【主要変圧器の火災について】
地震により主要変圧器が損傷、変圧器内の絶縁油が漏洩し火災が発生した場合は、迂回ルートを使用した通行及び仮設ホースの敷設が
可能である。(前ページ火災想定施設配置参照)
防油堤内に漏えいした絶縁油は防油堤内の集油マスに流入した後地下の漏油受槽に流下するため、万一火災が発生した場合でもアクセ
スルートへの影響は考えにくい。 (防油堤内に保有油量の全量を一時貯留できるよう、一部嵩上げ及び補強を実施する。)
各漏油受槽は当該変圧器の保有油量の全量を貯留するだけの容量を確保している。
23.6kℓ
予備変圧器 390m
3
特高開閉所漏油受槽
50kℓ
起動変圧器
158kℓ
2号主変圧器/所内用変圧器 600m
3
変圧器漏油受槽
158kℓ
1号主変圧器/所内用変圧器
受入量
漏油受槽
本体油量
なお、各変圧器にはそれぞれ水噴霧消火設備が設置されているが、水源タンクや消火ポンプの損傷により消火が出来ない場合は、専属
消防隊による消火活動を実施し、被害の拡大を防止する。また、同時発災した場合は、アクセスルートへの影響の大きい箇所から消火活
動を実施する。
4.屋外アクセスルート
【補助ボイラ燃料タンク消火活動について】
アクセスルートまで約30mの離隔距離が確保されており、万一初期消火活動にて消火が完了しなかった場合でも、ルート上の放射熱強
度が「長時間さらされても苦痛を感じない強度
※1
」である1.6kW/m
2
以下まで低減されることから、通行は可能と考える。
川内原子力発電所内には、火災が発生した場合の初期消火活動用として、専属消防隊本部建屋に消防自動車2台と泡消火薬剤を約
2,200ℓ配備しており、また、専属消防隊本部建屋は地震により倒壊しないことを別途確認している。
補助ボイラ燃料タンクが地震により損傷し、防油堤内で火災が発生した場合は専属消防隊による初期消火活動を実施する。
初期消火活動にて消火が困難な場合は、継続して周辺施設への延焼防止に努め、被害の拡大防止を図るとともに、大容量ポンプ車、泡
消火設備(約1000ℓ×4基)及び放水砲による消火活動を実施する。
また、中間受槽の設置箇所や仮設ホースの敷設ルートは、火災の影響を受けないような箇所に設置する。
※1 出典「石油コンビナートの防災アセスメント指針」
5
4.屋外アクセスルート
【参考】火災源からの放射熱強度の算出方法(出典;石油コンビナートの防災アセスメント指針)
形態係数の算出
火災源を円筒火炎モデル
※
として設定し、火災源からの受熱側が受け取る放射熱量の割合に関連する形態係数φを算出する。
φ=
1
tan
-1
πn
m
n
2
-1
(A-2n)
n AB
-
tan
-1
1
n
(n-1)
(n+1)
m
π
+
A(n-1)
B(n+1)
tan
-1
m=
H
R
≒3
n=
L
R
ただし
,
,
A=(1+n)
2
+m
2
, B=(1-n)
2
+m
2
放射熱強度の算出
火災源の放射発散度Rfと形態係数φより受熱側の放射強度Eを算出する。
E
=
Rf
・
φ
E:放射熱強度(W/m2
),Rf:放射発散度(W/m2
),φ:形態係数
液面火災では、火炎面積の直径が10mを越えると空気供給不足により大量
の黒煙が発生し放射発散度は低減する。
放射発散度の低減率rと燃焼容器直径Dの関係は次式で算出する。
r=exp(-0.06D)
ただし、r=0.3程度を下限とする。
図 円筒火炎モデルと受熱面
表 主な可燃物の放射発散度
※ 油火災において任意の位置における放射熱(強度)を計算により求めるには、
半径が1.5m以上の場合で火炎の高さを燃焼半径の3倍とした円筒火災モデ
ルを採用する。
なお、燃焼半径Rは次の式から算出する。
R= 1 × W×d
π
R:燃焼半径(m),W:防油堤幅(m),d:防油堤奥行(m)
4.屋外アクセスルート
表 放射熱の影響
