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大谷石を原料とした人工軽量骨材コンクリートに関する研究(第1報)

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(1)

1

論  文】 UDG :691

22 日本 建 築 学 会 構造 系論 文 報 告 集 第 377 号

昭和 62 年 7 月

原 料

し た

人 工

      

研 究

1

報 )

正 会 員 正 会 員

    毅

乃    謙

**  

1.

まえ がき   近 年

鉄 筋コ ン クリ

ト造 建 物の高 層 化の傾 向 が

段 と進み

そ れ に伴い コ ンクリ

トの軽 量 化が

層 重 視さ れ る ようになっ て き て い る

。一

般にコ ン ク リ

トの軽 量 化 を図る方 法 と しては  1) 骨 材 自体の軽 量 化 を 図る方 法   2 ) コ ン ク リ

ト中に多 量の空 気 泡 を 発 生ま たは連 行     する方 法  3) 1), 2) を併 用 する方 法 があ げら れ る

こ のう ち

骨材 自体の軽量化を 図 る方 法 と して は

,一

般にけつ岩や粘 土 を焼 成 膨 張さ せ た人工軽 量 骨 材が用い られてい る が

資 源 的にも豊 富な天 然 ゼ オ ライ トを原 料と する人 工 軽 量 骨 材の開 発 研 究が近 年, 中 国や 日本において進め ら れ て き ている1)

9)

  天 然ゼオライ トをコ ン ク リ

ト用 材 料 として活 用す る 方 法と し ては  

1

) 天 然ゼ オ ライトを多量に含む岩石を破 砕し, これ    を高 温 焼 成す ると

その過 程で発 生す る ガス を内封    する ことによ り軽量の焼 結 物を得ること ができ る

   これ は けつ岩や粘 土 を焼 成し て得ら れ る人工軽量骨    材 と類 似 し た もの であ り

軽量コ ンク リ

ト用 骨材    と して用い る ことが可 能 と考え ら れ る

 2 ) 天 然ゼ オ ライト は結晶格子格 中に水を多く含有す    る鉱 物であり, これを加 熱す るこ とに よ り含 有 水 分    が分 解

発 散し, その部分 が空 隙に置 換さ れ る性質    が ある

し た がっ てこ の特性を利用し て, まず粉末    状に し た天 然ゼ オ ライ トを500℃ 内外で加 熱 して    空 気を多量 に内 封し た組 成に してお き

次に この よ    う な状 態に し た ゼ オ ライ トをモ ル タル やコ ンク リ

    トの練り混ぜ時に混 入 すると

練り混ぜ水と接 触す    る ことに より本来のゼ オライ トの組 成に戻ろ う と す    る変化が生 じ

練り混ぜ水の

と ゼ オ ライ ト中の    空 気との換 作用 が生じ, 多量の空 気 泡がモ ル タル  論文 内 容の

部は日本 建築 学 会大会 梗 概 集

昭 和 58年9月

「天 然ゼ オ ライ トを 発 泡 源 と して用い た気 泡コ ンク リ

トにす る研 究」に発 表し た

  拿 明 治 大 学   教 授

工 博  # 国 清 華 副 教 授     {昭 和61年11月10日原 稿受 理 ) 表

1  大谷石の化 学 組 成 oo SiO2 職03re

0

債ρ 圓   ρ

1

脚  L部。ss 備   考 大 谷 石 聞

go12

55L 聞 L920

乾 2

田 2

35111

021 の ゼ オ ラ イ ト 研

911

0LO2

22

2L14U2  13

4 参 考文献9 け つ 岩 58

516

L6

45

22

44

10D

72  7

1 同     上 け つ 岩 61

516

14

4LOL61

963

7215

7 参 考文賦10 泥    岩 60

315

35

14

51

5L352

56  8」 同     上   コ ンク リ

ト中に生す る。 こ の現象を利 用 するこ   とによ り気 泡モ ルタ ま た は気 泡コ ンク リ

トを得る    こと が可 能で ある

 3> 天 然ゼ オラ イ トに は セ メ ン トの水 和 反 応に よっ て     生 成 する水 酸 化カル シウム と反 応して水 和 物を生 成   する性 質がある

