基礎マクロ経済学(2015年前期)
3.国民所得国民所得国民所得国民所得
3.国民所得
3.1 決定要因決定要因決定要因決定要因 <フロー循環> 教科書66頁の図3-1より・・・ 貨幣の流れを見てみよう →これを踏まえ、基本的な古典派モデルで考察 <生産要素> • 生産に必要なもの(原材料以外で)・・・ 資本(設備)と労働者 →これらの生産性は分配にも影響する<生産関数> • 生産要素の数量と産出量(財・サービスの供 給量)の関係を表したもの • 産出量を生産要素(労働投入量と資本ストッ ク)の関数で表したもの →y=f(K,L) where y:産出量、K:資本ストック、L:労働投入 • 多くのケースで、規模に関して収獲一定(CRS) の仮定を置く →各要素量をn倍にすれば産出量もn倍になる
3.2 国民所得国民所得国民所得と国民所得ととと生産要素生産要素の生産要素生産要素ののの分配分配分配分配 新古典派所得分配論 →価格の調整によって需要と供給が一致する (古典派)という考え方をもとに・・・ →各生産要素の限界生産力(要素価格)によっ て要素需要が決まる、という考え方 <要素価格> •資本と労働の各要素に払う額=要素価格 資本の要素価格=資本の所有者が入手 労働の要素価格=労働者の稼ぐ賃金
•要素価格は、要素の需給で決まる <競争的企業の意思決定> •競争的企業=価格は所与として行動する企業 →生産要素や投入物の価格を所与とする •技術を一定として、設備や労働者の数を調整 •利潤を最大化するように調整する <要素量の調整は?> •生産要素の生産に対する効果は、逓減する →どういうこと?
①Y=F(X1,X2) とする(Y:産出、X1,X2:生産要素、 技術は一定) ②X2を一定( )として、X1を調整する ③ =要素1の限界生産力 ④生産関数の形状を次スライドの図のように仮 定すると、要素1の限界生産力は徐々に小さく なることがわかる 2 X
(
X1 1, X 2)
F(
X1, X 2)
F + −Y(産出)
X(生産要素) 生産関数
⑤(ⅰ)要素1を1単位増やして得られる追加収 入が要素1追加分への支払いより多い →もっと要素1を増やす=生産を増やす (ⅱ)要素1を1単位増やして得られる追加収 入が要素1追加分への支払いより少ない →要素1を減らす=生産を減らす
(ⅰ)(ⅱ)より、要素1を1単位増やして得られる追 加収入(要素1の限界生産力)が1単位の要素1 への支払いと等しくなるところで、生産要素の数 が決まる! 利潤=収入-費用 =価格×生産量-要素への支払い が成立 ここで変化分(Δ)を考えると・・・ Δ利潤 =Δ収入-Δ費用 =価格×限界生産物-要素1単位への支払 =0 ⇒限界生産物=(要素1単位への支払)÷価格
ここで、要素への支払いについて • 労働への支払い=賃金 • 資本への支払い=資本のレンタル費用 であることから・・・ 労働の限界生産力と賃金、資本の限界生産力 から資本のレンタル費用との関係がわかる <経済学上の利潤> 経済学上の利潤 =産出量-(MPK×K)-(MPL×L) ※ ※※ ※MPK:資本資本資本資本ののの限界生産力の限界生産力限界生産力、限界生産力、MPL:労働、、 労働労働労働のののの限界生産力限界生産力限界生産力限界生産力
これより、 産出量 =経済学上の利潤+(MPK×K)+(MPL×L) が成立 ⇒では経済学上の利潤は・・・? 規模に関して収穫一定の生産関数であれば、 “ 0 “ になる。すなわち F(K,L)=(MPK×K)+(MPL×L) が成立する(オイラーの定理より)
<オイラーの定理について> 関数F(・)はk次同次関数であり、次の恒等式が成立する。 ここで両辺をtで微分すると、 ここでt=1、k=1(1次同次)とすると、次の式が成り立つ。
(
tx1,tx2)
t F(
x1, x2)
F = k(
)
(
) ( )
(
) ( )
(
)
(
)
(
1 2)
1 2 1 2 1 1 1 2 1 1 1 2 1 1 1 2 1 2 1 , , , , , , x x F kt x tx tx tx F x tx tx tx F t tx tx tx tx F t tx tx tx tx F t tx tx F k − = ∂ ∂ + ∂ ∂ = ∂ ∂ ∂ ∂ + ∂ ∂ ∂ ∂ = ∂ ∂(
)
(
)
(
1 2)
2 1 2 1 1 1 2 1, , x F x , x tx x x F x tx x x F = ∂ ∂ + ∂ ∂現実で考えられる利潤は会計上の利潤 ⇒経済学上の利潤+(MPK×K) ※資本に支払う分は資本の所有者に払われる ⇒資本の所有者は企業であることがほとんどで あるから 「経済学上」と「会計上」の利潤概念の違いに 注意!