(出典:石油コンビナートの防災アセスメント指針)
【離隔距離と輻射熱強度の関係】
各可燃物施設からアクセスルートまでの離隔距離と放射熱強度が
「長時間さらされても苦痛を感じない強度」である1.6kW/m
2
以下とな
る距離を以下に示す。
約35m
約20m※3
約25m※3
油計量タンク
約65m※2
約21m※3
約25m※3
起動変圧器
約80m※2
約15m※3
約25m※3
1号機主・所内用変圧器
約45m
約16m※3
約20m※3
予備変圧器
約35m※2
約15m※3
約25m※3
2号機主・所内用変圧器
約30m
約15m
約25m
補助ボイラ燃料タンク
火災時に使用する
アクセスルートま
での離隔距離※1
防油堤端
からの距離
火炎中心
からの距離
※1 防油堤端からの距離
※2 迂回路までの距離
※3 絶縁油及びタービン油の放射発散度は物性を近しい、重油の値を使用して算出
7
主/所内用変圧器ヤード防油堤嵩上げ及び補強
0.4m嵩上げ
HTr
MTr
防油堤嵩上げ(EL13.8mまで)及び補強を実施
防火壁
A
A
▽ EL+13.0m(GL)
▽ EL+13.8m(GL)
A-A断面
変圧器漏油受槽
変圧器漏油受槽
【主/所内用変圧器ヤード防油堤嵩上げ及び補強イメージ図】
砂利石
グレーチング
集油マス
変圧器故障時の火災拡大防止対策
G
87MB
87MA
87G
主変圧器
主変
しゃ断器
OFケーブル
所内変圧器
500kV母線
6.6kV所内母線
87MA
87MB
87G
主変圧器・発電機比率差動継電器
主変圧器比率差動継電器
発電機比率差動継電器
発電機トリップ
タービントリップ
①
①
①
主変しゃ断器 切
界磁しゃ断器 切
原子炉トリップ
OR
界磁しゃ断器
接地変圧器
原子炉トリップ
タービン故障
(軸振動大他)
タービン故障
(スラスト軸受磨耗)
タービントリップ
タービントリップ
タービントリップ
30秒
10秒
瞬時
②
OR
②
1.主変圧器内部故障及び電気回路故障時の事故拡大防止対策
変圧器内部の巻き線及び電気回路に地震等により短絡が発生すると、主変圧器1次側と2次側の電流の比率が
変化することから、比率差動継電器により電流値の比率を監視している。
故障を検知した場合は発電機を停止するため瞬時に主変しゃ断器及び界磁しゃ断器を開放することにより、事
故点を隔離し、電気的に遮断するため、万一絶縁油が漏洩したとしても火災発生のリスクは低減されると考える。
主変圧器故障及びプラントトリップ時の主なインターロック
起動変圧器
受電しゃ断器
4.屋外アクセスルート
可燃物施設漏洩時被害想定
判定フロー
可燃物施設
迂回ルートの設定により
アクセスルートへの影響を排除
防油堤の設置
の有無
Y
N
設計ベースにて
アクセスルートへの影響を排除
N
漏洩可燃物が
全量収容可能か
Y
耐震S設計又は
耐震評価実施
N
Y
①
防油堤の
耐震性の有無
N
Y
専用のコンテナ・
倉庫等に収容※2
Y ※2 保管可燃物は、ドラム缶
等の容器に収納し、固縛
し転倒防止措置を行う。
N
アクセスルートから
離隔距離を確保可能
Y
N
運用等による可燃物
の漏えい防止※1
Y
N
※1 ボンベ口金の通常閉運用
(口金を開としている期間
は、作業員を配置し、直
ちに閉止可能とする)
運用ベースにて
アクセスルートへの影響を排除
火災を想定
専属消防隊による消火により
アクセスルートへの影響を排除
⑥
③
④
⑤
専属消防隊による
消火活動
アクセスルートから
離隔距離を確保※3
②
Y
N
前回資料一部修正
11
4.屋外アクセスルート
②
・油計量タンクは通常運転時は貯蔵しておらず、タンク又は
付属配管が破損した場合でも漏洩しない。
・周囲に防油堤を設置している。(耐震補強予定)
・専用のCO
2消火装置を有している。