こ の こと を利 用す れ ば セ メン ト助   材と しの用が考え られ る

 筆者ら は, 以 上の諸 特 性 を有 す る天 然 ゼ オライ トにつ い て

p

ンクリ

ト用 材 料 とし ての利 用に関 する研

穿

を進 めて きて い る

研 究は そ の

部をなすもの で 上記

3

用 途の う ち

1

)に あ げた構 造 用 軽 量コ ン クリ

ト骨材 と して の利 用の可 能 性 を把 握 する ため

天 然 ゼ オライ ト を多量 に含有する大谷石 (栃木県 宇 都 宮市 大 谷 町 産 )を 原料に用いて, 軽 量 骨 材 製 造 過 程における膨 張

焼 結機 構の基 礎 的 検 討 を行 うと ともに

試 作 し た軽 量 骨 材お よ び そ れ を 用いた軽 量コ ン クリ

トの強 度 特 性 等につ い て 実験検討し た結果 を ま と め た もの である。  な お, 本 研 究は日本および中 国におい て実 施さ れ た も の で, 大谷石の化 学 組 成 等につ い て は小 野 田セ メ ン ト   TGA                                             DTA   6

0       60   4

B     48

 

£

9

2 、2

e

 

 

T

筥一

2

   

 

、2R ZZ

2

4

・41

ll

 

       

_

60  

6

0      0  10D 200  3GO  400 50G  500  700 800  9001eee       温 度   〔℃}        図

1  大 谷石粉 末の熱分析結果

8

(2)

(株

1

お よび 清 華 大 学において, 大 谷 石の膨 張 機 構

骨 材 の製 造は清 華 大 学に おい て

骨材の物 性 お よ びコ ン ク リ

トの性 状につ いて は清 華 大 学お よ び明治大 学に お い て実 験検討さ れ た もの で あ る

 

2.

大谷石 の化学組成お よび 構 造  大 谷 石の 化 学 組お よ び構造につ いて

その析結 果 お よ び形態観察結果を 示 す と 以下の と お り で あ る

 2

1  化 学 組 成  本 実 験に いた 大谷 石の化 学 組 成に つ い て蛍 光

X

線分 析法 (粉 末ブリ ケ ッ ト法)に よ り求め た結果を示すと, 表

1の と お りで ある

そ れに よ る と近 藤9) よ る天 然 ゼオ ラ イ トの分析 結果と近似するで あると と もに 人 工 軽 量骨材の原料と して

般に用い ら れてい るけつ 岩や 泥岩の化学組 成とも比較的類似した化 学 組 成で ある とい え るy )

]o ) 。  

2.

2

熱 重量分 析 (TGA >および示 差 熱 分 析 (

DTA

>     結果  大谷 石の 粉 末 試 料 を 用い て行っ た熱 重 量 分析 結 果お よ び示差熱 分 析 結 果を示 すと図

1の と お りである

ま ず

示 差 熱分析結果をみ る と85

100℃ 内 外に おい て 自 由 水の 急 激な発 散に起 因する放 熱 現 象による と思わ れ る 化が み ら れ る。 また550

650

°

C に おいて ヒ

トフロ

に弛 緩がみ ら れ る が

これはゼオライ トの組 成 破 壊に よ る変 化を示し て い るもの と考え ら れ る

。一

方, 熱 重 量分 析に よる と

約800℃ で結 晶 水の放 出に起 因す る と 思わ れ る重量変 化がみ られ る

し か し

そ れ以 上の温 度 域にお け る 重 量 は ほ ぼ恒量値を示し 常 温 時か ら こ の状 態に達す る まで の重 量 減 少 率は 13% 程 度 とい え る

 2.

 X

線 回 折 結 果  大 谷 石粉 末 試 料 を用い て X 線回折 を行っ た結果を示す と

2の と お りである。 それ によ る と, 2

54

2.

 

74

2.

80,

 3

18

 3

41

 3

58

 3

99

 4

65

 5

15

 6

00

 6

80, 8

00お よ び 9

00A に近 接し た箇 所に回折 線が観 察さ れ た。 これ らの値はいずれもク リノプチロライ トの ピ

ク 写真

1

走 査 型 電子顕 微 鏡 に よ る 大谷石の断 面 写真 (8000倍 ) と符 号する もの であ るこ と か ら

この実 験に用いた大 谷 石は ク リ ノプチロ ライト系ゼ オ ライトを主 鉱 物と し た岩 石で ある といえ る

 2

4  形 態 観 察 結 果  走 査型電 子 顕微鏡を用い て大 谷 石の形 態 観 察 を行っ た 結果を 示す と 写真

1の と おり で

こ れ に よっ てもクリ ノプチロ ライ トが観 察で き る。

写 真

2は光 学 顕 微鏡に よ る大谷石の断 面の観察結果 を示し たもので

観 察 面の中に は ゼ オ ラ イ トの に長 石や石 英 も若 干 存 在す ること が 認 め ら れ る。  以 上の 分析 結果お よ び形態観 察 結 果より

試 料と して 用い た大 谷石の 主 鉱物は ク1丿 え る

ま た, アン モニ ウムイオン交 換 方 法に より求め た 大谷石

の ゼ オ ライ ト含有 量は

約60 %である こと が 判明 し た

 

3.

