Education Network for Practical Information Technologies 発行:大阪大学大学院情報科学研究科 enPiT事務局 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-5 T E L▶06-6879-4395 F A X▶06-6879-4649 U R L▶http://www.enpit.jp/ E-mail▶[email protected] 分野 ・ 地域 を 越 え た 実践的情報教育協働ネ ッ ト ワ ー ク ●平成 27年度 成果報告書 e n P i T運営委員会
ANNUAL REPORT 2015
平成27年度 成果報告書
enPiT運営委員会 大阪大学、東北大学、筑波大学、東京大学、東京工業大学、名古屋大学、 神戸大学、九州大学、九州工業大学、北陸先端科学技術大学院大学、 奈良先端科学技術大学院大学、公立はこだて未来大学、 産業技術大学院大学、慶應義塾大学、情報セキュリティ大学院大学 文部科学省 情報技術人材育成のための実践教育ネットワーク形成事業分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワーク
組込みシステム分野 セキュリティ分野 ビジネスアプリケーション分野 クラウドコンピューティング分野は じ め に
enPiTは、文部科学省が実施する情報技術人材育成のための実践教育ネットワーク 形成事業「分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワーク」の略称で、平成24年 度より開始し、今年度で4年目を迎えております。 平成25年度に第一期の修了生が生まれ、平成27年度は第三期生が修了していま す。はじめの第一期生は事業全体で305名が修了しましたが、第三期生は481名修了 と大幅な増員を達成しています。また、基幹となる大学以外にこの事業に参加いただ いている大学は47校から96校へ、またいろいろな形でお手伝いいただいている企業 は91から125へと大幅に増えております。 これは、我々一同、いろいろな手段で広報に努め、多くの方々に認知されるに至ると ともに、enPiTの修了生や関係者が増え、その内容や成果の理解が進んだ結果である と思っております。 本報告書の中にもありますが、enPiTの効果としては、学生個々の技術レベルの向上 のみならず、社会性や協調性などの向上があります。社会人として他者と一緒になって 共同でソフトウェア開発や、問題解決ができる能力というのは重要であり、学生が卒業 後、社会の中で生きていく上では必須の力です。enPiTでは、複数の大学から集まった 学生がチームを構成し、ソフトウェア開発や仕様作成などのプロジェクトを課していま す。その中で、彼ら彼女らは、個々の大学の中だけでは得られないいろいろな体験を経 て、大きく成長していきます。 現在、第一期生がすでに社会に出て、いろいろなところで活躍し始めており、その様 子が聞こえ始めています。引き続き、修了生の今後の活躍を追跡していきたいと思って います。 平成28年度は、enPiTの最終年度にあたります。本年度もこれまで通り修士学生を 中心とした教育事業を確実に推進するとともに、平成29年度以降の継続の形を明らか にしていく必要があります。また、学部生を中心とした第2期enPiTが計画されており、 それとの連携も考えていく必要があります。本報告を通じ、enPiTの様子をご理解いた だき、いろいろな面で、ご支援、ご協力、そしてご意見を頂戴できればと思います。 enPiT代表 大阪大学大学院情報科学研究科 教授 井上 克郎第1章
事業の全体概要
1 1.1 本事業の目的 2 1.2 分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワーク 3 1.3 各分野の概要 4 1.4 目標人材像・達成目標 5 1.5 カリキュラム概要 6 1.6 教育体制 7 1.7 教育実績 9 1.8 教員養成・FD活動 12 1.9 中間評価 14 1.10 産学連携の取り組み 15 1.11 動向調査 16 1.11.1 enPiT受講生の満足度調査… ……… 16 1.11.3 IT系企業のニーズ調査……… 17 1.11.2 情報系専攻へのニーズ調査………… 16 1.12 普及展開活動 19 1.13 イベント・募集情報 21目 次
第2章
実践教育の取り組み状況
25 2.1 クラウドコンピューティング分野 26 2.1.1 取り組みの概要……… 26 2.1.5 教育実績……… 32 2.1.2 学習・教育目標… ……… 26 2.1.6 教員養成・FD活動……… 34 2.1.3 教育内容……… 27 2.1.7 来年度のイベント予定・募集情報… 35 2.1.4 実施体制……… 31 2.1.8 まとめ……… 35 2.2 セキュリティ分野 36 2.2.1 取り組みの概要……… 36 2.2.5 教育実績……… 42 2.2.2 学習・教育目標… ……… 36 2.2.6 教員養成・FD活動……… 50 2.2.3 教育内容……… 37 2.2.7 来年度のイベント予定・募集情報… 54 2.2.4 実施体制……… 38 2.2.8 まとめ……… 54 2.3 組込みシステム分野 56 2.3.1 取り組みの概要……… 56 2.3.5 教育実績……… 60 2.3.2 学習・教育目標… ……… 56 2.3.6 教員養成・FD活動……… 74 2.3.3 教育内容……… 56 2.3.7 来年度のイベント予定・募集情報… 74 2.3.4 実施体制……… 58 2.3.8 まとめ……… 75 2.4 ビジネスアプリケーション分野 76 2.4.1 取り組みの概要……… 76 2.4.5 教育実績……… 83 2.4.2 学習・教育目標… ……… 77 2.4.6 教員養成・FD活動……… 89 2.4.3 教育内容……… 77 2.4.7 来年度のイベント予定・募集情報… 90 2.4.4 実施体制……… 80 2.4.8 まとめ……… 91 2.5 分野を越えた実践教育 92 2.5.1 分野横断講義……… 92 2.5.2 イノベータ―ワークショップ………… 96第3章
分野を越えた実践教育ネットワーク形成
99 3.1 運営委員会、幹事会の実施状況 100 3.2 作業部会の活動状況 102 3.2.1 広報戦略WG… ………102 3.2.4 教務WG… ………113 3.2.2 FDWG………106 3.2.5 女性部会………114 3.2.3 評価・産学連携WG… ………110 3.3 全体シンポジウム 116 ※本報告書内の実績は平成28年2月時点のものである。■代表者一覧 事業代表 井上克郎 大阪大学大学院情報科学研究科 分野代表 クラウドコンピューティング分野 楠本真二 大阪大学大学院情報科学研究科 分野代表 セキュリティ分野 後藤厚宏 情報セキュリティ大学院大学情報セキュリティ研究科 分野代表 組込みシステム分野 福田晃 九州大学大学院システム情報科学研究院 分野代表 ビジネスアプリケーション分野 田中二郎 筑波大学システム情報系情報工学域 ■enPiT運営委員会 委員長 井上克郎 大阪大学大学院情報科学研究科 委員 クラウドコンピューティング分野 楠本真二 大阪大学大学院情報科学研究科 委員 クラウドコンピューティング分野 平木敬 東京大学大学院情報理工学系研究科 委員 クラウドコンピューティング分野 西崎真也 東京工業大学大学院情報理工学研究科 委員 クラウドコンピューティング分野 上原邦昭 神戸大学大学院システム情報学研究科 委員 クラウドコンピューティング分野 久代紀之 九州工業大学大学院情報工学研究院 委員 セキュリティ分野 曽根秀昭 東北大学大学院情報科学研究科 委員 セキュリティ分野 宮地充子 北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科 委員 セキュリティ分野 藤川和利 奈良先端科学技術大学院大学総合情報基盤センター 委員 セキュリティ分野 砂原秀樹 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 委員 セキュリティ分野 後藤厚宏 情報セキュリティ大学院大学情報セキュリティ研究科 委員 組込みシステム分野 高田広章 名古屋大学大学院情報科学研究科 委員 組込みシステム分野 鵜林尚靖 九州大学大学院システム情報科学研究院 委員 ビジネスアプリケーション分野 田中二郎 筑波大学システム情報系情報工学域 委員 ビジネスアプリケーション分野 大場みち子 公立はこだて未来大学情報アーキテクチャ学科 委員 ビジネスアプリケーション分野 酒森潔 産業技術大学院大学産業技術研究科
