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Ddioctyfluorene-bithiophene(F8T2)/[6,6]-Phenyl C71 butyric acid methyl ester [PC71BM] {PCBM} 混合層を用いた有機薄膜太陽電池の作製とその評価

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Academic year: 2021

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愛総研・研究報告 第 13号 2011年

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Abstract In this study, the organic thin-film solar cells prepared by different fullerene derivatives prepared suggest next points. In p type semiconductor of large band gap occur a high open-circuit voltage. The difference between HOMO as p semiconductor and LUMO as n semiconductor is related closely to the open四circuitvoltage. Next, the effects of the short-circuit currents of different

fullerene derivative were observed. PC71BM showed a high short-circuit current than PC6IBM. This indicates that the absorption wave length area ofPC71BM is broader than the PC60BM. Itis important to combine from the above-mentioned point with other p type semiconductors because PC71BM is excellent in respect of the short-circuit current improvement and to aim at a further efficiency gain 1.緒言 現在、最も重要視すべき問題のーっとして、エネルギー の枯渇問題が挙げられる。これは、従来の発電システムが 石油、石炭等の資源を元に発電してきたため、存在する資 源の残量が減少し枯渇へと向かっているためである。ま た、火力発電や原子力発電では発電した上で二酸化炭素や 放射性廃棄物が発生するため、地球温暖化や環境汚染など の環境問題へと繋がる。 そこで、環境問題や化石燃料の枯渇化に対して自然エネ ルギーを用いた発電方式が期待されている。その中でも最 も注目を集めているのが太陽電池である。それは、常に光 エネルギーを照射し続けている太陽光を、電気エネルギー に変換できる装置だからである。しかも、発電する上で環 境問題に繋がるような廃棄物を排出しないため、環境にも やさしい発電方式である。しかし、一般家庭に普及しつつ ある薄膜シリコン太陽電池ですら、 4 0円/kWhであり、 電力会社から購入している電力価格 7円/kWh に比し非 常に高価であるため、低コスト化が重要な課題である。故 に太陽電池の低価格化の様々な研究がおこなわれている。 最近では、有機半導体材料を用いた有機薄膜太陽電池が 低コスト化を実現できる太陽電池として注目されている。 それは、従来の無機太陽電池とは異なり易作製であるた め、低コスト化が可能だからである。また、有機物 愛 知 工 業 大 学 工 学 部 電 気 学 科 ( 豊 田 市 ) 質特有の軽量化、フレキシブル、三次元配置といった点で も優れている。この有機薄膜太陽電池が実用化されれば、 衣服に張ったり持ち運びができたりと活用できる場所が 非常に広範囲となる。そういった面でもこの有機薄膜太陽 電池へ注目が集まっている。 1-1.有機薄膜太陽電池 太陽光発電のさらなる普及のためには、素子の低コス ト化が不可欠であり、その実現に向けた各種新型太陽電 池の実用化の可能性が論じられている。その有力候補に、 プラスチックなどのフレキシブノレ基板を用いて印刷製造 プロセスを導入する方法がある。この方法を用いること で太陽電池の低コスト化を実現できるといわれており、 ここ数年間で、急速に研究、開発が進展している問。 現在普及している薄膜シリコン太陽電池は半導体とし ての機能に基づく個体型の太陽電池であるが、有機材料 でもこれらの半導体的性質を示すものが多く知られてい る。こうした有機半導体をシリコンなどの無機半導体の 代わりに用いることで、低コストでフィルムタイプの太 陽電池の開発が行われてきた。当初は、 P 型有機半導体 を仕事関数の異なる金属電極ではさんだ構造のショット キー接合型有機薄膜太陽電池が主流であった。しかし、 エネルギー変換効率がなかなか向上しないため、研究開 発の停滞が続いていた。そこで、解決の糸口となったの が有機 EL素子の研究開発、そして実用化された事であ る。この有機 ELと同様な手法を有機薄膜太陽電池に適用 した事で、PNヘテロ接合型太陽電池が試作されてエネル ギ一変換効率は1%程度まで向上した。また、材料開発の 13