・油計量タンク受入時に地震により破損した場合でも、ター
ビン油の引火点が高い(228℃)ことから火災発生のリス
クは低い。
・火災が発生した場合は、専属消防隊による消火活動を実施
する。
・アクセスルートから約35m程度離れており、アクセスルー
トへの影響はない。
なし
130kℓ
タービン油
油計量タンク
②
・燃料タンク及び付属配管の破損により重油が漏洩した場合
でも高さ2.3mの防油提内に全量溜まる。
・防油堤はSs地震動に耐えられるよう補強を実施済。
・火災が発生した場合、専属消防隊による消火活動を実施す
る。
・専用の泡消火設備を有している。
・アクセスルートより約30m程度離れているためアクセス
ルートへの影響はない。
なし
500kℓ
重油
補助ボイラ燃料タンク
①
①
・Ss地震動にて耐震評価済であり地震により破損しないこ
とから火災は発生しないと考えられる。
・可燃物の引火点が高い(260℃)ことから火災発生のリス
クは低い。
なし
11㎥
アスファルト
アスファルト貯蔵タンク
なし
被害想定
135kℓ
200kℓ
0.7kℓ
12kℓ
容量
・耐震Sクラス設計の機器及び付属配管は地震により破損し
ないため、火災は発生しないと考えられる。
重 油
・非常用ディーゼル発電機燃料油
貯油槽
・燃料油貯蔵タンク
・移動式大容量発電機車
・移動式大容量発電機用燃料タンク
対応内容
内容物
対象設備
【可燃物施設漏洩時被害想定】
前回資料一部修正
4.屋外アクセスルート
④
・専用のコンテナ内にドラム缶等を固縛して保管しており、
着火源となるものを排除していることから、火災は発生し
ないと考えられる。
(保管状況はP7 図参照)
・潤滑油は引火点が高い(約140℃以上)ことから、火災発
生のリスクは低い。
なし
2.8kℓ
潤滑油
潤滑油保管コンテナ
(第2,4,6緊急用保管エリア)
④
同上
(保管状況はP7 図参照)
なし
1.9kℓ
0.4kℓ
軽油
ガソリン※
危険物屋内貯蔵庫
③
同上
なし
2基
水素ガス
発電機用水素ガスコンテナ
③
・ガスボンベの口金を開けている期間は、作業員を現場に待
機させることとしており、地震発生時は直ちに閉止が可能
であるため、ガス漏洩による火災発生を防止できる運用と
している。
なし
4本
LPガス
補助ボイラ用プロパンガスボ
ンベ
④
なし
被害想定
5.4kℓ
1.0kℓ
0.4kℓ
容量
・消防法に基づき設置された専用の倉庫内にドラム缶等を固
縛して保管しており、着火源となるものを排除しているこ
とから火災は発生しないと考えられる。
(保管状況はP7 図参照)
タービン油
潤滑油
軽油
油倉庫
対応内容
内容物
対象設備
※ ガソリンについては今後使用しない
前回資料一部修正
13
4.屋外アクセスルート
⑤
・近傍のアクセスルートから離隔距離を確保するため、迂回
可能なアクセスルートを選択し、火災発生箇所を迂回する。
(次ページ迂回ルート図参照)
・主/所内用変圧器ヤードの防油堤は変圧器の絶縁油の全量
を貯留可能なよう、嵩上げするとともに補強を実施する。
・専属消防隊本部建屋(24時間常駐)の近傍のため、早期の
消火活動が可能
・Ss地震動により主要変圧器が破
損し、漏洩した軽油による火災発
生の恐れ
158kℓ
158kℓ
50kℓ
23.6kℓ
絶縁油
主要変圧器
・1号 主/所内用変圧器
・2号 主/所内用変圧器
・起動変圧器
・予備変圧器
④
・水素ボンベ(通常10本中2本開運用)は水素マニホルドに
一連で固定されており、転倒による損傷は考えにくく、ま
た着火源とも成り難いため火災の発生はないと考える。
水素マニホルドは補強を行い、ガスボンベの転倒防止の強
化を図る。
・換気扇やガラリを備えた屋外の専用建屋であり、万一漏洩
が発生した場合でも外気中に拡散する。
な し
10本/10本
水素ガス
水素マニホルド建屋内
水素ボンベ