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第1章
高齢化、エネルギー・環境問題、震災からの復旧・復興など の社会的課題解決、産業における国際競争力強化や新たな 価値、新産業創出等、我が国が取り組むべき課題は山積して いる。これらの課題解決には情報技術の高度な活用が必須 のものとなっており、情報技術を高度に活用して、社会の具体 的な課題を解決することのできる人材の育成は我が国の極 めて重要な課題となっている。 こうした人材を育成するため、平成24年度に「文部科学省… 情報技術人材育成のための実践教育ネットワーク形成事業」 が開始された。本事業は、複数の大学と産業界による全国的 なネットワークを形成し、実際の課題に基づく課題解決型学 習等の実践的な教育を実施・普及することを目的とした公募 型事業である。公募の結果、「分野・地域を越えた実践的情報 教育協働ネットワーク」(申請代表校:大阪大学)が採択され た。
情報技術を活用して社会の具体的な課題を解決できる
能力を有する優れた情報技術人材の育成強化
実践教育コア
複数の大学と産業界の連携による情報技術人材育成の全国的推進ネットワーク
産学連携による情報技術人材育成のための総合的推進ネットワーク 全国の学生、大学、ITベンダー企業、ユーザ企業の参加を促進する連絡調整 産学連携による実践的教育実施のためのガイドライン策定 情報技術人材育成の海外調査 産学連携による実践的教育の実施 など ・受講生(大学院修士課程) ・拠点大学・連携大学の学生 ・拠点大学・連携大学以外の学生 ・実践教育コアが設ける 一定の基準を満たす学生産学連携による実践的教育の
全国への普及展開
参加大学
拠点大学(事務局) 連携大学 連携大学 連携大学ITベンダー企業
ユーザ企業
・高度な技術者やプロダクトマネージャなどが 助言者・指導者として協力 ・企業の実際の課題に基づく、 実践的教育のテーマの提供 教員が実践教育コアに参加し、 学生を指導。実践教育コアに おける取り組みを所属先の 大学においても展開全国の学生
●産学連携により企業の実際の課題に基づく 少人数のチームでの課題解決型学習等の 実践的教育を実施 ●夏期休暇期間などを利用した集中実習 ●リモート分散実習 など1 . 1
本事業の目的
図表1.1.1 事業の全体イメージ3 e n P i T A N N U A L R E P O R T 2 0 1 5 第1章 事業 の 全体概要 分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワーク (Education…Network…for…Practical…Information…Technologies、 略称enPiT:エンピット)では、クラウドコンピューティング、セ キュリティ、組込みシステム、ビジネスアプリケーションの4 分野を対象として、各分野の知識領域を幅広く教育するた めに、それぞれの分野に専門領域を有する全国の15連携大 学の教員や企業の技術者を結集したプログラムとなっている (図表1.2.1)。 enPiTでは、各分野ともに図表1.2.2にあるような教育プロ グラムのフレームワークに基づいて実践的教育を行う。 (1)基礎知識学習 短期集中合宿や分散PBLを実施する上で必要となる基礎 知識を学ぶ。各分野の連携大学および参加大学の講義や開 発深知(https://devshinchi.jp/)などで公開されている教材 などを利用できる。 (2)短期集中合宿 各分野技術に関する講義や演習(基礎知識以外に必要と 筑波大学 九州大学 九州工業大学 大阪大学 東京工業大学 東京大学 東北大学 参加大学 教員・学生 参加大学 参加大学 参加大学 参加大学 教員・学生 公的機関 連携企業 参加大学 学術団体 学術団体 北陸先端科学技術大学院大学 名古屋大学 情報セキュリティ大学院大学 慶應義塾大学 神戸大学 奈良先端科学技術大学院大学 産業技術大学院大学 公立はこだて未来大学 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 発 表 会 修 了 基礎知識学習 短期集中合宿 受講のための事前準備 短期集中合宿 各分野の講義 PBL 分散PBLに向けた準備 など 分散PBL 連携大学・参加大学の学生が 分散環境でPBLを実施
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分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワーク
図表1.2.1 分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワーク 図表1.2.2 教育プログラムのフレームワーククラウドコンピューティング、セキュリティ、組込みシステ ム、ビジネスアプリケーションの各分野における取り組み概 要をまとめる。 本分野は、いわゆるビッグデータの分析手法、新しいビジ ネス分野の創出といった社会の具体的な課題を、クラウド技 クラウドコンピューティング分野
人材・知見
協働ネットワーク
クラウドコンピューティング分野 セキュリティ分野 組込みシステム分野 ビジネスアプリケーション分野 連携企業 参加大学 学術団体 教員 学生 公的機関1 . 3
各分野の概要
術を活用し解決できる人材の育成を目指し、大阪大学、東京 大学、東京工業大学、神戸大学、九州工業大学の5大学が連携 して教育を実施する。クラウド技術の基礎知識を習得した学 生を対象として、短期集中合宿(東日本と西日本でそれぞれ 実施)、分散PBLを通じて、複数人でチームを組み、情報システ ムをクラウド上で実装し、さらに、モバイル対応、負荷分散・ス ケーリング、大規模データ解析等を行うことで、クラウド技術 の導入によって可能となる問題解決方法や効果について、プ ロジェクトを通して体感することを目的とする。 なる項目、最先端技術など)、PBLに向けた準備等を行い、約2 週間程度の集中教育を受ける。 (3)分散PBL 分野ごとに分散環境下でのPBLを実施し、終了後は成果発 表会を開催する。 本事業は複数の大学と産業界による全国的なネットワー クを形成し、実践的な教育を普及させることが目的であるた め、分野を越えた普及展開の取り組みが極めて重要である。 これまでに15連携大学間での「共同事業契約書」の締結、運 営委員会や幹事会による連携大学間の緊密な情報共有、5つ の作業部会の運営、広報や産学連携の推進活動を実施して きた。 その結果、平成25年度ではのべ62の大学と91の企業・団 体による産学連携の人材育成ネットワークとなっていたも のが、平成26年度は合計96大学と107の企業・団体のネット ワークとなり、平成27年度には合計111の大学と125の企業・ 団体によるネットワークを形成している。 図表1.3.1 4つの分野による実践的情報教育協働ネットワーク5 e n P i T A N N U A L R E P O R T 2 0 1 5 第1章 事業 の 全体概要 幅広い産業分野において求められている「実践的なセキュ リティ技術を習得した人材(実践セキュリティ人材)の育成」 を目指す。 本取り組みでは、5つの連携大学が協力して開講する実践 セキュリティ人材の育成コース(SecCap)によって、幅広いセ キュリティ分野の最新技術や知識を具体的に体験を通して習 得することができる。暗号をベースとする情報セキュリティ技 術、Webサーバのセキュリティ技術、ネットワークセキュリティ 技術等の技術面から、法制度やリスク管理などの社会科学的 な知識までをカバーする。受講生は、技術系、理論系、社会科 学系の講義や実践演習・PBLから、それぞれが目指すキャリア パスに沿った割合で、主体的・自主的に調合した学習プログ ラムを作って受講することができる。 人材育成を進めるだけでなく、その育成ノウハウを、全国 の大学(参加大学)に広める活動を進める。これにより、実践 セキュリティ人材育成の枠組み自体を作り上げることができ、 実践セキュリティ人材育成のすそ野を広げ、我が国全体が必 要とする人材の育成体制を作り上げることができる。 