原油高時代の日本漁業について
東京海洋大学
婁小波
海洋政策研究財団
海洋政策研究財団
「第53回海洋フォーラム」
「第53回海洋フォーラム」
1.はじめに
<報告のポイント>
① 日本漁業の抱える問題点について
② 問題解決のための諸課題について
③ 持続的漁業を実現するための視点
2.原油高時代の日本漁業
~「三重苦」の時代
1) 漁業経営構造
漁家所得=漁業所得+漁業外所得
=(漁獲量×平均価格-漁業経費)+(兼業+海業)所得
2) 漁業経営の「三重苦」
① 資源減少
→ 漁獲量の低迷
原 因 : 温暖化、環境悪化、
国際資源管理の強化
資源水準 平成17年 平成18年 主な魚種・系群
高位 13系群 16系群
サンマ(太平洋北西部系群)
スルメイカ(秋季発生系群)
ゴマサバ(太平洋系群、東シナ海系群)等
中位 30系群 29系群
マアジ(太平洋系群、対馬暖流系群)
ズワイガニ(太平洋北部系群、日本海系群)
スルメイカ(冬季発生系群)等
低位 50系群 48系群
マサバ(太平洋系群、対馬暖流系群)
スケトウダラ(日本海北部系群、太平洋系群)
マイワシ(太平洋系群、対馬暖流系群)等
表 日本周辺海域の資源水準の状況
出所:水産庁『平成18年度国際漁業資源の現況』より引用。
図 世界の海洋資源利用状況
② 魚価低迷
図 水産物卸売価格指数の推移
85.0
90.0
95.0
100.0
105.0
110.0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005年
指数(2000
年=100)
産地卸売価格指数 魚介類消費者物価指数
資料:農林水産省『水産物流通統計年報』および総務省『消費者物価指数年報』により作成。
② 魚価低迷
原因1:輸入増加
図 日本における食用魚介類の需給の推移
図 産地水揚高と平均価格の推移
原因2:価格形成メカニズムの変調
図 産地水揚量・平均価格の推移
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05 年
水揚量
(
千
ト
ン
)
0
50
100
150
200
250
価
格
(円
/k
g)
水揚量 価格
資料:農林水産省『水産物流通統計年報』により作成。
注:調査対象漁港数は年によって変動がある。
図 主要魚種別平均単価の推移
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
年
円/kg
まぐろ類
さけ・ます類
いわし類
さば類
さんま
ひらめ・かれい類
資料:農林水産省『漁業・養殖業生産統計年報』により作成。
図 主要魚種別産地価格の推移
→ 最近の国際的な水産物需要拡大・食料エネルギー危機からのインパクトはまだ薄い
原因3:国内市場消費の低迷
「魚離れ」?
図 年齢別 肉類・魚介類の摂取量の変化(平成7年→平成16年)
③コスト上昇 → 燃油価格高騰
年 A重油価格
1998 46,205
1999 45,580
2000 46,305
2001 46,680
2002 44,725
2003 46,830
2004 48,325
2005 58,050
2006 70,700
2007 89,250
2008 111,100
<参考>
表 農業生産資材品目別全国
平均購入価格(単位:円/kℓ)
資料:農林水産省『農業物価統計』により作成。
注:2007年は12月の価格、2008年は6月の価格
である。
図 全漁連A重油価格の推移及び最近の動向
資料:福島県漁連資料より引用。
雇用労
賃
漁船費 漁具費 油費
えさ代 種苗代
販売手
数料
漁業部門
負債利子
租税公課
諸負担
平
均
432
289
204
458
71
3
309
28
211
3 ト ン 未 満
192
155
130
196
52
1
199
10
144
3 ~ 5 t
460
364
254
572
68
7
352
30
252
5 ~ 10 t
1360
673
370
1137
110
4
612
85
384
10 ~ 20 t
2048
1012
660
2459
379
5
1124
177
602
平
均
400
306
206
483
71
16
308
25
207
3 ト ン 未 満
157
159
126
192
51
1
188
9
146
3 ~ 5 t
418
346
258
603
71
51
354
26
251
5 ~ 10 t
1285
771
375
1209
112
4
622
72
322
10 ~ 20 t
2363
1414
764
2883
359
8
1283
177
656
平
均
400
295
214
487
70
4
308
24
201
3 ト ン 未 満
164
150
138
188
54
1
195
8
141
3 ~ 5 t
384
377
264
622
66
9
362
26
242
5 ~ 10 t
1309
623
401
1251
110
4
628
76
322
10 ~ 20 t
2470
1344
653
2744
328
6
1029
169
628
平
均
387
271
214
551
66
2
311
22
193
3 ト ン 未 満
176
125
137
212
52
2
204
9
133
3 ~ 5 t
345
366
274
726
61
1
353
21
227
5 ~ 10 t
1296
615
389
1386
98
5
628
74
325
10 ~ 20 t
2213
1171
604
3008
303
4
1047
159
660
平
均
1255
1231
195
4
518
56
291
3 ト ン 未 満
219
284
94 -
252
7
168
3 ~ 5 t
387
957
102
5
456
27
180
5 ~ 10 t
1256
1730
129
16
682
83
352
10 ~ 20 t
6991
1496
5366
965
8
1785
292
928
平成
14年
平成
15年
504
212
511
675
平成
16年
平成
17年
平成
18年
表 経営体階層別漁業支出構成 (単位:千円)
資料:農林水産省『漁業経営調査報告書』により作成。
3) 当然の解決策として
① コスト上昇分を魚価に転嫁する
② 経営努力によってコストを下げる
③ 生産量を増やす
↓
果たして可能か
3.燃費上昇と価格形成
~燃費上昇分はなぜ生産者価格に転嫁できないか?