3.2 国民所得国民所得国民所得と国民所得ととと生産要素生産要素の生産要素生産要素ののの分配分配分配分配 新古典派所得分配論 →価格の調整によって需要と供給が一致する (古典派)という考え方をもとに・・・ →各生産要素の限界生産力(要素価格)によっ て要素需要が決まる、という考え方 <要素価格> •資本と労働の各要素に払う額=要素価格 資本の要素価格=資本の所有者が入手 労働の要素価格=労働者の稼ぐ賃金
•要素価格は、要素の需給で決まる <競争的企業の意思決定> •競争的企業=価格は所与として行動する企業 →生産要素や投入物の価格を所与とする •技術を一定として、設備や労働者の数を調整 •利潤を最大化するように調整する <要素量の調整は?> •生産要素の生産に対する効果は、逓減する →どういうこと?
①Y=F(X1,X2) とする(Y:産出、X1,X2:生産要素、 技術は一定) ②X2を一定( )として、X1を調整する ③ =要素1の限界生産力 ④生産関数の形状から、要素1の限界生産力 は徐々に小さくなる(逓減) ここで、次の2通りのパターンを考える 2 X
(
X1 1, X 2)
F(
X1, X 2)
F + −⑤-(ⅰ)要素1を1単位増やして得られる追加収 入が要素1追加分への支払いより多い →もっと要素1を増やす=生産を増やす ⑤-(ⅱ)要素1を1単位増やして得られる追加収 入が要素1追加分への支払いより少ない →要素1を減らす=生産を減らす
(ⅰ)(ⅱ)より、要素1を1単位増やして得られる追 加収入(要素1の限界生産力)が1単位の要素1 への支払いと等しくなるところで、生産要素の数 が決まる! 利潤=収入-費用 =価格×生産量-要素への支払い が成立 ここで変化分(Δ)を考えると・・・ Δ利潤 =Δ収入-Δ費用 =価格×限界生産物-要素1単位への支払 =0 ⇒限界生産物=(要素1単位への支払)÷価格
ここで、要素への支払いについて • 労働への支払い=賃金 • 資本への支払い=資本のレンタル費用 であることから・・・ 労働の限界生産力と賃金、資本の限界生産力 から資本のレンタル費用との関係がわかる <経済学上の利潤> 経済学上の利潤 =産出量-(MPK×K)-(MPL×L) ※ ※※ ※MPK:資本資本資本資本ののの限界生産力の限界生産力限界生産力、限界生産力、MPL:労働、、 労働労働労働のののの限界生産力限界生産力限界生産力限界生産力 それぞれの 要素価格
これより、 産出量 =経済学上の利潤+(MPK×K)+(MPL×L) が成立 ⇒では経済学上の利潤は・・・? 規模に関して収穫一定の生産関数であれば、 “ 0 “ になる。すなわち F(K,L)=(MPK×K)+(MPL×L) が成立するから(オイラーの定理より)
<オイラーの定理について> 関数F(・)はk次同次関数であり、次の恒等式が成立する。 ここで両辺をtで微分すると、 ここでt=1、k=1(1次同次)とすると、次の式が成り立つ。
(
tx1,tx2)
t F(
x1, x2)
F = k(
)
(
) ( )
(
) ( )
(
)
(
)
(
1 2)
1 2 1 2 1 1 1 2 1 1 1 2 1 1 1 2 1 2 1 , , , , , , x x F kt x tx tx tx F x tx tx tx F t tx tx tx tx F t tx tx tx tx F t tx tx F k − = ∂ ∂ + ∂ ∂ = ∂ ∂ ∂ ∂ + ∂ ∂ ∂ ∂ = ∂ ∂(
)
(
)
(
1 2)
2 1 2 1 1 1 2 1, , x F x , x tx x x F x tx x x F = ∂ ∂ + ∂ ∂現実で考えられる利潤は会計上の利潤 ⇒経済学上の利潤+(MPK×K) ※資本に支払う分は資本の所有者に払われる ⇒資本の所有者は企業であることがほとんどで あるから 「経済学上」と「会計上」の利潤概念の違いに 注意!