セキュリティ分野 本分野では、「組込みシステム開発技術を活用して産業界 の具体的な課題を解決し、付加価値の高いサイバーフィジカ 本分野では、筑波大学、産業技術大学院大学、公立はこだ て未来大学の3大学が連携し、各種の先端情報技術を有機 的に活用し、社会情報基盤の中核となるビジネスアプリケー ション分野の実践的問題解決ができる人材を育成する。事前 の基礎知識学習科目の履修により、ビジネスアプリケーショ ン分野に関わる情報技術を概観し、各種先端技術を活用した 問題解決ができるための基礎知識を習得し、短期集中合宿 により、演習とPBLを実施することで、基礎知識とスキルを実 践可能なレベルに向上させる。さらに、チームプロジェクトに よる分散PBLにより、ユーザ企業や地域連携からの実践的な 課題を行うことで、顧客を意識した問題解決能力、マネジメン ト能力を養成する。 組込みシステム分野 ビジネスアプリケーション分野 分野ごとの目標人材像・達成目標は次の通りである。 分野 クラウドコンピューティング分野 セキュリティ分野 組込みシステム分野 ビジネスアプリケーション分野 目標人材像 クラウド技術を理解し、必要なス キルと知識について他者と議論 し、実際のクラウド環境を用い て大規模な処理や効率の良い 処理(負荷分散や分散処理等) を提供するアプリケーション・情 報システムを開発できる人材。 社会・経済活動の根幹に関わる 情報資産および情報流通のセ キュリティ対策を、技術面・管理 面で牽引できる実践リーダー。 組込みシステム開発技術を活用 して産業界の具体的な課題を解 決し、付加価値の高いサイバー フィジカルシステム(CPS)の構 築による効率の良い社会システ ムを実現し、エネルギーや環境 問題など現在の日本が抱える重 要課題に対応できる人材。 進化を続ける先端情報技術や 情報インフラを有機的に活用 し、潜在的なビジネスニーズや 社会ニーズに対する実践的問題 解決ができる人材。 達成目標 各年度の 目標育成 学生数 平成25年度:50名 平成26年度:70名 平成27年度:80名 平成28年度:100名 平成25年度:60名 平成26年度:80名 平成27年度:90名 平成28年度:100名 平成25年度:40名 平成26年度:60名 平成27年度:80名 平成28年度:100名 平成25年度:60名 平成26年度:70名 平成27年度:85名 平成28年度:100名
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目標人材像・達成目標
ルシステム(CPS)を構築できる人材」を育成することを目標 としている。連携大学にとどまらず、広く全国から参加大学を 募り、九州大学の連合型PBL(Project…Based…Learning)と新し い産学連携教育手法である名古屋大学のOJL(On…the…Job… Learning)の2タイプを実施する。両タイプとも問題発見能力 を身に付ける「基本コース」と、管理技術とその運用方法まで 踏み込んだ高度な問題解決能力を身に付ける「発展コース」 を設ける。受講生の指導教員に分散PBLの実施ノウハウを修 得してもらい、補助期間終了後に各大学で継続して実施でき る体制にする。 図表1.4.1 分野ごとの目標人材像・達成目標基礎知識として、クラウドを利用したクラウド上で動作する アプリケーション開発を行うための、プロジェクト管理手法、 ファシリテーションスキル、開発プロセス、クラウド環境利用 技術を学ぶ。引き続き、チームでのアプリケーション開発PBL の実施、モバイル対応、負荷分散・スケーリング、大規模デー タ解析等の応用技術の学習とそれらを応用したアプリケー ション開発PBLを行う。 ■ クラウドコンピューティング分野
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カリキュラム概要
実践セキュリティ人材育成に向けて、共通に必要な基礎知 識学習、幅広いセキュリティ分野の最新技術や知識を具体的 に体験を通して習得できる実践演習、および応用力を高める 学習からなるカリキュラムである。技術面では、暗号をベース とする情報セキュリティ技術、Webサーバのセキュリティ技 術、ネットワークセキュリティ技術から、法制度やリスク管理 などの社会科学的な知識までをカバーする。実践演習では、 ハードウェアを対象としたもの、システムやソフトウェアを対 象としたもの、企業組織のリスク管理を対象としたものなど、 バラエティに富んだ演習コースが用意される。受講生は、技 術系、理論系、社会科学系の講義や実践演習・PBLから、それ ぞれが目指すキャリアパスに沿った割合で、主体的・自主的 に調合した学習プログラムを作って受講することができる。 ■ セキュリティ分野 主に修士1年を対象とした基本コースと修士1・2年を対象 とした発展コースを設ける。 (1)…基礎知識学習は、組込みシステム基礎、ソフトウェア工 学、および各大学で必要とされる科目で構成する。 (2)…短期集中合宿は、分散PBLのキックオフ合宿という位置 付けで、スプリングスクールあるいはサマースクールを 行う。 (3)…分散PBLは、九州大学の連合型PBLと名古屋大学のOJL のいずれかを選択する。 ビジネスアプリケーション分野に関わる情報技術を概観 し、各種先端技術を活用した問題解決ができるために、基礎 知識を習得するための事前の基礎知識学習、基礎知識学習 で習得した項目に関する演習を実施することで、受講生個人 の基礎項目に関するスキルを実践可能なレベルに向上させ る短期集中合宿、基礎知識学習、短期集中合宿で得た基盤 技術を基に、PBLプロジェクトを実施する分散PBLで構成され る。 ■ 組込みシステム分野 ■ ビジネスアプリケーション分野7 e n P i T A N N U A L R E P O R T 2 0 1 5 第1章 事業 の 全体概要 平成27年度の時点において、15の連携大学に加え、のべ 96大学が参加し、125の企業・団体が助言・指導・テーマ提供 等の立場で協力し、合計111大学と125の企業・団体による産
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教育体制
学連携の人材育成ネットワークとなっている。各分野の体制 (平成28年2月現在)を図表1.6.1~4にまとめる。各表内の※ は平成27年度からの新規参加を表している。 図表1.6.1 各分野における教育実施体制(クラウドコンピューティング分野) ■連携大学(5大学) 大阪大学 東京大学 東京工業大学 神戸大学 九州工業大学 ■参加大学(18大学) 京都産業大学 近畿大学 九州産業大学 慶應義塾大学 香川大学※ 高知工科大学 早稲田大学 大阪工業大学 長崎県立大学 電気通信大学 東海大学 東京電機大学 奈良先端科学技術大学院大学 兵庫県立大学 明治大学 立命館大学 和歌山大学 お茶の水女子大学※ ■連携企業(39社・団体) Emotion…Intelligence株式会社※ エキサイト株式会社※ グーグル株式会社 ヤフー株式会社 レッドハット株式会社 楽天株式会社 株式会社…日立インフォメーションアカデミー 株式会社IDCフロンティア※ 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ 株式会社…SEプラス 株式会社ヴァル研究所※ 株式会社…エヌ・ティ・ティ・データ・ユニバーシティ※ 株式会社オージス総研 株式会社コネクトドット 株式会社サイバーエージェント 株式会社シマンテック※ 株式会社 ジュントス 株式会社セールスフォース・ドットコム 株式会社ソニックガーデン 株式会社ドワンゴ※ 株式会社ハウインターナショナル 株式会社ピコラボ 株式会社フォーマルテック 株式会社…フリークアウト※ 株式会社リコー 株式会社…四季の自然舎 株式会社日立システムズ 株式会社日立ソリューションズ 株式会社…日立製作所 株式会社富士通研究所 株式会社野村総合研究所 三井住友信託銀行株式会社 三菱電機株式会社 新日鉄住金ソリューションズ株式会社 西日本電信電話株式会社 国立情報学研究所 日本オラクル株式会社 日本マイクロソフト株式会社 富士通関西中部ネットテック株式会社※ ■参加教員数 101名 図表1.6.2 各分野における教育実施体制(セキュリティ分野) ■連携大学(5大学) 情報セキュリティ大学院大学 東北大学 北陸先端科学技術大学院大学 奈良先端科学技術大学院大学 慶應義塾大学 ■参加大学(19大学・3校) 東京大学 大阪大学 京都大学 中央大学 津田塾大学 東京電機大学 早稲田大学 金沢工業大学 九州産業大学 宮城大学 東北学院大学 東北工業大学 お茶の水女子大学※ 福井大学※ 九州工業大学※ 佐賀大学※ 大分大学※ 秋田県立大学※ 東北福祉大学※ ■高等専門学校等 仙台高等専門学校 石川工業高等専門学校 情報科学専門学校※ ■連携企業(14社) 株式会社インテック※ エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社※ エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 株式会社サイバー・ソリューションズ 国立研究開発法人産業技術総合研究所 一般社団法人…JPCERT…コーディネーションセンター 国立研究開発法人情報通信研究機構 デロイト…トーマツ…リスクサービス株式会社※ トレンドマイクロ株式会社 日本アイ・ビー・エム株式会社 日本電気株式会社 日本電信電話株式会社 ネットワンシステムズ株式会社※ 株式会社日立ソリューションズ東日本※ ■参加教員数 70名 ※は平成27年度からの新規参加。 ※は平成27年度からの新規参加。図表1.6.3 各分野における教育実施体制(組込みシステム分野) 図表1.6.4 各分野における教育実施体制(ビジネスアプリケーション分野) ■連携大学(2大学) 九州大学 名古屋大学 ■参加大学(35大学・2校) 愛知県立大学 愛知工業大学 岡山県立大学※ 関西学院大学 関東学院大学 岩手大学※ 岐阜大学 宮崎大学 京都大学 九州工業大学 九州産業大学 福山大学※ 群馬大学 広島市立大学 芝浦工業大学 信州大学 静岡大学 早稲田大学 大阪大学 中京大学 中部大学※ 東海大学 東京工業大学 東京電機大学 東京都市大学 同志社大学 徳島大学 南山大学 日本大学 福井工業大学 兵庫県立大学 北九州市立大学 名城大学 立命館大学 和歌山大学 ■高等専門学校等 横浜システム工学院専門学校 東海職業能力開発大学校※ ■連携企業(43社・団体) Manycolors株式会社 SCSK株式会社 アイシン・コムクルーズ株式会社 アイシン精機株式会社 イーソル株式会社 オークマ株式会社 オムロン オートモーティブエレクトロニクス株式会社 スズキ株式会社 ツイスト・ドライブ・テクノロジーズ株式会社 トヨタ自動車株式会社 パナソニック アドバンストテクノロジー株式会社 パナソニック株式会社 マツダ株式会社 ヤマハ発動機株式会社 ルネサス エレクトロニクス株式会社 学校法人赤山学園 九州技術教育専門学校 株式会社 東芝 株式会社AISIC※ 株式会社NTTデータMSE※ 株式会社OTSL 株式会社Technical Rockstars※ 株式会社 アフレル 株式会社ヴィッツ 株式会社サニー技研 株式会社ジェイテクト 株式会社チェンジビジョン 株式会社デンソー 株式会社 ロジック・リサーチ※ 株式会社永和システムマネジメント 株式会社東海理化 株式会社東陽テクニカ 株式会社豊通エレクトロニクス 株式会社豊田中央研究所※ 京セラ株式会社※ 独立行政法人情報処理推進機構 東海ソフト株式会社 日本電気通信システム株式会社 菱電商事株式会社 富士ソフト株式会社 富士通テン株式会社 株式会社豊田自動織機 矢崎総業株式会社 株式会社アイユート※ ■参加教員数 82名 ■連携大学(3大学) 筑波大学 産業技術大学院大学 公立はこだて未来大学 ■参加大学(24大学) お茶の水女子大学 愛媛大学 茨城大学 宇都宮大学 岡山県立大学 会津大学 岩手大学 京都産業大学※ 群馬大学 広島大学 埼玉大学 山口大学 室蘭工業大学 千葉大学 拓殖大学 津田塾大学 東京理科大学 同志社大学 徳島大学 日本工業大学 富山大学 名古屋工業大学※ 琉球大学 和歌山大学※ ■連携企業(29社・団体) ニフティ株式会社 楽天株式会社 株式会社ハイマックス※ 株式会社ABEJA 株式会社 iD※ 株式会社IDCフロンティア※ 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ 株式会社インタラクティブ・コミュニケーション・デザイン※ 株式会社エーピーコミュニケーションズ※ 株式会社エスイーシー 株式会社 サムシングプレシャス 株式会社ジースタイラス 株式会社ジャパンテクニカルソフトウェア 株式会社セールスフォース・ドットコム 株式会社ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン※ 株式会社 日立製作所 株式会社富士通ミッションクリティカルシステムズ※ 常磐システムエンジニアリング株式会社 新日鉄住金ソリューションズ株式会社 東京海上日動火災保険株式会社 特定非営利活動法人 CeFIL 日鉄日立システムエンジニアリング株式会社 日本マイクロソフト株式会社 日本ユニシス株式会社 日本電気株式会社 日立アイ・エヌ・エス・ソフトウェア株式会社 函館蔦屋書店株式会社 富士ゼロックス株式会社 富士通株式会社 ■参加教員数 83名 ※は平成27年度からの新規参加。 ※は平成27年度からの新規参加。
9 e n P i T A N N U A L R E P O R T 2 0 1 5 第1章 事業 の 全体概要 各分野の教育実績の概要を記す。 ■ クラウドコンピューティング分野 クラウドコンピューティング分野では、いわゆるビッグデー タの分析手法、新しいビジネス分野の創出といった社会の具 体的な課題を、クラウド技術を活用し解決できる人材の育成 を目的として、5連携大学を中心に、参加大学の教員、連携企 業の専門家の力を結集して、クラウドコンピューティング、プ ロジェクトマネジメント、ソフトウェア工学について教育・修 得すべき内容を体系的・実践的に取り込んだ教育プログラム を構築した。 具体的には、4つの教育プログラム(クラウド実践道場、 Cloud…Bauhaus、Cloud…Spiral、Cloud…Q9)を実施し、98名(う ち46名が参加大学からの受講生)の修了生を得た。 短期集中合宿は、東日本の東京大学と東京工業大学、西日 本の大阪大学、神戸大学、九州工業大学でそれぞれ合同で実 施した。各教育プログラムでは、実際にクラウドを学生が構築 する、受講生チームがアプリケーション開発を要求分析から クラウド環境上への実装まで自力で実施する、クラウドを活 用したビジネスモデルを提案するなどの特色のあるPBLが実 施された。また、ハイブリッド人材として、Cloud…Q9(九州工業 大学)が主でセキュリティ分野が従の学生を1名、SecCapが 主でCloud…Q9が従の学生を1名受け入れた。また、分野内で のFDの活動として、教材開発や授業の実施についてのワー キングを開催した。 ■ セキュリティ分野 セキュリティ分野では、幅広い産業分野において求めら れている実践的なセキュリティ技術を習得した人材(実践セ キュリティ人材)の育成を目指し、平成25年度から5つの連携 大学が協力してSecCapコースを開講し、平成27年度もさら に改善と拡充を進めた。SecCapコースは、基礎力を養成でき る共通科目と基礎科目、実践力を養成する約20種類の演習、 応用力を高める先進科目からなり、技術面では、暗号をベー スとする情報セキュリティ技術、Webサーバのセキュリティ 技術、ネットワークセキュリティ技術といった技術的な知識 から、法制度やリスク管理などの社会科学的な知識までをカ バーしている。平成27年度において本取り組みに参加した教 員数は、連携大学、参加大学で70名である。 平成27年度も引き続きハイブリッド人材育成に向けた入 門講座を設置し、本SecCapコースが重点を置く実践的な技 術演習を文系出身や情報系でない学生が受講しやすくする ために情報セキュリティ大学院大学、慶應義塾大学の2拠点
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教育実績