1)水産物の流通経路と価格決定法
仲買業者
買参人
小売
業者
消
費
者
産地市場(地方卸売市場・共販所) 消費地中央(地方)卸売市場
加工・冷凍業者
消費者団体など
の各種場外業者
卸売
業者
生
産
者
出
荷
団
体
産地卸売業者
(漁協・漁連)
産地仲買人
地元業者 地元消費者
P1:生産者手取り価格
(委託)
出 荷
(委託)
P2:産地市場価格
(セリ・入札)
P3:消費地市場価格
(相対・セリ)
P4:小売価格
(定価)
セリ・入札による価格決定:
@公平な需給会合による理想的な価格決定法の一つ
供給者:零細多数の生産者
需要者:多数でプライス・テーカーとして行動
市 場:完全競争市場を前提
@需要者が需給状況を判断して相場をつくる
生産者が価格決定権を持たない
↓
生産者の事情が考慮される余地はない
事実① 産地価格比率が低い
事実② 産地価格比率が低下
図 段階別価格形成
資料:全漁連資料より引用。
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
1991 199
3
1995 1997 1999 2001 200
3
2005 年
(円/kg)
産地 消費地
サバ類の産地価格と消費地価格の推移
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
4,000
1991 1993 19951997 19992001 20032005 年
(円/kg)
産地 消費地
マグロの産地価格と消費地価格の推移
2)水産物の段階別価格形成実態
資料:農林水産省『水産物流通統計年報』により作成。
3)産地価格比率が低い理由
①多段階流通
1985年 1994年 2002年 1985年 1994年 2002年 1985年 1994年 2002年
905,790 1,073,153 480,871 294,446 399,389 379,939 3.1 2.7 1.3
299,082 374,726 294,996 89,389 109,063 94,223 3.3 3.4 3.1
野菜果実 111,163 104,425 113,376 35,605 44,713 38,142 3.1 3.5 3.0
食 肉 57,458 71,611 57,529 24,382 28,189 24,159 2.4 2.5 2.4
鮮 魚 130,461 148,826 124,091 29,402 36,161 31,922 4.4 4.1 3.9
143,368 113,499 49,181 24,240 25,174 31,922 5.9 4.5 1.5
463,340 584,928 136,694 180,817 265,152 253,794 2.8 1.8 0.5
資料:通商産業大臣官房調査統計部編『商業統計表;品目編』より作成。
加工食品計(a-b-c)
食 品 合 計(a)
生鮮食料品計(b)
米麦雑穀類(c)
(単位:億円)
区
分 卸売金額(W) 小売金額(R) W/R比率
表 国内食品流通におけるW/R比率
② 川下規定による「価格抑制」
単位:%
一般小
売店スーパーコンビニエ
ンスストア百貨店生協・購買ディスカウントストアインターネット通信販売その他 計
S39 75.2 9.7 0.7 1.1 13.3 100
S44 68.3 20.4 1.2 1.9 8.2 100
S49 63.6 28.0 1.3 2.4 4.7 100
S54 50.5 41.2 1.5 3.4 3.5 100
S59 38.5 51.5 1.9 5.0 3.0 100
H6 20.6 54.7 0.6 3.3 9.1 0.9 0.3 10.4 100
H11 13.5 61.2 0.4 3.0 8.9 0.8 0.3 12.1 100
H16 11.4 68.0 0.3 2.6 12.6 1.4 0.1 0.7 3.0 100
S39 73.8 11.3 1.7 1.3 11.8 100
S44 69.6 19.2 1.3 2.0 8.0 100
S49 65.8 24.1 1.2 2.5 6.3 100
