SGHグローバル講演会の報告
日 時:平成26年10月4日(土) 15:00~17:00 場 所:高志高校第1体育館 参加者:(1)高志高校 1年生(全員)、2年生(希望者)、保護者(希望者)、関係教職員 (2)敦賀高校(SGHアソシエイト校) 生徒(42名)、関係教員(3名) (3)その他 県教育委員会関係者、県内中学校・高等学校教職員 講 師:松本 茂 氏 立教大学経営学部国際経営学科教授・グローバル教育センター長 NHK「おとなの基礎英語」講師 演 題:「なぜ今、グローバル人材なのか ~高校生はどう学べばよいのか~」 内 容: 1.生徒プレゼンテーション 高志高校1年生普通科のSGH生徒が、ふるさと紹介を英語で行った。各クラスが紹介し た内容は以下の通り。 2組:福井のマスコット(へしこちゃん、ラプト、朝倉ゆめまる、はぴりゅう) 3組:福井の祭(三国花火) 4組:福井の食べ物(羽二重餅、お米のムース、越前蟹、ソースカツ丼) 5組:恐竜博物館 6組:福井の有名人(高橋愛、道端アンジェリカ、五木ひろし) 7組:福井のPR 戦略(福井駅舎外壁の恐竜ラッピング) 8組:福井の観光地(松島水族館、三国サンセットビーチ、東尋坊) 9組:福井の特産品(越前和紙、羽二重餅) 2.松本茂先生の御講演 (1)2050年の状況 現高校1年生は 53 歳になっており、世の中を背負っている。そのとき、世界の人口は 96 億(2014 年比 33 %増)であるのに対して、日本の人口は 97,000,000(2014 年比 34 %減)である。福井県の人口も、560,000(2014 年比 31 %減)となっている。 97,000,000 という数字は、1964 年の日本の人口とほぼ同じだが、年齢層の比率が全く違う。 1964 年は 6 %、2014 年は 25 %の高齢者(65 歳以上)が 2050 年には 40 %になる。2050 年は、20 ~64 歳の人 1.2 人で1人の高齢者を支える社会になっている。 このような社会が訪れることを見越して、これからをどのように進んでいくべきなのかを 考えてほしい。 (2)日本企業の状況 高齢化が進む状況で、日本の企業は市場を海外に求めるようになる。また、労働力確保の ため、海外に工場等を進出させるとともに、女性の登用、外国人の受け入れをさらに進める ようになる。 たとえば、ユニクロはアジアの店舗数がここ数年で3倍になった。楽天は、英語を社内公 用語としている。また、年功序列をやめるなど、従来のあり方から脱却しようとしている企 業も多い。 日本企業は、売り上げにおける海外比率を高め、海外の優秀な人材を確保する必要がある。 そのために、異文化に対応できる人材や行動力・リーダーシップのある人材が求められてい る。 (3)グローバル人材育成は企業のため? 今後、日本に居住する外国人は間違いなく増える。また、観光等で日本を訪れる外国人も 増加する。このような状況の中、グローバルマインドは誰にでも必要となる。また、異文化 体験は視野や発想を広げてくれ、精神的豊かさも増してくれる。 つまり、グローバル人材の育成は、企業のためだけに行うのではなく、これからの時代を 生きていく人たちに不可欠なものである。 (4)日本の大学の状況 日本の大学の国際的な評価は下がってきている。そのため、交換留学協定を結びにくい、 優秀な日本人高校生が海外大学に進学する、優秀な留学生が集まらない、などの弊害が出始 めている。 このような問題を解決するため、世界と競える大学づくりを目指そうと「スーパーグロー バル大学」に37 校が指定された。 (5)高校・大学を国際水準に 「スーパーグローバル大学」だけでなく、「スーパーグローバルハイスクール」に56 校が、 同アソシエイト校に 54 校が指定された。世界に通用するグローバルなマインドと能力を育成 するため、高志高校においても先進的な学習活動が行われていくだろう。生徒の皆さんは、 プライドを持って、取り組んでほしい。
(6)小学校~高校における英語教育の強化 小学校5・6年において「英語」が教科になり、3・4年生で「外国語活動」が導入され る。中学校の英語の授業では、「授業を英語で行うことを基本とする」ことが定められ、高校 においては活動の高度化(発表、討論、交渉など)が求められる。 このような指導の流れによって、将来的には、大学に入ったらすぐに各専門科目の授業を 英語でスタートできるようになると良いと思われる。 (7)大学入試の英語 2016 年2月実施分の入試から、外部検定試験(4技能型)を採用する大学が増える。使用 される検定としては、GTEC CBT, TEAP, IELTS, TOEFL iBT, TOEIC が 想定される。
