。そのため、NMDAR活性を阻害する可能性のあ るNPSを簡便に直接的に検出するためのリスク評価法を確立することが必要である。一方、神経細 胞へのグルタミン酸処理により樹状突起スパインからドレブリンが樹状突起へ移行する現象が關野 らによって2006年に報告されている。グルタミン酸はAMPA受容体とNMDARを活性化させるが、ド レブリンの移行はNMDARの活性化により誘導されるため、NMDARの活性化を定量的に評価でき る。そのため、本研究は樹状突起に沿ったドレブリンクラスターの線密度(LDDC, linear density of drebrin clusters along dendrites)についてハイスループットアナリシスで自動的に定量するための プロトコル(Hanamura et al., 投稿中)を使用し、フェンシクリジン類のリスク評価法としての有用性を 調べた。

研究方法:胎児ラットから調製した海馬神経細胞を96穴マイクロプレートに播種し、培養した。3週 間後、培養神経細胞に、NMDARにおけるグルタミン酸の阻害薬であるAPV、フェンシクリジン(PC P)、フェンシクリジン類の3-メトキシフェンシクリジン(3-MeO-PCP)及び4-[1-(3-メトキシフェニ ル)シクロヘキシル]モルホリン(3-MeO-PCMo)を前投与し、100μMグルタミン酸を10分間処理し た。固定後、培養神経細胞を抗ドレブリン抗体および抗MAP2抗体等で免疫細胞染色を行った。

樹状突起に沿ったドレブリンクラスターの線密度(LDDC, linear density of drebrin clusters along dendrites)について、花村らが新たに開発したプロトコルを用いたハイスループットアナリシスで自 動的に定量した。

結果:ハイスループットアナリシスにより競合的阻害薬であるAPVが競合的に阻害することを確認し

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博士課程用(甲)

た。さらに、グルタミン酸が誘導するLDDC減少を、PCP、3-MeO-PCP、3-MeO-PCMoのいずれも 用量依存的に阻害した。 3-MeO-PCMoの阻害活性はPCPまたは3-MeO-PCPよりも低く、IC50値 は26.67μM(3-MeO-PCMo)、2.02μM(PCP)及び1.51μM(3-MeO-PCP)であった。

考察:IC50から計算できるPCP、3-MeO-PCP及び3-MeO-PCMoの間の相対比は、Ki値から計算で きる相対比と類似している。ハイスループットドレブリン免疫染色法は、NMDAR阻害作用を有 するPCPと類似の化学構造式を持つNPSの薬理学的評価(毒性評価)が可能であり、また、こ の評価システムから得られるIC50値からNMDAR結合親和性(Ki値)の算出が可能であることが 示唆された。将来、ヒトiPS細胞から誘導した神経細胞を使用することができるようになれば、

NMDAR阻害作用のリスク評価として正確な外挿が可能となるだろう。

参照

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