大 谷 石の膨 張機 構  

3.1

  発 泡 膨 張 機 構  けつ 岩や粘 土につ い て は

1100

1200℃ で加 熱する こ と に よ り発 泡 膨 張す ること は周 知の こ とで, これ らの 岩石類の膨張機 構につ い ては多くの研 究が なされてきて         2θ (Cu  Kα) 図

2 大 谷石粉 末の X線回折 結果 Ω: P :斜 長 石 F :長 石 写 真

2  光 学 顕 微 鏡によ る大 谷 石の         断面写真

9

(3)

い る10Lll)13) 。  これ に対し

大谷 石な ど天 然ゼ オ ライ トを 多 量に含む 岩石の発 泡機 構につ い て の研 究は少な い13 }

し か し

1に も示し た よ う に大 谷 石と けつ とは化 学 組 成の構 成 割合も比較的親似して お り

し た が っ て発 泡機 構 も類 似 し た もの で あ る と考え ら れ る。 す なわ ち, 大 谷 石の場 合において も

加 熱 することに より岩 石が適 当な粘 性 を もつ 状態に変 化し

その 際に内 部に発 生 し た ガス は融 化 し た岩 石 表 面で逸 散す ること を阻 止さ れ 内封され る た め に岩 石 全 体が発 泡 膨 張 するもの と考え ら れ る

 Riley

亅4}

つ岩および

土の化 学 組 成につ い て 分 析 調査 を行っ た結 果

SiOz

  Al

O

,, お よ び融 剤 成分

CaO ,

  MgO

 FeO

 Fe20s

 Na20

, 

K20

)量にっ い て良 好な発 泡 を生 ずる溶 融 状 態 を 示す範 囲は

一3

に 点線で示 す 範 囲であ るこ と を報 告してい る

今 回の 験 に用い た大谷 石の化 学 組を み る と

1にも示し た よ う に

sio2

66.96

 

Al20

12.55

% お よ び融剤 成 分 :

9.

46

% で あ り

こ れ を 図

一3

に 示 す と 良 好 な 発 泡を示す点線の範 囲に入 る化 学 組 成であ る とい え る

 以 上の考察か ら大谷 石 に おいて も

けつや粘土 と 同 様にす ることによ り発 泡 膨 張す る性 質を有する rm   麟

驟製 轤 擘 欝   懿

織 競擁

鷲 靆磁 :巨麟1黷 義澱 黔 舞

騨1糞

懿ご編 ;羅

F

雛窰羅窒雌讃 蒹鳶鸞 羹蠶罅藪

講 憩

1

鰍 讐髦

覇 羈

1

1

欝灘

i

写真

3  高温 顕微 鏡に よる大 谷 石の加 熱 温度と体 積 変 化の関 係

鰹雛

1

ll

3 撒       さeお

1

iili

3 鉱物を 加 熱 す るこ と に よ り良好 な 発 泡 が生 ずる 化 学 組成       範 囲 と大 谷 石の化 学 組 成の比 較 こと が 推定さ れ る が

これ を実証 す る た め以下の実 験 を 行っ た。 す な わ ち, 直径 30mm , 高さ30 mm の円柱形 に切 断し た大谷 石 試料を徐々に加熱し

加 熱温度と試 料 の体 積 変化の係 を 高 温 顕 微 鏡で観 察 し た

結 果は写真

一3

に示す と お りであ る

そ れに よ る と, 加熱温度が

600

で は試料の体 積 変化は ほ と んど見ら れ ない が

,700〜800

℃ に な る と ゼ オ ラ イ トの構 造が破 壊され る た め, 試料の体積収 縮が見ら れる (写真

3(

b

))

こ の体 積 収 縮は

1150

°

C

前 後ま で進 行 し

収 縮 量は約20 % 内 外と な る (写真

3(c))

