大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター http://www.wilmina.ac.jp/ojc/edu/ttc/ 〈英語教育リレー随想〉第 116 号 1 この4月より大阪女学院大学で勤務させていただいている。学習意欲が旺盛な大学生・短大生 と日々接する中で、たくさんのエネルギーをもらっている。彼女たちを見ていて、ふと、30年 以上も前の就職活動のことを思い出した。 当時は「英文科を卒業するのだから英語が使える仕事がしたい」という強い思いはあったものの、 具体的な目標がないまま、ありとあらゆる職種の採用試験を受けた。有難いことに一般企業と私 立の女子高の内定を頂き、私は揺れた。企業でも高校でも英語を生かすことができる。どちらも 魅力的だった。自分に向いている方を選べばよいと思うのだが、判断がつかなかった。そこで、 ゼミの先生に相談に伺った。すると先生はこうおっしゃった。 「英語の先生がいいですよ。あなたは人間を育てることができるんですよ。人の成長を見ること ができる素晴らしい職業だと思います」 私はその言葉に背中を押され、英語教員に傾いた。そして最終決定の前にもう一度、その私立 高校の様子を見てみることにして、高校の斜め前にあった小さな喫茶店に入った。ちょうど放課 後の時間で、5,6人の女子高生が入ってきた。すると店内は一気に雰囲気が華やぎ、賑やかに なった。彼女たちは周りを気にすることもなく、学校のこと、おそらく先生のことなどを楽しそ うに話していた。今思うと、そんな振る舞いはごく当たり前のことなのだが、私はすっかり気後 れしてしまった。ほんの 3 つか4つしか違わない彼女たちを「育てる」ことなど、到底できない と感じたのである。 振り返ってみれば、それは「逃げ」だった。しかし、私の選択は正解だったのではないかと思 う。教職課程は履修していたものの、「先生になりたい」という情熱は十分ではなかったからで ある。あのとき感じた戸惑いは、その表れだったのだろう。 企業で社会経験を積み、様々な出会いや学びを経て、英語を教える道を歩むことになった。あ のときアドバイスをくださったゼミの恩師に報告したところ、とても喜んでくださったことを覚 えている。 教育とは教え、育てることであるが、同時に私も真摯に学ぶ人たちから教えられ、教員として もっと成長するよう、育てられていると感じている。恩師があの時おっしゃった言葉を胸にこれ からも精進していきたい。
DSpace at My University: 英語教育リレー随想 116号 (2019.11) 22歳の決断
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