S54 55.1 33.0 1.7 3.7 6.6 100
S59 45.8 40.3 2.0 4.9 7.0 100
H6 30.9 44.3 0.5 2.7 7.4 0.8 0.4 13.0 100
H11 20.3 52.7 0.5 3.4 8.0 0.8 0.9 13.4 100
H16 18.6 53.2 0.4 3.0 12.0 1.4 0.1 1.8 9.5 100
S39 77.4 9.5 1.5 1.0 10.6 100
S44 69.7 19.1 2.7 1.8 6.7 100
S49 66.6 26.2 1.7 2.2 3.2 100
S54 50.7 38.8 3.2 3.6 3.7 100
S59 38.9 48.5 3.6 5.8 3.3 100
H6 24.6 55.4 0.5 5.1 9.2 1.0 0.3 3.8 100
H11 16.5 63.7 0.4 5.8 9.2 0.9 0.4 3.0 100
H16 14.0 63.9 0.4 5.2 11.3 1.6 0.1 0.8 2.6 100
資料:総務庁『全国消費実態調査報告』より作成。
年
野
菜
果
実
魚
介
類
表 消費者購入先別支出金額比率
「川下規定」とは
チャネルリーダー
「四定条件」:
定量・定質・定価・定時
「定価」=「良品低価」
→地域一番店を目指す
ための競争戦略
「定価}=9割の国民が
買える値段
「良品良価」の否定
→市場評価機能の否定
→最も立場の弱い漁業
者がしわ寄せ
→ 流通改革が重要
4) 産地価格比率低下の理由
消費者ニーズの多様化
↓
経営対応の多様化
↓
流通コストの増加
↓
最も立場の弱い漁業者にしわ寄せ
→ 消費改革が重要課題
4.コスト削減と漁業構造改革
~「漁業構造改革」によるコスト削減は可能か?
1) 漁業構造改革によるコスト削減努力
①
既存漁業経営の効率化によるコスト削減
②
漁業権開放・参入規制撤廃による新規企業参入
よる漁業経営の効率化
→規制改革論
2) 漁業経営の効率性と持続性
① 重層的漁業構造
② 漁業経営の諸特性
漁労所得
率
漁労純収
益
物的経費 純生産性
漁業固定資
本装備率
(%)
平
均
28.5
-788
4341
1973
2106
3 ト ン 未 満
49.8
-420
1627
1294
1274
3 ~ 5 t
36.9
-1191
3508
1589
1800
5 ~ 10 t
27.5
-1048
5767
2256
3192
10 ~ 20 t
14
-868
15833
3222
3298
20 ~ 30 t
1.5
-3471
23890
4359
4225
30 ~ 50 t
5.1
-3286
38860
4043
4471
50 ~ 100 t
11.5
9090
53324
4308
2114
100 t 以 上
1.1
1356
210411
7433
6200
(千円)
指標
トン数
表 経営体階層別分析指標 個人経営体(平成18年)
資料:農林水産省『漁業経営調査報告書』平成18年版により作成。
売上総利
益率
売上利益
率
付加価値
生産性
労賃率
労働1人当
たり労賃
(千円)
平
均
12.2
-3.1
7154
33.4
4,593
10 ~ 20 ト ン
22.7
-6.1
7328
29.7
3,587
20
~
50
26.4
0.3
5381
34.3
2,838
50 ~ 100
16.9
-3.6
5937
39.9
3,847
100 ~ 200
14.5
-4.8
7524
35.6
4,840
200 ~ 500
9.9
-5
6872
32.9
4,477
500トン以上
9
-2
7691
32.2
5,170
指標
トン数
(%)
資料:農林水産省『漁業経営調査報告書』平成18年版により作成。
表 経営体階層別分析指標 会社経営体(平成18年)
③ 漁業の持続性と経営論理
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