しか し, 加 熱温度 をさ ら にめる と次第に膨 張現象が み ら れ る よ うに な り

1265

℃ 内 外にい て試 料の溶 融が急 激に進み 試 料 体 表

2 岩 石の化 学 組と加熱時に発生する      ガスとの対 照      

lOO      1270          1190       加   熱   温   度 {℃ ) 図

4 ガスクロマ トグ ラフに よ る大 谷石 破 砕 物の加 熱温度と発       散 成分

一 10 一

(4)

    100    500    工OOO  1100     1300        1500       加 熱 温 度 (℃ ) 図

5 ガス クロ ト グラ フ に よ る大 谷 石 粉 末 試 料の加 熱 温 度と      発散成 分 積の膨 張 速 度も増 大す る。 こ の場 合

試 料の形は次 第に 球 状を 呈 す る よ うに変化 す る が

これ は 試料 内部に発 生 す る ガス の 圧力と試 料の融 軟 化によ る表層 部の溶融 の粘 性と が平 衡状態を保ち

かつ

融 化し た料表面 の 表 面 張力の 作 用に より

次 第に球 状に変 化 し たものと 考え ら れ る (写真

一3

f

))。 こ の状態 に お け る体 積 膨 張 は加熱開始時の

2,

4

倍を示す。 さ ら に加熱温度を高め て い く と使 積 膨 張も進 行 し 1400℃ 前 後に おい て膨 張が 最 大と なり

そ の時の膨 張 率は約4

5倍 を示 す。 しか し

そ れ以上の温 度 域におい ては試 料の溶 融が進みすぎ粘 性 が低 下する た め 発 生するガスが逸 散し 再び体 積 収縮 を示 す 方 向に転じ

1520℃ で溶 融

液 化 する

  以上の高 温 顕 微 鏡に よ る観 察 結 果か ら

大 谷 石 を加 熱 する ことに より

発 泡 膨 張が良 好な状 態で進 行 する ため の適 正な粘性 を有 する表 層 部の溶 融 状 態 を得る温 度は

1200

1350℃ の範 囲にあるもの と考え ら れる

 3

2 膨 張 源ガス につ い て   近 藤 らの研 究9 )に よる と

ゼオライ トの発 泡 時の粘 性 はお よそ 10B

9ポ イズ で, これを 膨 張 させ るの に必 要 な 内部の ガス の圧 力は 5

 20 

kg

cmZ で ある こ と が 告さ れ ている

大 谷 石についても発 泡 機 構が同 様である ことか らこれ らの特 性につ い て は

それぞれ の特 性 値 範 囲 内の値 を示すもの と考え られ る

し か し 大 谷 石 を 加 熱 させ た場 合に発 生 するガス の種 類につ い て は必 ずしも 明 確には さ れて いない

岩 石を加 熱して発 生 する ガス の 種 類につ い て

爾 見1°)

吉 岡m ら の研 究を総 合し化 学 組 成 と発 生ガス との対 照 を 示 す と表

2の よ うになる。 本 研 究では大 谷 石を加 熱し た場 合に発生 す る ガス の種 類を 解 明 す る た めに筆者の 設 計に よ る 微 小 型密 封 高温電 気 炉 にガス クロ マ ト グ ラフを連 接 し て

試料大 谷 石の膨 張ガ スを 測 定し た

その結 果は 図

4お よび

5

に示す と お り で あ る

こ の実 験で は常温か ら 1500

°

C

まで温 度 上 昇 さ せた場 合に発生 する ガス の 種 類を検 討 し た もの で ある が,

1200− 1350

℃ の範 囲に おいて発 生す るガスは ほ と ん ど が水蒸 気で

こ の他に若 干の CO ,も検 知さ れ た。 こ の結 果は 近 藤 ら13 〕の研 究 結 果 と も

部 合 致 するもの である

 4

大 谷 石 軽 量 骨 材の性 質  4

1 骨 材の内 部 構 造   写 真

一4

大 谷 石

けつ

粘 土石 炭 灰 を原 料と し た軽量骨 材の断 面を走 査 型 電 子 顕 微 鏡を用い て撮 影し たもの であ る。 それによる と

けつ 岩

粘 土, 石 炭 灰を原料に用い た軽 量 骨 材の 内部 空 隙には

連 続 したも のが多く見られ 特に石 炭 灰 軽 量 骨材で は そ の傾 向 著であ る。 こ のよ うな連 続 した空 隙が多く存 在す る軽 量 骨材に おい ては

表 面か ら吸 水し た水が連 続 空 隙 を通し て骨 材 内 部にまで浸 透しや すい傾 向にある こと が うかが え る。 した がっ て 骨 材 表 面のガラス質 化し た層の緻 密 さの程 度が同等で あれ ば

連 続 空 隙 を 多く有す る骨 材に お ける吸 水量は

相 対 的に大き く な る こ と が予想され る

これに対し

大 谷 石 を原 料に用いた軽 量 骨 材は, 他の

3

1

・・

li

i

 ζ

\ 石炭灰軽口骨 材   罅 〕 o   邑

■ 6

   石 炭灰軽鄙 「材 ‘日本耐

 

∠ ;

一 一 ・

〆 °

    膨 張けつ岩 {亅躙 /      

_ 一

_ .