3.3 コブ・ダグラスコブ・ダグラスコブ・ダグラスコブ・ダグラス生産関数生産関数生産関数生産関数 • 国民所得・資本所得・労働所得が長期的には ほぼ同率で成長していることを発見 • 数学的にこれを満たす条件として・・・・ ⇒資本所得=MPK×K=αY 労働所得= MPL×L=(1-α)Y ただし 0≦α≦1 • このような性質を満たす生産関数は ⇒発見者の名からコブ=ダグラス型生産関数 とよぶ α α −
=
=
F
(
K
,
L
)
AK
L
1Y
※Aは技術進歩をあらわす(一定とする) の各限界生産力を計算すると・・・ ※労働・資本の各平均生産力から、各要素所 の満たすべき条件は満たされているか確認 すること α α −
=
=
F
(
K
,
L
)
AK
L
1Y
K
Y
L
AK
MPK
=
α
α−1 1−α=
α
(
)
(
)
L
Y
L
AK
MPL
=
1
−
α
α −α=
1
−
α
3.4 財財財・サービス財・サービス・サービス・サービス需要需要の需要需要ののの決定要因決定要因決定要因決定要因 <消費> • 消費(C)は、可処分所得(所得Yか租税Tを引 いたもの)の関数である ⇒C=C(Y-T) =MPC×(Y-T) これを消費関数とよぶ • 可処分所得にかかる係数(MPC)を限界消費 性向とよぶ。もしこれが0.3ならば、可処分所 得が1単位増えたとき、消費が0.3単位増える
<投資> • 投資(I)は、企業の消費とみなすことができる • 投資財の需要量は、利子率に依存する ⇒ある投資計画から利潤を得るためには、 投資収益が投資費用(借入資金の支払い)を 上回る必要がある ⇒利子率が上昇すると投資費用が増え、投資 需要が減少 ※住宅投資でも同じ • また、自己資金で投資をする場合も、利子率 が高ければ、預金等で増やすほうがより多く 稼げるため、投資を控える傾向にある
<政府購入> • 政府の財・サービスの購入を行う=政府購入 • 他には、社会保障支出など家計への移転も • 家計への移転=負の租税 ⇒可処分所得を増やす • 租税-移転支払=T=政府購入(G) ⇒ 均衡予算 • 実際にはGとTは一致しない ⇒G>T:財政赤字、 G<T:財政黒字 ※しばらく政府購入と租税を外生とする ⇒両者とも一定とする
3.5 財財財財・サービス・サービス・サービス・サービス需給需給を需給需給ををを均衡均衡均衡均衡させるものさせるものさせるものさせるもの 3.4節の内容をまとめると ここで (ともに一定)、および (生産要素の量・産出量は一定) これらの式より、 ⇒この中でr(利子率)のみが未決定 ⇒利子率はどのようにして決まるのか? G + I(r) + ) T -Y C( = Y T T , G G= = Y = ) L , K F( = Y I(r) I , T) -C(Y C G, I C Y = + + = =
<金融市場の均衡> の左辺は(国民)貯蓄、右辺は投資 ⇒左辺の貯蓄(S)はさらに次のように書きなお せる 右辺第1項は民間貯蓄、第2項は公的貯蓄 図3-1より貯蓄は投資と一致しなくてはならない よって
I
G
-C
-Y
=
(
Y
-
T
-
C
)
(
)
S
=
+
T −
G
( )
r
I
=
= S
G
-)
T
-Y
C(
-Y
貯蓄・投資と利子率の関係 •この場合、財は貸付資金、価格は利子率 •貯蓄は投資家に貸すか、預金を経て貸出に使 われる •貯蓄と投資の交点で利子率は決まる 投資・貯蓄 実質利子率 望ましい投資 I(r) 貯蓄S 均衡 利子率 S 30
<財政政策の影響> •政府購入が増えると、財・サービス需要が増加 •生産要素、総生産量、可処分所得、消費は変 わらない •投資が減少しないと帳尻が合わない •その結果、均衡利子率は上昇する 投資・貯蓄 実質利子率 望ましい投資 I(r) 新たな 均衡 利子率 S1 S2 31
<投資需要の変化> •望ましい投資がI1からI2にシフトすると・・・ •貯蓄水準は固定されているので、投資量は変 わらない •その代わり均衡利子率は上昇する 投資・貯蓄 実質利子率 I1 新たな 均衡 利子率 S I2 32
練習問題2 消費および貯蓄も利子率に依存する場合はど うなるか?なお貯蓄関数は とする。 ただし、利子率が上昇すると貯蓄への報酬と借 入のコストが増えるので、消費は減少し、貯蓄 は増えるものとする。
( )
r S = S<財政政策の変化(政府購入の増加)> •政府支出が増えると国民貯蓄が減るので、S1からS2 にシフトする(同じ利子率でも貯蓄が減るから) •投資関数は変化しないので、貯蓄が不足する •均衡利子率が上昇し、それによって不足した貯蓄に 見合った投資量が実現→投資量は減少 投資・貯蓄 実質利子率 新たな 均衡 利子率 S2 I 34 S1
<投資需要の変化> •投資需要が増えると、同じ利子率でもより多くの投資 をするので、望ましい投資がI1からI2にシフト •貯蓄関数は変わらないので、同じ利子率では増えた 投資需要に対応できない •均衡利子率が上昇し、貯蓄は増加し、投資量はそれ に見合う量に調整される。 •結果として投資量は増える。 投資・貯蓄 実質利子率 I1 新たな 均衡 利子率 S I2 35