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14 愛知工業大学総合技術研究所研究報告,第 13号, 2011年 面では、サッカーボーノレ型分子として脚光を浴びたフラ ーレン(C60)が大量合成されるようになって研究が進み、 優れた N 型有機半導体として機能することが明らかにさ れた。 有機薄膜太陽電池の研究開発に現在のような隆盛をも たらすことになったきっかけは、バルクヘテロ接合の形 成という、有機材料ならではのアイディアに因るところ が大きい 4)。そして、材料面では導電性高分子でもある 可溶性共役高分子の普及も大きく貢献している。この共 役高分子とフラーレン誘導体の材料を用いたバルクヘテ ロ接合の太陽電池を作製することでエネノレギ一変換効率 の向上が進展した。現在における有機薄膜太陽電池のエ ネルギ一変換効率としては、 5%達成の報告がされるに至 っている 5-6)。 1-2. 本研究の呂的 従来のシリコン太陽電池では作製コストが高い等の理 由で、広範囲に普及されていない。本研究では、この作製 コストの面で非常に有利である有機薄膜太陽電池を作製 し、その高効率化を目指し、二つの目的を持って行う。 一つ目が開放電圧の向上である。特に、開放電圧は材料 に強く依存し、P型材料のHOMO準位とN型材料のLUMO 準位の差に関係する。そのためHOMO準位とLUMO準位 の差が広くなる材料を選択し、開放電圧の向上を図る。 二つ目は、短絡電流の向上である。短絡電流についても 材料依存が強く、如何に光を電流に変えるかがポイントで ある。ここで、研究題目でもあるように、異なるフラーレ ン誘導体を用いて光の吸収波長領域を広くすることで、発一 生する励起子を増加させ短絡電流の向上を図る。 以上、電圧、電流の向上を図り太陽電池性能の向上を図 る。 2. 異なるフラーレン誘導体を活性層に用いた有機薄膜太 陽電池の性能評価 太陽電池の特性のひとつである開放電圧は、 p型半導体 の HOMOとn型半導体の LOMOに関係する。バンドギャ ップが高い材料である F8T2を使い太陽電池の研究を行っ た。また、 N型半導体は、 C60に側鎖を導入した PC6IBM と C70 に側鎖を導入した PC7IBMの 2種類の半導体を用 い比較を行った。 2-1 F8T2/PCBiIfを活性濯に用いた薄膜評価 図1に薄膜測定用の素子のイメージを示す。また、活性 層作製までのフローチャートを表1に示す。 表 1 表面観察までのフローチャート Glass substrate 図 l 薄膜評価用の活性層 最初に透明電極である ITO基板を用意し、不用な場所を 落とすために塩酸雰囲気化で、エッチングを行った。次に、 エッチングが終了した基板を取り出し、界面活性剤、純粋、 エタノーノレ、アセトンの順で基板洗浄した。その後、オゾ ンクリーナーにより、 ITO表面を親水化した。次に、親水 処理した ITO基板に水溶性の PEDOTIPSSを 1500rpm、30 秒でスピンコートにより成膜した。次に、成膜した PEDOTIPSSをオーブンで 1200C、10minで乾燥処理を行っ た。最後に、 F8T2IPCBMの活性層の PCBM濃度依存性を 得るため、次に示す 8種類の膜を製膜した。その作製条件 を以下に示す。 F8T2:PC6IBM 1:1 (12mg:12mg) F8T2:PC6IBM 1:1.5 (9.6mg:14Amg) F8T2:PC6IBM 1・2(8mg:16mg) F8T2・PC6IBM 1:2.5 (6.9mg:17.1mg) F8T2:PC7IBM 1: 1 (12mg: 12mg) F8T2:PC7IBM 1:1.5 (9.6mg:14Amg) F8T2:PC7IBM 1:2 (8mg:16mg) F8T2:PC7IBM 1:2.5 (6.9mg:17.1mg) これら 8種類の溶質を 1ccのかジクロロベンゼンに溶か した溶液を 1500rpm、30秒でスピンコートし、窒素雰囲気 化において 30分間乾燥処理を行った。そして乾燥処理後、 活性層にアルミニウム蒸着し素子とした。ここで、表 2に 活性層の成膜条件をまとめる。 表 2 活性層の成膜条件 4 1対1 1対2.5 5

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1対1 1対2.5 作製した素子を原子間力顕微鏡(AF問、 X線回折装置、 可視・紫外分光光度計により表面形状、相形態を評価した。 2-2. X綜回折装置による相形態評価 X線回折装置では、相形態を見ることができる。図2に 以下の試料のX線回折装置による特性を示した。 F8T2IPC6IBM(1・1) F8T2IPC6IBM(l:1.5) F8T2IPC6IBM(1:2) F8T2IPC6IBM(1:2.5) 図2から F8T2IPC6IBM複合膜は PCBMを変化しでも回折 ピークが存在しないことが分かる。このことから