_ ,

 丶H

彊け つ岩(目本勘   大谷石 略 材 c虞 D        \ ・ 0 1  2 3E

゜ N {、

 

ユ5 図

6  各 種 軽 量 粗 骨 材の経 時吸水 率 20         24 写真

4 各 種 軽 量 骨 材の断 面の拡大写 真 (150倍 )

一 11 一

(5)

種 類の軽量骨材と 比較 して独 立し た空隙が多く

そ の た め 吸水量 も少な く な ること が

連の骨 材 断 面の形態観 察 結 果か ら予 想さ れ る

 4

2 骨 材の吸水性状  図

6は

4

1の 検 討に用い た4種 類の軽量骨 材お よ び参 考と し て 日本産の人工軽量骨 材の経 時 吸 水 率を示 し たもの で ある

そ れに よ る と

骨材内部の空 隙に連 続 し た ものが 多い石炭灰

粘土

けつ 原 料に用い た軽 量 骨材で は高 L

i

吸水率を示し

,特

に表 層 部のガラ ス質 化が 不 十 分な 石炭灰軽量骨材に おい て は格 段に高い 吸 水 率 を 示し てい る

これに対し

大 谷 石 軽量骨

におい て は相 対的に み て他の軽 量 骨 材に比 較して吸 水 率は極めて小さ く

しか も短時間で ほ ぼ定 常 値に達す る性 質が み られ た

 一

般 にプレ ソ

キング が不 十 分な軽 量 骨 材

を用い

た コ ンク リ

トでは運 搬

打ち込み時 間 内に スラン低 下が 生じ や す く

コ ン クリ

ト打 設に支 障 をき たすこ と も あ 200 180 160 140

・2・

・。 ・

 

80 60 4020 mm

 

位 単

P

 

O 卜       OOH

0   0       1         2        3       4        圧密変化量 (面) 図

7 各 種 軽量粗骨材の圧 密 変 化 量と 圧縮強度の関 係 今 回 の 実 験 結 果 500 400 003 GO2 宥 \

3

蝗 田 100       膨張けつ岩 (日本産1

プ 「

         

孅 癬 鍛   0        7日                    認 日       材   令 図

B  各 種 軽量骨 材を用いたコ ン クリ

トの圧縮 強 度の比 較

12

3 コ ンク リ

ト実 験に用い た軽量 骨材の性 質 細

粗 の 別 骨 材 種 顯 比 壷 絶 乾

{熔

材の大 き      缶ゴ 2〕 さの範 囲  〔  ) 黼 辮 (% )

24時 間 吸水 率 (% ) 齶

      L

膨張 けつ (非造粒 ご北京産) 1

器 0

7正 20

513

7

2

    F

   

  [      1 膨張粘土 (造 粒

北京産) 1

05o

〔2 叡}

5

 」

 

 i   T

−一

1

・・

一.

    1

3   1

6

粗骨 材 大谷 石軽量骨材 〔非造粒

賦 作品 ) LO50

62 加

5

膨張けつ岩 (造粒

日本 産 ) L230

8215

5  2

815

3

携 嫩 且5 参 考   」 石炭灰軽量骨材 〔造粒

日本 産 〕 L鼬       1       1      旨 蜥

15

5  4

2 8 鷁燃 且6 大谷石軽量粗骨材を破 砕したもの(試作品11

250

70  1      E5

7

19

1 細骨材 参 考 膨張け

岩 (造粒

日本産 11

θDL145

7

4h5

8 携螺 15 表

4 試 料コ ン ク リ

トの調 合比お よ び単 位 容 積 重量

粗骨材種顛 W/C (%) 目標ス ラ ンプ {ω 単

1

 

i

単{

騙 琴

i

癩 膨温けつ岩 弱 1册 1弱

2  1

001

ooI1

蹴  1

田 〕ヨ1

妍        L 膨張粘土 徊 3±1 ・6騒1“

Lo・ 1

00 ・鮨 ll

5筋

1

42・ 大谷石 軽量 覗 16野 

4 1

oo1

00L   1

518!1

400 る が,大谷 石を原料と し て焼 成し た人工軽 量 骨 材 (以 下, 大 谷石軽 量骨材という)の よ うに吸 水 率が小さ く

かつ 定常値に達す る時間 が短くて よい 骨 材は

コ ン ク リ

ト 用 骨材と し て極め て良好な性質を有してい るといえる

 4

3 骨材強さ

 