189418961898 1900190219041906 1908191019121914 1916191819201922 1924192619281930 1932193419361938 1940194219441946 1948195019521954 1956195819601962 1964196619681970 1972197419761978 1980198219841986 1988199019921994 1996199820002002 20042006年
(千トン)
資料:日本農林水産省『漁業・養殖業生産統計年報』により作成。
注:1894年~1956年は遠洋・沖合・沿岸別のデータはなし。
低位
停滞期
生産力
発展期
戦時
衰退期
→第2次
漁船動力化
戦後
復興期
成熟期
衰退期
高度
成長期
-漁村恐慌-
沿岸漁業
養殖漁業
近海漁業
遠洋漁業
内水面
漁業
→第1次
漁船動力化
図 日本漁業生産量の推移
3) コスト削減のために
事実認識:これまでは追求してきた「専門化の利益は限界
Ex.マグロ漁業
@ 規模の経済性 - 個別経営の大規模化
- 協業化
→ 漁業構造改革が課題
@ ネットワークの経済性 - 流通過程との連携
→ コスト競争から品質競争へ
@ 範囲の経済性 - 多角化経営
→ 事業領域の改革が課題
① 漁業的海洋利用の性格
漁
業:水産資源を利用することによって成り立つ産業
海洋自由の原則(→200カイリ制度に移行)、
自律再生産資源の無主物先占、
自由利用(フリーアクセス/オープンアクセス)
→資源乱獲=コモンズの悲劇を引き起こす典型的な
自然資源利用業態
乱獲の経路:「沿岸から沖合へ、沖合から遠洋へ」
d
P2
C2 c/x
e2
近海漁場 遠方漁場
5.資源管理問題
~日本の資源管理はだめなのか?
1) コモンズとしての日本沿岸漁業資源利用
@日本の沿岸漁業が奇跡的に唯一といってよいほど例外的な存在
@日本の沿岸漁業による水産資源利用実態が「コモンズの悲劇」を超える
もう一つのコモンズとして早くから注目、その実態解明のための研究も
少なからず蓄積。
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
18
94
18
96
18
98
19
00
19
02
19
04
19
06
19
08
19
10
19
12
19
14
19
16
19
18
19
20
19
22
19
24
19
26
19
28
19
30
19
32
19
34
19
36
19
38
19
40
19
42
19
44
19
46
19
48
19
50
19
52
19
54
19
56
19
58
19
60
19
62
19
64
19
66
19
68
19
70
19
72
19
74
19
76
19
78
19
80
19
82
19
84
19
86
19
88
19
90
19
92
19
94
19
96
19
98
20
00
20
02
20
04
20
06年
(千トン)
資料:日本農林水産省『漁業・養殖業生産統計年報』により作成。
注:1894年~1956年は遠洋・沖合・沿岸別のデータはなし。
低位
停滞期
生産力
発展期
戦時
衰退期
→第2次
漁船動力化
戦後
復興期
成熟期
衰退期
高度
成長期
-漁村恐慌-
沿岸漁業
養殖漁業
近海漁業
遠洋漁業
内水面
漁業
→第1次
漁船動力化
図 日本の漁業生産量の推移
② 日本沿岸漁業の持続性
@たとえば、
・Gordon,H,S.”The Economic Theory of a Common Property Resources: The Fishery,
Journal of Political Economy 62,pp.124-142,1954.
・Ostrom,E.,Governing the Commons,Cambridge : Cambridge University Press,1990.
・Berkes,F.,Common Property Resources : Ecology and Community – based Sustainable
Department,Belheaven Press,1989.