で開講した。また、東北大学では演習科目「ネットワークセ キュリティ実践」を非情報系の学生が受講しやすい講座内容 とし、新規に参加大学に加わった2校から非情報系の学部生 を受け入れた。 また、我が国トップレベルの関連組織・企業と専門家諸氏 にSecCapコースの講義や演習の講師として、実際に起こっ ているインシデントの詳細な解説や、実データに基づいた セキュリティ分析演習に協力いただいた。また、企業のSOC (Security…Operation…Center)やNOC(Network…Operation… Center)の見学、また、自治体にてBCPの取り組み体制を見学 させていただく等、受講生に貴重な学外演習の機会を提供 いただいた。平成27年度の連携企業および研究機関は14組 織であるが、他の組織からも多数のセキュリティエキスパー トに協力をいただいた。 平成27年度SecCapコースは、5連携大学と参加大学のう ち14校(うち、5大学は平成27年度新規参加)から129名の学 生がSecCap修了認定を目指して参加した。SecCapコースで は、共通科目・基礎科目、実践演習、先進科目のそれぞれに おいて所定の単位数を取得できた学生に、年度末の分野シ ンポジウムにおいて、SecCap修了認定証を授与している。平 成27年度は、113名の学生が、SecCap修了認定を取得した。 SecCap修了認定を取得できた学生は、実践セキュリティ人材 として実社会での活躍が期待できる。 また、SecCapコースの修了認定を目指さずに一部の演習 や講義を受講する学生や、聴講生としての学部生、高専生お よび専門学校生の受け入れも積極的に行った。平成27年度 は学部生や高専生等を参加対象とする大学や高等専門学校 等は計8校となった(うち、3校が平成27年度新規参加)。若い 学生には大学院生と一緒に演習に参加し、議論を行うなど、 大変良い刺激になったようだ。 ■ 組込みシステム分野 組込みシステム分野では、問題発見能力を身に付ける「基 本コース」と、管理技術とその運用方法まで踏み込んだ高度 な問題解決能力を身に付ける「発展コース」を設けている。平 成26年度は「ライトウェイトコース」を新設し、組込み技術体 験学生のすそ野拡大、ハイブリッド人材の養成、さらに参加 大学の増加が図れた。また、九州大学PEARLの基本コースの 実施時期を、参加大学の学年歴と適合させるために、8月~ 翌年3月から、発展コースと同じ4月~10月に変更した。その 結果、参加大学の修士生の95%以上が修了することができる ようになった。 組込みシステム分野全体では、修士生142名(学部生等67 名も加えると209名、うちハイブリッド人材は16名)の受講生を受け入れた。九州大学PEARLはコンテストチャレンジ型と 事業企画/技術開発型の12件のテーマに加えて、平成26年度 からオープン参加型テーマとしてETロボコンの2テーマを加 えた全14件のテーマを実施した。名古屋大学OJLは、43件の 実践的な開発テーマを実施した。 短期集中合宿については、九州大学は5月にスプリングス クールを8日、8月~10月にサマースクールをのべ7日実施し た。名古屋大学は、昨年度末の3月に3日、8月~9月に10日、12 月に2日間の合宿を開催した。 修了生数は、組込みシステム分野全体で修士生が135名で あり、今年度の目標80名を確実に超えている。 分野間の交流については、共通スキル分野のファシリテー ションスキルをクラウドコンピューティング分野、ビジネスア プリケーション分野に提供し、逆にセキュリティ分野からハイ ブリッド人材育成のために「ハードウェア・セキュリティ入門」 を実施した。 情報処理学会との協働についてはESSロボットチャレンジ にて7チームが発表し、分野の活動を講演し、組込みシステム シンポジウム2015の10周年記念パネル討論会には連携大 学・参加大学の教員がモデレータやパネリストとして参加し た。 ETロボコンには2チームが参加し、デベロッパー部門アド バンストクラス競技部門参加チームが第1位に輝いた。 今年度末の組込みシステム分野は、2連携大学と日本全国 (北海道は除く)に広がる35参加大学という構成となった。 最終年度に向けて、参加大学をさらに増やすべく活動を進め ている。 ■ ビジネスアプリケーション分野 ビジネスアプリケーション分野には本年度、連携大学であ る筑波大学、産業技術大学院大学、公立はこだて未来大学を はじめ、室蘭工業大学、岩手大学、会津大学、富山大学、茨城 大学、群馬大学、宇都宮大学、千葉大学、お茶の水女子大学、 拓殖大学、東京理科大学、埼玉大学、津田塾大学、日本工業大 学、名古屋工業大学、京都産業大学、同志社大学、和歌山大 学、広島大学、岡山県立大学、徳島大学、愛媛大学、山口大学、 琉球大学の24大学から総計83名の教員がそれぞれのプログ ラムに参加していただいた。さらに、29にのぼる企業および 団体からのご参加をいただき、運営を手助けしていただい た。また、九州工業大学などが来年度以降の参加を検討して いる。 本分野の本年度の育成学生数の目標は85名である。これ に対して受講条件として、情報系学部レベル基礎教育を習得 していること、情報系の大学院に在籍していること、情報系企 業の実務経験を有していること、のいずれかが満たされてい ることを要求し、さらに、分野で指定する基礎知識を短期集 中合宿までに事前に習得しておくことを条件とし、短期集中 合宿開始前に前提知識の習得状況審査を行った結果、本年 度は審査に合格した160名が短期集中合宿を受講し、各大学 で成果発表会を実施した。その内訳は、筑波大学52名、茨城 大学5名、愛媛大学8名、お茶の水女子大学3名、京都産業大 学1名、埼玉大学4名、拓殖大学1名、千葉大学3名、徳島大学2 名、富山大学4名、名古屋工業大学3名、山口大学5名、公立は こだて未来大学12名、会津大学8名、同志社大学2名、室蘭工 業大学7名、産業技術大学院大学19名、琉球大学4名、社会人 17名となっている。筑波大学50名、茨城大学5名、愛媛大学8 名、お茶の水女子大学3名、京都産業大学1名、拓殖大学1名、 千葉大学3名、富山大学4名、山口大学5名、公立はこだて未 来大学13名、会津大学7名、同志社大学2名、室蘭工業大学7 名、産業技術大学院大学13名、琉球大学3名、社会人10名の 計135名、さらに学部生2名(和歌山大学)が分散PBLを受講、 各連携大学での成果発表会を経て本年度全課程を修了し、 enPiT修了証を授与された。本分野の総括として、来年度にむ けての指針を議論するため、平成28年2月26日にビジネスア プリケーション分野のワークショップを筑波大学東京キャン パスで開催した。 なお、ハイブリッド人材の育成準備状況としては、本年度よ り連携大学から2名のハイブリッド人材が参画しており、来年 度以降もより多くのご参加をいただけるように準備を進めて いる。また、ハイブリッド人材ではないが、幅広い分野への教 育を目的として産業技術大学院大学を中心に社会人への門 戸も広く開いている。 また、本年度は昨年度に引き続き、筑波大学を拠点にア ジャイル研修Ⅰ、Ⅱを実施した。これらアジャイル研修は、ク ラウドコンピューティング分野の大阪大学Cloud Spiralでの 「スクラム講習」の講義教材をベースに、連携大学の産業技 術大学院大学から永瀬美穂氏に全面的にご協力いただきな がら実施した。 ■ 分野を越えた実践教育 各分野で実施されている講義・演習の中には、他の分野の 学生にとっても非常に有意義と考えられるものもある。そのよ うな教育を分野横断的に展開するため、平成25年度より分野 横断講義を実施している。平成27年度は、平成26年度同様次 の2種類に分類し、分野横断講義を実施した。なお、平成25年 度は、A、B合わせて3種類4講義、平成26年度は7種類11講 義、平成27年度は10種類12講義と実績を伸ばしている。 A 分野によらず必要な汎用的内容の講義 B 各分野の特任教員によって提供される特色ある講義
11 e n P i T A N N U A L R E P O R T 2 0 1 5 第1章 事業 の 全体概要 A 分野によらず必要な汎用的内容の講義 ●ファシリテーションスキル 組込みシステム分野 →クラウドコンピューティング分野 実施日時 ……平成27年4月24日 実施場所 ……大阪大学 受講生 …8大学:41名 ●ソフトウェア開発のためのドキュメンテーション入門 組込みシステム分野 →ビジネスアプリケーション分野 実施日時 ……平成27年8月18日 実施場所 ……筑波大学 受講生 …13大学:93名 ●ファシリテーションスキル 組込みシステム分野 →ビジネスアプリケーション分野 実施日時 ……平成27年8月21日 実施場所 ……公立はこだて未来大学 受講生 …4大学:32名 ●プレゼンテーションスキル クラウドコンピューティング分野 →ビジネスアプリケーション分野 実施日時 ……平成27年8月21日 実施場所 ……筑波大学 受講生 …13大学:92名 ●ICT分野の研究開発におけるロジカルシンキングとロジカル ライティングの活用 ビジネスアプリケーション分野 →セキュリティ分野 実施日時 ……平成27年11月30日 実施場所 ……情報セキュリティ大学院大学より配信 受講生 …5大学:16名 B 各分野の特任教員によって提供される特色ある講義 … ●アジャイルソフトウェア開発 