大谷石

けつ 岩, 粘 土

原 料と した 3種 類の軽 量骨材 お よ び参 考と して 日本産 人工軽量 骨材につ い て,

BS

812 (Mechanical properties

 aggregate  values  

fQr

 

im.

pact crushing  10 per cent  

fines

 abrasion  and  polished stone )法 を 準 用し て骨 材の圧 密 変 形量 と 圧縮強 度の 係を求め た。 結 果は図

7に示 す と おりである

そ れに よ る と

大 谷 石 軽量骨 材は膨 張けつ や膨 張 粘 土 骨 材に 比べ

荷 重に対す る圧 密 変 形 量が少な く, こ の ことか ら 骨材強度も

3

種類の軽量骨 材のな かで は最 も高い とい え る

こ の よ うに谷 石 軽 量 骨 材が高い強 度 を示す理 由 と し て は この骨 材に おい ては内 部に独 立 し た空 隙が多 い こと, 表 面の ガラス質部分 が緻 密で

かつ 硬 質であ る こと などがあ げら れ る

 こ の実 験で は骨 材の含 水状態 を気乾状態に し た場合と 飽 水 状 態に し た場 合につ い て検 討 を行っ た が, 飽 水 状 態 の骨材に おい て は気 乾 状 態の骨 材に比 較して 20

30% の強 度 低下 を 示 し た

砂 利, 砕 石 な どの普 通 骨 材におい て は 吸 水 率 が 低い こと か ら通常の場合

骨 材 強 度に及ぼ す含 水 率の影 響は少ないといえ る

本実験でみ ら れ る よ うに含 水 率と骨 材 強 度の関 係が顕 著に み られ る の は

(6)

・    呶 騨爨轆 賊 写 真

S 各種軽量骨材を用いたコ ン クリ

トの骨 材とモ ル タル分の界面の拡 大写真 (300倍) 牧 骨 材の特 性といえる

コ ン ク リ

トの圧 縮 強 度 試 験に 用い ら れ る供 試 体の養 生 方 法とし て は

般に標 準 養 生 (20±3℃ 水 中 )が採 用 され ることが多いが, こ の よ う な方 法 を用い た場 合は

軽 量コ ク リ

トに おい て は見 掛上の骨 材 強 度が相 当量低 下す る性 質が ある ことか ら

気 乾 状 態 に あるコ ンクリ

トに対 する見 掛 上の強 度 低 下 は

普 通コ ンク リ

ト より大きい こと が予 想さ れ る

そ の た め

コ ン ク リ

ト構 造 物などに用い ら れ る構 造 体コ ンク リ

トの強 度 管 理を標 準 養 生 供 試 体 また は現 場 水 中 養 生 供 試 体を用い て行 う場 合は

軽 量コ クリ

トでは 普 通コ ン クリ

トに比べ , 安 全 側で管 理がな さ れ る こと に な るとい え る。  

5.

大 谷 石 軽 量 骨 材 を用い たコ ンクリ

トの性 質   大 谷 石の化 学 組 成

発 泡 機 構お よ び焼 成 膨 張さ せ た骨 材につ いて基 礎 的 検 討 を行っ た結 果

コ ン ク リ

ト用 骨 材と しての適性を有す る見 通し が得ら れ たこと から

そ れ を

証す る た め

すで に実 用 化さ れて い る膨 張けつ お よ び膨 張粘土を用い たコ ンク リ

トと比 較 検 討 を行っ た。  5

1 使 用 材 料   骨 材は

3に示す ように

市 販 軽 量 粗 骨 材2種 類

試作 大谷 石軽量粗骨材お よ び大 谷 石 軽 量 細 骨 材 を用い た。 こ れ ら骨 材の

般 物 性は同 表に示す とお り である

ま た

セ メ ン トは中 国 河 北 省 宣 化 地 区 産の普 通 ボル トラ ン ド セ メン トで 中国 国 家 規 格

GB −

175

77 (Normal

Partland

 

Cement,

 

Pozzolanic

 Cement

 Portland Blast

Furnace

 