⑥
・ディーゼル消火ポンプ燃料タンクはコンクリート造の消火
ポンプ室内に設置された小規模タンクであり、建屋内火災
のため外部のアクセスルートへの影響は小さいと考える。
・専属消防隊本部建屋(24時間常駐)の近傍のため、早期の
消火活動が可能
・Ss地震動によりタンク又は付属
配管が破損し、漏洩した軽油によ
る火災発生の恐れ
480ℓ
軽 油
ディーゼル消火ポンプ燃料タ
ンク
④
・プロパンガスボンベは横置きであり、基礎架台に固縛して
設置していることから、転倒による損傷は考えにくく、ま
た着火源とも成り難いため火災の発生はないと考える。
基礎架台は補強を行い、ガスボンベの転倒防止の強化を図
る。
・廃棄物処理建屋ガスボンベ室は前面が開放されており、漏
えいした場合でも外気中に拡散する。
な し
3本
LPガス
雑固体焼却設備用プロパンガ
スボンベ
被害想定
容量 対応内容
内容物
対象設備
前回資料一部修正
15
【危険物貯蔵所保管状況】
雑固体廃棄物焼却設備用プロパンガスボンベ
廃棄物処理建屋ガスボンベ室
プロパンガスボンベ固縛状況(現状)
雑固体廃棄物焼却設備用プロパンガスボンベ架台補強イメージ図
プロパンガスボンベ架台(現状)
プロパンガスボンベ架台(補強後)
プロパンガスボンベ
一体化したボンベ架台上にプロパンガスボンベを固縛し、転倒防止の強化を図るとともに、ボ
ンベ同士が接触し、火花により引火することを防止する。
4.屋外アクセスルート
4.屋外アクセスルート
水素マニホールド建屋内水素ボンベ
【危険物貯蔵所保管状況】
水素マニホールド建屋
水素ボンベ固縛状況(現状)
水素マニホールド補強イメージ図
水素マニホルド(現状)
水素マニホルド補強用架台
バンド
水素ボンベ(常用)
水素ボンベ(予備)
水素マニホールド建屋内に水素マニホルドの補強用架台を設置し、水素マニホルドと連結するこ
とで、水素マニホルド及び水素ボンベの転倒防止の強化を図る。
また、一体化した水素マニホルド及び補強用架台に水素ボンベを固縛することで、水素ボンベ同
士の接触を防止し、火花による引火を防止する。
専属消防隊による消火活動について
1.専属消防隊本部建屋
専属消防隊本部建屋
専属消防本部建屋について、基準地震動Ss(Ss-1)に対する地震応答解析を実施した結果、層間変形角が1/30以下となり、建屋が倒
壊しないことを確認した。
表1
建屋の検討結果
※1 基準地震動Ssの変更に対する評価は後日提示する。
※2(財)日本建築防災協会の「震災建築物の被災度区分判定基準および復旧技術指針」にお
ける倒壊の目安
2.専属消防隊による消防活動について
専属消防本部建屋は倒壊しないが、地震時の変形により建屋扉やシャッターの開閉が不能と
なる可能性がある。
そのため、シャッターを常時開放し、消防車両及び専属消防隊員の出動が可能な運用とする。
なお、建屋内照明等の落下が考えられるが、重量物の落下がないため、消防設備への影響は
考えにくい。
1/30以下
1/30以下
許容値
※2
OK
1/69
Y方向
OK
1/66
X方向
基準地震動Ss
判定
層間変形角
※1
方
向
地震動
また、専属消防本部建屋前の道路はアクセスルートの一部となっており、基準地震動による
段差の発生がないことを確認している。また、専属消防本部建屋と前面道路との段差は15cm
以下であることを確認しており、消防車両の通行は可能である。なお、より確実に通行できる
よう本部建屋内に土のう袋等を配備する。
消火用の水源としては、防火水槽、ろ過水貯蔵タンク、海水等を使用する。(泡消火薬材は
海水使用も可能)
専属消防隊
本部建屋
段差発生箇所
ケーブルダクト
前面道路
砂岩
7.5m
EL. 13.2m
EL. 11.7m
EL. 6.0m
埋戻土
1.5m
6.0m
EL. 5.7m
礫混じり粘土
概略地質図
敷鉄板による補強