・多辺田政弘『コモンズの経済学』,学陽書房,1990年(玉野井芳郎「第1章 コモンズとしての海」)。
・中村尚司・鶴見良行『コモンズの海』,学陽書房,1995年。
・秋道智邇『なわばりの文化史』、小学館、1995年。
・宇沢弘文「コモンズの理論-静学的および動学的外部性」(宇沢弘文・國則守生編『制度資本の経済学』、
東京大学出版会、1995年10月、PP.187~208)。
・ ・・・・・・・・
@「日本の沿岸漁業による水産資源の利用はコモンズである」
Ex. 「タイトなローカルコモンズ」として機能
(井上・宮内(2001))
Ex.コモンズとして機能するための共同体設計原理要件に適合
・コモンズの境界・領域が明らかであること
・利用主体が制限されていること
・利用主体によって構成される管理組織があること
・内法なるものが存在すること
・ ・・・・・・・
(オストロム(1990), Mckean(2003),室田(2004)、三俣(2005)ら)
③ コモンズとしての機能条件とは
日本沿岸漁業による沿岸資源利用がコモンズであることと、
それがなぜ資源管理に機能するか、は別命題。
「沿岸漁業の持続性は管理組織の態様に関係」
管理組織のより具体的な分析が必要
TAC、ITQ
図 漁業資源管理の三要素
婁(2003)
2) 漁業資源管理の三要素-手段・組織・制度
① 資源管理の三要素
民俗的管理 インフォーマルな制約
共同体管理
(コモン・ロー)
制度の諸形態
漁業権制度
許可制度
フォーマルな制約
TAC制度
(成文法)
管理権者管理(行政管理)
利用権者管理(自主管理)
管理の諸形態
住民参加型管理
協働型管理
コ・マネジメント ・・・・
@管理目標を実現するという共通の目的をもつ個々人の集合
であり、管理手段を駆使して管理活動を具体的に担う主体。
@調整メカニズムを内包し、市場や行政との連続性を具有。
自主的管理組織
(インフォーマル)
協議会
@組織形態
管理委員会・業界団体
(多様な存在)
行政機構
国際漁業管理機関・地域漁業管理機関 (フォーマル)
② 管理組織とは
① 自主管理組織数の推移
1339→1608
② 漁協・地区ベースの管理組織
3) 日本における漁業自主管理組織の存立形態
漁 業 協 同 組 合 単 一 435 32.5 452 29.7 463 26.7 413 25.7
漁 連 組 織 - - 76 5.0 106 6.1 109 6.8
漁 協 下 部 組 織 532 39.7 598 39.2 742 42.8 701 43.6
任 意 組 織 237 17.7 314 20.6 333 19.2 310 19.3
そ の 他 135 10.1 84 5.5 90 5.2 75 4.7
計 1339 100.0 1524 100.0 1734 100.0 1608 100.0
割合(%)
実数 実数 割合(%) 実数 割合(%)
1988年
実数 割合(%)
1998年
1993年 2003年
表 運営主体別管理組織構成
資料:農林水産省『漁業センサス』により作成。
注:1988年の「その他」の中には「漁連組織」が含まれている。
実数 割合(%) 実数 割合(%) 実数 割合(%)
1 漁 業 地 区 内 1344 88.2 1279 73.8 1062 66.0
1 市 区 町 村 内 316 18.2 366 22.8
複 数 の 市 区 町 村 122 7.0 157 9.8
都 道 府 県 の 全 域 13 0.7 16 1.0
複 数 の 都 道 府 県 4 0.2 7 0.4
計 1524 100.0 1734 100.0 1608 100.0
項目 1993年 1998年 2003年
表 漁業地区範囲別管理組織数
資料:農林水産省『漁業センサス』により作成。
③ 管理組織の設立契機 → 多様な目的
実数
割合(%)
実数
割合(%)
実数
割合(%)
漁獲量の減少への対応
974
63.9
1123
64.8
1071
66.6
漁 業 資 源 の 維 持 管 理
1221
80.1
1395
80.4
1296
80.6
漁 場 競 合 の 排 除
413
27.1
441
25.4
362
22.5
漁 業 者 間 の 競 争 排 除
639
41.9
648
37.4
567
35.3
漁 場 の 有 効 利 用
769
50.5
820
47.3
806
50.1
漁 場 利 用 の 均 等 化
533
35.0
572
33.0
512
31.8
そ
の
他
53
3.5
80
4.6
67
4.2
計
1524
100.0
1734
100.0
1608
100.0
2003年
1993年
1998年
項目
表 設立の契機別管理組織構成
資料:農林水産省『漁業センサス』により作成。
④ 管理組織の管理内容 → 複数の管理内容
実数 割合(%) 実数 割合(%) 実数 割合(%) 実数 割合(%)
ア)漁業資源の管理を行った組織 1000 74.7 1221 80.1 1462 84.3 1361 84.6
うち①資源量の把握 303 22.6 434 28.5 530 30.6 527 32.8
②漁獲(収穫)枠の設定 340 25.4 380 24.9 467 26.9 477 29.7