ビジネスアプリケーション分野 →クラウドコンピューティング分野 実施日時 ……平成27年5月25日 実施場所 ……九州工業大学 受講生 …2大学:20名 ●最新情報セキュリティ理論と応用 システム編 セキュリティ分野 →ビジネスアプリケーション分野 実施日時 ……平成27年8月26日 実施場所 ……筑波大学 受講生 …9大学:56名 ●クラウドエクストラ クラウドコンピューティング分野 →ビジネスアプリケーション分野 実施日時 ……平成27年8月28日 実施場所 ……筑波大学 受講生 …9大学:56名 ●ハードウェアセキュリティ入門 セキュリティ分野 →組込みシステム分野 実施日時 ……平成27年10月6日 実施場所 ……九州大学(遠隔受信) 受講生 …1大学:19名 ●クラウドエクストラ クラウドコンピューティング分野 →セキュリティ分野 実施日時 ……平成27年11月13日 実施場所 ……奈良先端科学技術大学院大学より配信 受講生 …2大学:11名 … ●ビジネスアプリケーションのためのデータサイエンス入門 ビジネスアプリケーション分野 →クラウドコンピューティング分野 実施日時 ……平成27年12月9日 実施場所 ……九州工業大学 受講生 …2大学:15名 ●スクラム開発入門 ビジネスアプリケーション分野 →クラウドコンピューティング分野 実施日時 ……平成27年5月13日 実施場所 ……東京工業大学 受講生 …1大学:16名 なお、これら以外にも「ネットワークセキュリティ」(セキュリ ティ分野→クラウドコンピューティング分野)はアーカイブ配 信による受講生の自習として実施し、また、「分散PBL」(クラウ ドコンピューティング分野とビジネスアプリケーション分野) をテレビ会議システムによって共同で実施するなどの取り組 みも行われた。
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教員養成・FD活動
各分野における教員養成・FD活動について、その概要を記 す。 ■ クラウドコンピューティング分野 FDWG幹事校である東京大学を中心とし、enPiT全体、分 野、各連携大学において教員養成・FD活動を実施し、500人弱 (のべ人数)の教員が参加した。また、参加大学教員や企業 の非常勤教員と連携し、クラウドコンピューティングの基礎 から応用にわたる教材や演習課題・PBL課題の開発、改善を 行った。また、88件の公開講義を設定し、それぞれの講義を 見学することにより、各トピックスや実践教育のノウハウ・教 育方法を学んだ。さらに、補助期間終了後の円滑な継続のた めに、予習用ビデオ教材・e-learning教材の開発を進めてい る。 次に、各連携大学における特徴的な取り組みを述べる。東 京大学では、クラウド教育に関する教員向け特別講義(3回)、 実践教育に関するFD講演会・FD特別講義を実施し、教員の スキルの向上と実践教育への理解を深めた。東京工業大学 では、8月末に教員2名がNEC Telecom Software Philippines に派遣され、受講生3名とともに同社で行っている開発研修 の一部へ参加し、国際コミュニケーションを含めて、現地リ サーチからアプリ実装までの指導法を学んでいる。大阪大 学・神戸大学では、FDワークショップや講義の実施を通じた 参加大学・連携大学教員との意見交換等を29回実施し、実践 教育に関するノウハウや教育手法の共有および講義内容の 改善・評価を行った。九州工業大学ではクラウド教育ノウハウ の蓄積のために、クラウドの基礎を学べる教材のパッケージ (ビデオ教材・反転教育ツール)の開発を進めている。 今年度の修了生数や参加教員数等の実績を図表1.7.1にまとめる。 分野 コンピューティング分野クラウド セキュリティ分野 組込みシステム分野 アプリケーション分野ビジネス 合計 修了生数 98名 113名 135名 135名 481名 参加教員数 101名 70名 82名 83名 336名 参加大学数 連携大学15校を除く 18 19 35 24 96 連携企業・団体数 39 14 43 29 125 (参考)平成27年度の 目標育成学生数 80名 90名 80名 85名 335名 図表1.7.1 今年度の教育実績および参加実績 ■ セキュリティ分野 セキュリティ分野では今年度も継続して講義や演習によ る理解度向上の程度と受講生から見た難易度を把握するた め、各講義や演習でアンケートを実施し、講師へのフィード バックを行う等、講義・演習の改善を図った。 東北大学開講の「ネットワークセキュリティ実践」では、セ キュリティ分野の参加校である秋田県立大学、仙台高等専門 学校、参加校候補の東北電子専門学校、また、ハイブリッド 人材育成の取り組みとして学部生が受講する東北大学経済 学部の教員参加のもとで学生による成果発表会を開催し、セ キュリティ教育の講義、演習実施方法や成果について理解を 深め、情報共有を行った。 また、分野横断講義として、組込みシステム分野に対し、セ キュリティ分野の演習科目である「ハードウェアセキュリティ 演習」(3日間・15コマ相当)の内容を組込みシステム分野向 けの入門編「ハードウェアセキュリティ入門」として3時間の 講義に改編し、実施した。本講義では、ハードウェアの動作に 応じて機器から漏えいするサイドチャネル情報により、情報 漏えいが生じる事例、およびそのメカニズムについて詳説 するとともに、今後IoTなどの普及によりますます需要が高ま ると予想される組込みシステムにおけるハードウェアセキュ リティ対策の重要性について講義し、組込みシステム分野 の学生とともに教員2名が受講された。またビジネスアプリ ケーション分野に対しても、セキュリティ分野の先進科目であ る「最新情報セキュリティ理論と応用」の公開鍵認証基盤の 内容を入門用に2時間半に編集して提供し、ビジネスアプリ ケーション分野の学生とともに教員2名が受講された。13 e n P i T A N N U A L R E P O R T 2 0 1 5 第1章 事業 の 全体概要 ■ 組込みシステム分野 連携大学間で教育コンテンツ・カリキュラムを共有して実 施するために講師を派遣して、他大学の教員を育成した。ま た、企業からの講師派遣をスムーズに行うことを可能にする ため、教育コンテンツ・カリキュラムを企業内教育に提供し、 企業における実務経験者に対してenPiTの紹介と講師人材の 育成を兼ねて実施した。 九州大学PEARL基本コースのPBLでは、教員だけでなく基 本コースを修了した学生を次年度に、教員の補助としてPBL における学生の指導・アドバイスを行うTAとして活動しても らっている。TAとしての育成指導をより的確に行うため、本 年度より「インストラクションスキル授業(2コマ)」と「ファシリ テーションスキル授業(3コマ)」を九州大学受講生19名に対 して実施した。 名古屋大学のOJLでは、学生指導で使用する週報のフォー マットや、ガントチャートやプロセスフロー図のツールを、教 員間で共有してOJLでの指導品質を保つようにした。OJLで学 生指導を行う名古屋大学のPM(Project…Manager)は、参加大 学の教員と共同で学生を指導しており、相互にOJLの指導方 法を研鑽している。さらに、成果発表会において、OJLに参加 する教員が一堂に会し、相互に指導方法を学びあった。 ■ ビジネスアプリケーション分野 ビジネスアプリケーション分野でのFD活動は次の通りであ る。 ■平成27年2月19日に産業技術大学院大学にて、ビジネスア プリケーション分野のenPiT関連教員を中心にenPiTでの PBL教育についてのライトニングトークを開催した。参加教 員は嵯峨智、渡辺知恵美、木塚あゆみ、永瀬美穂、中鉢欣 秀、吉岡弘隆の6名で各教員が各々5分程度教育方針につ いての発表を行い、各30分程度の議論を行った。 ■平成27年2月28日に開催されたRegional…Scrum…Gathering… Tokyo…2015(http://2015.scrumgatheringtokyo.org/)にて 「大学でのIT教育におけるアジャイル開発の取り組み」と いうセッションを企画し、enPiTにおけるアジャイル開発の 導入事例および経験談やノウハウについて発表した。発表 者とその内容は次の通り。 