Slag

 

Cement

規 定 す る 強 度 区 分425

kg

/cmZ の もの を用い た

 5

2 コ ン ク リ

トの調 合

成 形

養生 方 法  表

4に示す よ うに 種 類な る

3

種 類の 試 料コン ク リ

トを作 製し た

各コ ンク リ

トの調 合は, 相 互の強 度 比 較が しや すい よ うに単 位セ メ ン ト量

単 位 水量お よ び水セ メン ト比を

定と し た

供 試 体は

辺 が 10cm の鉄 製 型 枠 を 用い て成 形 し, 湿潤 状 態で 24時間 養 生し た のち脱 型 し

そ の後

試 験 材 令まで標 準 養 生 を 行っ た

 

5.

3

 

実験結果 概 要   粗 骨 材に大谷 石 軽量骨 材を用いたコ ン ク リ

トの絶 乾 時 単 位 容 積 重 量は

4に示 す よ うに 1400kg /m3 で

3種 類の試 料コ ンク リ

トの 中で は最 も 小さい値であっ た

しか し

骨材比 重のや や 高い膨張けつ い た コ ン ク リ

トに おいて も

1

 457 

kg

m3 で あ り

その は極 めて小さいといえ る。  図

8は

材 令 7月お よ び28 日 にお け る3種 類の軽 量 コンク リ

トの圧縮 強 度を比 較 し たもの で あ る。 そ れ に よ る と

膨 張けつ 岩膨 張粘土いたコ ンク リ

ト の材 令28 日圧縮 強 度が278 お よ び253kg/cmz を示し た の にし大 谷 石 軽 量 骨 材 を用い たコ ン クリ

トで は 375

kg

cm2 を示し

,30−

40% も の高い値で あっ た

こ の よ うに大 谷 石 軽量骨 材を用いたコ ン クリ

トに おい て高い

強 度が得ら れ た理 由と して は

前 項で述べ たよ うに骨 材 自体の強 度が高いこ と

写真

一5

に示すコ ンク リ

ト断 面の拡 大 写真に見ら れ る よ うに膨張けつ 膨 張 粘土 を 用い たコ ンク リ

トで は

ス トと骨 材の 界 面に ク ラッ ク が観察さ れ る と と も にコ ンク リ

ト断 面に もク ラックの ら れ る もの も あっ た

これに対 し大谷 石 軽量 骨材を用い たコ ンク リ

トにおい て は その ような クラッ ク は見ら れず

コ ンク リ

ト組成の

体性が良好であ る こ と が

高い強 度 発 現に寄 与して いる もの と考えられる

こ の よ う に大 谷 石 軽量骨 材を用い たコ ン クリ

トにおい て 骨材とペ

ス トの

体性が良 好で あ る 理由と して は大 谷 石 中に含ま れ る ゼ オ ラ イ トがセ メ ン トの 水 和 反 応に よっ て生 成する水 酸 化カルシ ウム と反 応して硬 化 体を生 成す る性 質 を有す ること も

つ の理由と し て考え ら れ る

ま た

今回の実験に用い た 膨 張 けつ 岩 お よ び 膨張 粘 土骨材が北 京市の工場に おい て量産体制の も とにさ れ て い る もの である の に対し, 大 谷石軽 量骨材は清 華 大 学の実 験 用 キル ンで焼 成し た試 作骨材で あ り

慎 重に焼 成さ れた こと も高い コ ン ク リ

ト強 度が得ら れ た理 由の

と しえ ら れ る 。  な お

こ の大谷 石軽量 骨材を 用い た コン ク リ

トを日 本 産 人工軽量 骨材を 用い たコ ン ク リ

トと 比 較 す る と

一 13 一

(7)

一8

に み ら れ る よ うに同 等 もし くは若 干 低い強 度を示 し ているが

供試体の形状等を考慮する と

日本 産 人工 軽量骨材を用い たコ ンクリ

トよりもやや低い強度を示 すもの と考え ら れ る。  

6

結   論   大谷石お よ び大谷 石 を焼 成 膨 張 させ た軽 量 骨 材な ら び にそ れ を用いたコンク リ

トにつ い て基 礎 的 検 討 を行っ た結 果 をま と め る と

大要 以 下の よ うに な る

 

1

) 今 回の実 験に用いた大 谷 石は

,X

線 回 折

顕 微 鏡 観 察な ど に よ り ク リ ノプチロ ライ ト系ゼ オ ライ トを約 60%含有す る岩石であ るこ と を明らかに し た。  2) こ の 大 谷 石を破 砕 して