英語授業の改革やスーパーグローバルハイスクールの取り組みで行われる英語による活動 が、大学入試にもつながることになるので、入試への不安を感じることはない。 (8)学び方を変えよう 「教わる」から「学ぶ」へ、学びの質を変えるべき時である。反転授業、課題探求型学習、 課題基盤型学習(PBL)、アクティブラーニングなどがますます行われていくべきである。具 体的な方法としては、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッション、レポートライ ティングなどが挙げられる。 生徒は、このことの趣旨を理解して、新しい学びに主体的に取り組もうとすることが大切 である。従来の学習スタイルから脱却して、自分たちで考え意欲的にリサーチ等に取り組ん で、主体的に学習し、ものごとを批判的にとらえられるようになることを目指そう。 グループで協働して取り組むことは、将来の大学や社会における学びに非常に有利に働く。 (9)育成したい力 スーパーグローバルハイスクールで育てたい力としては、まず、正解のない課題に対しチ ームとして提案を考える過程において必要とされるリーダーシップがある。また、「常識」を 疑う批判的思考力、異文化で育った人と対等に議論しあえる力(ディベート力、即話力、異 文化コミュニケーション力)も育成したい。不測の事態において臨機応変に対応できる柔軟 性も必要だ。 前述の「学びのプロセス」を数多く経験することが大切で、その結果として必要な知識も 吸収してほしい。 (10)英語の学習 「英語の知識を知っている」から「英語を使える(4技能)」へ変化させよう。そのために、 自宅での独習と学校での協働学習の両方が必要である。また、アウトプットを想定したイン プットを心がけよう。「覚えてから使う」のではなく、「使いながら定着させる」ということ が肝心だ。さらに、英語で英語を学ぶこと、英語で他教科を学ぶことも重要である。 最後に、英語学習に関する「発想の転換」を示す。
①できるだけ英語は英語で勉強すること。 できるだけ日本語を介在させない。翻訳作業の時間を省く。 ②日本語表現に対応する英語表現が1つあると考えるのをやめる。 「協力 = cooperation 」 だけではない。自分の持っている英語力で勝負しよう。 ③英語を話すときは辞書を使わず、書く時は英々辞典、英和辞典を使おう。 話す時は即話力、書くときは時間をかけて正しい表現を心がける。 ④インプットもアウトプットも量を確保する。 易しめの英語をたくさん読んで、たくさん聞く。その内容や感想などを、英語で話した り書いたりする。このようにして英語に触れた量に比例して、英語の力がついてくる。 ⑤英語を使ってコミュニケーションするためには、情報と意見を持っていることが大事。 他教科の勉強をしっかりやろう。新聞を読んだり、ニュースを見たりすることも大事だ。 そこで学んだ内容を自分の言葉で(できれば英語で)言えるようにしよう。 以上のことを念頭に置き、今からやるべきことに高い志を持って取り組んで、世界へと羽 ばたいてほしい。Good luck! 3.質疑応答 (1)高志高校生より Q:インドネシアでたこ焼きが人気だというニュースを見た。イスラム教の戒律で、アル コールを含むみりんを使うことができないため、アルコールを含まない調味料を使っ てたこ焼きを作っているということだった。日本のものを海外に伝えようとすること は良いと思うが、海外の事情に合わせて作り替えると日本の文化がそのままは伝わら ないと思う。このことについて、松本先生はどう思われるか。 A:みりんの使用を伝えずに商品を売ることは、現地の文化を冒涜することになるので、 絶対にやってはならない。現地の文化を尊重しビジネスとしても成立させなければな らないならば、代替品を使うことが必要となる。その際、現地の人に立ち会ってもら い、アルコール成分は入っていないという認証(ハラル認証)をもらうようにしなけ ればならない。このように、製造・販売者、消費者の両方がハッピーになる方法を探 ることが大切だ。 (2)敦賀高校生より Q:松本先生は、高校時代は陸上競技に熱心だったとのことだが、英語の勉強はいつされ たのか。 A:高校3年生から勉強した。きっかけは、当時の大学生による英語ディベートを見て、「す ごい!」と思ったから。英語を丸暗記してテストでよい点数をとることにはあまり興 味がなかったが、こういうことならやってみたいと思った。それ以来、NHK の英会話 番組等で一生懸命勉強した。その頃、初めて英々辞典を手に入れて、それを使って勉
強するようになった。英語を読んで、その内容を自分の言葉でまとめるなどの学習に も取り組んだ。大学に入ってからは英語クラブに所属し、英語のスピーチやディスカ ッションなどに取り組んだ。 4.生徒発表・講演会の様子 (1)生徒発表 (2)松本茂先生の御講演