③漁業資源の増殖 841 62.8 983 64.5 1177 67.9 1067 66.4
④その他 49 3.7 90 5.9 204 11.8 112 7.0
⑤資源量把握と漁獲枠設定 152 11.4 196 12.9 234 13.5 254 15.8
イ)漁場の管理を行った組織 1236 92.3 1417 93.0 1624 93.7 1472 91.5
うち①漁場の保全 328 24.5 327 21.5 625 36.0 627 39.0
②漁場の造成 375 28.0 406 26.6 523 30.2 433 26.9
③漁場利用の取り決め 914 68.3 1091 71.6 1244 71.7 1168 72.6
④漁場の監視 865 64.6 964 63.3 1043 60.1 885 55.0
⑤その他 18 1.3 28 1.8 59 3.4 19 1.2
ウ)漁獲の管理を行った組織 1333 99.6 1514 99.3 1728 99.7 1592 99.0
うち①漁期の規制 708 52.9 1394 91.5 1568 90.4 1422 88.4
②漁法の規制 569 42.5 1078 70.7 1134 65.4 1141 71.0
③漁船隻数の規制 226 16.9 536 35.2 478 27.6 467 29.0
④漁船トン数・馬力数規制 267 19.9 465 30.5 495 28.5 498 31.0
⑤漁具の規制 495 37.0 1095 71.9 1230 70.9 1172 72.9
⑥出漁日数の規制 187 14.0 734 48.2 887 51.2 760 47.3
⑦操業時間の規制 202 15.1 1050 68.9 1177 67.9 1073 66.7
⑧操業人員の規制 124 9.3 378 24.8 342 19.7 309 19.2
⑨漁獲(収穫)サイズの規制 685 51.2 1300 85.3 1469 84.7 1365 84.9
⑩漁獲(収穫)量の規制 60 4.5 427 28.0 510 29.4 501 31.2
⑪その他の規制 40 3.0 172 11.3 152 8.8 66 4.1
計 1339 100.0 1524 100.0 1734 100.0 1608 100.0
2003年
1993年 1998年
1988年
項目
資料:農林水産省『漁業センサス』により作成。
表
漁業管理内容別管理組織構成
⑤ 管理組織の管理効果
実数 割合(%) 実数 割合(%) 実数 割合(%) 実数 割合(%)
漁 獲 量 の 安 定 873 65.2 970 63.6 1196 69.0 1004 62.4
0.84
漁 業 経 費 の 節 減 285 21.3 276 18.1 310 17.9 280 17.4
0.90
漁業者間の所得格差縮小 412 30.8 389 25.5 409 23.6 270 16.8
0.66
漁 業 経 営 の 安 定 605 45.2 674 44.2 792 45.7 695 43.2
0.88
魚 価 の 安 定 392 29.3 535 35.1 560 32.3 448 27.9
0.80
漁 獲 金 額 の 増 大 ・ 維 持 - - - - 447 25.8 381 23.7
0.85
操 業 秩 序 の 維 持 1128 84.2 1282 84.1 1377 79.4 1304 81.1
0.95
そ の 他 35 2.6 49 3.2 86 5.0 36 2.2
0.42
管 理 効 果 な し 30 2.2 42 2.8 26 1.5 49 3.0
1.88
計 1339 100.0 1524 100.0 1734 100.0 1608 100.0
0.93
項目 2003年
03年対
93年比
1993年 1998年
1988年
資料:農林水産省『漁業センサス』により作成。
表 管理効果の内容別延べ管理組織数
① 「良い管理」・「悪い管理」
@ 日本の沿岸漁業においても乱獲の存在
良い管理と悪い管理の存在
管理効果の組織間較差の存在
@ 管理効果の違いは管理組織の組織特性の違い?
@ アンケート調査による管理組織の特性分析
(婁、1996)
・ 組織の統合的コンティンジェンシー理論に基づく27問108項目の設問表
・ 全国514の「先進事例」といわれた管理組織に郵送質問表アンケート調査
・ 有効回答率39.6%(201標本)
4) 管理パフォーマンスと組織特性
@ 明確な組織構造
管理ルールやリーダー権限の明確化、構造化、意識共有・一体感など
@ 低い組織内コンフリクト
話し合い、根回し、妥協などの多様な解消法の存在
@ 適切な意思決定
自主提案、根回し、全員一致など
@ 管理見込み利益の優先的享受の保障
制度的・慣行的・権利主張的
@ 公平な利益配分
公平性重視の利益配分ルール
@ 公平な費用分担
受益者負担など
@ 適切なリーダーシップ
② 効果的な自主管理組織の組織特性
~アンケート分析からの抽出
表 漁業資源管理組織の組織特性と組織手法
③ 組織原理と組織特性
個別事例調査によって効果的な管理組織には組織特性を発揮
させるためのさまざまな組織原理・組織手法が開発