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本日のテーマ 認知症について 精神科で扱う病気とは うつ病について 統合失調症について

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Academic year: 2021

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認知症と精神疾患について

の理解

上林記念病院 精神科 本田浩一

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本日のテーマ

認知症について

・精神科で扱う病気とは

・うつ病について

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当院について

一宮市奥町の療養併設精神科病院 全296床→450床へ拡大 急性期病棟 約50床 精神一般 約200床 回復期リハビリテーション病棟 約100床 療養型病棟 約100床 小児精神科が本格的に稼働

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46 5 44 106 37 7 9 14 6 274 0 50 100 150 200 250 300 F0 F1 F2 F3 F4 F5 F6 F7 F8 計 疾患別外来患者数

疾患別割合

認知症 統合失調症 うつ病

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殺人事件の 発生件数は 右肩下がり

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交通事故死も 右肩下がり

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尊属殺人は 右肩上がり

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http://ninchisho-online.com/archives/29/

介護者の7割 は60歳以上

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①老老介護化

②認知症患者の絶対数の増大

③介護系サービスの立ち遅れ

④人材不足

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認知症って?

• 様々な原因により脳細胞が死んだり働き

が悪くなって記憶力や判断力の障害が起

こり、生活に支障をきたす病気の総称。

• 「加齢によるもの忘れ」とは異なる。

• 65歳以上の有病率はおおむね10-20%。

• 80歳を超えると4人に1人が認知症。

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http://iikai5.com/dementia/transition.html

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認知症の種類

アルツハイマー型 が最も多い

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アルツハイマー型認知症

• 脳内に異常なたんぱく質(βアミロイド)が蓄積 し、神経細胞が変性・脱落して脳が萎縮して いく認知症。 • 中核症状としてのもの忘れと易怒性や徘徊、 幻覚・妄想などの周辺症状に大別される。 • 基本的には緩やかに症状は進行する。

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脳血管性認知症

• 脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳の血 管の病気によって脳の血管が詰まったり出血 し、脳の細胞に酸素が送られなくなるため、 神経細胞が死んでしまい認知症が起こる。 • アルツハイマー型認知症と違い、症状は階段 状に進行し、症状もまだらであることが多い。 (例)記憶障害はひどいが判断能力は保たれる など。

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レヴィ小体型認知症

• レヴィ小体という特殊なたんぱく質が神経細 胞に発生し、神経細胞が壊れて減少し神経を 上手く伝えられなくなり、認知症の症状が起こ る。鮮やかな幻視を認めることがある。 • パーキンソン病という病気に特徴的に発症し やすい。

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認知症の症状① もの忘れ

• 中核症状=もの忘れ≠健忘

「体験したこと」を忘れてしまう!

「ご飯のメニュー」ではなく、「ご飯を食べたこと」

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認知症の症状① もの忘れ

• 意味記憶の障害 「物の名前が言えない」「字が書けない」 • 手続き記憶の障害 「箸を使う」「入浴する」「用を足す」× ◇エピソード記憶→意味記憶→手続き記憶の 順に障害されていく

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認知症の症状② 周辺症状

• 徘徊 「会社に行ってくる」「家に帰る」 • 易怒性、感情不安 「大声で怒鳴る」「物を壊す」「閉じこもる」 • 異食・不潔行為 「便をこねる」「パンツを食べる」 • 幻覚・妄想 「死んだばあさんが来とる」「財布を盗られた」

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アルツハイマー型認知症の治療薬

• 脳内のアセチルコリンという神経伝達物質 を増やすことを目的としている。 • 副作用として消化器症状や、易怒性、興奮 をもたらすことがある。 • 数年認知症の進行を抑えることが可能。 認知症を根治できる薬は ない

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その他の認知症の治療薬

• 現在発売されている認知症の薬は全てアル ツハイマー型認知症の薬。その他の認知症 に適応のある薬はない。 • しかし、その他の認知症でも内服させることで 一定の効果があったという報告は多く、アル ツハイマー型認知症を合併するケースが多 い事もあり使ってみる価値はある。

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周辺症状の治療

• 怒りっぽさが目立つ場合はメマンチンという抗 認知症薬を使用したり、抗精神病薬という薬 を用いて「穏やかにする」ことがある。 • 幻覚や妄想がひどい場合にも抗精神病薬を 使用することがある。 • 「うつ」が目立つ場合は抗うつ薬を使用する。 • いずれの薬も副作用に注意が必要。

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薬よりも大事なこと

• 介護サービスの利用(デイサービス、デイケ ア、ショートステイ)により、同世代との関わり を持たせ、「生きがい」を提供する。また、家 族の負担軽減につながり介護疲れを予防す る役割もある。 • できる事は取り上げない。 • 一人で関わらず、地域で関わる。 • 何よりも尊厳を持って接すること

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認知症は予防が大切

• 運動を生活習慣に取り入れる。 • バランスの良い食事を心掛ける。 • 節酒・禁煙。 • 色々な人と関わりを持ち続ける。 • 60歳を過ぎたら毎年認知症のチェックを。