1200

1350 ℃ で加 熱 す ることによ り軟 化す る と と も に表層 部が溶 融 化し

内 部に発 生す るガス に よっ て球 状に膨張し

絶 乾 比重 1

05

程 度の良 好な軽 量 骨 材を得ること がで き る。  

3

) 大 谷 石 軽量骨材は表層 部の ガ ラス質が緻 密で, し か も骨材中の空 隙が独 立 し た ものが多い こと か ら

けつ 岩 や 粘 土 を原 料と し た軽 量 骨 材に比 較して吸 水 率が小さ く

かつ 骨 材 自体強 度 も高い特 性を有 する。  4 ) 大 谷 石 軽 量 骨材を用い たコ ン クリ

トは

骨 材と ペ

ス トの界 面 付 着が良 好であること な どか ら

膨 張け つ 岩 や 膨 張 粘 土を用いたコ ンクリ

トに比 較して高い圧 縮 強 度がみ られ

参 考に示し た 日本 産 人工軽 量 骨 材を用 い た コ ン ク リ

トと比 較 し て も

ほ ぼ近 似 し た強 度を示 して いること か ら

強度特性に おい ても す ぐ れて いる と いえる。  5) 大 谷石を は じ め天 然ゼオライ トを 含む岩 石は

日 本におい て は極めてい地 域に分 布してお り

ま た

中 国におい て も多くの地域に存在し て い る こと

か ら

そ の 有 効 利 用の検 討は有 意 義なこ と と考えられ る。 本 報 告で は構 造 用 軽 量コ ン ク リ

ト骨材と して の利 用の可 能 性に つ い て検 討し たが

中 国に お け る市 販人 工軽量骨 材と 比 較して同 等 以上の性 能を有 し

かつ

日本 産 人軽 量 骨 材と比 較して も近 似 し た性 能を有す る骨材であ ること を 明らかに し た。この よ う なこ と か ら

大 谷 石をコ ンク リ

ト用 軽 量 骨 材 資 源と して活 用す るこ と は

有 効な利 用の

つ と考え ら れ る

  謝  辞  本研究の実 施に当た り ま し て は 清 華 大 学 郭王順 氏

王 瑞 氏

明 治 大 学 菊 池 雅 史 氏

清 水 建 設株 式 会 社江原恭 二氏

小 野 田セメ ン ト株 式 会 社 内 川 浩 氏

宇 智田俊

郎 氏に多大の ご協力 を頂き ま し た

こ こ にその こと を 記

14

厚く謝 意を表 し ま す。  参考文献

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トの     性 質に関す る検 討 〔その 1}

日本建築 学 会 犬 会梗 概集

    昭 和61

8     

16>  向 井  毅ほ か :石炭 灰 系 軽 量 骨 材を用い たコ ン ク リ

ト     の基 礎 的 性質に関す る検討 (そ の 1)

日本 建 築 学 会 大会     梗 概集

昭和61

8

(8)

SYNOPSIS

UDC:691.22

'

THE

PROPERTIES

OF

ARTIFICIAL

LIGHTWEIGHT

AGGREGATE

AND

CONCRETE

WITH

EXPANDED

ZEOLITE

ROCK

by Dr.TAKESHI MUKAI, Piofessor, Meiji Univ, and

FENG NAI-orAN,AssociateProfessor of TsinghuaUniv.

,

Members of A.I.J.

'

This

paper presentsthe research en the expanding characteristic of zeoiite rock

(Ohya-Roek)

and the

fun-demental

propertiesof aggregate and concrete with expanded zeolite rock as a structural lightweightconcrete.

We

received a

few

beneficial

conclusions inthisinvestigation.

(

1

)

We

could produce a new type of artificial

lighweight

aggregate that

is

made of zeolite

'rock

crushed and

fired

at about 12soOC,

(2)

This

artificial lightweightaggregate has many poresthat are not connected to each other.

Therefore,

.this

aggregate

has

a

higher

compressive strength than theother artificial

lightweight

aggregates,

.and

the

water absorptien

is

not as

high

as

in

theother aggregates.

(

3

)

The compressive strength

6f

theconcrete mixed with expanded zeolite aggregate

is

higher

than the other

concretes compoced of expanded clay aggregate and expanded slate aggregate.

From

the above results, we can conclude thatthe expanded zeolite aggregate isthe most qualitifiedas a structural

lightweight

concrete aggregate.

'

参照

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