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Ddioctylfluorene-bithiopheneσ8T2)/ [6,6]-Phenyl C71 butyric acid methyl ester[pC7IBM] {PCBM}混合層を用いた有機薄膜太陽電池の作製とその評価 15 Z(kcps} 制銀事冨 j R J 2 1 [ ) ん 州 吋 LttJ U 1 5 f l L 江 M じ O B け叫1J p i 哨 叫 U N ぺ f H 止 X E i -T I V べ l M 川 川 E J け 6 K W F Z C B T P 1 S E E P 勺 J ﹄ れ U T F 同 2 T 1 B F 6 1 2 1 回折角29{deg) 図2 F8T2: PC6IBM複合膜の 3改D 回折プロフィーノレの PCBM濃度依存性 2(kcps) 刷 刊 叫 樹 絹 同 再 開 出 4 F8T2:陀718M(1:2.5) F8T2:PC718M(1:2) F8T2: Pζ71sM(1L5) F8T2:PC71BM(1:1) 16 自折角28(deg) 図3 F8T2: PC71BMの濃度変化による XRD特性 F8T2IPCBM複合膜はアモルファスであることが分かる。 図3から F8T2IPC7IBM複合膜は PC7IBMの濃度を変化し でも回折ピークが存在しないことが分かる。とのことか ら、 F8T2/PC7IBM複合膜はアモノレファスであることが分 かる。これは、 F8T2分子の自己凝集力がポリアルキルチ オフェン等の高分子材料よりも弱し、ためと考えられる。 2-3原子関力顕微鏡による薄膜評価 図 4,5に各活性層の AFM画像を示す。薄膜の作製条件 は、 (a)から)1原に F8T2IPC6IBM濃度比率(1:1)、 F8T2IPC6IBM濃度比率(1:1.5)、F8T2IPC6IBM濃度比率 (1 :2)、F8T2IPC6IBM濃度比率(1:2.5)、F8T2IPC7IBM濃 度比率(1:1)、 F8T2IPC7IBM濃度比率(1:1.5)、 F8T2IPC7IBM濃度比率(1:2)、F8T2IPC7IBM濃度比率 (12.5)である。また、これらの薄膜の平均面粗さと最大高 低差を表3にまとめた。 表 3 F8T2IPC7IBM濃度比率で作製された薄膜表面の 凹凸 (b) F8T2IPC6IBM濃度比率(1:1.5) (C)F8T2IPC6IBM濃度比率(1:2) (d) F8T2IPC6IBM濃度比率(1:2.5) 図4に各活性層の AFM画像

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16 愛知工業大学総合技術研究所研究報告,第 13号, 2011年 図 4,5と表 3から F8T2IPC6IBMより F8T2IPC7IBMの方 が平均面粗さ、最大高低差共に大きいことが分かる。これ は、 PC6IBMの凝集体に対して PC7IBMの凝集体のサイ ズが大きいことに起因している可能性が高い。これによっ て表面の凹凸が激しくなり、アノレミ電極との接触界面が大 きくなり電流値の向上が期待できる。また、 PCBMの割合 に対しての平均面粗さの変化量と最大高低差の変化量を 図6に示す。 図6から分かるように、 PCBMの量が増えるにつれて平 均面粗さ、最大高低差がともに低下していくことが分か る。これにより、膜の凹凸がどんどん平滑になっている。 しかし、 F8T2IPC7IBM(1:2.5)の平均面粗が他の比率のもの よりかなり大きくなる。 AFM画像からも読み取れるよう に凝集体が成長したためである。これは PC7IBMの量が 多くなり F8T2が少なくなることによって F8T2の隙聞を 埋めるように PC7IBMの凝集体が成長したためと考えら れる。これにより、 F8T2IPC7IBM(1 :2.5)が最も高い効率を 示すのではないかと考えられる。 (e) F8T2IPC7IBM濃度比率(1:1) (f) F8T2IPC7IBM濃度比率(1:1.5) (g) F8T2IPC7IBM濃度比率(1:2) (h) F8T2IPC7IBM濃度比率(12) 図 5活性層の AFM画像 15 ヲ L D J F D 司i ( 5 Z ) 出 単 ♂ 一 村 組 PC71BfVi PC61Br'11 D宮S 1 1ι5 2 2,,5 3 PCBM

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17 Ddioctylfiuor官 邸-bithiopheneσ8η)/[6,6]-Phenyl C71 buザIicacid methyl ester[PC71BM] {PCBM}混合層を用いた有機薄膜太陽電池の作製とその評価 短絡電流、フィノレファクター、変換効率といった太陽電 池の諸特性を表4にまとめた。 ~...-'- ....、、J I L:J -~

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F8T2:PC61BM(1:1)

F8T2:PC61BM(1:1.5) F8T2:PC61BM(1:2)

F8T2:PC61BM(1:25) クトノレを示す。図8にF8T2/PC7IBMの濃度比率に対する 各吸収スベクトルを示す。 図7から分かることを以下に示す。 -光の吸収領域が 400nm~500nm にある。 . PC6IBMの割合が増えることで吸光度が上昇する0 . 500nm以上の光を殆ど吸収しない。 以上の点から以下のことが分かる。 -太陽光スベクトルに比し,各試料では、吸収領域が400nm ~500nm と狭い。 刊 日F8T2:PC71BM(1:1) -_. F8T2:PC71SM(LL5) F8T2:PC71BM(1:2) , F8T2:Pこ71BM(1:2,5)