オーガナイザ:中鉢欣秀(産業技術大学院大学)、永瀬美穂 (産業技術大学院大学) … ●産業技術大学院大学におけるモダンなソフトウェア開発 者育成:中鉢欣秀(産業技術大学院大学) … ●公立はこだて未来大学におけるデザイン志向を取り入 れたPBL教育:木塚あゆみ(公立はこだて未来大学) … ●筑波大学でのプロダクトディスカバリ演習:嵯峨智(筑波 大学) … ●enPiT…Cloud分野におけるチーム開発教育の取り組み: 森本千佳子(東京工業大学) … ●スクラム開発を取り入れたPBLで教員と学生が学んだこ と:渡辺知恵美(筑波大学)、今川裕士(筑波大学enPiT受 講生) ■平成27年9月9日から11日にかけてファカルティディベロッ プメント合宿を公立はこだて未来大学にて開催した。原田 騎郎氏を講師に招き、アジャイル型のソフトウェア開発方 法論として産業界に普及しつつある「Scrum」の本質の学 習と、PBLへの応用について考えるワークショップを実施し た。 ■平成27年9月1日から3日にかけて開催された教育システム 情報学会にて「実践的情報教育の手法と適用事例」という セッションを企画し、enPiT等でのPBLによる課題解決型実 践教育について次の発表を行った。 … ●PBLにおけるポートフォリオ活用による学習支援の試 み:雲井尚人、富永敦子、伊藤恵(公立はこだて未来大 学) … ●アジャイル開発の本質理解とグローバル人材育成のた めのPBL教育:中鉢欣秀(産業技術大学院大学) … ●筑波大学におけるプロダクトディスカバリの実践:嵯峨 智、渡辺知恵美、河辺徹、三末和男、北川博之、田中二郎 (筑波大学)
平成26年度の成果報告書で報告した通り、enPiTの2年間 の取り組みに対する中間評価を「情報技術人材育成のため の実践教育ネットワーク形成事業委員会」より受け、平成27 年3月に評価結果が公表されている。 中間評価結果としては、A判定(これまでの取り組みを継続 することによって、当初の事業目的を達成することが可能と判 断される。)であった。評価コメントは、次の通りである。 「当初の目標を上回る参加大学・受講生を得られ、本事業 の目標でもある代表校・連携大学を中心とした全国的な産学 協働のネットワークの構築拡大が着実に進んでいる。関係大 学同士の連携も密なものとなっており、PROGテスト等により 教育効果の検証を行いその結果を反映させることで、PBL等 のカリキュラムも学生にとって魅力的なものとなるよう努め ている点も評価できる。 全体としては、当初目標を上回る成果を上げていることが 認められ、これまでの取り組みを継続することによって事業 目的を達成することが可能と判断し、評価区分はAとした。 今後は、実践教育の質の向上や支援終了後を見据えて、本 取り組みの定着と普及を図ることが必要である。加えて、情報 を利活用する企業の参加や、第三者評価組織への産業界有 識者の参画など、産業界との一層の連携強化も必要である。 上記の点については、早急に具体的な対応について検討 し、取り組むことが求められる。」 また、今後改善が期待される点を、全国的なネットワーク 形成、組織・体制の構築、大学間の役割分担、実践教育の内 容・実施方法・手段・指導体制、大学・企業等との協力、実践教 育を行う分野、実践教育の規模、他大学の学生・社会人の受 け入れ、他大学の教員の協力・FDの推進・成果の普及、当初
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中間評価
目標の達成状況、第三者評価組織とPDCAサイクル、支援終 了後を見据えた取り組み等に対してまとめられている。 具体的な対応が指摘された「本取り組みの定着と普及」と 「産業界との一層の連携強化」に対して、平成27年度は次の 取り組みを行った。前者に対しては、幹事会、各種WG活動を 通じて、より多くの参加大学の勧誘やe-learning教材の充実 に向けた、FD活動の推進による実践的教育を実施できる教 員の育成等、さまざまな取り組みを行った。後者については、 評価・産学連携WGが主体となり、「学」と「産」で行われている 「実践教育の事例」の共有を通じて、「学」と「産」の教育に関 するズレの解消、それぞれで実施している教育内容の改善を 目的としたIT実践教育会議2015を開催した。会議は、独立行 政法人情報処理推進機構(IPA)、ベンダー企業、ユーザ企業 代表者とenPiT関連教員が参加し、平成27年11月25日に国立 情報学研究所で行われた。 また、ユーザ企業との連携強化を目的として、一般社団法 人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が主催し、平成 28年1月29日に開催された「JUAS…FUTURE…ASPECT…2016…ワク ワクする未来へ~さがそう!…私のハピネス!」において、「パネ ルディスカッション…大学院での学び/気付きの成果がワクワ クする未来を呼び起こす~社会人のセンスがその可能性を 拡げられるか~」を実施した。パネルディスカッションでは、 各分野の今年度修了生がパネリストとして、何を学び、どのよ うに社会へ関わっていきたいかを発表し、聴講者(主にユー ザ企業のエンジニア)と活発な議論・意見交換を行った。 平成28年度も、中間評価の結果を踏まえて改善を行い、本 事業を推進していく次第である。15 e n P i T A N N U A L R E P O R T 2 0 1 5 第1章 事業 の 全体概要 enPiTに求められている実践的教育を実現するために、各 分野において大学と企業等との連携が精力的に実施されて いる。平成27年度は、これらの各分野の取り組みに加え、産業 界と分野横断的な交流を実施し、enPiTの取り組みをより広 く産業界に認知していただくことを目的とした会合を開催し た。その概要を次に記す。 (1)IT実践教育会議2015 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)および一般社団法 人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の協力のもと、 enPiTの実践教育と産業界で実施されている実践教育の事例 を共有し、意見交換を行う会合を開催した。プログラムは図 表1.10.1の通りである。意見交換の内容については3.2.3節を 参照のこと。
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産学連携の取り組み
13:00~ 13:05 オープニング enPiT代表 大阪大学 井上克郎 13:05~ 13:15 enPiT全体説明 大阪大学 春名修介 13:15~ 14:15 enPiTにおける実践教育事例報告 ●クラウドコンピューティング分野 大阪大学…春名修介 ●セキュリティ分野 奈良先端科学技術大学院大学 猪俣敦夫 ●組込みシステム分野 東海大学 渡辺晴美 ●ビジネスアプリケーション分野 筑波大学 渡辺知恵美 14:15~ 14:40 enPiTにおける実践力評価手法の報告 14:40~ 14:50 休憩 14:50~ 16:10 企業における教育と評価事例報告 ①株式会社…日立製作所…情報・通信システム社 ②楽天株式会社 ③オリックス・システム株式会社 ④株式会社インテリジェンスビジネスソリュー ションズ 16:10~ 16:55 意見交換(45分) 16:55~ 17:00 クロージング 日時 ……平成27年11月25日 13:00~17:00 会場 ……国立情報学研究所20階(2009/2010) (2)JUAS FUTURE ASPECT 2016への参画 一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS) 主催のイベントJUAS…FUTURE…ASPECT…2016において、enPiT 受講生がその実践教育体験を発表するパネルディスカッショ ンを開催した。 ■パネルディスカッション 大学院での学び/気付きの成果がワクワクする未来を呼 び起こす~社会人のセンスがその可能性を拡げられるか~ ●クラウドコンピューティング分野 神戸大学大学院システム情報学研究科 計算科学専攻 博士課程前期1年 林亜梨沙 ●セキュリティ分野 東北大学大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻…曽根・水木研究室 博士課程前期1年 齋藤愛 ●組込みシステム分野 名古屋大学大学院情報科学研究科 情報システム学専攻 博士課程前期2年 小川真彩高 ●ビジネスアプリケーション分野 筑波大学大学院システム情報工学研究科 コンピュータサイエンス専攻 博士課程前期1年 髙田崚介 モデレータ: 大阪大学大学院情報科学研究科 特任教授 春名修介 図表1.10.1 IT実践教育会議2015 プログラム今後の研究・学習の モチベーションが高まった IT関連の仕事の魅力が理解できた 将来本当に必要な実力がついた IT関連の仕事に 就きたいという気持ちが強まった 他大学の学生と 切磋琢磨することができた レベルの高い演習を 体験することができた 合宿などによって 普段と異なる経験ができた 自校では学べない実践的な 内容を学ぶことができた 強くそう思う どちらともいえない ある程度そう思う あまりそう思わない 0 20 40 60 80 100 50.6 36.0 37.2 34.7 29.3 47.3 28.5 38.1 21.8 39.7 21.3 54.8 20.1 49.8 16.3 49.4 (単位:%) (N = 239) 平成27年2月から3月にかけて、平成26年度にenPiTを受講 した学生に対する満足度調査を行った。enPiT事業としては 第二期の学生になる。その結果239名から回答があり次のこ とが分かった。 1.… …平成27年度も半数以上の学生が「enPiTは非常に有益 だった」と回答し、「ある程度有益」という回答を含めると 9割以上が「有益だった」と回答があった。昨年度同様、 enPiT受講生の満足度は非常に高いことが判明した。 2.… …平成26年度は「プログラムに関する事前の情報や説明が 少なかったこと」を課題と感じる学生が多かったが、この 傾向は平成27年度にやや改善された。 3.… ……「学習・研究との両立が難しいこと」はenPiT受講時の大き な課題となっているが、平成27年度はそのように感じた 学生がやや増加した。また、受講前にそう感じた学生は
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動向調査
enPiT受講生の満足度調査
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半数を超えた。 4.… …平成27年度、新たにenPiTの受講によって「IT関連の仕事 に就きたいという気持ちが強まった」かを尋ねたところ、 約6割の学生が「そう思う」と回答。「IT関連の仕事の魅力 が理解できた」学生も約7割に上った(図表1.11.1)。情報系専攻へのニーズ調査
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国内の大学院の情報系専攻(249専攻)に対して、PBLをは じめとする実践教育の普及状況や課題のほか、enPiTに対す るニーズの把握等を目的として、平成27年5月にアンケート調 査を実施した。具体的には、次の項目を調査した。 ※同様の調査は、平成26年5月、および平成25年2月にも行っている。 ●実践教育の実施状況 ●実践教育の重視度 ●実践教育の充実化の必要性に対する認識 図表1.11.1 enPiTに参加した成果17 e n P i T A N N U A L R E P O R T 2 0 1 5 第1章 事業 の 全体概要 何らかの形で参画している まったく知らない 内容をある程度知っている 無回答 名前は聞いたことがある 0 20 40 60 80 100 25.4 20.5 27.6 29.3 17.1 17.9 25.2 17.8 29.9 (単位:%) 平成25年度 (N = 107) 平成26年度 (N = 123) 平成27年度 (N = 185) 非常に関心がある あまり関心はない ある程度関心がある 無回答 多少は関心がある 0 20 40 60 80 100 平成25年度 (N = 107) 平成26年度 (N = 123) 平成27年度 (N = 185) 23.8 34.1 30.8 29.3 18.7 33.3 23.4 22.4 45.8 (単位:%) 図表1.11.2 情報系専攻におけるenPiTの認知度 図表1.11.3 情報系専攻におけるenPiTへの学生参加の関心度 ●実践教育の実施に関する課題 ●enPiTの認知度 ●enPiTへの学生の派遣に対する関心度等 調査の結果、185件(回答率74.3%)の回答があり、次のこと が分かった。 … ●enPiTの認知率は、過去3年間の調査の中で最も高い 73.5%を達成し、enPiTは情報系専攻の間で広く浸透したと いえる(図表1.11.2を参照)。 … ●enPiTへの学生の派遣に対して関心を持つ専攻は、enPiT 非参加校にも拡大し、enPiTの有効性が広く知られるように なった成果が表れていると考えられる(図表1.11.3)。 … ●実践教育を今後さらに充実化したいという意向が、情報系 専攻の中で全体的に上昇しており、enPiTのような実践教 育を重視する取り組みが継続された成果といえる。 … ●実践教育の重要性に対する認識の拡大を受け、enPiT非参 加校でも、産業界での実務経験を有する教員の採用や実 践性の高い教育を実施した教員を高く評価する動きが広 がっている。 本調査の詳細は、enPiTのWebサイト(http://www.enpit. jp/)のpublicationsのページから「H27年度実践教育に関す る大学向けアンケート調査結果」というタイトルで公開してい る。
IT系企業のニーズ調査
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enPiT修了生の受け入れ先となる可能性があるITベンダー もしくはユーザ企業1,000社の人事部門・新卒採用部門に対 して、情報系出身者に対する印象のほか、enPiTの認知度や enPiTの教育内容に対する印象等を尋ねるアンケート調査 を平成26年11月に実施した。具体的には、次の項目を調査し た。 ※同様の調査を、平成28年2月にも行っている。 ●新卒採用時に重視する点 ●情報系専攻者に対する期待 ●情報系大学院での実践教育に対する関心 ●enPiTの認知度/認知経路 ●enPiTの教育内容等に対する印象・意見 ●enPiT修了生の採用についての興味図表1.11.4 情報系修士卒の人材に特に重点的に学んでおいてほしい分野 IT企業1960年代以前(N = 29) IT企業1970~80年代(N = 46) IT企業1990年代以降(N = 33) ユーザ企業1950年代以前(N = 29) ユーザ企業1960年代以降(N = 12) 無回答 その他 サービスマネジメント (運用設計、システム監査等) 経営戦略 (ITマネジメント、法務・倫理等) システム戦略 (業務プロセス、システム化計画等) プロジェクトマネジメント コンピュータシステム (デバイス、OS、ミドルウェア等) ビジネススキル (ロジカルシンキング、プレゼン等) 開発技術 (開発プロセス、要件定義、方式設計等) 技術要素 (データベース、ネットワーク、セキュリティ等) 基礎理論 (プログラミング、アルゴリズム等) 58.6 66.7 62.1 81.8 78.3 50.0 44.8 72.7 60.962.1 41.744.8 45.545.7 34.5 33.334.5 30.3 28.3 48.3 0.0 31.0 36.437.0 17.2 33.3 17.2 12.1 28.3 17.2 0.0 10.3 6.48.7 6.9 8.3 3.4 0.0 0.0 6.9 0.0 3.4 3.0 2.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 6.9 0.0 10.3 0.0 0.0 3.4 (単位:%) ●enPiTに対する期待や要望 調査の結果、149件(回答率14.9%)の回答があり、次のこと が分かった。 ●enPiT修了生が自社の人材ニーズを満たせるかを尋ねた 設問では、約8割の企業が「そう思う」と回答し、enPiT修了 生は多様な層の企業のニーズを満たすことが可能である ことが分かった。 ●実践教育の取り組みを企業は比較的高く評価し、特に従業 員規模の大きなIT企業ほど、enPiTの教育内容の新規性と 先端性を高く評価していることが判明した。 ●伝統的な大企業よりも、小規模なIT企業や新興IT企業の方 が情報系修士卒に対して明確で具体的なニーズを有して いることが分かった。具体的には、図表1.11.4にある通り、 創業年代別では、1990年代以降の新しい企業で「技術要 素」と回答した割合が高いことが分かった。 … 本調査の詳細は、enPiTのWebサイト(http://www.enpit. jp/)のpublicationsのページから「H26年度実践教育に関す る企業向け調査」というタイトルで公開している。