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認知症初期集中支援チーム

• 新オレンジプラン(平成27年1月~)で策定さ れた取り組み。 • 地域での生活が維持できるようにできるだけ 早い段階で包括的に支援を提供する。 • 待つのではなく、自ら訪問していく。 • 40歳以上の認知症が疑われるケース(在宅 で生活している事が前提)すべてに適応。

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対象

受動的把握:地域包括支援センターが入手した 情報を基とする場合。 能動的把握:二次予防対象者把握支援事業や 市町村の把握事業、要介護認定済みでサービ スを受けていない人の選定等を利用する。 ◇いずれも広報活動が極めて大切

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医師(認知症サポート医)の役割

• チーム員会議に出席し認知症診断の助言と 治療計画の策定をおこなう。 • チーム員が得た情報に対する医学的なコメン トや評価をおこなう。 (例)「動けない」という情報に対するアセスメン トなど • かかりつけ医がいた場合、認知症の状況を 情報提供する、など。

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うつ病の起源

古代ギリシャのヒポクラテスの時代 約2500年の歴史を持つ

日本では戦時中など「怠け病」といわれてい た時代もあった

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群れを作り、外敵から身を守る社会性を発達させた 事が孤独には弱くなり、うつ病になりやすくさせた? 魚でも「ある条件」を作ると、脳の扁桃体が暴走し、う つ状態になる。

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うつ病の定義

• 眠れない、食欲がない、一日中気分が落 ち込んでいる、何をしても楽しめない… • ものの見方が否定的になり自責的になる … • そうした症状が2週間以上続く事、それに より仕事や家庭に支障が生じている事で うつ病と定義する。

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うつ病の精神症状

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うつ病の身体症状

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http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2009/html/honpen/part2/s2_3_2_1.html

精神科や心療内科 を受診する事は稀!

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高齢者のうつ病の特徴

• 不安が強い

• 食欲不振、不眠が目立つ

• 物忘れを気にする

• 認知症との鑑別が困難な場合がある

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うつ病の仕組み

ゆううつにさせるものの正体 主には脳内神経伝達物質セロトニンの 分泌低下(ドーパミン、ノルアドレナリンも 関係している)

セロトニン

リラックス状態や 睡眠のコントロールに関係

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①十分な休息:エネルギーの回復

②薬物療法:治療のメイン

③認知行動療法:否定的な認知を改

める精神療法

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気をつけること

• うつ病は思考停滞によって記憶障害を呈する ことがあり、高齢者の場合は特に認知症との 鑑別が重要。 • さらに、うつ病は認知症のリスクが高く、認知 症の初期症状の場合があるため、継続的な フォローが必要。

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統合失調症

躁うつ病と並んで代表的な精神疾患

およそ

1000人に7-8人

の割合で

発症するといわれている

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どういう病気か

脳内の神経ネットワークの障害により幻覚や妄想など の陽性症状や、感情鈍麻、引きこもりなどの陰性症状 、臨機応変に物事に対処できなくなる認知機能障害を 呈する慢性疾患。 多くは元々存在しているストレスに対する弱さから進 学、就職、結婚などのライフイベントを契機にして発症 しやすい。

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神経のネットワークにトラブルが生じる

脳の機能障害による病気

コミュニケーション能力 情報処理能力 意欲 思考 感情 ジプレキサ家族説明用 医療法人 函館渡辺病院 三 上 昭 廣 監修 より抜粋

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一般的症状

陰性症状 陽性症状 作業能力の障害 幻聴 1 1 被害妄想 2 2 不安定な感情 3 3 奇異な行動 4 4 思考の混乱 5 5 記憶力の減退 1 1 融通性の低下 2 2 作業スピードの 遅さ 3 3 了解の悪さ 4 4 心身の極端な 疲れ易さ 5 5 社会的引きこもり 1 1 感情鈍麻 2 2 言語貧困 3 3 意欲減退 4 4 注意力・集中 力の低下 5 5 無関心 6 6 ジプレキサ家族説明用 医療法人 函館渡辺病院 三 上 昭 廣 監修 より抜粋

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高齢者の場合

• 慢性的な経過を経ている方がほとんどで

あり、幻聴や妄想などの陽性症状はあま

り目立たない。

• 人格水準の低下と病気の本質(認知機能

障害)によって認知症との区別が困難。

• 高齢発症の統合失調症はまずいない。

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統合失調症の治療

• 基本は薬物療法とリハビリテーション • 統合失調症では、様々な症状のために家庭 生活や社会生活に障害が生じやすい。 →このため、心理教育、生活技能訓練(SST)、 デイケア、作業所などを通じ社会復帰を図って いくことが必要。

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気をつける事

• 統合失調症の特性から、家族がそれと気づ かず、放置しているケースもある。無治療の 場合高齢になると認知症合併のリスクは大き い。 • 医療機関に未受診であった場合、家族歴を 含めた生活歴や現病歴を綿密に調査、検討 する必要がある。

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おわりに

ご参加ありがとうござました。 当院に認知症疑いで受診するケースの多くは周辺 症状が活発になって初めて受診につながるケースが 多く、在宅生活を続けることが既に手遅れである場合 が散見されます。 より早期に認知症を発見し医療や介護につなげてい く事が肝要であり、ただ受診を待つのではなくもっと地 域に積極的に関わっていく必要があると感じていま す。

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参照

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