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F8T2:PC71BMI1:1.51 F8T2:PC71BM (1:2) 自 由 曲 目 自 国F8T2:PC71BM11:2.51 0.6 0.2 0.4 Voltage(V) 図10 1 2.5 0.2 2 図7と図8の比較から分かることを以下に示す。 . F8T2:PC7IBM膜のPC7IBMの割合が増えるにつれて長 波長側における光の吸収量が大きくなっている。 . 400nm~500nm に大きな光の吸収領域を示し、 500nm~ 600nmについても小さな光の吸収領域を示す。 • F8T2/PC6IBMより F8T2/PC7IBMの方が光の吸収領域が 広がっている。 以上のことから以下のことが考えられる。 'PC7IBMの割合が増えるにつれて長波長側の光の吸収領 域が増えたのは、 PC7IBM自体が光の吸収領域を示すた め、量が増えるにつれて光の吸収領域が増えたのではない かと考えられる。 以上 UV-vis スベクトルの結果から、 F8T2:PC7IBM(1 :2,5)が最も広い光の吸収領域を示した。 0,8 F8T2/PC7IBMの J-V特性 0,6 0,2 0.4 Voltage(V) 図 11 2-4.F8T2/アラーレン誘導体複合膜を活性層とした有機薄 膜太陽電池の作製とその性能評価 表2で示した異なる 8種類の活性層で有機薄膜太陽電池 をそれぞれ作製した。図9に作製した太陽電池の構造図を 示す。作製手順は表1で示したフローチャートと同様で、、 最後の工程で、アノレミ電極を成膜した。 図9から分かるように透明であるガラス基板からソー ラシ~.:zVータにより光を照射し、電流電圧特性を測定し た。

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(6)

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(の変換効率の変化 図 12 PCBMの濃度比率に応じた各種パラメータ 図 12の(a)から分かるように開放電圧は P3HTIPCBMの活 性層を用いた有機薄膜太陽電池に比し高い値をとってい ることが分かる。これは図 2,8(p,11)からわかるように、 F8T2とPCBMの HOMO-LUMO聞のバンドギャップが大 きいことが原因であると考えられる。 (b)から分かるように、従来の P3HTと比べると短絡電流 は小さくなる。これは UV-vis スベクトノレの結果から F8T2 は光の吸収波長領域が P3HT等と比べ狭い。よって、発生 する励起子が少なくなり発生キャリアが減少し電流が小 さくなったと考えられる。次に、 PC6IBMの場合と PC7IBMの場合を比較すると全体的に PC71BMを使った 方が高い電流を示していることが分かる。これは UV-vis スベクトルから分かるように光の吸収領域が PC7IBMの 方が広し、からである。 (c)から分かるように、 PC6IBMに比し PC71BMのフィ ルファクターが高いことが分かる。 これは、 F8T2IPC7IBM複合膜に顕著なように,活性層内 のネットワークが向上していることに起因する。 (のからわかるように、変換効率で最も高い値をとったの は、 F8T2/PC7lBM の濃度比率(1:2,5)のものである。これは、 PC7IBMを多く入れたことで FFが改善され変換効率が高 くなったのではなし、かと考えられる。次に、 PC6IBMを使 った場合では、濃度比率が(1:1.5)のものが最も高い変換効 率を示した。これは、短絡電流とフィルファクターが最も 高い値を示したためと考えられる。最後に、 PC61B Mと PC7IBMを使った場合では、変換効率が PC7IBMの方が 高いことが明らかになった。これは PC7IBM凝集体に密 接に関連する。 3.結語 本研究では、異なるフラーレン誘導体を用いた有機薄膜太 陽電池の作製することにより以下の点を明らかにするこ とができた。この研究を行うに当たり使用したp型半導体 材料である F8T2では、高い開放電圧を示した。ここで、 研 究 目 的 で 述 べ た よ う に p型半導体と n型半導体の HOMO-LUMO聞のエネルギーバンドが開放電圧に密接に 関係することを実証できた。 次に、異なるフラーレン誘導体を用いることで、短絡電 流の変化を確認することができた。 PC6IBMより PC7IBM の方が高い短絡電流を示した。これは、光の吸収波長領域 が PC7IBMの方が広くなり、高範囲の波長領域を吸収し ているからと考えられる。 以上の点から、 PC7IBMの方が短絡電流向上の面で優れ ているため他のp型半導体と組み合わせ更なる効率向上を 目指すことが必要である。 謝辞 本研究は文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援プ ロジェクト #S1001033の援助を受けて行われた。 参考文献 l)T.Ameri, GDennler, C

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なお、関連して、電源電池の待機時間については、開発品に使用した電源 電池(4.4.3 に記載)で

○杉山座長